JP2013118234A - 圧電アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電素子の面内応力を安定に維持できる圧電アクチュエータ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータは、カンチレバー111,112を有するベース基板10と、カンチレバー上に形成された圧電素子D1とを具備する。圧電素子D1は、下部電極層L1と、下部電極層L1の上に形成される圧電層L3と、圧電層L3の上に形成された導電性酸化物層L21を含む上部電極層L2とを有する。導電性酸化物層L21は、共有性結合ないしイオン性結合を有するため塑性変形が少なく、応力緩和が起こりにくい。このため、圧電アクチュエータの繰り返し動作によっても、成膜後の内部応力(膜応力)を長期にわたって安定に維持することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電素子を駆動部に用いる圧電アクチュエータ及びその製造方法に関する。
圧電駆動されるカンチレバーを備えたアクチュエータとして、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチや可変キャパシタ、更にはこれらを組み合わせた可変フィルタ等が知られている。例えば下記特許文献1には、圧電駆動型のMEMSスイッチが記載されている。圧電駆動型のMEMSスイッチにおいては、材料物性の一つである圧電定数が高いほど駆動電圧の低電圧化につながる。このため高い圧電性を示すペロブスカイト結晶構造とするため、例えば代表的な圧電材料であるPZTの場合には高温での成膜ないし再結晶化処理が行われる。この高温での成膜ないし再結晶化処理は、圧電材料の特性向上には寄与する一方で、下部電極との線膨張係数のミスマッチ等による内部応力が変化して、カンチレバーに変形(反り)を生じさせる。
そこで例えば下記特許文献2には、カンチレバーの一端を固定する基板の固定部を三角形状に凹ませることで、カンチレバーの反りを低減する構成が記載されている。さらに下記非特許文献1には、圧電カンチレバーの上部電極であるPt膜上に強い圧縮応力を有するTa膜を成膜することで、カンチレバーの反り制御を行う方法が記載されている。
一方、下記特許文献3には、圧電特性の高いペロブスカイト結晶構造を得ることを目的として、下部電極層はニッケル酸ランタンを主成分とする導電性酸化物で構成し、圧電体層は、液相成長法で形成されたチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするペロブスカイト型酸化物強誘電体材料で構成することが記載されている。
特開2010−177143号公報 特開平6−273160号公報 特開2009−54934号公報
近藤龍一、他3名 「PZT圧電カンチレバーの反り制御」 第21回応用物理学会学術講演会予稿集 第67巻第2号第524頁 発行日2006年8月29日
圧電素子の応力制御に金属層を使用する上記非特許文献1に記載の方法では、当該金属層の塑性変形や繰り返し動作に伴うクリープ現象により当該金属層の内部応力が緩和されてしまい、初期設定した応力制御量が変化してカンチレバーに反りを生じさせる場合がある。この場合、圧電駆動型MEMSスイッチにおいては、繰り返し動作によって、カンチレバーに接続された可動端子と、当該可動端子と対向する固定端子(信号線)との距離が変化してしまい、結果としてオン動作させるときのスイッチ駆動電圧が変化することになる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、圧電素子の面内応力を安定に維持できる圧電アクチュエータ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る圧電アクチュエータは、ベース基板と、圧電素子とを具備する。
上記ベース基板は、ベース部と、上記ベース部に固定される第1の端部を有するカンチレバーとを含む。
上記圧電素子は、上記カンチレバーを弾性変形させることが可能であり、上記カンチレバーの上に形成される第1の電極と、上記第1の電極の上に形成される圧電層と、上記圧電層の上に形成された第1の導電性酸化物層を含む第2の電極とを有する。
本発明の一形態に係る圧電アクチュエータの製造方法は、ベース基板上のカンチレバーの形成領域に第1の電極を形成することを含む。
上記第1の電極の上に、面内引張り方向の内部応力を有する材料からなる圧電層が形成される。
上記圧電層の上に、面内圧縮方向の内部応力を有する導電性酸化物層を含む第2の電極が形成される。
上記ベース基板をエッチング加工することで、上記カンチレバーが形成される。
本発明の第1の実施形態に係る圧電アクチュエータの概略構成を示す平面図である。 図1における[A1]−[A1]線方向の断面図である。 図1における[A2]−[A2]線方向の断面図である。 上記圧電アクチュエータの作用を説明する断面図である。 上記圧電アクチュエータに適用される圧電素子の構成を示す概略断面図である。 上記圧電素子の各層が有する内部応力の面内方向を示す模式図である。 上記圧電アクチュエータの構造及び製造方法を説明する各工程の要部断面図である。 上記圧電アクチュエータの構造及び製造方法を説明する各工程の要部断面図である。 上記圧電アクチュエータの構造及び製造方法を説明する各工程の要部断面図である。 上記圧電素子の上部電極層をそれぞれ構成する金属層及び導電性酸化物層の関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る圧電素子の構成を示す概略断面図である。
本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータは、ベース基板と、圧電素子とを具備する。
上記ベース基板は、ベース部と、上記ベース部に固定される第1の端部を有するカンチレバーとを含む。
上記圧電素子は、上記カンチレバーを弾性変形させることが可能であり、上記カンチレバーの上に形成される第1の電極と、上記第1の電極の上に形成される圧電層と、上記圧電層の上に形成された第1の導電性酸化物層を含む第2の電極とを有する。
上記圧電アクチュエータにおいて、圧電層の上に形成される第2の電極は、導電性酸化物層を含む。導電性酸化物は、金属結合ではないため塑性変形が少なく、応力緩和が起こりにくい。このため、圧電アクチュエータの繰り返し動作によっても、成膜後の内部応力(膜応力)を長期にわたって安定に維持することができる。また、導電性を有するため圧電素子に印加される電圧の分圧は招かず、したがって圧電素子の駆動電圧の変化を抑えることができる。
第1の導電性酸化物層が有する内部応力は、素子作製後においてカンチレバーの反り量が所定の範囲内となるように設定される。第1の導電性酸化物層の内部応力は、膜厚、成膜条件等によって調整することができる。第1の導電性酸化物層の内部応力は、圧電層の内部応力の大きさ、カンチレバーの長さ、許容されるカンチレバーの反り量等に応じて適宜設定することができる。
上記第1の導電性酸化物層は、圧電層の内部応力の方向(引張り方向あるいは圧縮方向)に応じて選択することができる。例えば、圧電層が、面内引張り方向の内部応力を有する材料で構成される場合、上記第1の導電性酸化物層は、面内圧縮方向の内部応力を有する材料で構成される。これにより、圧電層の内部応力を緩和し、カンチレバーの変形あるいは反りを抑制することができる。
面内引張り方向の内部応力を有する圧電材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が挙げられる。また、面内圧縮方向の内部応力を有する導電性酸化物としては、例えば、ニッケル酸ランタン(LNO:LaNiO3)が挙げられる。LNOは、ペロブスカイト結晶構造を有し、更にその格子定数は3.84ÅとPZTの格子定数(4.01Å)に近い。このため、圧電層との間に歪が少ない界面構造を形成することができる。
この場合、第2の電極は、第1の導電性酸化物層の上に形成された、面内引張り方向の内部応力を有する金属層をさらに含んでもよい。このように第2の電極を第1の導電性酸化物層と金属層との積層構造とすることで、これら各層の厚みや成膜条件を踏まえた応力設計の最適化を図ることができる。
上記金属層には、例えば、Pt/Ti膜を用いることができる。Ti膜は密着層として形成される。典型的にはこれらの金属膜はスパッタ法で成膜されるが、成膜温度によって内部応力の方向が異なる。例えば、Pt膜は、室温で成膜したときの内部応力は面内圧縮方向を示し、例えば200℃以上で成膜したときの内部応力は面内引張り方向を示す。
上記第1の電極は、面内圧縮方向の内部応力を有する第2の導電性酸化物層を含んでもよい。上記第2の導電性酸化物は、例えば、ペロブスカイト構造を有するLNOで構成することができる。これをPZT系の圧電層の下地として用いることで、圧電層の配向性が高まり、優れた圧電特性を得ることができる。
上記圧電アクチュエータは、可動端子と、信号線路とをさらに具備してもよい。上記可動端子は、上記カンチレバーの第2の端部に接続される。上記信号線路は、上記ベース部に接続され、上記圧電素子の駆動による上記カンチレバーの変形時に上記可動端子と接触可能な固定端子を有する。
上記圧電アクチュエータによれば、繰り返し動作による可動端子と固定端子との距離の変化を防止することができるため、スイッチ駆動電圧の変動を抑制し、長期にわたり安定したスイッチング動作を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータの製造方法は、ベース基板上のカンチレバーの形成領域に第1の電極を形成することを含む。
上記第1の電極の上に、面内引張り方向の内部応力を有する材料からなる圧電層が形成される。
上記圧電層の上に、面内圧縮方向の内部応力を有する導電性酸化物層を含む第2の電極が形成される。
上記ベース基板をエッチング加工することで、上記カンチレバーが形成される。
上記製造方法によれば、導電性酸化物層によって圧電層の内部応力を緩和することができるため、カンチレバーの変形あるいは反りを抑制することができる。特に導電性酸化物は、金属結合を有しないため塑性変形が少なく、応力緩和が起こり
にくいため、圧電アクチュエータの繰り返し動作によっても、成膜後の内部応力(膜応力)を長期にわたって安定に維持することができる。さらに圧電素子の最上層を構成する第2の電極に上述したような応力制御機能をもたせているため、製造プロセスの最終工程に近い段階で圧電素子の内部応力を調整することができる。
上記第2の電極を形成する工程は、上記圧電層の上に、上記導電性酸化物層を形成し、上記導電性酸化物層の上に、面内引張り方向の内部応力を有する金属層を形成することを含んでもよい。これにより第2の電極を構成する各層の厚みや成膜条件を踏まえた応力設計の最適化を図ることができる。
上記金属層の成膜温度は、200℃以上とすることができる。これにより金属層の内部応力を面内引張り方向に制御することができる。また、当該金属層の成膜温度を200℃以上とすることにより、例えば当該圧電アクチュエータのリフロー実装時における上記内部応力の緩和を防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態では、圧電アクチュエータとして、例えば携帯電話等の無線通信機器に搭載され、高周波信号を通過状態と開放状態とに切り替える圧電駆動型MEMSスイッチに適用した例を説明する。
なお以下の実施形態では各部の構成に具体的な数値を挙げて説明するが、当該数値はあくまでも一例であり、これらに限定されることはない。また理解及び説明を容易にするため、図示する各部の大きさや厚みの比率は、実際とは異なる比率で描かれている。
<第1の実施形態>
[圧電アクチュエータの構成]
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態に係る圧電アクチュエータの概略構成を示しており、図1は当該圧電アクチュエータの平面図、図2は図1における[A1]−[A1]線方向の断面図、図3は図1における[A2]−[A2]線方向の断面図、図4は当該圧電アクチュエータの一動作例を示す断面図である。各図において、X軸及びY軸方向は相互に直交する水平方向を示し、Z軸方向はX軸及びY軸に直交する高さ方向を示している。本実施形態において圧電アクチュエータは、圧電駆動型MEMSスイッチ(圧電スイッチ)として構成されている。
本実施形態の圧電アクチュエータ1は、ベース基板10と、可動部11と、信号線路12と、一対の接地線路131,132とを有する。
可動部11は、第1のカンチレバー111と、第2のカンチレバー112と、可動端子113と、第1の圧電駆動部114と、第2の圧電駆動部115とを有する。圧電アクチュエータ1は、後述するように、可動端子113が信号線路12から離間した状態(図2)と、可動端子113が信号線路12と接触する状態(図4)とを切り替えるスイッチング機能を有する。
ベース基板10は、ベース部110と、ベース部110にそれぞれ一端が固定された第1及び第2のカンチレバー111,112とを有する。ベース基板10は、X軸及びY軸の平行な表面101と裏面102とを有する単結晶シリコン基板(弾性層)で構成される。ベース基板10の表面101は、例えば熱酸化膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜103で被覆されている。ベース部110は、可動部11を収容する開口部104を有する。
第1のカンチレバー111及び第2のカンチレバー112は、それぞれX軸方向に延びる弾性変形可能な材料で構成され、本実施形態では単結晶シリコンで構成される。第1及び第2のカンチレバー111,112は、それぞれ同一の長さ(X軸方向)、幅(Y軸方向)及び厚み(Z軸方向)を有し、開口部104内の同一平面上にX軸方向にそれぞれ対向するように設けられる。カンチレバー111,112各々の一端111a,112aは、開口部104の周縁に固定され、他端111b,112bは、X軸方向に相互に対向している。
第1及び第2のカンチレバー111,112の長さ、幅及び厚みは特に限定されず、例えば、長さ50〜750μm、幅20〜400μm、厚み2〜10μmであり、本実施形態では、長さ550μm、幅200μm、厚み5μmである。
第1のカンチレバー111と第2のカンチレバー112との間には、可動端子113を支持する支持体117が設けられている。支持体117は、第1のカンチレバー111と第2のカンチレバー112と同一の平面上に形成されており、第1の連結部117aと、第2の連結部117bと、支持部117cと、中間層117dとを有する。第1の連結部117a、第2の連結部117b及び支持部117cは、第1及び第2のカンチレバー111,112と同一の平面内において同一の厚みで形成されている。
第1の連結部117aは第1のカンチレバー111の他端111bに接続され、弾性変形可能なヒンジ構造を有する。第2の連結部117bは第2のカンチレバー112の他端112bに接続され、弾性変形可能なヒンジ構造を有する。支持部117cは第1及び第2の連結部117a,117bを介して第1及び第2のカンチレバー111,112にそれぞれ連結され、絶縁膜103及び中間層117dを介して可動端子113を支持する支持面を形成する。第1及び第2の連結部117a,117bは、第1及び第2のカンチレバー111,112に対する支持部117cの変形を許容できる適宜の形状に形成され、その形態は特に限定されない。
中間層117dは、導電体であってもよいし絶縁体であってもよい。ベース基板10の表面101に形成される各種機能層(導電層、誘電体層)の構成材料で中間層117dが形成されてもよい。また、中間層117dは単層構造に限られず、積層構造であってもよい。さらに中間層117dの厚みは、特に限定されず、スイッチオフ状態における可動端子113と固定端子120との間に設定されるギャップ(高さHに相当)の大きさに応じて適宜設定可能である。
本実施形態では、中間層117dは、後述する第1及び第2の圧電駆動部114,115と同一の積層体で構成される。この場合、中間層117dは、第1及び第2の圧電駆動部114,115と同時に形成される。これにより中間層117dの形成工程を別途設ける必要がなくなるため、工程数増による生産性の低下を招かない。中間層117dは、第1及び第2の圧電駆動部114,115と電気的に接続されることはなく、支持部17c上に独立して形成される。このため、第1及び第2の圧電駆動部114,115の駆動時に中間層117dの変形は生じず、可動端子113と固定端子120との間の安定した接触状態を確保することができる。
可動端子113は、導電材料で構成され、典型的には金属材料で構成されるが、導電性酸化物等の非金属材料であってもよい。本実施形態では、密着層としてのTi(チタン)膜とその上に形成された電極層としてのPt(白金)膜とで可動端子113が構成される。純Pt膜は、高硬度であるとともに、成膜が比較的容易であるため生産性に優れるという利点がある。また上記電極層は、Pt/Ir(Ir含有量、例えば10at%以下))合金で構成されてもよく、これにより高硬度かつ耐摩耗性に優れる可動端子を形成することができる。さらに上記電極層は、Pt系材料以外にも、純AuやAu合金を含むAu系材料で構成されてもよい。純Auは低抵抗であるため、信号線路12との接触抵抗を低減することができる。またAu合金としては、Au/Ni合金(Ni含有量、例えば5at%以下)、Au/Ag合金(Ag含有量、例えば40at%以下)等が挙げられる。Au/Ni合金は高硬度かつ耐摩耗性に優れ、Au/Ag合金は低抵抗であるという利点を有する。上記密着層には、Ti以外にも、TiW、TiN、TiO、Cr等が用いられてもよい。可動端子113は、絶縁膜103及び中間層117dを介して支持部117cの上に形成され、その厚みは特に限定されず、例えば0.2μmである。
ベース基板10は、単一層のシリコン基板で構成されてもよいが、本実施形態では、第1のシリコン基板10Aと第2のシリコン基板10Bとの積層構造を有するSOI(Silicon On Insulator)基板で構成される。
第1のシリコン基板10Aは、第1及び第2のカンチレバー111,112と同一の厚みで形成される。第1のシリコン基板10Aの厚みは特に限定されず、例えば2μm〜10μmであり、本実施形態では5μmである。第2のシリコン基板10Bは、ベース基板10の厚みの主要部をなし、ハンドリング性を確保できるのに十分な厚みで形成される。第2のシリコン基板10Bの厚みは特に限定されず、例えば100μm〜750μmであり、本実施形態では500μmである。第1のシリコン基板10Aと第2のシリコン基板10Bとは接合層10Cを介して相互に接合される。接合層10Cは、例えばシリコン酸化膜で構成される。
第1のカンチレバー111、第2のカンチレバー112及び支持体117は、第1のシリコン基板10Aを形状加工することで形成される。本実施形態では後述するように、第1のシリコン基板10Aの表面に形成されたレジストパターンをマスクとするドライエッチング又はウェットエッチングを施すことによって、第1のシリコン基板10Aの面内に第1のカンチレバー111、第2のカンチレバー112及び支持体117がそれぞれ形成される。したがって、第1のカンチレバー111、第2のカンチレバー112及び支持体117の各々の表面は、ベース基板10の表面101と同一の平面で形成される。
開口部104は、上述のエッチング加工によって形成された、第1のシリコン基板10Aを貫通するスリット104a(図1)と、第2のシリコン基板10Bに形成された凹部104b(図2)とによって構成される。凹部104bは、第2のシリコン基板10Bに対してドライエッチング又はウェットエッチングを施すことによって形成される。凹部104bは、可動部11をベース基板10の裏面102側に露出させるのに十分な大きさに形成される。これにより、可動部11の開口部104内におけるZ軸方向への変形が許容される。
第1の圧電駆動部114及び第2の圧電駆動部115は、絶縁膜103を介してベース基板10の表面101に形成される。第1及び第2の圧電駆動部114,115はそれぞれ同一の構成を有しており、図2に示すように下部電極層L1、上部電極層L2、及び、下部電極層L1と上部電極層L2との間に形成された圧電層L3の積層膜で構成される。
第1及び第2の圧電駆動部114,115は、X軸方向に長手方向を有する略矩形状に形成され、第1のカンチレバー111及び第2のカンチレバー112の表面にそれぞれ形成される。第1及び第2の圧電駆動部114,115は、下部電極層L1と上部電極層L2との間に所定の電圧を印加し、圧電層L3を収縮させることで、第1及び第2のカンチレバー111,112をZ軸方向に変形させる。このように第1及び第2の圧電駆動部114,115は、可動端子113が信号線路12に接触する第1の状態(本例ではスイッチオン状態)と、可動端子113が信号線路12から離間する第2の状態(本例ではスイッチオフ状態)とを切り替えることが可能に構成される。
第1及び第2の圧電駆動部114,115は、それぞれ同期して駆動される。例えば第2の圧電駆動部115は、第1の圧電駆動部114と同期して支持体117(可動端子113)をZ軸方向に移動させるように構成される。典型的には、スイッチオン状態のときは第1及び第2の圧電駆動部114,115へ同時に駆動電圧が入力され、スイッチオフ状態のときは第1及び第2の圧電駆動部114,115への駆動電圧の入力が同時に解除される。
なお、第1及び第2の圧電駆動部114,115は、第1及び第2のカンチレバー111,112の裏面側にそれぞれ形成されてもよい。この場合、圧電層が伸長するように各電極層に電圧を印加することで、各々のカンチレバー111,112を変形させることができる。
下部電極層L1及び上部電極層L2は、図示しない駆動回路に接続される端子層T1,T2をそれぞれ有する。上記駆動回路は、典型的には、直流回路で構成されるが、パルス発振回路で構成されてもよい。下部電極層L1及び上部電極層L2のうち一方は、基準電位に接続され、他方に正電圧源あるいは負電圧源に接続される。基準電位は接地電位でもよいし、所定のバイアス電位であってもよい。
第1及び第2の圧電駆動部114,115はそれぞれ同一の構成を有し、本実施形態では図5に示す断面構造を有する圧電素子D1で構成される。圧電素子D1は、絶縁膜103の上に、下部金属層L11、下部導電性酸化物層L12、圧電層L3、上部導電性酸化物層L21及び上部金属層L22が順に積層された構造を有する。圧電素子D1の下部電極層L1は、下部金属層L11と下部導電性酸化物層L12との積層体に相当し、上部電極層L2は、上部導電性酸化物層L21と上部金属層L22との積層体に相当する。
下部金属層L11及び上部金属層L22の構成材料は特に限定されず、本実施形態においては密着層としてのTi膜とその上に形成されたPt膜とでそれぞれ構成される。下部金属層L11の厚みは、例えば約0.2μm、上部金属層L22の厚みは、例えば約0.1μmである。
下部導電性酸化物層L12及び上部導電性酸化物層L21の構成材料も特に限定されず、本実施形態においてはLNO(LaNiO3:ニッケル酸ランタン)でそれぞれ構成される。厚みは特に限定されず、それぞれ例えば0.18μmである。本実施形態において上部導電性酸化物層L21及び上部金属層L22は、圧電素子D1の内部応力を制御する応力制御層として機能する。これにより圧電素子D1の有する内部応力を一定に保持することができる。
圧電層L3は、本実施形態では厚み約1.5μmのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)で構成される。PZTの組成比は化学量論組成であってもよいし、化学量論組成よりも酸化度が低い組成であってもよい。圧電層L3の厚みは特に限定されず、材料や目的とする圧電性能等に応じて適宜設定可能である。PZTの成膜方法も特に限定されず、本実施形態ではゾルゲル法が用いられるが、これ以外にも、スパッタ法、MOCVD法等のドライプロセス、あるいは液相成長法等のウェットプロセスが適用可能である。
次に、信号線路12及び接地線路131,132について説明する。
信号線路12及び接地線路131,132は、絶縁膜103を介してベース基板10の表面101にそれぞれ形成される。信号線路12は、ベース基板10に形成された図示しない信号端子に電気的に接続され、接地線路131,132は、ベース基板10に形成された図示しない接地端子に電気的に接続される。信号線路12は、所定の無線通信帯域の高周波信号を伝送する線路として構成される。信号線路12及び接地線路131,132はそれぞれY軸方向に沿って平行に形成されている。接地線路131,132は信号線路12を挟むようにして、信号線路12に関して対称な位置にそれぞれ配置される。これにより、GSG(Ground-Signal-Ground)配線構造を有するコプレーナ線路型線路CPWが形成される。
信号線路12は一定の線幅で形成され、その大きさは特に限定されず、例えば20〜500μmであり、本実施形態では180μmである。信号線路12は、ベース基板10の開口部104をY軸方向に跨ぐ固定端子120を有する。固定端子120は、可動部11(可動端子113)の直上にアーチ形状に形成され、可動端子113とZ軸方向に対向する。固定端子120の中央位置には、Y軸方向にそれぞれ対向する一対の端子部121,122が形成される。
一対の端子部121,122間の間隙は、Y軸方向に沿った可動端子113の幅寸法よりも小さく、また端子部121,122各々の先端部は、ベース基板10の表面101からほぼ同一の高さ位置に形成されている。すなわち、可動部11の駆動により可動端子113が信号線路12の固定端子120に向かって移動した際、可動端子113は、一対の端子部121,122に接触するように構成されている。
可動端子113の上記幅寸法及び端子部121,122間の間隙の大きさは特に限定されず、例えば、上記幅寸法は30〜300μm、上記間隙は30〜200μmの範囲に設定することができる。本実施形態では、可動端子113の上記幅寸法は150μm、端子部121,122間の間隙の大きさは30μmである。
接地線路131,132は、ベース基板10の開口部104をY軸方向に跨ぐ接地線路部130をそれぞれ有する。これら接地線路部130は、可動部11(第1及び第2の圧電駆動部141,142)の直上にそれぞれアーチ状に形成される。各接地線路部130はほぼ同一の形状を有し、例えば、可動部11と対向する領域が平面となるように頂部が平坦な面で形成される。
接地線路131,132は一定の線幅で形成され、その大きさは特に限定されず、例えば100〜1500μmであり、本実施形態では400μmである。また、X軸方向に相互に対向する信号線路12と接地線路131,132との間隔の大きさも特に限定されず、例えば5〜250μmであり、本実施形態では80μmである。
信号線路12及び接地線路131,132は、抵抗率の低い金属材料で形成され、本実施形態ではAu(金)で構成される。信号線路12及び接地線路131,132の厚みは特に限定されず、本実施形態では約6μmである。
本実施形態において、信号線路12及び一対の接地線路131,132は、ベース基板10の表面101においてそれぞれ同一平面上に形成され、固定端子120及び接地線路部130もまた、可動部11の表面(ベース基板11の表面101)に対してそれぞれ同一の高さ位置に形成されている。また本実施形態においては、可動端子113と固定端子120との間のギャップ(高さHに相当)の大きさは6μmに設定される。
本実施形態の圧電アクチュエータ1は、例えば図示しない実装基板(配線基板)と電気的に接続される外部接続端子を有する。上記外部接続端子は、信号線路12に接続される上記信号端子、接地線路131,132に接続される上記接地端子、第1及び第2の圧電駆動部114,115の端子層T1,T2等で構成されてもよいし、これらに電気的に接続される他の複数の端子であってもよい。実装方式も特に限定されず、ワイヤボンディング方式でもよいし、フリップチップ方式であってもよい。
また本実施形態の圧電アクチュエータ1は、図示しない制御回路によってその駆動が制御される。圧電アクチュエータ1は、例えば上記実装基板上の配線パターンを介して上記制御回路と電気的に接続される。上記制御回路は、例えば駆動回路を含むコンピュータで構成され、当該圧電アクチュエータ1に専用の制御回路であってもよいし、当該圧電アクチュエータ1が搭載される通信機器の動作を全体的に制御するコントローラの一部であってもよい。
次に、以上のように構成される圧電アクチュエータ1の典型的な動作について説明する。
本実施形態の圧電アクチュエータ1は、図2に示すスイッチオフ状態では、信号線路12の固定端子120は距離Hをおいて可動端子113と対向する。これにより、信号線路12の開放状態が維持され、信号の伝送が遮断される。
一方、第1及び第2の圧電駆動部114,115に所定の駆動電圧が印加されることにより、可動部11に、第1及び第2のカンチレバー111,112をZ軸方向に弾性変形させる駆動力が発生する。第1及び第2のカンチレバー111,112の変形により可動端子113は固定端子120に接触し、圧電アクチュエータ1は、図2に示すスイッチオフ状態から図4に示すスイッチオン状態に遷移する。これにより信号線路12が通過状態となり、信号線路12を介して信号が伝送される。
本実施形態の圧電アクチュエータ1は、信号線路12及び接地線路131,132は、上述した構成のコプレーナ型線路CPWを構成しているため、スイッチオン状態において、高周波において生じるインピーダンス不整合に起因した信号の反射を防止し、高性能な高周波伝送特性を得ることができる。
一方、本実施形態の圧電アクチュエータにおいては、第1及び第2の圧電駆動部114,115を構成する圧電素子D1の上部電極層L2は、図5に示すように上部導電性酸化物層L21を含むため、第1及び第2のカンチレバー111,112の反り量を容易に制御することができる。
すなわち、第1及び第2のカンチレバー111,112の上に積層される各層は、所定の内部応力(膜応力)を有する。この内部応力の大きさ、方向(引張り方向あるいは圧縮方向)は、材料、膜厚、成膜条件等によって異なるものの、これら各層の面内応力の総和によって第1及び第2のカンチレバー111,112の変形あるいは反りの量が左右される。図6は、絶縁膜103及び圧電素子D1を構成する各層の内部応力の面内方向を示す模式図である。絶縁膜103、下部金属層L11、下部導電性酸化物層L12及び上部導電性酸化物層L21はそれぞれ面内圧縮方向の内部応力を有し、圧電層L3及び上部金属層L22はそれぞれ面内引張り方向の内部応力を有する。
ここで上部電極層を金属層のみで構成した場合、当該金属層の内部応力によって圧電層L3以下の各層の面内応力を緩和し、基材(カンチレバー)の反り量を抑えることになる。しかしながら、当該金属層の塑性変形やクリープ現象によって当該金属層の内部応力が変化してしまい、初期設定した応力制御量が変化して基材に反りを生じさせる場合がある。こうなると、圧電MEMSスイッチの場合においては、繰り返し動作によってカンチレバーの反り量が変化し、これが原因で可動端子と固定端子との間の距離が変化する結果、オン動作させるときのスイッチ駆動電圧が変化することになる。
そこで本実施形態では、上部電極層L2は上部導電性酸化物層L21で構成される。導電性酸化物は、共有性結合ないしイオン性結合を有するため塑性変形が少なく、応力緩和が起こりにくい。このため圧電アクチュエータ1の繰り返し動作によっても、成膜後の内部応力(膜応力)を長期にわたって安定に維持することができる。これにより可動端子113と固定端子120との距離の変化を防止することができるため、スイッチ駆動電圧の変動を抑制し、長期にわたり安定したスイッチング動作を確保することができる。また、導電性を有するため圧電素子D1に印加される電圧の分圧は招かず、したがって圧電素子D1の駆動電圧の上昇を抑えることができる。
上部導電性酸化物層L21が有する内部応力は、圧電素子D1の作製後においてカンチレバー111,112の反り量が所定の範囲内となるように設定され、その大きさは、膜厚、成膜条件等によって調整することができる。上部導電性酸化物層L21の内部応力は、圧電層L3の内部応力の大きさ、カンチレバー111,112の長さ、許容されるカンチレバー111,112の反り量等に応じて適宜設定することができる。
本実施形態では、上部導電性酸化物層L21がLNOで構成される。LNOは、成膜後において面内圧縮方向の内部応力を有するため、面内引張り方向の内部応力を有する圧電層L3の応力緩和層として有効に機能させることができる。またLNOは、ペロブスカイト結晶構造を有し、更にその格子定数は3.84ÅとPZTの格子定数(4.01Å)に近い。このため、圧電層L3との間に歪が少ない界面構造を形成することができる。
さらに本実施形態では、上部電極層L2に上部金属層L22を含む。上部金属層L22の内部応力は、面内引張り方向でもよいし、面内圧縮方向でもよく、上部電極層L2の成膜後に残留する積層体の内部応力の向きによって適宜選択することができる。本実施形態では、面内引張り方向の内部応力を有する金属層が上部金属層L22として用いられる。これにより、上部導電性酸化物層L21として用いられるLNOの内部応力が、下地の圧電層L3の内部応力よりも大きい場合、これらLNOと圧電層L3との応力差を小さくすることができる。
上部金属層L22は、上述したようにPt/Ti膜で構成され、Ti及びPtを例えばスパッタ法により順に積層して構成される。Ti膜は、Pt膜の密着層として機能する。Pt/Ti膜は、成膜温度によって内部応力の面内方向が決定される。すなわちPt/Ti膜を室温で成膜したときの内部応力は面内圧縮方向であるが、成膜温度を高くすると内部応力の面内方向が引張り方向に転じる。この温度は処理条件によって異なるが、例えば約150〜200℃である。また成膜温度を高くするほど面内引張り方向の内部応力は大きくなる傾向にある。
本実施形態では、その面内圧縮方向の内部応力を緩和するために、面内引張り方向の上部金属層L22を用いるようにしている。このように上部導電性酸化物層L21と上部金属層L22の膜応力差を利用することで、上部電極層の内部応力の最適化を図ることができる。
なお、圧電層L3の成膜直後の内部応力は、その下地層である下部電極層L1や絶縁膜103の内部応力の影響を受けることも考えられるが、圧電層L3のペロブスカイト化を促進し圧電特性を高めるため、圧電層は700℃以上の高温で成膜ないし再結晶化処理が施される場合がある。このときの処理温度によっては、下部電極層L1や絶縁膜103の内部応力はアニール効果により減殺あるいは消失することが考えられる。したがって主として圧電層L3が本来的に有する内部応力を考慮に入れることで、上部電極層L2の膜設計を行うことができる。
また本実施形態の圧電素子D1においては、下部電極層L1に、LNOで構成された下部導電性酸化物層L12を含む。LNOは、上述のようにペロブスカイト構造を有し、圧電層L3を構成するPZTに近い格子定数を有するため、圧電層L3の配向性が高まり、優れた圧電特性を得ることができる。
[圧電アクチュエータの製造方法]
次に、以上のように構成される本実施形態の圧電アクチュエータ1の製造方法について図7〜図9を参照して説明する。図7〜図9は、圧電アクチュエータ1の製造方法を説明する要部の工程断面図である。
図7(A)に示すように、ベース基板10として、第1のシリコン基板10A(弾性層)と第2のシリコン基板10Bとが接合層10Cを介して接合されたSOI基板を準備する。接合層10Cは例えば厚み約1μmのシリコン酸化膜で構成される。このベース基板10は当初、所定の大きさウェーハ基板で構成され、当該ウェーハ基板上で複数個の素子(圧電アクチュエータ1)を一括的に形成した後、ダイシング工程により所定の素子サイズに切り出される。
ベース基板10は、熱酸化炉等において熱処理されることで、その表面101、裏面102及び周面を含む全面に熱酸化膜が所定の厚み(例えば0.8μm)で形成される。なお各図においては、ベース基板10の表面101に形成された熱酸化膜(絶縁膜103)のみ図示している。
次に図7(B),(C)に示すように、絶縁膜103を介して圧電駆動部114,115及び中間層117dを構成する積層体L0が形成される。積層体L0は、成膜後、所定形状にパターニングされることで、第1のシリコン基板10A上に圧電駆動部114,115及び中間層117dがそれぞれ形成される。なお、積層体L0の成膜工程の詳細については後述する。
続いて図8(A)に示すように、可動端子113及び信号端子12tがそれぞれ形成される。可動端子113は中間層117dの上に形成され、信号端子12tは、中間層117dを挟むようにベース基板10の表面に一対形成される。可動端子113及び信号端子12tは、厚み約10nmの密着層としてのTi膜と、その上に形成された厚み約0.2μmのPt膜とで構成され、それぞれスパッタ法で成膜される。
次に図8(B)に示すように、第1のシリコン基板10Aにその厚み方向に貫通するスリット104aを形成することで、第1及び第2のカンチレバー111,112、支持体117(第1及び第2の連結部117a,117b、支持部117c)の外形あるいは輪郭を形成する。スリット104aは、公知のフォトリソグラフィ技術を用いてベース基板10の表面101にスリット104aの形成部位が開口するレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとするドライエッチングによって形成される。このとき接合層10Cは、スリット104aのエッチングストッパ層として機能する。スリット104aの形成後、スリット104aの底部に位置する接合層10Cは、例えばTMAH(4メチル水酸化アンモニウム)を用いて除去される。
続いて図8(C)に示すように、信号線路12及び接地線路131,132を形成するために、ベース基板10の表面に犠牲層Wをそれぞれ形成する。犠牲層Wは、固定端子120及び接地線路部130各々のアーチ形状を形成するためのもので、可動端子113及び圧電駆動部114,115の所定領域を被覆するレジストパターンでそれぞれ構成される。
犠牲層Wの形成後、信号線路12及び接地線路131,132がそれぞれ形成される。信号線路12及び接地線路131,132は主として、犠牲層Wの上に形成されたAuめっき層からなり、成膜後、所定形状にパターニングされる。ここでは信号線路12の形成工程を例に挙げてAuめっき層の形成方法を説明する。
犠牲層Wの形成後、図9(A)に示すように犠牲層Wを含むベース基板10の表面に、Auめっき層のシード層M1を形成する。本実施形態においてシード層M1は、厚み約5nmの密着層としてのTi膜とその上に形成された厚み約200nmのAu膜とで構成され、それぞれスパッタ法で成膜される。次に、シード層M1の上にAuめっき層M2を形成する。この際、可動端子113を被覆する犠牲層Wの上部には、固定端子120の端子部121,122を形成するためのレジストパターンW2を形成しておく。本実施形態においてAuめっき層M2の厚みは約6μmである。シード層M1及びめっき層M2は、ウェットエッチング又はドライエッチングプロセスによってパターニングされることで、シード層M1及びめっき層M2の積層体からなる信号線路12及び接地線路131,132が形成される。
続いて図9(B)に示すように、第2のシリコン基板10Bに、スリット104aと連通する凹部104bが形成されることで、ベース基板10に可動部11を収容する開口部104が形成される。本実施形態において凹部104bは、第2のシリコン基板10Bに対するドライエッチングプロセスによって形成される。凹部104bの形成後、犠牲層W及びレジストパターンW2がそれぞれ除去される。犠牲層Wの除去工程は、除去液にベース基板10を浸漬し、開口部104を介して犠牲層Wを溶出させる。
以上のようにして、本実施形態の圧電アクチュエータ1が製造される。本実施形態によれば、ベース基板10の表面を加工することで可動部11を形成するようにしているので、半導体プロセス技術を用いることで微小の圧電アクチュエータを精度よく製造することができる。
次に、圧電駆動部114,115(及び中間層117d)を構成する圧電素子D1の形成方法について説明する。
圧電素子D1は、ベース基板10表面の絶縁膜103に下部電極層L1、圧電層L3及び上部電極層L2を順に積層することで形成される。下部電極層L1の形成工程は、下部金属層L11の形成工程と、下部導電性酸化物層L12の形成工程とを有する。
(下部電極層の形成工程)
下部金属層L11は、密着層としてのTi膜及びその上に形成されたPt膜とで構成した。厚みは特に限定されないが、本実施形態ではTi層を10nm、Pt層を180nmとした。Ti層及びPt層はDCスパッタ法で形成され、成膜温度は100℃とした。成膜圧力、スパッタパワーは特に限定されず、例えば、それぞれ0.1〜1Pa、100〜500Wである。下部金属層L11は室温で成膜されることで、面内圧縮方向の内部応力を示す。上記条件で成膜された下部金属層L11の単層での面内応力は、面内圧縮方向に約200MPaであるが、その後の圧電層L3の形成工程において印加される熱により、ある程度緩和されるものと推定される。
次に、下部導電性酸化物層L12として、LNO(ニッケル酸ランタン)をRFスパッタ法により成膜した。下部導電性酸化物層L12の厚みは約0.18μmとし、成膜温度は300℃とした。成膜条件は特に限定されず、例えば、成膜圧力は0.1〜1Pa、RFパワーは100〜500Wである。上記条件で成膜された下部導電性酸化物層L12の単層での面内応力は、面内圧縮方向に約1000MPaであるが、その後の圧電層L3の形成工程において印加される熱により、ある程度緩和されると推定される。
(圧電層の形成工程)
続いて、下部導電性酸化物層L12の上に圧電層L3が形成される。本実施形態では、圧電層L3としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)をゾルゲル法で形成した。厚みは特に限定されず、本実施形態では1.5μmとした。成膜温度は550〜700℃とされ、本実施形態では600℃とした。上記条件で成膜された圧電層L3の単層での面内応力は、面内引張り方向に約200〜300MPaであるが、その後の上部電極層L2の形成工程において印加される熱により、最低でも100MPa程度にまで緩和されると推定される。
本実施形態によれば、圧電層L3の下地層が同じペロブスカイト構造の下部導電性酸化物層L12(LNO層)で構成されているため、圧電層L3の結晶配向性が高まり、圧電特性の向上を図ることができる。
圧電層L3は、成膜後、再結晶化処理が施されてもよい。これにより圧電層L3の結晶構造のペロブスカイト化が促進され、圧電特性の向上を図ることができる。再結晶化温度は例えば550〜700℃とされる。
(上部電極層の形成)
続いて、上部導電性酸化物層L21が形成される。本実施形態では、上部導電性酸化物層L21としてLNO(ニッケル酸ランタン)をRFスパッタ法により成膜した。上部導電性酸化物層L21の厚みは特に限定されないが、厚みが大きいほど内部応力も大きくなる。例えば、上記のような工程で可動部11を形成した後のカンチレバー111,112の反り量が所定値以下(例えば1μm以下)となるような膜応力となるように、上部導電性酸化物層L21の厚みが決定され、本実施形態では約0.18μmとした。成膜条件は特に限定されず、例えば、成膜温度は300℃、成膜圧力は0.1〜1Pa、RFパワーは100〜500Wである。上記条件で成膜された上部導電性酸化物層L21の単層での面内応力は、面内圧縮方向に約1000MPaであるが、その後の上部金属層L22の形成工程において印加される熱により、約480MPa程度に緩和される。
上部導電性酸化物層L21の上に、上部金属層L22が形成される。本実施形態では、上部金属層L22として、密着層としてのTi膜及びその上に形成されたPt膜とで構成した。厚みは特に限定されないが、本実施形態ではTi層を10nm、Pt層を80nmとした。Ti層及びPt層はDCスパッタ法で形成され、成膜温度は300℃とした。上部金属層L22は200℃以上で成膜されることで、面内引張り方向の内部応力を発現させることができる。成膜圧力、スパッタパワーは特に限定されず、例えば、それぞれ0.1〜1Pa、100〜300Wである。上記条件で成膜された上部金属層L22の単層での面内応力は、面内引張り方向に約400MPaと推定される。
上部金属層L22をその内部応力が面内引張り方向となるように成膜することで、上部導電性酸化物層L21の内部応力を緩和することができる。上部導電性酸化物層L21の内部応力の大きさが圧電層L3の内部応力の大きさとが上記のように大きく異なる場合に特に有効な手法である。このように上部導電性酸化物層L21と上部金属層L22の膜応力差を利用することで、上部電極層L2の内部応力の最適化を図ることができる。
上部金属層L22の内部応力の大きさは、上部導電性酸化物層L21の内部応力を考慮して決定することができる。この際、上部金属層L22の加熱成膜により上部導電性酸化物層L21の内部応力が緩和されることを想定して、上部金属層L22の内部応力が設定されてもよい。
図10に、上部金属層(Pt/Ti)L22の厚みと上部導電性酸化物層(LNO)L21の内部応力との関係の一例を示す。上部導電性酸化物層L21の厚みは0.188μmとし、LNOの内部応力は基板の反り量から推定した。図10に示すように、LNO単独の場合は面内圧縮方向に1200〜1300MPaであった内部応力が、その上に積層されるPt/Tiの厚みによって面内圧縮方向に400〜500MPa程度にまで緩和されることが確認された。本実施形態では、上部電極層L2全体の内部応力の大きさが約480MPaとなるように上部金属層L22を成膜した。
以上のようにして圧電素子D1を構成する積層体L0が形成される。その後、各層を所定形状にパターニングすることで、圧電駆動部114,115及び中間層117dがそれぞれ形成される。各層のパターニングは、積層体L0の形成後に行う場合に限られず、各層の成膜ごとに行われてもよい。
本実施形態によれば、圧電素子D1の内部応力を上部電極層L2の膜応力で制御するようにしているため、圧電素子D1の成膜の最終工程で当該圧電素子D1の内部応力を調整することができる。また本実施形態においては圧電素子D1の形成後に300℃を超えるプロセスは実施されないため、上部電極層L2の内部応力はその後のプロセスにおいて緩和されることなく所定の内部応力値(480MPa)が確保される。このため圧電層L3の内部応力によるカンチレバー111,112の反りを効果的に抑制することができる。これにより、可動端子113と固定端子120との間の距離(H)を高精度に設定でき、信頼性に優れた圧電アクチュエータを安定して製造することが可能となる。
また、上部金属層L22は200℃以上の温度で成膜されているため、素子作製後、配線基板上に実装する際のはんだリフロー温度で上部電極層L2の内部応力が緩和されることはない。
さらに本実施形態によれば、上部電極層L2の導電性酸化物層L21を含むため、金属材料と異なり、組成変形やクリープ現象等による応力緩和は発生しない。したがって、圧電アクチュエータ1の繰り返し動作による上部電極層L2の応力緩和を抑制でき、長期にわたり安定したスイッチング動作を確保することができる。
<第2の実施形態>
図11は、本発明の第2の実施形態に係る圧電アクチュエータの圧電駆動部の構成を示す概略断面図である。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態に係る圧電アクチュエータの圧電駆動部は、図11に示す圧電素子D2で構成される。圧電素子D2は、下部電極層L1が、下部金属層L11のみで構成されている点で、上述の第1の実施形態と異なる。このような構成によっても、上部電極層L2による圧電素子D2全体の応力制御が可能となる。一例として、上部導電性酸化物層L21を厚み0.15μmのLNOで構成し、上部金属層L22を厚み0.33μmのPt/Ti層で構成したところ、面内において約330MPaの圧縮応力を有する上部電極層L2が得られた。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、下部導電性酸化物層L12及び上部導電性酸化物層L21の構成材料としてLaNiO3(LNO)が用いられたが、これ以外にも、導電性酸化物として、SrRuO3、SrTiO3、LaAlO3、YAlO3、HfO2等の二元系あるいは三元系以上の酸化物材料が用いられてもよい。また、導電性酸化物の内部応力は上述した面内圧縮方向を有する材料に限られず、面内引張り方向を有する材料が用いられてもよく、圧電層の有する内部応力の面内方向に応じて適宜選択することができる。
また以上の実施形態では、圧電層L3としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が用いられたが、これ以外にも、ニオブ酸カリウム酸ナトリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、窒化アルミニウム等の他の圧電材料が用いられてもよい。
また以上の実施形態では、圧電素子の上部電極層は、導電性酸化物層と金属層との積層体で構成されたが、導電性酸化物層単層で上部電極層が構成されてもよい。また、上部電極層及び下部電極層を構成する金属層は、Pt/Ti膜で構成されたが、例えばTa等の単層の金属層で構成されてもよい。
さらに以上の実施形態では、圧電アクチュエータとして2本のカンチレバーで可動部を構成したMEMSスイッチを例に挙げて説明したが、単一のカンチレバーで可動部を構成したMEMSスイッチにも本発明は適用可能である。なおMEMSスイッチに限られず、原子間力顕微鏡(AFM)のプローブや加速度あるいは角速度センサ等のようなカンチレバーを圧電素子で駆動する(又はカンチレバーに作用する応力を圧電素子で検出する)他の圧電アクチュエータにも本発明は適用可能である。
さらに以上の実施形態では、圧電アクチュエータとして圧電スイッチを例に挙げて説明したが、これ以外にも、可変キャパシタや、可変キャパシタとスイッチを組み合わせた可変フィルタ等の圧電駆動部を有する他の圧電アクチュエータにも、本発明は適用可能である。そして本発明に係る圧電アクチュエータは、携帯電話に代表される無線通信端末に内蔵される高周波スイッチ、あるいは高周波フィルタ等として使用することができる。
1…圧電アクチュエータ
10…ベース基板
110…ベース部
111,112…カンチレバー
113…可動端子
114,115…圧電駆動部
120…固定端子
D1,D2…圧電素子
L1…下部電極層
L11…下部金属層
L12…下部導電性酸化物層
L2…上部電極層
L21…上部導電性酸化物層
L22…上部金属層
L3…圧電層

Claims (13)

  1. ベース部と、前記ベース部に固定される第1の端部を有するカンチレバーとを含むベース基板と、
    前記カンチレバーの上に形成された第1の電極と、前記第1の電極の上に形成された圧電層と、前記圧電層の上に形成された第1の導電性酸化物層を含む第2の電極とを有し、前記カンチレバーを弾性変形させることが可能な圧電素子と
    を具備する圧電アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記圧電層は、面内引張り方向の内部応力を有する材料で構成され、
    前記第1の導電性酸化物層は、面内圧縮方向の内部応力を有する材料で構成される
    圧電アクチュエータ。
  3. 請求項2に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記圧電層は、チタン酸ジルコン酸鉛で構成され、
    前記第1の導電性酸化物層は、LaNiO3で構成される
    圧電アクチュエータ。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記第2の電極は、前記第1の導電性酸化物層の上に形成された、面内引張り方向の内部応力を有する金属層をさらに含む
    圧電アクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記金属層は、密着層としてのTi膜とその上に形成されたPt膜とを含む
    圧電アクチュエータ。
  6. 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記第1の電極は、第2の導電性酸化物層を含む
    圧電アクチュエータ。
  7. 請求項6に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記第2の導電性酸化物層は、LaNiO3で構成される
    圧電アクチュエータ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記第2の電極は、前記第1の電極よりも薄く形成される
    圧電アクチュエータ。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記カンチレバーは、前記第1の端部とは反対側の第2の端部を有し、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記第2の端部に接続された可動端子と、
    前記ベース部に接続され、前記圧電素子の駆動による前記カンチレバーの変形時に前記可動端子と接触可能な固定端子を有する信号線路と、をさらに具備する
    圧電アクチュエータ。
  10. ベース基板上のカンチレバーの形成領域に第1の電極を形成し、
    前記第1の電極の上に、面内引張り方向の内部応力を有する材料からなる圧電層を形成し、
    前記圧電層の上に、面内圧縮方向の内部応力を有する導電性酸化物層を含む第2の電極を形成し、
    前記ベース基板をエッチング加工することで前記カンチレバーを形成する
    圧電アクチュエータの製造方法。
  11. 請求項10に記載の圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記第2の電極を形成する工程は、
    前記圧電層の上に、前記導電性酸化物層を形成し、
    前記導電性酸化物層の上に、面内引張り方向の内部応力を有する金属層を形成することを含む
    圧電アクチュエータの製造方法。
  12. 請求項11に記載の圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記金属層の成膜温度は、200℃以上である
    圧電アクチュエータの製造方法。
  13. 請求項1に記載の圧電アクチュエータを備えた無線通信端末。
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