JP2011037784A - ペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法 - Google Patents

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Hiroyuki Yatsuyanagi
博之 八柳
Tsunetoshi Honda
常俊 本田
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Abstract

【課題】安全性及び生産性が高く、簡便なペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法を提供する。
【解決手段】ペルフルオロアルキルスルホニルハライド又はペルフルオロアルキルスルホン酸無水物とアンモニア水とを反応させて、ペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得ることを特徴とするペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法の改良に関する。
従来から、一般式C2n+1SONH(nは1〜4の整数)で表されるペルフルオロアルキルスルホンアミド類は、リチウム電池用の電解液として有用な一般式(C2n+1SONH(nは1〜4の整数)で表されるビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミド類を製造する際の中間体として有用である。
ここで、ペルフルオロアルキルスルホンアミド類の製造方法としては、非特許文献1、特許文献1及び特許文献2が知られており、いずれも下記反応式に示すように、一般式C2n+1SOX(nは1〜4の整数、XはF又はCl)で表されるペルフルオロアルキルスルホニルハライドとアンモニア(NH)とを反応させて生成する方法である。
Figure 2011037784
具体的に非特許文献1には、トリフルオロメタンスルホンアミド(CFSONH)の製造方法が開示されている。非特許文献1に開示されたトリフルオロメタンスルホンアミドの製造方法は、−78℃の冷却下で無水アンモニアとトリフルオロメタンスルホニルフロライド(CFSOF)とを無溶媒で反応させた後、生成したトリフルオロメタンスルホンアミドをジオキサンによって抽出する方法である。
また、特許文献1には、トリフルオロメタンスルホンアミドの別の製造方法が開示されている。特許文献1に開示されたトリフルオロメタンスルホンアミドの製造方法は、無水イソプロピルエーテル溶媒中にトリフルオロメタンスルホニルクロライド(CFSOCl)を溶解した溶液中に、アンモニアガスを徐々に吹き込んで反応させた後、生成したトリフルオロメタンスルホンアミドをイソプロピルエーテルによって抽出する方法である。
また、特許文献2には、トリフルオロメタンスルホンアミドの別の製造方法が開示されている。特許文献2に開示されたトリフルオロメタンスルホンアミドの製造方法は、テトラヒドロフラン(THF)溶媒中に無水アンモニアを溶解した溶液を−78℃に冷却したした後、この溶液中にトリフルオロメタンスルホニルフルオライド(CFSOF)を徐々に吹き込んで反応させる方法である。
特表2001−525844号公報 特表2001−512714号公報
Inorganic chemistry 1984,23.3720−3723
ところで、原料であるペルフルオロアルキルスルホニルハライドは、加水分解によりペルフルオロアルキルスルホン酸が生成してしまう。そのため、上記反応式において、一般的には有機溶媒又は無溶媒で、ペルフルオロアルキルスルホニルハライドとアンモニアとを反応させるために、無水アンモニア又はアンモニアガスを用いる必要があった。
しかしながら、エーテル等の有機溶媒やアンモニアガスは毒性及び可燃性があり、安全性の確保が課題であった。また、無溶媒で無水アンモニア(bp.−33℃)を反応させるには、−78℃程度の低温に保つ必要があるため、低温冷却設備等が必要となって量産コストが上昇してしまうという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、安全性及び生産性が高く、簡便なペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、アンモニア水とペルフルオロアルキルスルホニルハライド又はペルフルオロアルキルスルホン酸無水物とを反応させることにより、アンモニアガスを用いることなくペルフルオロアルキルスルホンアミドを生成可能であり、さらに上記生成物の酸性水溶液での低溶解性を利用することにより有機溶媒を用いることなく析出分離可能であることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 下記式(1)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は下記式(2)に示すペルフルオロアルキルスルホン酸無水物とアンモニア水とを反応させて、下記式(3)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得ることを特徴とするペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
RfSOX ・・・(1)
(RfSOO ・・・(2)
RfSONH・NH ・・・(3)
但し、上記式(1)〜(3)において、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
また、上記式(1)において、Xはフッ素(F)又は塩素(Cl)である。
[2] 上記式(1)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は上記式(2)に示すペルフルオロアルキルスルホン酸無水物とアンモニア水とを反応させて、上記式(3)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得る過程と、前記反応液を酸性として、下記式(4)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドを析出させて分離する過程と、を備えることを特徴とする前項1に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
RfSONH ・・・(4)
但し、上記式(4)において、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
[3] 前記アンモニア水の濃度が、1〜50%の範囲であることを特徴とする前項1又は2に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
[4] 前記アンモニア水の、前記ペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は前記ペルフルオロアルキルスルホン酸無水物に対するモル量が3〜20倍の範囲であることを特徴とする前項1乃至3のいずれか一項に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
[5] 前記ペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は前記ペルフルオロアルキルスルホン酸無水物と、前記アンモニア水と、の反応温度が、0〜70℃の範囲であることを特徴とする前項1乃至4のいずれか一項に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
[6] 前記アンモニア水に、上記式(1)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は上記式(2)に示すペルフルオロアルキルスルホン酸無水物を添加することを特徴とする前項1乃至5のいずれか一項に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
[7] 前記反応液に、塩酸又は硫酸を加えて酸性とすることを特徴とする前項1乃至6のいずれか一項に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
本発明のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法によれば、ペルフルオロアルキルスルホニルハライド又はペルフルオロアルキルスルホン酸無水物とアンモニア水とを反応させるため、無水アンモニアを用いることなくペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得ることができる。また、上記反応液を酸性とすることにより、ペルフルオロアルキルスルホンアミドを析出させて分離することができるため、抽出用の有機溶媒を用いる必要がない。したがって、安全性及び生産性が高く、簡便な方法により、ペルフルオロアルキルスルホンアミドを製造することができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明を適用した一実施形態であるペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法ついて、以下に詳細に説明する。
本実施形態のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法は、下記式(5)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライドとアンモニア水とを反応させて、下記式(6)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得る工程(反応工程)と、前記反応液を酸性として、下記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドを析出させて分離する工程(単離工程)と、を備えて、概略構成されている。
RfSOX ・・・(5)
RfSONH・NH ・・・(6)
RfSONH ・・・(7)
但し、上記式(5)〜(7)において、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
また、上記式(5)において、Xはフッ素(F)又は塩素(Cl)である。
(原料)
本実施形態のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法は、アンモニア水と反応させる原料として、上記式(5)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライドを用いることを特徴としている。そこで、先ず本実施形態の原料であるペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造方法を、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドを例として説明する。
本実施形態の原料であるペルフルオロアルキルスルホニルフロリドは、電解フッ素化により生成する。
電解原料として、下記式(8)で表されるアルキルスルホニルフロリドを用いることができる。アルキルスルホニルフロリドは、下記式(9)に示すように、アルキルスルホニルクロリドをフッ化カリウム等によりフッ素置換して容易に製造することができる。
RSOF ・・・(8)
Figure 2011037784
但し、上記式(8)及び上記式(9)において、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。すなわち、上記式(8)及び上記式(9)で表されるアルキルスルホニルフロリドとして、メチルスルホニルフロリド、エチルスルホニルフロリド、プロピルスルホニルフロリド、ブチルスルホニルフロリドを用いることができる。
先ず、電解フッ素工程により、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドを主体とする生成物を得る。ここで、上記式(5)において、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、Xはフッ素(F)である。すなわち、上記式(5)で表されるペルフルオロアルキルスルホニルフロリドとして、トリフルオロメチルスルホニルフロリド、ペンタフルオロエチルスルホニルフロリド、ヘプタフルオロプロピルスルホニルフロリド、ノナフルオロブチルスルホニルフロリドが挙げられる。なお、本実施形態のRfにおいて、炭素数3又は4の場合には、直鎖状以外に分岐状の構造異性体を含むものとする(以下、同様)。
電解フッ素工程は、具体的には、例えば、原料として上記式(8)で表されるアルキルスルホニルフロリドを用い、これをフッ化水素酸と共に電解槽に装入し、常圧下、窒素ガス雰囲気中で電解する。これにより、下記式(10)に示すように、上記式(8)で表されるアルキルスルホニルフロリドのアルキル基がフッ素置換されて、上記式(5)で表されるペルフルオロアルキルスルホニルフロリドが生成される。
Figure 2011037784
但し、上記式(10)において、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
なお、副反応として、原料や中間体および生成したペルフルオロアルキルスルホニルフロリドが分解することによって、テトラフルオロメタン(CF)等のフルオロアルカン類やスルホニルジフロリド(SO)が生じる。
ここで、生成するペルフルオロアルキルスルホニルフロリド類は、電解液から分離することで得ることができる。また沸点が低いものについては、副生する水素や分解生成物であるフルオロアルカン類、スルホニルジフロリド、置換ガスである窒素、電解溶媒であるフッ化水素酸とともに電解槽から系外にガスとして抜き出される。
(反応工程)
本実施形態の反応工程では、上記式(5)に示すペルフルオロアルキルスルホニルフロリドとアンモニア水とを反応させて、上記式(6)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得る。
反応工程では、上記ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドをアンモニア水に滴下、またはペルフルオロアルキルスルホニルフロリドとアンモニア水とを気液接触させて、反応液を得る。
すなわち、下記式(11)に示すように、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドがアンモニア水と反応して、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドが生成する。そして、生成した上記ペルフルオロアルキルスルホンアミドがアンモニアと反応して上記式(6)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩が生成して反応液中に溶解吸収される。
Figure 2011037784
ここで、上記式(6)及び(7)において、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基であり、Xはフッ素(F)である。
すなわち、上記式(7)で表されるペルフルオロアルキルスルホンアミドとしては、トリフルオロメチルスルホンアミド、ペンタフルオロエチルスルホンアミド、ヘプタフルオロプロピルスルホンアミド、ノナフルオロブチルスルホンアミドが挙げられる。
また、上記式(6)で表されるペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩としては、トリフルオロメチルスルホンアミドアンモニウム塩、ペンタフルオロエチルスルホンアミドアンモニウム塩、ヘプタフルオロプロピルスルホンアミドアンモニウム塩、ノナフルオロブチルスルホンアミドアンモニウム塩が挙げられる。
アンモニア水は、その濃度範囲の下限が、1%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。また、濃度範囲の上限としては、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。アンモニア水の濃度が1%未満であると、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドと反応するアンモニアが不足し、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドが加水分解してしまうために好ましくない。一方、アンモニア水の濃度が50%を超えると、アンモニア水の生成が困難となるために好ましくない。これに対して、アンモニア水の濃度が上記範囲内であると、アンモニア水の調整が容易であると共にペルフルオロアルキルスルホニルフロリドの加水分解を抑制させることができるために好ましい。
また、アンモニア水のモル量は、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドに対して3〜20倍の範囲とすることが好ましく、5〜10倍の範囲とすることがより好ましい。アンモニア水のペルフルオロアルキルスルホニルフロリドに対するモル量が3倍未満であると、上記式(11)の反応が不十分となるために好ましくない。一方、20倍を越えると、経済的に無駄である。これに対して上記範囲内であると、上記式(11)の反応を充分に進行させるとともに、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドの加水分解を抑制させることができるために好ましい。
また、反応工程においては、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドとアンモニア水との反応温度が、0〜70℃の範囲となるように制御することが好ましい。ここで、反応温度が0℃未満であると、アミド化の反応速度が遅くなり、未反応の原料(ペルフルオロアルキルスルホニルフロリド)をガスとしてロスしてしまう割合が多くなるために好ましくない。また、反応温度が70℃を超えると、アンモニアの水に対する溶解度が低下してしまい、アンモニアをガスとしてロスしてしまう割合が多くなるために好ましくない。これに対して、反応温度が上記範囲内であると、原料をロスすることなく反応させて、効率的にペルフルオロアルキルスルホンアミドのアンモニウム塩を生成することができる。
さらに、本実施形態では、反応工程において上記ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドとアンモニア水とを反応させる際に、アンモニア水に、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドを加えることが好ましい。ここで、ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドにアンモニア水を添加すると、原料であるペルフルオロアルキルスルホニルフロリドの加水分解が増加してしまい、アミド化反応が効率的に進まないために好ましくはない。
更にまた、本実施形態では、反応工程において上記ペルフルオロアルキルスルホニルフロリドとアンモニア水とを反応させる際に、アンモニア水にイソプロピルアルコール等の水溶性の有機溶媒を共存させないことが好ましい。ここで、アンモニア水に水溶性の有機溶媒を共存させて反応を行うと、原料であるペルフルオロアルキルスルホニルフロリドの加水分解が増加してしまい、アミド化反応が効率的に進まないために好ましくはない。
(単離工程)
本実施形態の単離工程では、上記反応液を酸性として、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドを析出させて分離する。
単離工程では、反応液に塩酸又は硫酸を加えて酸性水溶液とし、ペルフルオロアルキルスルホンアミドを単離する。
すなわち、下記式(12)に示すように、反応液中に溶解する上記式(6)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩が塩酸と反応して、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドと塩化アンモニウム(NHCl)とが生成する。
Figure 2011037784
ここで、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドは、酸性水溶液に対する溶解度が低いため、酸性水溶液から析出する。一方、副生成物である塩化アンモニウムは、酸性水溶液に溶解する。したがって、酸性水溶液をろ過、分液等によって濾別することにより、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドを単離することができる。
以上説明したように、本実施形態のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法によれば、ペルフルオロアルキルスルホニルハライドとアンモニア水とを反応させるため、無水アンモニアを用いることなくペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得ることができる。また、上記反応液に酸を加えて酸性水溶液とすることにより、ペルフルオロアルキルスルホンアミドを析出させて分離することができるため、抽出用の有機溶媒を用いる必要がない。したがって、安全性及び生産性が高く、簡便な方法により、ペルフルオロアルキルスルホンアミドを製造することができる。
なお、本実施形態のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法によれば、ペルフルオロアルキルスルホニルハライドとしてペルフルオロアルキルスルホニルフロリドを例に説明したが、ペルフルオロアルキルスルホニルクロリドを用いても良い。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態であるペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法ついて説明する。
本実施形態のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法は、アンモニア水と反応させる原料として、上記式(5)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライドに換えて、下記式(13)に示すペルフルオロアルキルスルホン酸無水物を用いることを特徴としている。
(RfSOO ・・・(13)
ここで、上記式(13)において、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。すなわち、上記式(13)で表されるペルフルオロアルキルスルホン酸無水物として、トリフルオロメチルスルホン酸無水物、ペンタフルオロエチルスルホン酸無水物、ヘプタフルオロプロピルスルホン酸無水物、ノナフルオロブチルスルホン酸無水物が挙げられる。第2の実施形態のRfにおいても、炭素数3又は4の場合には、直鎖状以外に分岐状の構造異性体を含む。
なお、本実施形態の原料であるペルフルオロアルキルスルホン酸無水物は、工業的に量産が可能であり、入手が容易である点が特徴である。
(反応工程)
本実施形態の反応工程では、上記式(13)に示すペルフルオロアルキルスルホン酸無水物とアンモニア水とを反応させて、上記式(6)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得る。
反応工程では、アンモニア水中に上記ペルフルオロアルキルスルホン酸無水物を滴下して、反応液を得る。
すなわち、下記式(14)に示すように、ペルフルオロアルキルスルホン酸無水物がアンモニア水と反応して、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドが生成する。そして、生成した上記ペルフルオロアルキルスルホンアミドがアンモニアと反応して上記式(6)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩が生成して反応液中に溶解吸収される。
Figure 2011037784
(単離工程)
本実施形態の単離工程では、上記反応液を酸性として、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドを析出させて分離する。
単離工程では、反応液に塩酸又は硫酸を加えて酸性水溶液とし、ペルフルオロアルキルスルホンアミドを単離する。
すなわち、下記式(15)に示すように、反応液中に溶解する上記式(6)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩が塩酸と反応して、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホン酸(RfSOH)と塩化アンモニウム(NHCl)とが生成する。
Figure 2011037784
ここで、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドは、酸性水溶液に対する溶解度が低いため、酸性水溶液から析出する。一方、副生成物であるペルフルオロアルキルスルホン酸及び塩化アンモニウムは、酸性水溶液に溶解する。したがって、酸性水溶液を濾別することにより、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドを単離することができる。
以上説明したように、本実施形態のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法によれば、第1実施形態のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法と同様の効果が得られる。また、本実施形態によれば、原料として入手が容易なペルフルオロアルキルスルホン酸無水物を用いることができるため、工業的に有利な方法である。
以下、実施例によって本発明の効果をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例によって、なんら限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、5Lのフラスコに28%アンモニア水874gを入れ、氷水浴下でトリフルオロメチルスルホン酸無水物((CFSOO)を1016g滴下した。なお、トリフルオロメタンスルホン酸無水物に対するアンモニアのモル比は4であった。1時間攪拌後、35%塩酸を1183g滴下して層分液させて、下層470gを分液した
分液した下層は、トリフルオロメチルスルホンアミド(CFSONH)の80%水溶液であり、この下層を濃縮して376gのトリフルオロメチルスルホンアミド(CFSONH)を得た。なお、収率は70%であった。
(実施例2)
先ず、200mlのフラスコに20%アンモニア水86gを入れ、50℃にてペンタフルオロエチルスルホニルクロライド(CSOCl)22gを滴下した。なお、ペンタフルオロエチルスルホニルクロライドに対するアンモニアのモル比は10であった。50℃にて2時間攪拌後、35%塩酸を15g滴下して層分液させて、下層15gを分液した。
分液した下層は、ペンタフルオロエチルスルホンアミド(CSONH)の80%水溶液であり、この下層を濃縮してペンタフルオロエチルスルホンアミド(CSONH)12gを得た。なお、収率は60%であった。
(実施例3)
先ず、200mlのフラスコに20%アンモニア水86gを入れ、40℃にてヘプタフルオロプロピルスルホニルフロリド(CSOF)25gを滴下した。なお、ヘプタフルオロプロピルスルホニルフロリドに対するアンモニアのモル比は10であった。40℃にて2時間攪拌後、35%塩酸を20g滴下して層分液させて、下層19gを分液した。
分液した下層は、ヘプタフルオロプロピルスルホンアミド(CSONH)の80%水溶液であり、この下層を濃縮してヘプタフルオロプロピルスルホンアミド(CSONH)15gを得た。なお、収率は60%であった。
(比較例1)
200mlのフラスコにトリフルオロメチルスルホン酸無水物100gを入れ、氷水浴下28%アンモニア水を滴下した。滴下の途中で激しい発熱がみられたために、滴下を中止し、19F−NMRにて反応液を調べたところ、原料の加水分解がおこっていることが判明した。本比較例1のように、滴下原料を逆にすることにより、加水分解が増加してしまうため、アミド化反応が効率的に進まないことが確認された。
(比較例2)
200mlのフラスコに20%アンモニア水86g、イソプロピルアルコール40gを入れ、40℃にてヘプタフルオロプロピルスルホニルフロリド(CSOF)25gを滴下した。なお、ヘプタフルオロプロピルスルホニルフロリドに対するアンモニアのモル比は10であった。40℃にて2時間攪拌後、19F−NMRにて反応率を調べたところ、目的のアミド化が30%であり、原料の加水分解が70%起こっていた。本比較例2のように、アンモニア水に水溶性の有機溶媒を共存させて反応を行うことにより、加水分解が増加してしまうため、アミド化反応が効率的に進まないことが確認された。

Claims (7)

  1. 下記式(1)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は下記式(2)に示すペルフルオロアルキルスルホン酸無水物とアンモニア水とを反応させて、下記式(3)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得ることを特徴とするペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
    RfSOX ・・・(1)
    (RfSOO ・・・(2)
    RfSONH・NH ・・・(3)
    但し、上記式(1)〜(3)において、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
    また、上記式(1)において、Xはフッ素(F)又は塩素(Cl)である。
  2. 上記式(1)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は上記式(2)に示すペルフルオロアルキルスルホン酸無水物とアンモニア水とを反応させて、上記式(3)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドアンモニウム塩を含む反応液を得る過程と、
    前記反応液を酸性として、下記式(4)に示すペルフルオロアルキルスルホンアミドを析出させて分離する過程と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
    RfSONH ・・・(4)
    但し、上記式(4)において、Rfは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のペルフルオロアルキル基である。
  3. 前記アンモニア水の濃度が、1〜50%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
  4. 前記アンモニア水の、前記ペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は前記ペルフルオロアルキルスルホン酸無水物に対するモル量が3〜20倍の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
  5. 前記ペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は前記ペルフルオロアルキルスルホン酸無水物と、前記アンモニア水と、の反応温度が、0〜70℃の範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
  6. 前記アンモニア水に、上記式(1)に示すペルフルオロアルキルスルホニルハライド又は上記式(2)に示すペルフルオロアルキルスルホン酸無水物を添加することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
  7. 前記反応液に、塩酸又は硫酸を加えて酸性とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のペルフルオロアルキルスルホンアミドの製造方法。
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