JP2013166698A - イミド化合物の製造方法 - Google Patents

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常俊 本田
Noriaki Matsumura
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Abstract

【課題】安価な原料を用いて、安全性及び生産性が高いフッ素化されたイミド化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】ペルフルオロアルキルスルホン酸(RfSOH)とペルフルオロアルキルスルホンアミド(RfSONH)とを、三酸化硫黄の存在下で反応させることを特徴とするイミド化合物((RfSO)(RfSO)NH)の製造方法を選択する。但し、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
【選択図】なし

Description

本発明は、イミド化合物の製造方法の改良に関する。
フッ素化されたイミド化合物は、イオン導伝材料やイオン液体のアニオン源として有用な物質であることが知られている。また、イオン液体は、特に電池やキャパシタの電解質、反応溶媒や触媒等として期待されており、例えば、フッ素化されたイミド化合物である含フッ素スルホニルイミド酸の塩と、イミダゾリウム臭化物塩のような第4級アミンのハロゲン化物塩とを塩交換することによって得られることが一般に知られている。
ところで、フッ素化されたイミド化合物の製造方法としては、非特許文献1及び特許文献1〜3が知られている。具体的に、非特許文献1には、下記式(A)に示すように、フルオロスルホン酸(FSOH)と尿素((NHCO)とを反応させて、加熱しながら生成したビス(フルオロスルホニル)イミド(FSONH)と過剰のフルオロスルホン酸とを減圧蒸留によって回収する方法が開示されている。
Figure 2013166698
また、特許文献1には、ペルフルオロアルキルスルホンアミド(RfSONH)をNa,K,Li等の塩とし、これをジスルフリルフルオライド((FSOO)又はハロゲン化スルフリルフルオライド(SOFX,Xはハロゲン原子)と反応させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、下記式(B)に示すように、ペルフルオロアルキルスルホンアミド(RfSONH)と、ペルフルオロアルキルスルホニルハライド(RfSOX)と、フッ化カリウム等のフッ素化合物(MF)と、をアセトニトリルなどの有機溶媒下で反応させて、ペルフルオロアルキルスルホニルイミド塩((RfSO)(RfSO)N・M)を製造する方法が開示されている。
Figure 2013166698
上記式(B)において、Rf及びRfはペルフルオロアルキル基等を、Mはアルカリ金属等を、Xはフッ素又は塩素をそれぞれ示している。
また、特許文献3には、下記式(C)に示すように、ペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホニルハライドとを第3級アミンあるいは複素環式アミン(NR)存在下で反応させて、ペルフルオロアルキルスルホニルイミド塩((RfSO)(RfSO)N・M)を製造する方法が開示されている。
Figure 2013166698
上記式(C)において、Rf及びRfはペルフルオロアルキル基等を、R〜Rはアルキル基等をそれぞれ示している。
特開2005−200359号公報 特開2001−288193号公報 特開平8−81436号公報
Chem.Ber.,95,246−8,1962,Appel,Eisenhauer.
しかしながら、非特許文献1に記載された方法では、尿素とフルオロスルホン酸との反応が炭酸ガスの発生と大きな発熱とを伴った反応であり、反応が暴走的に進んでしまうという課題があった。このため、反応の制御が困難であり、工業的には実施困難な方法である。
また、特許文献1に記載された方法では、原料であるジスルフリルフルオライドの入手が困難であり、かつ水と激しく反応するために取扱いが非常に難しいという課題があった。また、スルフリルフルオライドも室温でガスであるため、反応にはオートクレーブなどの特殊な装置が必要であるという課題があった。
また、特許文献2及び3に記載された方法では、ペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホニルハライドとを反応させてペルフルオロアルキルスルホニルイミド塩を生成する際に、イミド化反応の添加剤として高価なアルカリ金属フッ化物や第三級アミンを多量に添加する必要があるという課題があった。
さらに、Rfの炭素数が1又は2の場合には原料となるペルフルオロアルキルスルホニルハライドの沸点が低いため、合成にあたってオートクレーブなどの特殊な反応装置が必要であるという課題があった。
なお、これまでにペルフルオロアルキルスルホンアミドを用いたペルフルオロアルキルスルホンイミドの合成方法として、ペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホン酸無水物、あるいはペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホニルハライドとの反応は知られているが、ペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホン酸とから合成する方法は知られていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、安価な原料を用いて、安全性及び生産性が高いフッ素化されたイミド化合物の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、フッ素化されたスルホンアミドとフッ素化されたスルホン酸とを、三酸化硫黄の存在下で反応させることが可能であることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 下記式(1)に示されるイミド化合物の製造方法であって、
下記式(2)に示されるペルフルオロアルキルスルホン酸と、下記式(3)に示されるペルフルオロアルキルスルホンアミドと、を、三酸化硫黄の存在下で反応させることを特徴とするイミド化合物の製造方法。
(RfSO)(RfSO)NH ・・・(1)
RfSOH・・・(2)
RfSONH ・・・(3)
但し、上記式(1)〜(3)において、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
[2] 上記式(1)に示されるイミド化合物が、下記式(4)に示されるトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドであり、
上記式(2)に示されるペルフルオロアルキルスルホン酸が、下記式(5)に示されるフルオロスルホン酸であり、
上記式(3)に示されるペルフルオロアルキルスルホンアミドが、下記式(6)に示されるトリフルオロメチルスルホンアミドであることを特徴とする前項[1]に記載のイミド化合物の製造方法。
(FSO)(CFSO)NH ・・・(4)
FSOH・・(5)
CFSONH ・・・(6)
[3] 前記ペルフルオロアルキルスルホン酸に前記三酸化硫黄を溶解して溶解液を生成する過程と、
前記溶解液を加熱し、これに前記ペルフルオロアルキルスルホンアミドを添加して反応させる過程と、を備えることを特徴とする前項[1]又は前項[2]に記載のイミド化合物の製造方法。
[4] 前記ペルフルオロアルキルスルホン酸に前記ペルフルオロアルキルスルホンアミドを溶解して溶解液を生成する過程と、
前記溶解液を加熱し、これに前記三酸化硫黄、もしくはフルオロスルホン酸に溶解させた三酸化硫黄を滴下して反応させる工程と、を備えることを特徴とする前項[1]又は前項[2]に記載のイミド化合物の製造方法。
[5] 前記ペルフルオロアルキルスルホン酸と、前記ペルフルオロアルキルスルホンアミドと、前記三酸化硫黄と、を混合して混合液を生成する過程と、
前記混合液を加熱して反応させる過程と、を備えることを特徴とする前項[1]又は前項[2]に記載のイミド化合物の製造方法。
[6] 反応温度が、60〜140℃の範囲であることを特徴とする前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載のイミド化合物の製造方法。
本発明のイミド化合物の製造方法によれば、ペルフルオロアルキルスルホン酸とペルフルオロアルキルスルホンアミドとを三酸化硫黄の存在下で反応させることにより、スルホン酸とスルホンアミドとからイミド化合物を合成することが可能となる。したがって、安価な原料を用いて、安全かつ高い生産性でフッ素化されたイミド化合物を製造することができる。
以下、本発明のイミド化合物の製造方法について、詳細に説明する。
本発明のイミド化合物の製造方法は、下記式(7)に示されるイミド化合物の製造方法であって、下記式(8)に示されるペルフルオロアルキルスルホン酸と、下記式(9)に示されるペルフルオロアルキルスルホンアミドと、を、三酸化硫黄(SO)の存在下で反応させることを特徴とするイミド化合物の製造方法である。
(RfSO)(RfSO)NH ・・・(7)
RfSOH・・・(8)
RfSONH ・・・(9)
但し、上記式(7)〜(9)において、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
本発明の反応機構は、下記式(10)に示すような化学反応によって、上記式(8)に示されるペルフルオロアルキルスルホン酸と上記式(9)に示されるペルフルオロアルキルスルホンアミドとが三酸化硫黄(SO)の存在下で反応することにより、上記式(7)に示すペルフルオロアルキルスルホンイミドと、硫酸(HSO)とが生成していると推測される。
Figure 2013166698
但し、上記式(10)において、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
(ペルフルオロアルキルスルホン酸)
本発明のイミド化合物の製造方法において、一方の原料である上記式(8)で表されるペルフルオロアルキルスルホン酸としては、フルオロスルホン酸(FSOH)、トリフルオロメチルスルホン酸(CFSOH)、ペンタフルオロエチルスルホン酸(CSOH)、ヘプタフルオロプロピルスルホン酸(CSOH)、ノナフルオロブチルスルホン酸(CSOH)が挙げられる。
(ペルフルオロアルキルスルホンアミド)
また、他方の原料である上記式(9)で表されるペルフルオロアルキルスルホンアミドとしては、フルオロスルホンアミド(FSONH)、トリフルオロメチルスルホンアミド(CFSONH)、ペンタフルオロエチルスルホンアミド(CSONH)、ヘプタフルオロプロピルスルホンアミド(CSONH)、ノナフルオロブチルスルホンアミド(CSONH)が挙げられる。
(ペルフルオロアルキルスルホンイミド)
本発明のフッ素化されたイミド化合物であるペルフルオロアルキルスルホンイミドの製造方法は、RfとRfとが同一の対称性イミド、特にRfとRfとが異なる非対称性イミド化合物の合成に有効である。
上記式(7)で表されるペルフルオロアルキルスルホンイミドは、RfとRfとが同一の場合(対称構造)として、ビス(フルオロスルホニル)イミド[(FSONH]、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[(CFSONH]、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド[(CSONH]、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド[(CSONH]、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド[(CSONH]等のペルフルオロアルキルスルホンイミド類が挙げられる。なお、本実施形態のRf及びRfにおいて、炭素数3又は4の場合には、直鎖状以外に分岐状の構造異性体を含んでいる(以下、同様)。
また、RfとRfとが異なる場合(非対称構造)として、トリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミド[(FSO)(CFSO)NH]、ペンタフルオロ−N−(フルオロスルホニル)エタンスルホニルアミド[(FSO)(CSO)NH]、ヘプタフルオロ−N−(フルオロスルホニル)プロパンスルホニルアミド[(FSO)(CSO)NH]、ノナフルオロ−N−(フルオロスルホニル)ブタンスルホニルアミド[(FSO)(CSO)NH]、ペンタフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]エタンスルホニルアミド[(CFSO)(CSO)NH]、ヘプタフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]プロパンスルホニルアミド[(CFSO)(CSO)NH]、ノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド[(CFSO)(CSO)NH]、ヘプタフルオロ−N−[(ペンタフルオロエタン)スルホニル]プロパンスルホニルアミド[(CSO)(CSO)NH]、ノナフルオロ−N−[(ペンタフルオロエタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド[(CSO)(CSO)NH]、ノナフルオロ−N−[(ヘプタフルオロプロパン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド[(CSO)(CSO)NH]等が挙げられる。
なお、本発明のイミド化合物の製造方法は、上記式(8)に示されるペルフルオロアルキルスルホン酸としてフルオロスルホン酸(FSOH)を、上記式(9)に示されるペルフルオロアルキルスルホンアミドとしてトリフルオロメチルスルホンアミド(CFSONH)をそれぞれ用い、上記式(7)で表されるペルフルオロアルキルスルホンイミドとして、RfとRfとが異なる非対称性イミド化合物であるトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミド[(FSO)(CFSO)NH]を合成する際に適用することが特に好ましい。
本発明のイミド化合物の製造方法における第1の方法は、ペルフルオロアルキルスルホン酸に三酸化硫黄を溶解して溶解液を生成する過程(溶解液の生成過程)と、この溶解液を加熱し、これにペルフルオロアルキルスルホンアミドを添加して反応させる過程(添加反応過程)と、からなるイミド化合物の製造方法である。以下、各過程について具体的に説明する。
(溶解液の生成過程)
先ず、反応用器内にペルフルオロアルキルスルホン酸と三酸化硫黄とを反応させることなく投入して、ペルフルオロアルキルスルホン酸に三酸化硫黄が溶解した溶解液を生成する。
ここで、ペルフルオロアルキルスルホン酸の量は、添加するペルフルオロアルキルスルホンアミドに対してモル比で1〜10倍とすることが好ましく、1〜5倍とすることがより好ましい。ペルフルオロアルキルスルホン酸が添加するペルフルオロアルキルスルホンアミドに対してモル比で1倍未満であると、反応に必要なペルフルオロアルキルスルホン酸が不足してイミド化合物の生成量が低下するため、好ましくない。一方、ペルフルオロアルキルスルホン酸の量が添加するペルフルオロアルキルスルホンアミドに対してモル比で10倍を超えると経済的に無駄である。
また、三酸化硫黄の量は、添加するペルフルオロアルキルスルホンアミドに対してモル比で1〜10倍とすることが好ましく、1〜5倍とすることがより好ましい。三酸化硫黄が添加するペルフルオロアルキルスルホンアミドに対してモル比で1倍未満であると、反応に必要な三酸化硫黄が不足してイミド化合物の生成量が低下するため、好ましくない。一方、三酸化硫黄の量が添加するペルフルオロアルキルスルホンアミドに対してモル比で10倍を超えると経済的に無駄である。
本発明において、三酸化硫黄の存在下でペルフルオロアルキルスルホン酸とペルフルオロアルキルスルホンアミドとを反応させることにより、ペルフルオロアルキルスルホン酸の反応性が高まっているものと考えられる。
(添加反応過程)
添加反応過程では、先ず、反応容器内に投入された上記溶解液を加熱する。次に、加熱している上記反応容器にペルフルオロアルキルスルホンアミドを添加する。このようにして、ペルフルオロアルキルスルホン酸とペルフルオロアルキルスルホンアミドとを三酸化硫黄の存在下で反応させる。
ここで、ペルフルオロアルキルスルホンアミドを添加中の反応容器内の反応温度が、60〜140℃の範囲であることが好ましく、80〜120℃の範囲であることがより好ましい。反応温度が60℃未満であると、反応の進行が遅くなるために好ましくない。したがって、予め加熱するペルフルオロアルキルスルホン酸と三酸化硫黄との溶解液の温度は、例えば80〜120℃に加熱しておくことが好ましい。
また、本発明のイミド化合物の製造方法における第2の方法は、ペルフルオロアルキルスルホン酸にペルフルオロアルキルスルホンアミドを溶解して溶解液を生成する過程(溶解液生成過程)と、この溶解液を加熱し、これに三酸化硫黄、もしくはフルオロスルホン酸に溶解させた三酸化硫黄を滴下して反応させる工程(滴下反応過程)と、からなるイミド化合物の製造方法である。
ここで、第2の方法は、上述した第1の方法とは、ペルフルオロスルホン酸に溶解させる三酸化硫黄と、添加するペルフルオロアルキルスルホンアミドとを入れ替えたものであり、各原料の投入量及び反応容器内の反応温度については、第1の方法と同じ条件である。フルオロスルホン酸に溶解させた三酸化硫黄を滴下する場合、フルオロスルホン酸の量は、添加する三酸化硫黄に対してモル比で0.1〜5倍とすることが好ましく、0.5〜2倍とすることがより好ましい。
さらに、本発明における第3の方法は、ペルフルオロアルキルスルホン酸と、ペルフルオロアルキルスルホンアミドと、三酸化硫黄と、を混合して混合液を生成する過程(混合液の生成過程)と、この混合液を加熱して反応させる過程(加熱反応過程)と、からなるイミド化合物の製造方法である。
ここで、第3の方法は、上述した第1及び第2の方法とは、ペルフルオロスルホン酸に予め三酸化硫黄とペルフルオロアルキルスルホンアミドとを溶解させた後に加熱するものであり、各原料の投入量及び反応容器内の反応温度については、第1の方法と同じ条件である。
以上説明したように、本発明のイミド化合物の製造方法によれば、ペルフルオロアルキルスルホン酸とペルフルオロアルキルスルホンアミドとを三酸化硫黄の存在下で反応させることにより、スルホン酸とスルホンアミドとからイミド化合物を合成することが可能となる。したがって、安価な原料であり、入手が容易なスルホン酸を用いて、安全かつ高い生産性でフッ素化されたイミド化合物であるペルフルオロアルキルスルホンイミドを製造することができる。
また、本発明のイミド化合物の製造方法によれば、ペルフルオロアルキルスルホン酸とペルフルオロアルキルスルホンアミドとを組み合わせて反応させることにより、対象構造及び非対称構造のペルフルオロアルキルスルホンイミドを容易に製造することができる。
また、本発明のイミド化合物の製造方法によれば、三酸化硫黄の反応系への添加によって、スルホン酸の反応性を高めることが可能であると考えられる。これにより、従来知られていなかったペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホン酸とからイミド化合物を合成する方法を提供することができる。
また、本発明のイミド化合物の製造方法によれば、原料の一つであるペルフルオロアルキルスルホン酸の沸点が高いため、オートクレーブ等の特殊な装置を用いることなく簡便にペルフルオロアルキルスルホンイミドを製造することができる。
また、本発明のイミド化合物の製造方法によれば、スルホンアミドとスルホン酸から電池電解質などに用いられるイミド化合物の合成が可能になる。
以下、実施例によって本発明の効果をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例によって、なんら限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、温度計を備えた100mLのガラス製反応器にフルオロスルホン酸45g、三酸化硫黄24gを仕込み、80℃に加熱した。還流下、トリフルオロメチルスルホンアミドを22g加え、さらに80℃で118時間反応させた。
反応液を水に滴下し、19F−NMRにて分析を行った。56.7ppmと−78.2ppmにトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのピークが確認された。
内部標準添加法によりトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのトリフルオロメチルスルホンアミド基準の収率は38%であった。
(実施例2)
攪拌機、温度計を備えた100mLのガラス製反応器にフルオロスルホン酸30g、三酸化硫黄16g、トリフルオロメチルスルホンアミド15gを仕込み、100℃で16時間反応させた。
反応後、反応液を水に滴下し、19F−NMRにて分析を行った。56.7ppmと−78.2ppmにトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのピークが確認された。
内部標準添加法によりトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのトリフルオロメチルスルホンアミド基準の収率は46%であった。
(比較例1)
実施例1と同様の装置攪拌機、温度計を備えた100mLのガラス製反応器にフルオロ硫酸45gを仕込み、80℃で加熱した。トリフルオロメチルスルホンアミドを22g加え、さらに80℃で130時間反応させた。
反応液を水に滴下し、19F−NMRにて分析を行った。トリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのピークは検出されなかった。

Claims (6)

  1. 下記式(1)に示されるイミド化合物の製造方法であって、
    下記式(2)に示されるペルフルオロアルキルスルホン酸と、下記式(3)に示されるペルフルオロアルキルスルホンアミドと、を、三酸化硫黄の存在下で反応させることを特徴とするイミド化合物の製造方法。
    (RfSO)(RfSO)NH ・・・(1)
    RfSOH・・(2)
    RfSONH ・・・(3)
    但し、上記式(1)〜(3)において、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
  2. 上記式(1)に示されるイミド化合物が、下記式(4)に示されるトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドであり、
    上記式(2)に示されるペルフルオロアルキルスルホン酸が、下記式(5)に示されるフルオロスルホン酸であり、
    上記式(3)に示されるペルフルオロアルキルスルホンアミドが、下記式(6)に示されるトリフルオロメチルスルホンアミドであることを特徴とする請求項1に記載のイミド化合物の製造方法。
    (FSO)(CFSO)NH ・・・(4)
    FSOH・・(5)
    CFSONH ・・・(6)
  3. 前記ペルフルオロアルキルスルホン酸に前記三酸化硫黄を溶解して溶解液を生成する過程と、
    前記溶解液を加熱し、これに前記ペルフルオロアルキルスルホンアミドを添加して反応させる過程と、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイミド化合物の製造方法。
  4. 前記ペルフルオロアルキルスルホン酸に前記ペルフルオロアルキルスルホンアミドを溶解して溶解液を生成する過程と、
    前記溶解液を加熱し、これに前記三酸化硫黄、もしくはフルオロスルホン酸に溶解させた三酸化硫黄を滴下して反応させる工程と、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイミド化合物の製造方法。
  5. 前記ペルフルオロアルキルスルホン酸と、前記ペルフルオロアルキルスルホンアミドと、前記三酸化硫黄と、を混合して混合液を生成する過程と、
    前記混合液を加熱して反応させる過程と、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイミド化合物の製造方法。
  6. 反応温度が、60〜140℃の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のイミド化合物の製造方法。
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