JP2013082707A - 新規なトリアジン誘導体、紫外線吸収剤 - Google Patents
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Abstract
Description
これに対して、有機紫外線吸収剤は、吸収剤の構造設計の自由度が高いために、吸収剤の構造を工夫することによって様々な吸収波長のものを得ることができる。
これまでに、様々な有機系紫外線吸収剤を用いた系が検討されており、トリアゾール系やトリアジン系の紫外線吸収剤が開示されている。特許文献1には特定の位置にピロール環及びヒドロキシ基を有するビス(レソルシニル)トリアジンが記載されている。特許文献2にはトリアジン環にアミノ基を介してフェニル基が置換した化合物が記載されている。
さらに、公知のトリアジン系化合物として、特許文献3には、光情報記録材料などとして期待される、トリフェニル−トリアジン系色素化合物が記載されている。
一般式(1)
[一般式(1)中、X1a、及びX1bは、水素原子または置換基を表す。
Y1は、解離性プロトンを有する置換基を表す。
Z1a及びZ1bは、互いに独立してヘテロ原子または炭素原子を表す。
Q1は、Z1a及びZ1bと共に芳香族ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表す。]
好ましくは、一般式(1)におけるX1a、及びX1bが、それぞれ独立にアリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。
また好ましくは、一般式(1)におけるX1a、及びX1bが、それぞれ独立にアリール基を表す。
また好ましくは、一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物である。
一般式(2)
[一般式(2)中、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、及びR2jは、それぞれ互いに独立して、水素原子または置換基を表し、互いに結合して環を形成していても良い。
Y2は、解離性プロトンを有する置換基を表す。
Z2a及びZ2bは、互いに独立してヘテロ原子または炭素原子を表す。
Q2は、Z2a及びZ2bと共に芳香族ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表す。]
また好ましくは、一般式(1)におけるQ1、Z1a、及びZ1bにより形成される芳香族ヘテロ環、または一般式(2)におけるQ2、Z2a及びZ2bにより形成される芳香族ヘテロ環が、5員または6員の芳香族ヘテロ環である。
また好ましくは、一般式(1)におけるQ1、Z1a、及びZ1bにより形成される芳香族ヘテロ環、または一般式(2)におけるQ2、Z2a及びZ2bにより形成される芳香族ヘテロ環が、窒素原子、炭素原子及び水素原子のみからなる芳香族ヘテロ環である。
また好ましくは、一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物である。
一般式(3)
[一般式(3)中、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3f、R3g、R3h、R3i、R3j、R3k、及びR3mは、それぞれ互いに独立して、水素原子または置換基を表し、互いに結合して環を形成していても良い。
Y3は、解離性プロトンを有する置換基を表す。]
また好ましくは、Y1、Y2又はY3が、−OH、−NHCOR1a、−NHSO2R1b、−NHCONR2 1c、−NHCOOR1d、及び−SHから選択される置換基を表す。R1a、R1b、R1c、R1dは、水素原子または置換基を表す。
本発明の紫外線吸収剤は、本発明の化合物を含有する。
本発明の樹脂組成物は、本発明の化合物と樹脂とを少なくとも含有する。
〔一般式(1)で表される化合物〕
本発明は下記一般式(1)で表される化合物(トリアジン誘導体)に関する。一般式(1)で表される化合物は、ヘテロ環に解離性プロトンを有する置換基を有するために、極大吸収波長が大きく短波長化することにより、黄色味が低減するという効果を奏する。更に、解離性プロトンがヘテロ環に結合しているため、解離性が高くなり励起状態の寿命が短くなり、励起状態での分解が抑制されることにより、耐光性に優れるという特徴を有する。
一般式(1)
Y1は、解離性プロトンを有する置換基を表す。
Z1a及びZ1bは、互いに独立してヘテロ原子または炭素原子を表す。
Q1は、Z1a及びZ1bと共に芳香族ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表す。]
置換基(以下置換基Rとする)の例として、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、エチル)、アリール基(炭素数6〜20のアリール基、例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、アルキルカルボニル基(例えばアセチル)、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、イミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、芳香族ヘテロ環基(炭素数6〜20の芳香族ヘテロ環基、例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。その際、置換基の例としては、上述の置換基Rを挙げることができる。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。また、これらの環は更に置換基を有していても良い。
炭素数6〜20のアリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ベンゾピレン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環、コランヌレン環、コロネン環、オバレン環、フェナントレン環より水素原子を1つ取り去った基を挙げることができる。また、これらの環は更に置換基を有していても良い。
本発明において、炭素数6〜20のアリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニルより水素原子を1つ取り去った基であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環より水素原子を1つ取り去った基であることが紫外線吸収効果と耐光性の観点から、より好ましい。
電子求引性基を有することにより、LUMOが安定化されるため、励起寿命が短くなり、優れた耐光性を示すためである。
本発明において、X1a、及びX1bは、無置換又は電子求引性基で置換された炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20の芳香族ヘテロ環基であることが好ましく、無置換又は電子求引性基で置換されたベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、ビフェニルであることがより好ましい。
X1a、及びX1bが電子求引性基で置換されたベンゼン環を表す場合、o−位又はp−位が電子求引性基で置換されたフェニル基であることが好ましく、p−位が電子求引性基で置換されたフェニル基であることがより好ましい。紫外線吸収効果と耐光性が優れるためである。
X1a、及びX1bが電子求引性基で置換されたナフタレン環を表す場合、短波領域に吸収があることから2−ナフチル基であることが好ましく、3位又は6位が電子求引性基で置換された2−ナフチル基であることがより好ましく、6位が電子求引性基で置換された2−ナフチル基であることが更に好ましい。紫外線吸収効果と耐光性が優れるためである。
X1a、及びX1bが更に置換基を有する場合の置換基としては、耐光性の観点から、−CNまたは−COORrであることが特に好ましい。
R1a、R1b、R1c、R1dは、水素原子または1価の置換基を表し、前記置換基Rから選択される置換基であることが好ましく、炭素数1〜20のアルキル基であることが耐光性の観点から、より好ましい。
Z1a及びZ1bは、窒素原子又は炭素原子を表すことが好ましく、少なくともZ1aが窒素原子であることが耐光性の観点から、より好ましい。
Q1、Z1a及びZ1bにより形成される芳香族ヘテロ環は5員又は6員の芳香族ヘテロ環であることが好ましく、5員の芳香族ヘテロ環であることがより好ましい。
Q1、Z1a及びZ1bにより形成される芳香族ヘテロ環としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環などを挙げることができる。また、これらの環は置換基を有していても良い。ヘテロ環として好ましくは、ピロール環、ピリジン環、フラン環、チオフェン環である。より好ましくは、ピラゾール環、ピリジン環、チオフェン環である。特に好ましくは、ピラゾール環である。
また、Q1、Z1a及びZ1bにより形成される芳香族ヘテロ環は、窒素原子、炭素原子及び水素原子のみからなる芳香族ヘテロ環であることが耐光性の観点からより好ましい。
Q1、Z1a、及びZ1bにより形成される芳香族ヘテロ環、X1a、又はX1bが多価連結基を表す場合の連結基は、2価または3価の連結基であることがより好ましく、2価の芳香族環であることが更に好ましい。X1a、又はX1bが2価の連結基(ベンゼン環、又はナフタレン環)であることがより更に好ましく、2価のベンゼン環であることが耐光性の観点から、最も好ましい。
一般式(2)
Y2は、解離性プロトンを有する置換基を表す。
Z2a及びZ2bは、互いに独立してヘテロ原子または炭素原子を表す。
Q2は、Z2a及びZ2bと共に芳香族ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表す。]
Q2、Z2a及びZ2bは、前記一般式(1)のQ1、Z1a及びZ1bと同義であり、好ましい範囲も同様である。
R2bとR2c、R2cとR2d、R2gとR2h、又はR2hとR2iが互いに連結してベンゼン環を形成し、全体としてナフタレン環を形成した場合には、ナフタレン特有の吸収により、紫外線遮蔽効果が高くなるためである。
電子求引性基を有することにより、LUMOが安定化され、励起状態が短くなり耐光性が良好となるからである。
一般式(3)
Y3は、解離性プロトンを有する置換基を表す。]
また、一般式(3)中、Y3は、前記一般式(2)のY2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明において、R3k、及びR3mは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であることが耐光性の観点から好ましく、R3k、及びR3mが水素原子を表すことがより好ましい。
なお、下記の具体例中Meはメチル基を表す。
例えば、公知の特許文献や非特許文献、例えば、特開平7−188190号公報、特開平11−315072、特開2001−220385号公報、「染料と薬品」第40巻12号(1995)の325〜339ページなどを参考にして合成できる。具体的には、塩化シアヌルと芳香族環、ヘテロ環、ハロゲン化アルキルなどをFriedel−Crafts反応によって合成する。また、塩化シアヌルとヒドラジンやピラゾロンなどとの反応により合成することも可能である。
本発明の一般式(1)〜(3)で表される化合物は、紫外線吸収剤として有用である。
以下、前記一般式(1)〜(3)で表される紫外線吸収剤について説明する。
本発明の紫外線吸収剤の使用形態は、いずれでも良い。例えば、液体分散物、溶液、樹脂組成物などが挙げられる。
本発明の紫外線吸収剤の極大吸収波長は、特に限定されないが、好ましくは250〜400nmであり、より好ましくは280〜380nmである。半値幅は好ましくは20〜100nmであり、より好ましくは40〜80nmである。
本発明の紫外線吸収剤を分散する媒体はいずれのものであってもよい。例えば、水、有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液などが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、組み合わせて使用してもよい。
本発明の紫外線吸収剤を溶解させる液体はいずれのものであってもよい。例えば、水、有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液などが挙げられる。有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液の例としては、上述の分散媒体として記載したものが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、組み合わせて使用してもよい。
本発明の紫外線吸収剤を用いる態様は、いずれの方法を用いた態様であってもよい。本発明の紫外線吸収剤を単独で用いても、組成物として用いても良いが、組成物として用いることが好ましい。中でも、本発明の紫外線吸収剤を含む樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」または単に、「樹脂組成物」ともいう)であることが好ましい。以下、本発明の紫外線吸収剤を含む樹脂組成物について説明する。
本発明の紫外線吸収剤を含む樹脂組成物は樹脂を含有する。本発明の紫外線吸収剤を含む樹脂組成物は、樹脂を任意の溶媒に溶解して形成されたものでもよい。
高沸点有機溶媒の沸点は、180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることが更に好ましい。高沸点有機溶媒の融点は、150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることが更に好ましい。高沸点有機溶媒の例には、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸エステル、炭酸エステル、アミド、エーテル、ハロゲン化炭化水素、アルコール及びパラフィンが含まれる。リン酸エステル、ホスホン酸エステル、フタル酸エステル、安息香酸エステル及び脂肪酸エステルが好ましい。
本発明の紫外線吸収剤の添加方法については、特開昭58−209735号、同63−264748号、特開平4−191851号、同8−272058号の各公報及び英国特許第2016017A号明細書を参考にできる。
樹脂組成物に用いられる樹脂について説明する。樹脂としては、天然あるいは合成ポリマーのいずれであってもよい。例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ4−メチルペンテン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリシクロペンテン、ポリノルボルネンなど)、ビニルモノマーのコポリマー(例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネンのようなシクロオレフィンコポリマー(COC:Cyclo−Olefin Copolymer))、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマーなど)、アクリル系ポリマー(例えば、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなど)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、ポリエーテル(例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)、ポリアセタール(例えば、ポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリスルホンポリエーテルケトン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、セルロースエステル(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリシロキサン、天然ポリマー(例えば、セルロース、ゴム、ゼラチンなど)、などが挙げられる。
本発明に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
また各々の用途に対する評価としては下記の既知評価法により達成できる。高分子材料の光による劣化は、JIS−K7105:1981、JIS−K7101:1981、JIS−K7102:1981、JIS−K7219:1998、JIS−K7350−1:1995、JIS−K7350−2:1995、JIS−K7350−3:1996、JIS−K7350−4:1996の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。
塩化シアヌル50.0gにテトラヒドロフラン1000mLを添加し、得られた溶液に0℃下でフェニルマグネシウムブロミド(2mol/Lテトラヒドロフラン溶液)19.0gを滴下し、滴下後の溶液を50℃で4時間攪拌した。次いで、攪拌後の溶液にフェニルマグネシウムブロミドを10.0g追加添加し、さらに1時間攪拌した。この反応液を12%塩酸に添加し、反応物をトルエンで抽出後、エバポレーターで濃縮し、シリカカラムで精製して、合成中間体Aを得た。ヒドラジン一水和物19.0gにテトラヒドロフランを50mL添加し、そこへテトラヒドロフラン200mLに溶解させた合成中間体A10.0gを室温下で滴下し、3時間攪拌した。ここへ室温下で水500mLを添加し、得られた固体をろ過し、水で洗浄することで合成中間体Bを得た。合成中間体B10.0gにエタノール100mLを添加し、0℃で3−エトキシアクリロニトリル3.7gを滴下し、50℃で5時間攪拌し、室温下で水100mLを添加し、得られた固体をろ過し、水で洗浄することで合成中間体Cを得た。合成中間体C4.0gに無水酢酸5.0gとピリジン5mLを添加し、3時間還流した。反応液を室温まで冷却した後、得られた固体をろ過し、メタノールで洗浄することで例示化合物(1)を得た。Mass実測値(M+H)+:357.15
例示化合物(1)の合成で無水酢酸の代わりに、メタンスルホニルクロリド5.6gを用いること以外は同様にして、例示化合物(2)を得た。Mass実測値(M+H)+:393.11
例示化合物(1)の合成で無水酢酸の代わりに、ジメチルカルバモイルクロリド5.3gを用いること以外は同様にして、例示化合物(3)を得た。Mass実測値(M+H)+:386.17
例示化合物(1)の合成で無水酢酸の代わりに、クロロ蟻酸メチル4.6gを用いること以外は同様にして、例示化合物(4)を得た。Mass実測値(M+H)+:373.14
例示化合物(1)の合成で3−エトキシアクリロニトリルの代わりに、3,3−ジメチルプロピオン酸メチル4.4gを合成中間体Bと反応させることで、例示化合物(5)を得た。Mass実測値(M+H)+:316.12
例示化合物(1)の合成で3−エトキシアクリロニトリルの代わりに、N−シアノエトキシメタンイミン3.7gを用いること以外は同様にして、例示化合物(7)を得た。Mass実測値(M+H)+:358.14
サリチルアミド20.0gにトルエン60mLを添加し、得られた溶液に50℃下でベンゾイルクロリド23.0gを滴下し、2時間攪拌した。次いで、攪拌後の溶液にメタンスルホン酸2mLを添加し、4時間還流した。反応液を室温まで冷却した後、得られた固体をろ過し、水で洗浄して合成中間体Dを得た。4−アミジノー5−ヒドロキシピリミジン塩酸塩10.0gにメタノール100mL、28%ナトリウムメトキシド(メタノール溶液)5.7g、合成中間体D6.3gを添加して、反応液を室温下で7時間攪拌した。得られた固体をろ過し、水とメタノールで洗浄して例示化合物(8)を得た。Mass実測値(M+H)+:328.12
例示化合物(1)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、フェニルマグネシウムブロミド9.5gと2−ナフチルマグネシウムブロミド12.1gを用いること以外は同様にして、例示化合物(11)を得た。Mass実測値(M+H)+:407.16
例示化合物(1)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、フェニルマグネシウムブロミド9.5gと2−チエニルマグネシウムブロミド9.8gを用いること以外は同様にして、例示化合物(12)を得た。Mass実測値(M+H)+:363.10
例示化合物(1)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、フェニルマグネシウムブロミド9.5gと1,4−フェニレンビスマグネシウムブロミド9.4gを用いること以外は同様にして、例示化合物(13)を得た。Mass実測値(M+H)+:632.25
例示化合物(5)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、フェニルマグネシウムブロミド9.5gと1,3,5−フェニレントリスマグネシウムブロミド6.8gを用いること以外は同様にして、例示化合物(14)を得た。Mass実測値(M+H)+:789.25
例示化合物(1)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、フェニルマグネシウムブロミド9.5gと4‐(ブロモマグネシオ)安息香酸メチル13.3gを用いること以外は同様にして、例示化合物(15)を得た。Mass実測値(M+H)+:415.15
例示化合物(2)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、2−ナフチルマグネシウムブロミド12.1gと4‐(ブロモマグネシオ)ベンゾニトリル10.8gを用いること以外は同様にして、例示化合物(16)を得た。Mass実測値(M+H)+:469.12
例示化合物(3)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、フェニルマグネシウムブロミド9.5gと3−メトキシフェニルマグネシウムブロミド11.1gを用いること以外は同様にして、例示化合物(17)を得た。Mass実測値(M+H)+:416.18
例示化合物(2)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、2−ナフチルマグネシウムブロミド12.1gと4−ビフェニリルマグネシウムブロミド13.5gを用いること以外は同様にして、例示化合物(19)を得た。Mass実測値(M+H)+:469.14
(例示化合物(20)の合成)
例示化合物(3)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、2−チエニルマグネシウムブロミド9.8gと2,4−ピラジルマグネシウムブロミド9.6gを用いること以外は同様にして、例示化合物(20)を得た。Mass実測値(M+H)+:394.12
例示化合物(2)の合成でフェニルマグネシウムブロミドの代わりに、フェニルマグネシウムブロミド9.5gと2−ナフチルマグネシウムブロミド12.1gを用いること以外は同様にして、例示化合物(21)を得た。Mass実測値(M+H)+:444.12
特開2001−277720公報12ページ記載の方法で合成した。
(比較化合物(2)の合成)
特開平9−188666公報16ページ記載の方法で合成した。
上記合成によって得られた化合物を以下の項目につき評価を行った。結果を表1に示す。
ビスフェノールAとホスゲンから界面縮重合法により製造されたポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量24,000)100質量部に、表1記載の化合物5質量部を、ブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットを得た。
得られたペレットを120℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度340℃および金型温度80℃の条件で、厚さ2mmの50mm角の角板を成形した。射出成形機はファナック(株)製:T−150Dを使用した。得られた成形板のイエローインデックスをHITACHI分光光度計U−4100にて測定した。イエローインデックス0〜1未満が「A」、1〜3未満が「B」、3〜5未満が「C」、5以上を「D」とする。また、成形板に対して、メタルハライドランプ(約290nm以下カット)(商品名:アイスーパーUVテスター、岩崎電気製)で照度90mW/cm2、温度63℃、湿度50%の条件で24時間光照射した際の、色相の変化を表1に示す。
「D」は、成形板が大きく着色したことを表し、「C」は、成形板がわずかに着色したことを表し、「B」は、成形板の色相が変化しなかったことを表し、「A」は、成形板の色相が変化せず、さらに24時間光照射(合計48時間光照射)しても色相が変化しなかったことを表す。
塩化メチレンにPMMA樹脂(商品名:ダイヤナールBR−80、三菱レイヨン製)を22質量%溶解し、バインダー溶液を調製した。次に、当該バインダー溶液に例示化合物(1)を0.2質量%溶解させ、塗布液を調製した。ガラスを基材とし、その上に上記塗布液を200μmのブレードにより塗布し、10分間100℃で乾燥させ、膜厚50μmの被膜を形成して、フィルムを作成した。同様にして、他の例示化合物、並びに比較化合物についてフィルムを作成した。作成したフィルムは島津製作所製分光光度計UV−3600(商品名)を用いて吸光度を測定した。このフィルムに対して、メタルハライドランプ(商品名:アイスーパーUVテスター、岩崎電気製)で照度90mW/cm2、温度63℃、湿度50%の条件で光照射し、400時間照射後の各化合物の残存量をそれぞれ測定した。残存量は次式に従い計算した。
残存量(%)=100×(100−照射後の透過率)/(100−照射前の透過率)
なお、透過率はそれぞれの化合物の極大吸収波長で測定した値である。結果を表1に示す。
また、本発明の化合物間での比較においては、本発明の一般式(1)におけるX1a及びX1bがベンゼン環である化合物や、X1bが置換基として電子求引性基を有する化合物が耐光性に優れることがわかった。また、本発明の一般式(1)における構造中にナフタレン構造を有する化合物は、より紫外線遮蔽効果に優れ、色相変化抑制効果が優れている事がわかった。
Claims (10)
- 前記一般式(1)におけるX1a、及びX1bが、それぞれ独立にアリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す、請求項1に記載の化合物。
- 前記一般式(1)におけるX1a、及びX1bが、それぞれ独立にアリール基を表す、請求項1又は2に記載の化合物。
- 前記一般式(1)におけるQ1、Z1a、及びZ1bにより形成される芳香族ヘテロ環、または前記一般式(2)におけるQ2、Z2a及びZ2bにより形成される芳香族ヘテロ環が、5員または6員の芳香族ヘテロ環である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記一般式(1)におけるQ1、Z1a、及びZ1bにより形成される芳香族ヘテロ環、または前記一般式(2)におけるQ2、Z2a及びZ2bにより形成される芳香族ヘテロ環が、窒素原子、炭素原子及び水素原子のみからなる芳香族ヘテロ環である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記Y1、Y2又はY3が、−OH、−NHCOR1a、−NHSO2R1b、−NHCONR1c 2、−NHCOOR1d、及び−SHから選択される置換基を表す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。R1a、R1b、R1c、R1dは、水素原子または置換基を表す。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を含有する紫外線吸収剤。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物と樹脂とを少なくとも含有する樹脂組成物。
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