JP5857621B2 - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
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Description
省エネルギー化という時代の流れを汲んで、カラーフィルタとしては更なる高輝度化、高コントラスト化が求められている。
カラーフィルタには顔料を用いた着色樹脂組成物が主に使用されているが、高輝度及び高コントラストとするために、例えば、非特許文献1では顔料粒子の粒径をその呈色波長の1/2以下にまで微分散する方法が開示されている。
一方、色材として、染料の開発も行われている。
例えば、特許文献1及び2では、トリアリールメタン誘導体を染料として用いることが開示されている。また、特許文献3及び4では、トリアリールメタン塩において、更にアニオンを特定構造することについて開示されている。
また、トリアリールメタン塩を更に改良した特許文献2〜4では、耐熱性が顔料と比較して不十分な場合があるとの問題点があった。
更に本発明者らは、特許文献2〜4に記載の染料を用いた場合、得られる画素の電圧保持率も顔料と比較した場合には不十分な場合があることを見出した。
液晶表示素子に含まれる液晶相の液晶材料は、絶縁性が高い。その為、着色樹脂組成物を用いて形成された画素に含まれる極性化合物が、液晶部分に溶出すると、電極間の電圧が低下する。
該電圧低下により電圧保持率が低下してしまい、結果的に、液晶表示素子における表示ムラや配向不良などが生じる。
そこで本発明は、色材として顔料を用いた場合に比べて輝度及び耐熱性を向上し、更に電圧保持率が良好であるカラーフィルタを得られる着色樹脂組成物を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、(A)染料、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含む着色樹脂組成物であって、該(A)染料が、下記式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」と称する場合がある)を含むことを特徴とする着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
k、m、n、p及びqは、各々独立に、1〜4の整数を表す。
但し、p×q=m×nである。
Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。
X1〜X3は、各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表し、
R1a及びR2aは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい1価の複素環基又は下記式(I−1)で表される基を表す。
但し、AraとX1は、同時に直接結合になることはない。)
更に、本発明のカラーフィルタは、輝度、耐熱性及び電圧保持率に優れ、また本発明の液晶表示装置及び有機EL表示装置は高品質である。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
又、「C.I.ピグメントグリーン」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
まず、本発明における化合物(I)について詳説する。
[化合物(I)について]
k、m、n、p及びqは、各々独立に、1〜4の整数を表す。
但し、p×q=m×nである。
Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。
X1〜X3は、各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表し、
R1a及びR2aは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい1価の複素環基又は下記式(I−1)で表される基を表す。
但し、AraとX1は、同時に直接結合になることはない。)
[構造上の特徴]
化合物(I)のアニオン、つまり、下記式(I)ANで表されるアニオン(以下、単に「アニオン(I)AN」と称する場合がある)の特徴について、下記の通り説明する。
該トリアジン骨格は平面性が高いため、染料のカチオンが有する芳香族部位や、同一系内に存在する化合物(I)のアニオン部分との相互作用が強くなる。
更に、アニオン(I)ANは、末端にスルホニルイミド骨格を有するため、カチオンとの立体反発が少なく、より強固なイオン対を形成し易い。
(An+について)
An+は、n価の染料のカチオンを表す。
より具体的には、トリアリールメタン類、シアニン類、スチリル類、アジン類等の色素骨格(Chromophore)を有する化合物が挙げられ、所望する色により適宜選択することが
できる。
(Raについて)
Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。
尚、本発明における遊離原子価については、「有機化学・生化学命名法 上」(南江堂、1992年5月20日発行、平山健三、平山和雄訳著、11−12頁)の記載に基づくものである。
(置換基群W)
フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜8のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、
トリフルオロメタンスルホニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミノ基炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
つまり、Raにおける置換基を有していてもよいアルキル基は、フルオロ基を有する炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、特に炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
電子求引性基であることの指標の例としては、例えば、「合成染料の化学」(槇書店、1963年2月25日発行、小西謙三、黒木宣彦著、第23〜25頁)に記載されているハメット式における置換基定数がσが、0<σ<1.5であることが挙げられる。
即ち、本発明における電子求引性基とは、ハメット則において置換基定数σが、0<σ<1.5である基である。
該ハメット則において置換基定数σが、0<σ<1.5である基としては、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメタンスルホニル基、メタンスルホニル基、カルボキシ基、塩素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基等のフッ素原子を含むアルキル基が好ましい。
尚、置換基として電子求引性基を有する場合、Raにおける芳香族炭化水素環基としては、電子求引の効果が得られやすい点で、フェニル基であることが好ましい。
一分子中に複数のRaが含まれる場合、それらは互いに同じでもよく、また異なっていてもよいが、合成が容易である点で、同じである方が好ましい。
Araは、直接結合、置換基を有していてもよい2〜p+1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい2〜p+1価の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2〜p+1価の複素環基を表す。
該芳香族炭化水素環基としては、前記(Raについて)の項に記載の1個の遊離原子価を有する芳香族炭化水素環において、2〜p+1個の遊離原子価を有するものとし、且つ炭素数が6〜15である基が挙げられる。
複素環基としては、前記(Raについて)の項に1価の基を2〜p+1価の基としたものが挙げられる。
Araは、カチオンや、同一系内に存在する化合物(I)のアニオンとの分子間相互作用が良好になる点で、直接結合又は、芳香族炭化水素環、脂肪族炭化水素基又は複素環である場合には、kが1〜2であることが好ましい。
(X1〜X3並びにR1a及びR2aについて)
X1〜X3は、各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表す。
連結する場合の個数は、通常2個以上、また通常15個以下、好ましくは12個以下、更に好ましくは10個以下である。
R1a及びR2aは、各々独立に、直接結合、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい複素環基又は下記式(I−1)で表される基を表す。
炭化水素基としては、炭素数が1〜12の各々置換基を有していてもよい、アルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基などが挙げられる。該アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。該炭化水素基に置換していてもよい基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、水酸基、カルボキシ基、スルホ基等が挙げられる。
該芳香族炭化水素環基としては、前記(Raについて)の項に記載のもので且つ炭素数が6〜15である基が挙げられる。
該芳香族炭化水素環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、炭素数が1〜4のアルキル基が置換していてもよいアルキルアミノ基、アセチル基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセトキシ基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
該複素環基が有していてもよい置換基としては、上記R1a及びR2aにおける芳香族炭化水素環基が有していてもよい置換基の項で記載したものが挙げられる。
AraとX1、R1aとX2、R2aとX3とは、各々、同時に直接結合になることはない。
また、本発明における化合物(I)は、R1a及び/又はR2aから連結基を介して、
2量体や3量体を形成してもよい。
m、n、p及びqは、各々独立に、1〜4の整数を表す。
化合物(I)の有機溶剤に対する溶解性が良好である点で、m、n、p及びqは、各々独立に、1〜3であることが好ましい。
尚、p×q=m×nである。
化合物(I)は、より耐熱性に優れ、また得られるカラーフィルタの特に青色純度及び透過率が優れる点で、下記式(II)で表される化合物(以下、「化合物(II)」と称する場合がある)であることが好ましい。
R1〜R6は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を表す。
隣接するR1〜R6同士が連結して環を形成してもよく、該環は、置換基を有していてもよい。
R7及びR8は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
また、上記式(II)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。
R101及びR102は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族環基、又はフッ素原子を表す。
尚、一分子中に複数の下記式(II)CAで表されるカチオン
(R1〜R6について)
R1〜R6は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R1〜R6におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であって、その炭素数が通常1以上、また、通常8以下、好ましくは5以下のものが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、該環はヘテロ原子で架橋された環であってもよく、この具体例として、例えば以下の構造が挙げられる。
また、R1〜R6が、置換基を有していてもよいフェニル基である場合、共役系が延長する為、カチオン内の電荷が分散して、カチオンが安定化する。このように、カチオンが安定化した結果、得られるカラーフィルタの耐熱性がより優れるものとなると考えることができる。
R1〜R6におけるアルキル基、芳香族環基及び互いに連結して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、下記(置換基群W1)のものが挙げられる。
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜16のアリールカルボニルオキシ基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜16のアリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルバモイル基、炭素数7〜16のアリールカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜8のアルキルスルファモイル基、炭素数6〜15のアリールスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、炭素数7〜16のアリールカルボニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、炭素数1〜8のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜15のアリールスルホニルアミノ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基が結合してなるアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノ基、炭素数6〜15のアリールアミノ基、炭素数6〜15のアリール基と炭素数1〜4のアルキルが結合してなるアリールアルキルアミノ基、炭素数6〜15のアリール基が結合してなるジアリールアミノ基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、炭素数1〜8のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数7〜16のアリールカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数6〜15のアリールチオ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子。
のアルコキシ基、フェニル基、トリル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜8のアルキルスルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基及びフッ素原子である。
R7及びR8は、水素原子、又は任意の置換基を表す。該任意の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族環基などが挙げられる。
尚、該炭素数1〜8のアルキル基は、立体障害が小さい点で、更に炭素数1〜4のアルキルであることが好ましい。
R7及びR8同士が連結して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよい。
尚、R1b及びR2bは、(IICA)の分子平面性が高く、分子同士が会合しやすく耐熱性が高い点で水素原子またはメチル基であることが好ましい。
得られるカラーフィルタが青色である場合に、高輝度である点から、R7及びR8同士は互いに連結して環を形成していない方が好ましい。
(R101及びR102について)
R101及びR102は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又はフッ素原子を表す。
アルケニル基としては、炭素数が通常2以上、通常6以下のものが挙げられる。具体例としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等が挙げられる。
又、R101とR102とが連結して環の一部を構成することによりトリアリールメタ
ン構造の中心にあるsp2炭素原子と隣接するベンゼン環からなる平面に対して、R101及びR102が結合するベンゼン環がねじれの位置関係になるため、青色の吸収を有するようになり、これを用いた着色樹脂組成物の分光特性が向上し、青色表示部材のコントラストが向上し易い点で好ましい。
該置換基としては、例えば、前記(置換基群W1)の項で記載したものが挙げられる。
また、上記式(II)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。つまり、本発明の効果を損わない範囲で、式(II)中に明記した以外の置換基を有していてもよいが、製造が容易である点から、式(II)中に明記した以外の置換基を有さない方が好ましい。
このような置換基としては、前記(置換基群W1)の項に記載の置換基が挙げられる。
化合物(I)は、より耐熱性及び耐光性に優れ、青色のカラーフィルタに青色の補色として用いることにより、得られる画素の色純度及び透過率が優れる点で、下記式(III)で表される化合物(以下、「化合物(III)」と称する場合がある)であることが好ましい。
R11〜R16は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を示す。
隣接するR11〜R16同士が連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
R17及びR18は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
又、上記式(III)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。
(R11〜R16について)
R11〜R16は、各々、化合物(II)におけるR1〜R6と同義である。具体例及び好ましい態様も同様である。
(R17及びR18について)
R17及びR18は、各々化合物(II)におけるR7〜R8と同義である。具体例及び好ましい態様も同様である。
本発明における化合物(I)の分子量は、通常800以上、好ましくは950以上、また通常5000以下である。
また、本発明におけるアニオン(I)ANの分子量は、通常300以上、好ましくは450以上、また通常2500以下である。
[合成方法]
前記化合物(I)で表される化合物は、例えばJ.Chem.Soc.,PerkinTrans.1998,2,297.
、国際公開第2006/120205号公報、「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)に記載の方法に準じて合成することができる。例えば、アニオン中間体を下記の(A)又は(B)の方法で製造し、上記公知文献に準じて別途合成したカチオン中間体の塩交換反応により合成することができる。
(A)イミド化工程、続いて縮合工程による合成
(A−1)イミド化工程
スルホンアミドとスルホニルクロリド(又はスルホン酸無水物)を塩基存在下にて加熱撹拌する。反応溶剤としては、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフランなどの溶剤又はその混合溶剤が好ましい。また、反応温度は室
温から用いる反応溶剤の沸点までが好ましい。
Y2はアミノ基、塩素原子又はRa−SO2−基を表す。Y1がアミノ基の場合、Y2はアミノ基以外の基であり、Y1が塩素原子の場合、Y2はアミノ基である。
Y3は−X1−Y3a基又は、下記式(a−1’)の反応で−X1−Y3a基に変換される任意の置換基を表す。Y4はプロトン又は塩基に由来するカチオン表す。
必要に応じて、下記の縮合工程で反応するよう末端(X1側、式(a−1)においてはY3)の置換基変換反応(式(a−1’))を行う。アミノ基にする場合は、ニトロ基を還元するか、アセチル基等で保護した基を加水分解する。ヒドロキシ基又はスルファニル基にする場合には、アセチル基等で保護した基を加水分解する。アリールマグネシウムブロミドにする場合は、アリールブロミドにマグネシウムを反応する。
塩化シアヌルに上記(A−1)で合成した(I−ii)で表される中間体と、−X2−R1aで表される部位に相当する化合物と、−X3−R2aで表される部位に相当する化合物を逐次反応させて化合物(I−i)(アニオン(I)ANの塩)を得ることが出来る。
反応させる順番は問わないが、アリールアミノ基、アルキルアミノ基の順のように、反応性が低い基から反応させるのが好ましい。反応させる基の末端がアミノ基、ヒドロキシ基、スルファニル基の場合は、適当な塩基存在下で反応してもよい。
他の方法として、2,4,6−トリアミノトリアジンとハロゲン化アルキル等のアルキル化剤を反応させてもよい。
(B)縮合工程、続いてイミド化工程を経る方法
(B−1)縮合工程
塩化シアヌルに下記の化合物(I−iii)で表される中間体と、−X2−R1aで表
される部位に相当する化合物と、−X3−R2aで表される部位に相当する化合物を逐次
反応させて化合物(I−iv)を得ることが出来る。(下記式(b−1))
(B−2)イミド化工程
上記式(b−1)で得られた化合物(I−iv)とスルホニルクロリド(又はスルホン酸無水物)を塩基存在下にて加熱撹拌することにより(I)ANを得ることが出来る。(式(b−2))反応溶剤としては、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフランなどの溶剤あるいはその混合溶剤が好ましい。また、反応温度は室温から用いる反応溶剤の沸点までが好ましい。
J.Chem.Soc.,PerkinTrans.1998,2,297.、国際公開第2006/120205号公報、
「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)に記載の方法に準じてトリアリールメタンの塩化物塩を合成する。
(塩交換反応)
トリアリールメタンの塩化物塩及び上記のアニオン中間体を溶解し、加熱撹拌する。反
応溶剤としては、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、水などの溶剤あるいはその混合溶剤が好ましい。また、反応温度は室温から用いる反応溶剤の沸点までが好ましい。
いずれも好ましい具体例であるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[アニオン(I)ANの具体例]
本発明の着色樹脂組成物は、化合物(I)を全固形分中、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは1重量%以上、また好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下の割合で含有する。
れ易く、また膜厚が厚くなり難いため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物中には、(A)染料として、化合物(I)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
また、着色樹脂組成物中の全(A)染料の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、又は好ましくは30重量%以下である。
尚、本発明の着色樹脂組成物において、化合物(I)の含有量は、全(A)染料の固形分中、30重量%以上であることが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、(B)溶剤を必須成分とする。溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
該(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解又は分散させることができるものであればよく、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
このような溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価又は多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン
、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
上記に該当する市販の溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
上記溶剤中、前述の本発明に係る(A)染料の溶解性の点から、グリコールモノアルキルエーテル類が好ましい。中でも、特に着色樹脂組成物中の各種構成成分の溶解性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
また、例えば任意成分として後述する顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。なお、顔料を含む組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよ
いが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(B)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(B)溶剤中50重量%以上であることが好ましい。このような高沸点溶剤の割合が50重量%未満である場合には、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されないおそれがある。
(C)バインダー樹脂は、着色樹脂組成物の硬化手段により好ましいものが異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる
樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
ル基を表す。尚、R96とR98とが、互いに連結して環を形成していてもよい。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(8)で表される構造中、特に下記構造式(8a)、(8b)、又は(8c)で表されるものが好ましい。
前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
、また、耐熱性や膜の強度が十分であるため好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
着色樹脂組成物における(C)バインダー樹脂の含有量は、全固形分中、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、(D)重合性モノマーを含有することが好ましい。
(D)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
(D)重合性モノマーにおけるエチレン性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、必要に応じて(D)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
また、(D)重合性モノマーの前記(A)染料に対する比率は、重量比で、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、また、通常200重量%以下、好ましくは100重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
本発明における(E)光重合開始成分は、通常、(E1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(E2)重合加速剤及び(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
Xは、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素環基及び/又は芳香族複素基を示す。
なお、前記式(XI)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(XII)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(XIII)で表される化合物が特に好ましい。
また、nは、0又は1を表す。)
*は、結合部位を表す。)
R102aは、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xaは、窒素原子が1〜4のア
ルキル基で置換されていてもよい3,6−カルバゾリル基を示す。Zaは、アルキル基で
置換されていてもよいフェニル基又はモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。)
その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号、特開昭54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号、特開昭59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)光重合開始成分の含有量は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、また通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下の範囲である。
((E)熱重合開始成分)
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(E)熱重合開始成分の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号等に記載の熱重合開始成分を用いることができる。
[その他の任意成分]
本発明の着色樹脂組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、有機カルボン酸及び/又は有機カルボン酸無水物、熱硬化性化合物、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。また、後述の(F)顔料を含有する場合には、分散剤や分散助剤を含有してもよい。これら任意成分としては、例えば特開2007−113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。
本発明の着色樹脂組成物は、得られるカラーフィルタの耐熱性の向上等の目的で、本発明の効果を損わない範囲で、(F)顔料を含有していてもよい。
(F)顔料としては、例えばカラーフィルタの画素等を形成する場合には、青色、紫色等各種の色の顔料を使用することができる。また、その化学構造としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
この為、本発明の着色樹脂組成物が、青色顔料を含む場合、青色顔料の全含有量に対して、80重量%以上、特に90重量%以上、とりわけ95〜100重量%が、C.I.Pigment Blue15:6であることが好ましい。
これらの中でも、紫色のジオキサジン顔料が好ましく、該ジオキサジン顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19、23などが好ましく挙げられ、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
特に、青色の銅フタロシアニン顔料についても同様に、好ましくは平均一次粒径が40nm以下であり、より好ましくは35nm以下、更に好ましくは20〜30nmである。
なお、ここで、(F)顔料の平均一次粒径は以下の方法により測定・算出された値である。
個々の顔料粒子の粒径:X1、X2、X3、X4、・・・・、Xi、・・・・・・Xm
本発明において、(F)顔料を含む場合、着色樹脂組成物における顔料の含有量は、全固形分中、通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
また、前記(A)染料100重量部に対する含有量は、通常2000重量部以下、好ましくは1000重量部以下である。
[分散剤]
本発明の着色樹脂組成物が、(F)顔料を含む場合、更に分散剤を含有することが好ましい。
例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ブロック共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、ブロック共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特にブロック共重合体が
好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体が好ましい。
係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、4級アンモニウム塩基、及び/又はアミノ基を有する単位構造を有し、顔料吸着機能を持つ部位である。
このようなブロック共重合体としては、例えば、特開2009−025813号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物が、(F)顔料を含有する場合、分散剤の全固形分中の含有量は、(F)顔料の総含有量の2〜1000重量%、特に5〜500重量%、とりわけ10〜250重量%の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記範囲内とすることで、化合物(I)の耐熱性に影響を及ぼすことなく、良好な顔料分散性を確保することができ、また顔料の分散安定性がより良好となる点で好ましい。
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、前記(A)染料及び(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製
造方法はこれに限定されるものではない。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−・ジ−・又はトリ−エタノールアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−メチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−エチルアミン、モノ−・又はジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
(合成例1:染料1の合成)
還流した。室温に冷却後、水を加え、クロロホルム抽出して、有機層を飽和食塩水で3回
洗った。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=12/1)で精製し、化合物E1(34.8g)を得た。
H=4〜6で0〜5℃を保持しながら加えて、さらに1時間撹拌した。次いで室温にてp
H=6〜7で、アニリン塩酸塩(1.30 g)を水(25ml)に溶解した液を添加し、
さらに2時間撹拌した。その後、ブチルアミン塩酸塩(1.65 g)を水(30ml)に溶解した液を加えて、70〜80℃でpH=8〜9として3時間撹拌した。得られた反応
液を室温まで冷却後、塩化ナトリウムで塩析することにより化合物F(5.4g)を得た。
1H NMR測定より、染料1と化合物Fの1:0.24(モル比)の混合物であった。(合成例2:染料2の合成)
1H NMR測定より、染料2と化合物Fの1:0.15(モル比)の混合物であった。(合成例3:染料3の合成)
に溶解し、氷浴で冷却下で内部温度を10℃以下に保ちつつt-ブトキシカリウム(6.8
8g、61.3mmol)を添加し、さらに内部温度を10℃以下に保ちつつ、化合物A(
東京化成工業社製、3.34g、15.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)溶液を滴下した。75℃で6時間攪拌した後、トルエンで希釈し、水を加え、有
機層を分離し、水で洗浄した後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜5/1) で精製した後、得られた固体をヘキサン及び
メタノール/水で順次洗浄して、化合物C3(1.94g)を得た。
1H NMR測定より、染料3と化合物Fの1:0.13(モル比)の混合物であった。(合成例4:染料4の合成)
リドン(100ml)に溶解し、炭酸カリウム(関東化学社製、17.0g、123mmol)を添加し、75℃に昇温した後、2−ブロモエチルエチルエーテル(東京化成工業社
製、17.1g、112mmol) を滴下した。75℃で8時間攪拌した後、トルエンで希釈し、水を加え、有機層を分離し、水で洗浄した後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=6/1) で精製し、化合物B4(9.45
g) を得た。
0mmol)を添加し、さらに内部温度を10℃以下に保ちつつ、化合物A (東京化成工
業社製、2.33g、10.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド (10 ml) 溶液を滴下した。60℃で5時間攪拌した後、トルエンで希釈し、水を加え、有機層を分離し、水で洗浄した後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸
エチル 5/1〜3/1) で精製し、化合物C4(2.25g)を得た。
1H NMR測定より、染料4と化合物Fの1:0.04(モル比)の混合物であった。
(合成例5:染料5の合成)
−メチルピロリドン(150ml)に溶解し、炭酸カリウム(関東化学社製、32.0g、231mmol)を添加し、80℃に昇温した後、1-ブロモブタン(東京化成工業社製、
27.9g、202mmol)を滴下した。80℃で3時間攪拌した後、トルエンで希釈
し、水を加え、有機層を分離し、水で洗浄した後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=39/1)で精製し、化合物B5(17.3g) を得た。
浴で冷却下で内部温度を10℃以下に保ちつつt-ブトキシカリウム(6.73g、60.0mmol)を添加し、さらに内部温度を10℃以下に保ちつつ、化合物A(東京化成工
業社製、3.27g、15.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)溶液を滴下した。80℃で11時間攪拌した後、トルエンで希釈し、水を加え、有機層を分離し、水で洗浄した後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=12/1〜9/1)で精製し、化合物C4(1.63g)を得た。
1H NMR測定より、染料5と化合物Fの1:0.12(モル比)の混合物であった。79
(合成例6:染料6の合成)
化合物E6(2.50g)及び化合物F(3.49g)、メタノール(130ml)の混合物を50℃で攪拌後、減圧濃縮し、得られた固体を水/メタノール(2/1)で洗浄して、紫色の固体(5.21g)を得た。
1H NMR測定より、染料6と化合物Fの1:0.47(モル比)の混合物であった。(合成例7:染料7の合成)
(合成例8:染料8の合成)
8時間撹拌した。室温に冷却後、吸引ろ過により得られたろ液を減圧濃縮をした後、得られた粗生成物をアセトンで溶解し、激しく撹拌したトルエンに滴下し、静置した。ろ過をして得られた固体を真空下で乾燥することにより、化合物G(1.80g)を得た。
1H NMR測定より、染料8とC.I.ベイシックブルー7の92:8(モル比)の混合物であった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2重量部、グリシジルメタクリレート132重量部及びトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレートFA−513M(日立化成社製)4.4重量部を滴下し、及び2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸67.0重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール1.1重量部及びハイドロキノン0.19重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2重量部、トリエチルアミン0.2重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたバインダー樹脂のGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約9000 酸価25mg−KOH/gであった。
「NC3000H」(エポキシ当量288、軟化点69℃)(日本化薬社製)400重量部、アクリル酸102重量部、p−メトキシフェノール0.3重量部、トリフェニルホスフィン5重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート264重量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mg−KOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで9時間を要した(酸価2.2mg−KOH/g)。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸151重量部を添加し、95℃で4時間反応させ、酸価102mg−KOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)3900の樹脂Bを得た。
前記合成例1〜8で得られた染料1〜8、参考合成例1及び2で得られた樹脂A及びBを下記表1に記載された組成となるように他の成分を混合して、着色樹脂組成物を調製した。
尚、表1の数値は、いずれも添加する各成分の重量部を表す。
又、表1及び2中の各化合物は、各々以下の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
[着色樹脂膜の製造及び耐熱性の評価]
5cm角に切断したガラス基板上に、上記各着色樹脂組成物をスピンコート法により乾燥後のy値が0.120となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて
80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光した.その後,分光光度計U−3310(日立製作所製)にて、分光透過率を測定し、XYZ表色系における色度(C光源)を算出した。
[電圧保持率の評価]
着色樹脂組成物をITO(インジウム−酸化錫合金)電極を所定形状に蒸着したソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布したのち、105℃のクリーンオーブン内で10分間プレベークを行って、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。
、この基板を超純水で洗浄して風乾し、さらに230℃で60分間ポストベークを行い塗膜を硬化させて、基板上に青色の画素を形成した。
青色画素を形成した基板とITO電極を所定形状に蒸着しただけの基板とを、0.03mmのガラスビーズを混合したシール剤で貼り合わせたのち、液晶MLC6846(メルク社製)を注入して、液晶セルを作製した。
これより、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を含むカラーフィルタは、輝度、耐熱性及び電圧保持率に優れ、更に、該カラーフィルタを有する液晶表示装置及び有機EL表示装置は、高品質である。
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
500 有機発光体
51 正孔注入層
54 電子注入層
Claims (13)
- (A)染料、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含む着色樹脂組成物であって、
該(A)染料が、下記式(II)で表される化合物を含むことを特徴とする、着色樹脂組成物。
Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。
Araは、直接結合、置換基を有していてもよい2〜m+1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい2〜m+1価の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2〜m+1価の複素環基を表す。
X1〜X3は、各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表し、
R1a及びR2aは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい1価の複素環基又は下記式(I−1)で表される基を表す。
但し、AraとX1は、同時に直接結合になることはない。
R 1 〜R 6 は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を表す。
隣接するR 1 〜R 6 同士が連結して環を形成してもよく、該環は、置換基を有していてもよい。
R 7 及びR 8 は、水素原子、又は任意の置換基を表す。
R 7 及びR 8 は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
また、上記式(II)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。
R 101 及びR 102 は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族環基、又はフッ素原子を表す。
R 101 とR 102 は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
尚、一分子中に複数の下記式(II) CA で表されるカチオン
- 前記式(II)中のRaが、フルオロ基を置換基として有する炭素数1〜8のアルキル基、又はハメット則において、置換基定数σが0<σ<1.5である基を置換基として有するフェニル基であることを特徴とする、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
- (A)染料、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含む着色樹脂組成物であって、
該(A)染料が、下記式(III)で表される化合物を含むことを特徴とする、着色樹脂組成物。
R a は、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。
Ar a は、直接結合、置換基を有していてもよい2〜m+1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい2〜m+1価の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2〜m+1価の複素環基を表す。
X 1 〜X 3 は、各々独立に、直接結合、−(CH 2 )−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表し、
R 1a 及びR 2a は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい1価の複素環基又は下記式(I−1)で表される基を表す。
但し、Ar a とX 1 は、同時に直接結合になることはない。
R11〜R16は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を示す。
隣接するR11〜R16同士が連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
R17及びR18は、各々独立に、水素原子、又は任意の置換基を表す。
R17及びR18は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
又、上記式(III)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。
尚、1分子中に複数の下記式(III)CAで表されるカチオン
- 前記式(III)中のR a が、フルオロ基を置換基として有する炭素数1〜8のアルキル基、又はハメット則において、置換基定数σが0<σ<1.5である基を置換基として有するフェニル基であることを特徴とする、請求項3に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(D)重合性モノマーを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
- 請求項7に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
- 請求項7に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示装置。
- 下記式(II)で表される化合物を含むことを特徴とする、染料。
Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。
Araは、直接結合、置換基を有していてもよい2〜m+1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい2〜m+1価の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2〜m+1価の複素環基を表す。
X1〜X3は、各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表し、
R1a及びR2aは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい1価の複素環基又は下記式(I−1)で表される基を表す。
但し、AraとX1は、同時に直接結合になることはない。
R 1 〜R 6 は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を表す。
隣接するR 1 〜R 6 同士が連結して環を形成してもよく、該環は、置換基を有していてもよい。
R 7 及びR 8 は、水素原子、又は任意の置換基を表す。
R 7 及びR 8 は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
また、上記式(II)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。
R 101 及びR 102 は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族環基、又はフッ素原子を表す。
R 101 とR 102 は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
尚、一分子中に複数の下記式(II) CA で表されるカチオン
- 前記式(II)中のRaが、フルオロ基を置換基として有する炭素数1〜8のアルキル基、又はハメット則において、置換基定数σが0<σ<1.5である基を置換基として有するフェニル基であることを特徴とする、請求項10に記載の染料。
- 下記式(III)で表される化合物を含むことを特徴とする、染料。
R a は、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基を表す。
Ar a は、直接結合、置換基を有していてもよい2〜m+1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい2〜m+1価の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2〜m+1価の複素環基を表す。
X 1 〜X 3 は、各々独立に、直接結合、−(CH 2 )−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表し、
R 1a 及びR 2a は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい1価の複素環基又は下記式(I−1)で表される基を表す。
但し、Ar a とX 1 は、同時に直接結合になることはない。
R11〜R16は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を示す。
隣接するR11〜R16同士が連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
R17及びR18は、各々独立に、水素原子、又は任意の置換基を表す。
R17及びR18は、互いに連結して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
又、上記式(III)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。
尚、1分子中に複数の下記式(III)CAで表されるカチオン
- 前記式(III)中のRaが、フルオロ基を置換基として有する炭素数1〜8のアルキル基、又はハメット則において、置換基定数σが0<σ<1.5である基を置換基として有するフェニル基であることを特徴とする、請求項12に記載の染料。
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