JP5801266B2 - 疎水性薬物を含む錠剤製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品又は食品分野等において製剤を製造する際に崩壊性又は結合性を付与するために添加する低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いた錠剤の製造方法に関するものであり、特に疎水性薬物を含有する錠剤の製造方法に関するものである。
一般に、医薬品又は食品分野等における錠剤の製造方法としては、薬物とその他の結合剤、崩壊剤、増量剤及び/又は滑沢剤等を乾式混合後、打錠する乾式直接打錠法や薬物とその他の結合剤、崩壊剤及び/又は増量剤等を水や水溶性結合剤溶液を用いて造粒した後、乾燥して得られた粉体と滑沢剤とを混合後打錠する湿式造粒打錠法等が挙げられる。
湿式造粒打錠法においては、通常、薬物とのその他の結合剤、崩壊剤及び/又は増量剤等の粉体を流動層又は高速撹拌造粒機等に仕込み、水やエタノール等を用いて造粒を行う方法が一般的である。また、所定の錠剤硬度を有する錠剤が得られない場合やキャッピング、ラミネーティング、スティッキング等の打錠障害が発生する場合、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性結合剤の水溶液を噴霧又は添加して造粒を行うことにより高い錠剤硬度を得ることができることが知られている。特に、疎水性薬物の造粒を行う場合は水溶性結合剤を用いることが一般的だが、得られた錠剤は水溶性結合剤を使用するため崩壊性が低下する問題があった。水溶性結合剤を用いずに疎水性薬物の造粒を行った場合、得られた造粒物の流動性が悪く、得られた錠剤の質量ばらつきが大きくなってしまい品質管理上問題があることや、前記の打錠障害が発生しやすくなる問題があった。
そのため、特殊な技術や機器、また水溶性結合剤を必要としない疎水性薬物の造粒及び錠剤の製造方法の開発が望まれている。
特許文献1に、疎水性薬物に水不溶性の結合剤である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの水分散液を噴霧して造粒する方法が開示されている。
特開2010−189384号公報
しかし、特許文献1の方法で得られた造粒物は崩壊性に優れるものの、疎水性薬物含有量が多い製剤の場合、更なる成形性の向上が必要であった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、流動性、圧縮成形性及び崩壊性に優れた疎水性薬物を少なくとも含む造粒末を提供し、それを打錠することにより成形性及び崩壊性に優れる錠剤の製造方法を提供すること目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ヒドロキシプロポキシ基置換度が7〜16質量%である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、糖又は糖アルコールと、水とを少なくとも含んでなる水分散液を用いて、疎水性薬物を少なくとも含む薬物含有粉体の造粒を行う造粒工程を少なくとも含んでなる造粒物を製造する方法により得られた造粒物を打錠することにより、高い錠剤硬度を有し、かつ崩壊性に優れた、質量ばらつきの少ない錠剤を得ることができることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
本発明は、ヒドロキシプロポキシ基置換度が7〜16質量%である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、糖又は糖アルコールとを少なくとも含んでなる水分散液を添加しながら、疎水性薬物を少なくとも含む薬物含有粉体の造粒を行い、造粒物を得る造粒工程と、前記造粒物を打錠して錠剤を得る打錠工程とを少なくとも含んでなる疎水性薬物含有錠剤の製造方法を提供する。
本発明の錠剤製造方法を用いることにより、特別な方法、特別な装置を使用せず、高い錠剤硬度を有し、かつ崩壊性に優れた質量ばらつきの少ない疎水性薬物を含む錠剤を得ることができる。本発明により、錠剤製造時、輸送時に必要十分な強度を有するため、医薬品、食品分野等における種々の薬物を経口投与する場合、優れた特性を有する錠剤を製造できる。また、本発明に使用する低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、非イオン性で、吸湿性が低いため、安定性に優れた速崩壊性の製剤を製造できる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明で用いる水分散液は、例えば、所定量の水に低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと糖又は糖アルコールとを入れるか、その逆に低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと糖又は糖アルコールとに水を投入して調製することができる。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは水不溶性であるため、分散は速やかに完了し、数分間、通常の撹拌機で混合するだけで良い。造粒操作時の送液中は沈降防止のため緩く撹拌することが好ましい。
本発明で使用できる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、水不溶性のポリマーで吸水して膨潤する特性を有する。基本骨格はセルロースであり、そこに少量のヒドロキシプロポキシ基が導入されている。そのヒドロキシプロポキシ基置換度としては日本薬局方公定書に記載されているように5〜16質量%であるが、本発明においては、ヒドロキシプロポキシ基置換度が7〜16質量%、好ましくは10〜16質量%である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いる。ヒドロキシプロポキシ基置換度が7質量%未満だと、膨潤性が低くなり、目的の崩壊性を示さず、成形された錠剤の崩壊時間が長くなる。16質量%を超えると膨潤性は高くなり、結合性も向上するが、水溶性が強くなり、目的の崩壊性を示さず、成形された錠剤の崩壊時間が長くなる。ヒドロキシプロポキシ基の置換度測定方法は日本薬局方に記載されている。
本発明に使用できる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの平均粒子径は、好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは20〜60μmである。5μm未満では吸水膨潤性が低下して、崩壊性が低下する場合がある。また、100μmを超えると比表面積の低下により、結合性が低下する場合がある。なお、平均粒子径は、体積換算粒子径であり、レーザー回折法を用いた粉体粒子径測定方法による。例えば、HELOS&RODOS(日本レーザー社製)を用いて測定できる。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの水分散液中の濃度は、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である。1質量%未満では、所定量まで添加(好ましくは噴霧)するまで長時間を要し、生産性が低下する場合がある。また、15質量%を超えると、分散液の粘度が高くなりすぎ送液できなくなる場合がある。
水分散液の調製に用いる糖又は糖アルコールとしては、例えば、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース等の単糖、トレハロース、乳糖、ショ糖等の二糖、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール及びパラチニットからなる群から選択される。
水分散液の調製に用いる糖又は糖アルコールの平均粒子径は、5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。5μm未満では流動性が低下する場合や、崩壊性が低下する場合がある。100μmを超えると成形性が低下する場合がある。水分散液の調製に用いる糖又は糖アルコールについては、完全に溶解する量を使用する場合、前記範囲を必ずしも満たす必要はないが、種類及び添加量によっては未溶解物として残り、送液中に沈降したり閉塞したりする場合があるため、前記範囲を満たす方が望ましい。なお、糖又は糖アルコールの平均粒子径は、体積換算粒子径であり、レーザー回折法を用いた粉体粒子径測定方法による。例えば、HELOS&RODOS(日本レーザー社製)を用いて測定できる。
糖又は糖アルコールの水分散液中の濃度は、好ましくは0.5〜25質量%、より好ましくは3〜15質量%である。0.5質量%未満では、所定量まで添加(好ましくは噴霧)するまで長時間を要し、生産性が低下する場合がある。また、25質量%を超えると、飽和となって未溶解物が多く残る場合があり、送液中に沈降したり閉塞したりする場合がある。
水分散液中の固形分濃度、すなわち低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、糖又は糖アルコールとを少なくとも含む固形分の濃度は、好ましくは1.5〜40質量%、より好ましくは1.5〜30質量%、さらに好ましくは5〜25質量%である。1.5質量%未満では所定量まで添加(好ましくは噴霧)するまで長時間を要し、生産性が低下する場合がある。また、40質量%を超えると分散液の粘度が高くなりすぎ、送液できなくなる場合がある。
水分散液として添加された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの造粒物中の含有量は、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは7〜13質量%である。5質量%未満では目的の錠剤硬度を有する錠剤を得ることができない場合がある。また、20質量%を超えると成形性、崩壊性に顕著な改善が見られず、また吸湿性が増大し、製剤の安定性が低下する場合がある。
水分散液として添加された糖又は糖アルコールの造粒物中の含有量は、好ましくは2〜25質量%、より好ましくは5〜15質量%である。2質量%未満では、造粒物が目的の流動性、結合性を示さない場合がある。25質量%を超えると成形性、崩壊性に顕著な向上が見られない場合がある。
疎水性薬物とは、日本薬局方に規定される「やや溶けにくい」「溶けにくい」「極めて溶けにくい」「ほとんど溶けない」に分類される薬物をいい、薬物1g溶かすのに要する常温の水量が30mL以上である薬物を意味する。なお、常温とは、15〜25℃を意味する。
具体的な薬物としては、アスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン、ジクロフェナック、ケトプロフェン等の消炎鎮痛剤、フェノバルビタール、ブロムワレリル尿素、メタカロン、ニトラゼパム等の催眠鎮静剤、クロラムフェニコール、セフメタゾール、ペニシリン、セファレキシン、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、エリスロマイシン等の抗生物質、ニコチン酸ベンジルエステル、トラゾリン、ベラパミル、カフェイン、ニコチン酸トコフェロール等の血行促進剤、ニフェジピン、ジピリダモル、プレニルアミンラクテート、エフロキセート等の冠血管拡張用薬剤、フェニトイン、フェナセミド、ニトラゼバム、カルバマゼピン等の抗てんかん用薬剤、グリセオフルビン、トルナフテート等の抗生物質、クロゾバゾン、フェンプロパメート等の骨格筋弛緩用薬剤、ジフェンヒドラミン、メタキジン等の抗ヒスタミン用薬剤、フェニトイン、ジソピラミド等の不整脈用薬剤、ポリチアジド、スピロノラクトン、クロルタリドン等の利尿用薬剤、デセルピジン、メプタメ、レセルピン、メプタメート等の血圧降下用薬剤等が挙げられるが、本発明に用いることができる疎水性薬物は、これらに限定されるものではない。
疎水性薬物の平均粒子径は、5〜100μmが好ましい。5μm未満では造粒物の流動性が低下する場合があり、100μmを超えると成形性が低下する場合や薬物溶出性が低下する場合がある。なお、平均粒子径は、体積換算粒子径であり、レーザー回折法を用いた粉体粒子径測定方法による。例えば、HELOS&RODOS(日本レーザー社製)を用いて測定できる。
薬物含有粉体は、少なくとも疎水性薬物を含み、好ましくは更に賦形剤を含む。賦形剤としては、好ましくは、糖又は糖アルコールと、無機塩類と、多糖類とからなる群から選択される。
薬物含有粉体に含まれる糖又は糖アルコールとしては、例えば水分散液の調製に用いる糖又は糖アルコールとして例示されたもとの同様であり、好ましくは、単糖、二糖、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール及びパラチニットからなる群から選択される。水分散液中の糖又は糖アルコールと該水分散液の添加対象となる薬物含有粉体中の糖又は糖アルコールの種類は、特に限定されず、同じ糖又は糖アルコールを用いても良く、異なる糖又は糖アルコールを用いても良い。
無機塩類としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、リン酸カルシウム等が挙げられる。
多糖類としては、例えば、コーンスターチ、部分アルファー化デンプン、デキストリン、結晶セルロース等が挙げられる。
薬物含有粉体に含まれる賦形剤の平均粒子径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。なお、平均粒子径は、体積換算粒子径であり、レーザー回折法を用いた粉体粒子径測定方法による。例えば、HELOS&RODOS(日本レーザー社製)を用いて測定できる。
錠剤中の疎水性薬物の含有量は、薬物の種類によって変動するが、通常薬効発現する量であり、例えば60質量%以上である。

錠剤中の賦形剤の含有量は、2〜90質量%が好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。2質量%未満では、造粒物が目的の流動性、結合性を示さない場合がある。また、賦形剤の含有量を増やすと、薬物の含有量が相対的に低下してしまうため、薬効発現のために多くの量を服用する必要がある薬物の場合、一度に服用する錠剤数が増加したり、錠剤径が大きくなったりすることにより、患者にとって服用し難く不便となる場合がある。なお、水分散液と薬物含有粉体の両方に糖又は糖アルコールが使用される場合は、上記錠剤中の賦形剤の含有量は、薬物含有粉体の賦形剤として添加された糖又は糖アルコールの錠剤中の含有量を意味する。
本発明の造粒工程において使用する装置としては、流動層造粒、撹拌造粒、転動流動層造粒、噴霧乾燥造粒等が使用可能であるが、噴霧と乾燥を同時に行うことができ、粉体表面に均一な被覆層を形成し易い流動層造粒装置が好ましい。
流動層造粒を例に造粒操作について説明すると、流動層に疎水性薬物を少なくとも含む錠剤形成用組成物を仕込み、結合液として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、糖又は糖アルコールを含む水分散液を噴霧しながら、造粒を行うことにより造粒物を得ることができる。
造粒物の平均粒子径は、造粒条件により異なるが、30〜300μmが好ましく、より好ましくは80〜250μmである。30μm未満では流動性が低く、打錠機への付着が起きる場合がある。300μmを超えると臼への充填性が低下し、錠剤の質量ばらつきが大きくなる場合がある。造粒物の平均粒子径は、日本薬局方の一般試験法に記載の篩い分け法により測定できる。
造粒物の安息角は、40度以下が好ましい。安息角とは、粉体を自然落下させた状態で形成される粉体の山の角度(仰角)を意味し、流動性の悪い粉体は安息角が高くなる。安息角が40度を超えると、錠剤の質量ばらつきが大きくなる場合がある他、製造設備中の閉塞が発生する頻度が増える場合がある。安息角は、例えば粉体物性測定装置(パウダテスタPT−S、ホソカワミクロン社製)を用いて測定できる。
得られた造粒物は、噴霧と乾燥を同時に行うことができる流動層造粒装置を用いて乾燥を行った場合には更に乾燥する必要はないが、乾燥を行なわかった場合や乾燥を行うことができない造粒装置を使用した場合は、公知の方法、例えば、流動層乾燥機、棚段乾燥機等を用いて例えば40〜80℃で乾燥することができる。得られた造粒物の水分は5質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以下である。5質量%を超えると製剤の安定性に悪影響を与える可能性がある。
得られた造粒物を用いて、錠剤を製造する場合について説明する。
得られた造粒物は、必要に応じて固形製剤に一般的に使用される滑沢剤等の添加剤を通常の添加量を配合し、通常のロータリー式連続打錠機により所定の圧力で圧縮することにより、打錠できる。錠剤の大きさは自由に選択できるが、錠剤径としては6〜12mm程度、錠剤質量としては一錠あたり70〜700mgが好ましい。錠剤径が6mmより小さい場合、取り扱いづらく、12mmを超えると服用し難い場合がある。
打錠時の打錠圧は10〜300MPaが好ましい。10MPa未満では目的の錠剤硬度が得られない場合があり、300MPaを超えるとキャッピング等の打錠障害が発生する場合がある。キャッピングとは、粉体を圧縮して、錠剤を排出する際又は排出後に、錠剤が帽子状に剥離する現象である。
固形製剤に一般的に使用される添加剤として、滑沢剤、崩壊剤、結合剤、増量剤、矯味成分、及び香料等からなる群から選択してもよい。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース、クロスポビドン等が挙げられる。
結合剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
増量剤としては、例えばコーンスターチ、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、乳糖、ショ糖、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
矯味成分としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
香料としては、例えばメントール、ハッカ油、バニリン等が挙げられる。
錠剤の硬度は、製品として提供することを考えると、輸送時又はPTPシートから錠剤を取り出す際に、割れ等の問題が生じないとされる50N以上が好ましい。錠剤硬度は、例えば錠剤硬度計(TBH−30、ERWEKA社製)を用いて測定できる。
錠剤の質量ばらつき(coefficient of variation:CV値)は、1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以下である。CV値が1.0%を超えると薬効発現に影響がでる場合がある。
錠剤の崩壊時間は、日本薬局方16改正の崩壊試験法に基づき、例えば錠剤崩壊試験機(NH−1HM型、富山産業社製)を用いて測定できる。崩壊時間はその製剤により異なるが、速放性製剤の場合5分以内が望ましく、さらに好ましくは1分以内が好ましい。
錠剤の摩損度は、錠剤の磨耗や割れ、欠け等が少なく取り扱い上十分な強度を有すると考えられる0.5%以下が好ましく、キャッピングも発生しないことが好ましい。錠剤の摩損度は、日本薬局方16改正参考情報の錠剤の摩損度試験法に基づき、例えば摩損度試験装置(TA、ERWEKA社製)を用いて測定できる。
本発明によれば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、糖又は糖アルコールとを含む水分散液を、疎水性薬物を少なくとも含む薬物含有粉体に添加(好ましくは噴霧)して薬物含有粉体の表面を被覆し、表面改質を行うことにより、打錠障害を抑制して高い錠剤硬度と速崩壊性の両立が可能となる。高い成形性と速崩壊性の両立が可能となる理由としては、造粒物表面に低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと糖又は糖アルコールとが存在し、圧縮成形時には造粒物表面に存在する低置換度ヒドロキシプロピルセルロースや糖又は糖アルコール同士の接触点の増加により、より強固な水素結合を形成し結合性が向上するものと考えられる。また、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは速やかに吸水膨潤する特性を有するため、上記方法で製造した造粒物を打錠して得た錠剤は速やかに崩壊するものと考えられる。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
精製水440gにD−マンニトール30.0g及びヒドロキシプロポキシ基置換度11質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース30.0gを添加し、撹拌羽根にて混合して水分散液を調製した。次に、アセトアミノフェン240gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで上記の水分散液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表1に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、ロータリー打錠機にて打錠圧10.0kNで打錠を行い、直径8mm、曲面半径12mm、錠剤質量200mgの錠剤を作製した。得られた造粒物の平均粒子径及び安息角を測定した。また、得られた錠剤の錠剤硬度、崩壊時間、錠剤の質量ばらつき、錠剤の摩損度及び摩損度試験後のキャッピング発生率を以下の試験方法にて評価し、その結果を表2に示す。
<造粒物の安息角>
粉体物性測定装置を用いて3回繰り返し測定し、その平均値を安息角とした。
<錠剤硬度>
錠剤硬度計を用いて、錠剤の直径方向に1mm/秒の速度で荷重をかけ、錠剤が破断したときの最大破断強度を錠剤10錠についてそれぞれ錠剤硬度を測定し、その平均値を錠剤硬度とした。
<錠剤の質量ばらつき(CV値)>
錠剤10錠を電子天秤で測定し、以下の式にて計算した。
CV(%)=標準偏差/平均錠剤質量
<錠剤の崩壊時間>
日本薬局方16改正の崩壊試験法に基づき、錠剤崩壊試験機を用いて37℃/900mLの精製水、ディスクなしの条件で錠剤6錠についてそれぞれ崩壊時間を測定し、その平均値を崩壊時間とした。
<錠剤の摩損度>
日本薬局方16改正参考情報の錠剤の摩損度試験法に基づき、摩損度試験装置用いて測定を行った。
<キャッピング発生率>
前記摩損度試験法実施後に、キャッピングが発生している錠剤数を測定し、以下の式にて算出した。
キャッピング発生率(%)=(キャッピング発生錠剤数/試験錠剤数)×100
実施例2
実施例1におけるヒドロキシプロポキシ基置換度11質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにかえてヒドロキシプロポキシ基置換度14質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを使用した以外は実施例1と同一の条件で造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表1に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表2に示す。
参考例3
実施例1におけるヒドロキシプロポキシ基置換度11質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにかえてヒドロキシプロポキシ基置換度8質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを使用した以外は実施例1と同一の条件で造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表1に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表2に示す。
比較例1
アセトアミノフェン240g、D−マンニトール30.0g、ヒドロキシプロポキシ基置換度11質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース30.0gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで精製水500gを噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表1に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表2に示す。
比較例2
精製水470gにD−マンニトール30.0gを添加し、撹拌羽根にて混合して水溶液を調製した。アセトアミノフェン240gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで前記水溶液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表1に示す。
続いて、得られた造粒物90質量部にヒドロキシプロポキシ基置換度11質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10質量部を添加混合後、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合し、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表2に示す。
比較例3
特許文献1に記載の方法にて、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの水分散液を用いて造粒を実施した。
精製水470gにヒドロキシプロポキシ基置換度11質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース30.0gを添加し、撹拌羽根にて混合して水分散液を調製した。次に、アセトアミノフェン240g及びD−マンニトール30.0gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで上記の水分散液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表1に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表2に示す。
比較例4
精製水170gに、D−マンニトール30.0g、ヒドロキシプロポキシ基置換度62質量%のヒドロキシプロピルセルロース10質量%水溶液300gを添加し、撹拌羽根にて混合して水溶液を調整した。次に、アセトアミノフェン240gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで上記の水溶液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表1に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表2に示す。
Figure 0005801266
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精製水を薬物、糖又は糖アルコール、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースに噴霧して造粒した比較例1では、十分な錠剤硬度のものが得られず、キャッピングが多く発生した。また、糖又は糖アルコールの水溶液を薬物に噴霧して造粒後、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを加えて打錠を行った比較例2においても、比較例1と同様に十分な錠剤硬度のものが得られなかった。
一方、組成としては同一である実施例1は、糖又は糖アルコール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの水分散液を用いて薬物を造粒することにより、圧縮成形性、崩壊性共に優れた特性を示し、かつ質量ばらつき及び摩損度が少ない品質上優れた錠剤が得られた。これは、成形性の低い疎水性薬物の表面が低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及び糖又は糖アルコールにより被覆されることにより、圧縮成形時には造粒物表面に被覆された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースや糖又は糖アルコール同士の接触点の増加により、より強固な水素結合を形成し結合性が向上したものと考えられる。また、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは速やかに吸水膨潤する特性を有するため、本発明の造粒物を打錠して得られる錠剤は速やかに崩壊するものと考えられる。
特許文献1に記載の方法にて低置換度ヒドロキシプロピルセルロース水分散液を用いて造粒を実施した比較例3では、比較例1及び2と比較して錠剤硬度及びキャッピングの発生がかなり改善されていたものの、依然としてキャッピングは発生しており、十分な硬度を有する錠剤は得られなかった。また、ヒドロキシプロポキシ基置換度11%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの代わりに、水溶性結合剤であるヒドロキシプロポキシ基置換度62%のヒドロキシプロピルセルロースを添加した比較例4では、成形性は優れていたが、崩壊時間が非常に遅く、崩壊性が不十分であった。
実施例4
実施例1におけるD−マンニトールにかえてエリスリトールを使用した以外は実施例1と同一の条件で造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表3に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表4に示す。
実施例5
実施例1におけるアセトアミノフェンにかえてエテンザミドを使用した以外は実施例1と同一の条件で造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表3に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、打錠圧を5.0kNにした以外は実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表4に示す。
実施例6
実施例1におけるアセトアミノフェンにかえてアスピリンを使用した以外は実施例1と同一の条件で造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表3に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、打錠圧を5.0kNにした以外は実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表4に示す。
実施例7
精製水440gにD−マンニトール30.0g及びヒドロキシプロポキシ基置換度14質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース30.0gを添加し、撹拌羽根にて混合して水分散液を調製した。次に、アセトアミノフェン210g及び200メッシュ乳糖30.0gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで上記の水分散液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表3に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表4に示す。
実施例8
精製水449gにD−マンニトール30.0g及びヒドロキシプロポキシ基置換度14質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース21.0gを添加し、撹拌羽根にて混合して水分散液を調製した。次に、アセトアミノフェン210.0g及び200メッシュ乳糖39.0gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで上記の水分散液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表3に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表4に示す。
実施例9
精製水431gにD−マンニトール30.0g及びヒドロキシプロポキシ基置換度14質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース39.0gを添加し、撹拌羽根にて混合して水分散液を調製した。次に、アセトアミノフェン210.0g及び200メッシュ乳糖21.0gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで上記の水分散液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表3に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表4に示す。
実施例10
精製水449gにD−マンニトール21.0g及びヒドロキシプロポキシ基置換度14質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース30.0gを添加し、撹拌羽根にて混合して水分散液を調製した。次に、アセトアミノフェン210g及び200メッシュ乳糖39.0gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで上記の水分散液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表3に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表4に示す。
実施例11
精製水431gにD−マンニトール39.0g及びヒドロキシプロポキシ基置換度14質量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース30.0gを添加し、撹拌羽根にて混合して水分散液を調製した。次に、アセトアミノフェン210g及び200メッシュ乳糖21.0gを流動層造粒装置に仕込み、給気温度60℃、排気温度25〜28℃、流動エアー量0.5〜0.6m/min、スプレー速度12g/min、スプレーエアー圧150kPaで上記の水分散液を噴霧し、造粒を実施した。水分散液の組成及び造粒における水分散液の添加対象となる被添加粉体の組成を表3に示す。
続いて、得られた造粒物100質量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合後、実施例1と同様の方法にて打錠し、錠剤を作製した。得られた造粒物及び錠剤を、実施例1と同様の方法にて評価し、結果を表4に示す。
Figure 0005801266
Figure 0005801266
水分散液中のD−マンニトールをエリスリトールに換えた実施例4、疎水性薬物をアセトアミノフェンからエテンザミドに換えた実施例5、疎水性薬物をアセトアミノフェンからアスピリンに換えた実施例6、薬物組成物に含まれる糖又は糖アルコールとして乳糖を使用した実施例7〜11において、圧縮成形性、崩壊性共に優れた特性を示し、かつ質量ばらつき、摩損度が低く、キャッピングの発生が全く認められず、硬度の高い品質上優れた錠剤が得られた。

Claims (4)

  1. ヒドロキシプロポキシ基置換度が10〜16質量%である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、糖又は糖アルコールとを少なくとも含んでなる水分散液を添加しながら、疎水性薬物を少なくとも含む薬物含有粉体の造粒を行い、圧縮成型可能な造粒物を得る造粒工程と、
    前記低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと糖又は糖アルコールで表面改質された造粒物を打錠して錠剤を得る打錠工程と
    を少なくとも含んでなり、前記糖又は糖アルコールが、エリスリトール、マンニトール及び乳糖からなる群から選択され、前記糖又は糖アルコールの前記水分散液中の濃度が飽和濃度でない3〜15質量%であり、前記疎水性薬物が、薬物1gを溶かすために30mL以上の常温の水を要する薬物である疎水性薬物含有錠剤の製造方法。
  2. 前記薬物含有粉体が、さらに賦形剤を含む請求項1に記載の疎水性薬物含有錠剤の製造方法。
  3. 前記賦形剤が、糖又は糖アルコールと、無機塩類と、多糖類とからなる群から選択される請求項2に記載の疎水性薬物含有錠剤の製造方法。
  4. 前記疎水性薬物が、前記錠剤中に60質量%以上含まれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の疎水性薬物含有錠剤の製造方法。
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