JP2013082906A - 顔料分散液、カラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタを製造する方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法等が知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
一般的に高輝度化の支配的要因としては顔料種の選定およびその微粒化・分散工程である。即ち、高い透過性を有する顔料を高度に微粒化し、更に顔料の粒度分布を粒子サイズの小さい領域で狭く制御して分散することで高輝度化が達成可能となる。
近年、黄色顔料ではキノフタロン系顔料であるC.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー138が高い透過性を有しており注目されている。しかしながら、C.I.ピグメントイエロー138は、高度に微粒化すると、分散時に微細粒子同士の凝集力が強まり、分散体の粘度安定性確保が著しく困難になるという課題を有していた。
尚、顔料を微粒化した際に粘度安定性が確保されていないと、組成物の増粘による製造上の歩留まり悪化が生じ易くなってしまう。
更に、本発明は、前記顔料分散液を含む着色樹脂組成物、該着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有するカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを有する液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、(A)顔料、(B)溶剤、(D)分散剤及び添加剤を含有し、該(A)顔料が、C.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー138(以下、「Y138」と称する場合がある)を含有し、且つ、該添加剤が下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と称する場合がある)を含むことを特徴とする顔料分散液、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香族環基を表す。
nは、0〜5の整数を表す。
Xは、直接結合、又は下記<2価の連結基群>から選ばれる2価の基を表す。
<2価の連結基群>
Zは、含窒素飽和複素環基を表す。)
更に、本発明は、前記顔料分散液を含む着色樹脂組成物、該着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有するカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを有する液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することが可能となる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」等は「アクリル及びメタクリルのうち少
なくとも一つ」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一つ」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一つ」を意味するものとする。
本発明において、特に断りの無い限り、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を指す。「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明において、「芳香族環」とは「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を示すものとする。
本発明の顔料分散液は、(A)顔料、(B)溶剤、(D)分散剤及び添加剤を含有し、該(A)顔料が、Y138を含有し、且つ、該添加剤が化合物(1)を含む。
以下、先ず化合物(1)について詳説する。
[化合物(1)について]
R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香族環基を表す。
nは、0〜5の整数を表す。
Xは、直接結合、又は下記<2価の連結基群>から選ばれる2価の基を表す。
<2価の連結基群>
Zは、含窒素飽和複素環基を表す。)
(A1について)
A1は、置換基を有していてもよい含窒素縮合環基を表す。
含窒素縮合環基としては、例えば、芳香族環含有ラクタム、芳香族環含有イミド、芳香族環含有ウレアが挙げられる。
また、ラクタム、イミド又はウレアと縮合する芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
上記の置換基を含めた好ましい含窒素縮合環の例としては、下記<含窒素縮合環基群A>のものが挙げられる。
<含窒素縮合環基群A>
中でも、微粒化工程において望ましく無い結晶成長を抑制する目的として顔料表面に効率的に吸着させるのに、特に<含窒素縮合環基群A1>で挙げられる基が好ましい。
<含窒素縮合環基群A1>
A1における含窒素縮合環基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記<置換基群W>の項のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
尚、上記構造中に含まれるベンゼン環は、連結基以外に置換基を有していてもよい。
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、アミノ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいアリールカルバモイル基、スルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルスルファモイル基又は置換基を有していてもよいアリールスルファモイル基、水酸基、ニトロ基、スルホ基、スルホン酸塩の基、カルボキシ基、カルボン酸塩の基、オキソ基、シアノ基及びハロゲン原子等が挙げられる。
げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基等の置換基を有していてもよい低級アルキル基が挙げられる。
され、R62は置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基を表す。該フェニル基及びナフチル基の好ましい置換基を含めた総炭素数、及び有していてもよい置換基の例は、前記R53及びR54のフェニル基及びナフチル基の場合に例示したものと同様である。該アリールスルホニルアミノ基の具体例としては、ベンゼンスルホニルアミノ基、p−トリルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
れ、R58は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。該アルキル基の好ましい置換基を含めた総炭素数、及び有していてもよい置換基の例は、前記R51及びR52のアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アルキルスルファモイル基の具体例としては、メチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基等が挙げられる。
前記アンモニウムの塩が有していてもよい置換基であるアルキル基又はヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜6の低級アルキル基及びヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキル基が挙げられる。
これらの塩である場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。また、化合物の一分子内に複数種混在してもよいし、顔料分散液又は着色樹脂組成物中に複数種混在していてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、なかでもフッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
(Xについて)
Xは、直接結合、又は下記<2価の連結基群>から選ばれる2価の基を表す。
<2価の連結基群>
(nについて)
nは、0〜5の整数を表す。
(Zについて)
Zは含窒素飽和複素環基を表す。
含窒素飽和複素環基としては、脂環式炭化水素環中の1つ以上の炭素原子がヘテロ原子に置換された環が挙げられる。
特に、得られる画素の、厚み方向の位相差の低減にはヘテロ原子として窒素原子が含有されていることが好ましい。
含窒素飽和複素環基としては、下記<含窒素飽和複素環基B>から選ばれる基が好ましい。
<含窒素飽和複素環基B>
R2は、水素原子および、炭素数1〜7のアルキル基を表す。該アルキル基は、直鎖であっても分岐であってもよい。
(R1について)
R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香族環基を表す。
R1におけるアルキル基としては、炭素数が1〜3のアルキル基が分子全体の平面性を維持するために好ましい。メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプルピル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
該アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基の好ましい置換基を含めた総炭素数、及び有していてもよい置換基の例及び好ましい具体例は、前記<置換基群W>の項で記載したものが挙げられる。
R1におけるアルコキシ基の炭素数は、通常1〜5、好ましくは1〜3である。前記範囲内であると、微粒化助剤や分散助剤として用いた場合、化合物(1)の有機溶剤に対する溶解が抑制され、顔料表面への効率的な吸着が可能である点で好ましい。
R1におけるアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、アミノ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、水酸基及びハロゲン原子等が挙げられる。
該アルキル基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基の好ましい置換基を含めた総炭素数、及び有していてもよい置換基の例及び好ましい具体例は、前記<置換基群W>の項で記載したものが挙げられる。
R1における芳香族環基の炭素数は、通常6〜10である。前記範囲内であると、助剤自身の色相を長波長領域に高い透過性を有するように制御することが可能になるので好ましい。
R1における芳香族環基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記<置換基群W>の項で記載したものが挙げられる。
R1の芳香族環基の好ましい置換基を含めた総炭素数、有していてもよい置換基の例及び好ましい具体例、好ましい置換基の数は、前記<置換基群W>の項で記載したものが挙げられる。
本発明における化合物(1)は、公知の方法に従って製造することができるが、例えば、ジアゾ化反応で合成することが挙げられる。
ジアゾ化反応で合成する場合、例えば、一級アミンを酸性水溶液中で亜硝酸塩(おもに亜硝酸ナトリウム)と混合させることで、速やかにジアゾニウム塩を生成させ、該当のカップラーと反応させる。
また、その他の手法としては、濃硫酸などに溶解させ、ニトロシル硫酸を用いてジアゾ
化カップリングする方法なども挙げられる。
以下に、化合物(1)の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[具体例]
本発明の顔料分散液又は着色樹脂組成物において、化合物(1)の含有量は、(A)顔料に対して、重量比で、通常0.01倍以上、好ましくは0.03倍以上、また通常0.25倍以下、好ましくは0.20倍以下である。
上記範囲内であると、顔料表面に充分に吸着する添加剤が存在するので、顔料同士の凝集による増粘が抑制され、本発明の効果が良好に得られる点で好ましい。
本発明の顔料分散液とすることで、Y138を高微粒化した場合であっても、得られる顔料分散液の粘度安定性が良好である理由について、下記の通り推測する。
本発明における化合物(1)は、化合物の平面性が高い。その為、Y138とπ−πスタッキングが起き易い。これにより、Y138顔料表面上に化合物(1)が吸着し、化合物(1)の末端アミノ基が、他の顔料に吸着している化合物(1)の末端アミノ基に対して立体反発を誘起することで、顔料同士の凝集を阻害する。
その結果、Y138を高微粒化した場合でも、顔料同士が凝集し難く、分散状態が良好となる為、初期・経時粘度安定性が良好である。
本発明の顔料分散液は、(A)顔料にY138を含有する。
また、本発明の効果を損なわない限り、(A)顔料として、その他の顔料を含有していてもよく、通常、赤色顔料、緑色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等各種の色の顔料を含有していてもよい。
尚、本発明に使用できる顔料は、以下にその具体例をピグメントナンバーで示すが、これら例示によって限定されるものではない。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、139、142、147、148、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167
、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、並びに特開2005−325350号公報及び特開2007−25687号公報に記載の顔料が挙げられる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23等であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23等である。
又、本発明に使用可能な無機顔料として、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等が挙げられる。
又、本発明に係る(A)顔料は、その平均一次粒径が、通常100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは20nm以上70nm以下である。本発明は、高度に微粒化された顔料を含む組成物の場合に特に有効であるため、平均一次粒径20nm以上60nm以下である顔料を含む場合が特に好ましい。
尚、顔料の一次粒径は次の方法で求めることができる。
先ず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。但し、有機顔料の場合は、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
本発明における(A)顔料の含有量は、固形分全量に対し、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下であり、又、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上である。
溶剤は、本発明において、上記成分のほか、場合により配合したこれら以外の成分等を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
溶剤としては、特に制限がなく、各成分を溶解又は分散させることができるものであればよい。このような溶剤としては、例えば国際公開公報WO2009/107734等に記載の溶剤等が挙げられる。
尚、本発明の顔料分散液中に占める溶剤の含有量は、特に制限されないが、通常99重量%以下、また通常60重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上である。
本発明の顔料分散液は、微粒化助剤を含有していてもよい。
微粒化助剤としては、前記微粒化工程時に生じる、顔料微粒子の結晶転移を抑制しうるものでは、特に種類が問わないが、例えば、特開2009−251482号公報、特開2010−235637号公報などに記載のものが挙げられる。
本発明の顔料分散液及び着色樹脂組成物における微粒化助剤の含有総量は、(A)顔料に対して、重量比で通常0.01倍以上、好ましくは0.03倍以上、また通常0.25倍以下、好ましくは0.20倍以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる点で好ましい。
本発明における(D)分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を
問わない。例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、変性アクリル系共重合体、アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、変性アクリル系共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特に変性アクリル系共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体からなり、そのアミン価が80mg−KOH/g以上150mg−KOH/g以下(有効固形分換算)であるものが特に好ましい。 より好ましくは100〜140mg−KOH/
gである。
上記範囲内であると、顔料表面への吸着力が十分で、分散安定性が良好である。
できる。これは、分子配列が制御されていることにより、分散剤が顔料に吸着する際に障害となる構造が少ないためと推察される。
又、本発明において、アクリル系ブロック共重合体は、Aブロック及びBブロックからなるABブロック、及び/又はABAブロック共重合体であることが好ましい。
中でも、R41及びR42はメチル基が好ましく、R43はメチレン基、またはエチレン基が好ましく、R44はメチル基であるのが好ましい。このような化合物として下記式で表される部分構造が挙げられる。
Aブロックとしては、例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、(メタ)アクリル酸塩系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、グリシジルエーテル系モノマー等のコモノマーを共重合させたポリマー構造が挙げられる。
リビング重合法にはアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法がある。具体的には、例えば特開2007−270147号公報に記載の方法が挙げられる。
(但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[wt%]を表す。)
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、低い方が好ましく、通常50mg−KOH/g以下、好ましくは40以下、より好ましくは30以下である。
本発明における(D)分散剤は、顔料分散液又は着色樹脂組成物中の顔料全量に対し、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、また通常200重量%以下、
更に好ましくは100重量%以下である。
本発明の顔料分散液は、本発明の効果を損なわない限り、その他の分散剤を含んでいてもよい。その他の分散剤としては、例えば、例えば特開2006−343648号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の顔料分散液には、分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001−220520号公報、特開2001−271004号公報、特開2002−179976号公報、特開2007−113000号公報、及び特開2007−186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
尚、本発明の顔料分散液及び着色樹脂組成物における分散助剤の含有量は、(A)顔料に対して通常0.1重量%以上、又、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
上記範囲内であると、分散助剤としての効果が有効に得られ、分散性及び分散安定性が良好である点で好ましい。
本発明の顔料分散液及び着色樹脂組成物には、後述する(C)バインダー樹脂もしくはその他のバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部又は全部を下記の分散樹脂として含有していてもよい。
具体的には、後述する分散処理工程において、前述の(D)分散剤等の成分とともに、(C)バインダー樹脂を含有させることにより、該(C)バインダー樹脂が、(D)分散剤との相乗効果で(A)顔料の分散安定性に寄与する。結果として(D)分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
このように、分散処理工程に使用される(C)バインダー樹脂を、分散樹脂と称することがある。分散樹脂は、顔料分散液中の顔料全量に対して0〜200重量%程度使用することが好ましく、10〜100重量%程度使用することがより好ましい。
分散樹脂の酸価は0.5mg−KOH/g以上が好ましく、1mg−KOH/g以上がより好ましく、5mg−KOH/g以上が最も好ましく、また300mg−KOH/g以下が好ましく、200mg−KOH/g以下がより好ましく、150mg−KOH/g以下が最も好ましい。酸価を上記の範囲に制御することにより、アルカリ現像性が良好となり、合成上等においても、取り扱いやすくなる。
本発明の着色樹脂組成物は、本発明の顔料分散液及び(C)バインダー樹脂を含有する。即ち、本発明の着色樹脂組成物は、Y138を含む(A)顔料、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂、(D)分散剤及び化合物(1)を含有し、好ましくは(D)重合性モノマー、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分、更に必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。
以下、各成分について説明する。
本発明における(C)バインダー樹脂は、硬化手段により好ましい樹脂は異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
尚、樹脂(C−2)〜(C−5)は、アルカリ性の現像液によって溶解され、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有するものであればよく、各々、特開2009−025813号公報に同項目として記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
下記式(7)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(8)で表される構造中、特に下記構造式(8a)、(8b)、又は(8c)で表されるものが好ましい。
前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
上記モノマー群から選択された少なくとも1種に由来する繰返し単位の含有割合が、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものが更に好ましい。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
どで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂に重合性を付与することができる。
更に、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
上記範囲内であると、現像時の残膜率及び溶解性が十分であるため好ましい。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
なお、バインダー樹脂(C−1)の酸価は、通常10〜200mg−KOH/g、好ましくは15〜150mg−KOH/g、更に好ましくは25〜100mg−KOH/gである。
また、(C)バインダー樹脂の含有割合は、全固形分中、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が
適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、(E)重合性モノマーを含有することが好ましい。(E)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、前記光重合開始成分の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(E)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
化合物との反応物が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、必要に応じて(E)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。
上記範囲内であると、現像溶解特性が低下しにくく、また製造や取り扱いが容易である。更に、光重合性能が落ち難く、画素の表面平滑性等の硬化性が良好であるため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)重合性モノマーの含有割合は、全固形分中、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上であり、また、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、更に好ましくは50重量%以下、特に好ましくは40重量%以下である。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が置き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が置き難いため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(F)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、(C)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(E)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機
能を有する光重合開始成分及び/又は熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始成分を含有することが好ましい。なお、本発明において光重合開始成分としての(F)成分とは、光重合開始剤(以下、任意に(F1)成分と称する)に重合加速剤(以下、任意に(F2)成分と称する)、増感色素(以下、任意に(F3)成分と称する)などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
本発明の着色樹脂組成物は、光重合開始成分を含有することが好ましい。光重合開始成分は、通常、(F1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(F3)増感色素、(F2)重合加速剤等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。
必要に応じて用いられる(F2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
これらの(F1)光重合開始剤及び(F2)重合加速剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(F3)増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい熱重合開始成分(熱重合開始剤)の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の熱重合開始剤を用いることができる。
これらの熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の顔料分散液は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、Y138を含む(A)顔料、(B)溶剤、(D)分散剤及び化合物(1)と共に混合することで調製できる。
より好ましい調製方法としては、先ずY138を含む顔料を微粒化する工程が挙げられる。
このようにして得られた顔料を溶剤中、(D)分散剤、並びに化合物(1)又はその他の分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液を調製する。
より好ましい調製方法としては、上記の様に微粒化、分散により調製した顔料分散液に、(C)バインダー樹脂、更に(E)重合性モノマー及び(F)光重合開始成分及び/又
は熱重合開始成分、その他必要に応じて添加する成分を混合する方法が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、調製方法としては、(A)顔料を含む溶剤中、(D)分散剤、化合物(1)、及び必要に応じて更に添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液を調製する。該顔料分散液に、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(E)重合性モノマー、及び(F)光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤などの添加剤を添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
より好ましくは、前記した通り、化合物(1)を用いて微粒化工程を経た後、(D)分散剤、(C)バインダー樹脂の一部と共に、分散して顔料分散液を調製後、その他の添加剤を加えて着色樹脂組成物を調製する方法が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解又は分散された状態である。この着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。本発明の着色樹脂組成物は、特にカラーフィルタ用途であることが好ましい。つまり、カラーフィルタ用着色樹脂組成物であることが好ましい。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタとしての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィ法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などに
よる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
画素を形成する際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
放射線の露光量は、10〜10,000J/m2が好ましい。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
成することもある。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを含む有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
(合成例1:化合物Aの合成)
チルピロリドン水溶液(300mL)に溶解し、10℃に冷却したところへ、濃塩酸(27.0g)と23%亜硝酸ナトリウム水溶液(43g、143mmol)を加えて10℃で30分攪拌した。
N−[4−[N−(2−モルホリノエチル)スルファモイル]フェニル]−3−オキソブタ
ンアミド(40.6g、110mmol)をアセトン(200g)に溶解し、水(100g)を加え、上記のジアゾニウム塩を含む液を炭酸ナトリウム水溶液を加えながら、pH=8.0、5℃で30分間で滴下した。
得られた沈殿物をろ過して水(1000g)洗浄し、黄色のケーキを得た。このケーキを乾燥して上記化合物Aを得た。(39g、収率67%)
(合成例2:化合物Bの合成)
−3−オキソブタンアミドの代わりにN−[4−[N−(イソプロピル−4−ピペリニジル
)スルファモイル]フェニル]−3−オキソブタンアミドを用いて同様に合成を行い、上記化合物Bを得た。(35.6g、収率59%)
C.I.ピグメントエロー138(100g)を25%発煙硫酸(900g)に添加し、50℃で4時間反応させた。冷却後、反応混合物を氷水中(10000ml)に析出させ、濾過及び水洗した後に、アンモニア水を添加して、化合物Cを得た。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10重量部、グリシジルメタクリレート85.2重量部及びトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレートFA−513M(日立化成社製)66重量部を滴下し、及び2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部及びハイドロキノン0.12重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたバインダ樹脂のGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400、酸価80mgKOH/gであった。
メタクリル酸系ABブッロク共重合体であり、アミン価は、121mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。
Bブロックに含まれる窒素原子含有官能基を有する繰り返し単位のうち、約100モル%が下記式(i)で表わされる構造であり、又、下記式(ii)で表わされる繰り返し単位は、該メタクリル酸系ABブッロク共重合体を構成する単量体換算で1分子中における割合は7.5モル%であった。
<実施例1〜2:化合物A〜Bを使用した黄色顔料分散液(1)の調製>
分散助剤として合成例1〜2で得られた化合物1を5.5重量部、顔料として微粒化されたC.I.ピグメントイエロー138を100重量部、合成例2にて得られた樹脂Sを固形分量にて32.3重量部、分散剤として「BYK−LPN6919」(ビックケミー社製)を23.1重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と称することがある。)を645重量部を配合し、ジルコニアビーズを1793重量部加え、ペイントシェーカーで6時間分散を行い、黄色顔料分散液(1)を調製した。
実施例1において、化合物Aを化合物C(合成例3で合成された化合物)に変更した他は、実施例1と同様にして、比較黄色顔料分散液(1)を調製した。
[3]粘度安定性の確認
上記で得られた分散液を1日間又は7日間室温(23℃)下で保存した後に、23℃で、E型粘度計RE−85L(東機産業社製)にて粘度を測定した。
測定結果を表1に示す。
より具体的には、本発明の顔料分散液(実施例1及び2)は、7日間保存した後の粘度は、1日間保存した後の粘度よりも低くなっている。一方で、本発明の顔料分散液でないもの(比較例1)は、1日間保存した後の粘度と7日間保存した後の粘度は、大幅に増粘してしまっている。
また、本発明の顔料分散液を含む着色樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを含む液晶表示装置及び有機EL表示装置は高品質である。
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
500 有機発光体
51 正孔注入層
54 電子注入層
Claims (9)
- (A)顔料、(B)溶剤、(D)分散剤及び添加剤を含有し、
該(A)顔料が、C.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー138を含有し、且つ、該添加剤が下記式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする、顔料分散液。
R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香族環基を表す。
nは、0〜5の整数を表す。
Xは、直接結合、又は下記<2価の連結基群>から選ばれる2価の基を表す。
<2価の連結基群>
Zは、含窒素飽和複素環基を表す。) - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の顔料分散液、及び(C)バインダー樹脂を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。
- 更に、(E)重合性モノマーを含有することを特徴とする、請求項4に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(F)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項4〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
- 請求項7に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
- 請求項7に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示装置。
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JP2012211339A JP5994530B2 (ja) | 2011-09-27 | 2012-09-25 | 顔料分散液、カラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 |
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