JP2013087074A - 医薬用結合剤及び該結合剤を用いた製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】錠剤に用いる結合剤において、1)口腔内崩壊錠(OD錠)(水なしで30秒以下の崩壊を示す錠剤)に最適な結合剤、2)直接打錠するのに最適な結合剤を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系(共)重合体からなる医薬用結合剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬用結合剤及び該結合剤を用いた製剤に関する。
固形医薬品の最終形態としては、錠剤、カプセル剤及び分包剤が汎用されている。前記錠剤の代表的な製造方法としては、1)薬物粉末、結合剤及び賦形剤を、湿式造粒してこれを乾燥・整粒した後、滑沢剤を適量混合して打錠機により製錠する方法(湿式造粒法)、2)薬物粉末、結合剤及び賦形剤を、ローラーコンパクター等を用いて加圧乾式造粒を行い、整粒して滑沢剤を混合して製錠する方法(乾式造粒法)、並びに3)薬物粉末、結合剤及び賦形剤を混合して、滑沢剤を混合して製錠する方法(直接打錠法)の3種の方法がある。
さて、近年、高齢化に伴い嚥下機能が低下した高齢者患者への利便性を考慮し、服用し易い剤形として口腔内崩壊錠(OD錠)に関する様々な検討が行われている。例えば、OD錠の製造法として錠剤の多孔質構造を付与させるため、湿潤粉体や溶液を鋳型に注入し乾燥させる方法や低圧打錠した湿潤錠剤を乾燥することにより硬度を上げる方法などが報告されている(非特許文献1)。また、最近では特殊な製造方法によらないOD錠の成功例も報告されている(非特許文献2)。また、OD錠は一般的に錠剤硬度が低いため、生産現場における取扱いやその後の医療現場における錠剤の割れの防止が課題であるので、この解決法として速溶解性のフィルムコーティングに関する報告もなされている(非特許文献3)。
OD錠に用いられる賦形剤としては、口腔内でのザラツキ、甘味及び溶解性の点から、マンニトール、エリスリトール及びキシリトール等の糖アルコールが多用され、結合剤にはポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースなどが使用されている(非特許文献1及び2)。また、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(POVACOAT(R))が、医薬品添加剤として、酸素及び匂いに対するバリア性及び高い防湿特性から機能性水溶性フィルムコーティング基剤として使用されている(非特許文献4)。一方、POVACOAT(R)を結合剤として使用することで、高い錠剤硬度(成形性)とともに良好な崩壊性が得られることが報告されている(非特許文献5〜7)。
また、特許文献1では、難溶性薬物等の難溶性成分の溶解性を向上させる目的で、ポリビニルアルコール系共重合体からなる固体分散体用基剤が記載されている。しかし、特許文献1では、ポリビニルアルコール系共重合体を固体分散体基剤として使用しており、結合剤として検討していない。特許文献2では、菌の繁殖を抑制し、コーティング液の調製が簡便であり、更に添加剤の分散安定性を向上させる目的で、ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーとを重合して得られるポリビニルアルコール系共重合体を含む水性液剤が記載されている。しかし、特許文献2では、結合剤として使用しているが、ポリビニルアルコール系共重合体を粉末として用いる検討は行っていない。また、上記特許文献1及び2に記載の固体分散体用基剤及び水性液剤では、ポリビニルアルコール系共重合体からなる成分を、粉末として用いる結合剤として用いた場合の、直接打錠法への適用と口腔内崩壊錠に求められる機能については何も検討されていない。
従って、錠剤に用いる結合剤に、1)口腔内崩壊錠(OD錠)(水なしで30秒以下の崩壊を示す錠剤)に最適な結合剤、2)直接打錠するのに最適な結合剤となることが求められている。
対馬勇禧、第5回医薬品添加剤セミナー講演要旨集、P43-54(2006) 菊岡広晃、Pharm Tech Japan、Vol.27 No.1、P83-86(2011) 高木卓他、第131年会日本薬学会、29P-0468(2011) 浦松俊治、植村俊信他、第27回製剤と粒子設計シンポジウム講演要旨集、P108-109(2010) 浦松俊治、植村俊信他、第1回標準処方研究フォーラム講演要旨集、P6-7(2008) 浦松俊治、植村俊信他、第26回製剤と粒子設計シンポジウム講演要旨集、P140-141(2009) 浦松俊治、島本敏夫他、製剤機械技術研究会誌、Vol.19 No.2、P60-66(2010)
国際公開WO2008/133102 特公2009−269874号公報
本発明は、錠剤に用いる結合剤において、1)口腔内崩壊錠(OD錠)(水なしで30秒以下の崩壊を示す錠剤)に最適な結合剤、2)直接打錠するのに最適な結合剤を提供することを主な課題とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ポリビニルアルコール系(共)重合体からなる医薬用結合剤が、1)口腔内崩壊錠(OD錠)(水なしで30秒以下の崩壊を示す錠剤)に最適な結合剤であり、2)直接打錠するのに最適な結合剤であることを見出した。
本発明は、下記項1〜15に示す医薬用結合剤、錠剤及び医薬組成物を提供する。
項1. ポリビニルアルコール系(共)重合体からなる医薬用結合剤。
項2. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体の平均粒子径が、130μm以下である上記項1に記載の医薬用結合剤。
項3. 口腔内崩壊錠用である上記項1又は2に記載の医薬用結合剤。
項4. 直接打錠用である上記項1〜3のいずれかに記載の医薬用結合剤。
項5. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体が、ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの少なくとも1種とを重合して得られるものである上記項1〜4のいずれかに記載の医薬用結合剤。
項6. 前記重合性ビニルモノマーが、アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである上記項5に記載の医薬用結合剤。
項7. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体において、前記アクリル酸の使用量が0.5〜20質量%であり、前記メタクリル酸メチルの使用量が5〜40質量%である上記項6に記載の医薬用結合剤。
項8. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体が、ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種にアクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種がグラフト重合した共重合体である上記項7に記載の医薬用結合剤。
項9. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体の重量平均分子量が、1万〜50万である上記項1〜8のいずれかに記載の医薬用結合剤。
項10. 薬効成分及び上記項1〜9のいずれかに記載の医薬用結合剤を含有する錠剤。
項11. 前記薬効成分及び前記医薬用結合剤の混合物を湿式造粒して製造される上記項10に記載の錠剤。
項12. 前記薬効成分及び前記医薬用結合剤の混合物を直接打錠して製造される上記項10に記載の錠剤。
項13. 更に糖アルコールを含有する上記項10〜12のいずれかに記載の錠剤。
項14. 口腔内崩壊錠である上記項10〜13のいずれかに記載の錠剤。
項15. 上記項1〜9のいずれかに記載の医薬用結合剤を含有する医薬組成物。
本発明の医薬用結合剤は、錠剤に用いる結合剤として、1)口腔内崩壊錠(OD錠)(水なしで30秒以下の崩壊を示す錠剤)に最適であり、2)直接打錠するのに最適な結合剤となる。
錠剤の密度算出方法を示す。 実施例1、参考例1、比較例1及び2の錠剤の成形性を示す。 実施例2、3、参考例2の錠剤の成形性及び崩壊性を示す。 実施例4及び参考例3の直接打錠法による成形性を示す。 実施例5の直接打錠法による成形性を示す。 実施例6〜8の滑沢剤の量に対する成形性及び崩壊性を示す。 実施例9〜11の賦形剤に対する成形性及び崩壊性を示す。 実施例12の錠剤に水を加えた場合の崩壊の様子を示す。 錠剤の崩壊メカニズムを示す。
本発明の医薬用結合剤は、ポリビニルアルコール系(共)重合体(以下、PVA系(共)重合体と称することがある。)からなるものである。
本発明の医薬用結合剤は、PVA系(共)重合体からなることで、1)口腔内崩壊錠(OD錠)(水なしで30秒以下の崩壊を示す錠剤)に最適な結合剤となる。OD錠には、低圧打錠で適正な硬度(製造工程で壊れないまた最終包装であるブリスター中で割れない、病院・薬局での分包作業中でもわれない)を発揮できる結合剤が求められており、即ち低圧で適正な錠剤硬度を発現し、速やかに崩壊する性質(崩壊の妨害になり難い性質)が望まれている。また、OD錠の賦形剤として低成形性の賦形剤と言われている糖アルコール系が多用されているが、従来の結合剤では、実用的な十分な錠剤硬度が得られず、製錠後、熱や湿度処理を施すことによって、錠剤の硬度を上げる手法を採っていた。本発明の医薬用結合剤は、PVA系(共)重合体(好ましくは微粒子)を用いることで、通常の製錠(低圧打錠)で十分な錠剤硬度を有し、且つ速崩壊を示すものとなる。
また、本発明の医薬用結合剤は、PVA系(共)重合体からなることで、2)直接打錠するのに最適な結合剤となる。市販されているPVA系(共)重合体(例えば、POVACOAT Type F:大同化成工業製)では、薬効成分や賦形剤と混合した際、粒子径が大きいため、混合時の均一性を考慮し、異なる流動性により生じた偏析による錠剤間の重量バラツキを考慮すると、改善の余地があった。本発明のPVA系(共)重合体(好ましくは微粒子)を用いることで、上記点については向上し、更に良好な錠剤硬度を示すものとなる。
特に、ポリビニルアルコール水溶液(PVA水溶液)にアクリル酸とメタクリル酸メチル単量体を乳化して重合せしめたPVA系(共)重合体の平均粒子径を130μm以下に、乾燥若しくは粉砕することで、低成形性の賦形剤である糖アルコールを用いた場合においても、これらを造粒(粉添加法)して得られる打錠用顆粒は製錠により優れた成形性と速崩壊を両立することができる。前記PVA系(共)重合体の平均粒子径を130μm以下とするには、PVA系(共)重合体を、パルス燃焼式乾燥機を用いる方法若しくはその他乾燥方法で得られた乾燥品を粉砕することが好ましい。更に、平均粒子径が130μm以下のPVA系(共)重合体を乾式の結合剤として使用することで、優れた成形性を有する錠剤を調製できる。
(1)ポリビニルアルコール系(共)重合体(PVA系(共)重合体)
PVA系(共)重合体は、ポリビニルアルコール(以下、PVAと称することがある。)及びその誘導体から選択される少なくとも1種のPVA系重合体、並びにPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの少なくとも1種とを重合して得られるPVA系共重合体を使用することができる。本明細書では、それらを合わせてPVA系(共)重合体と記す。
(2)ポリビニルアルコール及びその誘導体
ポリビニルアルコール(PVA)及びその誘導体は、公知のものを使用すれば良く、市販品が容易に入手可能であればよい。
PVA及びその誘導体の重合度は、目的とする用途に応じた濃度及び粘度で最適なものを選択すればよく、特に限定されるものでないが、例えば200〜2000程度、好ましくは300〜1000程度である。また、PVA及びその誘導体は、けん化度が好ましくは約60〜100モル%、より好ましくは78〜96モル%程度、更に好ましくは85〜90モル%程度の部分けん化PVAを使用することが好ましい。この様なけん化PVAは、酢酸ビニルをラジカル重合し、得られた酢酸ビニルを適宜、けん化することによって製造することができる。所望のPVAを製造するためには、適宜、重合度及びけん化度をそれ自体公知の方法で制御することによって達成される。
PVAの誘導体としては、例えば、PVAの完全ケン化物、中間ケン化物及び部分ケン化物の他に、アミン変性PVA、エチレン変性PVA、末端チオール変性PVA等の各種変性PVAを使用できる。PVAの誘導体の市販品としては、例えば、日本酢ビ・ポバール製のJP−05(部分けん化PVA、重合度500、ケン化度88%)等が挙げられる。
本発明において、PVA及びその誘導体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(3)重合性ビニルモノマー
本発明において、重合性ビニルモノマーとしては、例えば、
(1)アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びイタコン酸等;
(2)前記(1)のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及びアルキルアミン塩等;並びに、
(3)メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリエチレングリコールとアクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとアクリル酸とのエステル、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート及びメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド等
が挙げられる。
好ましい重合性ビニルモノマーとしては、下記一般式(A)
C=C(R)−COOR (A)
[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
で表される化合物が挙げられる。
重合性ビニルモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。重合性ビニルモノマーを2種以上混合して使用する場合、重合性ビニルモノマーは、一般式(A)で表される化合物において、Rが水素原子である化合物とRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物とを含むものが好ましい。
一般式(A)においてRが水素原子である化合物とRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物の使用割合は、PVA系(共)重合体において、つまりPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーとの合計量を100質量%として、好ましくはRが水素原子である化合物0.5〜20質量%程度とRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物5〜40質量%程度であり、より好ましくはRが水素原子である化合物1.0〜10質量%程度とRが炭素数1〜4のアルキル基である化合物10〜30質量%程度である。
更に、重合性ビニルモノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸メチルのみを使用するものが特に好ましい。
アクリル酸とメタクリル酸メチルとの使用割合は、PVA系(共)重合体において、つまりPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの合計量を100質量%として、好ましくはアクリル酸0.5〜20質量%程度とメタクリル酸メチル5〜40質量%程度、より好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種1.0〜10質量%程度とメタクリル酸メチル10〜30質量%程度である。
(4)PVA系(共)重合体の製造
PVA系(共)重合体の製造方法としては、例えば、特許文献1(国際公開02/17848)に記載されている方法が挙げられる。該共重合体の製造方法としては、例えば、水とPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種とを混合し、得られた混合液を加温してPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種を水に溶解し、次いで重合性ビニルモノマー及び重合開始剤を添加して、重合又は共重合反応させる方法が挙げられる。また、PVA系(共)重合体として、市販品を入手することもできる。
PVA系(共)重合体の製造方法において、水とPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種の使用割合は、水100質量部に対して、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種を好ましくは5〜70質量部程度、より好ましくは15〜40質量部程度である。
PVA系(共)重合体の製造方法において、水とPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種の混合液を加温して溶解する温度は、使用するPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種が水に溶解する温度に適宜設定すればよく、例えば80〜100℃程度とすればよい。
PVA系(共)重合体の製造方法において、重合性ビニルモノマーは、前記記載のものを使用すればよい。重合性ビニルモノマーの使用量は、目的とするPVA系(共)重合体の組成等に応じて適宜選択すればよく、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部程度、より好ましくは11〜66質量部程度である。
また、重合性ビニルモノマーがアクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む場合、アクリル酸とメタクリル酸メチルとの使用量は、PVA系(共)重合体において、つまりPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの合計量を100質量%として、好ましくはアクリル酸0.5〜20質量%程度、メタクリル酸メチル5〜40質量%程度、より好ましくはアクリル酸1.0〜10質量%程度、メタクリル酸メチル10〜30質量%程度である。
PVA系(共)重合体の製造方法において、重合開始剤としては、公知のものが使用でき、例えば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、AIBN(アゾイソブチロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、
過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−酒石酸ナトリウム等のレドックス開始剤等が使用できる。
重合開始剤の使用量は、重合性ビニルモノマーの合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部程度、より好ましくは0.5〜3.0質量部程度である。
PVA系(共)重合反応の反応温度は、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種の分子量、重合性ビニルモノマーの種類等に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは30〜80℃程度、より好ましくは40〜60℃程度である。
PVA系(共)重合体としては、例えば、PVA(鎖)に重合性ビニルモノマーがグラフト重合したものが挙げられ、好ましくは、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種にアクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種がグラフト重合したPVA系(共)重合体である。
PVA系(共)重合体の重量平均分子量は、好ましくは1万〜50万程度であり、より好ましくは3万5千〜30万程度である。
PVA系(共)重合体の平均粒子径は、130μm程度以下が好ましく、より好ましくは125μm程度以下であり、更に好ましくは100μm程度以下であり、特に好ましくは100〜1μm程度であり、最も好ましくは50〜1μm程度である。
PVA系(共)重合体の平均粒子径を前記範囲とすることで、特に1)口腔内崩壊錠(OD錠)(水なしで30秒以下の崩壊を示す錠剤)に最適な結合剤とすることができる。特にOD錠において、低圧打錠で適正な硬度(製造工程で壊れないまた最終包装であるブリスター中で割れない、病院・薬局での分包作業中でもわれない)を発揮できる結合剤とすることができ、即ち低圧で適正な錠剤硬度を発現し、速やかに崩壊する性質(崩壊の妨害になり難い性質)を備えることができる。また、OD錠の賦形剤として低成形性の賦形剤と言われている糖アルコール系を用いた場合であっても、微粒子のPVA系(共)重合体を用いることで、通常の製錠(低圧打錠)で十分な錠剤硬度を有し、且つ速崩壊を示す医薬用結合剤とすることができる。また、PVA系(共)重合体の平均粒子径を前記範囲とすることで、特に2)直接打錠するのに最適な結合剤とすることができる。
特に、平均粒子径が前記範囲とした場合、薬効成分や賦形剤と混合した際、より均一に混合でき、流動性を他成分に合わせることができ偏析が起こりにくく、錠剤の重量バラツキも抑えることが可能である。更に良好な錠剤硬度を示すものとなる。そして、PVA水溶液にアクリル酸とメタクリル酸メチル単量体を乳化して重合せしめたPVA系(共)重合体の平均粒子径を130μm以下に調整して、乾燥若しくは粉砕することで、低成形性の賦形剤である糖アルコールを用いた場合においても、これらを造粒して得られる打錠用顆粒は製錠により優れた成形性と速崩壊を両立することができる。更に、平均粒子径が130μm以下のPVA系(共)重合体を乾式の結合剤として使用することで、優れた成形性を有する錠剤を調製できる。
PVA系(共)重合体の平均粒子径を130μm以下に調製するには、PVA系(共)重合体を、パルス燃焼式乾燥機を用いる方法、スプレードライヤーを用いる方法、凍結乾燥後に粉砕する方法、PVA系(共)重合体を液体窒素やドライアイスを用いて冷却して粉砕する方法(冷凍粉砕法)、若しくはその他乾燥方法で得られた乾燥品を粉砕することが好ましい。
PVA系(共)重合体は、市販品を使用することもできる。市販品を使用する場合、例えば、POVACOAT(ポバコート:登録商標:大同化成工業製)等を使用することができる。POVACOAT(ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体)は、部分けん化ポリビニルアルコールに、アクリル酸とメタクリル酸メチルを共重合した合成高分子である。PVA系(共)重合体の一般式として以下の様な構造式で表される。
Figure 2013087074
構造式中、k、l、m、nの和を100%とした場合、kは60〜85%程度、lは5〜20%程度、mは0.5〜15%程度、nは0.3〜25%程度含まれることが好ましい。平均分子量(Mw)は、2万5000〜20万程度であることが好まし。平均重合度は、300〜1500程度であることが好ましい。表示粘度は、5.5〜20mPa・S程度であることが好ましい。例えば、平均分子量(Mw)が約4万のTypeF又は平均分子量(Mw)が約20万のTypeRを使用することができる。
前記市販品PVA系(共)重合体を用いて、平均粒子径を130μm以下に調製することも可能である。
(5)医薬用結合剤
本発明の医薬用結合剤は、PVA系(共)重合体からなる。PVA系(共)重合反応によって得られたPVA系(共)重合体は、乾燥後、必要に応じて粉砕してから本発明の医薬用結合剤に使用して良い。
(6)錠剤・医薬組成物
本発明の医薬用結合剤は、それ自体を経口投与用医薬組成物として好ましく使用することができる。また、必要に応じて添加剤を添加し、常法により細粒剤、微細顆粒、顆粒、錠剤、カプセル剤、座剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤及びエアゾール剤等の剤型で使用することもできる。好ましい剤型は、錠剤、細粒剤、微細顆粒剤、顆粒剤、カプセル剤である。
本発明の医薬用結合剤を含む剤型は、低圧で適正な錠剤硬度を発現し、速やかに崩壊する性質を有することから、錠剤がより好ましい剤型であり、口腔内崩壊錠であることが好ましい。
本発明の錠剤は、薬効成分及び前記医薬用結合剤を含有する。また、本発明は、前記医薬用結合剤を含有する医薬組成物であっても良い。
薬効成分としては以下のものが例示される。
(1)解熱、鎮痛、抗炎症薬
サリチル酸、スルピリン、フルフェナム酸、ジクロフェナック、インドメタシン、アトロピン、スコポラミン、モルヒネ、ペチジン、レボルファイノール、ケトプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、オキシモルフォン、アスピリン、アミノピリン、フェナセチン、アセトアミノフェノン、フェニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、メフェナム酸、ブコローム、ベンジダミン、メピリゾール、チアラミド、チノリジン、キシロカイン、ペンタゾシン、デキサメタゾン、ハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、アズレン、イソプロピルアンチピリン、サザピリン、クロフェゾン、エトドラッグ、エテンザミド(2−エトキシベンザミド)またはその塩等。
(2)精神安定薬
ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、オキサゾラム、クロチアゼパム、メダゼパム、テマゼパム、フルジアゼパム、メプロバメート、ニトラゼパム、クロルジアゼボキシド等。
(3)抗精神病薬
クロルプロマジン、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、スルピリド、塩酸クロカプラミン、ゾテピン、ハロペリドール等。
(4)抗菌薬
グリセオフルビン、ランカシジン類〔J. Antibiotics,38,877-885(1985)〕、アゾール系化合物〔2−〔(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル〕−4−〔4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)フェニル−3−(2H,4H)−1,2,4−トリアゾロン、フルコナゾール、イトラコナゾール等〕、ナリジクス酸、ピロミド酸、ピペミド酸三水和物、エノキサシン、シノキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロキサシン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム等。
(5)抗生物質
ゲンタマイシン、ジペカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、トプラマイシン、アミカシン、ディベカシン、フラジオマイシン、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフォチアムヘキセチル、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキサラクタム、チエナマイシン、スルファゼシン、アズスレオナム、アモキシリン、セファレキシン、エリスロマイシン、バカンピシン、ミノサイクリン、クロラムフェニコールまたはそれらの塩等。
(6)抗腫瘍薬
6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロール、ブレオマイシン、メトトレキサート、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチノスタチン、シトシンアラジノシド、フルオロウラシル、テトラヒドロフリル−5−フルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、レバミゾール、ベスタチン、アジメキソン、グリチルリチン、HER2阻害剤(WO01/77107等に記載の複素環化合物等)、タキソール、塩酸ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、メスナ、ジメスナ、アミノグルテチミド、タモキシフェン、アクロライン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロフォスファミド、ロムスチン(CCNU)、カルムスチン(BCNU)等。
(7)抗高脂血症薬
クロフィブラート、2−クロロ−3−〔4−(2−メチル−2−フェニルプロポキシ)フェニル〕プロピオン酸エチル〔Chem. Pharm. Bull.,38,2792-2796(1990)〕、クリノフィブラート、コレスチラミン、ソイステロール、ニコチン酸トコフェロール、ニコモール、ニセリトロール、プロブコール、エラスターゼなど。
(8)鎮咳・去痰薬
エフェドリン、メチルエフェドリン、ノスカピン、コデイン、ジヒドロコデイン、アロクラマイド、クロルフェジアノール、ピコペリダミン、クロペラスチン、プロトキロール、イソプロテレノール、サルプタモール、テレプタリン、ブロムヘキシン、カルボシスティン、エチルシスティン、メチルシスティンまたはその塩等。
(9)筋弛緩薬
プリジノール、ツボクラリン、パンクロニウム、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸トルペリゾン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン、メフェネシン、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、アフロクアロン、バクロフェン、ダントロレンナトリウム等。
(10)抗てんかん薬
フェニトイン、エトサクシミド、アセタゾラミド、クロルジアゼポキシド、フェノバルビタール、カルバマゼピン、プリミドン等。
(11)抗潰瘍薬
ランソプラゾール、メトクロプラミド、ファモチジン、オメプラゾール、スルピリド、トレピブトン、塩酸セトラキサート、ゲフェルナート、マレイン酸イルソグラジン、シメチジン、塩酸ラニチジン、ニザチジン、塩酸ロキサチジンアセテート等。
(12)抗うつ薬
イミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチリン、フェネルジン等。
(13)抗アレルギー薬
ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、メトジラミン、クレミゾール、ジフェニルピラリン、メトキシフェナミン、フマル酸クレマスチン、塩酸シプロヘプタジン、メキタジン、酒石酸アリメマジン等。
(14)強心薬
トランスバイオキソカンファー、テレフィロール、アミノフィリン、エチレフリン等。
(15)不整脈治療薬
プロプラノロール、アルプレノロール、プフェトロール、オクスプレノロール、塩酸プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、硫酸キニジン、塩酸アプリンジン、塩酸プロパフェノン、塩酸メキシレチン等。
(16)血管拡張薬
オキシフェドリン、ジルチアゼム、トラゾリン、ヘキソベンジン、バメタン、ニフェジピン、ニルバジピン、二硝酸イソソルビット、塩酸ジルチアゼム、トラピジル、ジピリダモール、塩酸ジラゼプ、ベラパミル、塩酸ニカルジピン、酒石酸イフェンプロジル、マレイン酸シネパシド、シクランデレート、シンナリジン、ペントキシフィリン等。
(17)降圧利尿薬
ヘキサメトニウムブロミド、ペントリニウム、メカミルアミン、エカラジン、クロニジン、ジルチアゼム、ニフェジピン、フロセミド、トリクロルメチアジド、メチクロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、エチアジド、シクロペンチアジド、フロロチアジド、エタクリン酸等。
(18)糖尿病治療薬
グリミジン、グリプジド、フェンフォルミン、プフォルミン、メトフォルミン、グリベンクラミド、トルブタミド等。
(19)抗結核薬
イソニアジド、エタンブトール、パラアミノサリチル酸等。
(20)麻薬拮抗薬
レバロルファン、ナロルフィン、ナロキソンまたはその塩等。
(21)ホルモン薬
ステロイドホルモン類、例えば、デキサメサゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ペタメサゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、エストリオール等。
(22)骨・軟骨疾患予防・治療剤
プロスタグランジンA1誘導体、ビタミンD誘導体、ビタミンK誘導体、エイコサペンタエン酸誘導体、ベンジルホスホン酸、ビスホスホン酸誘導体、性ホルモン誘導体、フェノールスルフォフタレイン誘導体、ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体、チエノインダゾール誘導体、メナテトレノン誘導体、ヘリオキサンチン誘導体などの非ペプチド性骨形成促進作用物質、ペプチド性骨形成促進物質等。
(23)関節疾患治療剤
p38MAPキナーゼ阻害剤(WO00/64894等に記載のチアゾール系化合物等)、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、デキサベタメタゾン、ベタメタゾン等の抗炎症ステロイド剤、インドメタシン、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ピロキシカム、スリンダク等の非ステロイド性消炎鎮痛剤等。
(24)頻尿治療剤塩酸
フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸テロリジン等。
(25)抗アンドロゲン剤オキセンドロン、アリルエストレノール、酢酸クロルマジノン、カプロン酸ゲストノロン、酢酸オサプロン、フルタミド、ビカルタミド等。
(26)脂溶性ビタミン薬
ビタミンK類:ビタミンK、K、KおよびK、葉酸(ビタミンM)等。
(27)ビタミン誘導体
ビタミンの各種誘導体、例えば、5,6−トランス−コレカルシフェロール、2,5−ヒドロキシコレカルシフェロール、1−α−ヒドロキシコレカルシフェロールなどのビタミンD誘導体、5,6−トランス−エルゴカルシフェロール等のビタミンD誘導体等。
(28)その他
ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロール酢酸、ニセロゴリン、プロスタグランジン類などさらに、虚血性疾患治療薬、免疫疾患治療薬、アルツハイマー病治療薬、骨粗鬆症治療薬、血管新生治療薬、網膜症治療薬、網膜静脈閉塞症治療薬、老人性円板状黄斑変性症治療薬、脳血管攣縮治療薬、脳血栓治療薬、脳梗塞治療薬、脳閉塞症治療薬、脳内出血治療薬、クモ膜下出血治療薬、高血圧性脳症治療薬、一過性脳虚血発作治療薬、多発性梗塞性痴呆治療薬、動脈硬化症治療薬、ハンチントン病治療薬、脳組織障害治療薬、視神経症治療薬、緑内障治療薬、高眼圧症治療薬、網膜剥離治療薬関節炎治療薬、抗リウマチ薬、抗セプシス薬、抗セプティックショック薬、抗喘息薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬等。
本発明の錠剤及び医薬組成物は、前記医薬用結合剤及び前記薬効成分の他、本発明の効果を奏する範囲において、製剤素材として慣用されている各種の薬学的に許容される担体、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤及び甘味剤等の添加剤を1種単独で又は2種以上組み合わせて添加することができる。錠剤及び医薬組成物は、公知の製剤方法を適宜適用することによって製造できる。医薬用結合剤に添加剤を添加して製剤化し、錠剤及び医薬組成物とすることもできる。
添加剤としては以下のものを例示できる。
糖アルコール類(マルチトール、キシリトール、ソルビトール及びエリスリトール等)、乳糖、白糖、ショ糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、シュクロース、マンニトール、還元パラチノーム、炭酸塩類(炭酸カルシウム等)、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、タルク、リン酸塩類(リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウムなど)、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム及びオリゴ糖類(ラクチュロース、ラフィノース、ラクトスクロースなど)等の賦形剤。
グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール;モノステアリン、PEG4000、PEG6000、PEG20000等の各種ワックス類;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等の有機脂肪酸類等の可塑剤。
クエン酸トリエチル、ツイーン80、HCO60及びトリアセチン等の界面活性剤。
単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液及びゼラチン溶液等の粘度調整剤。
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、結晶セルロース、粉末セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、リン酸カリウム、アラビアゴム末、プルラン、ペクチン、デキストリン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ゼラチン、キサンタンガム、カラギーナン、トラガント、トラガント末及びポリエチレングリコール等の結合剤。
デンプン、乾燥デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、メチルセルロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、部分アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム及び炭酸カルシウム等の崩壊剤。
第4級アンモニウム塩及びラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤。
デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト及びコロイド状ケイ酸等の吸着剤。
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、酸化マグネシウム、コロイドシリカ、ホウ酸末及びポリエチレングリコール等の滑沢剤。
ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びサポニン等の分散剤。
アスコルビン酸及びトコフェロール等の抗酸化剤。
乳酸、クエン酸、グルコン酸及びグルタミン酸等の酸味料。
二酸化ケイ素等の流動化剤。
スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、グリチルリチン等の甘味料。ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキョウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、ローズ油、フルーツフレーバー、ミントフレーバー、ペパーミントパウダー、dl−メントール及びl−メントール等の香料。
医薬用結合剤の含有量は、錠剤の崩壊時間の点から、錠剤(及び医薬組成物)中に、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.2〜10質量%、更により好ましくは0.5〜5質量%である。
滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)の含有量は、スティッキングと錠剤の崩壊性の点から、錠剤(及び医薬組成物)中に、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%、更により好ましくは0.1〜0.5質量%である。
錠剤(及び医薬組成物)中の薬効成分の含有量は、バイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。
本発明の医薬用結合剤を含む錠剤(及び医薬組成物)の投与量は、薬効成分の含有量とバイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。
(7)錠剤・医薬組成物の製造
本発明の錠剤(及び医薬組成物)は、例えば、前記薬効成分及び前記医薬用結合剤の混合物を湿式造粒して製造することができる(湿式造粒法)。湿式造粒とは、薬効成分、結合剤及び賦形剤を湿式造粒して、これを乾燥・整粒した後、滑沢剤を適量混合して打錠機により製錠される方法である。詳しくは、薬効成分、賦形剤及び結合剤を高速攪拌造粒機や流動層造粒機を用い、精製水を用いて常法にて造粒を行う。湿式造粒法は、含量均一性や圧縮成形性に劣る薬効成分を用いる場合に好ましい。
また、本発明の錠剤(及び医薬組成物)は、例えば、前記薬効成分及び前記医薬用結合剤の混合物を直接打錠して製造することもできる(直接打錠法)。直接打錠法とは、薬効成分、結合剤及び賦形剤を混合して、滑沢剤を混合して製錠する方法である。直接打錠法は、流動性が良好、若しくは改良された薬効成分を用いる場合や、水に不安定な薬効成分を用いる場合に好ましい。
また、本発明の錠剤(及び医薬組成物)は、例えば、薬効成分、結合剤及び賦形剤を、ローラーコンパクター等を用いて加圧乾式造粒を行い、整粒して滑沢剤を混合して製錠する乾式造粒法により造粒しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では下記の材料、試験方法を用いて検討した。
(1)材料
ポリビニルアルコール系(共)重合体をPVA系(共)重合体と記す。
・POVACOAT Type SFP(SFP):大同化成工業社のPVA系(共)重合体、平均粒子径20μm
・POVACOAT Type 55(55):大同化成工業社のPVA系(共)重合体、平均粒子径55μm
・POVACOAT Type MP(MP):大同化成工業社のPVA系(共)重合体、平均粒子径125μm
・ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);日本曹達製(グレード;HPC−L)
・ポリビニルピロリドン(PVP):試薬特級(グレード;K−30)
・エテンザミド(ETZ):モデル薬物、平均粒子径192μm
・アセトアミノフェン(APAP):モデル薬物、粒度75〜106μm
・エリスリトール:賦形剤、平均粒子径61μm
・クロスポピドン(C−PVP):崩壊剤、平均粒子径96μm
・ステアリン酸マグネシウム(St−Mg):滑沢剤
(2)成形性の評価
打錠圧を変化させて得られた錠剤の厚みと重量を測定し、図1(錠剤の密度算出方法)に従い錠剤の密度を算出し、その錠剤の硬度をシュロイニガー製錠剤硬度測定器にて測定した。
(3)崩壊性の評価
成形性の評価と同様の操作で錠剤密度を算出し、その錠剤の崩壊時間を日本薬局方崩壊試験法に準じて試験を行った。(試験条件;精製水、900mL、ディスクなし)
(4)実施例1、参考例1、比較例1及び2:成形性の評価
攪拌造粒機(Mixer Torque Rheometer、Caleva製の二軸回転型造粒機)に仕込んだエリスリトール38g、結合剤としてPOVACOAT Type SFP(実施例1)、POVACOAT Type MP(参考例1)、HPC(比較例1)またはPVP(比較例2)2gの混合粉末に、所定の精製水を添加して、攪拌速度50rpm、造粒時間5分で攪拌造粒を行った(湿式造粒法、粉末添加造粒法)。得られた造粒物を60℃で乾燥した後、1mmの篩で篩過し、打錠用顆粒を調製した。尚、最適精製水量は、先に報告(植村俊信、浦松俊治他、第26回製剤と粒子設計シンポジウム講演要旨集、pp.100-101(2009))している方法に従い、各処方の可塑限界液量(PL値)を測定し、その0.6×PL値に相当する量とした。
得られた打錠用顆粒をロータリー式打錠機(菊水製作所製)にて打錠を行い、8mmφ、12R、200mg錠を製錠した。得られた錠剤の硬度はシュロイニガー硬度試験器により測定した。
成形性の評価結果を図2に示す。
HPCやPVPを用いた場合、口腔内崩壊錠(OD錠)の目標硬度と言われている5kp以上の硬度が出なかった(比較例1及び2)。
一方、MP及びSFPを用いた場合には十分な錠剤硬度が得られ、特にSFPは良好な成形性を示した(実施例1及び参考例1)。
(5)実施例2及び3及び参考例2:口腔内崩壊錠の調製
攪拌造粒機(Mixer Torque Rheometer、Caleva製)に仕込んだETZ12g、クロスポピドン2g、エリスリトール24.8g、結合剤としてPOVACOAT Type SFP(実施例2)、Type 55(実施例3)又はType MP(参考例2)1.2gの混合粉末に、所定の精製水を添加して、攪拌速度50rpm、造粒時間5分で攪拌造粒を行った(湿式造粒法)。得られた造粒物を60℃で乾燥した後、1mmの篩で篩過し、打錠用顆粒を調製した。
得られた打錠用顆粒をロータリー式打錠機(菊水製作所製)にて打錠を行い、8mmφ、12R、200mg錠を製錠した(口腔内崩壊錠)。得られた錠剤の硬度はシュロイニガー硬度試験器により測定し、崩壊時間(DT)は日局崩壊試験法に準じ精製水を用いて測定した。
成形性及び崩壊性の評価結果を図3に示す。
SFP(20μm)、55(55μm)及びMP(125μm)の3種とも目標硬度である5kp以上を示す密度領域(すなわち打錠圧)があり、エリスリトールを賦形剤に用いた場合でも、崩壊錠の目標錠剤硬度といわれている5kp以上の硬度が得られた。また、粉末添加結合剤であるPVA系(共)重合体(POVACOAT)の粒子径が小さくなるに従って、成形性が向上した。尚、摩損度に関してはいずれも場合においても、錠剤硬度5kp領域で約0.3%であった。一方、崩壊性は非常に特徴的でいずれも場合においても、崩壊時間が速い領域と崩壊時間が遅延する領域の2相性を示している。この様な成形性と崩壊の2相性の結果から、PVA系(共)重合体(POVACOAT)の粒子径が小さいほど、5kp以上の硬度でかつ速崩壊を示す密度領域が広くなっていることがわかる。特に、SFP(20μm)及び55(55μm)を用いた場合、硬度5kp以上、且つ崩壊時間が30秒以下を示す密度領域がより多く存在するため、OD錠の設計に好ましい錠剤を調製することができた(実施例2及び3)。特に、SFP(20μm)は良好であった。その結果、PVA系(共)重合体(POVACOAT)を粉末添加結合剤として用いることにより、通常の製造法によってエリスリトールOD錠として使用可能であることがわかった。
(6)実施例4及び参考例3:直接打錠法による成形性1
ETZ85g、クロスポピドン5g、St−Mg 0.1g、結合剤としてPOVACOAT Type SFP(実施例4)又はType MP(参考例3)10gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所製)にて打錠を行い、8mmφ、12R、200mg錠を製錠した(直接打錠法)。
成形性の評価結果を図4に示す。
MP(125μm)を用いた場合、密度を高めることで十分な錠剤硬度が得られた(参考例3)。SFP(20μm)を用いた場合、低圧打錠(低密度)の場合でも、良好な錠剤硬度が得られた(実施例4)。
(7)実施例5:直接打錠法による成形性2
アセトアミノフェン(APAP)85g、クロスポピドン5g、St−Mg 0.1g、結合剤としてPOVACOAT Type SFP(実施例5)10gを混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作所製)にて打錠を行い、8mmφ、12R、200mg錠を製錠した(直接打錠法)。
成形性の評価結果を図5に示す。
低成形性のモデル薬物と言われているAPAPを85%含む高含量の場合でも、SFP(20μm)を用いた場合良好な成形性を示す。また、1時間の連続打錠を行ってもスティッキング(杵への粉付着)やキャッピング等の打錠障害は認められなかった。
(8)実施例6〜8:滑沢剤(St−Mg)量に対する錠剤硬度及び崩壊性
一般的に、打錠には打錠障害回避のため滑沢剤を常用するが、滑沢剤の混合時間や添加
量により錠剤硬度の低下や崩壊時間の延長が生じるとの多くの報告がなされている(第2回標準処方研究フォーラム講演要旨集、標準処方研究会報告P18-47(2009))。このため、錠剤硬度と崩壊時間に影響を及ぼすと考えられるSt−Mg(滑沢剤、ステアリン酸マグネシウム)の添加量について検討した。
図6はその結果である。
ETZ/エリスリトール/クロスポピドン/POVACOAT Type SFP=30/62/5/3により得られた打錠用顆粒に、St−Mgを0%(実施例6)、0.1質量%(実施例7)、0.5質量%(実施例8)を添加し成形性と崩壊性を調べた。横軸に打錠圧を変化させて得られた錠剤の密度(個別の錠剤の重量と錠剤の厚みから算出される錠剤体積から求められる)を採用し、縦軸に錠剤硬度および崩壊時間をプロットしている。これは、この方法によって整理される錠剤密度と錠剤硬度との間には直線性があり、成形性の定量的な把握には非常に有効である。打錠圧としては錠剤密度の最も高い領域で約10kNである。
図6から、St−Mgが0.1質量%の場合、成形性及び崩壊性はSt−Mg無しの場合と同様の成形性と崩壊パターンを示したのに対し、St−Mgが0.5質量%の場合は硬度の低下と崩壊速度の遅延が認められた。一方、打錠性はSt−Mg無し、及び0.1質量%では大きく異なった。St−Mgが0.1質量%の場合には、打錠粒のターンテーブルへの付着、錠剤重量のバラツキが発生せず、問題なく打錠を行うことができ、スティッキングも認められなかった。このため、St−Mgは0.1質量%が好ましい。
(9)実施例9〜11:各種賦形剤に対する成形性及び崩壊性
POVACOATを用いたOD錠の成形性と崩壊性に関する基礎的知見を得る目的で、それぞれ3種(a:乳糖(実施例9)、b:マンニトール(平均粒子径:68μm、実施例10)、c:エリスリトール(平均粒子径:61μm、実施例11))の賦形剤に、結合剤(1%を処方した):Type SFP(20μm)、崩壊剤:C−PVP(クロスポピドン)(5%)を用いて、成形性と崩壊性に与える崩壊剤の影響について検討した。
結果を図7に示す。
崩壊剤(C−PVP)を配合することで、賦形剤として、マンニトールおよびエリスリトールを用いた場合の成形性が向上した。特にマンニトールではその傾向が顕著である。崩壊性に関しては、崩壊剤(C−PVP)を配合することで、非常に速い崩壊を示した。また崩壊パターンは先の結果と同様に2相性を示していることがわかる。この結果から、図3で得られた崩壊の2相性は、薬物配合或いは特定の賦形剤(エリスリトール)に特有ではないことがわかった。
(10)実施例12:崩壊特性
図8は、プラスチックトレイに12Mesh篩を置き、その篩上に錠剤を静置し錠剤の半分程度が漬かる量の精製水を流し込んだ際の、崩壊の様子をマイクロスコープ(×25)にて3秒毎に撮影した結果である。試験に用いた錠剤は、ETZ/エリスリトール/クロスポピドン/POVACOAT SFP=30/64/5/1の処方で得られた錠剤硬度5kpを示す錠剤を用いた(実施例12)。
その結果、錠剤は表層から急速に崩壊し、崩壊した粒子は速やかにメッシュ上から消失
して行く様子が伺え、錠剤中心部分は残っている様子(6秒後)が観察された。これらの結果と、過去の様々な検討結果より、POVACOATを結合剤に用いて得られた錠剤は、図9に模式的に示した崩壊型崩壊の特徴を示す場合が多い。これまで汎用の結合剤を用いた場合の崩壊挙動は、いわゆる溶解型崩壊として知られている崩壊パターンを示す。
これは、POVACOATが水溶性高分子であるにも関わらず、“ままこ”を形成することなく常温の水で膨潤、溶解する特性に起因すると考えられる。すなわち水の浸透直後の錠剤内部の局所粘度が低い間に、崩壊剤の膨張が優先的に働く結果、崩壊時間に錠剤密度が大きな影響を及ぼさない領域が発生するものと考えられる。一方、錠剤硬度が高い領域では、錠剤表面硬度が高いため崩壊剤への水の浸透が妨げられたことにより崩壊時間が遅延する。その結果崩壊の2相性が現れるものと考えられる。このような崩壊の2相性はマンニトールを賦形剤に用いた場合にも得られている。OD錠を設計する上では、低圧時において十分な錠剤硬度が得られるとともに崩壊が2相性であることは有用であると考えられる。
上記結果から得られた崩壊の2相性に関しては以下のように考えられる。
水の浸透直後の錠剤内部の局所粘度が低い(ままこを形成しない)間に、崩壊剤の膨潤・膨張が優先的に働く結果、崩壊時間に錠剤密度が大きな影響を及ぼさない領域が発生するものと考えられる。一方、錠剤硬度が高い領域では、錠剤密度が大きいため崩壊剤への水の浸透が妨げられたことにより崩壊時間が遅延する。その結果崩壊の2相性が現れるものと考えられる。

Claims (15)

  1. ポリビニルアルコール系(共)重合体からなる医薬用結合剤。
  2. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体の平均粒子径が、130μm以下である請求項1に記載の医薬用結合剤。
  3. 口腔内崩壊錠用である請求項1又は2に記載の医薬用結合剤。
  4. 直接打錠用である請求項1〜3のいずれかに記載の医薬用結合剤。
  5. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体が、ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの少なくとも1種とを重合して得られるものである請求項1〜4のいずれかに記載の医薬用結合剤。
  6. 前記重合性ビニルモノマーが、アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項5に記載の医薬用結合剤。
  7. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体において、前記アクリル酸の使用量が0.5〜20質量%であり、前記メタクリル酸メチルの使用量が5〜40質量%である請求項6に記載の医薬用結合剤。
  8. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体が、ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種にアクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種がグラフト重合した共重合体である請求項7に記載の医薬用結合剤。
  9. 前記ポリビニルアルコール系(共)重合体の重量平均分子量が、1万〜50万である請求項1〜8のいずれかに記載の医薬用結合剤。
  10. 薬効成分及び請求項1〜9のいずれかに記載の医薬用結合剤を含有する錠剤。
  11. 前記薬効成分及び前記医薬用結合剤の混合物を湿式造粒して製造される請求項10に記載の錠剤。
  12. 前記薬効成分及び前記医薬用結合剤の混合物を直接打錠して製造される請求項10に記載の錠剤。
  13. 更に糖アルコールを含有する請求項10〜12のいずれかに記載の錠剤。
  14. 口腔内崩壊錠である請求項10〜13のいずれかに記載の錠剤。
  15. 請求項1〜9のいずれかに記載の医薬用結合剤を含有する医薬組成物。
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