JP2017058558A - カラーフィルタ用感光性着色組成物、感光性着色組成物の製造方法、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用感光性着色組成物、感光性着色組成物の製造方法、およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度で経時分散安定性に優れ、パターン形成時のアルカリ現像液に対する溶解性に優れ、剥がれることなく現像残渣も少ないパターンハガレの無い着色パターンを形成することができる感光性着色組成物、および感光性着色組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】上記課題は、特定の樹脂型分散剤にて顔料を分散することで高濃度顔料での分散安定性を確保し、さらに特定のアルカリ可溶性樹脂とノニオン性界面活性剤を併用するカラーフィルタ用着色組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、着色パターン形成に用いられるカラーフィルタを作製するのに好適な感光性組成物および感光性着色組成物の製造方法、に関する。また、感光性着色組成物を用いた、着色硬化膜、カラーフィルタ、着色パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、及び液晶表示装置に関する。
カラーフィルタを使用するカラー表示装置としては、C−MOS/CCDなどに代表される固体撮像素子、液晶表示装置、有機EL表示装置などが挙げられるが、近年いずれのカラーフィルタも高輝度、高色純度、薄膜化が求められている。理由は省電力化、パターン高精細化による高感度化、色の再現性を高めるためなどであるが、その結果カラーフィルタを形成するための感光性着色組成物中の着色成分を高濃度化することが要求されている。そのようなカラーフィルタを実現するために、着色剤である顔料を樹脂型分散剤を用い高濃度で分散安定化する方法(例えば特許文献1)、着色剤として染料を使用する方法が提案されている(例えば特許文献2)。カラーフィルタは、それら着色剤とアルカリ可溶性樹脂、感光性材料や添加剤などを混合・調合することによってカラーレジスト化し、このカラーレジストを基板上にスピンコーターなどの塗布装置により塗膜形成し、アライナーやステッパー等によりマスクを介して選択的に露光を行い、アルカリ現像、熱硬化処理をすることによりパターニングし、この操作を繰り返すことによって作製される。
しかし上記方法においては、疎水性成分である顔料や染料が多く含まれることや、高濃度で顔料を分散するための高分子量樹脂型分散剤を使用するために、パターニング時のアルカリ現像液への溶解性が悪化し、残渣やパターン直線性が悪化することが課題となっている。このような課題を解決するためには、低分子量のアルカリ可溶性樹脂を併用することが提案されている。(例えば特許文献3)
また、ノニオン性界面活性剤を使用することも提案されている。(例えば参考文献4、5)親水部のアルカリ現像液への親和性を向上させ、疎水部である顔料や染料の溶解性が向上する結果、現像性や残渣を改善することができるものである。
特開2009−165925号公報 特開2014−43556号公報 特開2006−145753号公報 特開1993−333541号公報 特開2014−199436号公報
しかし、特許文献3の方法においては、現像性は一定の改善が見られるが、現像されやすい部位とされにくい部位で現像速度に差が生じてしまうために残渣や直線性の悪化が発生しやすい。また、特許文献4、5の方法においては、界面活性剤を添加すればするほど現像性が改善するが、パターンが剥離してしまうなどフォトリソ性に劣るものであった。
そのため今までは高濃度の顔料を分散する際には、感光性着色組成物のアルカリ現像性を考慮して比較的低分子量で酸価の高いものを使用することで解決してきたが、そのために顔料分散体の粘度安定性が悪化するため、高色純度なカラーフィルタを達成することが出来ずにいた。つまり、高濃度顔料とアルカリ現像性の両立を達成する際の課題であり、改善が求められている。
かかる状況のもと本願発明者が鋭意検討を行った結果、特定の樹脂型分散剤にて顔料を分散し高濃度顔料での分散安定性を確保しつつも、特定のアルカリ可溶性樹脂とノニオン性界面活性剤をさらに併用することで、上記課題を解決することを見出した。すなわち本発明は、高濃度で経時分散安定性に優れ、パターン形成時のアルカリ現像液に対する溶解性に優れ、剥がれることなく現像残渣も少ないパターンハガレの無いカラーフィルタを形成することができる感光性着色組成物、および感光性着色組成物の製造方法を提供することを目的とする。
また当該感光性着色組成物を用いた、着色硬化膜、着色パターン形成方法、カラーフィルタを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、顔料(A)と、樹脂型分散剤(B)(アルカリ可溶性樹脂(C)である場合を除く)と、アルカリ可溶性樹脂(C)と、光重合性単量体(D)と、光重合開始剤(E)と、ノニオン性界面活性剤(F)と、溶剤(G)とを含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、
該樹脂型分散剤(B)が、下記一般式(1)で表されるユニット(A1)と、その他のユニット(A2)とを含む重合体であり、一般式(1)のR1およびRがメチル基であるユニットを全重合体中30重量%以上80重量%以下であり、
かつ重量平均分子量が16000以上50000以下、かつ酸価が0〜50(KOHmg/g)である樹脂型分散剤(B1)を含み、
該アルカリ可溶性樹脂(C)の重量平均分子量が2000以上10000以下、かつ酸価が90〜200(KOHmg/g)であることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。

一般式(1):

[一般式(1)中、Rは炭素数1〜10の分岐しても良いアルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。]
また、本発明はさらに染料を含有することを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明はアルカリ可溶性樹脂(C)が、少なくとも1種の不飽和結合を有する化合物(C1)(但し(C2)を除く)と、1分子中にエポキシ基および不飽和結合を有する化合物(C2)とを共重合させて共重合体(C6)を得て、得られた共重合体(C6)と不飽和1塩基酸を有する化合物(C4)とを反応させて共重合体(C7)を得て、更に得られた共重合体(C7)と多塩基酸無水物(C5)とを反応させて得られる樹脂(c1)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明は多塩基酸無水物(C5)が、テトラヒドロ無水フタル酸または無水マレイン酸であることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明はノニオン性界面活性剤(F)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明はノニオン性界面活性剤(F)のHLBが、9以上16以下であることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明はさらに、樹脂型分散剤(B)が、少なくとも1つの、3級または4級アミン構造を有する樹脂型分散剤(B2)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明は顔料(A)と、樹脂型分散剤(B)(アルカリ可溶性樹脂(C)である場合を除く)と、溶剤(G)とを機械的に混練して顔料分散体を得る工程と、該顔料分散体と、アルカリ可溶性樹脂(C)と、光重合性単量体(D)と、光重合開始剤(E)と、ノニオン性界面活性剤(F)と、溶剤(G)とを混合することにより感光性着色組成物を得る工程とを有するカラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法であって、
該樹脂型分散剤(B)が、下記一般式(1)で表されるユニット(A1)と、その他のユニット(A2)とを含む重合体であり、一般式(1)のR1およびRがメチル基であるユニットを全重合体中30重量%以上80重量%以下であり、
該樹脂型分散剤(B)の重量平均分子量が16000以上50000以下、かつ酸価が0〜50(KOHmg/g)である樹脂型分散剤(B1)を含み、
該アルカリ可溶性樹脂(C)の重量平均分子量が2000以上10000以下、かつ酸価が90〜200(KOHmg/g)であることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法に関する。

一般式(1):

[一般式(1)中、Rは炭素数1〜10の分岐しても良いアルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。]
また、本発明は上記いずれかのカラーフィルタ用感光性着色組成物を支持体上に塗布し、着色層を形成する工程において、紫外線露光工程前に加熱による乾燥工程を含むことを特徴とする着色パターン形成方法に関する。
また、本発明は上記いずれかの感光性着色組成物を硬化してなる着色硬化膜に関する。
また、本発明は上記の着色硬化膜を有するカラーフィルタに関する。
本発明により、経時分散安定性、パターン形成時のアルカリ現像液に対する溶解性に優れた感光性着色組成物、パターン剥がれがなく残渣が少ない着色硬化膜、及び高色純度のカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
<感光性着色組成物>
まず、本発明の感光性着色組成物について説明する。
本発明の感光性着色組成物は、顔料と樹脂型分散剤、およびそれらを分散して得られる顔料分散体と、アルカリ可溶性樹脂、光重合単量体、光重合開始剤、ノニオン性界面活性剤を含有するものである。まず、感光性着色組成物に用いられる顔料と樹脂型分散剤、およびそれらを分散して得られる顔料分散体、さらにアルカリ可溶性樹脂、光重合単量体、光重合開始剤、ノニオン性界面活性剤、必要に応じ用いられる染料、溶剤、分散性向上剤、分散助剤などのその他の成分について順次説明する。
<顔料(A)>
本発明の感光性着色組成物に用いることができる顔料(A)としては、従来公知の種々の顔料から任意に選択することができる。これらの顔料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
顔料(A)の含有量は、感光性着色組成物の全不揮発成分を基準(100重量%)として、充分な色再現性を得る観点から10重量%以上が好ましく、より好ましくは15重量%以上であり、最も好ましくは20重量%以上である。また、感光性着色組成物の安定性の観点から、好ましい着色剤含有量は90重量%以下であり、より好ましくは80重量%以下であり、最も好ましくは70重量%以下である。
カラーフィルタの画素を形成する場合に使用できる顔料の具体例を示す。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、1 01、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。これらの中でも、明度および着色力の観点から、アゾ顔料、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キノフタロン系、イソインドリン系、ペリノン系、ペリレン系、ベンズイミダゾロン系の色素が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド176、177、179、254、242、下記一般式(2)で表されるナフトールアゾ顔料が好ましい。

(一般式2)

[一般式(2)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。Rは、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−ORまたは−COORを表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR、−COOR10、−CONHR11、−NHCOR12または−SONHR13を表す。R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、Rが−NHCOR12であり、A、R、R、R、およびRが水素原子、かつRがハロゲン原子の場合は除く。]
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、明度および着色力の観点から、、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、または15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。また、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等を用いることもでき、特にこれらに限定されない。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55または58を挙げることができる。これらの中でも、明度および着色力の観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36または58である。また、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料等を用いることもでき、特にこれらに限定されない。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などを挙げることができる。これらの中でも、明度および着色力の観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、下記一般式(3)で表されるキノフタロン化合物である。

(一般式3)

[一般式(3)中、X1〜X13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SOH基、−COOH基、−SOH基もしくは−COOH基の金属塩、−SOH基もしくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。X1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。]
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ペンジル基、4−メチルペンジル基、4−tert−プチルベンジル基、4−メトキシペンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプチルオキシ基、tert−プチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、−SO3H、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C(CO)N−CH−)、および、置換基を有してもよいスルファモイル基(HNSO−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
一般式(3)のX1〜X4、および/または、X10〜X13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環および複素芳香環が挙げられ、炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が、また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、明度および着色力の観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、または23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ38、43、64、71、または73等が上げられる。中でも、明度および着色力の観点から、C.I.ピグメントオレンジ38、43および64が好ましい。
[顔料(A)の微細化および顔料分散体]
本発明で顔料(A)を用いる場合、顔料(A)と樹脂型分散剤(B)および溶剤(G)を機械的に混練し、該顔料(A)を微細化するとともに該樹脂型分散剤(B)で被覆して顔料分散体とすることが好ましい。
本発明における機械的に混練して微細化する方法においては、溶剤を用いる湿式磨砕が使用でき、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことが好ましい。顔料(A)の一次粒子径は、樹脂型分散剤への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、明度が高いカラーフィルタを形成できることから、ある程度微細化することが必要であり、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径としている。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料(A)100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料(A)100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料(A)をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料(A)100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
またニーダー法以外の機械的に混練して微細化する方法としては、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、ビーズミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して顔料分散体を製造することができる。この中でもビーズミルにより微細化するのがこのとき、樹脂型分散剤と溶剤を同時に添加する必要があるが、2種以上の着色剤等を同時に分散しても良いし、別々に分散したものを後で混合しても良い。
(分散助剤)
顔料(A)を分散する際に、適宜、色素誘導体、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を分散してなる顔料分散体は、分光特性および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、顔料(A)100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
<樹脂型分散剤(B)>
一般に、樹脂型分散剤は顔料に吸着する部位と、顔料同士の距離を引き離すための立体障害性と、分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせ、この3つの部位のバランスで分散剤の性能が決まり、経時安定性に優れた顔料分散体を得られるかどうかが決まる。カラーフィルタ作成工程においてアルカリ可溶性を求められる場合に、感光性組成物中にて顔料分散体を混合して用いる時には、さらにアルカリ可溶性部位を有することが求められる。
しかし、アルカリ可溶性部位を有することは顔料に対する親和性を低下させるため、その樹脂型分散剤は顔料分散能が低下してしまう。
ここで本発明における樹脂型分散剤(B)は少なくとも1つの樹脂型分散剤(B1)を含むことで、着色組成物全体としての経時安定性とアルカリ可溶性の両立に寄与する。さらに少なくとも1つの樹脂型分散剤(B2)を含むことが経時安定性の面で好ましい。それぞれについて以下に説明する。
本発明に使用される樹脂型分散剤(B)は、主鎖はブロック重合体でも、ランダム重合体でもよく、グラフト重合体のような側鎖を有するものであってもよい。水酸基や酸基、アミン基のような官能基を有していても良く、酸基としてはカルボキシル基が好ましく、カルボキシル基は、アクリル重合時に、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ビニルこはく酸などカルボキシル基を有する単量体を用いることで導入できる。
あるいは、一旦、主鎖を得たのち、カルボキシル基を有する化合物を反応させて導入することもできる。具体的には、末端水酸基を有するアクリル重合体と、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物とを反応させてなるものが挙げられる。より好ましくは、ポリカルボン酸無水物が、芳香族テトラカルボン酸二無水物であるという構造特性をもつ分散剤であることが、更に本発明の効果を高める。
酸基を有する樹脂型分散剤としては、国際公開第2008/007776号パンフレット、特開2009−155406号公報、特開2011−157416号公報等に記載されている公知技術を用いることができる。
末端水酸基を有するアクリル重合体を構成する単量体としては、水酸基を有しエチレン性不飽和二重結合を有する単量体であればどのようなものでも構わないが、具体的には、水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3、又は4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類; 水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド類; 水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−(又は3−、又は4−)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル類; 水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−(又は3−、又は4−)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル類が挙げられる。しかし、これらに限定されない。
又、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド類、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、及びヒドロキシアルキルアリルエーテル類にアルキレンオキサイド又はラクトンを付加して得られるエチレン性不飽和単量体も、末端水酸基を有するアクリル重合体を構成する単量体として挙げられる。しかし、これらに限定されない。
更に、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物として、例えば、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。しかし、これらに限定されない。
更に、付加されるアルキレンオキサイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系が用いられていてもよい。2種以上のアルキレンオキサイドが併用されたときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。付加されるラクトンとしては、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、炭素原子数1〜6のアルキル基で置換されたε−カプロラクトンが挙げられ、これらの2種以上の併用系が用いられてもよい。アルキレンオキサイドとラクトンが両方とも付加されたものでもよい。
ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、カレンズMOI−BM、カレンズMOI−BP(昭和電工製)などが挙げられる。オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ETERNACOLL OXMA(宇部興産製)などが挙げられる。t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、t−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレートなどが挙げられる。
これらの単量体を構成成分として有する酸基を有する樹脂型分散剤は、それを含んでなる着色組成物及び顔料分散体を熱硬化した後に優れた耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、耐アルカリ性を得ることができる。これは、単量体中の架橋性官能基が焼きつけにより架橋することに起因すると推察される。
本発明の樹脂型分散剤(B)を構成することが出来るポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物の単量体としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物などの脂肪族テトラカルボン酸無水物; ピロメリット酸無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸無水物、などの芳香族テトラカルボン酸無水物が挙げられる。しかし、これらに限定されない。
更に、本発明において好ましく使用されるものは、顔料分散体の低粘度化の観点からは芳香族テトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは芳香族環を二つ以上有するテトラカルボン酸二無水物である。また、塗膜のコントラスト比を向上させるためには、芳香族環を一つ有するテトラカルボン酸二無水物が好ましく、さらに好ましくはピロメリット酸二無水物である。
本発明の樹脂型分散剤(B)を構成するポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物の単量体としては、上記に例示した化合物に限らず、カルボン酸無水物基を2つ持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いられていても、併用されていてもかまわない。更に、本発明に好ましい単量体としては、顔料分散体の低粘度化の観点から芳香族テトラカルボン酸無水物が挙げられ、更に好ましくは芳香族環を二つ以上有するテトラカルボン酸無水物が挙げられる。又、分子中にカルボン酸無水物基を1つ持つ化合物や3つ以上持つ化合物を併用されていることも好ましい。
本発明に使用される樹脂型分散剤(B)を構成する化合物として、上記載単量体以外に水酸基を有する化合物として公知のものを含有していてもよい。例えば、1分子中に水酸基2〜4個を有するポリオール化合物であり、それらのうちでも、特に代表的なものを例示するにとどめれば、次のグループ(1)〜(7)に属するものがある。これらは、複数のアクリル重合体を結合する効果がある。
(1)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等の多価アルコール類;
(2)ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコールもしくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール等の各種のポリエーテルグリコール類;
(3)上記した各種の多価アルコール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル又はアリルグリシジルエーテル等の各種(環状)エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類;
(4)上記した各種の多価アルコール類の1種以上と、多価カルボン酸類との共縮合によって得られるポリエステルポリオール類であって、多価カルボン酸類が、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンヒカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸又は2,5,7−ナフタレントリカルボン酸などで特に代表されるものを用いて得られるポリエステルポリオール類;
(5)上記した各種の多価アルコール類の1種以上と、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンもしくは3−メチル−δ−バレロラクトン等の各種ラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール類、あるいは、上記した各種の多価アルコール類と、多価カルボン酸類と、各種のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオール類;
(6)ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価及び/又は多価アルコール類のグリシジルエーテル、あるいは、一塩基酸及び/又は多塩基酸類のグリシジルエステル等の各種エポキシ化合物を、ポリエステルポリオールの合成時に、1種以上併用して得られるエポキシ変性ポリエステルポリオール類;
(7)ポリエステルポリアミドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体、水酸基含有アクリル系共重合体、水酸基含有含フッ素化合物又は水酸基含有シリコン樹脂などが挙げられる。しかし、これらに限定されない。
<樹脂型分散剤(B1)>
本発明における樹脂型分散剤(B)は、下記一般式(1)で表されるユニット(A1)と、その他のユニット(A2)とを含む重合体であり、ユニット(A1)として少なくともメチルメタクリレートを全重合体中30重量%以上80重量%以下含み、重量平均分子量が16000以上50000以下、かつ酸価が0〜50(KOHmg/g)である樹脂型分散剤(B1)を含む。
一般式(1)
本発明に使用される樹脂型分散剤(B)は、下記一般式(4)で表される単量体とその他の単量体を共重合させることにより得られる。
つまり一般式(1)で表されるユニットは、一般式(4)で表される単量体に由来するものである。

一般式(4)
一般式(4)で表されるアルキル(メタ)アクリレートは、顔料への親和性が良好であり、樹脂型分散剤(B1)中の構成要素として含有させることで優れた分散能を付与させることが可能となる。一般式(4)で表されるアルキル(メタ)アクリレートの中でも特にメチルメタクリレートが顔料分散能としては最も優れており、本発明における樹脂型分散剤(B1)は、少なくともメチルメタクリレート由来のユニットを含有し、メチルメタクリレート由来のユニットは、全重合体中30重量%以上80重量%以下含まれる。
前述したようにメチルメタクリレート単量体は顔料への親和性が良好であり、樹脂型分散剤中の構成要素として含有させることで非常に優れた分散能を付与させることが可能であるが、一方アルカリ現像液への親和性は乏しく、現像工程を有するカラーフィルタ作製において問題を発生させる。よってメチルメタクリレート単量体の含有量は分散性と現像性のバランスの面から30重量%以上80重量%以下が良好であり、好ましくは30重量%以上70重量%以下、より好ましくは30重量%以上60重量%以下である。メチルメタクリレート単量体の含有量が30重量%未満であると樹脂型分散剤の分散能が低下し、80重量%を超えるとアルカリ現像液への親和性が著しく低下する。
本発明に用いられる一般式(4)で表されるアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート以外では、例えばメチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。この中でも、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレートが分散能の面から好ましい。
本発明に使用される樹脂型分散剤(B1)は、上記一般式(4)で表される単量体とその他の単量体を共重合させることにより得られる。
本発明に用いられる上記一般式(4)で表される単量体以外のその他の単量体は、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、スチレン(メタ)アクリレート、α−メチルスチレン(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類; テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類; メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類; エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類; N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類; 及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。しかし、これらに限定されない。なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを示し、(メタ)アクリルアミドとはメタクリルアミド又はアクリルアミドを示す。
本発明で使用される樹脂型分散剤(B1)の重量平均分子量は、16000以上50000以下である。好ましくは20000以上40000以下、さらに好ましくは20000以上35000以下である。重量平均分子量が16000未満であれば顔料同士の立体障害性が充分でなく、顔料分散体の安定性が低下する場合があり、50000を超えると樹脂同士の相互作用が強くなりすぎて、塗液のチキソトロピー性が大きくなり過ぎる場合がある。また、本発明で使用される樹脂型分散剤(B1)の酸価は、0以上50以下(KOHmg/g)である。好ましくは0以上40以下(KOHmg/g)であり、より好ましくは0以上30以下(KOHmg/g)である。酸価が50mgKOH/gを超えると顔料への親和性が低下し顔料分散能が低下する場合がある。
本発明に使用される樹脂型分散剤(B1)は、上記の特性を有すればどのような製造法を用いて合成してもよい。
本発明の感光性着色組成物における樹脂型分散剤(B1)の含有量は、顔料(A)100重量部に対し好ましくは5以上80重量部以下、より好ましくは10以上70重量部以下、更に好ましくは10以上50重量部以下である。樹脂型分散剤(B1)の含有量がこの範囲にあることにより、分散性に優れ、安定性も良好な顔料分散体とすることができる。
<3級または4級アミン構造を有する樹脂型分散剤(B2)>
本発明においては、3級または4級アミン構造を有する樹脂型分散剤(B2)を含むことが、少量の添加量で顔料の分散性及び分散安定性が向上するという点から好ましい。本発明で使用される3級または4級アミン構造を有する化合物を含有する樹脂型分散剤(B2)は、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体およびウレタン系高分子分散剤などが挙げられる。
本発明においては、3級または4級アミン構造を有する樹脂型分散剤(B2)が、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体であることが、さらに顔料の分散性及び分散安定性が向上し、また塗膜にした後の耐熱性、アルカリ現像性、溶媒への再溶解性、硬化性を良好にする点から好ましい。
本発明の感光性着色組成物における3級または4級アミン構造を有する樹脂型分散剤(B2)の含有量は、顔料(A)100重量部に対し好ましくは5以上50重量部以下、より好ましくは5以上30重量部以下、更に好ましくは5以上20重量部以下である。樹脂型分散剤(B1)の含有量がこの範囲にあることにより、経時安定性に優れ、アルカリ可溶性が良好な感光性着色組成物とすることができる。
《その他の分散剤》
本発明の感光性着色組成物は、その他の分散剤を併用してもよい。
その他の分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−102、103、107、110、111、154、165、181、190等が挙げられる。
<染料>
本発明の感光性着色組成物は染料を含むことができる。染料としては、従来公知の種々の染料から任意に選択することができる。これらの染料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、染料の単量体及び染料の多量体を用いることができる。具体的には、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系、メチン系等の染料が使用できる。また、これらの染料の多量体を用いてもよい。
また、水又はアルカリ現像を行う場合、現像により光未照射部のバインダー及び/又は染料を完全に除去するという観点では、酸性染料及び/又はその誘導体が好適に使用できる。
染料の含有量は、感光性着色組成物中の固形分全量100重量部に対して、充分な色再現性を得る観点から10重量部以上が好ましく、より好ましくは15重量部以上であり、最も好ましくは20重量部以上である。また、感光性着色組成物の耐熱性の観点から、好ましい着色剤含有量は90重量部以下であり、より好ましくは80重量部以下であり、最も好ましくは70重量部以下である。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、カラーフィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸基を有する。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで着色剤が固定され、耐熱性が良好になり、着色剤の熱による退色(分光特性の悪化)を抑制できる。また、現像工程においても顔料成分の凝集・析出を抑制する効果もある。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、アルカリ現像溶解性を付与するために、2000以上10000以下であり、3000以上9000以下が好ましく、4000以上8000以下がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が2000未満であると基板に対する密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。10000を超えるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、アルカリ現像溶解性を付与するために90以上〜200以下(KOHmg/g)であり、100以上180以下の範囲が好ましく、より好ましくは110以上170以下の範囲である。酸価が90未満であるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。200を超えると基板への密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。
上記パラメータの範囲は、前記顔料を分散するための樹脂型分散剤や後述する界面活性剤との組み合わせにおいて、基板密着性とアルカリ現像溶解性のバランスを取るために最適なものである。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、顔料(A)の全重量100重量部に対し、20重量部以上の量で用いることが好ましく、顔料濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、1000重量部以下の量で用いることが好ましい。
本発明のアルカリ可溶性樹脂(C)は少なくとも1種の不飽和結合を有する化合物(C1)(但し(C2)を除く)と、1分子中にエポキシ基および不飽和結合を有する化合物(C2)とを共重合させて共重合体(C6)を得て、得られた共重合体(C6)のエポキシ基と不飽和1塩基酸を有する化合物(C4)とを反応させてエポキシ基が開環してなる水酸基を有する共重合体(C7)を得て、更に得られた共重合体(C7)の水酸基と多塩基酸無水物(C5)とを反応して得られる樹脂(c1)であることが好ましい。
当該反応によって得られる樹脂は、エポキシ基と酸の反応、水酸基と酸無水物との反応において反応し得る全ての官能基が反応するものではなく、多種の生成物の混合物となる。よって、アルカリ可溶性樹脂(C)を特定し、記載することは、不可能であるかおよそ現実的ではないため、製造方法により記載する。
《樹脂(c1)》
樹脂(c1)は、少なくとも1種の不飽和結合を有する化合物(C1)(但し(C2)を除く)と、1分子中にエポキシ基および不飽和結合を有する化合物(C2)とを共重合させて共重合体(C6)を得て、得られた共重合体(C6)と不飽和1塩基酸を有する化合物(C4)とを反応させて共重合体(C7)を得て、更に得られた共重合体(C7)と多塩基酸無水物(C5)とを反応させて得られる樹脂である。
樹脂(c1)の含有量は、成膜性の観点から、感光性着色組成物中、5〜70重量%であることが好ましく、10〜60重量%がより好ましい。
<少なくとも1種の不飽和結合を有する化合物(C1)>
少なくとも1種の不飽和結合を有する化合物(C1)としては、下記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)が挙げられ、1分子中にエポキシ基と不飽和結合とを有する化合物(C2)以外のものである。
(イ) 一般式(11)または一般式(12)に示す芳香族環基を有する化合物:
一般式(11):


一般式(12):

[一般式(11)及び(12)中、Rは、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]
(ロ) 化学式(14)または化学式(15)に示す脂肪族環基を有する化合物:
化学式(14):

化学式(15):
(ハ)その他の化合物(f2)
以下に、化合物(イ)、化合物(ロ)、及び化合物(ハ)について、順に説明する。本明細書においては、各化合物の含有重量%は各化合物を樹脂(C1)にもたらす前駆体の重量%である。
[化合物(イ)]
化合物(イ)は、一般式(11)及び一般式(12)に示す芳香族環基による環状構造を有し、硬度向上に寄与する。樹脂(a1)の全構成単位の重量を基準として、構成単位(イ)は、現像性の観点から、2〜80重量%であることが好ましい。2重量%未満では、現像性が低下する。また、80重量%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が遅くなり、現像時間が長く生産性が悪化する。
一般式(11):

一般式(12):

[一般式(11)及び(12)中、Rは、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]
化合物(イ)の前駆体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、インデン、アセチルナフテン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル等のモノマー・オリゴマー、または一般式(13)に示すエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
一般式(13):

(一般式(13)中、Rは、水素原子、またはメチル基であり、Rは、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、Rは、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは、1〜15の整数である。)
一般式(13)に示されるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
第一工業製薬社製ニューフロンティア CEA〔EO変性クレゾールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:メチル基、n=1または2、〕、NP−2〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:n−ノニル基、n=2〕、N−177E〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:n−ノニル基、n=16〜17〕、若しくはPHE〔フェノキシエチルアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕、
ダイセル社製、IRR169〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 1mol)、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕、またはEbecryl110〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 2mol)、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n=2〕、
東亞合成社製アロニックス M−101A〔フェノールEO変性(n≒2)アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n≒2〕、M−102〔フェノールEO変性(n≒4)アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n≒4〕、M−110〔パラクミルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:パラクミル、n≒1〕、M−111〔n−ノニルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:n−ノニル基、n≒1〕、M−113〔n−ノニルフェノールEO変性(n≒4)アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:n−ノニル基、n≒4〕、若しくはM−117〔n−ノニルフェノールPO変性(n≒2.5)アクリレート、R:水素原子、R:プロピレン基、R:n−ノニル基、n≒2.5〕、
共栄社製ライトアクリレート PO−A〔フェノキシエチルアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕、P−200A〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n≒2〕、NP−4EA〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:n−ノニル基、n≒4〕、若しくはNP−8EA〔〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:n−ノニル基、n≒8〕、またはライトエステル PO〔フェノキシエチルメタクリレート、R:メチル基、R:プロピレン基、R:水素原子、n=1〕、
日油社製ブレンマー ANE−300〔ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:−ノニル基、n≒5〕、ANP−300〔ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、R:水素原子、R:プロピレン基、R:n−ノニル基、n≒5〕、43ANEP−500〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基及びプロピレン基、R:−ノニル基、n≒5+5〕、70ANEP−550〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基及びプロピレン基、R:n−ノニル基、n≒9+3〕、75ANEP−600〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R:水素原子、R:エチレン基及びプロピレン基、R:n−ノニル基、n≒5+2〕、AAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕、AAE−300〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n≒5.5〕、PAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R:メチル基、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕、PAE−100〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R:メチル基、R:エチレン基、R:水素原子、n=2〕、若しくは43PAPE−600B〔フェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−メタクリレート、R:メチル基、R:エチレン基及びプロピレン基、R:水素原子、n≒6+6〕、
新中村化学社製NK ESTER AMP−10G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO1mol)、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕、AMP−20G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO2mol)、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n≒2〕、AMP−60G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO6mol)、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n≒6〕、PHE−1G〔フェノキシエチレングリコールメタクリレート(EO1mol)、R:メチル基、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕、
大阪有機化学社製ビスコート #192〔フェノキシエチルアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕、あるいは、
日本化薬製SR−339A〔2−フェノキシエチレングリコールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:水素原子、n=1〕,若しくはSR−504(エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、R:水素原子、R:エチレン基、R:n−ノニル基〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
一般式(13)で示されるエチレン性不飽和単量体において、Rのアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10である。アルキル基は、直鎖状アルキル基だけでなく、分岐状アルキル基及び置換基としてベンゼン環を有するアルキル基も含まれる。Rのアルキル基の炭素数が1〜10のときは基材への密着性が高まるが、炭素数が10を超えると、長いアルキル基が、基材との密着を妨げる傾向を示す。この傾向は、Rのアルキル基の炭素鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を超えると、基材との密着が極端に低下する。Rで表されるベンゼン環を有するアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。側鎖ベンゼン環が一つ増えることによって、現像性が向上する。
一般式(13)で示されるエチレン性不飽和単量体において、nは、1〜15の整数が好ましい。nが15を越えると、親水性が増して溶媒和の効果が小さくなると共に、樹脂(A1)の粘度が高くなり、これを用いた感光性組成物の粘度も高くなり、流動性に影響を与える場合がある。溶媒和の観点から、nは、1〜4が特に好ましい。
化合物(イ)の前駆体としては、他の前駆体との共重合性の観点、及び耐薬品性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、または一般式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体が好ましい。これらは、樹脂(A)の側鎖にベンゼン環を導入できるので特に好ましい。樹脂(A)の側鎖にベンゼン環を導入することよって、側鎖ベンゼン環が現像性改善に効果がある。更に、ベンジルアクリレート及び/またはベンジルメタクリレートは、現像残渣の観点から、最も好ましい。
[化合物(ロ)]
化合物(ロ)は、化学式(14)及び化学式(15)に示す脂肪族環基による環状構造を有し、硬度を付与する、及び、アルカリ現像液に対する疎水性部位として機能する。樹脂(A)の全構成化合物の重量を基準として、化合物(ロ)は、現像性と硬度付与の観点から、2〜40重量%であることが好ましい。2重量%未満では、現像性と硬度が不足し、高品質なタッチパネル用塗膜が得られないといった問題が生じる場合がある。また、現像時の疎水性が不足するために画素部のパターン剥れや欠けの問題が生じる。40重量%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が遅くなり、現像時間が長く塗膜の生産性が悪くなる。
化学式(14):
化学式(15):
化合物(ロ)の前駆体としては、一般式(16)に示すエチレン性不飽和単量体、または一般式(17)に示すエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
一般式(16):
一般式(17):

[一般式(16)、一般式(17)中、Rは、水素原子、またはメチル基であり、R10は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、mは、1〜15の整数である。]
一般式(16)に示されるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
日立化成社製ファンクリル FA−513A〔ジシクロペンタニルアクリレート、R:水素原子、R10:なし、m=0〕、またはFA−513M〔ジシクロペンタニルメタクリレート、R:メチル、R10:なし、m=0〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
一般式(17)に示される不飽和エチレン製単量体としては、例えば、
日立化成社製ファンクリル FA−511A〔ジシクロペンテニルアクリレート、R:水素原子、R10:なし、m=0〕、FA−512A〔ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、R:水素原子、R10:エチレン基、m=1〕、FA−512M〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R:メチル基、R10:エチレン基、m=1〕、またはFA−512MT〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R:メチル基、R10:エチレン基、m=1〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
[化合物(ハ)]
化合物(ハ)は、化合物(イ)、(ロ)以外のその他のエチレン性不飽和単量体であって、化合物(イ)、(ロ)の前駆体であるエチレン性不飽和単量体と共重合可能であればとくに制限は無い。なかでも、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、側鎖型環状エーテル含有単量体が好ましい。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
側鎖型環状エーテル含有単量体としては、たとえば、テトラヒドロフラン骨格、フラン骨格、テトラヒドロピラン骨格、ピラン骨格、ラクトン骨格の郡から選ばれる少なくとも1つの骨格を含有する不飽和化合物である。
テトラヒドロフラン骨格としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラン−3−イルエステルなど;
フラン骨格としては、2−メチル−5−(3−フリル)−1−ペンテン−3−オン、フルフリル(メタ)アクリレート、1−フラン−2−ブチル−3−エン−2−オン、1−フラン−2−ブチル−3−メトキシ−3−エン−2−オン、6−(2−フリル)−2−メチル−1−ヘキセン−3−オン、6−フラン−2−イル−ヘキシ−1−エン−3−オン、アクリル酸2−フラン−2−イル−1−メチル−エチルエステル、6−(2−フリル)−6−メチル−1−ヘプテン−3−オンなど;
テトラヒドロピラン骨格としては、(テトラヒドロピラン−2−イル)メチルメタクリレート、2,6−ジメチル−8−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−オクト−1−エン−3−オン、2−メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルエステル、1−(テトラヒドロピラン−2−オキシ)−ブチル−3−エン−2−オンなど;
ピラン骨格としては、4−(1,4−ジオキサ−5−オキソ−6−ヘプテニル)−6−メチル−2−ピロン、4−(1,5−ジオキサ−6−オキソ−7−オクテニル)−6−メチル−2−ピロンなど;
ラクトン骨格としては、2−プロペン酸2−メチル−テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニルエステル、2−プロペン酸2−メチル−7−オキソ−6−オクサビシクロ[3.2.1]オクト−2−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−7−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−テトラヒドロ−2−オキソ−2H−ピラン−3−イルエステル、2−プロペン酸(テトラヒドロ−5−オキソ−2−フラニル)メチルエステル、2−プロペン酸ヘキサヒドロ−2−オキソ−2,6−メタノフロ[3,2−b]−6−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−(テトラヒドロ−5−オキソ−3−フラニル)エチルエステル、2−プロペン酸2−メチル−デカヒドロ−8−オキソ−5,9−メタノ−2H−フロ[3,4−g]−1−ベンゾピラン−2−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−[(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イル)オキシ]エチルエステル、2−プロペン酸3−オキソ−3−[(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニル)オキシ]プロピルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−オキシ−1−オクサスピロ[4.5]デク−8−イルエステルなどが挙げられる。
これらのうちテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが着色、入手性の点から好ましい。これら側鎖型環状エーテル含有単量体は単独で用いても2種以上を複合して用いても構わない。
その他の共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類;ブタジエン、イソプレン等のブタジエンまたは置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレンまたは置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレンが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点で好ましい。これら共重合可能な他の単量体は、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分の重合反応の方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種重合方法を採用することができるが、特に、溶液重合法によることが好ましい。なお、重合温度や重合濃度(重合濃度=[単量体成分の全重量/(単量体成分の全重量+溶媒重量)]×100とする)は、使用する単量体成分の種類や比率、目標とするポリマーの分子量によって異なるが、好ましくは、重合温度40〜150℃、重合濃度5〜50%とするのがよく、さらに好ましくは、重合温度60〜130℃、重合濃度10〜40%とするのがよい。
アルカリ可溶性樹脂(C)は、前記化合物(イ)〜(ハ)の中のような少なくとも1種以上の不飽和結合を有する化合物(C1)、後述する(C1)以外の1分子中にエポキシ基と不飽和結合とを有する化合物(C2)を共重合させて共重合体(C6)を得て、得られた共重合体(C6)と不飽和1塩基酸を有する化合物(C4)とを反応させて共重合体(C7)を得て、更に得られた共重合体(C7)と多塩基酸無水物(C5)とを反応させて得られる
<1分子中にエポキシ基と不飽和結合とを有する化合物(C2)>
1分子中にエポキシ基と不飽和結合とを有する化合物(C2)としては、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられ、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
<不飽和1塩基酸を有する化合物(C4)>
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
<多塩基酸無水物(C5)>
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、ラジカル重合性二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にラジカル重合性二重結合を増やすことができる。

樹脂(c1)の二重結合当量は、350g/mol以上1300g/mol以下であることが好ましく、350g/mol以上1000g/mol以下であることが最も好ましい。樹脂(c1)の二重結合当量が1300g/molより大きいと現像速度が遅くなり、仮にパターニングが出来たとしても残渣が多い塗膜となってしまう。二重結合当量が350g/mol未満であると、架橋成分が多すぎて安定性が悪かったり、塗膜が脆くなったりしてしまう。
《その他の樹脂(C2)》
本発明の感光性組成物は、さらにその他の樹脂を含んでも良い。その他の樹脂(C2)が共重合体である場合は、前記化合物を共重合成分として含まないものや、前記合成方法によらない方法により合成される樹脂が相当する。例えば、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させて得られる樹脂などである。
その他の樹脂(C2)としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂が好ましい。その他の樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム
系樹脂、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂、石油樹脂、カゼイン、セラック、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
熱硬化性樹脂としては例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、乾性油、合成乾性油、等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。前記熱可塑性樹脂の熱架橋剤として、組み合わせても使用できる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。しかし、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<溶剤(G)>
本発明の感光性着色組成物には、顔料を充分に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤(G)を含有させる。溶剤(G)は、感光性着色組成物の塗布性が良好であることに加え、感光性着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
溶剤(G)としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤(G)は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
溶剤(G)は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、100〜10000重量部、好ましくは500〜5000重量部の量で用いることができる。
<ノニオン性界面活性剤(F)>
本発明の感光性着色組成物には、アルカリ現像溶解性を向上させるためにノニオン性界面活性剤(F)を含有させる。本発明で用いられるノニオン性界面活性剤(F)は、アルカリ現像溶解性の点から重量平均分子量2500以下であることが好ましく、より好ましくは1500以下である。HLB値はアルカリ現像溶解性の点から9.0以上16.0以下であることが好ましく、10.0以上15.0以下であることがより好ましい。
ノニオン性界面活性剤の疎水部は感光性着色組成物中の樹脂や顔料の疎水部と相互作用を起こし、親水部がアルカリ現像液へ溶解することで残渣発生やパターンの直線性悪化を防ぐ。またHLB値が9.0以下の場合にはノニオン性界面活性剤の親水部が比較的少なくアルカリ現像液への可溶性が発揮しづらく、16.0以上であれば、有機溶剤への溶解性が低下し使用しにくく実用的ではない。さらに感光性着色組成物を支持体上に塗布し、着色層を形成する工程において、紫外線露光工程前に加熱による乾燥工程を含む場合には、特に上記の溶解性の効果の差が大きく、HLB値が9.0以上16.0以下であることが特に重要になる。
本発明で用いられるノニオン性界面活性剤(F)としては、具体的には、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル類(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン2−エチルヘ
キシルエーテル)、ポリオキシエチレンアリールエーテル類(ポリオキシエチレンオクチ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、ポリエチレングリ
コールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、モノラウリン酸ポリエチ
レングリコール、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセル、トリステアリン酸ポリ
オキシエチレングリセル等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリル
エーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤が好ましい。
市販されているノニオン性界面活性剤としては具体的には、花王社製のエマルゲンシリーズ(エマルゲン102、エマルゲン104P、エマルゲン106、エマルゲン108、エマルゲン120、エマルゲン150、エマルゲン210P、エマルゲン220P、エマルゲン306P、エマルゲン408、エマルゲン409PV、エマルゲン420、エマルゲン707、エマルゲンLS−106)、エマノーンシリーズ(エマノーン1112)、ライオン社製のレオックスシリーズ(レオックスCL−30)、レオコールシリーズ(レオコールTD−50、SC−50)日本乳化剤社製のニューコルシリーズ(ニューコールNT−5、ニューコール2304YM、ニューコール1008、ニューコール707、ニューコール564)、日油社製のノニオンシリーズ(ノニオンL−2、ノニオンDL−4HN)、ユニオックスシリーズ(ユニオックスGM−5IS、ユニオックスGT−20IS)ユニルーブシリーズなどが挙げられる。
本発明におけるノニオン性界面活性剤(F)の添加量は、現像性とパターン密着性のバランスの観点から、本発明の感光性着色組成物の全固形分に対して、0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、2〜6質量%であることが特に好ましい。
本発明の着色感光性組成物中には、ノニオン性界面活性剤(F)以外の他の界面活性剤を併用してもよい。他の界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤が挙げられる。塗布性をより向上させる観点では、フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を併用することが好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、F172、F17
3、F176、F177、F141、F142、F143、F144、R30、F437、F479、F482、F780、F781(DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431、FC171(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、SC−101、SC−103、SC−104、SC−105、SC1068、SC−381、同SC−383、S393、KH−40(旭硝子(株)製)等が挙げられる。
カオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
市販品として具体的には、アセタミン24、コータミン24P、サニゾールC(花王(株)製)、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の市販品として具体的には、エマール0、エマール20C(花王(株)製)W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。シリコーン系界面活性剤の含有量は通常、感光性着色組成物の全重量100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
シリコーン系界面活性剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わないし、上記以外のその他の界面活性剤を2種類以上用いてもよい。
本発明の感光性着色組成物にその他の界面活性剤が添加される場合、その他の界面活性剤の添加量は、本発明の感光性着色組成物の全固形分に対して、0.005〜2質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましい。
<光重合性単量体(D)>
本発明の感光性着色組成物に添加する光重合性単量体(D)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体(D)の含有量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤(E)>
本発明の感光性着色組成物は、光重合開始剤(E)を含むものである。光重合開始剤(E)を含むことにより、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成することができる溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができるものであり、色特性良好で耐熱性に優れ、パターニング性も良好な感光性着色組成物となる。
本発明におけるその他の光重合開始剤(E)としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物等の光重合開始剤と、増感剤とをさす。
光重合開始剤(E)として具体的には、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、パターニング性が良好となるため、アセトフェノン系化合物、ホスフィン系化合物、およびイミダゾール系化合物、オキシムエステル化合物が好ましく、さらにパターニング性と現像性の観点からオキシムエステル化合物が特に好ましい。
これら光重合開始剤(E)は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤(E)を含有する場合、その含有量は、光硬化性、解像度の観点から、感光性着色組成物中に含まれる固形分100重量%中、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以上7重量%以下である。
本発明の感光性着色組成物における、光重合開始剤(E)と光重合性単量体(D)の重量比(光重合開始剤(E))/(光重合性単量体(D))は、光硬化性と解像度が両立できることから、0.01〜1.00であることが好ましく、0.1〜0.8であることがより好ましい。
(オキシムエステル系光重合開始剤)
オキシムエステル系光重合開始剤は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。より好ましくは、カルバゾール基を有する場合、明度および色純度に優れた組成物とすることができる。特に好ましくは、一般式(18)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤である。
(一般式(18)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤)
一般式(18)


一般式(18)において、
は、水素原子、または置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、ホスフィノイル基、カルバモイル基、もしくはスルファモイル基であり、
は、水素原子、または置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基アシルオキシ基、もしくはアミノ基である。
Zは、直接結合又は−CO−基、
は、置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基、Ph−S−Ph−基(Phは、置換基を有しても良い、フェニル基又はフェニレン基を示す)等であることが好ましい。
における置換基を有しても良いアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH−O−CH、−CH−CH−O−CH−CH、−CH−CH−CH−O−CH−CH、−(CH−CH−O)−CH(ここでnは1から8である)、−(CH−CH−CH−O)−CH(ここでmは1から5である)、−CH−CH(CH)−O−CH−CH−、−CH−CH−(OCH等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアルキルオキシ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基、または炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基の具体例としては、−O−CH−O−CH、−O−CH−CH−O−CH−CH、−O−CH−CH−CH−O−CH−CH、−O−(CH−CH−O)−CH(ここでnは1から8である)、−O−(CH−CH−CH−O)−CH(ここでmは1から5である)、−O−CH−CH(CH)−O−CH−CH−、−O−CH−CH−(OCH等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。



における置換基を有しても良いアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良い複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4〜24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられ、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良い複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアルキルスルファニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアリールスルファニル基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メチルオキシメチルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メチルオキシフェニルスルフィニル基、2−ブチルオキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メチルオキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メチルオキシメチルスルホニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メチルオキシフェニルスルホニル基、2−ブチルオキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メチルオキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、炭素数2から20のアルキルオキシ基が置換したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状のアリールオキシ基が置換したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフトイルオキシカルボニル基、2−ナフトイルオキシカルボニル基、9−アンスルリルオキシカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
における置換基を有しても良いアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いホスフィノイル基としては、炭素数2から50のホスフィノイル基が挙げられ、具体例としては、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いカルバモイル基としては、炭素数1から30のカルバモイル基が挙げられ、具体例としては、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良いスルファモイル基としては、炭素数0から30のスルファモイル基が挙げられ、具体例としては、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
における置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基、およびアミノ基としては、前述のR1における置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルキルオキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い複素環基、置換基を有しても良い複素環オキシ基、置換基を有しても良いアルキルスルファニル基、置換基を有しても良いアリールスルファニル基、置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基、置換基を有しても良いアリールスルフィニル基、置換基を有しても良いアルキルスルホニル基、置換基を有しても良いアリールスルホニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、および、置換基を有しても良いアミノ基と同義である。
およびYにおけるこれら置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
また、これらの置換基は1個以上あるいは1種以上存在することができ、さらにこれらの置換基の水素原子がさらに他の置換基で置換されていても良い。
これらの中でも、下記一般式(19)、または(20)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤は、感度に優れ、好ましいものである。
[一般式(19)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(19)

一般式(19)は、一般式(18)におけるZが−CO−基、YがPh−S−Ph−基の場合に相当し、Y〜Yは、水素原子、または置換基を有しても良い、アルキル基またはアリール基が好ましい。
さらにYとしては置換基を有しても良いアリール基が、Yとしては置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、Y〜Yとしては水素原子が好ましい。
〜Yにおける、置換基を有しても良いアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基としては、YおよびYにおけるアルキル基、またはアリール基と同義である。
置換基を有しても良いアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基の置換基としては、YおよびYにおける置換基と同義である。
は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、置換基として好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。
一般式(19)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(4−1)または(4−2)で表わされる光重合開始剤等である。
[一般式(20)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(20)

一般式(20)は、一般式(18)におけるYが置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、Y〜Y14は、YおよびYにおける置換基と同義である。
さらにYとして置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、Yとして置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が、Y〜Y14として水素原子、または置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
一般式(20)におけるZが直接結合の場合には、下記一般式(20a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
「一般式(20a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤」
一般式(20a)
一般式(20a)は、一般式(18)におけるZが直接結合、Yが置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、一般式(20)におけるY〜Y10、およびY12〜Y13が水素原子である。
また、Y11はY15−CO−基、またはニトロ基であることが好ましい。Y15はYおよびYにおける置換基と同義であり、置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。Y15−CO−基としては、さらに置換基を有しても良いアセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基であることが好ましい。より好ましくは置換基を有しても良いベンゾイル基、またはニトロ基である。Y14としては、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
また、置換基を有しても良いベンゾイル基における置換基として好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキルオキシ基が好ましい。さらにアルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましく、アルキルオキシ基のなかでも、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基が好ましく、Yにおける炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基と同義である。
は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、置換基として好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。また、置換基を有しても良いアリール基が好ましく、置換基として好ましくは、さらに置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、またはメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
一般式(20a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(20a−1)〜(20a−4)で表わされる光重合開始剤等である。
「一般式(20b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤」
一般式(20)におけるZが−CO−基の場合には、下記一般式(20b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
一般式(20b)
一般式(20b)は、一般式(18)におけるZが−CO−基、Yが置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、ケト型カルバゾール基を有するオキシムエステル系光重合開始剤である。
〜Y13は水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が好ましく、Y14は置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。
置換基を有しても良いアリール基の置換基としては、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基が好ましく、より好ましくはベンゾイル基である。
一般式(20b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(20b−1)〜(20b−4)で表わされる光重合開始剤等である。







これらオキシムエステル系光重合開始剤の市販品としては、BASF社から、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE−01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02)が市販されている。また、この他に、特開2007−210991号公報、特開2009−179619号公報、特開2010−037223号公報、特開2010−215575号公報、特開2011−020998号公報等に記載のオキシムエステル系光重合開始剤を用いることも可能である。
オキシムエステル系光重合開始剤の含有量は、感光性着色組成物の固形分全量100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から0.5〜6重量部であることがより好ましい。
本発明における増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、ビイミダゾール誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でも、パターニング性が良好となるため、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体等を用いることが好ましい。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
これら増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
増感剤を含有する場合、その含有量は、光硬化性、解像度の観点から、感光性着色組成物中に含まれる光重合開始剤(E)100重量%中、0.1重量%以上50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以上50重量%以下である。
<酸化防止剤>
本発明の感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤などが、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。また、本発明で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2’−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、感光性着色組成物の固形分全量を100重量部として、0.5〜5.0重量部であることが、分光特性および感度が良好であるため好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の感光性着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<熱硬化性樹脂>
また本発明の感光性着色組成物には、塗膜の耐熱性、耐薬品性を付与するため、必要に応じて、熱硬化性樹脂を含んでいてもよい。熱硬化性樹脂としては例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、乾性油、合成乾性油、等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の感光性着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の感光性着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
(貯蔵安定剤)
貯蔵安定剤としては、例えば、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は感光性着色組成物の固形分全量100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
(密着向上剤)
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、感光性着色組成物の固形分全量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
(多官能チオール)
本発明の感光性着色組成物は多官能チオールとして、チオール(SH)基を2個以上有する化合物を含んでも良い。
多官能チオールを光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる着色組成物は高感度となる。特に、SH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、感光性着色組成物の固形分全量100重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0重量部である。多官能チオールの含有量が0.05重量部未満では、連鎖移動剤の効果が小さく、100重量部より多くても、重合開始機能は向上しないうえ、現像性、密着性等が不十分になる。
<感光性着色組成物の製造方法>
本発明の感光性着色組成物は、上述したように顔料と樹脂型分散剤および溶剤を機械的に混練することにより、該顔料を微細化するとともに該樹脂型分散剤で被覆して得られた顔料分散体と、アルカリ可溶性樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤、ノニオン系界面活性剤、および溶剤、その他必要に応じて、添加剤等を混合して調整する。顔料分散体は単体および2種以上を混合してもよく、アルカリ可溶性樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤、ノニオン系界面活性剤などが、顔料を機械的に混練して分散体を作製する段階で含まれていても良い。
<粗大粒子の除去>
本発明の感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
本発明におけるカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備するものであることが好ましい。
基材としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、感光性着色組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、製造することができる。
フォトリソグラフィー法により着色膜を形成する場合は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、感光性着色組成物の重合を促進するため、乾燥工程にて加熱を施すことが好ましい。当該フォトリソグラフィー法によれば、精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記感光性着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
透明基板または反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板または反射基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜、などが形成される。

以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
また、顔料の平均一次粒子径、樹脂の重量平均分子量(Mw)、樹脂の酸価の測定方法は以下の通りである。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
続いて、実施例および比較例に用いた顔料、顔料分散体、樹脂型分散剤、アルカリ可溶性樹脂の製造方法について説明する。
<樹脂型分散剤の製造方法>
(樹脂型分散剤B−1の調製)
工程1:
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、およびガス導入管を備えた反応容器に、溶剤としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)100部を入れた。この容器内に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱した。この温度を保持し、ベンジルメタクリレート(BzMA)30.0部、メタクリル酸(MAA)11.0部、メタクリル酸メチル(MMA)35.0部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに70℃で3時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続けて、共重合体を得た。
工程2:
次いで、反応容器内に乾燥空気を導入し、グリシジルメタクリレート(GMA)18.0部、PGMEA30.0部、トリスジメチルアミノフェノール0.3部、およびハイドロキノン0.1部を仕込み、その後10時間、同じ温度で攪拌を続けた。室温に冷却後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈することにより、固形分40重量%の樹脂型分散剤(B―1)を得た。
主な反応条件(仕込み組成)と、得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
(樹脂型分散剤B−2の調製)
(第一工程)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、エチルアクリレート(EA)30部、tert-ブチルメタクリレート(t-BMA)20部、2‐メトキシエチルアクリレート(2‐MTA)30部、メチルメタクリレート(MMA)35部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール0.8部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。
(第二工程)
次に、第一工程で得られた溶液を162部、ピロメリット酸無水物(PMA)4.7部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)0.2部を仕込み、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化するまで反応させた。
反応溶液を冷却して、シクロヘキサノンで固形分調整することにより不揮発分50%の溶液を調整し、重量平均分子量17000、酸価は20mgKOH/g、の樹脂型分散剤B−2のシクロヘキサノン溶液を得た。主な反応条件(仕込み組成)と、得られた樹脂の評価結果を表3と表4に示す。
((樹脂型分散剤B−3〜14の調製)
表2〜3に記載した原料と仕込み量(重量部)を用いた以外は樹脂型分散剤B−2と同様にして合成を行い、樹脂型分散剤B−3〜14のシクロヘキサノン溶液を得た。
表2、表3の各略号は以下のとおりである。
n-BA:n-ブチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
t-BMA:tert-ブチルメタクリレート
2‐MTA:2‐メトキシエチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
AIBN:2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル
PMA:ピロメリット酸二無水物(ダイセル化学工業株式会社製)
DBU:1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン(サンアプロ株式会社製)
<アルカリ可溶性樹脂の製造方法>
(アルカリ可溶性樹脂C−1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にPGMEA100部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート50部、メタクリル酸12部、メタクリル酸メチル20部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、不揮発分が40質量%になるようにPGMEAを添加してルカリ可溶性樹脂C−1を調製した。主な反応条件(仕込み組成)と、得られた樹脂の評価結果を表4と表5に示す。
((アルカリ可溶性樹脂C−2〜9、16〜19の調製)
表4〜5に記載した原料と仕込み量(重量部)を用いた以外はアルカリ可溶性樹脂C−1と同様にして合成を行い、アルカリ可溶性樹脂C−2〜9、16〜19のPGMEA溶液を得た。
(アルカリ可溶性樹脂C−10の調製)
工程1:
攪拌機、温度計、滴下装置、還流冷却器、およびガス導入管を備えた反応容器に、溶剤としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)100部を入れた。この容器内に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱した。この温度を保持し、ベンジルメタクリレート(BzMA)22.0部、メタクリル酸(MAA)23.6部、メタクリル酸メチル(MMA)10.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)5.0部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに70℃で3時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部をPGMEA40部に溶解させたものを添加し、その後3時間、同じ温度で攪拌を続けて、共重合体を得た。
工程2:
次いで、反応容器内に乾燥空気を導入し、グリシジルメタクリレート(GMA)38.9部、PGMEA30.0部、トリスジメチルアミノフェノール0.3部、およびハイドロキノン0.1部を仕込み、その後10時間、同じ温度で攪拌を続けた。室温に冷却後、PGMEAで希釈することにより、固形分40重量%のアルカリ可溶性樹脂C−10を得た。主な反応条件(仕込み組成と反応温度)と、得られた樹脂の評価結果を表6に示す。(アルカリ可溶性樹脂C−11の調製)
表6に記載した原料と仕込み量(重量部)を用いた以外はアルカリ可溶性樹脂C−10と同様にして合成を行い、アルカリ可溶性樹脂C−11のPGMEA溶液を得た。

(アルカリ可溶性樹脂C−12の調製)
工程1:
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりM110(パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート)17.2部、メチルメタクリレート25.0部、ベンジルメタクリレート7.2部、グリシジルメタクリレート18.2部、およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒としてアゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
工程2:
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸11.0部およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒としてトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.1部を投入し、120℃で5時間反応を行い、重量平均分子量が約19000(GPCによる測定)の樹脂溶液を得た。投入したアクリル酸はグリシジルメタクリレート構成単位のエポキシ基末端にエステル結合するので樹脂構造中にカルボキシル基を生じさせない。
工程3:
さらに無水フタル酸21.4部およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒として、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させた。加えた無水フタル酸は無水カルボン酸部位が開裂して生じた2個のカルボキシル基の一方が樹脂構造中の水酸基にエステル結合し、他方がカルボキシル基末端を生じさせる。
不揮発分が40重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(C−12)を得た。
主な反応条件(仕込み組成と反応温度)と、得られた樹脂の評価結果を表7に示す。
((アルカリ可溶性樹脂C−12〜15の調製)
表7に記載した原料と仕込み量(重量部)を用いた以外はアルカリ可溶性樹脂C−12と同様にして合成を行い、アルカリ可溶性樹脂C−12〜15のPGMEA溶液を得た。
<微細化顔料の製造方法>
(赤色顔料(PR−1))
市販のC.I.ピグメントレッド254(PR254)(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色着色剤(PR−1)を得た。平均一次粒子径は33nmであった。
(赤色顔料(PR−2))
C.I.ピグメントレッド254を、C.I.ピグメントレッド179(PR179)(BASF社製「パリオゲン マルーン L−3920」)に変更した以外は、赤色着色剤(PR−1)の製造と同様に行い、赤色顔料(PR―2)97部を得た。平均一次粒子径は40.8nmであった。
(黄色顔料(PY−1))
キノフタロン化合物(c)を原料として、特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(1)を得た。
安息香酸メチル300部に、化合物(1)100部、テトラクロロ無水フタル酸108部、および安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン化合物(b)の生成、および原料の化合物(1)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3510部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(b)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(b)であることを同定した。
続いて、得られたキノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色顔料(PY−1)98部を得た。平均一次粒子径は31.1nmであった。
(黄色顔料(PY−2))
C.I.ピグメントイエロー138(PY138)(BASF社製「パリオトールイエローK0960−HD」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤(PY−2)を得た。平均一次粒子径は40.2nmであった。
(黄色顔料(PY−3))
C.I.ピグメントイエロー138を、C.I.ピグメントイエロー185(PY185)(BASF社製「パリオゲンイエロー D1155」)に変えた以外は、黄色着色剤(PY−4)の製造と同様に行い、黄色顔料(PY−3)を得た。平均一次粒子径は40.2nmであった。
(緑色顔料(PG−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン7(PG7)(トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン YS−07」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色顔料(PG−1)を得た。平均一次粒子径は55.3nmであった。
(青色顔料(PB−1))
C.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6)(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の青色顔料(PB−1)を得た。平均一次粒子径は28.3nmであった。
(紫色顔料(PV−1))
C.I.ピグメントバイオレット23(PV23)(クラリアント社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、118部の紫色顔料(PV−1)を得た。平均一次粒子径は26.4nmであった。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(DR1−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(DR1−1)を作製した。

赤色顔料(PR−1) :14.25部
ジケトピロロピロール系顔料誘導体 : 0.75部


樹脂型分散剤B−1 : 10.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :75.0部
(顔料分散体(DR1−2〜14)
樹脂型分散剤をB−1から、それぞれB-2〜14に変更した以外は、顔料分散体(DR1−1)と同様にして、顔料分散体(DR1−2〜14)を作製した。
(顔料分散体(DR2−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(DR2−1)を作製した。

赤色顔料(PR−2) :15.0部
樹脂型分散剤B−1 : 10.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :75.0部
(顔料分散体(DR2−2〜14)
樹脂型分散剤をB−1から、それぞれB-2〜14に変更した以外は、顔料分散体(DR2−1)と同様にして、顔料分散体(DR2−2〜14)を作製した。
(顔料分散体(DR1−2〜14)
樹脂型分散剤をB−1から、それぞれB-2〜14に変更した以外は、顔料分散体(DR1−1)と同様にして、顔料分散体(DR1−2〜14)を作製した。
(顔料分散体(DY1−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(DY1−1)を作製した。

黄色顔料(PY−1) :15.0部
樹脂型分散剤B−1 : 10.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :75.0部
(顔料分散体(DY1−2〜14)
樹脂型分散剤をB−1から、それぞれB−1〜14に変更した以外は、顔料分散体(DR2−1)と同様にして、顔料分散体(DY1−2〜14)を作製した。
また黄色顔料(PY−2)、(PY−3)、(PG−1)、(PV−1)についても同様に樹脂型分散剤を変更し、それぞれ顔料分散体(DR2−2〜14)、(DR3−2〜14)、(DV1−2〜14)を作製した。
さらに、(PY−1)(PY−2)、(PY−3)、(PG−1)、(PV−1)について下記表8のように樹脂型分散剤と3級または4級アミン構造を有する化合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(DY1−15〜16)、(DY2−15〜16)、(DY3−15〜16)、(DG1−15〜16)、(DV1−15〜16)を作製した。
なお、表8中、BYK−2000、BYK−2001、およびPGMACは以下のものである。ビックケミー社製 Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(トリアリールメタン系カチオン性染料の製造)
[染料中間体の合成]
4−ジエチルアミノ安息香酸(東京化成品)25部とトルエン90部の混合物に塩化チオニル23部を加え80℃で1時間攪拌後、減圧濃縮し、酸クロリドを得た。別容器に無水塩化アルミニウム20.4部と1,2−ジクロロエタン130部を加え、氷浴で冷却後、酸クロリドを1,2−ジクロロエタン60部に溶解させた溶液を滴下した。滴下後、15分攪拌し、N,N−ジエチル−m−トルイジン(東京化成品)21部を滴下し、室温に戻して、2時間攪拌した。その後、氷水に注ぎ、4N水酸化ナトリウムでpH11以上とし、クロロホルムで抽出した。このものを水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、精製したものをさらにTHFに溶解し、ヘキサンで再沈殿を行った。60℃で減圧乾燥後、染料中間体を15.4部得た。収率は、35.0%であった。
[トリアリールメタン系カチオン性染料の合成]
上記染料中間体 10部とN−エチル−1−ナフチルアミン(東京化成品)5.0部をトルエン40部に溶解させ、オキシ塩化リン6.8部を添加して、3時間還流させた。その後、室温に戻し、1N塩酸を添加し、クロロホルムで抽出した。このものを飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=4/1)で精製した。60℃で減圧乾燥後、トリアリールメタン系カチオン性染料を13.8部得た。収率は、88.8%であった。
<染料造塩化合物(染料B)の製造方法>
下記の手順で上記トリアリールメタン系カチオン性染料と樹脂型分散剤A−1とからなる染料造塩化合物(染料B)を製造した。
25℃にて、2000部の水中に48部の樹脂型分散剤A−1を添加し十分に撹拌混合を行った。一方、190部の水に、10部の上記トリアリールメタン系カチオン性染料を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分撹拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。撹拌しながら、室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部の染料造塩化合物(染料B)を得た。
<感光性赤色着色組成物、感光性緑色着色組成物、感光性青色着色組成物の製造方法>
(感光性赤色着色組成物(RR−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、感光性緑色着色組成物(RR−1)を作製した。

顔料分散体(DR1−1) :44.0部
(PR254)
顔料分散体(DY1−1) :22.0部
(キノフタロン顔料)
顔料分散体(DY2−1) :7.3部
(PY138)
アクリル可溶性樹脂C−1 : 3.3部
光重合性単量体 : 3.0部
(東亞合成社製「アロニックスM402」)
光重合開始剤 : 0.8部
(BASF社製「IRGACURE OXE−01」)
レベリング剤 : 1.0部
(ビックケミー社製「BYK−330」の2%PGMEA溶液)
ノニオン性界面活性剤 : 0.2部
(花王社製「レオドールSP−L10」)
溶剤 : 18.4部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))
(感光性緑色着色組成物(RG−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、感光性緑色着色組成物(RG−1)を作製した。

顔料分散体(DG1−1) :44.0部
(PG7)
顔料分散体(DY1−1) :14.7部
(キノフタロン顔料)
顔料分散体(DY3−1) :14.6部
(PY185)
アクリル可溶性樹脂C−1 : 3.3部
光重合性単量体 : 3.0部
(東亞合成社製「アロニックスM402」)
光重合開始剤 : 0.8部
(BASF社製「IRGACURE OXE−01」)
レベリング剤 : 1.0部
(ビックケミー社製「BYK−330」の2%PGMEA溶液)
ノニオン性界面活性剤 : 0.2部
(花王社製「レオドールSP−L10」)
溶剤 : 18.4部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))
(感光性青色着色組成物(RB−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、感光性青色着色組成物(RB−1)を作製した。

顔料分散体(DB1−1) :51.3部
(PB15:6)
顔料分散体(DV1−1) :22.0部
(PV23)
アクリル可溶性樹脂C−1 : 3.3部
光重合性単量体 : 3.0部
(東亞合成社製「アロニックスM402」)
光重合開始剤 : 0.8部
(BASF社製「IRGACURE OXE−01」)
レベリング剤 : 1.0部
(ビックケミー社製「BYK−330」の2%PGMEA溶液)
ノニオン性界面活性剤 : 0.2部
(花王社製「レオドールSP−L10」)
溶剤 : 18.4部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))

[実施例2〜102、比較例1〜30]
(感光性着色組成物(RR−2〜44、RG−2〜44、RB−2〜44)
以下、顔料分散体、アクリル可溶性樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤、染料、ノニオン性界面活性剤、溶剤を表9〜11に示す種類、および配合量(重量部)に変更した以外は感光性着色組成物(RR−1)、(RG−1)、(RB−1)と同様にして、(感光性着色組成物(RR−2〜44、RG−2〜44、RB−2〜44)を作製した。






表9〜11の略語について下記に記す。
OXE−01:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]
(BASF社製「IRGACURE OXE−01」)
・OXE−02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)
(BASF社製「IRGACURE OXE 02」)
・染料A: C.I.アシッドイエロー25
・染料B: 前記染料造塩化合物
・F−1: レオドールSP-L10(花王社製ノニオン性界面活性剤)
・F−2: エマルゲン102KG(花王社製ノニオン性界面活性剤)
・F−3: エマルゲン150(花王社製ノニオン性界面活性剤)
・F−4: エマルゲン104P(花王社製ノニオン性界面活性剤)
・F−5: エマルゲン120(花王社製ノニオン性界面活性剤)
・F−6: エマルゲン220(花王社製ノニオン性界面活性剤)
・F−7: エマルゲン420(花王社製ノニオン性界面活性剤)
・F−8: エマール0(花王社製アニオン性界面活性剤)
・F−9: コータミン24P(花王社製カチオン界面活性剤)
[感光性着色組成物の評価]
実施例および比較例で得られた感光性着色組成物について、上記フィルタセグメント形成のアルカリ現像工程における、粘度特性(初期粘度、粘度経時安定性)、アルカリ現像特性(現像時間、残存パターン、現像残渣)の評価を下記の方法で行った。結果は表12〜14に示す。
(粘度特性評価)
((感光性着色組成物の初期粘度))
得られた感光性着色組成物の粘度は、組成物作製の当日25℃において、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて回転数20rpmにおける粘度(初期粘度)を測定した。評価結果については、以下のように判定した。
◎:3.0未満[mPa・s]
○:3.0以上4.0未満[mPa・s]
×:4.0以上[mPa・s]
((感光性着色組成物の経時粘度増加率))
感光性着色組成物を、40℃で1週間静置した後、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて25℃、回転数20rpmにおける粘度を測定し、経時粘度とした。
測定した初期粘度と経時粘度を下式に当てはめ、経時粘度増加率を測定した。
[経時粘度増加率]=(経時粘度/初期粘度)×100(%)
評価結果については、以下のように判定した。
◎:95.0%以上105.0%未満
○:90.0%以上95.0%未満または105.0%以上110.0%未満
×:90.0%未満または110.0%以上
<フィルタセグメントの形成>
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで感光性着色組成物を用いて3μmとなるよう塗布し、感光性着色組成物の被膜を形成した。その後減圧乾燥により溶剤を飛ばし塗布膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて150mJ/cmの紫外線を照射した。次いで炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、フィルタセグメントを形成した。得られたフィルタセグメントの膜厚については表面形状測定器DEKTAK150(アルバックイーエス社製)を用いて測定した。
今回、減圧乾燥後に100℃のホットプレートに塗布基板を200秒静置する加熱工程を導入する場合と、導入しない場合の2パターンで評価を行なった。
<現像性評価>
(1)現像時間評価
感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が3μmになる回転数にてスピンコーターを用いて塗布した基板を、70℃で20分乾燥後、23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像し、現像性を3段階で評価した。なお、アルカリ現像液は、炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるものを用いた。
また、現像性評価は下記基準に従って判定した。
なお、○、△は実用可能なレベル、×は実用に適さないレベルである。

○:40秒以内に完全に除去できるもの
△:40秒を超えるが55秒以内に完全に除去できるもの
×:55秒を超えても完全に除去できないもの
(2)残存パターン評価
感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が3μmになる回転数にてスピンコーターを用いて塗布した基板を、70℃で20分乾燥させた。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて50mJ/cmの紫外線を照射した。次いで炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるアルカリ現像液にて、未露光部のパターン全体が溶解する時間(T1)を算出し、T1の1.5倍の時間まで現像を延長し現像終点とした。
現像終点において、露光部のパターンを下記のように判定した。

○:剥がれや欠けがなく良好 :良好なレベル
×:剥がれや欠けが多数発生 :実用には適さないレベル
(2)現像残渣評価
感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が3μmになる回転数にてスピンコーターを用いて塗布した基板を、70℃で20分乾燥させた。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて50mJ/cmの紫外線を照射した。次いで炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるアルカリ現像液にて、未露光部のパターン全体が溶解する時間(T1)を算出し、T1の1.5倍の時間まで現像を延長し洗い流した後、現像されたガラス表面を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定し、残渣の有無を判定した。
○:残渣が確認されない。
△:ガラス基板の面積に対し50%未満残渣が確認される。
×:ガラス基板の面積に対し50%以上残渣が確認される。







上記表から明らかなように、本発明の感光性着色組成物は経時安定性に優れる上、当該組成物を用いて得られた塗布膜は、現像速度が速く、パターン形成に優れ、現像の残渣が少ないことが分かった。
































Claims (11)

  1. 顔料(A)と、樹脂型分散剤(B)(アルカリ可溶性樹脂(C)である場合を除く)と、アルカリ可溶性樹脂(C)と、光重合性単量体(D)と、光重合開始剤(E)と、ノニオン性界面活性剤(F)と、溶剤(G)とを含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、
    該樹脂型分散剤(B)が、下記一般式(1)で表されるユニット(A1)と、その他のユニット(A2)とを含む重合体であり、一般式(1)のR1およびRがメチル基であるユニットを全重合体中30重量%以上80重量%以下であり、
    かつ重量平均分子量が16000以上50000以下、かつ酸価が0〜50(KOHmg/g)である樹脂型分散剤(B1)を含み、
    該アルカリ可溶性樹脂(C)の重量平均分子量が2000以上10000以下、かつ酸価が90〜200(KOHmg/g)であることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物。

    一般式(1):

    [一般式(1)中、Rは炭素数1〜10の分岐しても良いアルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。]
  2. さらに染料を含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  3. アルカリ可溶性樹脂(C)が、少なくとも1種の不飽和結合を有する化合物(C1)(但し(C2)を除く)と、1分子中にエポキシ基および不飽和結合を有する化合物(C2)とを共重合させて共重合体(C6)を得て、得られた共重合体(C6)と不飽和1塩基酸を有する化合物(C4)とを反応させて共重合体(C7)を得て、更に得られた共重合体(C7)と多塩基酸無水物(C5)とを反応させて得られる樹脂(c1)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  4. 多塩基酸無水物(C5)が、テトラヒドロ無水フタル酸または無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  5. 前記ノニオン性界面活性剤(F)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  6. 前記ノニオン性界面活性剤(F)のHLBが、9以上16以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  7. さらに、樹脂型分散剤(B)が、少なくとも1つの、3級または4級アミン構造を有する樹脂型分散剤(B2)を含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  8. 顔料(A)と、樹脂型分散剤(B)(アルカリ可溶性樹脂(C)である場合を除く)と、溶剤(G)とを機械的に混練して顔料分散体を得る工程と、該顔料分散体と、アルカリ可溶性樹脂(C)と、光重合性単量体(D)と、光重合開始剤(E)と、ノニオン性界面活性剤(F)と、溶剤(G)とを混合することにより感光性着色組成物を得る工程とを有するカラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法であって、
    該樹脂型分散剤(B)が、下記一般式(1)で表されるユニット(A1)と、その他のユニット(A2)とを含む重合体であり、一般式(1)のR1およびRがメチル基であるユニットを全重合体中30重量%以上80重量%以下であり、
    該樹脂型分散剤(B)の重量平均分子量が16000以上50000以下、かつ酸価が0〜50(KOHmg/g)である樹脂型分散剤(B1)を含み、
    該アルカリ可溶性樹脂(C)の重量平均分子量が2000以上10000以下、かつ酸価が90〜200(KOHmg/g)であることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法。

    一般式(1):

    [一般式(1)中、Rは炭素数1〜10の分岐しても良いアルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。]
  9. 請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物を支持体上に塗布し、着色層を形成する工程において、紫外線露光工程前に加熱による乾燥工程を含むことを特徴とする着色パターン形成方法。
  10. 請求項1〜7いずれか1項に記載の感光性着色組成物を硬化してなる着色硬化膜。
  11. 請求項10に記載の着色硬化膜を有するカラーフィルタ。
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