JP2016216628A - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents

着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高コントラストであり、かつ、焼成前及び焼成後の輝度が高い着色樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、(A)色材が、(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含有することを特徴とする着色樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
液晶表示装置及び有機EL(Electroluminescence)表示装置を始めとするフラットパネルディスプレイは、幅広く使用されており、これらのディスプレイにはカラーフィルタが使用されている。省エネルギー化という時代の流れを汲んで、カラーフィルタには更なる高色純度化、高輝度化及び高コントラスト化が求められている。
これまで、カラーフィルタ形成用材料である色材として、顔料を用いた着色樹脂組成物が主に使用されているが、高輝度及び高コントラストとするために、例えば、非特許文献1では顔料粒子の粒径をその呈色波長の1/2以下にまで微細化し分散する方法が開示されている。
近年、着色樹脂組成物に用いられる色材として、染料を適用する検討が種々なされている。例えば、着色剤としてキサンテン染料及びC.I.ピグメントブルー15:6を含む着色硬化性樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。また、着色剤としてキサンテン染料及びトリアリールメタン系染料を含む着色樹脂組成物が知られている(特許文献2参照)。
特開2010−032999号公報 特開2014−016593号公報
橋爪清、「色材協会誌」、1967年12月、p608
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、特に青色顔料は他の赤色、緑色顔料に比較して呈色波長が短く、さらなる微分散を必要とし、コストアップ並びに分散後の安定性が問題となる。
また、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の方法では、キサンテン染料から発せられる蛍光により、得られるカラーフィルタのコントラストが十分ではないことが見出された。
他方、カラーフィルタを製造するには、目標とする輝度を設定し、それに適合するような着色樹脂組成物を設計する必要があるが、カラーフィルタ製造時に焼成プロセスを経ることで得られるカラーフィルタの輝度が低下する傾向があり、また、温度などの焼成プロセス条件によって低下の程度も異なる。そのため、目標とする輝度を達成するために、焼成プロセス前の時点で輝度が高いことが要求されている。しかしながら特許文献2に記載の方法では、焼成前の輝度が低いことが見出された。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、高コントラストであり、かつ、焼成前及び焼成後の輝度が高い着色樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のトリアリールメタン系化合物とキサンテン化合物とを併用することで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は以下を要旨とする。
[1] (A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、
(A)色材が、(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。
[2] 前記(A−1)トリアリールメタン系化合物が、下記式(I)で表される化合物である、[1]に記載の着色樹脂組成物。
Figure 2016216628
(上記式(I)中、
[An-]は、置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。
1〜R4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
5及びR6は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
Figure 2016216628
[3] 前記アニオンにおけるハロゲノアルキル基が、3〜6個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基である、[1]又は[2]に記載の着色樹脂組成物。
[4] 前記アニオンが、置換基を有していてもよい1〜4価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオンである、[1]〜[3]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[5] 前記トリアリールメタン系化合物の含有割合が、全固形分中0.01質量%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[6] 前記キサンテン系化合物の含有割合が、全固形分中0.01質量%以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[7] (D)重合性モノマーを更に含有することを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[8] (E)光重合開始成分及び/又は(E’)熱重合開始成分を更に含有する、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有する、カラーフィルタ。
[10] [9]に記載のカラーフィルタを有する、液晶表示装置。
[11] [9]に記載のカラーフィルタを有する、有機EL表示装置。
本発明によれば、高コントラストであり、かつ、焼成前及び焼成後の輝度が高い着色樹脂組成物を提供することができる。
図1は、本発明のカラーフィルタを有する有機EL素子の一例を示す断面概略図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の記載は本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及びメタクリルのうち少なくとも一方」、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一方」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一方」を意味するものとする。
また「全固形分」とは、後記する溶剤成分以外の本発明の着色樹脂組成物の全成分を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
また、「C.I.ピグメントグリーン」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)所収の色材名称を意味する。
本発明の着色樹脂組成物は、(A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、(A)色材が、(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含有する。さらに、(D)重合性モノマー、並びに(E)光重合開始成分及び(E’)熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含有することが好ましく、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
[(A)色材]
(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアールメタン系化合物
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアリールメタン系化合物(以下、「(A−1)トリアリールメタン系化合物」と略記する場合がある)を含有する。前記(A−1)トリアリールメタン系化合物を含有することで、(A−2)キサンテン系化合物からの蛍光エネルギーを十分に吸収でき、高コントラストを発現することができると考えられる。
なお、本発明においてトリアリールメタン系化合物とは、少なくともトリアリールメタン構造を含む化合物を意味する。トリアリールメタンにおけるアリールとは、芳香族環基を意味し、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基を含む。
トリアリールメタン構造におけるアリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルホン酸基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、カルボニル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基などが挙げられ、これらの中でも透過スペクトルの急峻さ、焼成後の耐久性の観点から、アミノ基であることが好ましい。これにより、透過スペクトルが急峻となることで焼成前の輝度が十分高くなるだけでなく、トリアリールメタン系化合物の外的要因による分解が抑制されることで焼成後の輝度も高くなる傾向がある。また、アミノ基の水素原子は、アルキル基及び/又は芳香族環基で置換されていてもよい。
また、(A−1)トリアリールメタン系化合物は、ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有する。ハロゲノアルキルスルホニル基を含むことにより誘起効果が生じ、分子軌道がアニオン全体に非局在化するため、カチオンとの相互作用が大きくなり、焼成前の輝度が高くなると考えられる。ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンとしては、スルホネート、ホスホネート、ボレート、イミドアニオン、メチドアニオン等が挙げられ、これらの中でも耐熱性の観点から、置換基を有していてもよいハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又は置換基を有していてもよいハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンであることが好ましく、製造負荷低減の観点から、置換基を有していてもよいハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオンであることがより好ましい。
ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンの価数は特に限定されないが、通常1価以上とすることができ、溶解性の観点から好ましくは4価以下、より好ましくは2価以下、さらに好ましくは1価である。
また、ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンの分子量は特に限定されないが、電気信頼性の観点から200以上が好ましく、250以上がより好ましく、300以上がさらに好ましく、500以上がよりさらに好ましく、また、溶解性の観点から1000以下が好ましく、800以下がより好ましく、700以下がさらに好ましく、600以下がよりさらに好ましい。
ハロゲノアルキルスルホニル基におけるハロゲノアルキル基の炭素数は特に限定されないが、12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、4以下であることがよりさらに好ましく、2以下であることが特に好ましく、通常1以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、前記上限値以下とすることでカチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の種類は特に限定されないが、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であることが好ましく、フッ素又は塩素であることがより好ましく、フッ素であることがさらに好ましい。ハロゲン原子の種類を上記のものとすることで、アニオンの電荷がより非局在化して、色材の耐熱性を向上できる傾向がある。
また、ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の数は特に限定されないが、27以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な溶解性を有し、カチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
前記(A−1)トリアリールメタン系化合物の化学構造は特に限定されないが、吸収波形の急峻さによる輝度向上の効果、カチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じることによる耐久性向上の効果などの観点から、下記一般式(I)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2016216628
上記式(I)中、[An-]は、置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。
1〜R4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表し、R5及びR6は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる下記式(I)CAで表される複数のカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。
Figure 2016216628
(R1〜R4
1〜R4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
1〜R4で表される基の分子量は特に限定されないが、溶解性の観点から、各々独立に、通常1以上であり、好ましくは10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、また、着色性の観点から、各々独立に、200以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましく、120以下であることがさらに好ましい。
1〜R4におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物中において、トリアリールメタン系化合物の溶解度を適切に調整することができるとともに、カチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、3−メチルブチル基等が挙げられる。これらの中でも式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用の観点から、直鎖状のアルキル基が好ましい。
また、置換基を有するアルキル基の具体例としては、フェネチル基、2−エトキシエチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基等が挙げられる。
1〜R4における芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、通常4以上であり、6以上であることが好ましい。前記上限値以下とすることで、共役長が適切となり、500nm付近の吸収波形が急峻となるために高輝度化する傾向が見られるとともに、着色樹脂組成物中において、トリアリールメタン系化合物と、組成物を構成する他の化合物との相互作用が適当となるために、溶解度を適切に調整できる傾向がある。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
隣接するR3とR4とは連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。また、該環はヘテロ原子で架橋された環であってもよく、この具体例として、例えば以下の構造が挙げられる。
Figure 2016216628
耐熱性の点から、R1〜R4として好ましくは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であるか、或いは隣接するR3およびR4が互いに連結して環を形成する場合であり、より好ましくは、各々独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基である。これらの置換基は輝度の点でも好ましい。
1およびR2は、化合物(I)の耐熱性を向上し、得られるカラーフィルタの耐熱性が優れる点で、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であることが好ましく、輝度の観点から、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基であることがさらに好ましい。
1およびR2が、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基である場合、超共役によりカチオン内の電荷が分散し、カチオンが安定化するものと推測される。
より具体的には、R1およびR2におけるアルキル基の炭素数は、トリアリールメタン骨格のコンフォメーションに影響し難い点(輝度への影響が少ない)及び窒素上の置換基が脱離し難い点(化合物(I)が安定である)で、好ましくは8以下、更に好ましくは4以下、また好ましくは2以上である。
1およびR2が、置換基を有していてもよいフェニル基である場合、共役系が延長する為、カチオン内の電荷が分散して、カチオンが安定化すると考えられる。このように、カチオンが安定化した結果、得られるカラーフィルタの耐熱性がより優れるものとなると考えることができる。
3およびR4は、化合物(I)の輝度が優れる点で、少なくとも1つが置換基を有してもよいアルキル基であることが好ましく、また、耐熱性の観点から、R3及びR4のうちいずれか一方が置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、他方が水素原子であることが好ましい。
また、輝度の観点からは、R3およびR4のうち少なくとも1つが、置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基であることが好ましい。R3およびR4のうち少なくとも1つを、置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基とすることで、溶解性が向上するため、染料分子同士の会合が抑えられ、輝度が向上するものと考えられる。
この場合、R3およびR4の両方を、置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基としてもよく、また、R3およびR4のいずれか一方を、置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基とし、他方を水素原子としてもよい。耐熱性の観点からは、R3およびR4のいずれか一方が置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基であり、他方が水素原子であることが好ましい。
直鎖状アルキル基の炭素数は、12以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、また、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物を構成する他の成分との相互作用が適当となるために、溶解度を適切に調整することができる傾向があり、前記下限値以上とすることで置換基の熱分解を抑制し、耐熱性を向上することができる傾向がある。
具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。これらの中でも耐熱性との観点からはブチル基が好ましい。
直鎖状アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば後述の置換基群W1のものが挙げられる。これらの中でも、耐熱性との観点からは、フッ素原子、フェニル基又はトリル基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。置換基を有する直鎖状アルキル基の具体例としては、4,4,4−トリフルオロブチル基、2−フェニルエチル基、2−トリルエチル基等が挙げられる。これらの中でも耐熱性との観点からは4,4,4−トリフルオロブチル基が好ましい。
一方で、R3及びR4のうち少なくとも1つが、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基であることが好ましい。R3及びR4のうち少なくとも1つを、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とすることで、式(I)で表される分子の熱や光での分解の原因となる、他分子からの攻撃をこの置換基が阻害するため、耐熱性、耐光性の向上に寄与するものと考えられる。
また、R3及びR4の両方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基としてもよく、また、R3及びR4のうちいずれか一方を置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を、該アルキル基以外の基としてもよい。R3およびR4の置換基が大きいと立体障害となって式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用を阻害し、耐熱性が低下する場合があると考えられることから、R3及びR4のうちいずれか一方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を該アルキル基以外の基とすることが好ましく、いずれか一方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を水素原子とすることがさらに好ましい。
なお、「R3及びR4のうち少なくとも1つが置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基である」とは、R3またはR4のうち少なくとも1つが、下記式(II)で表される基を有する基であることをいう。なお、式中の*は結合手を意味する。
下記式(II)のα、βは、各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。C−α結合は、炭素原子と置換基αの有する炭素原子との結合を表しており、C−β結合も同様に炭素原子と置換基βが有する炭素原子との結合を表している。なお、αとβは連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。
Figure 2016216628
置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基は、上記式(II)で表される基を有する基であれば何ら限定されないが、例えば、上記式(II)で表される基そのものであってもよいし、置換基を有していてもよいアルキレン基に上記式(II)で表される基が結合したものであってもよい。但し、窒素原子周辺を嵩高くするとの観点からは、上記式(II)で表される基そのものであることが好ましい。すなわち、光での分解の原因となる、他分子からの攻撃をこの置換基が阻害するため、諸物性の向上に寄与する傾向がある。
αおよびβにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、αおよびβを炭素数に含めて、30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、6以下であることが最も好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物中において、式(I)の溶媒への溶解度を適切に調整することができるとともに、式(I)で表される分子同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、3−メチルブチル基等が挙げられる。これらの中でも式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用の観点から、直鎖状のアルキル基が好ましい。
また、置換基を有するアルキル基の具体例としては、フェネチル基、2−エトキシエチル基等が挙げられる。
αおよびβにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常4以上である。前記上限値以下とすることで、式(I)の溶媒への溶解度を適切に調整することができるとともに、式(I)で表される分子同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
αとβは連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。
また、該環はヘテロ原子で架橋された環であってもよい。該環の炭素数(ただし、αとβと結合したC原子、α及びβを含む)は30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記上限値以下とすることで、式(I)の溶媒への溶解度を適切に調整することができるとともに、式(I)で表される分子同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
αとβが連結して環を形成する場合において、第二級炭素を有するアルキル基の具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。
Figure 2016216628
αおよびβにおけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、後述する置換基群W1のものが挙げられる。また、芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えば、後述する置換基群W2のものが挙げられる。さらに、互いに連結して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W3のものが挙げられる。
αおよびβとして好ましくは、αおよびβを炭素数に含めて、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状のアルキル基又はαおよびβが互いに連結して環を形成する場合である。より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキル基又は炭素数が3〜10の隣接するαおよびβが互いに連結して環を形成する場合である。これらの置換基であると、式(I)で表される化合物同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
3及びR4における第二級炭素を有するアルキル基における炭素数の総和は30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、6以下であることが最も好ましい。通常3以上であり、好ましく4以上であり、より好ましくは5以上である。前記範囲内とすることで、着色樹脂組成物中において、式(I)で表される分子間の相互作用や、式(I)で表される化合物において分子内でのカチオンとアニオンの静電相互作用が適切となり、耐久性が向上できる傾向がある。
第二級炭素を有するアルキル基の具体例としては、イソプロピル基、s−ブチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、シクロペンチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1−プロピルブチル基、1−エチルペンチル基、1−プロピルペンチル基、1−ブチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルヘキシル基、1−ブチルヘキシル基、1−プロピルヘキシル基、シクロへキシル基、2−メチルシクロへキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2−プロピルシクロヘキシル基、2−イソプロピルシクロヘキシル基、2−シクロプロピルシクロヘキシル基、2−ブチルシクロヘキシル基、2−s−ブチルシクロヘキシル基、2−t−ブチルシクロヘキシル基、2−イソブチルシクロヘキシル基、2−シクロブチルシクロヘキシル基、2−ペンチルシクロヘキシル基、2−シクロペンチルシクロヘキシル基、2−シクロヘキシルシクロヘキシル基、3−メチルシクロへキシル基、4−メチルシクロへキシル基、2,6−ジメチルシクロへキシル基、2,4−ジメチルシクロへキシル基、3,5−ジメチルシクロへキシル基、2,5−ジメチルシクロへキシル基、2,3−ジメチルシクロへキシル基、3,3,5−トリメチルシクロへキシル基、4−t−ブチルシクロへキシル基、1−エチルヘプチル基、1−メチルヘプチル基、1−プロピルヘプチル基、1−ブチルヘプチル基、1−ペンチルヘプチル基、1−ヘキシルヘプチル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロヘプチル基、3−メチルシクロヘプチル基、4−メチルシクロヘプチル基、2,7−ジメチルシクロヘプチル基、1−シクロヘキシルエチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1−プロピルオクチル基、1−ブチルオクチル基、1−ペンチルオクチル基、1−ヘキシルオクチル基、1−ヘプチルオクチル基、シクロオクチル基、1−メチルシクロオクチル基、2−メチルシクロオクチル基、3−メチルシクロオクチル基、4−メチルシクロオクチル基、2−アダマンチル基等が挙げられる。
これらの中でも、式(I)で表される分子同士の会合やアニオンとの静電相互作用による耐久性向上の観点から、イソプロピル基、s−ブチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルブチル基、1−プロピルブチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、シクロペンチル基、又はシクロオクチル基が好ましい。
一方で、R3及びR4のうちいずれか一方を、置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基とし、他方を該アルキル基以外の基とした場合、該アルキル基以外の基(置換基を有していてもよい、第二級炭素を有するアルキル基以外の基)としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等の炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、ブトキシエチル基等の炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、2−ヒドロキシエトキシ基等の炭素数1〜5のヒドロキシアルコキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ(炭素数1〜5の)アルコキシ基、2−スルホエチル基、カルボキシエチル基、シアノエチル基等が挙げられる。
1〜R4におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W1のものが挙げられる。また、芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W2のものが挙げられる。さらに、互いに連結して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群W3のものが挙げられる。
(置換基群W1)
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数2〜8のアルケニル基;炭素数1〜8のアルコキシル基;フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;カルボキシル基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;フェネチル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基;ニトロ基;炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
(置換基群W2)
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8のアルキル基;炭素数2〜8のアルケニル基;ヒドロキシル基;炭素数1〜8のアルコキシル基:フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;カルボキシル基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルホン酸基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;カルボニル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
(置換基群W3)
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8のアルキル基;炭素数2〜8のアルケニル基;炭素数1〜8のアルコキシル基;フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環基;シアノ基;アセチルオキシ基;炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基;スルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基;炭素数2〜9のアルキルカルボニル基;フェネチル基;ヒドロキシエチル基;アセチルアミド基;炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基;トリフルオロメチル基;炭素数1〜8のトリアルキルシリル基;ニトロ基;炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
(R5及びR6
5及びR6は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基である。一般式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物は、R5及びR6が、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基であることに起因し、カチオンの共役系が広がり、電荷が安定し、耐熱性及び耐光性が向上する傾向があると考えられる。
5及びR6における芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、通常4以上であり、好ましくは6以上である。前記上限値以下とすることで式(I)の溶媒への溶解度を適切に調整することができるとともに、式(I)で表される分子同士の会合やカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
5及びR6はそれぞれR1及びR2と連結して環を形成してもよく、更に該環は、置換基を有していてもよい。また、該環はヘテロ原子で架橋された環であってもよい。その炭素数は28以下であることが好ましく10以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましい。互いに連結して形成される環が有していてもよい置換基としては、例えば、前述の置換基群W3のものが挙げられる。これらの置換基であると、式(I)で表される化合物同士の会合や、分子間のカチオンとアニオンとの効果的な相互作用が生じるために耐熱性および耐光性が向上する傾向がある。
これらの中でも500nm付近の吸収波形の急峻さ、つまり高輝度化の観点からは、1個の遊離原子価を有する芳香族炭化水素環基であることが好ましく、単環又は二環の芳香族炭化水素環基であることがより好ましく、ベンゼン環であることがさらに好ましい。
5及びR6における芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えば、上記の置換基群W2のものが挙げられる。特に、500nm付近の吸収波形の急峻さ、つまり高輝度化の観点や、超共役によるカチオン内の電荷の分散によるカチオンの安定化による耐熱性や耐光性の向上の観点から、R5及びR6における芳香族環基が無置換である、アルキル基を置換基として有する、又はアルコキシ基を置換基として有することが好ましく、無置換である、又はアルキル基を置換基として有することがより好ましい。芳香族環基が有していてもよいアルキル基及びアルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは8以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下、通常1以上である。
(R1〜R6の組み合わせ)
1〜R6としては、上述したものから適宜選択すればよい。組み合わせの具体例としては例えば表1に記載するものが挙げられる。なお、表1に挙げられているアルキル基、芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基はさらに任意の置換基を含んでいても良い。また表中のCは、炭素数を意味する。
1〜R6の組み合わせとしては、耐熱性の観点から、式(I)で表される化合物同士が会合しやすく、式(I)で表される化合物の熱分解の原因となる他分子からの攻撃を阻害でき、かつ、置換基の立体障害によるカチオンとアニオンとの静電相互作用を低下させない傾向があることから、R3が水素原子でかつR4が置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、トリアリールメタン骨格の2つのベンゼン環とナフタレン環が結合した炭素原子への他の分子からの攻撃を阻害できる傾向があることから、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜12の芳香族炭化水素環基または置換基を有していてもよい炭素数4〜12の芳香族複素環基であることが好ましい。
一方、500nm付近の吸収波形の急峻さ、つまり高輝度化の観点からは、π共役系の広がりが避けられ、吸収スペクトルの形状がシャープになる傾向があることから、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基で、R3が水素原子でかつR4が置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、加えて、π共役系の電荷の偏りがなく、吸収スペクトルの形状がシャープになる傾向があることから、R5およびR6が、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数4〜12の芳香族炭化水素環基であることがさらに好ましい。
式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物は、トリアリールメタン骨格を形成する2つのベンゼン環のパラ位に窒素原子が結合し、かつ、オルト位およびメタ位に水素原子が結合した対称的な分子構造を有していることから、オルト位やメタ位に置換基を有する他の構造よりも、スペクトル形状が良好で輝度が高くなるものと考えられる。また、オルト位やメタ位に置換基を有する場合に比べて、立体障害による分子のねじれが少なくなり耐熱性が良好なものとなると考えられる。分子構造を対照的なものとするとの観点からは、R1とR2を同じ基とし、及び/又は、R5とR6を同じ基とすることが好ましい。
Figure 2016216628
([An-]及びnについて)
式(I)において、[An-]は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表し、nは1〜4の整数を表す。ここで、Aは、アニオンを構成する原子団を表す。
nはカチオンとの相互作用の観点からは、通常4以下であり、2以下であることが好ましく、1であることがより好ましい。前記上限値以下とすることで、アニオンとカチオンが近くに配置されるため、耐熱性、耐光性などの物性を向上することができる傾向がある。
また、アニオンを構成する原子団であるAの分子量は特に限定されないが、電気信頼性の観点から200以上が好ましく、250以上がより好ましく、300以上がさらに好ましく、500以上がよりさらに好ましく、また、溶解性の観点から1000以下が好ましく、800以下がより好ましく、700以下がさらに好ましく、600以下がよりさらに好ましい。
トリアリールメタンカチオンの対アニオンは、対アニオンの電荷が非局在化しやすいとの観点から、イミドアニオン又はメチドアニオンである。すなわち、アニオンの電荷が非局在化することにより、対アニオンがトリアリールメタンカチオンと熱および光で反応することを抑制できるため、耐久性が向上する傾向にある。
特に、アニオンをハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンとすることで、アニオンの電荷が非局在化することによりカチオンとの相互作用が強くなり耐熱性が向上する傾向があると考えられる。
ハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンにおけるハロゲノアルキル基の炭素数は12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常1以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、前記上限値以下とすることでカチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の種類は特に限定されないが、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であることが好ましく、フッ素又は塩素であることがより好ましく、フッ素であることがさらに好ましい。ハロゲン原子の種類を上記のものとすることで、アニオンの電荷がより非局在化して、色材の耐熱性を向上できる傾向がある。
また、ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の数は特に限定されないが、27以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な溶解性を有し、カチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
ハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオンの具体例としては、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、ビスペンタフルオロエタンスルホニルイミドアニオン、ビスノナフルオロブタンスルホニルイミドアニオンなどが挙げられるが、アニオンの耐熱性の観点からは、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、又はビスペンタフルオロエタンスルホニルイミドアニオンが好ましく、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオンがより好ましい。
また、ハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンの具体例としては、トリストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、トリスペンタフルオロエタンスルホニルイミドアニオン、トリスノナフルオロブタンスルホニルイミドアニオンなどが挙げられるが、カチオンとの立体反発の影響が小さいとの観点からは、トリストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、又はトリスペンタフルオロエタンスルホニルイミドアニオンが好ましく、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオンがより好ましい。
また、ハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンが有していてもよい置換基としては特に限定されないが、前述の置換基群W3として例示したものを用いることができ、その中でもアニオン中の電荷分布の安定性の観点からは置換基を有していてもよい芳香族環基が好ましい。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、通常4以上であり、好ましくは6以上である。前記上限値以下とすることでカチオンとの立体障害を抑えてアニオンを安定化できる傾向がある。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
これらの中でもカチオンとの立体障害抑制の観点から、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、又はトリアジン環が好ましく、ベンゼン環、又はトリアジン環がより好ましく、トリアジン環がさらに好ましい。トリアジン環は平面性が高いため、染料のカチオンが有する芳香族部位や、同一系内に存在するアニオン部分との相互作用が強くなる傾向があると考えられる。また、スルホニルイミド骨格又はスルホニルメチド骨格を有するため、カチオンとの立体反発が少なく、より強固なイオン対を形成し易いものと考えられる。その結果、カチオンとアニオンとが分離し難いため、耐熱性が高く、電界中であってもカチオンとアニオンの相互作用の低下が抑制しやすく、これより得られる画素の電圧保持率が高くなる傾向がある。
ハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンが有していてもよい置換基の数は特に限定されないが、立体障害抑制の観点から、1〜3であることが好ましく、1であることがより好ましい。
(式(A−1)、式(A−2)で表されるアニオン)
これらの中でも、アニオン安定化の観点から、前記置換基はアニオンの末端にあることが好ましく、特に下記式(A−1)で表されるアニオン、又は下記式(A−2)で表されるアニオンであることが好ましい。
Figure 2016216628
上記式(A−1)中、R1a及びR2aは各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
3aは直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
4aはハロゲノアルキル基を表す。
1〜X3は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
Figure 2016216628
上記式(A−2)中、R5a及びR6aは各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
7aは直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
8a及びR9aは各々独立に、ハロゲノアルキル基を表す。
4〜X6は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
(R1a、R2a、R5a、R6a
1a、R2a、R5a、及びR6aは各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
1a、R2a、R5a、及びR6aで表される基の分子量は特に限定されないが、溶解性の観点から、各々独立に、通常1以上であり、好ましくは10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、また、着色性の観点から、各々独立に、200以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましく、120以下であることがさらに好ましい。
これらのうち、アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は溶媒への溶解性の観点から、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、溶媒への溶解性の観点から、2以上であることが好ましい。
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、3−メチルブチル基等が挙げられる。これらの中で形成される塩の結晶性と溶解性のバランスの観点から、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、前述の置換基群W1のものが挙げられ、電気信頼性の観点からカルボキシル基が好ましい。
またこれらのうち、芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は立体障害抑制の観点から、30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましく、また結晶性と溶解性とのバランスの観点から4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましい。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの芳香族環基の中でも製造容易性の観点からは、芳香族炭化水素環基であることが好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W2のものが挙げられ、電気信頼性の観点からカルボキシル基が好ましい。
これらの中でも、着色樹脂組成物の安定性の観点から、R1a及びR2aは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基であることが好ましい。
1aとR2aは同じであっても異なっていてもよい。例えば、R1a及びR2aが、各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であってもよく、R1a及びR2aが、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよく、R1aが置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、R2aが置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよい。
5aとR6aは同じであっても異なっていてもよい。例えば、R5a及びR6aが、各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であってもよく、R5a及びR6aが、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよく、R5aが置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、R6aが置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよい。
(R3a、R7a
3a及びR7aは各々独立に、直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
3a及びR7aで表される基の分子量は特に限定されないが、溶解性の観点から、各々独立に、通常0以上であり、好ましくは10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、また、着色性の観点から、各々独立に、200以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましく、120以下であることがさらに好ましい。
これらのうち、アルキレン基としては、直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基、環状のアルキレン基、又はこれらを結合した基が挙げられる。その炭素数は電荷の偏りを抑制するとの観点から、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、通常1以上である。
具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。これらの中で電荷の偏りを抑制するとの観点から、メチレン基が好ましい。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W1のものが挙げられる。
また、これらのうち、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数はアニオンの剛直性及び耐熱性の観点から、30以下であることが好ましく12以下であることがより好ましく、通常4以上であり、6以上であることが好ましい。
2価の芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
これらの2価の芳香族環基の中でも電荷の偏り抑制との観点からは、2価の芳香族炭化水素環基であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W2のものが挙げられる。
(R4a、R8a、R9a
4a、R8a、及びR9aは各々独立に、ハロゲノアルキル基を表す。
ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の種類は特に限定されないが、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であることが好ましく、フッ素又は塩素であることがより好ましく、フッ素であることがさらに好ましい。ハロゲン原子の種類を上記のものとすることで、アニオンの電荷がより非局在化して、色材の耐熱性を向上できる傾向がある。
また、ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の数は特に限定されないが、27以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な溶解性を有し、カチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
ハロゲノアルキル基の炭素数は特に限定されないが、12以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましく、2以下が特に好ましく、通常1以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、前記上限値以下とすることでカチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基などが挙げられ、電荷の偏り抑制との観点からトリフルオロメチル基であることが好ましい。
(X1〜X6
1〜X6は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−から
なる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
つまり、X1〜X6は各々独立に、上記群から選ばれる2価の基を2種以上結合したものでもよく、また1種を2個以上結合したものでもよい。結合する場合の個数は、通常2個以上、また通常15個以下、好ましくは12個以下、より好ましくは10個以下である。
これらの中でも、合成容易性の観点から、−(CH2)−又は−NH−であることが好ましく、−NH−であることがより好ましい。
これらの中でも耐熱性が高く、カチオンとの立体反発の影響が小さいためアニオンとのカチオンとの相互作用が大きくなり、対イオンが安定化して染料の耐熱性が向上するとの観点からは、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、トリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオン、又は2,6−ジフェニルアミノ−4−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン環含有トリフルオロメタンスルホニルイミドアニオンであることが好ましい。
また、着色樹脂組成物中における、前記式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物の存在形態については特に限定されず、染料及び/又は顔料であってもよく、輝度とコントラストの観点からは染料の形態で存在することが好ましい。
(分子量)
前記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物において、トリアリールメタンカチオンの分子量は、270以上であることが好ましく、470以上であることがより好ましく、また、通常1970以下である。上記範囲内であると、着色樹脂組成物への溶解性が十分である点、着色樹脂組成物での含有量を少なくすることができるために硬化性を十分に担保できる点で好ましい。
カチオンとアニオンの合計分子量は、300以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、また、通常2000以下である。上記範囲内であると、着色樹脂組成物への溶解性が十分である点、着色樹脂組成物での含有量を少なくすることができるために硬化性を十分に担保できる点で好ましい。
(式(I)で表される化合物の具体例)
前記式(I)で表される化合物としては、例えば以下に挙げられるものを用いることができる。
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
((A−1)トリアリールメタン系化合物の合成方法)
(A−1)トリアリールメタン系化合物は、例えば「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)、「理論製造 染料化学」(細田豊著、技報堂、1957年)、国際公開第2009/107734号パンフレットに記載の方法に準じて合成することができるが、この方法に限らない。
((A−1)トリアリールメタン系化合物の着色樹脂組成物中の含有割合)
本発明の着色樹脂組成物において、(A)色材中に(A−1)トリアリールメタン系化合物が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。(A−1)トリアリールメタン系化合物を全固形分中、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは8質量%以上、また好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下の割合で含有することができる。
上記上限値以下であると、塗膜の硬化性が低下し難く、膜強度が十分である傾向があるため好ましい。また、上記下限値以上であると、着色力が十分であることから、所望の濃度の色度が得られ易く、また膜厚が厚くなり難いため好ましい。
(式(I)で表される化合物の色材中での含有割合)
また、(A)色材中における式(I)で表される化合物の含有割合は特に限定されないが、(A)色材に対して、0.01質量%以上であることが好ましく1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。上記下限値以上であると、着色力が十分であることから、所望の輝度が得られ易いため好ましい。また、通常100質量%以下であり、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。
(A−2)キサンテン系化合物
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、さらに(A−2)キサンテン系化合物を含む。前記(A−2)キサンテン系化合物を含むことで、焼成前の輝度を向上できると考えられる。
(A−2)キサンテン系化合物は、分子内にキサンテン骨格を有する化合物である。(A−2)キサンテン系化合物としては、例えば、C.I.アシッドレッド51(以下、C.I.アシッドレッド等の記載を省略し、番号のみの記載とする。他も同様である。)、52、87、92、94、289、388、C.I.アシッドバイオレット9、30、102、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)、2、3、4、8、C.I.ベーシックレッド10(ローダミンB)、11、C.I.ベーシックバイオレット10、11、25、C.I.ソルベントレッド218、C.I.モーダントレッド27、C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)、スルホローダミンG、特開2010−32999号公報に記載のキサンテン系化合物及び特許第4492760号公報に記載のキサンテン系化合物等が挙げられる。また、着色樹脂組成物への高溶解性、および輝度向上の観点から、特開2014−005451号公報に記載のキサンテン系化合物を用いることが好ましく、また、耐久性の高いキサンテン系化合物を着色樹脂組成物へ適用する観点から、特開2014−016593号公報に記載のキサンテン系化合物を用いるのが好ましい。特に有機溶剤に溶解するものが好ましい。
これらの中でも、(A−2)キサンテン系化合物としては、式(III−1)で表される化合物(以下、「化合物(III−1)」という場合がある。)が好ましい。化合物(III−1)は、その互変異性体であってもよい。
Figure 2016216628
式(III−1)中、R101〜R104は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。また、隣接するR101〜R104同士が連結して環を形成してもよく、該環は、置換基を有していてもよい。
105は、−OH、−SO3 -、−SO3 -+、−CO2 -、−CO2H、−CO2 -+、−CO2108、−SO3108又は−SO2NR109110を表す。
106及びR107は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR105は同一でも異なっていてもよい。
nは、1〜4の整数を表す。aは、1〜3の整数を表す。bは、0〜nの整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
+は、Na+、K+もしくは第四級アンモニウムカチオンを表す。
108〜R110は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
ただし、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(III−1)CAで表される部位は、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。
Figure 2016216628
(R101〜R104
101〜R104は互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
101〜R104におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、5以下であることが特に好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物への溶解性が適切に調整できるとともに、着色樹脂組成物に含まれる各種成分と適切な相互作用が可能となり、耐久性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、3−メチルブチル基等が挙げられる。また、置換基を有するアルキル基の具体例としては、フェネチル基、2−エトキシエチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基等が挙げられる。
101〜R104における芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましく、通常4以上であり、6以上であることが好ましい。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物への溶解性が適切に調整できるとともに、トリアリールメタン系化合物との間に相互作用が生じやすくなるために、耐久性が向上できる傾向がある。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
該芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、−R108、−OH、−OR108、−SO3 -、−SO3 -+、−CO2H、−CO2108、−SR108、−SO2108、−SO3108又は−SO2NR109110が挙げられる。これらの中でも、置換基としては、−R108、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+及び−SO2NR109110が好ましく、−R108、−SO3+及び−SO2NR109110がより好ましい。この場合の−SO3 -+としては、−SO3 - +N(R1084が好ましい。
該芳香族環基が有していてもよい置換基の数は特に限定されないが、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、また、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。前記下限値以上とすることでキサンテン系化合物の耐久性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで吸収スペクトルが急峻となりやすくなるために、少量の添加によって輝度が向上しやすくなる傾向がある。
101〜R104の組み合わせとしては、例えば、R101〜R104が水素原子である態様、R101〜R104が各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基である態様、R101〜R104が各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基である態様、R101及びR104が各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、R102及びR103が水素原子である態様、R101及びR104が各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基であり、かつ、R102及びR103が各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基である態様などが挙げられるが、これらの中でも着色樹脂組成物への溶解性、着色樹脂組成物との各種成分との相互作用による耐久性向上、トリアリールメタン系化合物との間に相互作用による耐久性向上の観点からは、R101〜R104が各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基である態様、もしくは、R101及びR104が各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基であり、かつ、R102及びR103が各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基である態様が好ましい。
隣接するR101〜R104同士連結して形成してもよい環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2016216628
これらの環が有していてもよい置換基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、カルボキシル基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基などが挙げられる。
(R108〜R110
108〜R110は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
108〜R110におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は20以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、着色樹脂組成物への溶解性、着色樹脂組成物との各種成分との相互作用による耐久性向上が両立できる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数6〜10の芳香族環基、水酸基又はハロゲン原子が挙げられる。
−OR108としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等が挙げられる。
−CO2108としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
−SR108としては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等が挙げられる。
−SO2108としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等が挙げられる。
−SO3108としては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等が挙げられる。
−SO2NR109110としては、例えば、スルファモイル基;N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
(R105及びm)
105は、−OH、−SO3 -、−SO3 -+、−CO2 -、−CO2H、−CO2 -+、−CO2108、−SO3108又は−SO2NR109110を表す。これらの中でも、キサンテン系化合物が適切な吸収極大波長を示すとともに、急峻な吸収スペクトルを示すとの観点から、−CO2H、−CO2 -+、−CO2108、−SO3 -、−SO3 -+、−SO3H又はSO2NHR109が好ましく、SO3 -、−SO3 -+、−SO3H又はSO2NHR109がより好ましく、SO3 -がさらに好ましい。 mは、0〜5の整数を表すが、着色樹脂組成物への適切な溶解性の観点から、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
mが2以上のとき、複数のR105は同一でも異なっていてもよい。
(R106及びR107
106及びR107は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
106及びR107におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は6以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、トリアリールメタン系化合物と適切な相互作用を示し、耐久性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数6〜10の芳香族環基、水酸基又はハロゲン原子が挙げられる。
これらの中でもトリアリールメタン系化合物と適切な相互作用を示し、耐久性が向上されるとの観点から、R106及びR107は、互いに独立に、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
(n)
nは1〜4の整数を表す。これらの中でも、吸収スペクトルの形状や急峻さの観点からは、nが1であることが好ましい。これにより、複数の(III−1)で示されるキサンテン系化合物との相互作用による、スペクトル形状の変化を抑制できると考えられる。
また、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の前記式(III−1)CAで表される部位は、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよいが、スペクトル形状の変化抑制の観点から、同じ構造であることが好ましい。
(a)
aは、1〜3の整数を表す。キサンテン系化合物の耐久性向上および着色樹脂組成物の溶解性の観点からは、1であることが好ましい。
(b)
bは、0〜nの整数を表す。これらの中でもキサンテン系化合物および着色樹脂組成物の電気信頼性の観点からは、0であることが好ましい。他方、キサンテン系化合物の耐久性向上の観点からは、1であることが好ましい。
bが0の場合には、電気信頼性の観点から、mが1であり、かつ、R105が−SO3 -又は−CO2 -であることが好ましい。また、bが1の場合には、耐久性の観点から、mが1であり、かつ、R105が−CO2108、−SO3108又は−SO2NR109110であることが好ましい。
(X)
Xは、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でもキサンテン系化合物の耐久性向上の観点からは塩素原子、臭素原子が好ましい。
(Z+
+は、Na+、K+もしくは第四級アンモニウムカチオンである。異物低減の観点から、好ましくは第四級アンモニウムカチオンである。
さらに、第四級アンモニウムカチオンについて詳述する。
(第四級アンモニウムカチオン)
第四級アンモニウムカチオンは、+のN原子の存在により、キサンテン系酸性染料のカウンタになるものである。
カウンタ成分となる第四級アンモニウムカチオンの好ましい形態は、キサンテン系化合物と反応し、造塩化合物を形成する前の状態において、無色、または白色を呈するものである。ここで無色、または白色とは、いわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものである必要がある。
第四級アンモニウムカチオンの分子量は190以上が好ましく、240以上がより好ましく、350以上がさらに好ましく、また、900以下が好ましく、850以下がより好ましく、800以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで、耐光性、耐熱性が良好となり、さらに溶剤への溶解性が良好となる傾向がある。また前記上限値以下とすることで分子中の発色成分の割合の低下を抑制でき、発色性及び明度が向上する傾向がある。
また、第四級アンモニウムカチオンとして下記一般式(B−1)で表されるカチオンを用いることが好ましい。
Figure 2016216628
一般式(B−1)中、R201〜R204は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R201〜R204のうち少なくとも2つの基の炭素数が5〜20である。
201〜R204のうち少なくとも2つの基の炭素数を5〜20とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる傾向がある。
このような第四級アンモニウムカチオンとして具体的には、テトラメチルアンモニウム(分子量74)、テトラエチルアンモニウム(分子量122)、モノステアリルトリメチルアンモニウム(分子量312)、ジステアリルジメチルアンモニウム(分子量550)、トリステアリルモノメチルアンモニウム(分子量788)、セチルトリメチルアンモニウム(分子量284)、トリオクチルメチルアンモニウム(分子量368)、ジオクチルジメチルアンモニウム(分子量270)、モノラウリルトリメチルアンモニウム(分子量228)、ジラウリルジメチルアンモニウム(分子量382)、トリラウリルメチルアンモニウム(分子量536)、トリアミルベンジルアンモニウム(分子量318)、トリヘキシルベンジルアンモニウム(分子量360)、トリオクチルベンジルアンモニウム(分子量444)、トリラウリルベンジルアンモニウム(分子量612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウム(分子量388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウム(分子量248)、またはジアルキル(アルキル基の炭素数は14〜18)ジメチルアンモニウム(分子量438〜550)等を用いることが好ましい。
第四級アンモニウムカチオンを有する塩としては、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、または2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、またはアーカード2HT−75(ジアルキル(アルキル基の炭素数は14〜18)ジメチルアンモニウムクロライド)等の製品が好ましいものである。
第四級アンモニウムカチオンは、側鎖にカチオン性基、特にアンモニウム基を有し、キサンテン系酸性染料と反応、造塩化させ第四級アンモニウム塩構造を形成できる、樹脂の形態であってもよい。例えば、特開2013−033194号公報に記載のものを用いることもできる。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂)
側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては例えば、下記一般式(B−2)で表される構造単位を含むアルカリ樹脂が挙げられる。当該アルカリ可溶性樹脂のカチオン性基が、キサンテン系酸性染料のアニオン性基と塩形成することで、造塩化合物を得ることができる。
Figure 2016216628
一般式(B−2)中、R205は水素原子又はメチル基を表す。R206〜R208は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を表す。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R209−、−COO−R209−を表し、R209はアルキレン基を表す。
また、化合物(III−1)としては、式(III−2)で表される化合物(以下「化合物(III−2)」という場合がある。)も好ましい。化合物(III−2)は、その互変異性体であってもよい。
Figure 2016216628
式(III−2)中、R131及びR132は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
133及びR134は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルスルファニル基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基を表す。
131及びR133が連結して環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよい。R132及びR134が連結して環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよい。
p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のR133は同一でも異なっていてもよく、qが2以上のとき、複数のR134は同一でも異なっていてもよい。
(R131及びR132
式(III−2)中、R131及びR132は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
131及びR132におけるアルキル基としては、R101〜R104におけるアルキル基として挙げたものを採用することができる。
(R133及びR134
133及びR134は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルスルファニル基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基を表す。
133及びR134におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は4以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、トリアリールメタン系化合物との相互作用による耐久性向上、ないしはキサンテン系化合物同士の相互作用による耐久性向上が見られる傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、これらの中でもトリアリールメタン系化合物との相互作用による耐久性向上、ないしはキサンテン系化合物同士の相互作用による耐久性向上の観点から、メチル基ないしはエチル基であることが好ましい。
また、R133及びR134におけるアルキルスルファニル基のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は4以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、キサンテン系化合物の構造全体に分子軌道が非局在化し、耐久性が向上する傾向がある。
アルキルスルファニル基の具体例としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
また、R133及びR134におけるアルキルスルホニル基のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は4以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、通常1以上である。前記上限値以下とすることで、キサンテン系化合物の構造全体に分子軌道が非局在化し、耐久性が向上する傾向がある。
アルキルスルホニル基の具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
これらの中でもトリアリールメタン系化合物ないしはキサンテン系化合物同士の相互作用による耐久性向上の観点から、R133及びR134は、互いに独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、メチル基がより好ましい。
133及びR134の置換位置は特に限定されないが、キサンテン系化合物が適切な吸収極大波長を有すること、およびスペクトルの急峻性の観点からo−位が好ましい。
p及びqは、キサンテン系化合物が適切な吸収極大波長を有すること、およびスペクトルの急峻性の観点から、0〜2の整数が好ましく、2がより好ましい。
化合物(III−1)や(III−2)の具体例としては、式(2−1)〜式(2−43)で表される化合物が挙げられる。なお、式中、R140は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基、さらに好ましくは2−エチルヘキシル基である。
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
Figure 2016216628
これらの中でも、C.I.アシッドレッド289のスルホンアミド化物、C.I.アシッドレッド289の4級アンモニウム塩、C.I.アシッドバイオレット102のスルホンアミド化物又はC.I.アシッドバイオレット102の第四級アンモニウム塩が好ましい。このような化合物としては、例えば、式(2−1)〜(2−8)、式(2−11)又は(2−12)で表される化合物等が挙げられる。
また、有機溶媒への溶解性に優れる点で、式(2−24)〜(2−33)のいずれかで表される化合物も好ましい。
((A−2)キサンテン系化合物の合成方法)
(A−2)キサンテン系化合物は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R−H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−32999号公報を参考に合成することもできる。
((A−2)キサンテン系化合物の着色樹脂組成物中の含有割合)
本発明の着色樹脂組成物中には、(A)色材に(A−2)キサンテン系化合物が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。(A−2)キサンテン系化合物を全固形分中、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、また好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下の割合で含有することができる。
上記上限値以下であると、塗膜の硬化性が低下し難く、膜強度が十分である傾向があるため好ましい。また、上記下限値以上であると、着色力が十分であることから、所望の濃度の色度が得られ易く、また膜厚が厚くなり難いため好ましい。
((A−2)キサンテン系化合物の色材中での含有割合)
また、(A)色材中における(A−2)キサンテン系化合物の含有割合は特に限定されないが、(A)色材に対して、1質量%以上であることが好ましく3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。上記下限値以上であると、キサンテン同市の相互作用により耐久性が向上する傾向がある。また、上記上限値以下であると、トリアリールメタン系化合物との相互作用により耐久性が向上する傾向がある。
(その他の色材)
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含有するが、本発明の効果を損なわない限り、さらにその他の色材を含有してもよい。色材としては染料や顔料が挙げられる。
(着色樹脂組成物および色材中におけるその他の色材の含有割合)
本発明の着色樹脂組成物は、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物以外の色材を含んでいてもよく、その含有割合は特に限定されないが、全固形分中、好ましくは70質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。また、(A)色材に対する含有割合は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。上記範囲内とすることで、着色樹脂組成物中における吸収波形および輝度に大きな影響を与えることなく、得られる画素の色調、耐熱性、耐光性がより良好になり易い点で好ましい。
(その他の染料)
その他の染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、ジピロメテン系染料等が好ましく挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー25、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.バットブルー5、特開2002−14222号公報、特開2005−134759号公報、特開2010−191358号公報、特開2011−148950号公報に記載のもの等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
また、トリアリールメタン系染料としては、例えば、C.I.アシッドブルー86、C.I.アシッドブルー88、C.I.アシッドブルー108、国際公開第2009/107734号パンフレット、国際公開第2011/162217号パンフレットなどに記載のものが挙げられる。
更に、シアニン系染料としては、例えば、国際公開第2011/162217号パンフレットに記載のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
ジピロメテン系染料としては、例えば、特開2008−292970号公報、特開2010−84009号公報、特開2010−84141号公報、特開2010−85454号公報、特開2011−158654号公報、特開2012−158739号公報、特開2012−224852号公報、特開2012−224849号公報、特開2012−224847号公報、特開2012−224846号公報などに記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物中には、(A)色材として、一般式(I)で表される化合物が1種だけ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
同様に、その他の染料も1種だけ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
(その他の顔料)
顔料としては、例えばカラーフィルタの画素等を形成する場合には、青色、紫色等各種の色の顔料を使用することができる。また、その化学構造としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。
これらの中でも、耐熱性及び耐光性の観点から、中心金属を有するフタロシアニン顔料が好ましく、特に青色の銅フタロシアニン顔料が好ましい。該銅フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6などが好ましく挙げられ、最も好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
この為、本発明の着色樹脂組成物が、青色顔料を含む場合、青色顔料の全含有量に対して、80質量%以上、特に90質量%以上、とりわけ95〜100質量%が、C.I.ピグメントブルー15:6であることが好ましい。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。
これらの中でも、紫色のジオキサジン顔料が好ましく、該ジオキサジン顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19、23などが好ましく挙げられ、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
この為、本発明の着色樹脂組成物が、紫色顔料を含む場合、紫色顔料の全含有量に対して、80質量%以上、特に90質量%以上、とりわけ95〜100質量%が、C.I.ピグメントバイオレット23であることが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
本発明の着色樹脂組成物に用いることのできる顔料は、高いコントラストの画素を形成しうる点から平均一次粒径の小さいものが好ましく、具体的には、平均一次粒径が40nm以下であることが好ましく、35nm以下であることがより好ましい。
特に、青色の銅フタロシアニン顔料についても同様に、好ましくは平均一次粒径が40nm以下であり、より好ましくは35nm以下、更に好ましくは20〜30nmである。
また、ジオキサジン顔料については、平均一次粒径は好ましくは40nm以下、より好ましくは25〜35nmである。着色樹脂組成物中で顔料が凝集し難い点からは、平均一次粒径が小さすぎない方が好ましい。
なお、ここで、顔料の平均一次粒径は以下の方法により測定・算出された値とすることができる。
まず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。この像から、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。
得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し、平均粒径を求める。
個々の顔料粒子の粒径:X1、X2、X3、X4、・・・・、Xi、・・・・・・Xm(mは粒子の個数)
Figure 2016216628
その他の色材のうち、耐熱性及び耐光性向上の観点からその他の顔料を含むことが好ましく、青色色材に起因する耐熱性及び耐光性向上の観点からは青色顔料を含むことがより好ましい。
[(B)溶剤]
本発明の着色樹脂組成物に含有される(B)溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
このような溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤中、基板と塗布膜の密着性、塗布膜が均一な膜厚を形成できる観点から、グリコールモノアルキルエーテル類を含有することが好ましい。中でも、特に着色樹脂組成物中の各種構成成分の溶解性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
また、例えば任意成分として前述の顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、着色樹脂組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。尚、顔料を含む着色樹脂組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
また、最近の大型基板等に対応したスリットコート方式への適性という観点からは、150℃以上の沸点をもつ溶剤を併用することも好ましい。この場合、このような高沸点溶剤の含有量は、(B)溶剤全体に対して3〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。高沸点溶剤の量が少なすぎると、例えばスリットノズル先端で染料成分などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こす可能性があり、また多すぎると組成物の乾燥速度が遅くなり、後述するカラーフィルタ製造工程における、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を惹き起こすことが懸念される。
なお、沸点150℃以上の溶剤は、グリコールアルキルエーテルアセテート類であっても、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
本発明の着色樹脂組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよいが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(B)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(B)溶剤中50質量%以上であることが好ましい。このような高沸点溶剤の割合が50質量%未満である場合には、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されないおそれがある。
本発明の着色樹脂組成物において、(B)溶剤の含有量に特に制限はないが、その上限は組成物全量に対して通常99質量%とする。組成物中の(B)溶剤の含有量が99質量%を超える場合は、(B)溶剤を除く各成分の濃度が小さくなり過ぎて、塗布膜を形成し難くなる場合がある。一方、(B)溶剤の含有量の下限値は、塗布に適した粘性等を考慮して、通常70質量%、好ましくは75質量%、更に好ましくは80質量%である。
[(C)バインダー樹脂]
(C)バインダー樹脂は、着色樹脂組成物の硬化手段により好ましいものが異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる、アルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(C−1)」と称す場合がある。)
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
尚、樹脂(C−2)〜(C−5)は、アルカリ性の現像液によって溶解され、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有するものであれば何でもよく、各々、特開2009−025813号公報の同項目として記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
そのエポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3、4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が例示できる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合させる他のラジカル重合性単量体としては、本発明の効果を損わない限り特に制限はなく、例えば、ビニル芳香族類、ジエン類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、ビニル化合物類、不飽和ジカルボン酸ジエステル類、モノマレイミド類などが挙げられるが、特に下記式(III)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
下記式(III)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
Figure 2016216628
上記式(III)中、R89は水素原子又はメチル基を示し、R90は下記式(IV)で表される構造を示す。
Figure 2016216628
上記式(IV)中、R91〜R98は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。尚、R96とR98とが、互いに連結して環を形成していてもよい。
96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(IV)で表される構造としては、特に下記構造式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)で表されるものが好ましい。
Figure 2016216628
尚、前記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
上記モノマー群から選択された少なくとも1種に由来する繰返し単位の含有量が、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものが更に好ましい。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記範囲内であると、後述の重合性成分及びアルカリ可溶性成分の付加量が十分であり、また、耐熱性や膜の強度が十分であるため好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂に重合性を付与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
上記範囲内であると、現像時の残膜率及び溶解性が十分であるため好ましい。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
上述のバインダー樹脂(C)の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。上記範囲内であると、耐熱性や膜強度、更に現像液に対する溶解性が良好である点で好ましい。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
なお、バインダー樹脂(C)の酸価は、通常10〜200mg−KOH/g、好ましくは15〜150mg−KOH/g、更に好ましくは25〜100mg−KOH/gである。酸価が低くなりすぎると、現像液に対する溶解性が低下する場合がある。逆に、高すぎると、膜荒れが生じることがある。
着色樹脂組成物における(C)バインダー樹脂の含有割合は、全固形分中、通常0.1〜80質量%、好ましくは1〜60質量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
[(D)重合性モノマー]
本発明の着色樹脂組成物は、(D)重合性モノマーを含有することが好ましい。
(D)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述する光重合開始成分の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(D)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
(D)重合性モノマーにおけるエチレン性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、これら(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸部分を、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、或いは、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ〔1,1,1−トリ(メタ)アクリロイルオキシメチル〕プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
その他、本発明に用いられるエチレン性化合物の例としては、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能単量体が好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのうち少なくとも一方であるものである。
これらの単量体は1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を得ることは難しいことから、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、必要に応じて(D)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜100mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜80mg−KOH/gである。
上記範囲内であると、現像溶解特性が低下しにくく、また製造や取り扱いが容易である。更に、光重合性能が落ち難く、画素の表面平滑性等の硬化性が良好であるため好ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(D)重合性モノマーの含有割合は、全固形分中、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、よりさらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
また、(D)重合性モノマーの前記(A)色材100質量部に対する含有割合は、通常1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上、よりさらに好ましくは50質量部以上であり、また、通常200質量部以下、好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が起き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が起き難いため好ましい。
[(E)光重合開始成分及び(E’)熱重合開始成分]
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始成分及び(E’)熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、(C)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(D)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始成分及び熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。なお、本発明において光重合開始成分としての(E)成分とは、光重合開始剤(以下、任意に「(E1)成分」とも称する)に重合加速剤(以下、任意に「(E2)成分」とも称する)、増感色素(以下、任意に「(E3)成分」とも称する)などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
[(E)光重合開始成分]
本発明における(E)光重合開始成分は、通常、(E1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(E2)重合加速剤及び(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始成分を構成する(E1)光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報等に記載のチタノセン誘導体類;特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報等に記載されるヘキサアリールビイミダゾール誘導体類;特開平10−39503号公報等に記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体類、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体類;特開2000−80068号公報等に記載のオキシムエステル系誘導体類等が挙げられる。
具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の光重合開始剤等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
また、オキシムエステル系誘導体類としては、2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン、O−アセチル−1−[6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンオキシム及び下記式(V)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2016216628
(式(V)中、R101は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のア
ルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基または炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。あるいは、R101はX
またはZと結合し、環を形成していてもよい。
102は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素
数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Xは、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素環基及び芳香族複素基のうち少なくとも一方を示す。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。)
なお、前記式(V)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(VI)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(VII)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2016216628
式(VI)中、R101、R102及びZは、前記式(V)における定義と同義である。R103〜R109は各々独立に水素原子または任意の置換基を示す。
Figure 2016216628
式(VII)中、R101aは、炭素数1〜3のアルキル基、または下記式(VIIa)で表される基を示す。
Figure 2016216628
式(VIIa)中、R110及びR111は各々独立に、水素原子、フェニル基またはN−アセチル−N−アセトキシアミノ基を示す。*は、結合部位を表す。)
102aは、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xaは、窒素原子が1〜4のアルキ
ル基で置換されていてもよい3,6−カルバゾリル基を示す。Zaは、アルキル基で置換
されていてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。
オキシム系開始剤としては市販品を用いてもよい。市販品の例としては、OXE−01、OXE―02(BASF社製)、TRONLYTR−PBG−304、TRONLYTR−PBG−309、TRONLYTR−PBG−305、TRONLYTR−PBG−314(常州強力電子新材料有限公司社(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)が挙げられる。
光重合開始剤としては、その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。これらの開始剤として市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、IRGACURE 651、IRGACURE 184、DAROCURE 1173、IRGACURE 2959、IRGACURE 127、IRGACURE 907、IRGACURE 369、IRGACURE 379EG、LUCIRIN TPO、IRGACURE 819、IRGACURE 784(いずれも、BASF社製、「IRGACURE」は登録商標)等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、チオキサントン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類がより好ましい。特に、オキシムエステル系誘導体類が好ましい。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
これらの(E1)光重合開始剤及び(E2)重合加速剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
(E3)増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)光重合開始成分の含有割合は、全固形分中、通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、よりさらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下の範囲である。
上記範囲内であると、露光光線に対する感度が良好で、また未露光部分の現像液に対する溶解性も良好で、現像不良などを誘起し難い点で好ましい。
[(E’)熱重合開始成分]
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(E’)熱重合開始成分の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の熱重合開始成分を用いることができる。
これらの熱重合開始成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[その他の任意成分]
本発明の着色樹脂組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、有機カルボン酸及び有機カルボン酸無水物のうち少なくとも一方、熱硬化性化合物、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。これら任意成分としては、例えば特開2007−113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。また、顔料を含有する場合には、分散剤や分散助剤を含有してもよい。
[分散剤]
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含む場合、更に分散剤を含有することが好ましい。
本発明における分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。
例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ブロック共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、ブロック共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特にブロック共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体が好ましい。
具体的には、窒素原子含有官能基を有するBブロックとして、側鎖に4級アンモニウム塩基及びアミノ基のうち少なくとも一方を有する単位構造が挙げられ、一方、親溶剤性のAブロックとして、4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さない単位構造が挙げられる。
係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、4級アンモニウム塩基及びアミノ基のうち少なくとも一方を有する単位構造を有し、顔料吸着機能を持つ部位である。
また上記Bブロックとして、4級アンモニウム塩基を有する場合、当該4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
このようなブロック共重合体としては、例えば、特開2009−025813号公報に記載のものが挙げられる。
また、本発明の着色樹脂組成物は、上記した以外の分散剤を含んでいてもよい。その他の分散剤としては、例えば、特開2006−343648号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含有する場合、分散剤の全固形分中の含有割合は、顔料の総含有量100質量部に対して2〜1000質量部、特に5〜500質量部、とりわけ10〜250質量部の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記範囲内とすることで、式(I)で表されるトリアリールメタン系化合物の耐熱性に影響を及ぼすことなく、良好な顔料分散性を確保することができ、また顔料の分散安定性がより良好となる点で好ましい。
[分散助剤]
本発明の着色樹脂組成物には、分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001−220520号公報、特開2001−271004号公報、特開2002−179976号公報、特開2007−113000号公報、及び特開2007−186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
尚、本発明の着色樹脂組成物における分散助剤の含有割合は、顔料の総固形分量に対して通常0.1質量%以上、又、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。添加量を上記の範囲に制御することにより、分散助剤としての効果が発揮され、又、分散性及び分散安定性がより良好である点で好ましい。
[分散樹脂]
本発明の着色樹脂組成物には、前記(C)バインダー樹脂もしくはその他のバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部又は全部を下記の分散樹脂として含有していてもよい。
具体的には、後述する[着色樹脂組成物の調製方法]において、前述の分散剤等の成分とともに、(C)バインダー樹脂を含有させることにより、該(C)バインダー樹脂が、分散剤との相乗効果で顔料の分散安定性に寄与する。結果として分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せ









ず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
このように、分散処理工程に使用される(C)バインダー樹脂を、分散樹脂と称することがある。分散樹脂は、着色樹脂組成物中の顔料全量に対して0〜200質量%程度使用することが好ましく、10〜100質量%程度使用することがより好ましい。
[着色樹脂組成物の調製方法]
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含む(A)色材及び(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含む(A)色材及び(B)溶剤を含む色材含有液を準備し、そこに(C)バインダー樹脂及び任意成分を共に混合してもよい。
また、顔料を含む場合の調製方法としては、顔料を含む溶剤中、分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液を調製する。該顔料分散液に、(A−1)トリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含む(A)色材、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(D)重合性モノマー、(E)光重合開始成分及び熱重合開始成分のうち少なくとも一方、などを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
一方で、顔料を含まない場合、例えば色材として染料のみを用いる場合の調製方法としては、分散剤や分散助剤を必要とせず、また煩雑な顔料の分散工程が不要であるため、着色樹脂組成物を安価に製造することができる。
[着色樹脂組成物の応用]
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するようにブラックマトリックスを形成し、この基板上に、本発明の着色樹脂組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、赤色、緑色、青色の各画素パターンを形成して、カラーフィルタを作製することができる。
本発明では特に、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素が、青色の画素であることが好ましい。
画素を形成する際に使用される基板としては、透明で適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、各種ガラスなどが挙げられる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
着色樹脂組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
画像露光に使用される、波長190〜450nmの放射線を用いるための光源は、特に限定されるものではないが、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源;アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
放射線の露光量は、10〜10,000J/m2が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−エタノールアミン、ジ−エタノールアミン、トリ−エタノールアミン、モノ−メチルアミン、ジ−メチルアミン、トリ−メチルアミン、モノ−エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、モノ−イソプロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−イソプロパノールアミン、ジ−イソプロパノールアミン、トリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばイソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
このようにして作製されたカラーフィルタを液晶表示装置に使用する場合には、このままの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレイ、液晶表示装置等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また、一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。また、垂直配向型駆動方式(MVAモード)では、リブを形成することもある。また、ビーズ散布型スペーサに代わり、フォトリソグラフィー法による柱構造(フォトスペーサー)を形成することもある。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
<有機EL表示装置>
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
次に、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない
<染料等の合成>
(合成例1:染料Aの合成)
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、1−ヨードナフタレン(5.1g、20mmol)、2−メチルシクロヘキシルアミン(4.7g、41mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(2.4g,25mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム(0)(52mg、0.050mmol)、2,2’−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(96mg、0.15mmol)、トルエン(50mL)の混合物を100℃で2.5時間攪拌した。室温に冷却後、濾別し、濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜95/5(体積比))で精製し、化合物1(3.6g、収率75%)を得た。
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、N−エチルアニリン(10.02g、82.5mmol)、ジフルオロベンゾフェノン(4.50g、20mmol)、カリウムtert−ブトキシド(9.26g、82.5mmmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(40mL)の混合物を50℃に加熱し、そのまま7時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、水(100mL)に注入した。これをトルエン(50mL)で2回抽出し、水(20mL)で3回洗浄した後、溶媒をエバポレーターで留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=86/14〜65/35(体積比))で精製し、化合物2(2.34g、収率28%)を得た。
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、化合物2(2.34g、5.56mmol)、化合物1(1.33g、5.56mmol)とトルエン(30mL)の混合物にオキシ塩化リン(2.13g、13.9mmol)を添加した後、100℃に加熱し、そのまま12.5時間攪拌した。室温まで放冷した後、水(10mL)を添加して1時間撹拌した。トルエン層をデカンテーションで除いた後、クロロホルム(50mL)を加えて抽出し、有機層を飽和食塩水(20mL)で3回洗浄した。溶媒をエバポレーターで留去した後、得られた固体をクロロホルム(10mL)に溶解させ、シリカクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0〜95/5(体積比))で精製し、青色固体の化合物3(3.00g、収率81%)を得た。
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、室温で化合物3(1.90g、2.80mmol)をメタノール(50mL)に溶解させ、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(0.88g、3.08mmol)を加えた。この混合溶液を外温50℃にて1.5時間攪拌した後、室温まで放冷した。溶媒をエバポレーターで留去した後、水(100mL)で洗浄した。得られた固体をクロロホルム(10mL)に溶解させ、シリカクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0〜95/5(体積比))で精製し、青色固体の染料A(3.00g、収率81%)を得た。
染料Aをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は638nmで、グラム吸光係数(g)は75.6Lg-1cm-1であった。この化合物の液体クロマトグラフ−質量分析の結果を下記に示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
LCMS(ESI、posi)m/z 642(M+46483
(合成例2:染料Bの合成)
Figure 2016216628
化合物4は、特開2013−087248号公報の合成例1に記載の方法で合成した。
窒素雰囲気下、室温で化合物3(0.20g、0.30mmol)をメタノール(3mL)に溶解させ、化合物4(0.18g、0.33mmol)を加えた。この混合溶液を外温50℃にて1.5時間攪拌した後、室温まで放冷した。溶媒をエバポレーターで濃縮した後、水(10mL)で洗浄した。得られた固体をクロロホルム(2mL)に溶解させ、シリカクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0〜82/18(体積比))で精製し、青色固体の染料B(0.30g、収率87%)を得た。
染料Bをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は640nmで、グラム吸光係数(g)は58.0Lg-1cm-1であった。この化合物の液体クロマトグラフ−質量分析の結果を下記に示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
LCMS(ESI、posi)m/z 642((M+46483
(合成例3:染料Cの合成)
Figure 2016216628
化合物5は、特開2013−087248号公報の合成例1に記載の方法で合成した。
化合物5(2.72mmol)に水(17mL)を加え、塩化シアヌル(0.5g、2.72mmol)をアセトン(2mL)に懸濁させた溶液をpH=4〜6で0〜5℃を保持しながら加えて、さらに1.5時間撹拌した。次いで室温にてpH=6〜7で、アニリン(0.25g、2.72mmol)と塩酸(0.28mL)の混合物を水(1mL)に溶解した液を添加し、さらに0.5時間撹拌した。その後、アニリン(1.0g、10.88mmol)と塩酸(1.12mL)の混合物を水(2mL)に溶解した液を加えて、外温70℃でpH=8〜9として8時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、濾過して化合物6(1.22g、収率76%)を得た。
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、室温で化合物3(0.20g、0.30mmol)をメタノール(3mL)に溶解させ、化合物6(0.19g、0.33mmol)を加えた。この混合溶液を外温50℃にて1.5時間攪拌した後、室温まで放冷した。溶媒をエバポレーターで濃縮した後、水(10mL)で洗浄した。得られた固体をクロロホルム(2mL)に溶解させ、シリカクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0〜94/6(体積比))で精製し、青色固体の染料C(0.18g、収率51%)を得た。
染料Cをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は640nmで、グラム吸光係数(g)は56.5Lg-1cm-1であった。この化合物の液体クロマトグラフ−質量分析の結果を下記に示す。
この化合物の液体クロマトグラフ−質量分析の結果を下記に示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
LCMS(ESI、posi)m/z 642((M+46483))
(合成例4:染料Dの合成)
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、N−エチル−o−トルイジン(21.6g、160mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(60mL)を加え、5℃以下に冷却した。5℃以下を保ちながら、カリウムt−ブトキシド(18.0g、160mmol)を数回に分けて添加した。次に4,4−ジフルオロベンゾフェノン(8.73g、40.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液(35mL)を15℃以下になるように注意しながら、30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで昇温し、さらに50℃で3時間加熱撹拌した。反応終了後、室温まで放冷し、水(100mL)に注入した。これをトルエン(50mL)で2回抽出し、水(20mL)で3回洗浄した後、溶媒をエバポレーターで留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜66/34(体積比))で精製し、化合物7(3.08g、収率17%)を得た。
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、化合物7(610mg、1.36mmol)、化合物1(336mg、1.40mmol)およびトルエン(10mL)の混合物を溶解するまで室温で撹拌した。オキシ塩化リン(312mg、2.04mmol)を5分かけて滴下し、滴下後に80〜85℃まで加熱し、そのまま9時間加熱撹拌を行った。更にオキシ塩化リン(208mmol、1.36mmol)を滴下し、そのまま4時間加熱撹拌した後、室温まで放冷した。水(10mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。クロロホルム(10mL)を加えて有機層を抽出し、水(10mL)で3回洗浄した後、溶媒をエバポレーターで留去した。得られた固体をクロロホルム(10mL)に溶解させ、シリカクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0〜82/8(体積比))で精製し、青色固体の化合物8(590mg、収率61%)を得た。
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、室温で化合物8(13.0g、18.4mmol)をクロロホルム(184mL)に溶解させ、化合物6(11.9g、20.3mmol)を加えた。この混合溶液を外温50℃にて1.5時間攪拌した後、室温まで放冷した。水(100mL)を加え1時間撹拌した後、水層をクロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥材をろ別し、溶媒を留去して青色固体を得た。この粗生成物をクロロホルム(30mL)に溶解させ、シリカクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100/0〜98/2(体積比))で精製し、青色固体の染料D(10.8g、収率47%)を得た。
染料Dをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は575nmで、グラム吸光係数(g)は60.0Lg-1cm-1であった。この化合物の液体クロマトグラフ−質量分析の結果を下記に示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
LCMS(ESI、posi)m/z 670((M+48523))
(合成例5:染料Eの合成)
Figure 2016216628
窒素雰囲気下、室温で化合物3(1.02g、1.50mmol)をメタノール(10mL)に溶解させ、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム(0.37g、1.50mmol)および水(5mL)を加えた。この混合溶液を外温50℃にて1.5時間攪拌した後、室温まで放冷した。溶媒をエバポレーターで濃縮した後、メタノール/水=1/2の混合溶液(30mL)で洗浄した。得られた固体をクロロホルム(10mL)に溶解させ、シリカクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=95/5〜74/26(体積比))で精製し、青色固体の染料E(0.90g、収率69%)を得た。
染料Eをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は640nmで、グラム吸光係数(g)は76.0Lg-1cm-1であった。この化合物の液体クロマトグラフ−質量分析の結果を下記に示す。なお、このときの質量は、トリアリールメタンカチオン部位の質量を示している。
LCMS(ESI、posi)m/z 642((M+46483))
(合成例6:染料Fの合成)
Figure 2016216628
染料Fは、特開2013−253168号公報の実施例5に記載の方法で合成した。
(合成例7:樹脂Aの合成)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2質量部、グリシジルメタクリレート132質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノアクリレートFA−513M(日立化成社製)4.4質量部および2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸67.0質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部およびハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2質量部、トリエチルアミン0.2質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂溶液のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約9000、酸価25mg−KOH/gであった。この樹脂溶液に固形分が40質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Aとして用いた。
(合成例8:樹脂Bの合成)
「NC3000H」(エポキシ当量288、軟化点69℃)(日本化薬社製)400質量部、アクリル酸102質量部、p−メトキシフェノール0.3質量部、トリフェニルホスフィン5質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)264質量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mg−KOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで9時間を要した(酸価2.2mg−KOH/g)。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸151質量部を添加し、95℃で4時間反応させ、酸価102mg−KOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)3900の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が44質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Bとして用いた。
(合成例9:開始剤の合成)
国際公開第2009/131189号パンフレットの実施例3に記載の方法で3−(2−アセトキシイミノ−1,5−ジオキソ−5−メトキシペンチル)−9−エチル−6−(o−トルオイル)−9H−カルバゾールを合成した。
<顔料分散液の調製>
(青色顔料分散液Aの調製)
青色顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6を11.36質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57.5質量部、分散剤として「ディスパービック2000」(ビックケミー社製)を固形分換算で3.02質量部、径0.5mmのジルコニアビーズ215.7質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェイカーにて6時間分散させて青色顔料分散液Aを調製した。
<着色樹脂組成物の調製>
前記合成例1〜6で得られた染料A〜F、並びに合成例7及び8で得られた樹脂A及びBを下記表2に記載された配合となるように他の成分と混合して、着色樹脂組成物を調製した。
尚、表2の上段の数値は、いずれも添加する各成分の着色樹脂組成物中の含有割合(質量%)を表し、下段の数値は各成分の全固形分中の含有割合(質量%)を表す。
混合に際しては、各成分が十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmの駒型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
実施例1〜4の着色樹脂組成物には染料A〜D及び染料Fを用い、比較例1〜2の着色樹脂組成物には染料E〜F及び青色顔料分散液Aを用いた。
Figure 2016216628
尚、表2の各化合物は、各々以下の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
F559:パーフルオロアルキル基含有オリゴマー
Irganox1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピネート]
JPP−100:テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト
<着色樹脂膜の製造及び、耐熱性の評価>
5cm角に切断したガラス基板上に、上記<着色樹脂組成物の調製>にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法により焼成後のy値が0.100となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光した後に、クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成した。プリベーク後の膜(焼成前の膜)と、焼成後の膜について分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて光透過率を測定し、XYZ表色系における色度(C光源)および輝度を算出した。焼成前後の評価結果を表3に示す。
Figure 2016216628
本発明における着色樹脂組成物は、比較例1よりも焼成前の輝度が十分に高いことが明らかとなった。加えて、比較例2よりも焼成後の輝度も十分に高いことがわかる。比較例1では色材として顔料を用いているため焼成前の輝度が低くなっていると考えられる。また、比較例2では、スルホン酸アニオンを有するトリアリールメタン系化合物を用いているため、カチオンおよびアニオンの相互作用が小さいために、カチオンのコンフォメーションが変化しやすく、輝度が高くなる構造をとりにくくなるために焼成前の輝度が低くなっているものと考えられる。これらに対して実施例1〜4では、カチオンおよびアニオンの相互作用が大きいために、カチオンのコンフォメーションが固定化され、輝度が高くなる構造をとりやすくなるため、焼成前の輝度が高くなっているものと考えられる。このため、本発明の着色樹脂組成物は、製造プロセスを実施しても実用的に十分な輝度を有するといえる。
<着色樹脂膜の製造及び、コントラスト比測定>
5cm角に切断したガラス基板上に、上記<着色樹脂組成物の調製>にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法により塗布をし、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光し、クリーンオーブンにて230℃で60分間焼成した。得られた加熱前後の基板をそれぞれ2枚の偏光板で挟み、背面側から波長範囲380〜780nmの光で照射しつつ前面側の偏光板を回転させ、透過する光強度を輝度計BM−5AS(トプコン社製)にて最大値と最小値を測定した。そして、その最大値を最小値で割った値を、コントラスト比として評価した。結果を表4に示す。
Figure 2016216628
本発明の着色樹脂組成物は、比較例1の着色樹脂組成物に比べて、コントラスト比が高い。また、実施例1〜4及び比較例1の着色樹脂膜に紫外線を照射したところ、比較例1では蛍光を発していることが確認された。このことから、比較例1の着色樹脂膜は蛍光を発することによりコントラスト比が低くなっているのに対して、実施例1〜4の着色樹脂膜は蛍光を十分に抑えコントラスト比が高くできていることが明らかとなった。これは、特定構造のアニオンを含むトリアリールメタン染料が、キサンテン系化合物の蛍光エネルギーを十分に吸収しているためだと考えられる。
本発明によれば、輝度が高いとともに、蛍光が少なく高コントラストを発現する着色樹脂組成物でもある。また本発明によれば、高輝度かつ高コントラストであるカラーフィルタ、並びに高品質な液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することが可能となる。したがって本発明は、カラーフィルタ、並びに液晶表示装置及び有機EL表示装置等への応用において有用である。
100 有機EL素子
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極

Claims (11)

  1. (A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有し、
    (A)色材が、(A−1)ハロゲノアルキルスルホニル基を含むアニオンを有するトリアリールメタン系化合物及び(A−2)キサンテン系化合物を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。
  2. 前記(A−1)トリアリールメタン系化合物が、下記式(I)で表される化合物である、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
    Figure 2016216628
    (上記式(I)中、
    [An-]は、置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又は置換基を有していてもよいn価のハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。
    1〜R4は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
    5及びR6は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
    nは、1〜4の整数を表し、nが2〜4の場合、1分子中に含まれる複数の下記式(I)CAで表されるカチオンは、各々独立に、同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。)
    Figure 2016216628
  3. 前記アニオンにおけるハロゲノアルキル基が、3〜6個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基である、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
  4. 前記アニオンが、置換基を有していてもよい1〜4価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  5. 前記トリアリールメタン系化合物の含有割合が、全固形分中0.01質量%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  6. 前記キサンテン系化合物の含有割合が、全固形分中0.01質量%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  7. (D)重合性モノマーを更に含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  8. (E)光重合開始成分及び/又は(E’)熱重合開始成分を更に含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有する、カラーフィルタ。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルタを有する、液晶表示装置。
  11. 請求項9に記載のカラーフィルタを有する、有機EL表示装置。
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