JP5824729B2 - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
これらの色素を用いてカラーフィルタを作成しても、耐熱性が不足するため、また、有機溶剤溶解性が低い為、カラーフィルタ基板上で異物の析出が認められ明度低下を引き起こすなど課題が多く、実用化には至っていない。また、経時での異物の析出なども認められ保存安定性が不足している。
R1は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表し、
R2は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。]
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、後述のイミド酸アニオンと、カチオン性シアニン系染料とを反応させて得られた造塩化合物を含むことで、高明度、耐熱性高いコントラスト比を有し、また塗膜形成時の異物発生がない優れた効果を有するものとなる。また、顔料や染料を併用して用いることも好ましい。
本発明の一般式(1−1)で表される造塩化合物は、一般式(1−3)で表されるイミド酸アニオンと、一般式(1−2)で表されるカチオン性シアニン系染料とを塩形成させることで得ることができる。
一般式(1−1)において、「脂環式炭化水素基」としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基、等が挙げられる。
一般式(1−1)において、「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、等が挙げられる。
本願のカチオン性シアニン系染料は、下記一般式(1−2)で表される化合物である。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
ここで、重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。
また、連結基としては(シアニン骨格から見て)、アルキレン基(以下、−X−と表す。)、−XO−基、−XNH−基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、−XCONH−基、−XCOO−基、−XOCO−基、−XCOOX−基、−XOCOX−基、−XCOOXCOO−基、−XOCOXCOO−基、などが挙げられる。
重合性官能基を有する有機基の具体例としては、次表(DC−5〜8など)に示した通りである。
本発明の造塩化合物は、イミド酸アニオンと、カチオン性シアニン系染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいはイミド酸アニオンの水溶液とカチオン性シアニン系染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。水溶液中で、イミド酸アニオンのアニオン性基とカチオン性シアニン系染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。逆に、イミド酸アニオンの対カチオンとカチオン性シアニン系染料の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するイミド酸アニオン、およびカチオン性シアニン系染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、カチオン性シアニン系染料あるいは、イミド酸アニオンが水に不溶である場合は、適宜、それぞれが可溶な溶剤にそれぞれを溶解させ、加熱攪拌した後、溶剤を減圧あるいは常圧下で留去し、固形物を得て、そこに水を添加しリスラリーすることで、副生成物である塩を除去した上で、固形物を濾過により濾別することで造塩化合物を得ても良い。この時、用いる溶剤は、後述する水溶性有機溶剤を用いることが出来る。
着色剤は、さらに顔料、またはその他の染料を併用して用いることができる。
その他の着色剤と併用する場合には、中でも有機顔料を用いることが色相の調整、および耐性向上のために好ましい。本発明の造塩化合物と有機顔料とを併用する場合、本発明の造塩化合物と有機顔料との使用割合は、有機顔料100重量部に対し本発明の造塩化合物が1〜80重量部であることが好ましい。より好ましくは5〜60重量部である。本発明の造塩化合物の添加量がこの範囲にある場合、色相、および再現可能な色度領域も優れた組成物とすることができる。
赤色フィルタセグメントを形成する赤色顔料としては、以下に述べる赤色顔料、または赤色染料を併用して用いることができる。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、149、166、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、242、246、254、255、264、268、269、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、特表2011−523433号公報に記載のジケトピロロピロール顔料、または特開2013−161025号公報に記載のナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。これらの中でもC.I.ピグメントレッド177、242、254、269を用いることが好ましい。
青色フィルタセグメントを形成する顔料としては、青色顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられ、紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメント ブルー15:1、15:6が特に望ましい。
緑色フィルタセグメントを形成する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料、許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でもC.I.ピグメントグリーン36、58を用いることが好ましい。
また緑色着色組成物には、色相調整のため、黄色顔料を併用することが可能である。中でもC.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221、特許第4993026号公報に記載のキノフタロン系顔料等を併用することが可能であるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、C.I.ピグメント イエロー138、150等を用いることが好ましい。
本発明で併用可能な顔料は、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。
次に、本発明の造塩化合物と併用可能な染料について説明する。併用することができる染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられ、油熔性染料、酸性染料、金属錯塩染料、塩基性染料、直接染料、分散染料、媒染染料等が挙げられる。これらのうち、油溶性染料、酸性染料、金属錯塩染料、塩基性染料が好ましい。
また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。
油溶性染料を用いる場合、キサンテン系染料、またはアントラキノン系染料が明度の観点で好ましい。
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、またはC.
I.ソルベントバイオレット10等が挙げられる。
トリアリールメタン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー1、3、5、7、9、11、15、17、19、22、24、38、48、75、83、90、91、93、93:1、100、103、104、109、110、119、147、269、123、213、C.I. ダイレクトブルー41、C.I. アシッドバイオレット17、19、21、23、25、38、49、72、ダイレクトブルー41などが挙げられる。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
C.I. アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. アシッドバイオレット11、56、58;
C.I. アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I. アシッドブルー92、102、113、117などが挙げられる。
塩基性染料を用いる場合、トリアリールメタン系、またはキサンテン系染料が明度の観点で好ましい。
トリアリールメタン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。中でもC.I.ベーシック ブルー7、同グリーン 4、同バイオレット1、同バイオレット3を用いることが好ましい。
オーラミン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー2、3、
サフラニン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド2、
フロキシン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド12、
アクリジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー5、
オキサジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー3、
チアジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー24、
メチレンブルー系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、同25(ベーシック ブルーGO)、同24(ニューメチレンブルーNX)等があげられる。中でもC.I.ベーシック イエロー1、同ブルー9、同24、同25を用いることが好ましい。
金属錯塩染料は、蛍光を有する色素に対し蛍光消光効果を示すため、本発明における好適に使用できる。
金属錯塩染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー13、19、21、25、25:1、62、79、81、82、83、83:1、88、89、90、151、161、C.I.ソルベントオレンジ5、11、20、40:1、41、45、54、56、58、62、70、81、99、C.I.ソルベントレッド8、35、83:1、84:1、90、90:1、91、92、118、119、122、124、125、127、130、132、160、208、212、214、225、233、234、243;C.I.ソルベントバイオレット2、21、21:1、46、49、58、61;C.I.ソルベントブルー137;C.I.ソルベントブラウン28、42、43、44、53、62、63;C.I.アシッドイエロー59、121;C.I.アシッドオレンジ74、162;C.I.アシッドレッド211が挙げられる。これらの中でも、蛍光消光の観点から、C.I.ソルベントイエロー 21、79、81、82、C.I.ソルベントオレンジ 41、54、56、62、99、C.I.ソルベントレッド 8、118、122、127が好ましい。これらの金属錯塩染料は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
バインダー樹脂は、着色剤、特に造塩化合物および顔料を分散するもの、もしくは造塩化合物を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂等が挙げられる。本発明においては、着色剤は、前記造塩化合物、または前記造塩化合物と顔料とから構成される。
本発明においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含むことが好ましい。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることができる。
本発明の着色組成物は、造塩化合物と前記バインダー樹脂と溶剤とからなる着色剤担体中、さらに顔料を含む場合、好ましくは色素誘導体、樹脂型分散剤などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、顔料、造塩化合物、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、造塩化合物は、顔料の分散助剤としての役割を果たすことも期待され
る。
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。
これらの光重合性単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するもの、またはマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
(バインダー樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体溶液を得た。
次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダー樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、グリセロールモノメタクリレート8.5部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体溶液を得た。
次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイオキシルエチルイソシアネート6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。
樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダー樹脂溶液3を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100モル%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、共重合体溶液を得た。
更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100モル%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させカルボキシル基と、共重合体溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダー樹脂溶液4を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
(青色微細化顔料(P−1):PB15:6)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(P−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(P−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(P−3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、95部の黄色微細化顔料(P−4)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は39.2nmであった。
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)120部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部の緑色微細化顔料(P−5)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は32.6nmであった。
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(P−6)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は38.9nmであった。
(顔料ペーストPP−1の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(PP−1)を作製した。
微細化顔料(P−1) :10.0部
バインダー樹脂溶液1 :35.0部
シクロヘキサノン :20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :20.0部
樹脂型分散剤 :15.0部
(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」の20%PGMAc溶液)
表1に記載した微細化顔料の種類に変更した以外は、顔料ペースト(PP−1)と同様に顔料ペースト(PP−2〜6)を得た。
以下カチオン性シアニン系染料はJ. Org. Chem.,1995,60(8), pp 2411?2422、J. Am. Chem. Soc.,2011,133(40), pp 15870?15873を参考にした。
下記反応スキーム1〜3に従って、本発明におけるカチオン性シアニン系染料A−1〜7、B−1〜4、C−1〜5、D−1〜5、E−1〜5及びF−1〜5をそれぞれ合成した。
カチオン性シアニン系染料A−1は、まず中間体A−1を合成した後に、次のステップで目的物であるカチオン性シアニン系染料A−1を合成した。(反応スキーム1)
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100 mL4口フラスコに2,3,3−トリメチルインドレニン 5 g、ヨードエタン 7.35 g、アセトニトリル 10 mLを加え、24時間加熱還流した。室温まで冷却後、エバポレーターにて溶媒を留去し、固体を析出させた。そこへジエチルエーテル40 mL加え、洗浄し吸引ろ過した。8.61 gの生成物を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=188.25(分子量188.14)で目的物であることを確認した。
温度計、滴下ろうと、冷却管、窒素フロー管を具備した100 mL4口フラスコに中間体A−1 8.61 g、無水酢酸15 mL加え、そこへ滴下ろうとを用いてオルトギ酸トリエチル 4.05 g滴下し、加熱還流させた。1時間後、室温まで冷却し、固体を析出させた。析出した固体を吸引ろかし、酢酸エチル 30 mL、イオン交換水 30 mLで洗浄した。熱風乾燥機にて40 ℃で1晩加熱乾燥し、6.16 gの生成物を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=385.33(分子量385.26)で目的物であることを確認した。
中間体A−1のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、9.49 gの生成物(中間体A−2)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=216.29(分子量216.17)で目的物であることを確認した。中間体A−2を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.68 gの生成物(A−2)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=441.45(分子量441.33)で目的物であることを確認した。
中間体A−1のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、9.79 gの生成物(中間体A−3)を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=244.35(分子量244.21)で目的物であることを確認した。中間体A−3を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.92 gの生成物(A−3)を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=497.51(分子量497.39)で目的物であることを確認した。
カチオン性シアニン系染料A−5は、まず中間体A−5を合成した後に、次のステップで目的物であるカチオン性シアニン系染料A−5を合成した。(反応スキーム2)
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100 mL4口フラスコに2,3,3-トリメチルインドレニン 5 g、2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシラン 9.85 g、ヨウ化カリウム 5.21 g、アセトニトリル 10 mLを加え、24時間加熱還流した。室温まで冷却後、エバポレーターにて溶媒を留去し、固体を析出させた。そこへジエチルエーテル40 mL加え、洗浄し吸引ろ過した。5.87 gの生成物(中間体A−5)を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=288.31(分子量288.20)で目的物であることを確認した。
中間体A−5を用いた以外は、A−4と同様に合成した。5.54 gの生成物(A−5)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=585.49(分子量585.37)で目的物であることを確認した。
カチオン性シアニン系染料A−7は、まず中間体A−7aを合成した後に、次のステップで中間体A−7bを合成し、さらに次のステップで目的物であるカチオン性シアニン系染料A−7を合成した。(反応スキーム3)
中間体A−5の2−(4−ブロモ−ブトキシメチル)−オキシランを3−ブロモプロピオン酸に変更した以外は、中間体A−5と同様に合成し、5.87 gの生成物(中間体A−7a)を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=232.25(分子量232.13)で目的物であることを確認した。
温度計、滴下ろうと、冷却管を具備した100 mL3口フラスコに中間体A−7a 9.81g、ジクロロメタン15 mL、4−(N, Nジメチル)アミノピリジン 0.40 g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 2.55 g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.44 gを加え、室温にて24時間撹拌させた。イオン交換水 30mLにて分液操作を2回行った後、飽和食塩水50 mLで2回有機層を洗浄した。硫酸マグネシウムを5 g加え、30分撹拌後、硫酸マグネシウムをろ過し、溶媒を留去した。真空燥機にて40 ℃で1晩加熱乾燥し、5.46 gの生成物(中間体A−7b)を得た。収率は71%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=344.31(分子量344.19)で目的物であることを確認した。
中間体A−7bを用いた以外は、A−4と同様に合成した。5.54 gの生成物(A−7)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=824.38(分子量824.25)で目的物であることを確認した。
中間体C−1のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体C−1と同様に合成し、7.80 gの生成物(中間体C−2)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=294.20(分子量294.09)で目的物であることを確認した。中間体C−2を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.04 gの生成物(C−2)を得た。収率は90%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=599.59(分子量599.46)で目的物であることを確認した。
中間体C−1のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体C−1と同様に合成し、8.04 gの生成物(中間体C−3)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=322.24(分子量322.12)で目的物であることを確認した。中間体C−3を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.14 gの生成物(C−3)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=653.33(分子量653.21)で目的物であることを確認した。
中間体C−1のヨードエタンを3−ヨードプロピレンに変更した以外は、中間体C−1と同様に合成し、4.43 gの生成物(中間体C−4)を得た。収率は52%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=278.16(分子量278.05)で目的物であることを確認した。中間体C−4 を用いた以外は、A−4と同様に合成し、2.50 gの生成物(C−4)を得た。収率は66%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=565.21(分子量565.08)で目的物であることを確認した。
中間体C−5a を用いた以外は中間体A−7bと同様に合成し、4.57 gの生成物(中間体C−5b)を得た。収率は72%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=422.22(分子量422.10)で目的物であることを確認した。中間体C−5bを用いた以外は、A−7と同様に合成し4.74 gの生成物(C−5)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=853.28(分子量853.17)で目的物であることを確認した。
中間体D−1を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.15 gの生成物(D−1)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=453.30(分子量453.19)で目的物であることを確認した。
中間体A−5の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−クロロ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体A−5と同様に合成し、4.57 gの生成物(中間体D−5)を得た。収率は57%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=322.28(分子量322.16)で目的物であることを確認した。中間体D−5 を用いた以外は、A−5と同様に合成し、3.74 gの生成物(D−5)を得た。収率は65%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=653.41(分子量653.29)で目的物であることを確認した。
中間体A−1の2,3,3−トリメチルインドレニンを2,3,3,5−テトラメチルインドレニンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、8.46 gの生成物(中間体E−1)を得た。収率は89%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=202.35(分子量202.16)で目的物であることを確認した。中間体E−1を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.32 gの生成物(E−1)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=413.48(分子量413.36)で目的物であることを確認した。
中間体E−1のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体E−1と同様に合成し、9.07 gの生成物(中間体E−2)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=230.31(分子量230.19)で目的物であることを確認した。中間体E−2を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.44 gの生成物(E−2)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=469.46(分子量469.36)で目的物であることを確認した。
中間体E−1のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体E−1と同様に合成し、9.34 gの生成物(中間体E−3)を得た。収率は84%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=258.35(分子量258.22)で目的物であることを確認した。中間体E−3を用いた以外は、A−1と同様に合成した。6.25 gの生成物(E−3)を得た。収率は79%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=525.53(分子量525.42)で目的物であることを確認した。
中間体A−1の2,3,3−トリメチルインドレニンを5−メトキシ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体A−1と同様に合成し、8.03 gの生成物(中間体F−1)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=218.26(分子量218.15)で目的物であることを確認した。中間体F−1を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.06 gの生成物(F−1)を得た。収率は91%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=445.41(分子量445.29)で目的物であることを確認した。
中間体F−1のヨードエタンをヨードブタンに変更した以外は、中間体F−1と同様に合成し、8.58 gの生成物(中間体F−2)を得た。収率は87%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=246.32(分子量246.19)で目的物であることを確認した。中間体F−2を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.36 gの生成物(F−2)を得た。収率は88%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=501.46(分子量501.35)で目的物であることを確認した。
中間体F−1のヨードエタンをヨードヘキサンに変更した以外は、中間体F−1と同様に合成し、9.01 gの生成物(中間体F−3)を得た。収率は85%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=274.33(分子量274.22)で目的物であることを確認した。中間体F−3を用いた以外は、A−1と同様に合成し、6.61 gの生成物(F−3)を得た。収率は86%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=557.51(分子量557.41)で目的物であることを確認した。
中間体A−7aの2,3,3-トリメチルインドレニンを5−メトキシ−2,3,3−トリメチルインドレニンに変更した以外は、中間体A−7bと同様に合成し、5.55 gの生成物(中間体F−5a)を得た。収率は54%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=262.28(分子量262.14)で目的物であることを確認した。中間体F−5a を用いた以外は、A−7bと同様に合成し、5.29 gの生成物(中間体F−5b)を得た。収率は74%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z=374.39(分子量374.26)で目的物であることを確認した。中間体F−5bを用いた以外は、A−7と同様に合成し、5.42 gの生成物(F−5)を得た。収率は58%であった。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。カチオン成分m/z= 757.49(分子量757.37)で目的物であることを確認した。
(イミド酸アニオンG−1の合成)
(造塩化合物(ZC−1))
下記の手順でカチオン性シアニン系染料とイミド酸アニオン(G−1)とからなる造塩化合物(ZC−1)を製造した。
カチオン性シアニン系染料とイミド酸アニオンの種類と重量部を、表2に示す内容に変更した以外は、造塩化合物(ZC−1)と同様にして、各種カチオン性シアニン系染料と各種イミド酸アニオンとからなる造塩化合物(ZC−2〜ZC−51)を製造した。
カチオン性シアニン系染料、イミド酸アニオンの種類と重量部を、表3に示すカチオン性染料とアニオンの種類と重量部に変更した以外は、造塩化合物(ZC−1)と同様にして、各種カチオン性染料と各種アニオンとからなる造塩化合物(ZC−53〜ZC−57)を製造した。
[実施例1]
(染料ペーストDP−1の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(DP−1)を作製した。
造塩化合物(ZC−1) :10.0部
バインダー樹脂溶液1 :50.0部
シクロヘキサノン :20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :20.0部
次に、顔料ペースト(PP−3)と、染料ペースト(DP−1)を乾燥塗膜の色度が、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」C光源)測定においてx=0.661、y=0.323となるような配合比にて調整し、1時間ディスパーにて攪拌混合することで、着色組成物(DB−1)を得た。
(染料ペースト(DP−2〜DP−57)及び、着色組成物(DB−2〜57)の作製)
表4に示す造塩化合物の種類を変更した以外は、染料ペーストDP−1と同様にして染料ペーストDP−2〜DP−57を作製した。
次に、表5、表6に示す顔料ペースト、染料ペーストの種類に変更した以外は着色組成物DB−1と同様にして着色組成物(DB−2〜57)を製造した。
ただし、実施例8〜21は参考例である。
得られた着色組成物(DB−1〜57)について、耐熱性、明度、およびコントラスト比、異物評価に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果は上記表5〜6に示してある。
着色組成物(DB−1〜57)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
×:ΔEab*が3.0以上、5.0以上
着色組成物(DB−1〜57)を、 スピンコーターにて100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にx=0.661になるように塗布し、オーブンにて230℃で30分焼成し、得られた着色組成物の塗布基板を得た。得られた塗布基板を用いて、明度(分光透過率)を測定した。 なお、XYZ表色系色度図における明度(分光透過率)の測定は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用いて行った。判定基準は以下の通りである。×は使用困難なレベルである。
◎:18.0以上
○:17.6以上18.0未満
×:17.6未満
着色組成物(DB−1〜57)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、回転数を変えて、230℃での熱処理後の膜厚が約1.5μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。乾燥条件は、塗布後70℃で20分、さらに230℃で30分であり、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1.5μmにおけるコントラストを一次相関法で求めた。×は使用困難なレベルである。
◎:CR≧10000以上
○:CR=5000以上、10000未満
△:CR=3000以上、5000未満
×:CR=3000未満
調製直後の着色組成物(DB−1〜57)にて試験基板を作製し、塗膜析出物の数をカウントすることで評価した。先ず、100mm×100mm、1.1mm厚の透明ガラス基板上に乾燥後の膜厚が約2.0μmとなるように着色組成物をスピンコーターで塗布し、オーブンで230℃、20分加熱して試験基板を得た。その後、オリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な塗膜析出物の数をカウントする。
◎:5個未満
○:5個以上20個未満
△:20個以上100個未満
×:100個以上
また、なかでも着色剤としてイミド酸アニオン中にフッ素原子を含む造塩化合物を含んだ着色組成物(DB−1〜13、18〜52)は、着色剤としてイミド酸アニオン中にフッ素原子を含まない造塩化合物を含んだ着色組成物(DB−14〜17)に比べ耐熱性が良好であるため、その結果、明度、コントラスト比も良好な結果となった。
しかし、着色剤として本願特定のカチオン性シアニン系染料ではないカチオン染料と、イミド酸アニオンの造塩化合物を含んだ着色組成物(DB−53〜54)は非常に大きな蛍光が観測されたためコントラスト比が実施例に比べると大きく劣る結果となった。
また、着色剤として本願特定のカチオン性シアニン系染料と本願特定のイミド酸アニオンではないアニオンとの造塩化合物を含んだ着色組成物(DB−55〜56)は、実施例に比べ耐熱性が大きく劣るため塗膜が荒れ、その結果、コントラスト比や明度も大きく劣る結果となった。
また、着色剤としてカチオン性シアニン系染料と芳香族炭化水素、複素環を有さないイミド酸アニオンとの造塩化合物を含んだ着色組成物(DB−57)は、溶剤への溶解性が低下したため塗膜形成時に析出物が発生し、明度とコントラスト比が実施例に比べ劣る結果となった。
[実施例53]
(レジスト材(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−1)を作製した。
着色組成物(DB−1) :60.0部
バインダー樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
(レジスト材(R−2〜57))
以下、着色組成物(DB−1)を表7〜8に示す着色組成物に変更した以外は実施例52と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−2〜57)を作製した。
ただし、実施例60〜73は参考例である。
(レジスト材(R−58))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−58)を作製した。
着色組成物(DB−52) :60.0部
バインダー樹脂溶液2 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
(レジスト材(R−59))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−59)を作製した。
着色組成物(DB−52) :60.0部
バインダー樹脂溶液3 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
(レジスト材(R−60))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−60)を作製した。
着色組成物(DB−52) :60.0部
バインダー樹脂溶液4 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
得られたレジスト材(R−1〜60)について、耐熱性、明度、コントラスト比、異物評価に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果は上記表7、表8に示した。
得られたレジスト材(R−1〜60)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行った。ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が1.5未満
○:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
×:ΔEab*が3.0以上、5.0以上
得られたレジスト材(R−1〜60)をスピンコーターにてx=0.661になるように、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に塗布し、50mJ/cm2の露光量で紫外線により露光した後、23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で30分焼成し、得られた感光性着色組成物の塗布基板を得た。得られた塗布基板を用いて、明度(分光透過率)を測定した。 なお、XYZ表色系色度図における明度(分光透過率)の測定は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用いて行った。判定基準は以下の通りである。×は使用困難なレベルである。
◎:18.0以上
○:17.6以上18.0未満
×:17.6未満
得られたレジスト材(R−1〜60)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、回転数を変えて、230℃での熱処理後の膜厚が約1.5μm前後となるように3枚の基板に塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで220℃で30分間加熱、放冷後、得られた塗膜基板のそれぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1.5μmにおけるコントラストを一次相関法で求めた。×は使用困難なレベルである。
◎:CR≧10000以上
○:CR=5000以上、10000未満
△:CR=3000以上、5000未満
×:CR=3000未満
得られたレジスト材(R−1〜60)を用いて試験基板を作製し、塗膜析出物の数をカウントすることで評価した。先ず、100mm×100mm、1.1mm厚の透明ガラス基板上に乾燥後の膜厚が約2.0μmとなるように着色組成物をスピンコーターで塗布し、オーブンで230℃、20分加熱して試験基板を得た。その後、オリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な塗膜析出物の数をカウントする。
◎:5個未満
○:5個以上20個未満
△:20個以上100個未満
×:100個以上
また、なかでも着色剤としてイミド酸アニオン中にフッ素原子を含む造塩化合物を含んだ感光性着色組成物(R−1〜13、R−18〜52)は、着色剤としてイミド酸アニオン中にフッ素原子を含まない造塩化合物を含んだ感光性着色組成物(R−14〜17)に比べ耐熱性が良好であるため、その結果、明度、コントラスト比も良好な結果となった。
しかし、着色剤として本願特定のカチオン性シアニン系染料ではないカチオン染料と、イミド酸アニオンの造塩化合物を含んだ感光性着色組成物(R−53〜54)は非常に大きな蛍光が観測されたためコントラスト比が実施例に比べると大きく劣る結果となった。
また、着色剤として本願特定のカチオン性シアニン系染料と本願特定のイミド酸アニオンではないアニオンとの造塩化合物を含んだ感光性着色組成物(R−55〜56)は、実施例に比べ耐熱性が大きく劣るため塗膜が荒れ、その結果、コントラスト比や明度も大きく劣る結果となった。
また、着色剤としてカチオン性シアニン系染料と芳香族炭化水素も複素環も有さないイミド酸アニオンとの造塩化合物を含んだ着色組成物(R−57)は、溶剤への溶解性が低下したため塗膜形成時に析出物が発生し、明度とコントラスト比が実施例に比べ劣る結果となった。
まず、カラーフィルタの作製に使用する青色感光性着色組成物、及び緑色感光性着色組成物の作製を行った。尚、赤色については感光性着色組成物(R−52)を使用した。
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、青色感光性着色組成物(RB−1)を作製した。
顔料ペースト(PP−1) 24.0部
顔料ペースト(PP−2) 10.0部
バインダー樹脂溶液1 15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 3.3部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45.1部
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、緑色感光性着色組成物(RG−1)を作製した。
顔料ペースト(PP−4) 17.0部
顔料ペースト(PP−5) 17.0部
バインダー樹脂溶液1 15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 3.3部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45.1部
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色感光性着色組成物(R−52)を、膜厚が2.0umになるように塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、本発明の緑色感光性着色組成物(RG−1)を膜厚が2umになるように、青色感光性着色組成物(RB−1)を膜厚が2umになるように、それぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
Claims (4)
- 少なくとも着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤からなるカラーフィルタ用着色組成物であって、着色剤が下記一般式(1−1)で表される、イミド酸アニオンとカチオン性シアニン系染料との造塩化合物であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
一般式(1−1)
R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、
R2はハロゲン原子、−CF 3 、および−OCF 3 からなる群より選ばれる置換基を有する芳香族炭化水素基を表す。(ただし、R 1 が置換基を有するアルキル基であり、該置換基が−Si(OR 30 )であり、かつR 30 がアルキル基の場合を除く)。]
一般式(1−2)
- 式(1−1)において、R1が、トリフルオロメチル基であり、R2が、ペンタフルオロフェニル基であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 基板上に、請求項1〜3いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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