JP2003128952A - アゾ顔料組成物の製造方法およびその用途 - Google Patents

アゾ顔料組成物の製造方法およびその用途

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JP2003128952A
JP2003128952A JP2001323044A JP2001323044A JP2003128952A JP 2003128952 A JP2003128952 A JP 2003128952A JP 2001323044 A JP2001323044 A JP 2001323044A JP 2001323044 A JP2001323044 A JP 2001323044A JP 2003128952 A JP2003128952 A JP 2003128952A
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ink
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Ippei Imagawa
一兵 今川
Ataru Chiba
中 千葉
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アゾ顔料を微細化し、ビヒクルへの分散を容易
にすると共に、顔料の結晶変化を低減させ、前述した様
々な問題の解決を図るものである。 【課題手段】アゾ顔料(1)と下式1で示されるアゾ化
合物(2)をもしくは更に樹脂と共に乾式粉砕すること
を特徴とする顔料組成物の製造方法である。 【化1】 (式中、Q;アゾ系色素の残基、A;直接接合または-O
-, -NR'-, -S-, -CO-, -SO2-, -CR'R''-, -SO2NR'-もし
くは-CONR'-(R', R''は水素原子、アルキル基、フェニ
ル基を表す。)、R1、R2;水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、フェニル基、n;1〜4の整数、m;1〜
4の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアゾ顔料の粉砕処理
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】顔料を色材として用いる場合、着色力、
鮮明性などの適性を付与するために、その一次粒子を微
細な状態にしなければならない。一般的にキナクリド
ン、フタロシアニンなどに代表される高級顔料は、顔料
合成工程と微細化工程の二つの工程を行っているのに対
して、アゾ顔料は合成する際に顔料粒子を微細にするた
めの手段を講じており、微細化工程は一般には行われて
いない。一方、顔料を各種用途に使用する方法として
は、水分を含んだウエットケーキ顔料を用いる方法と乾
燥顔料を用いる方法とがある。乾燥顔料の場合、乾燥時
の熱により顔料の一次粒子が著しく成長すると共に、粒
子同士が強く凝集してしまう。これを防ぐために、合成
時に異種のジアゾ成分やカップラー成分を併用した混合
カップリングやロジン樹脂や界面活性剤等による表面処
理などが行われているが、凝集は避けられず、各種の用
途展開例えば印刷インキに使用する場合、分散工程に多
くの時間、エネルギーを投入しても、後述するウエット
ケーキ顔料を用いた方法で得られる印刷インキの透明
性、分散性等の品質において劣る。ウエットケーキ顔料
を用いる方法はオフセットインキを製造する際のフラッ
シング法に代表される。この方法は水系の顔料粒子を非
水系のビヒクル中へと直接相転換する方法であり、前述
した乾燥顔料を用いる場合に発生する顔料一次粒子の成
長や凝集の程度は低い。しかし乾燥顔料に比べて、水分
を多量に含んでいるため輸送において非経済的である
上、水分を含んだ状態で顔料を保存した場合、顔料粒子
が成長する場合があり、取り扱いに難点がある。さら
に、フラッシング装置や排水処理設備が必須となり経済
的な負荷も大きい。特開平10-17810には、アゾ顔料を樹
脂と共に乾式粉砕することで、顔料粒子を微細にすると
共に樹脂処理を行う方法が提示されている。ここで示さ
れている方法を用いると顔料粒子を小さくすると共に、
ビヒクル中へ微細に分散することが可能となるが、各種
用途で使用する過程において、例えば印刷インキの製造
過程における熱履歴や溶剤との接触により顔料結晶の成
長や転移などが起きやすくなり、色相の変化や透明性の
低下、展色濃度の低下、印刷物における光沢の低下、イ
ンキ粘度の増加など様々な品質の劣化を引き起こす要因
ともなり、実用上十分なものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アゾ顔料を
微細化し、ビヒクルへの分散を容易にすると共に、顔料
の結晶変化を低減させ、前述した様々な問題の解決を図
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、アゾ顔料
(1)と下式1で示されるアゾ化合物(2)を共に乾式
粉砕することを特徴とする顔料組成物の製造方法であ
る。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、 Q;アゾ系色素の残基を表す。 A;直接接合または-O-, -NR'-, -S-, -CO-, -SO2-, -C
R'R''-, -SO2NR'-もしくは-CONR'-で示される二価の結
合基を表す(R', R''は水素原子、炭素数1〜20のア
ルキル基もしくはフェニル基を表す。)。 R1、R2;各々独立して水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルケニル基、フェニル基もし
くはR1、R2が互いに結合して形成された5員環もしく
は6員環(該環は更なる窒素原子、酸素原子またはイオ
ウ原子を含んでもよい。)を表す。 n;1〜4の整数を表す。 m;1〜4の整数を表す。) 更に本発明は、樹脂(3)と共に乾式粉砕する上記顔料
組成物の製造方法である。更に本発明は、アゾ化合物
(2)の含有量が、アゾ顔料(1)に対して0.5重量
%ないし10重量%である上記製造方法である。更に本
発明は、アゾ顔料(1)がジスアゾ系顔料である上記製
造方法である。更に本発明は、上記製造方法により得ら
れる顔料組成物である。更に本発明は、上記顔料組成物
を印刷インキ用溶剤もしくはビヒクルに配合することを
特徴とする印刷インキの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるアゾ顔料(1)とは、アゾ基を発
色団とする顔料を指し、一般に溶性アゾ顔料、不溶性ア
ゾ顔料、縮合アゾ顔料と分類されて良く知られているも
のである。溶性アゾ顔料とは、可溶性基を有する芳香族
アミンのジアゾニウム塩とカップラー成分とをカップリ
ングさせたアゾ染料をレーキ用金属塩によりレーキ化し
て得られるレーキ顔料である。可溶性基を有する芳香族
アミンとしては、1─アミノ─4メチルベンゼン─2─
スルホン酸、1─アミノ─4−メチル─5─クロロベン
ゼン─2─スルホン酸、1─アミノ─4─クロロ─5─
メチルベンゼン─2─スルホン酸など、カップラー成分
としては、β─オキシナフトエ酸、β─ナフトールな
ど、レーキ用金属塩としては、カルシウム、バリウム、
マンガンなどである。不溶性アゾ顔料とは、ベンジジン
類のテトラゾ溶液とアセトアセトアニリド類を含むカッ
プラー溶液とをカップリングさせることで得られる顔料
である。ベンジジン類のテトラゾ溶液としては、3,
3’−ジクロロベンジジン、2,2’,5,5’−テト
ラクロロベンジジンなど、アセトアセトアニリド類とし
ては、アセトアセトアニリド、アセトアセト─o−トル
イジド、アセトアセト─m−キシリド、アセトアセト─
o−アニシジド、アセトアセト─2,5−ジメトキシア
ニリド、アセトアセト─p−アニシジド、アセトアセト
─2,5−ジメトキシ─4─クロロアニリド、アセトア
セト─o−クロロアニリドなどである。縮合アゾ顔料と
は、アゾ染料の酸クロライド誘導体をモノアミン類また
はジアミン類と縮合させることで得られる顔料である。
本発明で用いられるアゾ顔料(1)は乾式粉砕に供され
るため、その顔料の一次粒子径には特に制限はなく、大
きなものであっても構わない。一般に、微細な粒子を得
るためや顔料の結晶成長を低減させる目的で、合成時に
異種のジアゾ成分やカップラー成分を併用した混合カッ
プリングを行ったり、ロジン処理などを行うが、本発明
で用いるアゾ顔料においてはこれらの所作における制限
はなく、こうした所作が施された顔料であっても本発明
の効果は発揮される。式1に示されるアゾ化合物(2)
は、以下に示す3つの方法で製造することができる。第
1の方法は、次の一般式を有する芳香族アミン
【0008】
【化3】
【0009】(ただし式2中のn、R1,R2およびA
は、式1中におけるn、R1、R2、およびAと同一であ
る。R3、R4は同種または異種の水素原子、アルキル
基、メトキシ基、ハロゲン原子、スルホン基、ニトロ基
を示す。)を常法に従ってジアゾ化して、工業的に有用
なカップラー例えばフェノール類、ナフトール類、アセ
トアセトアニリド類、ピラゾロン類、オキシキノリン類
等とカップリングすることで得られる。第2の方法は、
例えば次に示す式3ないし7
【0010】
【化4】
【0011】(ただし、式3ないし7中のn、R1
2、R3、R4およびAは、式2中におけるn、R1、R
2、R3、R4と同様の数および基を示す。)を有するカ
ップラー成分に、工業的に有用なベース類をジアゾ化し
てカップリングすることにより得られる。第3の方法
は、アゾ化合物を原料として、例えばクロルスルホン化
物、カルボン酸クロライドにしてから、溶媒の存在下に
次の式8
【0012】
【化5】
【0013】(ただし、式8中のn、R1およびR2は、
式2におけるn、R1およびR2と同様の数および基を示
す。)で表されるアミン類と脱塩酸反応させることによ
り得られる。この方法では、製造例で述べるが置換基が
1ないし4個導入される。第1、第2の方法でも置換基
を2個以上導入することができる。例えば式2の芳香族
アミンを次のカップラー成分とカップリングすることで
得られる。
【0014】
【化6】
【0015】(ただし、式9ないし11中のn、R1
2、R3、R4およびAは、式2中のn、R1、R2
3、R4と同様の数および基を示す。) 単独で微細化されたアゾ顔料は熱履歴や溶剤との接触等
により、結晶成長や結晶転移が起きやすくなるが、アゾ
化合物(2)と共に乾式粉砕することにより、結晶の変
化は低減される。アゾ顔料(1)とアゾ化合物(2)の
組合せについては特に制限はないが、アゾ化合物(2)
には、式1中のQがアゾ顔料(1)の構造に近いものを
用いることで本発明の効果はより発揮される。式1中の
A、n、R1、R2、mについては、用途展開する上での
諸条件と勘案して選定されるものである。すなわち、式
1中のQ以外の部分については、ビヒクル中への分散を
高める効果や分散の安定化さらには得られた分散体の粘
度を制御することが判明しており、ビヒクルとの適合性
を勘案する必要がある。結晶の変化が低減される機構に
ついては完全には解明されていないが、アゾ顔料(1)
とアゾ化合物(2)とを共に乾式粉砕することにより微
細化されたアゾ顔料(1)の表面に微細化されたアゾ化
合物(2)が付着し、付着したアゾ化合物(2)によっ
てアゾ顔料(1)の結晶成長面が封鎖され、結晶の変化
を低減させるものと推定している。本発明を完成させる
までに得られた知見に基づき、さらに推察を提示するな
らば、式1中のQがアゾ顔料へのアンカー効果をもたら
しアゾ顔料(1)への付着効率を高め、Q以外の部分が
立体障害効果をもたらし、これら両方の効果が奏して、
結晶の変化を低減させるものと推察している。アゾ化合
物(2)の添加量については、アゾ顔料(1)の重量に
対して好ましくは0.5重量%ないし15重量%、更に
好ましくは1重量%ないし8重量%の範囲である。下限
未満でも本発明の効果は発揮されるがその程度は微弱と
なる。一方、上限を越えるものでも効果は十分に発揮さ
れるが、アゾ化合物(2)自体の色の寄与が強くなり鮮
明性が低下するなどの欠点が生じてくる。樹脂(3)は
用途に応じて選定する。オフセットインキ用途において
は、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂などがあげられ、またグ
ラビアインキ用途では、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、
酢酸セルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂などがあげられる。印刷
インキで用いる場合には、印刷インキのビヒクルで使用
される樹脂であれば、任意に単独または2種類以上を組
み合わせて使用できる。選択に当たっては、ビヒクルに
対して溶解または分散するものを選定する必要がある。
更なる選定用件については、各種用途における最終製品
に求められる品質用件を勘案して選定する。なお、印刷
インキでの使用において、汎用性がありまた本発明の効
果が著しいものとしてはロジン変性フェノール樹脂をあ
げることができる。樹脂(3)は、アゾ顔料のビヒクル
中へ分散を容易にする効果をもたらす。すなわち、アゾ
顔料(1)とアゾ化合物(2)と樹脂(3)が共に乾式
粉砕された組成物においては樹脂(3)が組成物中に微
細に均一に存在するため、樹脂(3)のビヒクルへの溶
解、分散が進行すると共にアゾ顔料(1)のビヒクルへ
の分散も微細に均一に進行する。樹脂(3)の添加量は
多いほどビヒクルへの分散はより容易になるが、ある一
定量(これは顔料により異なる)を越えると易分散性は
飽和する傾向にある。一方製造面においては、樹脂の軟
化点、粉砕温度にも左右されるものであるが、添加量が
多いと乾式粉砕装置内部での樹脂の付着が生じる場合が
ある。従って、品質面ならびに製造面を勘案しながら添
加量を決める必要がある。より具体的な樹脂(3)の添
加量については、アゾ顔料(1)に対して10重量%な
いし200重量%、好ましくは30重量%ないし150
重量%の範囲である。加減未満では分散性の向上の効果
が弱くなる。上限を越えると組成物における顔料の含有
分が低くなり用途展開する際に他の配合物の添加量に制
限が生じ扱いづらくなる。また前述したように製造面で
も問題が生じる場合がある。樹脂(3)における軟化点
の範囲については、樹脂(3)の添加量や粉砕温度とも
関連があるため一概には規定できないが、軟化点が粉砕
温度すなわち粉砕加工中の組成物の温度よりも高いこと
が付着を防ぐ上で好ましい。ロジン変性フェノール樹脂
を用いた場合には軟化点は、好ましくは60℃以上、更
に好ましくは80℃以上である。しかし樹脂(3)の添
加量が顔料(1)に対して30重量%未満の場合には6
0℃未満であっても付着は少ない。本発明の乾式粉砕
は、ビーズ等の粉砕メディアを内蔵した粉砕機を使用し
て実質的に乾いた状態で顔料を粉砕するものである。粉
砕は粉砕メディア同士の衝突や摩擦を通じて進行する。
乾式粉砕装置としては、乾式のアトライター、ボールミ
ル、振動ミルなどの公知の装置を用いることができる。
一方、ロジン変性フェノール樹脂はその種類、条件によ
っては酸化による劣化が起こる場合がある。この場合に
は、樹脂は酸化されることでその溶解性や色調などの物
性が変化し、設計したインキの性能を引き出すことがで
きない。従って、これを防止するために、粉砕容器の内
部を減圧したり、あるいは窒素ガスなどの活性ガスを充
填して粉砕することも場合によっては必要になる。本発
明の顔料組成物を用いて印刷インキを製造する場合の印
刷インキ用の溶剤またはビヒクル中の溶剤としては、高
沸点石油系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、高級アルコール
系溶剤、ナフテン分を主成分とする溶剤や芳香族系の溶
剤など、印刷インキに適した溶剤であれば単独あるいは
2種類以上の組み合わせで任意に使用できる。印刷イン
キを製造する場合のビヒクル用の樹脂としては、ロジン
変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油
樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、ニ
トロセルロース樹脂、酢酸セルロース、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂な
ど印刷インキに適した樹脂などが挙げられる。さらに大
豆油や桐油、アマニ油など印刷インキに適した乾性油や
重合乾性油や、その他印刷インキ用の添加剤などと共に
任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用でき
る。本発明の顔料組成物を用いた印刷インキの製造方法
については、ビヒクル中に顔料組成物を添加して攪拌
し、顔料組成物をビヒクルに濡らし、さらに樹脂がビヒ
クルに溶解、分散することにより、顔料分散の大部分が
進行する。より具体的には、本発明の顔料組成物はビヒ
クルへの易分散性を有しており、ビヒクルに添加して緩
やかに攪拌するだけで分散が進行する。樹脂の溶解を促
進するため加熱をしてもよいが、過度の加熱は顔料の結
晶の変化をもたらすため、150℃以下好ましくは10
0℃以下を保つ必要がある。ビヒクルと顔料組成物の割
合については、顔料組成物を濡らすのに必要なビヒクル
量を添加する必要がある。攪拌装置については特に制限
はないが、顔料組成物とビヒクルの割合によって系の粘
度が異なりその粘度に適した攪拌機を用いる。顔料とビ
ヒクルとの割合において、ビヒクルが十分に多い状態で
は系の粘度が低いので有機合成等に用いられる撹拌装置
でも十分使用できるが、顔料組成物が多い状態では高粘
度となるため高馬力の装置、例えばフラッシャーを用い
るとよい。高粘度の状態で攪拌を行えば、効率的に系に
エネルギーを与えることができるため低粘度の状態での
攪拌と比較して、攪拌時間は短縮される。顔料組成物を
ビヒクルに濡らし終わった後、残存する一部の粗大粒子
を完全に分散にさせるために、3本ロールやビーズミル
などの公知の簡易な分散機に掛けることでベースインキ
の作成は完了する。本発明の方法で得られた顔料組成物
は、処理前に比べて着色力、分散性、透明性などが明ら
かに向上しているばかりか、インキ製造過程並びにイン
キの経時保存においても、色相や透明性、粘度などの諸
物性における変化が著しく低減していることが確認され
た。以下に式(1)で表される代表的な化合物の合成法
の概略を製造例として述べる。
【0016】
【製造例1】β−オキシナフトエ酸をベンゼン中で等モ
ルの塩化チオニルと環流下に1時間加熱攪拌して酸塩化
物を合成し、反応終了後、各種アミンを加えて、更に環
流下に1時間加熱攪拌して下記のカップラー成分を得
た。
【0017】
【化7】
【0018】これらのカップリング成分に各種ベース類
をジアゾ化してカップリングすることにより下記のアゾ
化合物を得た。
【0019】
【化8】
【0020】
【製造例2】P−アセチルアミノスルホニルクロリドと
N,N−ジエチルアミノエチルアミンあるいはN,N−
ジエチルアミノプロピルアミンをベンゼン中で環流下に
2時間加熱攪拌して得られたスルホンアミドを希塩酸中
で1時間煮沸環流して加水分解し、下記ジアゾ成分を得
た。
【0021】
【化9】
【0022】(ベース1)を常法に従ってジアゾ化して
カップラーとカップリングを行い下記のアゾ化合物を得
た。(c)のカップラーは製造例1の方法と同様にして
合成した。
【0023】
【化10】
【0024】
【製造例3】P−ニトロ塩化ベンゾイルをベンゼン中で
アミン類と環流下に1時間攪拌してカルボン酸アミドを
合成し、ついでニトロ基を常法に従って還元して下記の
ジアゾ成分を得た。
【0025】
【化11】
【0026】このベースを常法に従ってジアゾ化して、
カップラーとカップリングを行い下記のアゾ化合物を得
た。
【0027】
【化12】
【0028】
【製造例4】製造例3のベースをジアゾ化して、カップ
ラーに常法に従ってカップリングを行い次のアゾ化合物
を得た。
【0029】
【化13】
【0030】
【製造例5】製造例2のベースと等モルのジケテンとを
キシレン中で環流下に1時間加熱攪拌して下記の構造を
有するカップラー成分を得た。
【0031】
【化14】
【0032】このカップラー成分に各種ベース類をジア
ゾ化してカップリングすることにより下記のアゾ化合物
を得た。
【0033】
【化15】
【0034】
【製造例6】製造例5のカップラー1にジアミン類を常
法に従ってテトラゾ化してハーフカップリングを行い下
記のアゾ化合物を得た。
【0035】
【化16】
【0036】
【製造例7】製造例3のベースと等モルのジケテンとを
キシレン中で環流下に1時間攪拌して下記構造を有する
カップラー成分を得た。
【0037】
【化17】
【0038】このカップラー成分にジアミン類を常法に
従ってテトラゾ化してカップリングを行い下記アゾ化合
物を得た。
【0039】
【化18】
【0040】
【製造例8】下記構造を有するアゾ色素
【0041】
【化19】
【0042】と等モルの塩化チオニルとをキシレン中で
環流下に2時間加熱攪拌して酸クロライドとし、ついで
アミン類を添加して、更に環流下に1時間加熱攪拌して
下記構造のアゾ化合物を得た。
【0043】
【化20】
【0044】
【製造例9】下記構造を有するアゾ色素
【0045】
【化21】
【0046】と等モルの塩化チオニルとをキシレン中で
環流下に2時間加熱攪拌して酸クロライドとし、ついで
アミン類を添加して、さらに環流下に1時間加熱攪拌し
て下記構造のアゾ化合物を得た。
【0047】
【化22】
【0048】
【製造例10】下記構造を有するアゾ色素10部をクロ
ルスルホン酸50部と約50℃で1時間攪拌し、氷水に
注入して濾過、水洗して得られたクロルスホン化物のウ
エットケーキを再び氷水200部にスラリーとして、こ
れに各種アミンを滴下して10〜20℃で5時間攪拌し
て下記構造を有するアゾ化合物(l)を得た。
【0049】
【化23】
【0050】クロルスルホン基は、アゾ基の還元分解に
より分析してナフタリン核に2個、ベンゼン核に1個導
入されていることが明らかとなった。
【0051】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。尚、以下において「部」は「重量部」を表す。ま
た、アルファベットで示す各化合物は製造例において表
示したものと対応する。
【0052】
【比較例1】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 12)70部をロジン変性フェノール樹脂
とナフテン系の溶剤を主成分とするオフセットインキ用
ビヒクル548部に加え、80℃で1時間、攪拌を行っ
た後、ロール圧5bar、60℃の条件で3本ロールを
1パスさせた。得られたベースインキの分散状態をグラ
インドゲージを用いて確認したところ20μm以上であ
り、ロール圧15Bar、温度60℃の条件でさらに3
本ロールを2パスし、7.5μm以下とした。次に得ら
れたベースインキ61.8部に上記オフセットインキ用
ビヒクル33.2部を加え40℃の3本ロール上で混合
し、タックを5.8に調整して最終インキを得た。ベー
スインキを50℃で2週間保存したものと、20℃で2
週間保存したものの色相差を測定したところ、ΔL*
1.3、ΔE*で2.5であった。C.I.Pig.Y
ellow 12の水分を含んだウエットケーキ顔料で
フラッシング法によりインキ化したものと比較すると、
著しく不透明で展色濃度が低かった。
【0053】
【比較例2】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 12)350部と軟化点160℃のロジン
変性フェノール樹脂350部とを乾式アトライターに加
え、60℃で30分間粉砕を行った。次に得られた顔料
組成物140部を比較例1で使用したオフセットインキ
用ビヒクル478部に加え、80℃で1時間間、攪拌を
行った後、ロール圧5bar、60℃の条件で3本ロー
ルを1パスさせた。得られたベースインキの分散状態を
グラインドゲージを用いて確認したところ7.5μm以
下であった。次に得られたベースインキ61.8部に上
記オフセットインキ用ビヒクル33.2部を加え40℃
の3本ロール上で混合し、タックを5.8に調整して最
終インキを得た。ベースインキを50℃で2週間保存し
たものと、20℃で2週間保存したものの色相差を測定
したところ、ΔL*で3.5、ΔE*で7.9であった。
また、C.I.Pig.Yellow 12の水分を含
んだウエットケーキ顔料でフラッシング法によりインキ
化したものと比較すると、透明性、展色濃度、展色物の
光沢などの点において遙に優れていた。さらに、JIS
K−5702に基づいて流度を測定したところ、C.
I.Pig.Yellow 12の水分を含んだウエッ
トケーキ顔料でフラッシング法によりインキ化したもの
が7.8cmであるのに対し、0.1cmであった。
【0054】
【実施例1】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 12)667部とアゾ化合物(h)33部
とを乾式アトライターに加え、60℃で30分間粉砕を
行った。次に得られた顔料組成物73.5部を比較例1
で使用したオフセットインキ用ビヒクル544.5部に
加え、80℃で1時間、攪拌を行った後、ロール圧5b
ar、60℃の条件で3本ロールを1パスさせた後、ロ
ール圧15barでさらに1パスさせた。得られたベー
スインキの分散状態をグラインドゲージを用いて確認し
たところ7.5μm以下であった。次に得られたベース
インキ61.8部に上記オフセットインキ用ビヒクル3
3.2部を加え40℃の3本ロール上で混合し、タック
を5.8に調整して最終インキを得た。ベースインキを
50℃で2週間保存したものと、20℃で2週間保存し
たものの色相差を測定したところ、ΔL*で1.0、Δ
*で1.9であった。また、最終インキを比較例1で
得られた最終インキと比較したところ遙かに透明で展色
濃度も勝っていた。また比較例2で得られた最終インキ
と比較しても透明であった。比較例2と同様に流度を測
定したところ、7.0cmであった。
【0055】
【実施例2】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 12)350部とアゾ化合物(h)17.
5部とさらに軟化点160℃のロジン変性フェノール樹
脂332.5部とを乾式アトライターに加え、60℃で
30分間粉砕を行った。次に得られた粉砕組成物140
部を比較例1で使用したオフセットインキ用ビヒクル4
78部に加え、80℃で1時間、攪拌を行った後、ロー
ル圧5bar、60℃の条件で3本ロールを1パスさせ
た。得られたベースインキの分散状態をグラインドゲー
ジを用いて確認したところ7.5μm以下であった。次
に得られたベースインキ61.8部に上記オフセットイ
ンキ用ビヒクル33.2部を加え40℃の3本ロール上
で混合し、タックを5.8に調整して最終インキを得
た。ベースインキを50℃で2週間保存したものと、2
0℃で2週間保存したものの色相差を測定したところ、
ΔL*で0.7、ΔE*で1.6であった。また、最終イ
ンキを比較例1で得られた最終インキと比較したところ
遙かに透明で展色濃度も向上していた。また比較例2で
得られた最終インキと比較しても透明であった。比較例
2と同様に流度を測定したところ、8.0cmであっ
た。
【0056】
【比較例3】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 13)350部と軟化点160℃のロジン
変性フェノール樹脂350部とを乾式アトライターに加
え、60℃で1時間粉砕を行った。次に得られた粉砕組
成物140部を比較例1で使用したオフセットインキ用
ビヒクル478部に加え、80℃で1時間、攪拌を行っ
た後、ロール圧5bar、60℃の条件で3本ロールを
1パスさせた。得られたベースインキの分散状態をグラ
インドゲージを用いて確認したところ7.5μm以下で
あった。次に得られたベースインキ61.8部に上記オ
フセットインキ用ビヒクル33.2部を加え40℃の3
本ロール上で混合し、タックを5.8に調整して最終イ
ンキを得た。ベースインキを50℃で2週間保存したも
のと、20℃で2週間保存したものの色相差を測定した
ところ、ΔL*で3.9、ΔE*で9.3であった。ま
た、C.I.Pig.Yellow 13の水分を含ん
だウエットケーキ顔料でフラッシング法によりインキ化
したものと比較すると、透明性、展色濃度、展色物の光
沢などの点において遙に優れていた。さらに、比較例2
と同様に流度を測定したところ、C.I.Pig.Ye
llow13の水分を含んだウエットケーキ顔料でフラ
ッシング法によりインキ化したものが8.5cmである
のに対し、0.3cmであった。
【0057】
【実施例3】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 13)350部とアゾ化合物(h)17.
5部とさらに軟化点160℃のロジン変性フェノール樹
脂332.5部とを乾式アトライターに加え、60℃で
1時間粉砕を行った。次に得られた粉砕組成物140部
を比較例1で使用したオフセットインキ用ビヒクル47
8部に加え、80℃で1時間、攪拌を行った後、ロール
圧5bar、60℃の条件で3本ロールを1パスさせ
た。得られたベースインキの分散状態をグラインドゲー
ジを用いて確認したところ7.5μm以下であった。次
に得られたベースインキ61.8部に上記オフセットイ
ンキ用ビヒクル33.2部を加え40℃の3本ロール上
で混合し、タックを5.8に調整して最終インキを得
た。ベースインキを50℃で2週間保存したものと、2
0℃で2週間保存したものの色相差を測定したところ、
ΔL*で0.2、ΔE*で1.0であった。また、比較例
3で得られた最終インキと比較しても透明であった。さ
らに比較例2と同様に流度を測定したところ、8.3c
mであった。
【0058】
【比較例4〜7】C.I.Pig.Yellow 7
4、C.I.Pig.Yellow 83、C.I.P
ig.Yellow 95およびC.I.Pig.Ye
llow 169について、比較例3と同様にして、最
終インキを得た。
【0059】
【実施例4〜7】C.I.Pig.Yellow 7
4、C.I.Pig.Yellow 83、C.I.P
ig.Yellow 95およびC.I.Pig.Ye
llow 169について、実施例3と同様にして、最
終インキを得た。比較例4〜7および実施例4〜7につ
いて、透明性、経時保存における色相差および流度の評
価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【比較例8】溶性アゾ顔料(C.I.Pig.Red
57:1)350部と軟化点160℃のロジン変性フェ
ノール樹脂266部と軟化点120℃の石油樹脂66.
5を乾式アトライターに加え、40℃で30分間粉砕を
行った。次に得られた粉砕組成物166部を比較例1で
使用したオフセットインキ用ビヒクル452部に加え、
60℃で1時間、攪拌を行った後、ロール圧5bar、
60℃の条件で3本ロールを1パスさせた。得られたベ
ースインキの分散状態をグラインドゲージを用いて確認
したところ7.5μm以下であった。次に得られたベー
スインキ61.8部に上記するオフセットインキ用ビヒ
クル33.2部を加え40℃の3本ロール上で混合し、
タックを6.2に調整して最終インキを得た。ベースイ
ンキを50℃で2週間保存したものと、20℃で2週間
保存したものの色相差を測定したところ、ΔL*で2.
9、ΔE*で5.3であった。また、比較例2と同様に
流度を測定したところ、0.5cmであった。
【0062】
【実施例8】溶性アゾ顔料(C.I.Pig.Red
57:1)350部とアゾ化合物(j)10.5部とさ
らに軟化点160℃のロジン変性フェノール樹脂266
部と軟化点120℃の石油樹脂66.5を乾式アトライ
ターに加え、40℃で30分間粉砕を行った。次に得ら
れた粉砕組成物166部を比較例1で使用したオフセッ
トインキ用ビヒクル452部に加え、60℃で1時間、
攪拌を行った後、ロール圧5bar、60℃の条件で3
本ロールを1パスさせた。得られたベースインキの分散
状態をグラインドゲージを用いて確認したところ7.5
μm以下であった。次に得られたベースインキ61.8
部に上記オフセットインキ用ビヒクル33.2部を加え
40℃の3本ロール上で混合し、タックを6.2に調整
して最終インキを得た。ベースインキを50℃で2週間
保存したものと、20℃で2週間保存したものの色相差
を測定したところ、ΔL*で0.8、ΔE*で1.8であ
った。また、比較例8で得られた最終インキと比較して
も透明であった。さらに比較例2と同様に流度を測定し
たところ、5.8cmであった。
【0063】
【比較例9〜11】C.I.Pig.Red 49:
2、C.I.Pig.Red 243およびC.I.P
ig.Orange 34について、比較例8と同様に
して、最終インキを得た。
【0064】
【実施例9〜11】C.I.Pig.Red 49:
2、C.I.Pig.Red 243およびC.I.P
ig.Orange 34について、実施例8と同様に
して、最終インキを得た。比較例9〜11および実施例
9〜11について、透明性、経時保存における色相差お
よび流度の評価結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【比較例12】溶性アゾ顔料(C.I.Pig.Red
48:2)350部と分子量5万のポリアミド樹脂3
50部を乾式アトライターに加え、60℃で30分間粉
砕を行った。次に得られた粉砕組成物20部をニトロセ
ルロース/ポリアミド系のグラビアインキ用ビヒクル3
0部に加え、スチールボールと共に容器に入れてペイン
トシェーカーにて分散後、上記グラビアインキ用ビヒク
ル45部を加え再びペイントシェーカーに掛け、25℃
においてザーンカップ4番で12秒のグラビアインキに
調整した。
【0067】
【実施例12】溶性アゾ顔料(C.I.Pig.Red
48:2)350部と分子量5万のポリアミド樹脂3
15部およびアゾ化合物(a)35部を乾式アトライタ
ーに加え、60℃で30分間粉砕を行った。次に得られ
た粉砕組成物20部を比較例12で使用したグラビアイ
ンキ用ビヒクル30部に加え、スチールボールと共に容
器に入れてペイントシェーカーにて分散後、比較例12
で使用したグラビアインキ用ビヒクル45部を加え再び
ペイントシェーカーに掛け、25℃においてザーンカッ
プ4番で12秒のグラビアインキに調整した。
【0068】
【比較例13】C.I.Pig.Red 48:2の替
わりにC.I.Pig.Red 17を用いた以外は比
較例12と同様にしてグラビアインキを作成した。
【0069】
【実施例13】C.I.Pig.Red 48:2の替
わりにC.I.Pig.Red 17を用い、さらにア
ゾ化合物(a)の替わりにアゾ化合物(b)を用いた以
外は実施例12と同様にしてグラビアインキを作成し
た。比較例12〜13、実施例12〜13で得られたグ
ラビアインキについて40℃1週間経時保存前後での粘
度を測定した。またOPPフィルムにバーコーターを用
いて展色刷りし、60度での光沢を測定した。測定結果
を表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】本発明は、アゾ顔料のビヒクルへの分散
を容易にし、分散性、透明性、濃度、流動性等を向上さ
せる。また、印刷インキ製造過程やインキの経時保存に
おける色相や透明性、分散性、粘度等のインキ諸物性の
変化を低減させる。
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月5日(2001.11.
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアゾ顔料の粉砕処理
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】顔料を色材として用いる場合、着色力、
鮮明性などの適性を付与するために、その一次粒子を微
細な状態にしなければならない。一般的にキナクリド
ン、フタロシアニンなどに代表される高級顔料は、顔料
合成工程と微細化工程の二つの工程を行っているのに対
して、アゾ顔料は合成する際に顔料粒子を微細にするた
めの手段を講じており、微細化工程は一般には行われて
いない。一方、顔料を各種用途に使用する方法として
は、水分を含んだウエットケーキ顔料を用いる方法と乾
燥顔料を用いる方法とがある。
【0003】乾燥顔料の場合、乾燥時の熱により顔料の
一次粒子が著しく成長すると共に、粒子同士が強く凝集
してしまう。これを防ぐために、合成時に異種のジアゾ
成分やカップラー成分を併用した混合カップリングやロ
ジン樹脂や界面活性剤等による表面処理などが行われて
いるが、凝集は避けられず、各種の用途展開例えば印刷
インキに使用する場合、分散工程に多くの時間、エネル
ギーを投入しても、後述するウエットケーキ顔料を用い
た方法で得られる印刷インキの透明性、分散性等の品質
において劣る。
【0004】ウエットケーキ顔料を用いる方法はオフセ
ットインキを製造する際のフラッシング法に代表され
る。この方法は水系の顔料粒子を非水系のビヒクル中へ
と直接相転換する方法であり、前述した乾燥顔料を用い
る場合に発生する顔料一次粒子の成長や凝集の程度は低
い。しかし乾燥顔料に比べて、水分を多量に含んでいる
ため輸送において非経済的である上、水分を含んだ状態
で顔料を保存した場合、顔料粒子が成長する場合があ
り、取り扱いに難点がある。さらに、フラッシング装置
や排水処理設備が必須となり経済的な負荷も大きい。
【0005】特開平10-17810には、アゾ顔料を樹脂と共
に乾式粉砕することで、顔料粒子を微細にすると共に樹
脂処理を行う方法が提示されている。ここで示されてい
る方法を用いると顔料粒子を小さくすると共に、ビヒク
ル中へ微細に分散することが可能となるが、各種用途で
使用する過程において、例えば印刷インキの製造過程に
おける熱履歴や溶剤との接触により顔料結晶の成長や転
移などが起きやすくなり、色相の変化や透明性の低下、
展色濃度の低下、印刷物における光沢の低下、インキ粘
度の増加など様々な品質の劣化を引き起こす要因ともな
り、実用上十分なものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アゾ顔料を
微細化し、ビヒクルへの分散を容易にすると共に、顔料
の結晶変化を低減させ、前述した様々な問題の解決を図
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アゾ顔料
(1)と下式1で示されるアゾ化合物(2)を共に乾式
粉砕することを特徴とする顔料組成物の製造方法であ
る。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、 Q;アゾ系色素の残基を表す。 A;直接接合または-O-, -NR'-, -S-, -CO-, -SO2-, -C
R'R''-, -SO2NR'-もしくは-CONR'-で示される二価の結
合基を表す(R', R''は水素原子、炭素数1〜20のア
ルキル基もしくはフェニル基を表す。)。 R1、R2;各々独立して水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルケニル基、フェニル基もし
くはR1、R2が互いに結合して形成された5員環もしく
は6員環(該環は更なる窒素原子、酸素原子またはイオ
ウ原子を含んでもよい。)を表す。 n;1〜4の整数を表す。 m;1〜4の整数を表す。)
【0010】更に本発明は、樹脂(3)と共に乾式粉砕
する上記顔料組成物の製造方法である。更に本発明は、
アゾ化合物(2)の含有量が、アゾ顔料(1)に対して
0.5重量%ないし10重量%である上記製造方法であ
る。更に本発明は、アゾ顔料(1)がジスアゾ系顔料で
ある上記製造方法である。更に本発明は、上記製造方法
により得られる顔料組成物である。更に本発明は、上記
顔料組成物を印刷インキ用溶剤もしくはビヒクルに配合
することを特徴とする印刷インキの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるアゾ顔料(1)とは、アゾ基を発
色団とする顔料を指し、一般に溶性アゾ顔料、不溶性ア
ゾ顔料、縮合アゾ顔料と分類されて良く知られているも
のである。
【0012】溶性アゾ顔料とは、可溶性基を有する芳香
族アミンのジアゾニウム塩とカップラー成分とをカップ
リングさせたアゾ染料をレーキ用金属塩によりレーキ化
して得られるレーキ顔料である。
【0013】可溶性基を有する芳香族アミンとしては、
1─アミノ─4メチルベンゼン─2─スルホン酸、1─
アミノ─4−メチル─5─クロロベンゼン─2─スルホ
ン酸、1─アミノ─4─クロロ─5─メチルベンゼン─
2─スルホン酸など、カップラー成分としては、β─オ
キシナフトエ酸、β─ナフトールなど、レーキ用金属塩
としては、カルシウム、バリウム、マンガンなどであ
る。
【0014】不溶性アゾ顔料とは、ベンジジン類のテト
ラゾ溶液とアセトアセトアニリド類を含むカップラー溶
液とをカップリングさせることで得られる顔料である。
【0015】ベンジジン類のテトラゾ溶液としては、
3,3’−ジクロロベンジジン、2,2’,5,5’−
テトラクロロベンジジンなど、アセトアセトアニリド類
としては、アセトアセトアニリド、アセトアセト─o−
トルイジド、アセトアセト─m−キシリド、アセトアセ
ト─o−アニシジド、アセトアセト─2,5−ジメトキ
シアニリド、アセトアセト─p−アニシジド、アセトア
セト─2,5−ジメトキシ─4─クロロアニリド、アセ
トアセト─o−クロロアニリドなどである。
【0016】縮合アゾ顔料とは、アゾ染料の酸クロライ
ド誘導体をモノアミン類またはジアミン類と縮合させる
ことで得られる顔料である。
【0017】本発明で用いられるアゾ顔料(1)は乾式
粉砕に供されるため、その顔料の一次粒子径には特に制
限はなく、大きなものであっても構わない。一般に、微
細な粒子を得るためや顔料の結晶成長を低減させる目的
で、合成時に異種のジアゾ成分やカップラー成分を併用
した混合カップリングを行ったり、ロジン処理などを行
うが、本発明で用いるアゾ顔料においてはこれらの所作
における制限はなく、こうした所作が施された顔料であ
っても本発明の効果は発揮される。
【0018】式1に示されるアゾ化合物(2)は、以下
に示す3つの方法で製造することができる。第1の方法
は、次の一般式を有する芳香族アミン
【0019】
【化3】
【0020】(ただし式2中のn、R1,R2およびA
は、式1中におけるn、R1、R2、およびAと同一であ
る。R3、R4は同種または異種の水素原子、アルキル
基、メトキシ基、ハロゲン原子、スルホン基、ニトロ基
を示す。)を常法に従ってジアゾ化して、工業的に有用
なカップラー例えばフェノール類、ナフトール類、アセ
トアセトアニリド類、ピラゾロン類、オキシキノリン類
等とカップリングすることで得られる。
【0021】第2の方法は、例えば次に示す式3ないし
【0022】
【化4】
【0023】(ただし、式3ないし7中のn、R1
2、R3、R4およびAは、式2中におけるn、R1、R
2、R3、R4と同様の数および基を示す。)を有するカ
ップラー成分に、工業的に有用なベース類をジアゾ化し
てカップリングすることにより得られる。
【0024】第3の方法は、アゾ化合物を原料として、
例えばクロルスルホン化物、カルボン酸クロライドにし
てから、溶媒の存在下に次の式8
【0025】
【化5】
【0026】(ただし、式8中のn、R1およびR2は、
式2におけるn、R1およびR2と同様の数および基を示
す。)で表されるアミン類と脱塩酸反応させることによ
り得られる。この方法では、製造例で述べるが置換基が
1ないし4個導入される。第1、第2の方法でも置換基
を2個以上導入することができる。例えば式2の芳香族
アミンを次のカップラー成分とカップリングすることで
得られる。
【0027】
【化6】
【0028】(ただし、式9ないし11中のn、R1
2、R3、R4およびAは、式2中のn、R1、R2
3、R4と同様の数および基を示す。)
【0029】単独で微細化されたアゾ顔料は熱履歴や溶
剤との接触等により、結晶成長や結晶転移が起きやすく
なるが、アゾ化合物(2)と共に乾式粉砕することによ
り、結晶の変化は低減される。
【0030】アゾ顔料(1)とアゾ化合物(2)の組合
せについては特に制限はないが、アゾ化合物(2)に
は、式1中のQがアゾ顔料(1)の構造に近いものを用
いることで本発明の効果はより発揮される。
【0031】式1中のA、n、R1、R2、mについて
は、用途展開する上での諸条件と勘案して選定されるも
のである。すなわち、式1中のQ以外の部分について
は、ビヒクル中への分散を高める効果や分散の安定化さ
らには得られた分散体の粘度を制御することが判明して
おり、ビヒクルとの適合性を勘案する必要がある。
【0032】結晶の変化が低減される機構については完
全には解明されていないが、アゾ顔料(1)とアゾ化合
物(2)とを共に乾式粉砕することにより微細化された
アゾ顔料(1)の表面に微細化されたアゾ化合物(2)
が付着し、付着したアゾ化合物(2)によってアゾ顔料
(1)の結晶成長面が封鎖され、結晶の変化を低減させ
るものと推定している。
【0033】本発明を完成させるまでに得られた知見に
基づき、さらに推察を提示するならば、式1中のQがア
ゾ顔料へのアンカー効果をもたらしアゾ顔料(1)への
付着効率を高め、Q以外の部分が立体障害効果をもたら
し、これら両方の効果が奏して、結晶の変化を低減させ
るものと推察している。
【0034】アゾ化合物(2)の添加量については、ア
ゾ顔料(1)の重量に対して好ましくは0.5重量%な
いし15重量%、更に好ましくは1重量%ないし8重量
%の範囲である。下限未満でも本発明の効果は発揮され
るがその程度は微弱となる。一方、上限を越えるもので
も効果は十分に発揮されるが、アゾ化合物(2)自体の
色の寄与が強くなり鮮明性が低下するなどの欠点が生じ
てくる。
【0035】樹脂(3)は用途に応じて選定する。オフ
セットインキ用途においては、ロジン変性フェノール樹
脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹
脂などがあげられ、またグラビアインキ用途では、ポリ
アミド樹脂、ビニル樹脂、酢酸セルロース、エチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂などがあげられる。印刷インキで用いる場合には、印
刷インキのビヒクルで使用される樹脂であれば、任意に
単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0036】選択に当たっては、ビヒクルに対して溶解
または分散するものを選定する必要がある。更なる選定
用件については、各種用途における最終製品に求められ
る品質用件を勘案して選定する。なお、印刷インキでの
使用において、汎用性がありまた本発明の効果が著しい
ものとしてはロジン変性フェノール樹脂をあげることが
できる。
【0037】樹脂(3)は、アゾ顔料のビヒクル中へ分
散を容易にする効果をもたらす。すなわち、アゾ顔料
(1)とアゾ化合物(2)と樹脂(3)が共に乾式粉砕
された組成物においては樹脂(3)が組成物中に微細に
均一に存在するため、樹脂(3)のビヒクルへの溶解、
分散が進行すると共にアゾ顔料(1)のビヒクルへの分
散も微細に均一に進行する。
【0038】樹脂(3)の添加量は多いほどビヒクルへ
の分散はより容易になるが、ある一定量(これは顔料に
より異なる)を越えると易分散性は飽和する傾向にあ
る。一方製造面においては、樹脂の軟化点、粉砕温度に
も左右されるものであるが、添加量が多いと乾式粉砕装
置内部での樹脂の付着が生じる場合がある。従って、品
質面ならびに製造面を勘案しながら添加量を決める必要
がある。
【0039】より具体的な樹脂(3)の添加量について
は、アゾ顔料(1)に対して10重量%ないし200重
量%、好ましくは30重量%ないし150重量%の範囲
である。下限未満では分散性の向上の効果が弱くなる。
上限を越えると組成物における顔料の含有分が低くなり
用途展開する際に他の配合物の添加量に制限が生じ扱い
づらくなる。また前述したように製造面でも問題が生じ
る場合がある。
【0040】樹脂(3)における軟化点の範囲について
は、樹脂(3)の添加量や粉砕温度とも関連があるため
一概には規定できないが、軟化点が粉砕温度すなわち粉
砕加工中の組成物の温度よりも高いことが付着を防ぐ上
で好ましい。ロジン変性フェノール樹脂を用いた場合に
は軟化点は、好ましくは60℃以上、更に好ましくは8
0℃以上である。しかし樹脂(3)の添加量が顔料
(1)に対して30重量%未満の場合には60℃未満で
あっても付着は少ない。
【0041】本発明の乾式粉砕は、ビーズ等の粉砕メデ
ィアを内蔵した粉砕機を使用して実質的に乾いた状態で
顔料を粉砕するものである。粉砕は粉砕メディア同士の
衝突や摩擦を通じて進行する。乾式粉砕装置としては、
乾式のアトライター、ボールミル、振動ミルなどの公知
の装置を用いることができる。
【0042】一方、ロジン変性フェノール樹脂はその種
類、条件によっては酸化による劣化が起こる場合があ
る。この場合には、樹脂は酸化されることでその溶解性
や色調などの物性が変化し、設計したインキの性能を引
き出すことができない。従って、これを防止するため
に、粉砕容器の内部を減圧したり、あるいは窒素ガスな
どの活性ガスを充填して粉砕することも場合によって
は必要になる。
【0043】本発明の顔料組成物を用いて印刷インキを
製造する場合の印刷インキ用の溶剤またはビヒクル中の
溶剤としては、高沸点石油系溶剤、脂肪族炭化水素溶
剤、高級アルコール系溶剤、ナフテン分を主成分とする
溶剤や芳香族系の溶剤など、印刷インキに適した溶剤で
あれば単独あるいは2種類以上の組み合わせで任意に使
用できる。
【0044】印刷インキを製造する場合のビヒクル用の
樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性
マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド
樹脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロ
ース、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂など印刷インキに適した樹脂など
が挙げられる。さらに大豆油や桐油、アマニ油など印刷
インキに適した乾性油や重合乾性油や、その他印刷イン
キ用の添加剤などと共に任意に単独または2種類以上を
組み合わせて使用できる。
【0045】本発明の顔料組成物を用いた印刷インキの
製造方法については、ビヒクル中に顔料組成物を添加し
て攪拌し、顔料組成物をビヒクルに濡らし、さらに樹脂
がビヒクルに溶解、分散することにより、顔料分散の大
部分が進行する。
【0046】より具体的には、本発明の顔料組成物はビ
ヒクルへの易分散性を有しており、ビヒクルに添加して
緩やかに攪拌するだけで分散が進行する。樹脂の溶解を
促進するため加熱をしてもよいが、過度の加熱は顔料の
結晶の変化をもたらすため、150℃以下好ましくは1
00℃以下を保つ必要がある。ビヒクルと顔料組成物の
割合については、顔料組成物を濡らすのに必要なビヒク
ル量を添加する必要がある。攪拌装置については特に制
限はないが、顔料組成物とビヒクルの割合によって系の
粘度が異なりその粘度に適した攪拌機を用いる。
【0047】顔料とビヒクルとの割合において、ビヒク
ルが十分に多い状態では系の粘度が低いので有機合成等
に用いられる撹拌装置でも十分使用できるが、顔料組成
物が多い状態では高粘度となるため高馬力の装置、例え
ばフラッシャーを用いるとよい。高粘度の状態で攪拌を
行えば、効率的に系にエネルギーを与えることができる
ため低粘度の状態での攪拌と比較して、攪拌時間は短縮
される。
【0048】顔料組成物をビヒクルに濡らし終わった
後、残存する一部の粗大粒子を完全に分散にさせるため
に、3本ロールやビーズミルなどの公知の簡易な分散機
に掛けることでベースインキの作成は完了する。
【0049】本発明の方法で得られた顔料組成物は、処
理前に比べて着色力、分散性、透明性などが明らかに向
上しているばかりか、インキ製造過程並びにインキの経
時保存においても、色相や透明性、粘度などの諸物性に
おける変化が著しく低減していることが確認された。
【0050】以下に式(1)で表される代表的な化合物
の合成法の概略を製造例として述べる。
【0051】
【製造例1】β−オキシナフトエ酸をベンゼン中で等モ
ルの塩化チオニルと環流下に1時間加熱攪拌して酸塩化
物を合成し、反応終了後、各種アミンを加えて、更に環
流下に1時間加熱攪拌して下記のカップラー成分を得
た。
【0052】
【化7】
【0053】これらのカップリング成分に各種ベース類
をジアゾ化してカップリングすることにより下記のアゾ
化合物を得た。
【0054】
【化8】
【0055】
【製造例2】P−アセチルアミノスルホニルクロリドと
N,N−ジエチルアミノエチルアミンあるいはN,N−
ジエチルアミノプロピルアミンをベンゼン中で環流下に
2時間加熱攪拌して得られたスルホンアミドを希塩酸中
で1時間煮沸環流して加水分解し、下記ジアゾ成分を得
た。
【0056】
【化9】
【0057】(ベース1)を常法に従ってジアゾ化して
カップラーとカップリングを行い下記のアゾ化合物を得
た。(c)のカップラーは製造例1の方法と同様にして
合成した。
【0058】
【化10】
【0059】
【製造例3】P−ニトロ塩化ベンゾイルをベンゼン中で
アミン類と環流下に1時間攪拌してカルボン酸アミドを
合成し、ついでニトロ基を常法に従って還元して下記の
ジアゾ成分を得た。
【0060】
【化11】
【0061】このベースを常法に従ってジアゾ化して、
カップラーとカップリングを行い下記のアゾ化合物を得
た。
【0062】
【化12】
【0063】
【製造例4】製造例3のベースをジアゾ化して、カップ
ラーに常法に従ってカップリングを行い次のアゾ化合物
を得た。
【0064】
【化13】
【0065】
【製造例5】製造例2のベースと等モルのジケテンとを
キシレン中で環流下に1時間加熱攪拌して下記の構造を
有するカップラー成分を得た。
【0066】
【化14】
【0067】このカップラー成分に各種ベース類をジア
ゾ化してカップリングすることにより下記のアゾ化合物
を得た。
【0068】
【化15】
【0069】
【製造例6】製造例5のカップラー1にジアミン類を常
法に従ってテトラゾ化してハーフカップリングを行い下
記のアゾ化合物を得た。
【0070】
【化16】
【0071】
【製造例7】製造例3のベースと等モルのジケテンとを
キシレン中で環流下に1時間攪拌して下記構造を有する
カップラー成分を得た。
【0072】
【化17】
【0073】このカップラー成分にジアミン類を常法に
従ってテトラゾ化してカップリングを行い下記アゾ化合
物を得た。
【0074】
【化18】
【0075】
【製造例8】下記構造を有するアゾ色素
【0076】
【化19】
【0077】と等モルの塩化チオニルとをキシレン中で
環流下に2時間加熱攪拌して酸クロライドとし、ついで
アミン類を添加して、更に環流下に1時間加熱攪拌して
下記構造のアゾ化合物を得た。
【0078】
【化20】
【0079】
【製造例9】下記構造を有するアゾ色素
【0080】
【化21】
【0081】と等モルの塩化チオニルとをキシレン中で
環流下に2時間加熱攪拌して酸クロライドとし、ついで
アミン類を添加して、さらに環流下に1時間加熱攪拌し
て下記構造のアゾ化合物を得た。
【0082】
【化22】
【0083】
【製造例10】下記構造を有するアゾ色素10部をクロ
ルスルホン酸50部と約50℃で1時間攪拌し、氷水に
注入して濾過、水洗して得られたクロルスホン化物のウ
エットケーキを再び氷水200部にスラリーとして、こ
れに各種アミンを滴下して10〜20℃で5時間攪拌し
て下記構造を有するアゾ化合物(l)を得た。
【0084】
【化23】
【0085】クロルスルホン基は、アゾ基の還元分解に
より分析してナフタリン核に2個、ベンゼン核に1個導
入されていることが明らかとなった。
【0086】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。尚、以下において「部」は「重量部」を表す。ま
た、アルファベットで示す各化合物は製造例において表
示したものと対応する。
【0087】
【比較例1】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 12)70部をロジン変性フェノール樹脂
とナフテン系の溶剤を主成分とするオフセットインキ用
ビヒクル548部に加え、80℃で1時間、攪拌を行っ
た後、ロール圧5bar、60℃の条件で3本ロールを
1パスさせた。得られたベースインキの分散状態をグラ
インドゲージを用いて確認したところ20μm以上であ
り、ロール圧15Bar、温度60℃の条件でさらに3
本ロールを2パスし、7.5μm以下とした。次に得ら
れたベースインキ61.8部に上記オフセットインキ用
ビヒクル33.2部を加え40℃の3本ロール上で混合
し、タックを5.8に調整して最終インキを得た。ベー
スインキを50℃で2週間保存したものと、20℃で2
週間保存したものの色相差を測定したところ、ΔL*
1.3、ΔE*で2.5であった。C.I.Pig.Y
ellow 12の水分を含んだウエットケーキ顔料で
フラッシング法によりインキ化したものと比較すると、
著しく不透明で展色濃度が低かった。
【0088】
【比較例2】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 12)350部と軟化点160℃のロジン
変性フェノール樹脂350部とを乾式アトライターに加
え、60℃で30分間粉砕を行った。次に得られた顔料
組成物140部を比較例1で使用したオフセットインキ
用ビヒクル478部に加え、80℃で1時間間、攪拌を
行った後、ロール圧5bar、60℃の条件で3本ロー
ルを1パスさせた。得られたベースインキの分散状態を
グラインドゲージを用いて確認したところ7.5μm以
下であった。次に得られたベースインキ61.8部に上
記オフセットインキ用ビヒクル33.2部を加え40℃
の3本ロール上で混合し、タックを5.8に調整して最
終インキを得た。ベースインキを50℃で2週間保存し
たものと、20℃で2週間保存したものの色相差を測定
したところ、ΔL*で3.5、ΔE*で7.9であった。
また、C.I.Pig.Yellow 12の水分を含
んだウエットケーキ顔料でフラッシング法によりインキ
化したものと比較すると、透明性、展色濃度、展色物の
光沢などの点において遙に優れていた。さらに、JIS
K−5702に基づいて流度を測定したところ、C.
I.Pig.Yellow 12の水分を含んだウエッ
トケーキ顔料でフラッシング法によりインキ化したもの
が7.8cmであるのに対し、0.1cmであった。
【0089】
【実施例1】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 12)667部とアゾ化合物(h)33部
とを乾式アトライターに加え、60℃で30分間粉砕を
行った。次に得られた顔料組成物73.5部を比較例1
で使用したオフセットインキ用ビヒクル544.5部に
加え、80℃で1時間、攪拌を行った後、ロール圧5b
ar、60℃の条件で3本ロールを1パスさせた後、ロ
ール圧15barでさらに1パスさせた。得られたベー
スインキの分散状態をグラインドゲージを用いて確認し
たところ7.5μm以下であった。次に得られたベース
インキ61.8部に上記オフセットインキ用ビヒクル3
3.2部を加え40℃の3本ロール上で混合し、タック
を5.8に調整して最終インキを得た。ベースインキを
50℃で2週間保存したものと、20℃で2週間保存し
たものの色相差を測定したところ、ΔL*で1.0、Δ
*で1.9であった。また、最終インキを比較例1で
得られた最終インキと比較したところ遙かに透明で展色
濃度も勝っていた。また比較例2で得られた最終インキ
と比較しても透明であった。比較例2と同様に流度を測
定したところ、7.0cmであった。
【0090】
【実施例2】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 12)350部とアゾ化合物(h)17.
5部とさらに軟化点160℃のロジン変性フェノール樹
脂332.5部とを乾式アトライターに加え、60℃で
30分間粉砕を行った。次に得られた粉砕組成物140
部を比較例1で使用したオフセットインキ用ビヒクル4
78部に加え、80℃で1時間、攪拌を行った後、ロー
ル圧5bar、60℃の条件で3本ロールを1パスさせ
た。得られたベースインキの分散状態をグラインドゲー
ジを用いて確認したところ7.5μm以下であった。次
に得られたベースインキ61.8部に上記オフセットイ
ンキ用ビヒクル33.2部を加え40℃の3本ロール上
で混合し、タックを5.8に調整して最終インキを得
た。ベースインキを50℃で2週間保存したものと、2
0℃で2週間保存したものの色相差を測定したところ、
ΔL*で0.7、ΔE*で1.6であった。また、最終イ
ンキを比較例1で得られた最終インキと比較したところ
遙かに透明で展色濃度も向上していた。また比較例2で
得られた最終インキと比較しても透明であった。比較例
2と同様に流度を測定したところ、8.0cmであっ
た。
【0091】
【比較例3】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 13)350部と軟化点160℃のロジン
変性フェノール樹脂350部とを乾式アトライターに加
え、60℃で1時間粉砕を行った。次に得られた粉砕組
成物140部を比較例1で使用したオフセットインキ用
ビヒクル478部に加え、80℃で1時間、攪拌を行っ
た後、ロール圧5bar、60℃の条件で3本ロールを
1パスさせた。得られたベースインキの分散状態をグラ
インドゲージを用いて確認したところ7.5μm以下で
あった。次に得られたベースインキ61.8部に上記オ
フセットインキ用ビヒクル33.2部を加え40℃の3
本ロール上で混合し、タックを5.8に調整して最終イ
ンキを得た。ベースインキを50℃で2週間保存したも
のと、20℃で2週間保存したものの色相差を測定した
ところ、ΔL*で3.9、ΔE*で9.3であった。ま
た、C.I.Pig.Yellow 13の水分を含ん
だウエットケーキ顔料でフラッシング法によりインキ化
したものと比較すると、透明性、展色濃度、展色物の光
沢などの点において遙に優れていた。さらに、比較例2
と同様に流度を測定したところ、C.I.Pig.Ye
llow13の水分を含んだウエットケーキ顔料でフラ
ッシング法によりインキ化したものが8.5cmである
のに対し、0.3cmであった。
【0092】
【実施例3】不溶性ジスアゾ顔料(C.I.Pig.Y
ellow 13)350部とアゾ化合物(h)17.
5部とさらに軟化点160℃のロジン変性フェノール樹
脂332.5部とを乾式アトライターに加え、60℃で
1時間粉砕を行った。次に得られた粉砕組成物140部
を比較例1で使用したオフセットインキ用ビヒクル47
8部に加え、80℃で1時間、攪拌を行った後、ロール
圧5bar、60℃の条件で3本ロールを1パスさせ
た。得られたベースインキの分散状態をグラインドゲー
ジを用いて確認したところ7.5μm以下であった。次
に得られたベースインキ61.8部に上記オフセットイ
ンキ用ビヒクル33.2部を加え40℃の3本ロール上
で混合し、タックを5.8に調整して最終インキを得
た。ベースインキを50℃で2週間保存したものと、2
0℃で2週間保存したものの色相差を測定したところ、
ΔL*で0.2、ΔE*で1.0であった。また、比較例
3で得られた最終インキと比較しても透明であった。さ
らに比較例2と同様に流度を測定したところ、8.3c
mであった。
【0093】
【比較例4〜7】C.I.Pig.Yellow 7
4、C.I.Pig.Yellow 83、C.I.P
ig.Yellow 95およびC.I.Pig.Ye
llow 169について、比較例3と同様にして、最
終インキを得た。
【0094】
【実施例4〜7】C.I.Pig.Yellow 7
4、C.I.Pig.Yellow 83、C.I.P
ig.Yellow 95およびC.I.Pig.Ye
llow 169について、実施例3と同様にして、最
終インキを得た。比較例4〜7および実施例4〜7につ
いて、透明性、経時保存における色相差および流度の評
価結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【比較例8】溶性アゾ顔料(C.I.Pig.Red
57:1)350部と軟化点160℃のロジン変性フェ
ノール樹脂266部と軟化点120℃の石油樹脂66.
5を乾式アトライターに加え、40℃で30分間粉砕を
行った。次に得られた粉砕組成物166部を比較例1で
使用したオフセットインキ用ビヒクル452部に加え、
60℃で1時間、攪拌を行った後、ロール圧5bar、
60℃の条件で3本ロールを1パスさせた。得られたベ
ースインキの分散状態をグラインドゲージを用いて確認
したところ7.5μm以下であった。次に得られたベー
スインキ61.8部に上記するオフセットインキ用ビヒ
クル33.2部を加え40℃の3本ロール上で混合し、
タックを6.2に調整して最終インキを得た。ベースイ
ンキを50℃で2週間保存したものと、20℃で2週間
保存したものの色相差を測定したところ、ΔL*で2.
9、ΔE*で5.3であった。また、比較例2と同様に
流度を測定したところ、0.5cmであった。
【0097】
【実施例8】溶性アゾ顔料(C.I.Pig.Red
57:1)350部とアゾ化合物(j)10.5部とさ
らに軟化点160℃のロジン変性フェノール樹脂266
部と軟化点120℃の石油樹脂66.5を乾式アトライ
ターに加え、40℃で30分間粉砕を行った。次に得ら
れた粉砕組成物166部を比較例1で使用したオフセッ
トインキ用ビヒクル452部に加え、60℃で1時間、
攪拌を行った後、ロール圧5bar、60℃の条件で3
本ロールを1パスさせた。得られたベースインキの分散
状態をグラインドゲージを用いて確認したところ7.5
μm以下であった。次に得られたベースインキ61.8
部に上記オフセットインキ用ビヒクル33.2部を加え
40℃の3本ロール上で混合し、タックを6.2に調整
して最終インキを得た。ベースインキを50℃で2週間
保存したものと、20℃で2週間保存したものの色相差
を測定したところ、ΔL*で0.8、ΔE*で1.8であ
った。また、比較例8で得られた最終インキと比較して
も透明であった。さらに比較例2と同様に流度を測定し
たところ、5.8cmであった。
【0098】
【比較例9〜11】C.I.Pig.Red 49:
2、C.I.Pig.Red 243およびC.I.P
ig.Orange 34について、比較例8と同様に
して、最終インキを得た。
【0099】
【実施例9〜11】C.I.Pig.Red 49:
2、C.I.Pig.Red 243およびC.I.P
ig.Orange 34について、実施例8と同様に
して、最終インキを得た。比較例9〜11および実施例
9〜11について、透明性、経時保存における色相差お
よび流度の評価結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】
【比較例12】溶性アゾ顔料(C.I.Pig.Red
48:2)350部と分子量5万のポリアミド樹脂3
50部を乾式アトライターに加え、60℃で30分間粉
砕を行った。次に得られた粉砕組成物20部をニトロセ
ルロース/ポリアミド系のグラビアインキ用ビヒクル3
0部に加え、スチールボールと共に容器に入れてペイン
トシェーカーにて分散後、上記グラビアインキ用ビヒク
ル45部を加え再びペイントシェーカーに掛け、25℃
においてザーンカップ4番で12秒のグラビアインキに
調整した。
【0102】
【実施例12】溶性アゾ顔料(C.I.Pig.Red
48:2)350部と分子量5万のポリアミド樹脂3
15部およびアゾ化合物(a)35部を乾式アトライタ
ーに加え、60℃で30分間粉砕を行った。次に得られ
た粉砕組成物20部を比較例12で使用したグラビアイ
ンキ用ビヒクル30部に加え、スチールボールと共に容
器に入れてペイントシェーカーにて分散後、比較例12
で使用したグラビアインキ用ビヒクル45部を加え再び
ペイントシェーカーに掛け、25℃においてザーンカッ
プ4番で12秒のグラビアインキに調整した。
【0103】
【比較例13】C.I.Pig.Red 48:2の替
わりにC.I.Pig.Red 17を用いた以外は比
較例12と同様にしてグラビアインキを作成した。
【0104】
【実施例13】C.I.Pig.Red 48:2の替
わりにC.I.Pig.Red 17を用い、さらにア
ゾ化合物(a)の替わりにアゾ化合物(b)を用いた以
外は実施例12と同様にしてグラビアインキを作成し
た。比較例12〜13、実施例12〜13で得られたグ
ラビアインキについて40℃1週間経時保存前後での粘
度を測定した。またOPPフィルムにバーコーターを用
いて展色刷りし、60度での光沢を測定した。測定結果
を表3に示す。
【0105】
【表3】
【0106】
【発明の効果】本発明は、アゾ顔料のビヒクルへの分散
を容易にし、分散性、透明性、濃度、流動性等を向上さ
せる。また、印刷インキ製造過程やインキの経時保存に
おける色相や透明性、分散性、粘度等のインキ諸物性の
変化を低減させる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 29/33 C09B 29/33 A 29/50 29/50 33/153 33/153 35/033 35/033 67/04 67/04 C09D 11/00 C09D 11/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アゾ顔料(1)と下式1で示されるアゾ化
    合物(2)を共に乾式粉砕することを特徴とする顔料組
    成物の製造方法。 【化1】 (式中、 Q;アゾ系色素の残基を表す。 A;直接接合または-O-, -NR'-, -S-, -CO-, -SO2-, -C
    R'R''-, -SO2NR'-もしくは-CONR'-で示される二価の結
    合基を表す(R', R''は水素原子、炭素数1〜20のア
    ルキル基もしくはフェニル基を表す。)。 R1、R2;各々独立して水素原子、炭素数1〜4のアル
    キル基、炭素数1〜4のアルケニル基、フェニル基もし
    くはR1、R2が互いに結合して形成された5員環もしく
    は6員環(該環は更なる窒素原子、酸素原子またはイオ
    ウ原子を含んでもよい。)を表す。 n;1〜4の整数を表す。 m;1〜4の整数を表す。)
  2. 【請求項2】更に、樹脂(3)と共に乾式粉砕する請求
    項1記載の顔料組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】アゾ化合物(2)の含有量が、アゾ顔料
    (1)に対して0.5重量%ないし10重量%である請
    求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】アゾ顔料(1)がジスアゾ系顔料である請
    求項1ないし3いずれか記載の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4いずれか記載の製造方法
    により得られる顔料組成物。
  6. 【請求項6】請求項5記載の顔料組成物を印刷インキ用
    溶剤もしくはビヒクルに配合することを特徴とする印刷
    インキの製造方法。
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