JP2013087019A - イミド塩の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易に製造することができるイミド塩の製造方法を提供する。
【解決手段】スルファミン酸と、ハロゲン化スルホン酸と、塩化チオニルとの混合物を加熱する。次に、この工程により得られた第1中間生成物とアルカリ金属フッ化物MFとを反応させて第2中間生成物を得る。そして、第2中間生成物とアルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させる。以上の方法で、MN(SOF)(Mはアルカリ金属)が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、イミド塩の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン2次電池で使用される電解液の支持塩として、LiN(SOF)等のイミド塩が注目されている。また、溶融塩電池の電解質として、KN(SOF)もしくはNaN(SOF)またはこれらの混合物が注目されている。
KN(SOF)およびKN(SOF)の製造方法は、次に示す文献に開示されている。非特許文献1では、尿素とフルオロスルホン酸とを反応させてHN(SOCl)を生成し、HN(SOCl)とKFとをニトロメタン溶媒中またはジクロロメタン溶媒中で反応させることにより、KN(SOF)を生成する。
Z.Anorg.Allg.Chem,2005,631,55−59
ところで、LiN(SOF)、KN(SOF)、NaN(SOF)等に代表されるイミド塩を従来よりも簡易に製造することが要求されている。すなわち、上記従来の製造方法では、原料から目的物を得るまでに多くの工程を有し、またフッ素化の反応時間に多くの時間を要するため、これに代わるイミド塩の製造方法が要求されている。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易に製造することができるイミド塩の製造方法を提供することにある。
(1)請求項1に記載の発明は、MN(SOF)(Mはアルカリ金属)で示されるイミド塩の製造方法であって、スルファミン酸と、ハロゲン化スルホン酸と、塩化チオニルとの混合物を、加熱反応させて、第1中間生成物とする第1工程と、前記第1中間生成物から未反応の前記塩化チオニルを除去した後に、無溶媒で、アルカリ金属フッ化物MFを加え、両者を反応させ、第2中間生成物とする第2工程と、前記第2中間生成物とアルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させて、前記イミド塩を生成する第3工程とを含むことを要旨とする。
従来の製造方法では、ジクロロメタン等の溶媒中で、HN(SO)(SO)(X、Xは独立してハロゲン元素を示す。以下、同様。)とアルカリ金属フッ化物MFとを反応させることによりアルカリ金属イミド塩を得るが、両者の反応速度は遅い。これは、アルカリ金属フッ化物MFがジクロロメタンに殆ど溶解せず、アルカリ金属フッ化物MFの濃度を高めることができないことによる。
一方、両者の反応速度を高めるために、アルカリ金属フッ化物を十分に溶かす溶媒中でHN(SO)(SO)とアルカリ金属フッ化物とを反応させることも考えられる。しかし、アルカリ金属フッ化物を溶解する溶媒の一つであるアセトニトリル中で両者の反応を行っても反応が速くならないことが確かめられている。なお、水に対するアルカリ金属フッ化物の溶解度は高いことから、水を溶媒とすることも考えられるが、HN(SOCl)は加水分解するため、水を溶媒として用いることは難しい。
発明者は、これらことを考慮し鋭意研究した結果、次のことを見出した。
第1に、スルファミン酸と、ハロゲン化スルホン酸と、塩化チオニルとの混合物を加熱して反応させて第1中間生成物を得る。第1中間生成物にはHN(SO)(SO)が含まれる。この第1中間生成物から目的物であるMN(SOF)を得るためには、まず、第1中間生成物からHN(SO)(SO)を単離することが通常の手段として考えられるが、本発明では、当該HN(SO)(SO)の単離は行わず、第1中間生成物に残余する塩化チオニル等を除去して次の処理を行う。発明者は、このような方法でも目的物の収率は殆ど低下しないことを見出した。
第2に、HN(SO)(SO)を含む第1中間生成物とアルカリ金属フッ化物MFとを無溶媒で反応させることにより、一方のハロゲン元素をフッ素に置換すること、および同反応が短時間で完了することを見出した。ここで、無溶媒で反応させるとは、従来技術におけるジクロロメタン等の溶媒その他あらゆる溶媒を用いることなく、両者を反応させることをいう。
第3に、第2工程により得られる第2中間生成物とアルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させることにより、目的物であるMN(SOF)が得られること、およびこの合成方法は、従来の合成方法と比べて短時間で完了することを見出した。
本発明はこれらの点を考慮し、次の工程により目的物を生成した。すなわち、スルファミン酸と、ハロゲン化スルホン酸と、塩化チオニルとを反応させて第1中間生成物を生成する。そして、第1中間生成物から未反応の塩化チオニルを除去し、これにアルカリ金属フッ化物MFを加え、その後、極性溶媒を加えることにより、目的物であるMN(SOF)を得る。このように、この製造方法によれば、従来よりも簡易かつ短時間で目的物を得ることができる。
また、第1工程で、第1中間生成物からHN(SO)(SO)を単離しないことから、工業的には、HN(SO)(SO)を単離のための蒸留設備を必要せず、簡易に目的物を得ることができる。
また、本発明は次の特徴を有する。
第2工程で、第1中間生成物に含まれるHN(SO)(SO)の一方のハロゲン元素をフッ素に置換し、第3工程で他方のハロゲン元素をフッ素に置換する。このような2段階のハロゲン元素のフッ素化によれば、次のような効果が奏する。すなわち、第2工程で、HN(SO)(SO)をアルカリ金属塩に変換し、加水分解するHN(SO)(SO)を消滅させることにより、第3工程において、アルカリ金属フッ化物MFを溶解しやすい水を用いることを可能とする。すなわち、アルカリ金属フッ化物MFによるHN(SO)(SO)のフッ素化工程を、所定の溶媒中で行うのではなく、上記のように2段階で行うことにより、HN(SO)(SO)の加水分解を抑制し、かつHN(SO)(SO)のフッ素化に要する時間を短くすることができる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のイミド塩の製造方法において、前記第2工程で反応させる前記アルカリ金属フッ化物MFの量は、前記第1中間生成物に対してモル量で過剰とすることを要旨とする。
第2工程において加えるアルカリ金属フッ化物の量を第1中間生成物に対してモル量で過剰とすることにより、スルファミン酸を原料とする中間生成物(HN(SO)(SO))の殆どをフッ素化することができる。これにより、未反応のHN(SO)(SO)を少なくすることができ、目的物の収率を高くすることができる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のイミド塩の製造方法において、前記第3工程で生成された第3中間生成物から前記極性溶媒を除去して乾燥物とし、溶媒抽出により前記乾燥物から前記イミド塩を分離することを要旨とする。
MN(SOF)で示されるイミド塩と中間生成物である塩または酸とは、所定溶媒に対し溶解度に差がある。そこで、目的物であるMN(SOF)を溶媒抽出法により中間生成物から分離する。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイミド塩の製造方法において、前記第1中間生成物と前記アルカリ金属フッ化物MFとを反応させる前に、前記アルカリ金属フッ化物MFから水分を除去することを要旨とする。
HN(SO)(SO)は水と反応して加水分解し、副生成物が生成する。上記発明によれば、アルカリ金属フッ化物MFから水分を除去するため、加水分解による副生成物の発生を少なくすることができる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイミド塩の製造方法において、前記極性溶媒はプロトン性極性溶媒であることを要旨とする。
アルカリ金属フッ化物MFは、非プロトン性極性溶媒よりもプロトン性極性溶媒に多く溶解する。このため、上記発明によれば、第2中間生成物とアルカリ金属フッ化物MFとの反応を促進することができる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のイミド塩の製造方法において、前記第1工程で気体の発生が止まった後に、前記第2工程を行うことを要旨とする。
第1工程では、塩化チオニルとスルファミン酸とが反応することにより二酸化硫黄が発生する。すなわち、二酸化硫黄の発生が止まることは、スルファミン酸の反応が終了したことを示す。本発明では、二酸化硫黄の発生が止まることを目安にして、次工程に移行するため、スルファミン酸の未反応物を少なくすることができ、これにより、収率を高くすることができる。
本発明によれば、簡易に製造することができるイミド塩の製造方法を提供することができる。
KN(SOF)の生成について、各工程の中間生成物を示すスキーム。
図1を参照して、KN(SOF)の製造方法を説明する。
第1工程では、塩化チオニル(SOCl)と、スルファミン酸(NH−SOOH)と、クロロスルホン酸(HSOCl)とを混合し反応させる。塩化チオニル(SOCl)は、スルファミン酸(NH−SOOH)に対して塩素供与体として作用する。この反応により、第1中間生成物が得られる。第1中間生成物にはHN(SOCl)が含まれる。
第1工程では、HN(SOCl)のほか、二酸化硫黄、塩酸、硫酸および硝酸が副生成物として生成される。なお、硝酸の生成量は塩酸および硫酸の生成量に比べて極めて少ない。すなわち、スルファミン酸の殆どがHN(SOCl)に変換されると考えられる。なお、第1中間生成物のうち、HN(SOCl)以外の物質を第1副生成物という。第1副生成物には、反応せず残存する塩化チオニル等も含まれる。
第2工程では、第1中間生成物から余剰の塩化チオニルを除去し、これにフッ化カリウム(KF)を加えて両者を反応させる。これにより、KN(SOF)(SOCl)が得られる。この反応では、HN(SOCl)(SOCl)の一方の塩素がフッ素に置換されるが、他方の塩素はフッ素に置換されない。硫酸、塩酸、および硝酸は、フッ化カリウムと反応して塩になる。フッ化カリウムの量はモル量で第1中間生成物に対して過剰量とする。なお、第2工程で生成する生成物を第2中間生成物とし、第2中間生成物のうちKN(SOF)(SOCl)以外の物質を第2副生成物とする。
第3工程では、第2中間生成物に水を加え、KN(SOF)(SOCl)とフッ化カリウム(KF)とを反応させてKN(SOF)を生成する。なお、第3工程で生成する生成物を第3中間生成物とし、第3中間生成物のうちKN(SOF)(SOCl)以外の物質を第3副生成物とする。
<実施例1>
(第1工程)
スルファミン酸、クロロスルホン酸、塩化チオニルを不活性雰囲気で、モル比1.0:1.0:2.4となるように混合し、還流しながら加熱する。温度は130℃とする。
スルファミン酸とクロロスルホン酸と塩化チオニルとの反応によりHN(SOCl)が生成する。また、この反応により、副生成物として、二酸化硫黄、硫酸および塩酸が生成する。二酸化硫黄は、塩化チオニルとスルファミン酸との反応により発生する。すなわち、二酸化硫黄の発生は反応が持続していることを示す。このため、上記加熱は、二酸化硫黄の発生が止まるまで行われる。
反応完了後、反応系に水分が浸入しないように塩化カルシウム管を反応系の蒸気排出口に取り付けて、反応系全体を冷却する。これにより、水の浸入によりHN(SOCl)が加水分解することを抑制する。
(第2工程)
第1中間生成物を減圧下(650Pa以下)に所定時間放置し、第1中間生成物から塩化チオニル(SOCl)を除去する。これは次の理由による。塩化チオニル(SOCl)と水とは激しく反応する。一方、後工程には水を加える処理がある。塩化チオニル(SOCl)が残存する場合、水と塩化チオニルとの反応により、反応系全体を制御することができなくなる。このため予め塩化チオニル(SOCl)を除去する。
そして、第1中間生成物から余剰の塩化チオニルを除去した中間生成物(以下、中間生成物A)とフッ化カリウム(KF)とを無溶媒で反応させる。具体的には、予め乾燥した粉末状のフッ化カリウム(KF)に中間生成物Aを滴下することにより、両者を反応させる。このとき、フッ化カリウム(KF)とHN(SOCl)とが反応し、KN(SOF)(SOCl)が生成する。また、副生成物としてHClが発生する。HClが発生しなくなったとき、あるいは発熱がなくなったとき、反応を終了する。
ところで、フッ化カリウム(KF)と中間生成物Aとの反応を溶媒中で行うこともできる。しかし、HN(SOCl)は加水分解するため水を溶媒として用いることはできない。水以外の極性溶媒を用いることも可能であるが、水以外の極性溶媒に対するフッ化カリウム(KF)の溶解度は低いため、フッ化カリウム(KF)と第1中間生成物との反応速度が遅くなる。この点、上記方法であれば、無溶媒でフッ化カリウム(KF)と第1中間生成物とを反応させるため、両者の反応は速い。
フッ化カリウム(KF)の量は、中間生成物Aの量に対しモル量で過剰とする。
また、フッ化カリウム(KF)の量を次のように決めてもよい。すなわち、HN(SOCl)の略全量をKN(SOF)に変換しかつ副生成物として生成する硫酸および塩酸の略全量を塩に変換することができる十分な量を、フッ化カリウム(KF)の投入量とする。
また、第3工程での反応を考慮して、フッ化カリウムの量を大過剰とする。すなわち、第3工程で水に溶解させるフッ化カリウムの量を考慮して、フッ化カリウム(KF)の投入量を決定する。この場合、第3工程で、フッ化カリウム(KF)を再投入する手間を省くことができる。
(第3工程)
第3工程では、第2中間生成物に水を加えて、KN(SOF)(SOCl)とフッ化カリウム(KF)とを反応させる。そして、この溶液を室温で12時間撹拌する。なお、この撹拌時、室温以上の温度にして撹拌してもよい。この処理により、KN(SOF)が生成する。
(第4工程)
第4工程では、第3工程の第3中間生成物からKN(SOF)を抽出する。
具体的には、第3中間生成物を減圧し、水を除去する。これにより、フッ化カリウム(KF)、塩化カリウム(KCl)、硫酸カリウム(KSO)、硝酸カリウム(KNO)、KN(SOF)の混合粉末(乾燥物)を得る。
次に、これらの塩をエタノールに溶解する。さらに、ジクロロメタンまたはヘキサンを加えて混合液にする。フッ化カリウム(KF)、塩化カリウム(KCl)、硫酸カリウム(KSO)、硝酸カリウム(KNO)はこの混合液に溶解する。一方、KN(SOF)は混合液に溶解しない。このため混合液からKN(SOF)が析出する。混合液をろ過または遠心分離することにより、KN(SOF)を分離する。なお、KN(SOF)を抽出する方法として、カラムクロマトグラフィ法を用いることもできる。
以上のようにして生成したKN(SOF)の収率は、スルファミン酸を基準として、90%であった。なお、第4工程で得た生成物を水に溶解し、19F−NMR法により分析することにより、収率を求めた。また、第4工程で得た生成物のイオンクロマトグラフィによる分析結果によれば、Fは0.17ppm、Clは0.1ppm未満、SO 2−は0.19ppm、Kは1.5ppmであった。すなわち、上記製造方法によりKN(SOF)が得られることが分かる。
<実施例2>
スルファミン酸、フルオロスルホン酸、塩化チオニルを原料とする、KN(SOF)の製造方法を説明する。
本実施例では、実施例1のクロロスルホン酸に代えてフルオロスルホン酸を用いている。
第1工程では、スルファミン酸と、フルオロスルホン酸と、塩化チオニルとを反応させる。この反応により、HN(SOCl)(SOF)が生成する。すなわち、実施例1では、第2工程の過程で生成する物質がこの工程で得られる。これは、スルファミン酸のOH基が塩素と置換し、これにより得られた中間体がフルオロスルホン酸と反応してスルホン化するためと考えられる。
第2工程では、第1工程で得られた第1中間生成物から余剰の塩化チオニルを除去し、これにフッ化カリウム(KF)を加えて、両者を反応させる。これにより、副生成物である硫酸および塩酸の略全量を塩にする。
第3工程では、第2工程の第2中間生成物に水を加える。これにより、KN(SOF)が生成する。そして、第4工程で、第3工程の第3中間生成物からKN(SOF)を抽出する。
<MN(SOF)の生成>
KN(SOF)以外のMN(SOF)(Mはアルカリ金属)を目的生成物とするときは、第2工程で加えるアルカリ金属フッ化物として、目的生成物に対応する金属のフッ化物を用いる。具体的には、LiN(SOF)を生成するときはLiFを用いる。NaN(SOF)を生成するときはNaFを用いる。RbN(SOF)を生成するときはRbFを用いる。CsN(SOF)を生成するときはCsFを用いる。
MN(SOF)の製造方法は、実施例1と同様であり、第1〜第4工程を得ることで、MN(SOF)を得ることができる。また、MN(SOF)の製造工程において、第1工程で用いるクロロスルホン酸(HSOCl)に代えてフルオロスルホン酸(HSOF)を用いてもよい。
(実施形態の効果)
本実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態では、スルファミン酸と、ハロゲン化スルホン酸と、塩化チオニルとの混合物を加熱する。次に、第1工程により得られた第1中間生成物から余剰の塩化チオニルを除去し、これにアルカリ金属フッ化物MFを加え、両者を反応させる。そして、第2工程で得られた第2中間生成物と水とを反応させる。これにより、MN(SOF)(Mはアルカリ金属)が生成する。この方法によれば、従来の方法に比べて、短時間で、MN(SOF)を合成することができる。
(2)本実施形態では、第2工程で反応させるアルカリ金属フッ化物MFの量を、第1中間生成物に対してモル量で過剰とする。これにより、未反応のHN(SO)(SO)を少なくすることができ、目的物の収率を高くすることができる。
(3)本実施形態では、第3工程で生成された第3中間生成物から水を除去して乾燥物とし、溶媒抽出により乾燥物から目的物を分離する。溶媒抽出に用いる溶媒としては、エタノールとジクロロメタンとを用いる。またエタノールとヘキサンとを用いることもできる。MN(SOF)は、エタノール、ジクロロメタン、ヘキサンに難溶である。一方、これ以外の第3中間生成物すなわち硫酸カリウム、塩化カリウム、フッ化カリウム等は、エタノールおよびジクロロメタンのいずれか、もしくはエタノールおよびヘキサンのいずれかに溶解する。そこで、このような溶解度の差を利用して、目的物であるMN(SOF)を抽出する。
(4)本実施形態では、第1中間生成物とアルカリ金属フッ化物(MF)とを反応させる前に、アルカリ金属フッ化物(MF)から水分を除去する。この処理は、HN(SO)(SO)は水と反応して加水分解するため、水分除去により、加水分解を抑制する。
(5)本実施形態では、第3工程において、第2中間生成物の乾燥物とアルカリ金属フッ化物(MF)との反応をさらに進行させるために、プロトン性極性溶媒である水を用いる。アルカリ金属フッ化物MFは、非プロトン性極性溶媒よりもプロトン性極性溶媒に多く溶解する。このため、MN(SO)(SOF)とアルカリ金属フッ化物MFとの反応を促進することができる。
(6)本実施形態では、第1工程で気体の発生が止まった後に、第2工程を行う。
すなわち、第1工程では、塩化チオニルとスルファミン酸とが反応することにより二酸化硫黄が発生する。二酸化硫黄の発生が止まることを目安にして、次工程に移行するため、スルファミン酸の未反応物を少なくすることができる。なお、気体の発生は、圧力計やフローメーターによりモニターすることもでき、気体の発生が止まったことも確認することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態にて示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、第3工程ではプロトン性極性溶媒である水を溶媒として用いているが、同工程に用いられる溶媒は、アルカリ金属フッ化物MFが溶解しかつMN(SO)(SOF)が溶解するものであればよい。例えば、水に代えて、エタノール、アセトニトリル等を用いることもできる。
・上記実施形態では、第1工程で、塩化チオニル(SOCl)と、スルファミン酸(NH−SOOH)と、クロロスルホン酸(HSOCl)とを混合し反応させているが、次のように、これら反応物を数段階で混合してもよい。例えば、まず、スルファミン酸(NH−SOOH)と塩化チオニル(SOCl)とを混合する。両者を十分に反応させた後、クロロスルホン酸(HSOCl)を混合し、加熱する。このような方法によっても、第1工程での目的物であるHN(SOCl)を得ることができる。

Claims (6)

  1. MN(SOF)(Mはアルカリ金属)で示されるイミド塩の製造方法であって、
    スルファミン酸と、ハロゲン化スルホン酸と、塩化チオニルとの混合物を、加熱反応させて、第1中間生成物とする第1工程と、
    前記第1中間生成物から未反応の前記塩化チオニルを除去した後に、無溶媒で、アルカリ金属フッ化物MFを加え、両者を反応させ、第2中間生成物とする第2工程と、
    前記第2中間生成物とアルカリ金属フッ化物MFとを極性溶媒中で反応させて、前記イミド塩を生成する第3工程とを含む
    ことを特徴とするイミド塩の製造方法。
  2. 請求項1に記載のイミド塩の製造方法において、
    前記第2工程で反応させる前記アルカリ金属フッ化物MFの量は、前記第1中間生成物に対してモル量で過剰とする
    ことを特徴とするイミド塩の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のイミド塩の製造方法において、
    前記第3工程で生成された第3中間生成物から前記極性溶媒を除去して乾燥物とし、溶媒抽出により前記乾燥物から前記イミド塩を分離する
    ことを特徴とするイミド塩の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のイミド塩の製造方法において、
    前記第1中間生成物と前記アルカリ金属フッ化物MFとを反応させる前に、前記アルカリ金属フッ化物MFから水分を除去する
    ことを特徴とするイミド塩の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のイミド塩の製造方法において、
    前記極性溶媒はプロトン性極性溶媒である
    ことを特徴とするイミド塩の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のイミド塩の製造方法において、
    前記第1工程で気体の発生が止まった後に、前記第2工程を行う
    ことを特徴とするイミド塩の製造方法。
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