JP6946792B2 - 着色組成物、硬化物、及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
これまで、カラーフィルタ形成用材料として、顔料を用いた着色組成物が主に使用されているが、高輝度及び高コントラストとするために、例えば、非特許文献1では顔料粒子の粒径をその呈色波長の1/2以下にまで微分散する方法が開示されている。
また、本発明者らの検討によると、特許文献1〜3に記載の着色組成物では、カラーフィルタ製造工程における230℃での焼成時に、そこに含まれるトリアリールメタン系化合物の吸収極大における吸光度の低下が大きく、耐熱性が十分でないことが見出された。
即ち本発明は以下を要旨とする。
前記(a)着色剤が、トリアリールメタン系化合物を含み、
前記(b)分散剤が、芳香族複素環を含む吸着基を有する分散剤(b1)を含有することを特徴とする着色組成物。
[2] 前記分散剤(b1)の吸着基に含まれる芳香族複素環が、イミダゾール環、ピリジン環、又はカルバゾール環である、請求項1に記載の着色組成物。
Arは置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を表す。
nは0又は1を表し、0のとき結合は存在しない。
Xは、a価の連結基を表す。
Ac-は、c価のアニオンを表す。
a、b、c、及びdは1〜4の整数を表し、a×b=c×dの関係を満たす。
mは0又は1を表す。mが0のとき結合は存在せず、aは1である。)
[5] さらに(d)バインダー樹脂を含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の着色組成物。
[6] さらに(e)光重合性モノマー及び(f)光重合開始剤を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の着色組成物。
[8] [7]に記載の硬化物を有する画像表示装置。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及びメタクリルのうち少なくとも一方」、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一方」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一方」を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
また、「C.I.ピグメントグリーン」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)所収の色材名称を意味する。
本発明の着色組成物は、(a)着色剤を含む。着色剤は着色組成物を着色する成分である。(a)着色剤を含むことで、所望の光吸収性を得ることができる。(a)着色剤としては、顔料を用いてもよいし、染料を用いてもよい。
本発明の着色組成物において、(a)着色剤はトリアリールメタン系化合物を含む。トリアリールメタン系化合物は一般的に、その極大吸収波長付近に鋭い吸収ピークを持ち、その他の波長領域における吸収が小さく、特に青色着色組成物においては青色光である450nm付近の吸収が小さいことから、得られる青色画素等のパターンが高輝度となると考えられる。
トリアリールメタン系化合物とは、少なくともトリアリールメタン構造を含む化合物を意味する。トリアリールメタンにおけるアリールとは、芳香族環基を意味し、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基を意味する。つまり、トリアリールメタン系化合物は、3つの芳香族環基が少なくともsp2炭素で結合された化合物を意味する。なお、sp2炭素以外の連結基でさらに連結されていてもよい。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
Arは置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を表す。
nは0又は1を表し、0のとき結合は存在しない。
Xは、a価の連結基を表す。
Ac-は、c価のアニオンを表す。
a、b、c、及びdは1〜4の整数を表し、a×b=c×dの関係を満たす。
mは0又は1を表す。mが0のとき結合は存在せず、aは1である。
前記式(I)中、R1〜R4は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基、これらを結合した基が挙げられる。その炭素数は1以上が好ましく、2以上がより好ましく、また、10以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで焼成後の耐久性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで立体障害によるトリアリールメタン構造中の該アリールの回転阻害の影響が抑えられ、透過スペクトルの急峻さが向上する傾向がある。
また、置換基を有するアルキル基の具体例としては、フェネチル基、2−エトキシエチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基等が挙げられる。
また、芳香族複素環基が有する環は、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
前記式(I)中、Arは置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を表す。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は6以上が好ましく、また、18以下が好ましく、14以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで焼成時の耐久性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで立体障害によるトリアリールメタン構造中の該アリールの回転阻害の影響が抑えられ、透過スペクトルの急峻さが向上する傾向がある。
また、芳香族複素環基が有する環は、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
前記式(I)中、nは0又は1を表し、0のとき結合は存在しない。
特に青色着色組成物において450nm付近の吸収を小さくして輝度を向上させるか、または色調を青色とする観点ではnが0であることが好ましく、一方で焼成後の耐久性を向上させるか、または色調を赤紫色〜紫色とする観点ではnが1であることが好ましい。
前記式(I)中、Xはa価の連結基を表す。a価の連結基としては、a価の炭化水素基、中断されたa価の炭化水素基、置換されたa価の炭化水素基を表す。
R5におけるアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は通常1以上であり、2以上が好ましく、また、12以下が好ましく、6以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで高耐久性となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで合成が容易となる傾向がある。
アルキル基は、後述の置換基群W1に記載の置換基で置換されていてもよい。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でも耐久性と合成上の観点から、1個の遊離原子価を有するベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、1個の遊離原子価を有するベンゼン環がより好ましい。
前記式(I)中、Ac-は、c価のアニオンを表す。
c価のアニオンとしては、特に限定されないが、例えばF-、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン;
(C6H5)4B-、(C6F5)4B-等のホウ素アニオン;
CH3COO-、C2H5COO-、C6H5COO-等のカルボン酸アニオン;
SO4 2-、HSO4 -等の硫酸アニオン;
HPO4 2-、PO4 3-等のリン酸アニオン;
スルホン酸アニオン等が挙げられる。
スルホン酸アニオンとしては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、カンファースルホン酸など置換基を有していてもよい脂肪族スルホン酸アニオン;
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸など置換基を有していてもよい芳香族スルホン酸アニオン;
acid blue 80(C.I.61585)、acid green 25(C.I.61570)、acid blue 45(C.I.63010)、acid blue 43(C.I.63000)、acid blue 25(C.I.62055)、acid blue 40(C.I.65125)等のスルホナト基を有するアントラキノン系色素のアニオン;
direct blue 86(C.I.74810)、direct blue 199 (C.I.14190)等のスルホナト基を有するフタロシアニン系色素のアニオン;
acid blue 74(C.I.73015)等のスルホナト基を有するインジゴ系色素のアニオン;
ハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、ハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
a、b、c、及びdは1〜4の整数を表し、a×b=c×dの関係を満たす。mは0又は1を表す。mが0のとき結合は存在せず、aは1である。
これらの中でも溶剤に対する溶解性、焼成後の耐久性、トリアリールメタン系化合物の合成プロセスにおけるコストの観点から、a、b、c及びdが1であり、かつ、mが0であることが好ましく、一方で焼成後の耐溶剤性、電気信頼性、隣接する画素への移染抑制の観点から、aが2であり、b及びcが1であり、dが2であり、mが1であることが好ましい。
フッ素原子、塩素原子、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
a’、c及びdは1〜4の整数を表し、a’=c×dの関係を満たす。
mは0又は1を表す。mが0のとき結合は存在しない。
Dc-は、置換基を有していてもよいc価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。
a’、c、及びdは1〜4の整数を表し、a’=c×dの関係を満たす。mは0又は1を表す。mが0のとき結合は存在しない。
これらの中でも溶剤に対する溶解性、焼成後の耐久性、トリアリールメタン系化合物の合成プロセスにおけるコストの観点から、a’、c及びdが1であり、かつ、mが0であることが好ましく、一方で焼成後の耐溶剤性、電気信頼性、隣接する画素への移染抑制の観点から、a’が2であり、cが1であり、dが2であり、mが1であることが好ましい。
前記式(I−1)中、Dc-は、置換基を有していてもよいc価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。
ハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンにおけるハロゲノアルキル基の炭素数は12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常1以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、前記上限値以下とすることでカチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
また、ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の数は特に限定されないが、27以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な溶解性を有し、カチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、通常4以上であり、好ましくは6以上である。前記上限値以下とすることでカチオンとの立体障害を抑えてアニオンを安定化できる傾向がある。
芳香族炭化水素環基に含まれる環は、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基に含まれる環は、単環であっても縮合環であってもよい。報告族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
ハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン、又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンが有していてもよい置換基の数は特に限定されないが、立体障害抑制の観点から、1つ〜3つであることが好ましく、1つであることがより好ましい。
これらの中でも、アニオン安定化の観点から、前記置換基はアニオンの末端にあることが好ましく、特に下記式(D−1)で表される1価のアニオン、又は下記式(D−2)で表される1価のアニオンであることが好ましい。
R3aは直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
R4aはハロゲノアルキル基を表す。
X1〜X3は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
R7aは直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
R8a及びR9aは各々独立に、ハロゲノアルキル基を表す。
X4〜X6は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
R1a、R2a、R5a、及びR6aは各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
これらのうち、アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基、これらを連結した基が挙げられる。その炭素数は溶媒への溶解性の観点から、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、溶媒への溶解性の観点から、2以上であることが好ましい。
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、3−メチルブチル基等が挙げられる。これらの中で形成される塩の結晶性と溶解性のバランスの観点から、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、前述の置換基群W1のものが挙げられる。
芳香族炭化水素環基に含まれる環は、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基に含まれる環は、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
これらの芳香族環基の中でも製造容易性の観点からは、芳香族炭化水素環基であることが好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W2のものが挙げられる。
R1aとR2aは同じであっても異なっていてもよい。例えば、R1a及びR2aが、各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であってもよく、R1a及びR2aが、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよく、R1aが置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、R2aが置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよい。
R5aとR6aは同じであっても異なっていてもよい。例えば、R5a及びR6aが、各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であってもよく、R5a及びR6aが、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよく、R5aが置換基を有していてもよいアルキル基であり、かつ、R6aが置換基を有していてもよい芳香族環基であってもよい。
R3aは直接結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族環基を表す。
これらのうち、アルキレン基としては、直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基、環状のアルキレン基、又はこれらを結合した基が挙げられる。その炭素数は電荷の偏りを抑制するとの観点から、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、通常1以上である。
具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。これらの中で電荷の偏りを抑制するとの観点から、メチレン基が好ましい。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W1のものが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素環基に含まれる環は、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基に含まれる環は、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
これらの2価の芳香族環基の中でも電荷の偏り抑制との観点からは、2価の芳香族炭化水素環基であることが好ましく、2価のベンゼン環であることがより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、前記置換基群W2のものが挙げられる。
R4a、R8a、及びR9aは各々独立に、ハロゲノアルキル基を表す。
ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の種類は特に限定されないが、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であることが好ましく、フッ素又は塩素であることがより好ましく、フッ素であることがさらに好ましい。ハロゲン原子の種類を上記のものとすることで、アニオンの電荷がより非局在化して、トリアリールメタン系化合物の耐熱性を向上できる傾向がある。
また、ハロゲノアルキル基が有するハロゲン原子の数は特に限定されないが、27以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、通常3以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで適度な溶解性を有し、カチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
ハロゲノアルキル基の炭素数は特に限定されないが、12以下が好ましく、6以下がより好ましく、通常1以上である。前記下限値以上とすることでアニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する傾向があり、前記上限値以下とすることでカチオンとの立体反発の影響が小さくなり、カチオンとより強い相互作用が可能となる傾向がある。
具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基などが挙げられ、電荷の偏り抑制との観点からトリフルオロメチル基であることが好ましい。
X1〜X6は各々独立に、直接結合、−(CH2)−、−NH−、−O−及び−S−からなる群から選ばれる少なくとも1つの基、又はこれらが2以上結合した基を表す。
つまり、X1〜X6は各々独立に、上記群から選ばれる2価の基を2種以上結合したものでもよく、また1種を2個以上結合したものでもよい。結合する場合の個数は、通常2個以上、また通常15個以下、好ましくは12個以下、より好ましくは10個以下である。
これらの中でも、合成容易性の観点から、−(CH2)−又は−NH−であることが好ましく、−NH−であることがより好ましい。
a’’、c及びdは1〜4の整数を表し、a’’=c×dの関係を満たす。
Ec-は、置換基を有していてもよいc価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。
a’’、c、及びdは1〜4の整数を表し、a’’=c×dの関係を満たす。
これらの中でも溶剤に対する溶解性、焼成後の耐久性、トリアリールメタン系化合物の合成プロセスにおけるコストの観点から、a’’、c及びdが1であることが好ましい。
前記式(I−2)中、Ec-は、置換基を有していてもよいc価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンを表す。置換基を有していてもよいc価のハロゲノアルキルスルホニルイミドアニオン又はハロゲノアルキルスルホニルメチドアニオンとしては、前記(式I−1)中のDc-として挙げたものと同じものを好適に用いることができる。
トリアリールメタン系化合物の分子量は特に限定されないが、300以上が好ましく、1000以上がより好ましく、2000以上がさらに好ましく、また、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで焼成後の耐溶剤性、電気信頼性、隣接する画素への移染抑制性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで溶剤に対する溶解性、焼成後の耐久性、トリアリールメタン系化合物の合成プロセスにおけるコスト性が向上する傾向がある。
トリアリールメタン系化合物のカチオン部分の具体例としては、以下のものが挙げられる。
トリアリールメタン系化合物の合成方法は特に限定されないが、例えば「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)、「理論製造 染料化学」(細田豊著、技報堂、1957年)、国際公開第2009/107734号パンフレット、国際公開第2015/080217号パンフレットに記載の方法に準じて合成することができるが、この方法に限られない。
本発明の着色組成物における(a)着色剤はトリアリールメタン系化合物を含むが、トリアリールメタン系化合物を1種含んでいていもよく、2種以上を含んでいてもよい。
本発明の着色組成物におけるトリアリールメタン系化合物の含有割合は特に限定されないが、全固形分中に3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで高輝度となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで焼成後の耐久性が向上する傾向がある。
本発明の着色組成物における(a)着色剤はトリアリールメタン系化合物を含むが、さらにその他の着色剤を含んでいてもよい。その他の着色剤としては、その他の染料やその他の顔料が挙げられる。
その他の染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、シアニン系染料、ジピロメテン系染料等が好ましく挙げられる。
その他の顔料としては、例えばカラーフィルタの画素等を形成する場合には、青色、紫色等各種の色の顔料を使用することができる。また、その化学構造としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
このため、本発明の着色組成物が青色顔料を含む場合、青色顔料の全含有量に対して、80質量%以上、特に90質量%以上、とりわけ95〜100質量%が、C.I.ピグメントブルー15:6であることが好ましい。
これらの中でも、紫色のジオキサジン顔料が好ましく、該ジオキサジン顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19、23などが好ましく挙げられ、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
特に、青色の銅フタロシアニン顔料についても同様に、好ましくは平均一次粒径が40nm以下であり、より好ましくは35nm以下、更に好ましくは20〜30nmである。
なお、ここで、顔料の平均一次粒径は以下の方法により測定・算出された値とすることができる。
得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し、平均粒径を求める。
本発明の着色組成物は、(b)分散剤を含む。(b)分散剤を含むことで(a)着色剤を微細に分散させ、且つ、その分散状態を安定化させることができる。
また本発明の着色組成物における(b)分散剤は、芳香族複素環を含む吸着基を有する分散剤(b1)(以下、「分散剤(b1)」と略記する。)を含有する。(b)分散剤として分散剤(b1)を用いることで、加熱した場合であっても、それに含まれる芳香族複素環がトリアリールメタン系化合物のsp2炭素と結合しにくく、トリアリールメタン系化合物の共役系が崩れて退色するのを抑制でき、トリアリールメタン系化合物の吸収極大における吸光度の低下が抑制できるものと考えられる。
また、芳香族複素環の炭素数は特に限定されないが、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、15以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、4以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで焼成後の耐久性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色組成物の輝度が向上する傾向がある。
また、芳香族複素環は置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、3−メチルブチル基などが挙げられる。
これらの分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
該A−B又はB−A−Bブロック共重合体は、例えば、以下に示すリビング重合法にて調製される。
リビング重合法には、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法があり、このうち、アニオンリビング重合法は、重合活性種がアニオンであり、例えば下記スキームで表される。
であり、j及びkはそれぞれ1以上の整数であり、Raは水素原子又は1価の有機基であ
り、RbはRaとは異なる水素原子又は1価の有機基である。
本発明の着色組成物は(c)溶剤を含む。(c)溶剤は、着色組成物に含まれる各成分を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
(c)溶剤としては、着色組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100〜250℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、例えば任意成分として前述のその他の顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、着色組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。尚、顔料を含む着色組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の含有割合は過度に高くない方が好ましく、(c)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の含有割合は5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
本発明の着色組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよいが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(c)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(c)溶剤中50質量%以上であることが好ましい。このような高沸点溶剤の割合が50質量%以上である場合には、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮される傾向がある。
本発明の着色組成物は(d)バインダー樹脂を含んでいてもよい。(d)バインダー樹脂を含むことで、十分な硬化度の硬化膜を形成することができる傾向がある。(d)バインダー樹脂の中でも、アルカリ現像してパターンを形成するとの観点からは、アルカリ可溶性樹脂が好ましい。例えば、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(d−1)〜(d−5)の樹脂などが挙げられる。
(d−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(d−2)(以下、「樹脂(d−2)」と称す場合がある。)
(d−2’):炭素数2〜4の環状エーテル基を有するラジカル重合性単量体とカルボキシル基を有するラジカル重合性単量体との共重合体、または炭素数2〜4の環状エーテル基を有するラジカル重合性単量体とカルボキシル基を有するラジカル重合性単量体とこれらと異なる他のラジカル重合性単量体との共重合体
(d−3):前記樹脂(d−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(d−3)」と称す場合がある。)
(d−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(d−4)」と称す場合がある。)
(d−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(d−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(d−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
樹脂(d−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(IV)で表される構造としては、特に下記構造式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)で表されるものが好ましい。
前記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
本発明の着色組成物は(e)光重合性モノマーを含有することが好ましい。(e)光重合性モノマーは、光重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)であることが好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述する光重合開始剤の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(e)光重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、必要に応じて(e)光重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜100mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜80mg−KOH/gである。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
また、(e)光重合性モノマーの前述の(a)着色剤100質量部に対する比率は、通常1質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは100質量部以上、よりさらに好ましくは150質量部以上、特に好ましくは200質量部以上であり、また、通常300質量部以下、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下である。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が置き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が置き難いため好ましい。
本発明の着色組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(f)光重合開始剤を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色組成物が、(d)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(e)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始剤することが好ましい。(f)光重合開始剤を含む場合、重合加速剤、増感色素などの付加剤を併用してもよい。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
また、オキシムエステル系誘導体類としては、2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン、O−アセチル−1−[6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンオキシム及び下記式(V)で表される化合物等が挙げられる。
R102は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。)
なお、前記式(V)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環、置換基を有していてもよいフルオレン環である化合物が好ましく、具体的には下記式(VI)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(VII)で表される化合物が特に好ましい。
R102aは、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xは、窒素原子が1〜4のアルキル基で置換されていてもよい3,6−カルバゾリル基を示す。Zは、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。
必要に応じて用いられる重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
分子内に−SHを1つ有するメルカプト化合物としては、例えば、2−メルカプトオキサゾール、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトニコチン酸、2−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリジン−3−オール、2−メルカプトピリジン−N−オキサイド、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、4−アミノ−2−メルカプトピリミジン、6−アミノ−5−ニトロソ−2−メルカプトピリミジン−4−オール、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メルカプトピリミジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプトピリミジン、4,6−ジヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン、4−ヒドロキシ−2−メルカプト6−メチルピリミジン、4−ヒドロキシ−2−メルカプト−6−プロピルピリミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジン、2−メルカプトピリミジン、3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−チオール、4,5−ジフェニルイミダゾール−2−チオール、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト1−メチルイミダゾール、4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト1,2,4−トリアゾール、2−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、(フラン-2-イル)メタンチオール、2−メルカプト−5−チアゾリドン、2−メルカプトチアゾリン、2−メルカプト4(3H)−キナゾリノン、1−フェニル−1H−テトラゾール−5−チオール、2−キノリンチオール、2−メルカプト5−メチルベンゾイミダゾール、2−メルカプト5−ニトロベンゾイミダゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、6−ニトロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトナフトイミダゾール、2−メルカプトナフトオキサゾール、3−メルカプト1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−6−メルカプトピラゾロ[2,4−d]ピリジン、2−アミノ−6−プリンチオール、6−メルカプトプリン、4−メルカプト1H−ピラゾロ[2,4−d]ピリミジン等が挙げられる。
分子内に−SHを2つ有するメルカプト化合物としては、1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、2,3−ジメルカプトブタン、1,5−ジメルカプトペンタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、1,8−ジメルカプトオクタン、1,9−ジメルカプトノナン、1,10−ジメルカプトデカン、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジメルカプトエリスリトール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジチオール、3,4−ジメルカプトトルエン、4−クロロ−1,3−ジメルカプトベンゼン、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロポキシフェニルプロパン)、ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ビス(3−スルファニルブチルオキシ)ブタン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
分子内に−SHを3つ有するメルカプト化合物としては、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトアセテート)、1,2,6−ヘキサントリオールトリチオグリコレート等が挙げられる。
分子内に−SHを4つ有するメルカプト化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、トリスヒドロキシエチルトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプトブチレート)等が挙げられる。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、熱硬化性化合物、熱重合開始剤、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。これら任意成分としては、例えば特開2007−113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。また、顔料を含有する場合には、分散助剤を含有してもよい。
本発明において、着色組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、(a)着色剤及び(b)分散剤を、(c)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、(a)着色剤として顔料を含む場合の調製方法としては、(a)着色剤を含む溶剤中、(b)分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(d)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色剤分散液を調製する。該着色剤分散液に、(d)バインダー樹脂、必要に応じて、(e)光重合性モノマー、(f)光重合開始剤などを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
本発明の着色組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色組成物を基板上へ供給し硬化することで硬化物が得られる。このように、本発明の硬化物は本発明の着色組成物から構成され、この硬化物はカラーフィルタなどの、液晶表示装置や有機EL表示装置などの画像表示装置を構成する構成部材として用いることができる。
以下、本発明の着色組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた画像表示装置について説明する。画像表示装置としては、具体的には液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置が挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を用いて形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
画素を形成する際に使用される基板としては、透明で適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、各種ガラスなどが挙げられる。
着色組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−エタノールアミン、ジ−エタノールアミン、トリ−エタノールアミン、モノ−メチルアミン、ジ−メチルアミン、トリ−メチルアミン、モノ−エチルアミン、ジ−エチルアミン、トリ−エチルアミン、モノ−イソプロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−イソプロパノールアミン、ジ−イソプロパノールアミン、トリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
本発明の画像表示装置は、本発明の硬化物を有するものであり、例えば、カラーフィルタを有するものが挙げられる。画像表示装置としては、液晶表示装置や有機EL表示装置が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
(合成例1:トリアリールメタン系化合物Aの合成)
LCMS(ESI、posi)m/z 670(M+ C48H52N3)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2質量部、グリシジルメタクリレート132質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA−513M(日立化成社製)4.4質量部及び2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸67.0質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部及びハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2質量部、トリエチルアミン0.2質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂溶液のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約9000、酸価25mgKOH/gであった。この樹脂溶液に固形分が40質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Aとして用いた。
「NC3000H」(エポキシ当量288、軟化点69℃、日本化薬社製)400質量部、アクリル酸102質量部、p−メトキシフェノール0.3質量部、トリフェニルホスフィン5質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)264質量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mgKOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標(2.2mgKOH/g)に達するまで9時間を要した。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸151質量部を添加し、95℃で4時間反応させ、酸価102mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが3900の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が44質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Bとして用いた。
国際公開第2009/131189号パンフレット記載の方法で3−(2−アセトキシイミノ−1,5−ジオキソ−5−メトキシペンチル)−9−エチル−6−(o−トルオイル)−9H−カルバゾールを合成した。
前記合成例1で得られたトリアリールメタン系化合物A、並びに合成例2、3で得られた樹脂A、Bを下記表1に記載された組成となるように他の成分と混合して、着色組成物を調製した。
尚、表1の上段の数値は、いずれも添加する各成分の着色組成物中の含有割合(質量%)を表し、下段の数値は各成分の全固形分中の含有割合(質量%)を表す。
混合に際しては、各成分が十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmのコマ型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
実施例1〜4の着色組成物には(b)分散剤として分散剤A〜Dを用い、比較例1の着色組成物には分散剤Eを用いた。
DISPERBYK−167:ビックケミー社製。吸着基がイミダゾール環を含む分散剤。固形分アミン価は24mgKOH/g。固形分濃度52質量%の溶液。
DISPERBYK−161:ビックケミー社製。吸着基がイミダゾール環を含む分散剤。固形分アミン価は37mgKOH/g。固形分濃度30質量%の溶液。
EFKA4320:BASF社製。吸着基がピリジン環を含む分散剤。固形分アミン価は56mgKOH/g。固形分濃度50質量%の溶液。
BYK−LPN6919:ビックケミー社製。吸着基が脂肪族アミンを含む分散剤。固形分アミン価は120mgKOH/g。固形分濃度60質量%の溶液。
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
F559:パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(DIC社製)
Irganox1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジーtert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピネート](BASF社製)
JPP−100:テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト(城北化学工業社製)
5cm角に切断したガラス基板上に、上記[着色組成物の調製]にて調製した各着色組成物をスピンコート法により焼成後の膜厚が1.5μmとなるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光した後に、クリーンオーブンにて230℃で30分間焼成して着色硬化膜を得た。得られた着色硬化膜の吸光度を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて測定し、吸収スペクトルの吸収極大を比較し、焼成後の吸光度/焼成前の吸光度×100として吸光度比を算出した。結果を表2に示す。
これに対して芳香族複素環を有する分散剤を使用した場合、塩基性の弱い芳香族複素環が加熱によってもトリアリールメタン系化合物のsp2炭素と結合しにくく、共役系が崩れて退色しにくいため、吸収極大における吸光度の低下が抑制できたと考えられる。
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極
Claims (7)
- (a)着色剤、(b)分散剤、及び(c)溶剤を含む着色組成物であって、
前記(a)着色剤が、トリアリールメタン系化合物を含み、
前記(b)分散剤が、芳香族複素環を含む吸着基を有する分散剤(b1)を含有し、
前記トリアリールメタン系化合物が、下記一般式(I)で表される化合物であることを
特徴とする着色組成物。
基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
Arは置換基を有していてもよい1価の芳香族環基を表す。
nは0又は1を表し、0のとき結合は存在しない。
Xは、a価の連結基を表す。
Ac−は、c価の、置換基を有していてもよいハロゲノアルキルスルホニルイミドアニ
オンを表す。
a、b、c、及びdは1〜4の整数を表し、a×b=c×dの関係を満たす。
mは0又は1を表す。mが0のとき結合は存在せず、aは1である。) - 前記分散剤(b1)の吸着基に含まれる芳香族複素環が、イミダゾール環、ピリジン環
、又はカルバゾール環である、請求項1に記載の着色組成物。 - 前記(a)着色剤がさらに顔料を含む、請求項1又は2に記載の着色組成物。
- さらに(d)バインダー樹脂を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組
成物。 - さらに(e)光重合性モノマー及び(f)光重合開始剤を含有する、請求項1〜4のい
ずれか1項に記載の着色組成物。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物から構成される硬化物。
- 請求項6に記載の硬化物を有する画像表示装置。
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