JP5538534B2 - フッ素含有イミド化合物の製造方法 - Google Patents

フッ素含有イミド化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素含有イミド化合物の製造方法の改良に関する。
本願は、2010年5月26日に、日本に出願された特願2010−120657号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
フッ素化されたイミド化合物(フッ素含有イミド化合物)は、イオン導電材料やイオン液体のアニオン源として有用な物質であることが知られている。また、イオン液体は、特に電池やキャパシタの電解質、反応溶媒や触媒等として有用である。このイオン液体は、例えば、フッ素化されたイミド化合物である含フッ素スルホニルイミド酸の塩と、イミダゾリウム臭化物塩のような第4級アミンのハロゲン化物塩とを塩交換することによって得られることが一般に知られている。
フッ素含有イミド化合物の製造方法としては、非特許文献1及び特許文献1〜3に記載される方法が知られている。具体的に、非特許文献1には、下記式(A)に示すように、フルオロスルホン酸(FSOH)と尿素((NHCO)とを反応させて、加熱しながら生成したビス(フルオロスルホニル)イミド(FSONH)と過剰のフルオロスルホン酸とを減圧蒸留によって回収する方法が開示されている。
Figure 0005538534
また、特許文献1には、ペルフルオロアルキルスルホンアミド(RfSONH,Rfはペルフルオロアルキル基)をNa,K,Li等の塩とし、これをジスルフリルフルオライド((FSOO)又はハロゲン化スルフリルフルオライド(SOFX,Xはハロゲン原子)と反応させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、下記式(B)に示すように、ペルフルオロアルキルスルホンアミド(RfSONH)と、ペルフルオロアルキルスルホニルハライド(RfSOX)と、フッ化カリウム等のフッ素化合物(MF)と、をアセトニトリルなどの有機溶媒下で反応させて、ペルフルオロアルキルスルホニルイミド塩((RfSO)(RfSO)N・M)を製造する方法が開示されている。
Figure 0005538534
上記式(B)において、Rf及びRfはペルフルオロアルキル基等を、Mはアルカリ金属等を、Xはフッ素又は塩素をそれぞれ示している。
また、特許文献3には、下記式(C)に示すように、ペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホニルハライドとを第3級アミンあるいは複素環式アミン(NR)存在下で反応させて、ペルフルオロアルキルスルホニルイミド塩((RfSO)(RfSO)N・RNH)を製造する方法が開示されている。
Figure 0005538534
上記式(C)において、Rf及びRfはペルフルオロアルキル基等を、R〜Rはアルキル基等をそれぞれ示している。
特開2005−200359号公報 特開2001−288193号公報 特開平8−81436号公報
Chem.Ber.,95,246−8,1962,Appel,Eisenhauer.
しかしながら、非特許文献1に記載された方法では、尿素とフルオロスルホン酸との反応が、炭酸ガスの発生と大きな発熱とを伴った反応であり、反応が暴走的に進んでしまうという課題があった。このため、非特許文献1に記載された方法は、反応の制御が困難であり、工業的には実施困難な方法である。
また、特許文献1に記載された方法では、原料であるジスルフリルフルオライドは、入手が困難であり、かつ水と激しく反応するために取扱いが非常に難しいという課題があった。また、スルフリルフルオライドも室温でガスであるため、反応にはオートクレーブなどの特殊な装置が必要であるという課題があった。
また、特許文献2及び3に記載された方法では、ペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホニルハライドとを反応させてペルフルオロアルキルスルホニルイミド塩を生成する際に、イミド化反応の添加剤として高価なアルカリ金属フッ化物や第三級アミンを多量に添加する必要があるという課題があった。
さらに、Rfの炭素数が1又は2の場合には原料となるペルフルオロアルキルスルホニルハライドの沸点が低いため、合成にあたってオートクレーブなどの特殊な反応装置が必要であるという課題があった。
なお、これまでにペルフルオロアルキルスルホンアミドを用いたペルフルオロアルキルスルホンイミドの合成方法として、ペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホン酸無水物、あるいはペルフルオロアルキルスルホンアミドとペルフルオロアルキルスルホニルハライドとの反応は知られている。しかし、フッ素含有スルホンアミドとフッ素含有スルホン酸とから、フッ素含有スルホンイミドを合成する方法は、フッ素含有スルホン酸の反応性が低いことから知られていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、安価な原料を用いた、安全性及び生産性が高いフッ素含有イミド化合物の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、フッ素含有スルホンアミドとフッ素含有スルホン酸とを、塩化チオニル(SOCl)の存在下で反応させることが可能であることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 下記式(1)に示されるフッ素含有イミド化合物の製造方法であって、
下記式(2)に示されるフッ素含有スルホン酸と、下記式(3)に示されるフッ素含有スルホンアミドと、を、塩化チオニルの存在下で反応させることを特徴とするフッ素含有イミド化合物の製造方法。
(RfSO)(RfSO)NH ・・・(1)
RfSOH・・・(2)
RfSONH ・・・(3)
但し、上記式(1)〜(3)において、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
[2] 上記式(1)に示されるフッ素含有イミド化合物が、下記式(4)に示されるトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドであり、
上記式(2)に示されるフッ素含有スルホン酸が、下記式(5)に示されるフルオロスルホン酸であり、
上記式(3)に示されるフッ素含有スルホンアミドが、下記式(6)に示されるトリフルオロメチルスルホンアミドであることを特徴とする前項[1]に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
(FSO)(CFSO)NH ・・・(4)
FSOH・・(5)
CFSONH ・・・(6)
[3] 前記フッ素含有スルホン酸に前記塩化チオニルを溶解して溶解液を生成する過程と、
前記溶解液を加熱し、これに前記フッ素含有スルホンアミドを添加して反応させる過程と、を備えることを特徴とする前項[1]又は前項[2]に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
[4] 前記フッ素含有スルホン酸に前記フッ素含有スルホンアミドを溶解して溶解液を生成する過程と、
前記溶解液を加熱し、これに前記塩化チオニルを滴下して反応させる工程と、を備えることを特徴とする前項[1]又は前項[2]に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
[5] 前記フッ素含有スルホン酸と、前記フッ素含有スルホンアミドと、前記塩化チオニルと、を混合して混合液を生成する過程と、
前記混合液を加熱して反応させる過程と、を備えることを特徴とする前項[1]又は前項[2]に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
[6] 反応温度が、50〜140℃の範囲であることを特徴とする前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
本発明のフッ素含有イミド化合物の製造方法によれば、フッ素含有スルホン酸とフッ素含有スルホンアミドとを塩化チオニルの存在下で反応させることにより、フッ素含有スルホン酸とフッ素含有スルホンアミドとからフッ素含有イミド化合物を合成することが可能となる。したがって、工業的に入手しやすく、扱い易い原料を用いて、収率の高いフッ素含有イミド化合物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明のフッ素含有イミド化合物の製造方法について、詳細に説明する。
本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法は、下記式(7)に示されるフッ素含有イミド化合物の製造方法であって、下記式(8)に示されるフッ素含有スルホン酸と、下記式(9)に示されるフッ素含有スルホンアミドと、を、塩化チオニル(SOCl)の存在下で反応させることを特徴とするフッ素含有イミド化合物の製造方法である。
(RfSO)(RfSO)NH ・・・(7)
RfSOH・・・(8)
RfSONH ・・・(9)
但し、上記式(7)〜(9)において、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
本実施形態の反応機構は、下記式(10)に示すような化学反応によって、上記式(8)に示されるフッ素含有スルホン酸と上記式(9)に示されるフッ素含有スルホンアミドとが塩化チオニル(SOCl)の存在下で反応することにより、上記式(7)に示すフッ素含有イミド化合物と、塩化水素(HCl)と、二酸化硫黄(SO)とが生成していると推測される。
本実施形態のメリットとしては、副生する塩化水素及び二酸化硫黄が気体であるため、反応系に残存しないことが挙げられる。
Figure 0005538534
但し、上記式(10)において、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
(フッ素含有スルホン酸)
本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法において、一方の原料である上記式(8)で表されるフッ素含有スルホン酸としては、フルオロスルホン酸(FSOH)、並びにペルフルオロアルキルスルホン酸である、トリフルオロメチルスルホン酸(CFSOH)、ペンタフルオロエチルスルホン酸(CSOH)、ヘプタフルオロプロピルスルホン酸(CSOH)、及びノナフルオロブチルスルホン酸(CSOH)が挙げられる。本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法においては、これらのフッ素含有スルホン酸のうち、フルオロスルホン酸を用いる場合、従来困難であった、ペルフルオロ−N−(フルオロスルホニル)アルカンスルホニルアミドの製造が可能になり、好ましい。
(フッ素含有スルホンアミド)
また、他方の原料である上記式(9)で表されるフッ素含有スルホンアミドとしては、フルオロスルホンアミド(FSONH)、並びにペルフルオロアルキルスルホンアミドである、トリフルオロメチルスルホンアミド(CFSONH)、ペンタフルオロエチルスルホンアミド(CSONH)、ヘプタフルオロプロピルスルホンアミド(CSONH)、及びノナフルオロブチルスルホンアミド(CSONH)が挙げられる。本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法においては、これらのフッ素含有スルホンアミドのうち、トリフルオロメチルスルホンアミド、ペンタフルオロエチルスルホンアミド、ヘプタフルオロプロピルスルホンアミド、ノナフルオロブチルスルホンアミドなどを用いることが原料の入手が容易である観点からより好ましく、トリフルオロメチルスルホンアミドを用いることが原料の入手が特に容易である観点から最も好ましい。
(フッ素含有イミド)
本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法は、従来製造が困難であったRfとRfのどちらか一方がフッ素である非対称性フッ素含有イミド化合物の合成に特に有効である。
上記式(7)で表されるフッ素含有イミド化合物は、RfとRfとが同一の場合(対称構造)として、ビス(フルオロスルホニル)イミド[(FSONH]、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[(CFSONH]、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド[(CSONH]、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド[(CSONH]、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド[(CSONH]等のペルフルオロアルキルスルホンイミド類が挙げられる。なお、本実施形態のRf及びRfにおいて、炭素数3又は4の場合には、直鎖状以外に分岐状の構造異性体を含んでいる(以下、炭素数3又は4の場合は同様)。
また、RfとRfとが異なる場合(非対称構造)、フッ素含有イミド化合物として、トリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミド[(FSO)(CFSO)NH]、ペンタフルオロ−N−(フルオロスルホニル)エタンスルホニルアミド[(FSO)(CSO)NH]、ヘプタフルオロ−N−(フルオロスルホニル)プロパンスルホニルアミド[(FSO)(CSO)NH]、ノナフルオロ−N−(フルオロスルホニル)ブタンスルホニルアミド[(FSO)(CSO)NH]、ペンタフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]エタンスルホニルアミド[(CFSO)(CSO)NH]、ヘプタフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]プロパンスルホニルアミド[(CFSO)(CSO)NH]、ノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド[(CFSO)(CSO)NH]、ヘプタフルオロ−N−[(ペンタフルオロエタン)スルホニル]プロパンスルホニルアミド[(CSO)(CSO)NH]、ノナフルオロ−N−[(ペンタフルオロエタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド[(CSO)(CSO)NH]、ノナフルオロ−N−[(ヘプタフルオロプロパン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド[(CSO)(CSO)NH]等が挙げられる。
従来のフッ素含有イミド化合物の製造方法でRfとRfのどちらか一方がフッ素である非対称性フッ素含有イミド化合物を製造する場合、他のフッ素含有イミド化合物を製造する場合と比べて製造が困難であった。本実施形態のフッ素含有イミド化合物の合成方法は、RfとRfのどちらか一方がフッ素である非対称性フッ素含有イミド化合物の合成に有効である。
本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法では、上記非対称性フッ素含有イミド化合物のうち、トリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドを合成することが、原料の入手が容易である観点からより好ましい。
本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法では、上記式(8)に示されるフッ素含有スルホン酸としてフルオロスルホン酸(FSOH)を、上記式(9)に示されるフッ素含有スルホンアミドとしてトリフルオロメチルスルホンアミド(CFSONH)をそれぞれ用い、上記式(7)で表されるフッ素含有イミド化合物として、RfとRfとが異なる非対称性フッ素含有イミド化合物であるトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミド[(FSO)(CFSO)NH]を合成する際に適用することが特に好ましい。
本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法における第1の方法は、フッ素含有スルホン酸に塩化チオニルを溶解して溶解液を生成する過程(溶解液の生成過程)と、この溶解液を加熱し、これにフッ素含有スルホンアミドを添加して反応させる過程(添加反応過程)からなるフッ素含有イミド化合物の製造方法である。以下、各過程について具体的に説明する。
(溶解液の生成過程)
先ず、反応容器内にフッ素含有スルホン酸と塩化チオニルとを反応させることなく投入して、フッ素含有スルホン酸に塩化チオニルが溶解した溶解液を生成する。
ここで、フッ素含有スルホン酸の量は、添加するフッ素含有スルホンアミドに対してモル比で1〜20倍とすることが好ましく、1〜8倍とすることがより好ましい。フッ素含有スルホン酸が添加するフッ素含有スルホンアミドに対してモル比で1倍未満であると、反応に必要なフッ素含有スルホン酸が不足してフッ素含有イミド化合物の生成量が低下するため、好ましくない。一方、フッ素含有スルホン酸の量が添加するフッ素含有スルホンアミドに対してモル比で20倍を超えると経済的に無駄である。
また、塩化チオニルの量は、添加するフッ素含有スルホンアミドに対してモル比で1〜10倍とすることが好ましく、1〜5倍とすることがより好ましい。塩化チオニルが添加するフッ素含有スルホンアミドに対してモル比で1倍未満であると、反応に必要な塩化チオニルが不足してフッ素含有イミド化合物の生成量が低下するため、好ましくない。一方、塩化チオニルの量が添加するフッ素含有スルホンアミドに対してモル比で10倍を超えると経済的に無駄である。
本実施形態において、塩化チオニルの存在下でフッ素含有スルホン酸とフッ素含有スルホンアミドとを反応させることにより、反応性が高まっているものと考えられる。
(添加反応過程)
添加反応過程では、先ず、反応容器内に投入された上記溶解液を加熱する。次に、加熱している上記反応容器にフッ素含有スルホンアミドを添加する。このようにして、フッ素含有スルホン酸とフッ素含有スルホンアミドとを塩化チオニルの存在下で反応させる。
ここで、フッ素含有スルホンアミドを添加中の反応容器内の反応温度が、50〜140℃の範囲であることが好ましく、60〜120℃の範囲であることがより好ましい。反応温度が50℃未満であると、反応の進行が遅くなるために好ましくない。一方、140℃を超えると塩化チオニルが揮発してしまうために好ましくない。したがって、予め加熱するフッ素含有スルホン酸と塩化チオニルとの溶解液の温度は、例えば60〜120℃に加熱しておくことが好ましい。
また、本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法における第2の方法は、フッ素含有スルホン酸にフッ素含有スルホンアミドを溶解して溶解液を生成する過程(溶解液生成過程)と、この溶解液を加熱し、これに塩化チオニルを滴下して反応させる工程(滴下反応過程)と、からなるフッ素含有イミド化合物の製造方法である。
ここで、第2の方法は、上述した第1の方法とは、フッ素含有スルホン酸に溶解させる塩化チオニルと、添加するフッ素含有スルホンアミドとを入れ替えたものであり、各原料の投入量及び反応容器内の反応温度については、第1の方法と同じ条件である。
さらに、本実施形態における第3の方法は、フッ素含有スルホン酸と、フッ素含有スルホンアミドと、塩化チオニルと、を混合して混合液を生成する過程(混合液の生成過程)と、この混合液を加熱して反応させる過程(加熱反応過程)と、からなるフッ素含有イミド化合物の製造方法である。
ここで、第3の方法は、上述した第1及び第2の方法とは、フッ素含有スルホン酸に予め塩化チオニルとフッ素含有スルホンアミドとを溶解させた後に加熱するものであり、各原料の投入量及び反応容器内の反応温度については、第1の方法と同じ条件である。
以上説明したように、本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法によれば、フッ素含有スルホン酸とフッ素含有スルホンアミドとを塩化チオニルの存在下で反応させることにより、フッ素含有スルホン酸とフッ素含有スルホンアミドとからフッ素含有イミド化合物を合成することが可能となる。したがって、工業的に入手しやすく、扱い易い原料を用いて、収率の高いフッ素含有イミド化合物の製造方法を提供することができる。
また、本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法によれば、フッ素含有スルホン酸とフッ素含有スルホンアミドとを組み合わせて反応させることにより、対称構造及び非対称構造のフッ素含有スルホンイミドを容易に製造することができる。
また、本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法によれば、塩化チオニルの反応系への添加によって、反応性を高めることが可能であると考えられる。これにより、従来知られていなかったフッ素含有スルホンアミドとフッ素含有スルホン酸とからフッ素含有イミド化合物を合成する方法を提供することができる。
また、本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法によれば、原料の一つであるフッ素含有スルホン酸の沸点が高いため、オートクレーブ等の特殊な装置を用いることなく簡便にフッ素含有イミド化合物を製造することができる。
また、本実施形態のフッ素含有イミド化合物の製造方法によれば、スルホンアミドとスルホン酸から電池電解質などに用いられるフッ素含有イミド化合物の合成が可能になる。
以下、実施例によって本発明の効果をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例によって、なんら限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、温度計を備えた100mLのガラス製反応器にトリフルオロメチルスルホンアミド30g、塩化チオニル46g、フルオロスルホン酸88gを仕込み、120℃で12時間反応した。反応中は、塩化水素ガスや二酸化硫黄ガスの発生が確認された。
反応液を水に滴下し、19F−NMRにて分析を行った。56.7ppm、―78.3ppmにそれぞれトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのピークが確認された。
内部標準添加法によりトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのトリフルオロメチルスルホンアミド基準の収率は70%であった。
(実施例2)
攪拌機、温度計を備えた100mLのガラス製反応器にフルオロスルホン酸50g、トリフルオロメチルスルホンアミド15gを仕込み、120℃に加熱した。加熱した反応液に塩化チオニル24gを2時間かけて滴下した。滴下中は、塩化水素ガスや二酸化硫黄ガスの発生が確認された。
滴下終了後、120℃2時間で反応した。反応終了後、反応液を水に滴下し、19F−NMRにて分析を行った。56.7ppm、―78.3ppmにそれぞれトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのピークが確認された。
内部標準添加法によりトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのトリフルオロメチルスルホンアミド基準の収率は81%であった。
(比較例1)
実施例1と同様の装置攪拌機、温度計を備えた100mLのガラス製反応器にフルオロ硫酸45gを仕込み、80℃で加熱した。トリフルオロメチルスルホンアミドを22g加え、さらに80℃で130時間反応させた。
反応液を水に滴下し、19F−NMRにて分析を行った。トリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドのピークは検出されなかった。
本実施形態で示すフッ素含有イミド化合物の製造方法では、工業的に入手しやすいフッ素含有スルホン酸、フッ素含有スルホンアミド、及び塩化チオニルを用いてフッ素含有イミド化合物を製造することができ、製造したフッ素含有イミド化合物をイオン導伝材料やイオン液体のアニオン源として工業的に有用に用いることが出来る。

Claims (6)

  1. 下記式(1)に示されるフッ素含有イミド化合物の製造方法であって、
    下記式(2)に示されるフッ素含有スルホン酸と、下記式(3)に示されるフッ素含有スルホンアミドと、を、塩化チオニルの存在下で反応させることを特徴とするフッ素含有イミド化合物の製造方法。
    (RfSO)(RfSO)NH ・・・(1)
    RfSOH・・(2)
    RfSONH ・・・(3)
    但し、上記式(1)〜(3)において、Rf及びRfはフッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基である。
  2. 上記式(1)に示されるフッ素含有イミド化合物が、下記式(4)に示されるトリフルオロ−N−(フルオロスルホニル)メタンスルホニルアミドであり、
    上記式(2)に示されるフッ素含有スルホン酸が、下記式(5)に示されるフルオロスルホン酸であり、
    上記式(3)に示されるフッ素含有スルホンアミドが、下記式(6)に示されるトリフルオロメチルスルホンアミドであることを特徴とする請求項1に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
    (FSO)(CFSO)NH ・・・(4)
    FSOH・・(5)
    CFSONH ・・・(6)
  3. 前記フッ素含有スルホン酸に前記塩化チオニルを溶解して溶解液を生成する過程と、
    前記溶解液を加熱し、これに前記フッ素含有スルホンアミドを添加して反応させる過程を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
  4. 前記フッ素含有スルホン酸に前記フッ素含有スルホンアミドを溶解して溶解液を生成する過程と、
    前記溶解液を加熱し、これに前記塩化チオニルを滴下して反応させる工程を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
  5. 前記フッ素含有スルホン酸と、前記フッ素含有スルホンアミドと、前記塩化チオニルと、を混合して混合液を生成する過程と、
    前記混合液を加熱して反応させる過程を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
  6. 反応温度が、50〜140℃の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフッ素含有イミド化合物の製造方法。
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