JP7441801B2 - フルオロスルホニル基を含有するイミド塩を調製するための方法 - Google Patents

フルオロスルホニル基を含有するイミド塩を調製するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、フルオロスルホニル基を含有するイミド塩を調製するための方法に関する。
スルホニルイミドタイプのアニオンは、それらの塩基性度が非常に低いという理由で、エネルギー貯蔵分野では電池において無機塩の形態で、またはスーパーキャパシタもしくはイオン性液体の分野では有機塩の形態で、ますます使用されている。電池市場は成長が著しく、電池製造コストの低減が大きな問題になりつつあるため、このタイプのアニオンのための、低コストで大規模な合成方法が必要とされている。
Liイオン電池の特定の分野において現在最も広く使用されている塩は、LiPFであるが、この塩は、熱安定性の制限、加水分解に対する感受性、したがって電池の安全性の低さなどの多くの不利益を示す。近年、FSO 基を有する新しい塩が研究されており、より良好なイオン伝導率および加水分解に対する耐性などの、多くの利点が実証されてきた。これらの塩の1つであるLiFSI(LiN(FSO)は、LiPFの代替とするのに良好な候補となる、非常に有利な特性が示されている。
WO2015/158979は、特に、塩化チオニルおよび硫酸を用いてスルファミン酸を大気圧で塩素化する工程を介する、LiFSIの調製を記載している(実施例)。しかし、塩化チオニルを24時間還流させた後、スルファミン酸の変換は完全ではない。
したがって、前述の欠点を有していない、フルオロスルホニル基を含むイミド塩を調製するための方法が必要である。特に、スルファミド試薬を、短時間で(準)完全に変換できる方法が必要である。
[発明を実施するための形態]
本発明は、次式(IV)の化合物
-(SO)-NLi-(SO)-F (IV)
[式中、Rは、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表し、Rは、好ましくはFを表す]
を調製するための方法であって、前記方法が、次式(A)のスルファミド
-(SO)-NH (A)
[式中、Rは、OH、Cl、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表す]
を、少なくとも1つの硫黄含有酸および少なくとも1つの塩素化剤と反応させる工程a)を含み、前記工程a)が、
- 90℃~130℃の間、好ましくは100℃~130℃の間の温度、および
- 厳密に7バールabsを超える圧力
で行われる、方法に関する。
工程a)は、有利には、式(I)の化合物
-(SO)-NH-(SO)-Cl (I)
[式中、Rは、Cl、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表し、Rは、好ましくはClを表す]
を生じる。
好ましくは、化合物(A)は、RがOHを表す化合物である。
本発明によれば、硫黄含有剤は、クロロスルホン酸(ClSOH)、硫酸、発煙硫酸、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。
好ましくは、硫黄含有剤は、硫酸または発煙硫酸、好ましくは硫酸である。
本発明によれば、塩素化剤は、塩化チオニル(SOCl)、塩化オキサリル(COCl)、五塩化リン(PCl)、三塩化ホスホニル(PCl)、三塩化ホスホリル(POCl)、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。
好ましくは、塩素化剤は、塩化チオニルである。
工程a)は、例えば、第三級アミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンまたはジエチルメチルアミン);ピリジン;および2,6-ルチジンなどから選択される触媒の存在下で行うことができる。
好ましくは、反応は、触媒が存在しない状態で実施される。
硫黄含有酸と化合物(A)(特に、R=OHである)のモル比は、0.7~5の間、好ましくは0.9~5の間であり得る。
塩素化剤と化合物(A)(特に、R=OHである)のモル比は、2~10の間、好ましくは2~5の間であり得る。
特に、硫黄含有剤がクロロスルホン酸である場合、クロロスルホン酸と化合物(A)(特に、R=OHである)のモル比は、0.9~5の間であり、かつ/または塩素化剤と化合物(A)(特に、R=OH)のモル比は、2~5の間である。
特に、硫黄含有剤が硫酸(または発煙硫酸)である場合、硫酸(または発煙硫酸)と化合物(A)(特に、R=OHである)のモル比は、0.7~5の間である。
特に、硫黄含有剤が硫酸(または発煙硫酸)である場合、硫酸(または発煙硫酸)と化合物(A)(特に、R=OHである)のモル比は、0.9~5の間であり、かつ/または塩素化剤と化合物(A)(特に、R=OHである)のモル比は、2~10の間である。
一実施形態によれば、工程a)は、90℃以上、好ましくは100℃以上、優先的には105℃以上、有利には110℃以上、さらにより有利には115℃以上、特に120℃以上の温度で行われる。
一実施形態によれば、工程a)は、105℃~130℃の間、好ましくは105℃~125℃の間、優先的には110℃~125℃の間、有利には115℃~125℃の間、さらにより好ましくは118℃~122℃の間、特に120℃の温度で行われる。
一実施形態によれば、工程a)は、7.5バールabs以上、好ましくは8バールabs以上、より好ましくは9バールabs以上、優先的には10バールabs以上、有利には11バールabs以上、さらにより有利には12バールabs以上、好ましくは13バールabs以上、例えば15バールabs以上の圧力で行われる。
塩素化工程a)は、バッチ方式で、または半連続的に行うことができる。
工程a)は、耐腐食性材料から作製された反応器内で行うことができる。
工程a)は、加熱手段を含む反応器内で行うことができる。
工程a)の反応器は、加熱流体、例えば蒸気、温水、またはベンジルトルエンおよびジベンジルトルエンの混合物(例えば、Jarrytherm BT06)が循環することができる、反応器を取り囲むジャケットを用いることによって加熱することができる。
一実施形態によれば、反応器の圧力は、圧力制御弁によって制御される。圧力制御弁を使用すると、有利には、形成されたガスを排出し、反応器の圧力を所与の圧力に維持することが可能になる。
圧力調整は、有利には、温度調整とは独立に行われる。
工程a)は、有利には、短時間で、好ましくは48時間未満、有利には24時間未満、優先的には22時間未満で、スルファミド試薬(A)に(準)完全に変換することにより、式(I)の化合物を提供することを可能にする。
工程a)はまた、揮発性試薬と化合物(A)のモル比、特に塩素化剤と化合物(A)のモル比を低減することを可能にする。実際、圧力が、開放媒体中、大気圧で生じる場合、反応生成物からのガスの放出は、反応中の揮発性試薬の喪失を引き起こす。工程a)は、有利には、この試薬の喪失を制限し、したがって、反応における前記モル比を低減することを可能にする。
本発明による方法は、有利には、より短時間で式(IV)の化合物を調製し、揮発性試薬と化合物(A)のモル比を低減することを可能にする。
塩化チオニルが使用される場合、工程a)は、特にHClおよびSOを含むガスの放出を生じる。本発明による方法は、例えばHClおよび/またはSOを活用する目的で、例えば蒸留によってまたは膜を用いることによって、好ましくは蒸留によって、前記ガス放出を処理する工程を含み得る。
本発明による方法は、有利には、前記ガス放出の処理を、蒸留によって促進することを可能にする。実際、工程a)を、先に示される反応条件(温度および圧力)下で行うと、有利には、蒸留塔のコンデンサー内で、大気圧よりも高い温度でHClを凝縮することが可能になる。
工程b)
本発明による方法は、工程a)の後に、工程b)を含むことができ、前記工程b)は、先の工程で得られた式(I)の化合物を、必要に応じて少なくとも1つの有機溶媒SO1の存在下で、少なくとも1つのフッ素化剤と反応させることを含むことができる。
工程b)は、有利には、式(I)の化合物を、式(II)の化合物
-(SO)-NH-(SO)-F (II)
[式中、Rは、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表す]
にフッ素化することができる。
好ましくは、先の式(II)において、Rは、F、CF、CHFまたはCHFを表す。特に好ましくは、Rは、Fを表す。
一実施形態によれば、フッ素化剤は、HF(好ましくは無水HF)、KF、AsF、BiF、ZnF、SnF、PbF、CuF、およびそれらの混合物からなる群から選択され、フッ素化剤は、好ましくはHF、さらにより優先的には無水HFである。
本発明の文脈において、「無水HF」という用語は、500ppm未満の水、好ましくは300ppm未満の水、好ましくは200ppm未満の水を含有するHFを意味することを企図される。
その方法の工程b)は、好ましくは、少なくとも1つの有機溶媒SO1中で行われる。有機溶媒SO1は、好ましくは、1~70の間、有利には5~65の間のドナー数を有する。溶媒のドナー数は、-ΔH値を表し、ΔHは、溶媒および五塩化アンチモンの相互作用のエンタルピーである(Journal of Solution Chemistry、vol.13、No.9、1984年に記載される方法に従う)。有機溶媒SO1として、特に、エステル、ニトリル、ジニトリル、エーテル、ジエーテル、アミン、ホスフィン、およびそれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、有機溶媒SO1は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、グルタロニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジエチルイソプロピルホスフィン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。特に、有機溶媒SO1は、ジオキサンである。
工程b)は、0℃~有機溶媒SO1(または有機溶媒SO1の混合物)の沸点の間の温度で行うことができる。好ましくは、工程b)は、5℃~有機溶媒SO1(または有機溶媒SO1の混合物)の沸点の間、優先的には20℃~有機溶媒SO1(または有機溶媒SO1の混合物)の沸点の間の温度で行われる。
好ましくは無水フッ化水素酸を用いる工程b)は、好ましくは0~16バールabsの間の圧力Pで行うことができる。
この工程b)は、好ましくは、フッ素化剤、好ましくは無水HFとの反応工程の前に、式(I)の化合物を有機溶媒SO1または有機溶媒SO1の混合物に溶解させることによって行われる。
式(I)の化合物、および有機溶媒SO1または有機溶媒SO1の混合物の重量比は、好ましくは0.001~10の間、有利には0.005~5の間である。
一実施形態によれば、無水HFは、好ましくは気体形態で反応媒体に導入される。
使用されるフッ素化剤、好ましくは無水HFと式(I)の化合物のモル比xは、好ましくは1~10の間、有利には1~5の間である。
フッ素化剤、好ましくは無水HFと反応させる工程は、閉鎖媒体または開放媒体中で行うことができ、好ましくは工程b)は、開放媒体中、特にガス形態のHClの放出を伴って行われる。
フッ素化反応は、典型的にHClを形成し、その大部分は、例えば中性ガス(例えば、窒素、ヘリウムまたはアルゴン)でストリッピングすることによって、反応媒体から脱気することができる(フッ素化剤がHFである場合の過剰HFのように)。
しかし、残留HFおよび/または残留HClが、反応媒体に溶解している場合がある。HClの場合、HClは、作動圧力および温度において主にガス形態なので、その量は非常に少ない。
工程b)の最後に得られた組成物は、HF耐性容器内で貯蔵することができる。
工程b)で得られた組成物は、HF(特に未反応HFである)、前述の式(II)の化合物、溶媒SO1(例えば、ジオキサンなど)、および必要に応じてHCl、および/または必要に応じて重い化合物を含むことができる。
本発明による方法は、必要に応じて、工程b)で得られた組成物を蒸留する工程を含むことができる。
工程c)
本発明による方法は、工程b)の後に、先の工程(工程b))で得られた式(II)の化合物を、少なくとも1つのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を含む組成物と反応させる工程c)を含むことができる。
この工程c)は、有利には、次式(III)の化合物
-(SO)-NM-(SO)-F (III)
[式中、Rは、先に定義される通りであり、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の一価または二価のカチオンを表す]
を形成することを可能にする。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩化物、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属フッ化物であり得る。
特に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属は、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムから選択され、アルカリ金属は、好ましくはカリウムまたはリチウム、有利にはカリウムである。
一実施形態によれば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、LiOH、LiOH、HO、LiHCO、LiCO、LiCl、LiF、KOH、KOH、HO、KHCO、KCO、KCl、Ca(OH)、Ca(OH)、HO、Ca(HCO、CaCO、CaCl、CaF、Mg(OH)、Mg(OH)、HO、Mg(HCO、MgCO、MgCl、MgFおよびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、KCOである。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩が、リチウム塩である場合、式(III)の化合物は、前述の式(IV)の化合物である。
少なくとも1つのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を含む組成物は、水性組成物であり得る。
少なくとも1つのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を含む組成物は、固体アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩からなり得る。
工程c)は、先の工程で得られた組成物を、少なくとも1つのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩を含む組成物に添加すること、またはその逆、すなわち少なくともアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩を含む組成物を、先の工程で得られた組成物に添加することを含むことができる。
導入されるアルカリ塩またはアルカリ土類塩の量を決定するために、典型的に、中和される混合物の全酸性度の分析を行うことが可能である。
一実施形態によれば、工程c)は、
- 式(II)の化合物に対する、塩の塩基性度の数値で割ったアルカリ塩もしくはアルカリ土類塩のモル比が、1以上、好ましくは5未満、好ましくは3未満、優先的には1~2の間であり、かつ/または
- 水性組成物中の水の重量に対するアルカリ塩もしくはアルカリ土類塩の重量比が、0.1~2の間、好ましくは0.2~1の間、好ましくは0.3~0.7の間である
ように行われる。
例えば、KCO塩は、2に等しい塩基性度の数値を有する。
本発明による方法の工程c)は、40℃以下、好ましくは30℃以下、優先的には20℃以下、特に15℃以下の温度で行うことができる。
一実施形態によれば、本発明による方法は、工程c)で得られた組成物を濾過して、濾液FおよびケーキGを生じるさらなる工程を含む。
調製された式(III)の化合物は、濾液Fおよび/またはケーキGに含有され得る。
濾液Fは、前述の式(III)の化合物を有機相に抽出するために、典型的に水への溶解度が低い有機溶媒SO2を用いる少なくとも1つの抽出工程に晒され得る。抽出工程は、典型的に、水性相および有機相の分離を生じる。
本発明の文脈において、別途指定がない限り、「水への溶解度が低い」という用語は、水への溶解度が5重量%未満である溶媒を意味することを企図される。
前述の有機溶媒SO2は、特に、以下のファミリー:エステル、ニトリル、エーテル、塩素化溶媒および芳香族溶媒、ならびにそれらの混合物から選択される。好ましくは、有機溶媒SO2は、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテル、ならびにそれらの混合物から選択される。特に、有機溶媒SO2は、酢酸ブチルである。
抽出ごとに、使用される有機溶媒の重量は、濾液Fの重量の1/6~1倍の間の範囲であり得る。抽出回数は、2~10の間であり得る。
好ましくは、抽出から生じる有機相は、5重量%~40重量%の範囲の重量含有量の式(III)の化合物を有する。
次に、分離された有機相(抽出の最後に得られる)は、30重量%~60重量%の間、好ましくは40重量%~50重量%の間の式(III)の化合物の濃度に達するために、濃縮することができ、前記濃縮は、当業者に公知の任意のエバポレーション手段によって達成することが可能である。
前述のケーキGは、以下のファミリー:エステル、ニトリル、エーテル、塩素化溶媒および芳香族溶媒、ならびにそれらの混合物から選択される有機溶媒SO3で洗浄することができる。好ましくは、有機溶媒SO3は、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリルおよびジエチルエーテル、ならびにそれらの混合物から選択される。特に、有機溶媒SO3は、酢酸ブチルである。
使用される有機溶媒SO3の重量は、ケーキの重量の1~10倍の間の範囲であり得る。洗浄を企図された有機溶媒SO3の総量は、特に式(III)の化合物の溶解を最適化する目的で、単一部分で、またはいくつかの部分で使用され得る。
好ましくは、ケーキGの洗浄から生じる有機相は、5重量%~20重量%の範囲の重量含有量の式(III)の化合物を有する。
次に、ケーキGの洗浄から生じる分離された有機相は、30重量%~60重量%の間、好ましくは40重量%~50重量%の間の式(III)の化合物の濃度に達するために、濃縮することができ、前記濃縮は、当業者に公知の任意のエバポレーション手段によって達成することが可能である。
一実施形態によれば、濾液Fの抽出およびケーキGの洗浄から生じる有機相は、濃縮工程の前に、一緒に合わせることができる。
工程d)
本発明による方法は、工程c)の後に、先の工程(工程c))で得られた式(III)の化合物と少なくとも1つのリチウム塩との間の、必要に応じたカチオン交換工程d)を含むことができる。
特に、本発明による方法は、工程c)で得られた塩がリチウム塩ではない場合に、この工程d)を含む。
工程d)は、特に、前述の式(III)の化合物を、式(IV)の化合物
-(SO)-NLi-(SO)-F (IV)
[式中、Rは、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表し、Rは、好ましくはFを表す]
に変換することを可能にするカチオン交換反応である。
一実施形態によれば、リチウム塩は、式LiXの塩であり、Xは、フッ化物、塩化物、炭酸塩、テトラフルオロボレート、水酸化物、硫酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、ニトリルまたは硝酸塩を表す。好ましくは、LiXは、LiClである。
前述のリチウム塩は、好ましくは、以下のファミリー:アルコール、ニトリルおよび炭酸塩から選択される極性有機溶媒に溶解させることができる。例えば、特に、メタノール、エタノール、アセトニトリル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、およびそれらの混合物、優先的にはメタノールを挙げることができる。
リチウム塩に対する式(III)の化合物のモル比は、変わってよく、少なくとも1に等しく5未満であり得る。好ましくは、式(III)の化合物/リチウム塩のモル比は、1.2~2の間である。
反応媒体は、1~24時間の間、および/または例えば0℃~50℃の間の温度で撹拌したままにすることができる。
反応の最後に、反応媒体を濾過し、次に必要に応じて濃縮することができる。濃縮工程は、必要に応じて、薄膜エバポレーター、噴霧器、エバポレーター、または溶媒のエバポレーションを可能にする任意の他の機器によって行うことができる。
工程e)
本発明による方法はまた、前述の式(IV)の化合物を精製する工程を含むことができる。
式(IV)の化合物を精製する工程d)は、任意の公知の従来の方法によって行うことができる。その方法は、例えば、抽出方法、溶媒洗浄方法、再沈殿方法、再結晶化方法、またはそれらの組合せであり得る。
前述の工程e)の最後に、式(IV)の化合物は、1重量%~99.9重量%の式(IV)の化合物を含む固体または組成物の形態であり得る。
第1の実施形態によれば、工程e)は、式(IV)の化合物を結晶化させる工程である。
好ましくは、工程e)中に、式(IV)の化合物は、特に25℃以下の温度で冷却結晶化される。
好ましくは、工程e)中に、式(IV)の化合物の結晶化は、塩素化溶媒、例えばジクロロメタンなど、および芳香族溶媒、例えばトルエンなど、およびアルカン、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンまたはヘプタンから選択される有機溶媒(「結晶化溶媒」)中、特に25℃以下の温度で行われる。好ましくは、工程(e)の最後に結晶化された式(IV)の化合物は、濾過によって回収される。
第2の実施形態によれば、工程e)は、以下の工程を含む:
i)式(IV)の化合物を、必要に応じて有機溶媒S’1に溶解させる工程;
ii)脱イオン水を用いて式(IV)の化合物を液体-液体抽出し、前記式(IV)の化合物の水溶液を回収する工程;
iii)前記式(IV)の化合物の前記水溶液を、必要に応じて濃縮する工程;
iv)少なくとも1つの有機溶媒S’2を用いて、前記水溶液から式(IV)の化合物を液体-液体抽出する工程;
v)前記有機溶媒S’2のエバポレーションにより、式(IV)の化合物を濃縮する工程;
vi)必要に応じて、式(IV)の化合物を結晶化させる工程。
工程d)で得られた式(IV)の化合物が、有機溶媒(例えば、SO2および/またはSO3など)を既に含んでいる場合、工程e)は、前述の工程i)を含まない可能性がある。
前述の工程ii)は、特に、前記式(IV)の化合物の溶解、および水(水性相)への前記式(IV)の化合物の抽出を可能にするために、前述の有機溶媒S’1中、式(IV)の化合物の溶液に、脱イオン水を添加することを含む。
抽出は、任意の公知の抽出手段によって実施され得る。
本発明によれば、工程ii)は、少なくとも1回、例えば3回反復することができる。1回目の抽出では、初期溶液の重量の半分に相当する量の脱イオン水が添加され、その後、2回目の抽出中に初期溶液の重量の約3分の1に等しい量が添加され、次に、3回目の抽出中に初期溶液の重量の約4分の1に等しい量が添加され得る。
好ましくは、工程ii)は、脱イオン水の重量が、有機溶媒S’1中、式(III)の化合物の初期溶液の重量の3分の1以上、好ましくは2分の1以上になるように行われる(単回抽出の場合、または工程ii)が少なくとも1回反復される場合には1回目の抽出についてだけ)。
複数回の抽出が行われる(工程ii)が反復される)場合、抽出された水性相は、単一水溶液を形成するために一緒に合わせることができる。
工程ii)の最後に、特に、式(IV)の化合物の水溶液が得られる。
一実施形態によれば、水溶液中の式(IV)の化合物の重量含有量は、溶液の総重量に対して5%~35%の間、好ましくは10%~25%の間である。
好ましくは工程e)は、好ましくは、溶液の総重量に対して20%~80%の間、特に25%~80%の間、好ましくは25%~70%の間、有利には30%~65%の間の重量含有量の式(IV)の化合物を含む、式(IV)の化合物の水溶液を得るために、工程ii)および工程iv)の間に濃縮工程iii)を含む。濃縮工程は、減圧下、50ミリバールabs未満(好ましくは30ミリバールabs未満)の圧力において、特に25℃~60℃の間、好ましくは25℃~50℃の間、優先的には25℃~40℃の間、例えば40℃の温度で、エバポレーターを用いて実施され得る。
工程ii)、および必要に応じた濃縮工程iii)、または必要に応じた他の中間工程の最後に得られた水溶液に含有されている式(IV)の化合物は、次に、有機溶媒S’2、前記溶媒S’2を用いる抽出によって回収することができる(工程iv))。工程iv)は、特に抽出後に、式(IV)の化合物を含有する水で飽和した有機相(有機溶媒S’2中、式(IV)の化合物の溶液であり、前記溶液は、水で飽和している)を生じる。
工程iv)は、有利には、分離している水性相および有機相を生成することができる。
好ましくは、有機溶媒S’2は、エステル、ニトリル、エーテル、塩素化溶媒および芳香族溶媒、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、溶媒S’2は、エーテルおよびエステル、ならびにそれらの混合物から選択される。例えば、炭酸ジエチル、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルおよびジエチルエーテル、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、溶媒S’2は、メチルt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸プロピルおよび酢酸ブチル、ならびにそれらの混合物から選択される。特に、有機溶媒S’2は、酢酸ブチルである。
抽出工程iv)は、少なくとも1回、好ましくは1~10回、特に4回反復される。次に有機相は、工程v)の前に単相に合わせることができる。抽出ごとに、使用される有機溶媒S’2の重量は、水性相の重量の1/6~1倍の間の範囲であり得る。好ましくは、工程iv)の抽出中の有機溶媒S’2/水の重量比は、1/6~1/1の範囲であり、抽出回数は、特に2~10回の範囲である。
好ましくは、抽出工程iv)中に、有機溶媒S’2は、工程ii)から(および必要に応じた工程iii)から)生じる水溶液に添加される。
この実施形態による工程e)は、好ましくは、溶液の総重量に対して20重量%~60重量%の間、好ましくは30重量%~50重量%の間の重量含有量の式(IV)の化合物を含む、有機溶媒S’2中、式(IV)の化合物の溶液を得るために、工程iv)および工程v)の間に事前濃縮工程を含むことができる。事前濃縮工程は、25℃~60℃、好ましくは25℃~45℃の温度で、必要に応じて減圧下で、例えば50ミリバールabs未満の圧力、特に30ミリバールabs未満の圧力で行うことができる。事前濃縮工程は、好ましくは、減圧下で、特に40℃および30ミリバールabs未満の圧力で、エバポレーターによって行われる。
本発明によれば、濃縮工程v)は、10-2ミリバールabs~5ミリバールabsの間、好ましくは5×10-2ミリバールabs~2ミリバールabsの間、優先的には5×10-1~2ミリバールabsの間、さらにより優先的には0.1~1ミリバールabsの間、特に0.4~0.6ミリバールabsの間の圧力で実施され得る。特に、工程c)は、0.5ミリバールabsまたは0.1ミリバールで実施される。
一実施形態によれば、工程v)は、30℃~95℃の間、好ましくは30℃~90℃の間、優先的には40℃~85℃の間、特に50℃~70℃の間の温度で行われる。
一実施形態によれば、工程v)は、15分以下、優先的には10分未満、好ましくは5分以下、有利には3分以下の滞留時間で実施される。
本発明の文脈において、別段言及されない限り、「滞留時間」という用語は、式(III)の化合物の溶液(特に前述の工程iv)の最後に得られる)をエバポレーターに入れてから、溶液の最初の液滴が出るまでに経過する時間を意味することを企図される。
好ましい一実施形態によれば、薄膜ショートパスエバポレーターのコンデンサーの温度は、-55℃~10℃の間、好ましくは-50℃~5℃の間、より優先的には-45℃~-10℃の間、有利には-40℃~-15℃の間である。
前述の薄膜ショートパスエバポレーターは、「ワイプトフィルム(wiped-film)ショートパス」(WFSP)という名称でも公知である。そのエバポレーターは、典型的に、エバポレーション中に生じた蒸気が、コンデンサー内で凝縮される前に、ショートパスを覆う(短距離を移動する)ので、そのように呼ばれる。
薄膜ショートパスエバポレーターの中でも、特に、Buss SMS Ganzler ex Luwa AG社、UIC GmbH社またはVTA Processs社によって販売されているエバポレーターを挙げることができる。
典型的に、薄膜ショートパスエバポレーターは、コンデンサーが機械の外側にある他のタイプの薄膜エバポレーター(ショートパスエバポレーターではない)とは異なり、機械自体の内側に(特に機械の中心に)置かれた、溶媒蒸気のためのコンデンサーを含み得る。
このタイプの機械では、典型的に、蒸留される生成物の薄膜を、以下に特定される機械的手段を活用することによりエバポレーション表面にわたって連続的に広げることによって、エバポレーターの高温内壁上に確実に形成することができる。
エバポレーターは、特にその中心に、壁上に膜の形成を可能にする機械的手段が搭載された軸ローターを備えることができる。そのローターは、固定翼を備えたローター、ローターの高さ全体にわたって分配された可撓性もしくは剛性材料から作製された3つもしくは4つの翼を有する葉付きローター、または可動式翼、パドル、ブラシ、ドクターブレードもしくはガイドスクレーパーを備えたローターであり得る。この場合、ローターは、放射状の支持体を用いることによってシャフトまたは軸上に搭載された、旋回するように連結された一連のパドルによって構成され得る。他のローターは、第2の軸上に搭載された可動式ローラーを備えていてよく、前記ローラーは、遠心法によって壁に対してしっかり保持される。ローターの回転速度は、機械のサイズに応じて決まり、当業者によって容易に決定され得る。金属材料、例えば鋼、鋼合金(ステンレス鋼)、アルミニウム、またはポリマー材料、例えばポリテトラフルオロエチレンPTFE、またはガラス材料(エナメル);ポリマー材料でコーティングされた金属材料の様々な材料から、様々なスピンドルが作製され得る。
方法
本発明による方法は、以下の式(IV)の化合物、LiN(SOF)、LiNSOCFSOF、LiNSOSOF、LiNSOCFOCFSOF、LiNSOHFSOF、LiNSOSOF、LiNSO11SOF、LiNSO13SOF、LiNSO15SOF、LiNSO17SOFおよびLiNSO19SOFを生成するのに特に有利である。
好ましくは、本発明による方法は、LiN(SOF)(LiFSI)を調製するための方法である。
本発明の文脈において、「リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩」、「リチウムビス(スルホニル)イミド」、「LiFSI」、「LiN(SOF)」、「リチウムビス(スルホニル)イミド」および「リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド」という用語は、等しく使用される。
本発明の文脈において、「x~yの間」または「x~yの範囲」という用語は、限界値xおよびyが含まれる範囲を意味する。例えば、「-20~80℃の間」の温度は、特に-20℃および80℃の値を含む。
前述のすべての実施形態は、互いに合わせることができる。特に、本発明の方法の任意の工程の各実施形態は、別の特定の実施形態と合わせることができる。
本発明は、以下の実施例によって例示されるが、それらに限定されない。
実施例1(比較):大気圧における反応
スルファミン酸(1当量、1.24mol、120g)および95%硫酸(1当量、1.24mol、127.5g)を、撹拌装置を嵌めた1リットルのガラス反応器に充填する。塩化チオニル(4当量、4.9mol、583g)を、滴下漏斗を使用して反応器に徐々に添加する。反応媒体の温度を、35℃で2時間維持し、次に75℃に徐々に上昇させる。反応物を、スルファミン酸に完全に変換させるために、75℃の温度で64時間維持する。気化した塩化チオニルを凝縮し、それを反応媒体中に還流させるように、冷水で操作するコンデンサーを、反応器の通気ライン上に置く。反応によって生じ、コンデンサーによって凝縮されていないガス(HClおよびSO)を、水を含有するバブラーに直接入れて、そこで吸収させる。
ビス(クロロスルホニル)イミドおよび残留塩化チオニルを含有する液体321.5gが得られる。
実施例2:絶対8バールにおける反応
スルファミン酸(1当量、0.41mol、40g)および塩化チオニル(3.25当量、1.34mol、159.3g)を、ガラス反応器に充填する。20%発煙硫酸(1当量、0.41mol、38.9g)を、反応器に徐々に添加する。反応媒体を撹拌し、120℃の温度が得られるまで加熱する。反応器の圧力は、反応器通気の排出部上に置かれたオーバーフローを用いることによって、絶対8バールで制御する。オーバーフローの下流で、この通気を、水1kgを含有するバブラーに直接入れて、ガスを吸収させることができる。スルファミン酸に完全に変換させるための反応時間は、20時間である。最後に得られたビス(クロロスルホニル)イミドは、明黄色の外観を有する。反応の最後に、ビス(クロロスルホニル)イミド、残留塩化チオニルおよび可溶化SOを含有する液体136.4gを回収する。
実施例3(比較):大気圧における反応
スルファミン酸(1当量、1.24mol、120g)および95%硫酸(1当量、1.24mol、127.5g)を、撹拌装置を嵌めた1リットルのガラス反応器に充填する。塩化チオニル(4当量、4.9mol、583g)を、滴下漏斗を使用して反応器に徐々に添加する。反応媒体の温度を、90℃に徐々に上昇させる。反応は、大気圧で行う。
スルファミン酸への完全な変換は、52時間後に得られる。気化した塩化チオニルを凝縮し、それを反応媒体中に還流させるように、冷水で操作するコンデンサーを、反応器の通気ライン上に置く。反応によって生じ、コンデンサーによって凝縮されていないガス(HClおよびSO)を、水を含有するバブラーに直接入れて、そこで吸収させる。
ビス(クロロスルホニル)イミドおよび残留塩化チオニルを含有する液体319.5gが得られる。
実施例4:絶対8バールにおける反応
スルファミン酸(1当量、1.24mol、120g)および95%硫酸(1当量、1.24mol、127.5g)を、撹拌装置を嵌めた1リットルのガラス反応器に充填する。塩化チオニル(4当量、4.9mol、583g)を、滴下漏斗を使用して反応器に徐々に添加する。反応媒体の温度を、90℃に徐々に上昇させる。反応器の圧力は、反応器通気の排出部上に置かれたオーバーフローを用いることによって、絶対8バールで制御する。オーバーフローの下流で、この通気を、水を含有するバブラーに直接入れて、ガスを吸収させることができる。
スルファミン酸への完全な変換は、52時間未満で達成される。ビス(クロロスルホニル)イミドおよび残留塩化チオニルを含有する液体323gが得られる。
実施例5:絶対8バールにおける反応
スルファミン酸(1当量、1.24mol、120g)および95%硫酸(1当量、1.24mol、127.5g)を、撹拌装置を嵌めた1リットルのガラス反応器に充填する。塩化チオニル(3.5当量、4.9mol、583g)を、滴下漏斗を使用して反応器に徐々に添加する。反応媒体の温度を、90℃に徐々に上昇させる。反応器の圧力は、反応器通気の排出部上に置かれたオーバーフローを用いることによって、絶対8バールで制御する。オーバーフローの下流で、この通気を、水を含有するバブラーに直接入れて、ガスを吸収させることができる。
スルファミン酸への完全な変換は、52時間未満で達成される。ビス(クロロスルホニル)イミドおよび残留塩化チオニルを含有する液体320.5gが得られる。
実施例3および4の比較は、8バールの圧力下で塩素化反応を行うと(実施例4)、有利には、前記反応を大気圧で行う場合(実施例3)と比較して短時間で、スルファミン酸に完全に変換することが可能になることを示している。
さらに、8バールの圧力下で行われた塩素化反応により、有利には、大気圧下での反応(実施例3)と比較して、スルファミン酸に完全に変換するための時間を低減することが可能になると同時に、塩化チオニルのモル量を低減することが可能になる(実施例5)。
実施例6:LiFSIの調製
LiFSIを、WO2014/080120の実施例3に記載されている手順に従って、実施例1~5で得られたビス(クロロスルホニル)イミドのそれぞれから調製した。

Claims (13)

  1. 次式(IV)の化合物
    -(SO)-NLi-(SO)-F (IV)
    [式中、Rは、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表し、Rは、好ましくはFを表す]
    を調製するための方法であって、前記方法が、次式(A)のスルファミド
    -(SO)-NH (A)
    [式中、Rは、OH、Cl、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表す]
    を、少なくとも1つの硫黄含有酸および少なくとも1つの塩素化剤と反応させる工程a)を含み、前記工程a)が、
    - 90℃~130℃の間、好ましくは100℃~130℃の間の温度、および
    - 厳密に7バールabsを超える圧力
    で行われる、方法。
  2. 化合物(A)が、RがOHを表す化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 硫黄含有が、クロロスルホン酸(ClSOH)、硫酸、発煙硫酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され、硫黄含有が、好ましくは硫酸または発煙硫酸、優先的には硫酸である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 塩素化剤が、塩化チオニル(SOCl)、塩化オキサリル(COCl)、五塩化リン(PCl)、三塩化ホスホニル(PCl)、三塩化ホスホリル(POCl)、およびそれらの混合物からなる群から選択され、塩素化剤が、好ましくは塩化チオニルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ・硫黄含有酸と化合物(A)(特に、R=OHである)のモル比が、0.7~5の間、好ましくは0.9~5の間であり、かつ/または
    ・塩素化剤と化合物(A)(特に、R=OHである)のモル比が、2~10の間、好ましくは2~5の間である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程a)が、90℃以上、好ましくは100℃以上、優先的には105℃以上、有利には110℃以上、さらにより有利には115℃以上、特に120℃以上の温度で行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程a)が、105℃~130℃の間、好ましくは105℃~125℃の間、優先的には110℃~125℃の間、有利には115℃~125℃の間、さらにより有利には118℃~122℃の間、特に120℃の温度で行われる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程a)が、7.5バールabs以上、好ましくは8バールabs以上、より好ましくは9バールabs以上、優先的には10バールabs以上、有利には11バールabs以上、さらにより有利には12バールabs以上、好ましくは13バールabs以上、例えば15バールabs以上の圧力で行われる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程a)の後に、工程b)を含み、前記工程b)が、先の工程で得られた式(I)の化合物
    -(SO)-NH-(SO)-Cl (I)
    [式中、Rは、Cl、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表し、Rは、好ましくはClを表す]
    を、必要に応じて少なくとも1つの有機溶媒SO1の存在下で、少なくとも1つのフッ素化剤と反応させることを含む、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. フッ素化剤が、HF、KF、AsF、BiF、ZnF、SnF、PbF、CuF、およびそれらの混合物からなる群から選択され、フッ素化剤が、好ましくはHF、さらにより優先的には無水HFである、請求項9に記載の方法。
  11. 工程b)の後に、先の工程で得られた式(II)の化合物
    -(SO)-NH-(SO)-F (II)
    [式中、Rは、F、CF、CHF、CHF、CHF、C、C、C、C、C、CHF、C、C、C、C11、C13、C15、C17またはC19の基のうち1つを表す]
    を、少なくとも1つのアルカリ金属塩を含む組成物と反応させる工程c)を含む、
    請求項9または10に記載の方法。
  12. アルカリ金属塩が、アルカリ金属炭酸塩、またはアルカリ金属水酸化物、またはアルカリ金属塩化物、またはアルカリ金属フッ化物であり、前記塩が、有利にはカリウム塩、有利にはKCOである、請求項11に記載の方法。
  13. 工程c)の後に、先の工程で得られた式(III)の化合物
    -(SO)-NM-(SO)-F (III)
    [式中、Rは、請求項1に記載の通りであり、Mは、アルカリ金属の一価または二価のカチオンを表す]
    と少なくとも1つのリチウム塩との間のカチオン交換工程d)を含み、前記リチウム塩が、好ましくは式LiXの塩であり、Xが、フッ化物、塩化物、炭酸塩、テトラフルオロボレート、水酸化物、硫酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、ニトリルまたは硝酸塩を表す、
    請求項11または12に記載の方法。
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