JP2016216628A - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
これまで、カラーフィルタ形成用材料である色材として、顔料を用いた着色樹脂組成物が主に使用されているが、高輝度及び高コントラストとするために、例えば、非特許文献1では顔料粒子の粒径をその呈色波長の1/2以下にまで微細化し分散する方法が開示されている。
また、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の方法では、キサンテン染料から発せられる蛍光により、得られるカラーフィルタのコントラストが十分ではないことが見出された。
他方、カラーフィルタを製造するには、目標とする輝度を設定し、それに適合するような着色樹脂組成物を設計する必要があるが、カラーフィルタ製造時に焼成プロセスを経ることで得られるカラーフィルタの輝度が低下する傾向があり、また、温度などの焼成プロセス条件によって低下の程度も異なる。そのため、目標とする輝度を達成するために、焼成プロセス前の時点で輝度が高いことが要求されている。しかしながら特許文献2に記載の方法では、焼成前の輝度が低いことが見出された。
即ち本発明は以下を要旨とする。
(A)色材が、(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。
[2] 前記(A−1)トリアリールメタン系化合物が、下記式(I)で表される化合物である、[1]に記載の着色樹脂組成物。
[An-]は、置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。
R1〜R4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R5及びR6は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
[4] 前記アニオンが、置換基を有していてもよい1〜4価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオンである、[1]〜[3]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[5] 前記トリアリールメタン系化合物の含有割合が、全固形分中0.01質量%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[6] 前記キサンテン系化合物の含有割合が、全固形分中0.01質量%以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[8] (E)光重合開始成分及び/又は(E’)熱重合開始成分を更に含有する、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有する、カラーフィルタ。
[10] [9]に記載のカラーフィルタを有する、液晶表示装置。
[11] [9]に記載のカラーフィルタを有する、有機EL表示装置。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及びメタクリルのうち少なくとも一方」、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一方」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一方」を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
また、「C.I.ピグメントグリーン」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)所収の色材名称を意味する。
(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアールメタン系化合物
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアリールメタン系化合物(以下、「(A−1)トリアリールメタン系化合物」と略記する場合がある)を含有する。前記(A−1)トリアリールメタン系化合物を含有することで、(A−2)キサンテン系化合物からの蛍光エネルギーを十分に吸収でき、高コントラストを発現することができると考えられる。
トリアリールメタン構造におけるアリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルホン酸基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、カルボニル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基などが挙げられ、これらの中でも透過スペクトルの急峻さ、焼成後の耐久性の観点から、アミノ基であることが好ましい。これにより、透過スペクトルが急峻となることで焼成前の輝度が十分高くなるだけでなく、トリアリールメタン系化合物の外的要因による分解が抑制されることで焼成後の輝度も高くなる傾向がある。また、アミノ基の水素原子は、アルキル基及び/又は芳香族環基で置換されていてもよい。
また、ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の数は特に限定されないが、27以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な溶解性を有し、カチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
R1〜R4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表し、R5及びR6は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる下記式(I)CAで表される複数のカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。
R1〜R4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R1〜R4で表される基の分子量は特に限定されないが、溶解性の観点から、各々独立に、通常1以上であり、好ましくは10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、また、着色性の観点から、各々独立に、200以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましく、120以下であることがさらに好ましい。
R1〜R4におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物中において、トリアリールメタン系化合物の溶解度を適切に調整することができるとともに、カチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
また、置換基を有するアルキル基の具体例としては、フェネチル基、2−エトキシエチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基等が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
R1およびR2は、化合物(I)の耐熱性を向上し、得られるカラーフィルタの耐熱性が優れる点で、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であることが好ましく、輝度の観点から、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基であることがさらに好ましい。
より具体的には、R1およびR2におけるアルキル基の炭素数は、トリアリールメタン骨格のコンフォメーションに影響し難い点(輝度への影響が少ない)及び窒素上の置換基が脱離し難い点(化合物(I)が安定である)で、好ましくは8以下、更に好ましくは4以下、また好ましくは2以上である。
R3およびR4は、化合物(I)の輝度が優れる点で、少なくとも1つが置換基を有してもよいアルキル基であることが好ましく、また、耐熱性の観点から、R3及びR4のうちいずれか一方が置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、他方が水素原子であることが好ましい。
この場合、R3およびR4の両方を、置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基としてもよく、また、R3およびR4のいずれか一方を、置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基とし、他方を水素原子としてもよい。耐熱性の観点からは、R3およびR4のいずれか一方が置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基であり、他方が水素原子であることが好ましい。
直鎖状アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば後述の置換基群W1のものが挙げられる。これらの中でも、耐熱性との観点からは、フッ素原子、フェニル基又はトリル基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。置換基を有する直鎖状アルキル基の具体例としては、4,4,4−トリフルオロブチル基、2−フェニルエチル基、2−トリルエチル基等が挙げられる。これらの中でも耐熱性との観点からは4,4,4−トリフルオロブチル基が好ましい。
また、R3及びR4の両方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基としてもよく、また、R3及びR4のうちいずれか一方を置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を、該アルキル基以外の基としてもよい。R3およびR4の置換基が大きいと立体障害となって式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用を阻害し、耐熱性が低下する場合があると考えられることから、R3及びR4のうちいずれか一方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を該アルキル基以外の基とすることが好ましく、いずれか一方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を水素原子とすることがさらに好ましい。
下記式(II)のα、βは、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。C−α結合は、炭素原子と置換基αの有する炭素原子との結合を表しており、C−β結合も同様に炭素原子と置換基βが有する炭素原子との結合を表している。なお、αとβは連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。
また、置換基を有するアルキル基の具体例としては、フェネチル基、2−エトキシエチル基等が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
また、該環はヘテロ原子で架橋された環であってもよい。該環の炭素数(ただし、αとβと結合したC原子、α及びβを含む)は30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記上限値以下とすることで、式(I)の溶媒への溶解度を適切に調整することができるとともに、式(I)で表される分子同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
αとβが連結して環を形成する場合において、第二級炭素を有するアルキル基の具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。
αおよびβとして好ましくは、αおよびβを炭素数に含めて、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状のアルキル基又はαおよびβが互いに連結して環を形成する場合である。より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキル基又は炭素数が3〜10の隣接するαおよびβが互いに連結して環を形成する場合である。これらの置換基であると、式(I)で表される化合物同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数2〜8のアルケニル基;炭素数1〜8のアルコキシル基;フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;カルボキシル基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;フェネチル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基;ニトロ基;炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8のアルキル基;炭素数2〜8のアルケニル基;ヒドロキシル基;炭素数1〜8のアルコキシル基:フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;カルボキシル基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルホン酸基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;カルボニル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8のアルキル基;炭素数2〜8のアルケニル基;炭素数1〜8のアルコキシル基;フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;フェネチル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基;ニトロ基;炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
R5及びR6は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基である。一般式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物は、R5及びR6が、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基であることに起因し、カチオンの共役系が広がり、電荷が安定し、耐熱性及び耐光性が向上する傾向があると考えられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
R5及びR6における芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えば、上記の置換基群W2のものが挙げられる。特に、500nm付近の吸収波形の急峻さ、つまり高輝度化の観点や、超共役によるカチオン内の電荷の分散によるカチオンの安定化による耐熱性や耐光性の向上の観点から、R5及びR6における芳香族環基が無置換である、アルキル基を置換基として有する、又はアルコキシ基を置換基として有することが好ましく、無置換である、又はアルキル基を置換基として有することがより好ましい。芳香族環基が有していてもよいアルキル基及びアルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは8以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下、通常1以上である。
R1〜R6としては、上述したものから適宜選択すればよい。組み合わせの具体例としては例えば表1に記載するものが挙げられる。なお、表1に挙げられているアルキル基、芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基はさらに任意の置換基を含んでいても良い。また表中のCは、炭素数を意味する。
式(I)において、[An-]は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表し、nは1〜4の整数を表す。ここで、Aは、アニオンを構成する原子団を表す。
nはカチオンとの相互作用の観点からは、通常4以下であり、2以下であることが好ましく、1であることがより好ましい。前記上限値以下とすることで、アニオンとカチオンが近くに配置されるため、耐熱性、耐光性などの物性を向上することができる傾向がある。
また、ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の数は特に限定されないが、27以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な溶解性を有し、カチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、通常4以上であり、好ましくは6以上である。前記上限値以下とすることでカチオンとの立体障害を抑えてアニオンを安定化できる傾向がある。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
ハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンが有していてもよい置換基の数は特に限定されないが、立体障害抑制の観点から、1〜3であることが好ましく、1であることがより好ましい。
これらの中でも、アニオン安定化の観点から、前記置換基はアニオンの末端にあることが好ましく、特に下記式(A−1)で表されるアニオン、又は下記式(A−2)で表されるアニオンであることが好ましい。
R3aは直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
R4aはハロゲノアルキル基を表す。
X1〜X3は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
R7aは直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
R8a及びR9aは各々独立に、ハロゲノアルキル基を表す。
X4〜X6は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
R1a、R2a、R5a、及びR6aは各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R1a、R2a、R5a、及びR6aで表される基の分子量は特に限定されないが、溶解性の観点から、各々独立に、通常1以上であり、好ましくは10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、また、着色性の観点から、各々独立に、200以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましく、120以下であることがさらに好ましい。
これらのうち、アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は溶媒への溶解性の観点から、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、溶媒への溶解性の観点から、2以上であることが好ましい。
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、3−メチルブチル基等が挙げられる。これらの中で形成される塩の結晶性と溶解性のバランスの観点から、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、前述の置換基群W1のものが挙げられ、電気信頼性の観点からカルボキシル基が好ましい。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの芳香族環基の中でも製造容易性の観点からは、芳香族炭化水素環基であることが好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W2のものが挙げられ、電気信頼性の観点からカルボキシル基が好ましい。
R1aとR2aは同じであっても異なっていてもよい。例えば、R1a及びR2aが、各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であってもよく、R1a及びR2aが、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよく、R1aが置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、R2aが置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよい。
R5aとR6aは同じであっても異なっていてもよい。例えば、R5a及びR6aが、各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であってもよく、R5a及びR6aが、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよく、R5aが置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、R6aが置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよい。
R3a及びR7aは各々独立に、直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
R3a及びR7aで表される基の分子量は特に限定されないが、溶解性の観点から、各々独立に、通常0以上であり、好ましくは10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、また、着色性の観点から、各々独立に、200以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましく、120以下であることがさらに好ましい。
これらのうち、アルキレン基としては、直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基、環状のアルキレン基、又はこれらを結合した基が挙げられる。その炭素数は電荷の偏りを抑制するとの観点から、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、通常1以上である。
具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。これらの中で電荷の偏りを抑制するとの観点から、メチレン基が好ましい。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W1のものが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
これらの2価の芳香族環基の中でも電荷の偏り抑制との観点からは、2価の芳香族炭化水素環基であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W2のものが挙げられる。
R4a、R8a、及びR9aは各々独立に、ハロゲノアルキル基を表す。
ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の種類は特に限定されないが、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であることが好ましく、フッ素又は塩素であることがより好ましく、フッ素であることがさらに好ましい。ハロゲン原子の種類を上記のものとすることで、アニオンの電荷がより非局在化して、色材の耐熱性を向上できる傾向がある。
また、ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の数は特に限定されないが、27以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な溶解性を有し、カチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
ハロゲノアルキル基の炭素数は特に限定されないが、12以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましく、2以下が特に好ましく、通常1以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、前記上限値以下とすることでカチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基などが挙げられ、電荷の偏り抑制との観点からトリフルオロメチル基であることが好ましい。
X1〜X6は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−から
なる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
つまり、X1〜X6は各々独立に、上記群から選ばれる2価の基を2種以上結合したものでもよく、また1種を2個以上結合したものでもよい。結合する場合の個数は、通常2個以上、また通常15個以下、好ましくは12個以下、より好ましくは10個以下である。
これらの中でも、合成容易性の観点から、−(CH2)−又は−NH−であることが好ましく、−NH−であることがより好ましい。
また、着色樹脂組成物中における、前記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物の存在形態については特に限定されず、染料及び/又は顔料であってもよく、輝度とコントラストの観点からは染料の形態で存在することが好ましい。
前記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物において、トリアリールメタンカチオンの分子量は、270以上であることが好ましく、470以上であることがより好ましく、また、通常1970以下である。上記範囲内であると、着色樹脂組成物への溶解性が十分である点、着色樹脂組成物での含有量を少なくすることができるために硬化性を十分に担保できる点で好ましい。
カチオンとアニオンの合計分子量は、300以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、また、通常2000以下である。上記範囲内であると、着色樹脂組成物への溶解性が十分である点、着色樹脂組成物での含有量を少なくすることができるために硬化性を十分に担保できる点で好ましい。
前記式(I)で表される化合物としては、例えば以下に挙げられるものを用いることができる。
(A−1)トリアリールメタン系化合物は、例えば「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)、「理論製造 染料化学」(細田豊著、技報堂、1957年)、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法に準じて合成することができるが、この方法に限らない。
本発明の着色樹脂組成物において、(A)色材中に(A−1)トリアリールメタン系化合物が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。(A−1)トリアリールメタン系化合物を全固形分中、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは8質量%以上、また好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下の割合で含有することができる。
上記上限値以下であると、塗膜の硬化性が低下し難く、膜強度が十分である傾向があるため好ましい。また、上記下限値以上であると、着色力が十分であることから、所望の濃度の色度が得られ易く、また膜厚が厚くなり難いため好ましい。
また、(A)色材中における式(I)で表される化合物の含有割合は特に限定されないが、(A)色材に対して、0.01質量%以上であることが好ましく1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。上記下限値以上であると、着色力が十分であることから、所望の輝度が得られ易いため好ましい。また、通常100質量%以下であり、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、さらに(A−2)キサンテン系化合物を含む。前記(A−2)キサンテン系化合物を含むことで、焼成前の輝度を向上できると考えられる。
R105は、−OH、−SO3 -、−SO3 -Z+、−CO2 -、−CO2H、−CO2 -Z+、−CO2R108、−SO3R108又は−SO2NR109R110を表す。
R106及びR107は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR105は同一でも異なっていてもよい。
nは、1〜4の整数を表す。aは、1〜3の整数を表す。bは、0〜nの整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
Z+は、Na+、K+もしくは第四級アンモニウムカチオンを表す。
R108〜R110は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
ただし、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(III−1)CAで表される部位は、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。
R101〜R104は互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
該芳香族環基が有していてもよい置換基の数は特に限定されないが、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、また、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。前記下限値以上とすることでキサンテン系化合物の耐久性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで吸収スペクトルが急峻となりやすくなるために、少量の添加によって輝度が向上しやすくなる傾向がある。
R108〜R110は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
R108〜R110におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は20以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物への溶解性、着色樹脂組成物との各種成分との相互作用による耐久性向上が両立できる傾向がある。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数6〜10の芳香族環基、水酸基又はハロゲン原子が挙げられる。
−SO2R108としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等が挙げられる。
−SO3R108としては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等が挙げられる。
R105は、−OH、−SO3 -、−SO3 -Z+、−CO2 -、−CO2H、−CO2 -Z+、−CO2R108、−SO3R108又は−SO2NR109R110を表す。これらの中でも、キサンテン系化合物が適切な吸収極大波長を示すとともに、急峻な吸収スペクトルを示すとの観点から、−CO2H、−CO2 -Z+、−CO2R108、−SO3 -、−SO3 -Z+、−SO3H又はSO2NHR109が好ましく、SO3 -、−SO3 -Z+、−SO3H又はSO2NHR109がより好ましく、SO3 -がさらに好ましい。 mは、0〜5の整数を表すが、着色樹脂組成物への適切な溶解性の観点から、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
mが2以上のとき、複数のR105は同一でも異なっていてもよい。
R106及びR107は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
R106及びR107におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は6以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、トリアリールメタン系化合物と適切な相互作用を示し、耐久性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数6〜10の芳香族環基、水酸基又はハロゲン原子が挙げられる。
これらの中でもトリアリールメタン系化合物と適切な相互作用を示し、耐久性が向上されるとの観点から、R106及びR107は、互いに独立に、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
nは1〜4の整数を表す。これらの中でも、吸収スペクトルの形状や急峻さの観点からは、nが1であることが好ましい。これにより、複数の(III−1)で示されるキサンテン系化合物との相互作用による、スペクトル形状の変化を抑制できると考えられる。
また、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の前記式(III−1)CAで表される部位は、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよいが、スペクトル形状の変化抑制の観点から、同じ構造であることが好ましい。
aは、1〜3の整数を表す。キサンテン系化合物の耐久性向上および着色樹脂組成物の溶解性の観点からは、1であることが好ましい。
(b)
bは、0〜nの整数を表す。これらの中でもキサンテン系化合物および着色樹脂組成物の電気信頼性の観点からは、0であることが好ましい。他方、キサンテン系化合物の耐久性向上の観点からは、1であることが好ましい。
bが0の場合には、電気信頼性の観点から、mが1であり、かつ、R105が−SO3 -又は−CO2 -であることが好ましい。また、bが1の場合には、耐久性の観点から、mが1であり、かつ、R105が−CO2R108、−SO3R108又は−SO2NR109R110であることが好ましい。
Xは、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でもキサンテン系化合物の耐久性向上の観点からは塩素原子、臭素原子が好ましい。
Z+は、Na+、K+もしくは第四級アンモニウムカチオンである。異物低減の観点から、好ましくは第四級アンモニウムカチオンである。
第四級アンモニウムカチオンは、+のN原子の存在により、キサンテン系酸性染料のカウンタになるものである。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては例えば、下記一般式(B−2)で表される構造単位を含むアルカリ樹脂が挙げられる。当該アルカリ可溶性樹脂のカチオン性基が、キサンテン系酸性染料のアニオン性基と塩形成することで、造塩化合物を得ることができる。
R133及びR134は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルスルファニル基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基を表す。
R131及びR133が連結して環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよい。R132及びR134が連結して環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよい。
p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のR133は同一でも異なっていてもよく、qが2以上のとき、複数のR134は同一でも異なっていてもよい。
式(III−2)中、R131及びR132は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
R131及びR132におけるアルキル基としては、R101〜R104におけるアルキル基として挙げたものを採用することができる。
R133及びR134は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルスルファニル基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基を表す。
R133及びR134におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は4以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、トリアリールメタン系化合物との相互作用による耐久性向上、ないしはキサンテン系化合物同士の相互作用による耐久性向上が見られる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、これらの中でもトリアリールメタン系化合物との相互作用による耐久性向上、ないしはキサンテン系化合物同士の相互作用による耐久性向上の観点から、メチル基ないしはエチル基であることが好ましい。
アルキルスルファニル基の具体例としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
アルキルスルホニル基の具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
これらの中でもトリアリールメタン系化合物ないしはキサンテン系化合物同士の相互作用による耐久性向上の観点から、R133及びR134は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、メチル基がより好ましい。
R133及びR134の置換位置は特に限定されないが、キサンテン系化合物が適切な吸収極大波長を有すること、およびスペクトルの急峻性の観点からo−位が好ましい。
また、有機溶媒への溶解性に優れる点で、式(2−24)〜(2−33)のいずれかで表される化合物も好ましい。
(A−2)キサンテン系化合物は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R−H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−32999号公報を参考に合成することもできる。
本発明の着色樹脂組成物中には、(A)色材に(A−2)キサンテン系化合物が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。(A−2)キサンテン系化合物を全固形分中、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、また好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下の割合で含有することができる。
上記上限値以下であると、塗膜の硬化性が低下し難く、膜強度が十分である傾向があるため好ましい。また、上記下限値以上であると、着色力が十分であることから、所望の濃度の色度が得られ易く、また膜厚が厚くなり難いため好ましい。
また、(A)色材中における(A−2)キサンテン系化合物の含有割合は特に限定されないが、(A)色材に対して、1質量%以上であることが好ましく3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。上記下限値以上であると、キサンテン同市の相互作用により耐久性が向上する傾向がある。また、上記上限値以下であると、トリアリールメタン系化合物との相互作用により耐久性が向上する傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含有するが、本発明の効果を損なわない限り、さらにその他の色材を含有してもよい。色材としては染料や顔料が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物は、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物以外の色材を含んでいてもよく、その含有割合は特に限定されないが、全固形分中、好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。また、(A)色材に対する含有割合は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。上記範囲内とすることで、着色樹脂組成物中における吸収波形および輝度に大きな影響を与えることなく、得られる画素の色調、耐熱性、耐光性がより良好になり易い点で好ましい。
その他の染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、ジピロメテン系染料等が好ましく挙げられる。
更に、シアニン系染料としては、例えば、国際公開第2011/162217号パンフレットに記載のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
本発明の着色樹脂組成物中には、(A)色材として、一般式(I)で表される化合物が1種だけ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
同様に、その他の染料も1種だけ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
顔料としては、例えばカラーフィルタの画素等を形成する場合には、青色、紫色等各種の色の顔料を使用することができる。また、その化学構造としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
この為、本発明の着色樹脂組成物が、青色顔料を含む場合、青色顔料の全含有量に対して、80質量%以上、特に90質量%以上、とりわけ95〜100質量%が、C.I.ピグメントブルー15:6であることが好ましい。
これらの中でも、紫色のジオキサジン顔料が好ましく、該ジオキサジン顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19、23などが好ましく挙げられ、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
特に、青色の銅フタロシアニン顔料についても同様に、好ましくは平均一次粒径が40nm以下であり、より好ましくは35nm以下、更に好ましくは20〜30nmである。
なお、ここで、顔料の平均一次粒径は以下の方法により測定・算出された値とすることができる。
得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し、平均粒径を求める。
本発明の着色樹脂組成物に含有される(B)溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、例えば任意成分として前述の顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、着色樹脂組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。尚、顔料を含む着色樹脂組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよいが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(B)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(B)溶剤中50質量%以上であることが好ましい。このような高沸点溶剤の割合が50質量%未満である場合には、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されないおそれがある。
(C)バインダー樹脂は、着色樹脂組成物の硬化手段により好ましいものが異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(IV)で表される構造としては、特に下記構造式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)で表されるものが好ましい。
前記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
着色樹脂組成物における(C)バインダー樹脂の含有割合は、全固形分中、通常0.1〜80質量%、好ましくは1〜60質量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、(D)重合性モノマーを含有することが好ましい。
(D)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述する光重合開始成分の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(D)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、必要に応じて(D)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜100mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜80mg−KOH/gである。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が起き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が起き難いため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始成分及び(E’)熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、(C)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(D)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始成分及び熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。なお、本発明において光重合開始成分としての(E)成分とは、光重合開始剤(以下、任意に「(E1)成分」とも称する)に重合加速剤(以下、任意に「(E2)成分」とも称する)、増感色素(以下、任意に「(E3)成分」とも称する)などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
本発明における(E)光重合開始成分は、通常、(E1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(E2)重合加速剤及び(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
ルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。あるいは、R101はX
またはZと結合し、環を形成していてもよい。
R102は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素
数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。)
なお、前記式(V)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(VI)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(VII)で表される化合物が特に好ましい。
R102aは、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xaは、窒素原子が1〜4のアルキ
ル基で置換されていてもよい3,6−カルバゾリル基を示す。Zaは、アルキル基で置換
されていてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)光重合開始成分の含有割合は、全固形分中、通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下の範囲である。
上記範囲内であると、露光光線に対する感度が良好で、また未露光部分の現像液に対する溶解性も良好で、現像不良などを誘起し難い点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(E’)熱重合開始成分の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の熱重合開始成分を用いることができる。
これらの熱重合開始成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、有機カルボン酸及び有機カルボン酸無水物のうち少なくとも一方、熱硬化性化合物、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。これら任意成分としては、例えば特開2007−113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。また、顔料を含有する場合には、分散剤や分散助剤を含有してもよい。
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含む場合、更に分散剤を含有することが好ましい。
本発明における分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。
例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ブロック共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、ブロック共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特にブロック共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体が好ましい。
係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、4級アンモニウム塩基及びアミノ基のうち少なくとも一方を有する単位構造を有し、顔料吸着機能を持つ部位である。
このようなブロック共重合体としては、例えば、特開2009−025813号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含有する場合、分散剤の全固形分中の含有割合は、顔料の総含有量100質量部に対して2〜1000質量部、特に5〜500質量部、とりわけ10〜250質量部の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記範囲内とすることで、式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物の耐熱性に影響を及ぼすことなく、良好な顔料分散性を確保することができ、また顔料の分散安定性がより良好となる点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物には、分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001−220520号公報、特開2001−271004号公報、特開2002−179976号公報、特開2007−113000号公報、及び特開2007−186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
本発明の着色樹脂組成物には、前記(C)バインダー樹脂もしくはその他のバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部又は全部を下記の分散樹脂として含有していてもよい。
具体的には、後述する[着色樹脂組成物の調製方法]において、前述の分散剤等の成分とともに、(C)バインダー樹脂を含有させることにより、該(C)バインダー樹脂が、分散剤との相乗効果で顔料の分散安定性に寄与する。結果として分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せ
ず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
このように、分散処理工程に使用される(C)バインダー樹脂を、分散樹脂と称することがある。分散樹脂は、着色樹脂組成物中の顔料全量に対して0〜200質量%程度使用することが好ましく、10〜100質量%程度使用することがより好ましい。
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含む(A)色材及び(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、顔料を含む場合の調製方法としては、顔料を含む溶剤中、分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液を調製する。該顔料分散液に、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含む(A)色材、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(D)重合性モノマー、(E)光重合開始成分及び熱重合開始成分のうち少なくとも一方、などを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
一方で、顔料を含まない場合、例えば色材として染料のみを用いる場合の調製方法としては、分散剤や分散助剤を必要とせず、また煩雑な顔料の分散工程が不要であるため、着色樹脂組成物を安価に製造することができる。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
画素を形成する際に使用される基板としては、透明で適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、各種ガラスなどが挙げられる。
着色樹脂組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−エタノールアミン、ジ−エタノールアミン、トリ−エタノールアミン、モノ−メチルアミン、ジ−メチルアミン、トリ−メチルアミン、モノ−エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、モノ−イソプロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−イソプロパノールアミン、ジ−イソプロパノールアミン、トリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
(合成例1:染料Aの合成)
LCMS(ESI、posi)m/z 642(M+ C46H48N3)
窒素雰囲気下、室温で化合物3(0.20g、0.30mmol)をメタノール(3mL)に溶解させ、化合物4(0.18g、0.33mmol)を加えた。この混合溶液を外温50℃にて1.5時間攪拌した後、室温まで放冷した。溶媒をエバポレーターで濃縮した後、水(10mL)で洗浄した。得られた固体をクロロホルム(2mL)に溶解させ、シリカクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0〜82/18(体積比))で精製し、青色固体の染料B(0.30g、収率87%)を得た。
LCMS(ESI、posi)m/z 642((M+ C46H48N3)
化合物5(2.72mmol)に水(17mL)を加え、塩化シアヌル(0.5g、2.72mmol)をアセトン(2mL)に懸濁させた溶液をpH=4〜6で0〜5℃を保持しながら加えて、さらに1.5時間撹拌した。次いで室温にてpH=6〜7で、アニリン(0.25g、2.72mmol)と塩酸(0.28mL)の混合物を水(1mL)に溶解した液を添加し、さらに0.5時間撹拌した。その後、アニリン(1.0g、10.88mmol)と塩酸(1.12mL)の混合物を水(2mL)に溶解した液を加えて、外温70℃でpH=8〜9として8時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、濾過して化合物6(1.22g、収率76%)を得た。
この化合物の液体クロマトグラフ−質量分析の結果を下記に示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
LCMS(ESI、posi)m/z 642((M+ C46H48N3))
LCMS(ESI、posi)m/z 670((M+ C48H52N3))
LCMS(ESI、posi)m/z 642((M+ C46H48N3))
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2質量部、グリシジルメタクリレート132質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノアクリレートFA−513M(日立化成社製)4.4質量部および2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸67.0質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部およびハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2質量部、トリエチルアミン0.2質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂溶液のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約9000、酸価25mg−KOH/gであった。この樹脂溶液に固形分が40質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Aとして用いた。
「NC3000H」(エポキシ当量288、軟化点69℃)(日本化薬社製)400質量部、アクリル酸102質量部、p−メトキシフェノール0.3質量部、トリフェニルホスフィン5質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)264質量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mg−KOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで9時間を要した(酸価2.2mg−KOH/g)。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸151質量部を添加し、95℃で4時間反応させ、酸価102mg−KOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)3900の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が44質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Bとして用いた。
国際公開第2009/131189号パンフレットの実施例3に記載の方法で3−(2−アセトキシイミノ−1,5−ジオキソ−5−メトキシペンチル)−9−エチル−6−(o−トルオイル)−9H−カルバゾールを合成した。
(青色顔料分散液Aの調製)
青色顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6を11.36質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57.5質量部、分散剤として「ディスパービック2000」(ビックケミー社製)を固形分換算で3.02質量部、径0.5mmのジルコニアビーズ215.7質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェイカーにて6時間分散させて青色顔料分散液Aを調製した。
前記合成例1〜6で得られた染料A〜F、並びに合成例7及び8で得られた樹脂A及びBを下記表2に記載された配合となるように他の成分と混合して、着色樹脂組成物を調製した。
混合に際しては、各成分が十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmの駒型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
実施例1〜4の着色樹脂組成物には染料A〜D及び染料Fを用い、比較例1〜2の着色樹脂組成物には染料E〜F及び青色顔料分散液Aを用いた。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
F559:パーフルオロアルキル基含有オリゴマー
Irganox1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピネート]
JPP−100:テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト
5cm角に切断したガラス基板上に、上記<着色樹脂組成物の調製>にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法により焼成後のy値が0.100となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光した後に、クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成した。プリベーク後の膜(焼成前の膜)と、焼成後の膜について分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて光透過率を測定し、XYZ表色系における色度(C光源)および輝度を算出した。焼成前後の評価結果を表3に示す。
5cm角に切断したガラス基板上に、上記<着色樹脂組成物の調製>にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法により塗布をし、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光し、クリーンオーブンにて230℃で60分間焼成した。得られた加熱前後の基板をそれぞれ2枚の偏光板で挟み、背面側から波長範囲380〜780nmの光で照射しつつ前面側の偏光板を回転させ、透過する光強度を輝度計BM−5AS(トプコン社製)にて最大値と最小値を測定した。そして、その最大値を最小値で割った値を、コントラスト比として評価した。結果を表4に示す。
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極
Claims (11)
- (A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、
(A)色材が、(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。 - 前記(A−1)トリアリールメタン系化合物が、下記式(I)で表される化合物である、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
[An-]は、置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。
R1〜R4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R5及びR6は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
- 前記アニオンにおけるハロゲノアルキル基が、3〜6個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基である、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
- 前記アニオンが、置換基を有していてもよい1〜4価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 前記トリアリールメタン系化合物の含有割合が、全固形分中0.01質量%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 前記キサンテン系化合物の含有割合が、全固形分中0.01質量%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- (D)重合性モノマーを更に含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- (E)光重合開始成分及び/又は(E’)熱重合開始成分を更に含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有する、カラーフィルタ。
- 請求項9に記載のカラーフィルタを有する、液晶表示装置。
- 請求項9に記載のカラーフィルタを有する、有機EL表示装置。
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