JP2013112755A - ポリカルボジイミドアミン変性物及び樹脂架橋剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶性又は水分散性を示し、水性樹脂に対する保存安定性が向上された樹脂架橋剤とすることができるポリカルボジイミド及び樹脂架橋剤を提供する。
【解決手段】末端が親水性化合物で封止された芳香族ジイソシアネート化合物由来のポリカルボジイミドを二級アミンで変性した、水溶性又は水分散性のポリカルボジイミドアミン変性物及びこれを含む樹脂架橋剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ジイソシアネート化合物由来の水溶性又は水分散性ポリカルボジイミドアミン変性物、及び水性樹脂との反応性を抑制し保存安定性を向上させることができる、上記ポリカルボジイミドアミン変性物を含む樹脂架橋剤に関する。
水溶性又は水分散性である水性樹脂は、塗料、インキ、繊維処理剤、接着剤、コーティング剤等、多くの分野で使用されている。
この水溶性又は水分散性の水性塗料は、水性媒体を用いることから、環境汚染や火災等の心配がないうえに、刷毛、ローラ、スプレーガン等の塗装機器の掃除や、塗料汚染の後始末等も水で簡単にできるので、近年、特にその需要が伸びてきている。
水性樹脂には、樹脂自体に水溶性又は水分散性を付与するために、一般にカルボキシル基が導入されている。このため、塗膜中に残存するカルボキシル基が加水分解を誘引し、塗膜の強度、耐久性、美観を損ねることがあった。
このような水性樹脂の塗膜の強度、耐水性、耐久性等の諸物性を向上させる手段として、上述したカルボキシル基等と反応して架橋構造を形成し得る水性メラミン樹脂、アジリジン化合物、水分散型イソシアネート化合物等の外部架橋剤を併用する方法が、一般に採用されている。
しかし、これらの架橋剤は、毒性、反応性等の問題から使用しにくい場合がある。すなわち、上記架橋剤による架橋反応は、カルボキシル基をつぶしながら進行するものであるため、カルボキシル基の減少により、塗膜の強度、耐水性、耐久性等を向上させることはできるが、未反応の架橋剤が残存すると塗膜に毒性が生じる場合がある。一方、塗膜中に未反応のカルボキシル基が残存すれば、塗膜の耐水性や耐久性が低下する。このように、架橋剤及び水性樹脂中のカルボキシル基が100%反応しない場合、様々な問題が生じることになる。
毒性の問題を解決するため、カルボジイミド化合物が最近注目を集めている。
例えば、ポリカルボジイミドのカルボジイミド基とカルボキシル基とが反応することから、樹脂架橋剤としてポリカルボジイミドを用いることが知られている。ポリカルボジイミドを水性樹脂の樹脂架橋剤として用いる技術として、例えば特許文献1には、テトラメチルキシリレンジイソシアネート由来のポリカルボジイミドの末端を親水セグメントで封止し、水性ポリカルボジイミドとすると共に、樹脂架橋剤自体の保存安定性を良好とするとことで取扱を容易とすることが開示されている。
例えば、特許文献2には、反応性及び保存性が良好であって、水性樹脂用架橋剤として取り扱いを容易にした水性ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドが開示されている。
この水性ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドは、毒性がなく、室温でのポットライフも良好であるといった特徴を有している。
また、特許文献3には、耐水性、耐溶剤性、密着性を向上させることができ、カルボジイミド化合物を水性化する際に、水性ウレタン系樹脂や水性アクリル系樹脂等が持つ構造に近いグリコール酸メチル・乳酸メチルを末端に導入した水溶性又は水分散性のカルボジイミド化合物が開示されている。
一方で、ポリカルボジイミドは各種溶剤に対する溶解性が低く、しかも溶液状態ではカルボジイミド基の反応やポリマーの凝集が進行しゲル化してしまい、長期保存には向いていないという問題がある。これに対し、例えば特許文献4では、カルボジイミド基をアミノ基で変性し、溶液でのカルボジイミド自体の保存安定性を改良することで、電子部品用途に好適な耐熱性及び接着性を高める技術が開示されている。
特開平7−330849号公報 特開2000−7462号公報 特開2009−235278号公報 特開2007−235278号公報
しかしながら、カルボジイミド基とカルボキシル基との反応性の高さから、カルボジイミド基を有する樹脂架橋剤とカルボキシル基を有する水性樹脂とを混合した状態では保存安定性に劣るという問題がある。
例えば、特許文献1はテトラメチルキシリレンジイソシアネートを用いることで、イソホロンジイソシアネートを含む鎖状脂肪族ジイソシアネートを用いるよりも樹脂架橋剤自体の保存安定性を良好にしたものであり、参考例として水性樹脂へ添加後の安定性の効果を評価しているものの、3日〜1週間程度の安定性が示されているのみで、水性樹脂に対する保存安定性として十分満足できるものではない。また、特許文献2、3では水性樹脂の耐水性、耐溶剤性、密着性を向上させる樹脂架橋剤が開示されており、特許文献4ではトルエンやシクロヘキサン等の溶媒中でのカルボジイミド自体の保存安定性を高める開示がされており、いずれの文献においても樹脂架橋剤を水性樹脂へ添加後の十分な保存安定性、特に高温での保存安定性について開示はされていない。
したがって本発明は、水溶性又は水分散性を示し、水性樹脂に対する保存安定性が向上された樹脂架橋剤とすることができるポリカルボジイミド及び樹脂架橋剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリカルボジイミドの末端を親水性化合物で封止するとともに、カルボジイミド基を二級アミンで変性することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記のポリカルボジイミド及び樹脂架橋剤である。
1. 末端が親水性化合物で封止された芳香族ジイソシアネート化合物由来のポリカルボジイミドを二級アミンで変性した、水溶性又は水分散性のポリカルボジイミドアミン変性物。
2. 前記ポリカルボジイミドの重合度が2〜12である、上記1に記載のポリカルボジイミドアミン変性物。
3. 前記芳香族ジイソシアネート化合が、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種である、上記1又は2に記載のポリカルボジイミドアミン変性物。
4. 前記二級アミンが、ジ−n−プロピルアミン又はジイソプロピルアミンである、上記1〜3のいずれかに記載のポリカルボジイミドアミン変性物。
5. 上記1〜4のいずれかに記載のポリカルボジイミドアミン変性物を含む、水性樹脂用の樹脂架橋剤。
6. 前記水性樹脂が、分子内にカルボキシル基を有する水溶性又は水分散性のウレタン樹脂、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種である、上記5に記載の樹脂架橋剤。
本発明のポリカルボジイミドアミン変性物は、水溶性又は水分散性を示すことができ、また、水系媒体中においてそれ自体高い保存安定性を有するものである。さらに、該ポリカルボジイミドアミン変性物を含む樹脂架橋剤は、水性樹脂へ添加後もカルボキシル基との反応が抑制され、従来の樹脂架橋剤と比べ保存安定性を向上させることができ、たとえ冷暗所ではなく40℃程度の保存状態であったとしても優れた保存安定性を示すことができる。
[ポリカルボジイミドアミン変性物]
本発明のポリカルボジイミドアミン変性物は、末端が親水性化合物で封止された芳香族ジイソシアネート化合物由来のポリカルボジイミドを、二級アミンで変性したものであり、水溶性又は水分散性を示す。
上記末端が親水性化合物で封止されたポリカルボジイミドは、芳香族ジイソシアネート化合物を親水化合物と反応させ一部の末端を封止した後に、ポリカルボジイミド化して合成してもよく、また、芳香族ジイソシアネート化合物をポリカルボジイミド化した後に、親水化合物と反応させ末端を封止して合成してもよい。
(芳香族ジイソシアネート化合物)
本発明においてポリカルボジイミドは、芳香族ジイソシアネート化合物由来のポリカルボジイミドであり、芳香族ジイソシアネート化合物を例えば後述するように脱炭酸縮合反応してポリカルボジイミド化したものである。
ここで、芳香族ジイソシアネート化合物とは、分子中に存在する2つのイソシアネート基が芳香環に直結しているイソシアネート化合物のことをいう。
芳香族ジイソシアネート化合物由来の芳香族ポリカルボジイミドは、脂肪族ポリカルボジイミドと比較して耐熱性が優れており、また、例えば塗膜組成物に含まれる樹脂架橋剤にポリカルボジイミドを用いる場合、アミンの解離温度と塗膜形成時の温度が近いことから塗膜を形成する工程を考慮すると、耐熱性が優れている点で芳香族ポリカルボジイミドであることが好適である。
芳香族ジイソシアネート化合物の具体例としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、o―トリジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもよい。
これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネートが工業的原料の汎用性の高さ、及び得られるポリカルボジイミドが高い反応性を有しているという点で好ましい。
(親水性化合物)
ポリカルボジイミドの末端を封止する親水性化合物としては、親水性を有するとともに、芳香族ジイソシアネート化合物又はポリカルボジイミドの末端のイソシアネート基と反応性を有する親水性有機化合物であれば特に限定されないが、例えば以下の一般式(a)〜(e)で表される化合物を挙げることができる。
親水性有機化合物として、下記一般式(a)で表されるアルコキシ基又はフェノキシ基で末端封鎖されたポリアルキレンオキサイドを例示することができる。
1−O−(CH2−CHR2−O)m−H ・・・(a)
式(a)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは1〜30の整数である。
上記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
親水性有機化合物として、下記一般式(b)で表されるジアルキルアミノアルコールを例示することができる。
(R32−N−CH2−CHR4−OH・・・(b)
式(b)中、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。炭素数1〜4のアルキル基としては上記と同義である。
親水性有機化合物として、下記一般式(c)で表されるヒドロキシカルボン酸アルキルエステルを例示することができる。
5−O−CO−CHR6−OH ・・・(c)
式(c)中、R5は炭素数1〜3のアルキル基、R6は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。
上記炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
親水性有機化合物として、下記一般式(d)で表されるジアルキルアミノアルキルアミンを例示することができる。
(R72−N−R8−NH2・・・(d)
式(d)中、R7は炭素数1〜4のアルキル基、R8は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。炭素数1〜4のアルキル基としては上記と同義である。
親水性有機化合物として、下記一般式(e)で表されるアルキルスルホン酸塩を例示することができる。
HO−R9−SO3M・・・(e)
式(e)中、R9は炭素数1〜10のアルキレン基、MはNa,K等のアルカリ金属を示す。
上記炭素数1〜10のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
上記一般式(a)〜(e)で表される親水性化合物としては、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリカルボジイミドの重合度が大きい場合や、後述するようにポリカルボジイミドを樹脂架橋剤とする際に用いる溶解又は分散させる水性媒体中の水の比率が高い場合等、ポリカルボジイミドを水性媒体に溶解又は分散させるためにより高い親水性を付与する必要がある場合、より好ましい親水性化合物は上記一般式(a)〜(e)の中でも親水性の高い上記一般式(a)で表されるアルコキシ基又はフェノキシ基で末端封鎖されたポリアルキレンオキサイドである。
上記一般式(a)で表されるポリアルキレンオキサイドの具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等を挙げることができ、特にポリエチレングリコールモノメチルエーテルが好適である。
(親水性化合物以外の末端封止剤)
上記親水性化合物以外に、末端イソシアネート基と反応することができ、それ単独ではポリカルボジイミドに十分な親水性を付与しない化合物を、さらに末端封止剤として併用することができる。該親水性化合物以外の末端封止剤は、上記親水性化合物と混合し、ポリカルボジイミドが水性媒体に溶解できる親水性を示す範囲で使用される。
上記親水性化合物以外の末端封止剤としては、芳香族ジイソシアネート化合物又はポリカルボジイミドの末端のイソシアネート基と反応性を有する化合物であれば特に限定されない。
親水性化合物以外の末端封止剤として例えば、上記反応性を有する脂肪族化合物、芳香族化合物、脂環族化合物等を挙げることができ、具体的には−OH基を持つメタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン等;=NH基を持つジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等;−NH2基を持つブチルアミン、シクロヘキシルアミン等;−COOH基を持つプロピオン酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸等;−SH基を持つエチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール等やエポキシ基等を有する化合物が挙げられる。
上記親水性化合物以外の末端封止剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリカルボジイミドの末端を封止してその重合度を制御するため、モノイソシアネートを末端封止剤として使用してもよい。モノイソシアネートとして例えば、フェニルイソシアネート、p−ニトロフェニルイソシアネート、p−及びm−トリルイソシアネート、p−ホルミルフェニルイソシアネート、p−イソプロピルフェニルイソシアネート等を用いることができる。特にp−イソプロピルフェニルイソシアネートが好適に用いられる。
上記モノイソシアネートは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(末端イソシアネート基と親水性化合物及び親水性化合物以外の末端封止剤との反応)
末端イソシアネート基と親水性化合物及び親水性化合物以外の末端封止剤との反応は、芳香族ジイソシアネート化合物又はポリカルボジイミドと、親水性化合物及び親水性化合物以外の末端封止剤とを、25℃程度の常温で混合することで容易に進行し、必要に応じ加熱してもよい。また、不活性ガス雰囲気下で反応を行うことが好ましく、封止する末端イソシアネート基に対し当量の親水性化合物及び親水性化合物以外の末端封止剤を使用すればよい。
また、水分散性のポリカルボジイミドを得る方法としては、分散剤、例えば高分子型分散剤、界面活性型分散剤、無機型分散剤を用いて乳化する方法(超音波、撹拌)、あるいは水性ポリウレタンや他の水性ポリカルボジイミド等の親水性のポリマーと混合して同時に水分散させる方法等も用いることができる。
(ポリカルボジイミド化)
本発明においてポリカルボジイミドは、芳香族ジイソシアネート化合物由来のポリカルボジイミドであり、芳香族ジイソシアネート化合物を原料とした種々の方法で製造することができる。例えば、芳香族ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う脱炭酸縮合反応により、イソシアネート末端ポリカルボジイミドを製造する方法(米国特許第2941956号明細書や特公昭47−33279号公報、J. Org. Chem, 28、2069−2075(1963)、Chemical Review1981、Vol.81, No.4, p619−621等)が挙げられる。
上記芳香族ジイソシアネート化合物の脱炭酸縮合反応は、カルボジイミド化触媒の存在下において進行するものである。このカルボジイミド化触媒としては、例えば、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド及びこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等を挙げることができ、これらの中でも、反応性の面からは3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドが好適である。
カルボジイミド化触媒の量は、カルボジイミド化に用いられる芳香族ジイソシアネート化合物に対して、通常0.1〜1.0質量%である。
芳香族ジイソシアネート化合物の脱炭酸縮合反応は、無溶媒でも行うことができ、溶媒中で行うこともできる。使用できる溶媒としては、テトラヒドロキシフラン、1,3−ジオキサン、ジオキソラン等の脂環式エーテル:ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素:クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、パークレン、トリクロロエタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、及びシクロヘキサノン等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもよい。これらの中でも、テトラヒドロキシフランが好ましい。
上記脱炭酸縮合反応における温度としては、特に限定はされないが、好ましくは40〜200℃、より好ましくは50〜130℃である。
溶媒中で反応を行う場合、40℃〜溶媒の沸点までであることが好ましい。また、溶媒中で反応を行う場合、芳香族ジイソシアネート化合物の濃度としては、好ましくは5〜55質量%、より好ましくは5〜20質量%である。芳香族ジイソシアネート化合物の濃度が5質量%以上であれば、ポリカルボジイミドの合成に時間がかかりすぎることがなく、55質量%以下であれば、反応中にゲル化するのを抑制できる。
また、反応を行う際の固形分濃度としては、好ましくは反応系の総量の5〜50質量%であり、より好ましくは20〜30質量%である。
特に芳香族ジイソシアネート化合物と親水性化合物及び親水性化合物以外の末端封止剤とを反応させ、まず末端の封止を行い、その後、触媒を添加しカルボジイミド化を行う場合、カルボジイミド化反応の温度としては、好ましくは40〜180℃であり、より好ましくは50〜100℃であり、溶媒中の芳香族ジイソシアネート化合物の濃度としては、好ましくは5〜55質量%、より好ましくは35〜50質量%である。
本発明に使用するポリカルボジイミドの重合度としては、ポリカルボジイミドが水性媒体中でゲル化することがなく水溶性又は水分散性となる点から好ましくは2〜12であり、より好ましくは3〜9である。
(アミン変性)
末端が親水性化合物で封止された、あるいは、親水性化合物及び親水性化合物以外の末端封止剤で封止されたポリカルボジイミドを変性させる化合物としては、二級アミンを用いる。
一級アミンでは、2つの活性水素が別々の2つのカルボジイミド基と反応できるため架橋点となり、カルボジイミド樹脂溶液がゲル化してしまう。また、三級アミンでは、カルボジイミド基と付加反応は起こさないが、カルボジイミド基の架橋反応を活性化させる触媒作用を示すため、この場合も溶液がゲル化してしまう。上記の理由より、活性水素基を1つだけ有する二級アミンが好適である。
さらに、本発明では二級アミンの中でも、二級アミンの有する炭化水素基の炭素数が3であるものが好ましい。
二級アミンの有する炭化水素基の炭素数が2以下の場合、加熱処理においてアミンの脱離が起こりにくくなり、アミンが脱離せずに残ると、塗膜の性能低下を起こす場合がある。炭素数が4以上の場合は、アミンの沸点が高くなるため加熱処理で脱離したアミンが揮発しきらずに残存し易くなり、塗膜の性能低下を起こす原因となる。また、残存したアミンは加熱処理後に再度カルボジイミド基と反応してしまうため、再生するカルボジイミド基の割合が下がってしまい、反応性が低下してしまう。
上記の理由により、二級アミンであって炭化水素基の炭素数が3であるアミンが好ましく、中でもジ−n−プロピルアミン及びジイソプロピルアミンが工業的により好ましい。
N原子に結合した炭化水素基が直鎖であるジ−n−プロピルアミンに対し、ジイソプロピルアミンは嵩高く立体障害が大きいため、加熱の際アミンの脱離が起こりやすい。また、それぞれのアミンの沸点は、ジイソプロピルアミンが84℃であり、ジ−n−プロピルアミンが107℃であるため、カルボジイミド基との再結合反応や塗膜の性能低下を生じさせる残存アミンを無くすという意味合いからも、ジイソプロピルアミンの方がさらに好ましい。
上記ポリカルボジイミドのアミン変性は、無溶媒で行うこともできるが、上記ポリカルボジイミドを水系溶媒と混合し、そこへ二級アミンをカルボジイミド基に対して所定の当量となるように添加し、撹拌して反応させることにより、容易に合成をすることができる。
水系溶媒を用いる場合の二級アミンの添加量としては、カルボジイミド基1当量に対して好ましくは1〜2当量であり、過剰なアミン量が少なく、加熱処理時にアミンが逸散し易いという点からより好ましくは1〜1.5当量である。
また、アミン変性の反応温度は、反応速度と変性中の副反応を抑える点から好ましくは常温(25℃程度)又は40〜120℃である。
変性は撹拌しながら行うことが好ましく、反応時間は温度によって異なるが、好ましくは0.1〜2時間程度である。
アミン変性反応に用いる上記水系溶媒としては、水のみであってもよいし、水和性液状化合物との混合溶媒であってもよい。
水和性液状化合物としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のポリアルキレングリコールジアセテート類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノフェニルエーテル類;プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等のモノアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)等のN−置換アミド類;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等が挙げられる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[樹脂架橋剤]
本発明はまた、上述したポリカルボジイミドアミン変性物を含む、水性樹脂用の樹脂架橋剤を提供する。
樹脂架橋剤は、ポリカルボジイミドアミン変性物を水性媒体に溶解又は分散させたものである。
水性媒体中のポリカルボジイミドアミン変性物の固形分濃度としては、塗膜物性を考慮して樹脂架橋剤としての使い易さの点から、好ましくは10〜50質量%である。
上記水性媒体としては特に限定されず、例えば、水及び水とその他の溶媒との混合溶媒を挙げることができる。上記その他の溶媒としては、水と相溶性を示すものであれば特に限定されず、例えば炭化水素類(例えば、キシレン又はトルエン)、アルコール類(例えば、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン)、エステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)、並びにそれらの混合物等を挙げることができる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
水性媒体としては、水のみからなる完全水系であることが、環境面から好ましい。
(アミンの解離反応)
本発明のポリカルボジイミドアミン変性物は、反応性の高いカルボジイミド基がアミン変性によりグアニジン基に変性されているので、水溶液状態であっても優れた安定性を示すことができ、例えば、カルボキシル基を有する水性樹脂に樹脂架橋剤として添加した場合、架橋反応が抑制され保存安定性に優れる効果を有する。
また、樹脂架橋剤中のポリカルボジイミドアミン変性物は、加熱処理によりアミンが解離してカルボジイミド基に戻り、元のポリカルボジイミドとなる。
他方、解離して生成した二級アミンは揮発するのでポリカルボジイミド中にほぼ残存しなくなる。
ポリカルボジイミドアミン変性物は上記のとおり加熱処理によりアミンが解離するが、解離開始温度は120℃程度である。ジイソプロピルアミンの沸点は84.1℃、ジ−n−プロピルアミンは107℃であり、解離すると直ちに揮発乾燥される。解離速度と解離して生成した二級アミンを揮発させて除去する観点から、好ましい加熱温度は120〜180℃である。
(カルボジイミドの架橋反応)
上述したように、ポリカルボジイミドアミン変性物は、アミンが解離してカルボジイミド基に戻り、元のポリカルボジイミドとなるため、水性樹脂が有するカルボキシル基とポリカルボジイミドが有するカルボジイミド基とが架橋反応することができる。
アミンが解離したカルボジイミド基と水性樹脂が有するカルボキシル基は、アミン解離時の加熱処理の熱で架橋することができる。また、解離時の加熱処理後に未架橋の反応基がある場合は、加熱処理を追加することで架橋反応を促進することができる。加熱処理を追加する時の好ましい加熱温度は60〜150℃であり、さらに好ましくは80〜120℃である。
本発明の樹脂架橋剤に好適である水性樹脂としては、水溶性又は水分散性を有し、カルボジイミド基と架橋反応する樹脂であればよく、特に制限されるものではない。
具体的には、分子内にカルボキシル基を有する水溶性又は水分散性のウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、中でもウレタン樹脂、アクリル樹脂が好適である。これら水性樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
分子内にカルボキシル基を有する水溶性又は水分散性のウレタン樹脂としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有ポリオール類及び/又はアミノ酸類、並びにポリオール類から得られるカルボキシル基含有のウレタン系プレポリマーを、有機溶媒又は水の存在下、塩基性有機化合物及び鎖延長剤と反応させ、次いで減圧下、脱溶媒することで得られる樹脂等が挙げられる。
分子内にカルボキシル基を有する水溶性又は水分散性のアクリル樹脂としては、例えば、重合性不飽和カルボン酸又はその無水物、(メタ)アクリル酸エステル類や(メタ)アクリル酸以外のアクリル系モノマー、及び必要に応じてα−メチルスチレン、酢酸ビニル等を、乳化重合、溶液重合、塊状重合等の重合法により共重合させて得られるアクリル樹脂等が挙げられる。
具体的な重合性不飽和カルボン酸及びそれらの無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸及びそれらの無水物等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸以外のアクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
分子内にカルボキシル基を有する水溶性又は水分散性ポリエステル系樹脂としては、例えば、グリコール又は末端に水酸基を有するポリエステルグリコールと、テトラカルボン酸二無水物とを、選択的モノエステル化反応によって鎖延長して得られるポリエステル系樹脂等が挙げられる。
本発明の樹脂架橋剤は、例えば、水性樹脂と混合した水性樹脂組成物とすることができる。
上記水性樹脂組成物とする場合、各成分の配合割合は任意であるが、得られる塗膜の物性及び経済性のバランス等の点から、水性樹脂100質量部に対し、樹脂架橋剤を0.5〜15質量部の割合で用いることが好ましく、1〜10質量部の割合で用いることがより好ましい。
水性樹脂組成物には、用途等に応じ、必要であれば各種添加成分、例えば、顔料、充填剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を、適宜配合することができる。
水性樹脂組成物を所定の基材上に塗布することで、塗工層を形成して塗膜を得ることができる。
この場合、塗布法としては従来公知の方法を適宜用いることができ、例えば、刷毛塗り、タンポ塗り、吹付塗り、ホットスプレー塗り、エアレススプレー塗り、ローラ塗り、カーテンフロー塗り、流し塗り、浸し塗り、ナイフフェッジコート等を用いることができる。塗工層を形成後、架橋反応を促進するために加熱処理を行うこともできる。加熱処理方法に特に制限はなく、例えば、電気加熱炉、赤外線加熱炉、高周波可燃路等を用いる方法を採用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下文中の「%」は、特に断りの無い限り質量基準である。
また、合成例において、赤外吸収(IR)スペクトル分析は、FT−IR8200PC(島津製作所製)を使用して行った。
[実施例1]TDI+PEGME+DIPA
(1)トリレンジイソシアネートの一部末端ポリエチレングリコールモノメチルエーテル封止
トリレンジイソシアネート(組成80%2,4−トリレンジイソシアネート、20%2,6−トリレンジイソシアネート)(TDI)33.96gとポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PEGME)(分子量550、商品名ユニオックスM−550、日油社製)33gを300mLセパラブルフラスコに投入し、還流管及び窒素気流下、25℃で1時間撹拌した。その後、赤外吸収(IR)スペクトル測定により波長2200〜2300cm-1のイソシアネート基の減少が止まったことを確認し、PEGMEで一部末端を封止したTDIを得た。
(2)一部末端を封止したTDIのカルボジイミド化
上記(1)に続けてフラスコにカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)0.68gを添加し、還流管及び窒素気流下、85℃で6時間撹拌し、PEGME末端トリレンカルボジイミド(重合度=5)を得た。
赤外吸収(IR)スペクトル測定により波長2150cm-1前後のカルボジイミド基による吸収ピークを確認した。
(3)カルボジイミドのアミン変性
上記(2)で得られたPEGME末端トリレンカルボジイミド66.96gに、ジイソプロピルアミン(DIPA)を16.7g添加し、40℃で2時間撹拌した。赤外吸収(IR)スペクトル測定により波長2150cm-1のカルボジイミド基によるピークがほぼ消失したことを確認し、PEGMEで末端を封止したポリカルボジイミドアミン変性物を得た。
[実施例2]TDI+PEGME+DPA
実施例1の(3)において、DIPAの代わりにジ−n−プロピルアミン(DPA)を用いた以外は実施例1と同様に行い、PEGMEで末端を封止したポリカルボジイミドアミン変性物を得た。
[実施例3]MDI+PEGME+DIPA
(1)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの一部末端ポリエチレングリコールモノメチルエーテル封止
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)37.54gとポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PEGME)(分子量550、商品名ユニオックスM−550、日油社製)33gを300mLセパラブルフラスコに投入し、還流管及び窒素気流下、25℃で1時間撹拌した。その後、赤外吸収(IR)スペクトル測定により波長2200〜2300cm-1のイソシアネート基の減少が止まったことを確認し、PEGMEで一部末端を封止したMDIを得た。
(2)一部末端を封止したMDIのカルボジイミド化
上記(1)に続けてフラスコにカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)0.38gを添加し、還流管及び窒素気流下、85℃で6時間撹拌し、PEGME末端4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド(重合度=5)を得た。
赤外吸収(IR)スペクトル測定により波長2150cm-1前後のカルボジイミド基による吸収ピークを確認した。
(3)カルボジイミドのアミン変性
上記(2)で得られたPEGME末端4,4’−ジフェニルメタンジイミド70.92gに、DIPAを12.75g添加し、40℃で2時間撹拌した。赤外吸収(IR)スペクトル測定により波長2150cm-1のカルボジイミド基によるピークがほぼ消失したことを確認し、PEGMEで末端を封止したポリカルボジイミドアミン変性物を得た。
[実施例4]MDI+PEGME+DPA
実施例3の(3)において、DIPAの代わりにDPAを用いた以外は実施例3と同様に行い、PEGMEで末端を封止したポリカルボジイミドアミン変性物を得た。
[実施例5〜8]樹脂架橋剤の調整
実施例1〜4で得られたポリカルボジイミドアミン変性物のそれぞれに、イオン交換水を固形分濃度が40質量%となるように添加し、12時間以上撹拌して水性化したカルボジイミド溶液(樹脂架橋剤)を得、それぞれ実施例5〜8とした。
[比較例1〜2]樹脂架橋剤の調整
実施例1(2)及び実施例3(2)のそれぞれで得られたアミン変性しない末端封止カルボジイミドを用い、それぞれにイオン交換水を固形分濃度が40質量%となるように添加し、12時間以上撹拌して水性化したカルボジイミド溶液(樹脂架橋剤)を得、それぞれ比較例1,2とした。
〈シェルフライフ測定〉
実施例5〜8及び比較例1〜2の樹脂架橋剤それぞれについて、室温(25℃)及び40℃において溶液中に固形物が生じるまでの日数を測定した。
測定の結果、実施例5〜8では、室温及び40℃のいずれの場合においても40日経過しても溶液中に固形物が生じなかった。
一方、比較例1及び2では、室温においては40日経過しても溶液中に固形物が生じなかったが、40℃においては2週間で溶液中に固形物が生じた。
〈ポットライフ測定〉
実施例5〜8及び比較例1〜2の樹脂架橋剤0.5gと、ウレタン樹脂(商品名Sancure776、noveon社製)10g及びアクリル樹脂(商品名SancureHG−54C、Rohm&Haas社製)10gそれぞれとを混合し、水性樹脂組成物を調整した。
得られた水性樹脂組成物について、室温(25℃)及び40℃において溶液中に固形物が生じるまでの日数を測定した。
測定の結果、実施例5〜8では、室温及び40℃のいずれの場合においても40日経過しても溶液中に固形物が生じなかった。
一方、比較例1及び2では、室温においては40日経過しても溶液中に固形物が生じなかったが、40℃においては1ヶ月で溶液中に固形物が生じた。
(試験片の作製)
実施例5〜8及び比較例1〜2の樹脂架橋剤0.5gと、ウレタン樹脂(商品名Sancure776、noveon社製)10g及びアクリル樹脂(商品名SancureHG−54C、Rohm&Haas社製)10gそれぞれとを混合して水性樹脂組成物を調整し、40℃で1ヶ月保存した。
保存の後、水性塗料組成物を、アルミ板(200mm×100mm×1mm)上に厚みが20μmとなるようにキャスティングして塗膜を形成し、150℃で30分熱架橋し試験片を作製した。
〈ラビング試験〉
上記作製した試験片について、溶剤にエタノールを用い、加重900g/cm2にて摩擦試験機ER−1B(スガ試験機株式会社製)によりダブルラビングを行ない、白化、穴あき回数、塗膜残存率、塗膜状態について下記の基準に従い点数化して総合点で評価した。結果を表1に示す。
(白化)
ラビング回数100回における塗膜の白化を目視にて観察し評価した。白化のレベルは薄白化、白化、濃白化の3段階とし、白化しない場合は10点とする。
・薄白化 −2点
・白化 −2点、ラビング回数10回の時点で白化である場合はさらに−2点
・濃白化 −2点、ラビング回数10回の時点で薄白化である場合はさらに−4点
(穴あき回数)
塗膜に穴があいた時のラビング回数を目視にて観察し評価した。
・0〜19回 1点
・20〜39回 2点
・40〜59回 3点
・60〜79回 4点
・80〜100回 5点
(塗膜残存率)
ラビング回数100回における残った塗膜の面積(%)を目視で測定し、穴があかない場合は100%、すべて塗膜がなくなった場合を0%とする。
・0〜19% 1点
・20〜39% 2点
・40〜59% 3点
・60〜79% 4点
・80〜100% 5点
(塗膜状態)
ラビング回数100回における塗膜の状態を目視で観察し、5段階評価で、硬い10点、軟らかい(白化なし)8点、軟らかい(白化あり)6点、少し溶け4点、溶け2点とした。
Figure 2013112755
〈スポット試験〉
上記作製した試験片について、下記の対象溶剤等で湿らせたコットン(15mm×15mm)を塗膜上に1時間放置し(コットンは常に湿潤している状態を保持する)、1時間後コットンを除去して塗膜の様子を表2で示す点数表に従って点数化した。さらに、コットン除去後に塗膜が完全に乾燥した状態において、再度外観を観察し、同様にして点数化し、湿潤状態の時の点数と合計したものを全体の点数とした。結果を表3〜10に示す。
(対象溶剤等)
・溶剤1:水酸化ナトリウム水溶液(1質量%)
・溶剤2:メチルエチルケトン
・溶剤3:50%質量エタノール水溶液
・溶剤4:70%質量イソプロピルアルコール水溶液
・溶剤5:1.4質量%アンモニア水
・洗剤1:Windex(JhonsonSC製ガラスクリーナー)
・洗剤2:FORMULA409(The Clorox Company製キッチンクリーナー)
・水
Figure 2013112755
Figure 2013112755
Figure 2013112755
Figure 2013112755
Figure 2013112755
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Figure 2013112755
Figure 2013112755
Figure 2013112755
上記シェルライフ試験より、ポリカルボジイミドアミン変性物を含む樹脂架橋剤は、それ自体高い保存安定性を示すことがわかり、またポットライフ試験より、樹脂架橋剤を水性樹脂へ添加後も保存安定性に優れることがわかる。
また、ラビング試験及びスポット試験より、本発明の樹脂架橋剤を用いた水性樹脂組成物は、保存後も初期と同等の耐溶剤性示し、40℃程度の保存状態であっても保存安定性に優れることがわかる。
本発明のポリカルボジイミドアミン変性物は水溶性又は水分散性を示し、水性樹脂に対する保存安定性を向上させることができるため水性樹脂用の樹脂架橋剤として有用である。

Claims (6)

  1. 末端が親水性化合物で封止された芳香族ジイソシアネート化合物由来のポリカルボジイミドを二級アミンで変性した、水溶性又は水分散性のポリカルボジイミドアミン変性物。
  2. 前記ポリカルボジイミドの重合度が2〜12である、請求項1に記載のポリカルボジイミドアミン変性物。
  3. 前記芳香族ジイソシアネート化合が、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート及び2,6−トリレンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリカルボジイミドアミン変性物。
  4. 前記二級アミンが、ジ−n−プロピルアミン又はジイソプロピルアミンである、請求項1〜3のいずれかに記載のポリカルボジイミドアミン変性物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリカルボジイミドアミン変性物を含む、水性樹脂用の樹脂架橋剤。
  6. 前記水性樹脂が、分子内にカルボキシル基を有する水溶性又は水分散性のウレタン樹脂、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の樹脂架橋剤。
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