JP2009067876A - 紫外線安定剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線安定剤の析出や長期使用によるブリードアウトの生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れかつこの吸収能を長期間維持して耐光性に優れる紫外線安定剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(UL)で表される紫外線安定剤。
Figure 2009067876

[一般式(UL)中、Aは、特定の紫外線吸収性残基を表す。Bは、特定の光安定性残基を表す。Lは連結基を表す。x及びzは1以上の整数を表し、yは0以上の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線安定剤に関し、さらに詳しく言えば、本発明は、紫外線安定剤の析出や長期使用によるブリードアウトの生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れかつこの吸収能を長期間維持して耐光性に優れる紫外線安定剤に関する。
従来から紫外線安定剤(紫外線吸収剤ともいう。)を種々の樹脂などと共用して紫外線吸収性を付与することが行われている。紫外線吸収剤として無機系紫外線吸収剤と有機系紫外線吸収剤を用いる場合がある。無機系紫外線吸収剤(例えば、特許文献1〜3等を参照。)では、耐候性や対熱性などの耐久性に優れている反面、吸収波長が化合物のバンドギャップによって決定されるために選択の自由度が少なく、320〜400nmの長波紫外線(UV−A)領域まで吸収できるものはなく、長波紫外線を吸収するものは可視域まで吸収を有するために着色を伴ってしまう。その中で、280〜320nmの短波紫外線(UV−B)領域を遮蔽する性質を有する特定のチタン酸表面にUV−A領域を遮蔽する酸化セリウム系の紫外線遮蔽剤を被覆し複合化することで、幅広い紫外線領域を遮蔽できることが知られている(例えば、特許文献4等を参照。)。
これに対して、有機系紫外線吸収剤は、吸収剤の構造設計の自由度が高いために、吸収剤の構造を工夫することによって様々な吸収波長のものを得ることができる。
これまでにも様々な有機系紫外線吸収剤を用いた系が検討されており、長波紫外線領域まで吸収する場合には、極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものを用いるか、濃度を高くするかの2通りが考えられている。しかし、特許文献5及び6等に記載された極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものは、耐光性が悪く、吸収能が時間とともに減少していってしまう。
これに対してベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は比較的耐光性も良く、濃度や膜厚を大きくすれば長波長領域まで比較的クリアにカットできる(例えば特許文献7及び8等を参照。)。しかし、通常これらの紫外線吸収剤を樹脂等に混ぜて塗布する場合、膜厚は数十μm程度が限界である。この膜厚で長波長領域までカットしようとするとかなり高濃度に紫外線吸収剤を添加する必要がある。しかしながら、単に高濃度に添加しただけでは紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じるという問題があった。また、極大吸収波長が長波紫外線領域にあったとしても、400nm以上に吸収を有する紫外線吸収剤を用いた場合には黄色味着色を生じ、透過して観察するカラー画像の色相を悪化させてしまう。これは高濃度に添加した場合に顕著な問題となる。よって紫外線領域を幅広く効果的に遮蔽してなおかつ可視域に吸収がない紫外線吸収剤が求められていた。
また、紫外線吸収剤に重合性基を結合させて、紫外線吸収剤を高分子量化することは知られている(例えば特許文献9を参照。)。これによって紫外線吸収剤の揮散や溶出は抑制されるが、複数の紫外線吸収剤を組み合わせる場合にはそれぞれ高分子量化したものを使用する必要があり、均一に混ざらない場合には紫外線遮蔽能が均質にならない問題があった。また重合性や得られるポリマーの性能調節のために紫外線吸収性残基を有さない重合性モノマーを併用した場合には質量当たりの紫外線吸収効果が低下してしまう問題があった。
特開平5−339033号公報 特開平5−345639号公報 特開平6−56466号公報 特開2006−316107号公報 特開平6−145387号公報 特開2003−177235号公報 特表2005−517787号公報 特開平7−285927号公報 特開2001−19711号公報
本発明の目的は、上記の問題点を解決するものであり、紫外線安定剤の析出や長期使用によるブリードアウトの生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れかつこの吸収能を長期間維持して耐光性に優れる紫外線安定剤を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、後述する一般式(1)、(2)又は(B−I)のいずれかで表される紫外線安定剤が、長波紫外線吸収能に優れ、しかも該紫外線吸収剤を樹脂等に混ぜて組成物として用いた場合には該紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じないことを見出した。本発明者らは、紫外線安定剤についてさらに詳細に検討を重ねた結果、紫外線吸収剤単独で用いた場合にはその紫外線吸収能が長期間持続しないようなものであっても、特定の化合物を連結して用いることによって、その性能が長期にわたって持続し得ることを見出した。
また、公知である重合性基を結合させて紫外線吸収剤を高分子量化する方法では、ポリマーの性能調節のために用いた紫外線吸収性残基を有さないモノマーの存在によって質量当たりの紫外線吸収効果が低下してしまう。この問題に対して、光安定剤として併用される化合物を直接結合させて分子量を大きくすることで、紫外線吸収剤として質量当たりの紫外線吸収効果は減少してしまうが、同じ紫外線吸収効果を得るために必要な紫外線吸収剤と光安定剤の合計質量は、紫外線吸収剤と光安定剤をそれぞれ独立にポリマー化して添加した場合よりも削減することができることを見出した。また、紫外線吸収剤と光安定剤をそれぞれ独立してポリマー化して添加したとき、これらが相分離などにより紫外線吸収性残基と光安定剤残基が近傍に存在しない状態の場合には、紫外線吸収剤と光安定剤は独立に働き、それぞれの合計以上の効果は期待できない。本発明の紫外線安定剤では紫外線吸収性残基と光安定性残基は確実に近傍に存在するために、相乗効果も期待できる。
紫外線吸収剤と光安定剤が近傍に存在するとき、一方から他方へ電子移動あるいはエネルギー移動する場合がある。電子移動およびエネルギー移動効率は2つの距離に依存し近いほど高効率であるため、紫外線吸収性残基と光安定性残基を連結した本発明の紫外線安定剤の場合には顕著に起こり得ると考えられる。例えば、光安定剤が紫外線吸収性残基の分解機構を効率的に抑制するメリットが考えられるが、紫外線吸収性残基が紫外光を吸収して励起状態にあるとき、速やかに基底状態に生じた正孔に電子移動することで励起状態の寿命が長くなるため、励起状態からの分解反応が起こりやすくなるデメリットも考えられる。紫外線吸収性残基と光安定剤を連結する場合には組み合わせを考慮する必要があり、相乗効果が得られる好ましい組み合わせがあることを見出した。
なお、特開平8−239509号公報の段落番号[0036]には、後述する一般式(1)で表される化合物を光学用ポリマーフィルムに用いた場合に、必要に応じて、分散剤、蛍光染料、消泡剤、潤滑剤、褪色防止剤、防腐剤等の公知の各種添加剤を用いても良いことが記載されているが、具体的な添加剤の種類や構造については言及されてなく、その効果についても記載されてなく、これらを連結することについても記載されていなかったまた、特開昭62−260152号公報15ページ下段左11〜13行目には、後述する一般式(1)で表される化合物を用いた場合に、画像の堅牢性を向上させる目的やその他の目的で酸化防止剤、消光物質などを含んでもよいと記載されているが、その具体的な構造と得られる効果については記述されてなく、連結することに関する記述もなかった。
本発明は、このような知見に基づきなされるに至ったものである。
本発明の課題は、以下の方法によって達成された。
<1>下記一般式(UL)で表される紫外線安定剤。
Figure 2009067876
[一般式(UL)中、Aは、紫外線吸収性残基を表す。但し、Aのうち少なくとも1つが、下記一般式(1)、(2)又は(B−I)のいずれかで表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基である。
Bは、下記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる残基を表す。
Lは連結基を表す。x及びzは1以上の整数を表し、yは0以上の整数を表す。]
Figure 2009067876
〔一般式(1)中、Ra1及びRa2は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Ra1とRa2とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。Ra3及びRa4は、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。Ra3とRa4とは互いに結合して環を形成してもよい。Ra5、Ra6及びRa7は、水素原子または1価の置換基を表す。Ra1、Ra5、Ra6及びRa7のうち任意の2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。〕
Figure 2009067876
〔一般式(2)中、A1は炭素原子以外の2価以上の非金属原子を表す。R及びR1は互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。また、R及びR1は互いに結合して環を形成していても良く、これがさらに縮環していてもよい。Y1及びY2は互いに独立して1価の置換基を表す。ただし、Y1又はY2の少なくとも一方は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。また、Y1及びY2は、互いに結合して環を形成しても良い。〕
Figure 2009067876
〔一般式(B−I)中、RB1、RB2、RB3及びRB4は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。RB5及びRB6は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。XB1、XB2、XB3及びXB4は、互いに独立してヘテロ原子を表す。〕
Figure 2009067876
〔一般式(TS−I)中、R91は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ホスフィノトリル基、ホスフィニル基、又は−Si(R97)(R98)(R99)を表す。ここで、R97、R98、R99は同一でも異なってもいてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基、アリールオキシ基を表す。−X91−は−O−、−S−又は−N(−R100)−を表す。ここで、R100はR91と同義である。R92、R93、R94、R95、R96は互いに同一でも異なってもよく、それぞれ、水素原子又は置換基を表す。R91とR92、R100とR96、R91とR100は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。さらに、R92とR93、R93とR94が互いに結合して、5〜7員環又はスピロ環、ビシクロ環を形成してもよい。但し、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R100のすべてが水素原子であることはなく、総炭素数は10以上である。
一般式(TS−II)中、R101、R102、R103、R104は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基を表し、R101とR102、R103とR104は結合し、5〜7員環を形成してもよい。X101は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルもしくはアルケニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。X102は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
一般式(TS−III)中、R105、R106は水素原子、脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基を表し、R107は脂肪族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、アシルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、置換アミノ基、複素環基、ヒドロキシ基を表し、可能な場合にはR105とR106、R106とR107、R105とR107は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよいが、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を形成する場合を除く。但し、R105、R106の両方が水素原子であることはなく、総炭素数は7以上である。
一般式(TS−IV)中、R111、R112は脂肪族基を表し、R111とR112は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよい。nは0、1、2を表す。但し、R111とR112の総炭素数は10以上である。
一般式(TS−V)中、R121、R122は脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、R123は脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、mは0又は1を表す。R121とR122、R121とR123は互いに結合し、5〜8員環を形成してもよい。但し、R121、R122、R123の総炭素数は10以上である。〕
<2>前記一般式(2)で表される化合物が下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする、<1>項に記載の紫外線安定剤。
Figure 2009067876
(式中、A41及びA42は炭素原子以外の2価以上の非金属原子を表す。Y41及びY42はそれぞれ独立して1価の置換基を表す。ただし、Y41又はY42の少なくとも一方は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。また、Y41及びY42は、互いに結合して環を形成しても良い。V41、V42、V43及びV44はそれぞれ独立して水素原子または1価の置換基を表す。V41〜V44は任意の場所で炭素原子とともに環を形成してもよく、これがさらに縮環していてもよい。)
<3>前記Bのうち少なくとも1つが前記一般式(TS−II)で表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる残基であることを特徴とする、<1>又は<2>項に記載の紫外線安定剤。
<4>前記一般式(TS−II)で表される化合物が下記一般式(TS−IIa)で表される化合物であることを特徴とする、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の紫外線安定剤。
Figure 2009067876
(式中、X101は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルもしくはアルケニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。R200は1価の置換基を表す。)
<5><1>〜<4>のいずれか1項に記載の紫外線安定剤を含むことを特徴とする紫外線安定剤組成物。
<6><1>〜<4>のいずれか1項に記載の紫外線安定剤を含むことを特徴とする紫外線安定剤溶液。
<7><1>〜<4>のいずれか1項に記載の紫外線安定剤を含むことを特徴とする高分子材料。
本発明の紫外線安定剤は、紫外線安定剤の析出や長期使用によるブリードアウトの生じることがなく、長期間に亘って紫外線吸収能に優れると同時に可視域に吸収がないという優れた効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の紫外線安定剤は、前記一般式(UL)で表される紫外線安定剤であって、前記一般式(1)、(2)又は(B−I)のいずれかで表される少なくとも1種の紫外線安定剤(紫外線吸収剤)の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基Aと、前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される少なくとも1種の化合物から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる残基Bを、Lを介してあるいは直接結合してなることを特徴とするものである。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物は、種々の樹脂などと共用することで樹脂の分解を防止する光安定剤として機能する。このような化合物を紫外線吸収性残基と共に結合してなる本発明の紫外線安定剤においては、紫外線吸収性残基が有する紫外線吸収能を長期間に亘って維持することができる。
本発明における紫外線吸収性残基とは、200〜400nmの紫外線を吸収し、そのエネルギーを主として無害な熱エネルギーとして再輻射し、しかも自身はなんら変質しない化合物群を表わす。紫外線吸収性残基としてはいずれの構造であってもよい。紫外線吸収性残基と1価の置換基が結合したことによってなる紫外線吸収構造の例として、「紫外線遮蔽(UVカット)素材の特性と応用」(技術情報協会発行、1997年刊)54、112ページ、「高分子用機能性添加剤の新展開」(東レリサーチセンター発行、1999年刊)101〜120ページ、ファインケミカル,2004年5月号30〜32ページなどに記載されている構造や、特公昭57-19768号、特開昭57-157236号、特開昭51-56620号、特開平6-207159号、特開平7-62325号、特開平7-252235号、特開平8-20585号、特開平8-259708号、特開平10-77220号、特開平10-158248号、特開平10-182622号、特開平11-255613号、特開平11-263778号、特開2000-44452号、特開2000-143608号、特開2000-178266号、特開2001-64142号、特表2004-513162号、特公平6-3682号、特開平7-11231号、特開平7-252235号、特開平7-324283号、特開2002-80788号、特表2005-504047号などの各公報に記載されている構造が挙げられる。
一般式(UL)におけるA基について説明する。A基は、紫外線吸収性残基である。紫外線吸収性残基Aは、前記一般式(1)、(2)又は(B−I)で表される紫外線吸収化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基であることが好ましい。
以下、下記一般式(1)で表される紫外線吸収化合物について説明する。
Figure 2009067876
〔一般式(1)中、Ra1及びRa2は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Ra1とRa2とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
a3及びRa4は、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。Ra3とRa4とは互いに結合して環を形成してもよい。
a5、Ra6及びRa7は、水素原子または1価の置換基を表す。Ra1、Ra5、Ra6及びRa7のうち任意の2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。〕
前記一般式(1)において、Ra1およびRa2は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。アルキル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えばメチル、エチル)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、アルキルカルボニル基(例えばアセチル)、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、イミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、ヘテロ環基(例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。
ヘテロ環基としては、炭素数6〜20のヘテロ環基が好ましく、例えば、ピリジル基、ピペリジノ基、モルホリノ基などが挙げられる。ヘテロ環基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。
a1とRa2とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。形成する環としては、含窒素5または6員環が好ましい。例えば、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環などが挙げられる。これらの環は1価の置換基を有していてもよく、上述の1価の置換基が例として挙げられる。また、芳香環などと共に縮環構造を形成してもよい。
a3およびRa4は、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。ハメットの置換基定数σ値について説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができる。例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版,1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊,122号,96〜103頁,1979年(南光堂)、Chem.Rev.,1991年,91巻,165〜195ページなどに詳しい。本発明におけるハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基とは電子求引性基であることを示している。σp値として好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.35以上である。
a3およびRa4の例としては、シアノ基(0.66)、カルボキシル基(-COOH:0.45)、アルコキシカルボニル基(-COOMe:0.45)、アリールオキシカルボニル基(-COOPh:0.44)、カルバモイル基(-CONH2:0.36)、アルキルカルボニル基(-COMe:0.50)、アリールカルボニル基(-COPh:0.43)、アルキルスルホニル基(-SO2Me:0.72)、またはアリールスルホニル基(-SO2Ph:0.68)などが挙げられる。本明細書において、Meはメチル基を、Phはフェニル基を表す。なお、括弧内の値は代表的な置換基のσp値をChem.Rev.,1991年,91巻,165〜195ページから抜粋したものである。
a3とRa4とは互いに結合して環を形成してもよい。なお、環を形成する場合にはRa3及びRa4のσp値を規定することができないが、本発明においてはRa3及びRa4にそれぞれ環の部分構造が置換しているとみなして、環形成の場合のσp値を定義することとする。例えば1,3−インダンジオン環を形成している場合、Ra3とRa4にそれぞれベンゾイル基が置換したものとして考える。
a5、Ra6およびRa7は、水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基の例としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基である。
a1、Ra5、Ra6およびRa7のうち任意の2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。結合する組み合わせはいずれでもよいが、Ra1とRa5またはRa5とRa7の組で環を形成する場合が好ましい。形成する環としては、前記一般式(1)中に既に定義されている炭素原子または窒素原子を含んで4〜8員環を形成する場合がより好ましい。
前記一般式(1)で表される紫外線吸収化合物は、下記一般式(1−2)または(1−3)で表される場合がより好ましい。続いて下記一般式(1−2)又は(1−3)で表される紫外線吸収化合物について詳細に説明する。
Figure 2009067876
〔一般式(1−2)中、Ra21は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
a31及びRa34は、−CN、−COORa25、−CONRa26a27、−CORa28又は−SO2a29を表す(Ra25、Ra26、Ra27及びRa28は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Ra26及びRa27は互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。Ra29はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。)。
a61及びRa71は、水素原子または1価の置換基を表す。Ra61及びRa71は互いに結合して環を形成してもよい。
a1は、炭素原子および窒素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表す。〕
Figure 2009067876
〔一般式(1−3)中、Ra12及びRa22は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Ra12とRa22とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
a32及びRa42は、−CN、−COORa35、−CONRa36a37、−CORa38又は−SO2a39を表す(Ra35、Ra36、Ra37及びRa38は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Ra36及びRa37は互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。Ra39はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。)。
a62は、水素原子または1価の置換基を表す。
a2は、炭素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表す。〕
前記一般式(1−2)において、Ra21は水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。アルキル基、アリール基及びヘテロ環基としては、前記一般式(1)におけるRa1と同義であり、好ましい場合も同じである。
a31およびRa41は、−CN、−COORa25、−CONRa26a27、−CORa28、−SO2a29を表す。Ra25、Ra26、Ra27及びRa28は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Ra29はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Ra25〜Ra29が表すアルキル基、アリール基およびヘテロ環基の例としては前記一般式(1)におけるRa1と同じであり、好ましい場合も同じである。Ra26およびRa27は互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよく、形成する環としては窒素原子を含む5〜8員環が好ましい。
a61およびRa71は、水素原子または1価の置換基を表す。Ra61およびRa71は互いに結合して環を形成してもよい。Ra61およびRa71は前記一般式(1)のRa6およびRa7と同義であり、好ましい場合も同じである。
a1は、炭素原子および窒素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表す。例えば、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環などが挙げられる。これらの環は1価の置換基を有していてもよく、上述の1価の置換基が例として挙げられる。また、芳香環などと共に縮環構造を形成してもよい。
前記一般式(1−3)において、Ra12およびRa22は互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。アルキル基、アリール基およびヘテロ環基としては、前記一般式(1)におけるRa1およびRa2と同義であり、好ましい場合も同じである。Ra12とRa22とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。形成する環としては、前記一般式(1)におけるRa1およびRa2の場合と同義であり、好ましい場合も同じである。
a32およびRa42は、−CN、−COORa35、−CONRa36a37、−CORa38又は−SO2a39を表す。Ra35〜Ra39は、前記一般式(1−2)におけるRa25〜Ra29と同義であり、好ましい場合も同じである。
a62は、水素原子または1価の置換基を表す。Ra62の例としては前記一般式(1)のRa6と同義であり、好ましい場合も同じである。
a2は、炭素原子と一緒になって4〜8員環を形成するのに必要な原子群を表す。例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、ピロリン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、オキソール環、アジン環、オキサジン環、ジアジン環などが挙げられる。これらの環は1価の置換基を有していてもよく、上述の1価の置換基が例として挙げられる。また、芳香環などと共に縮環構造を形成してもよい。
前記一般式(1−3)で表される化合物において、Ra32が−CN、−COORa35又は−SO2a39から選ばれる置換基であり、Ra42が−CN、−COORa35又は−SO2a39から選ばれる置換基であることがより好ましい。但し、Ra32とRa42が、同時に−COORa35である場合と、−CNと−COORa35の組み合わせである場合とを含まない。
また、前記一般式(1−3)で表される化合物において、Ra12およびRa22の少なくとも一方はアリル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基からなる群から選ばれる置換基であることがより好ましい。特にRa31およびRa32の両方がこれらのうちの同じ置換基である場合が好ましい。
前記一般式(1)、(1−2)もしくは(1−3)のいずれかで表される紫外線吸収化合物は、公知の特許公報や文献、例えば、特開昭51-56620号公報の6ページ上段右1行目〜8ページ上段右15行目、特開昭53-128333号公報の8ページ左1行目〜右3行目、特開昭62-56957号公報の8ページ上段右10行目〜下段右5行目、特公平1-53455号公報の10ページ20列19行目〜11ページ22列4行目、特開平4-257486号公報の10ページ上段左6行目〜18行目、特表2005-538072号公報の66ページ段落番号0115〜0117、J.Am.Chem.Soc.,1953,75,1247の実験項などを参考にして合成することができる。
以下に、本発明で用いられる前記一般式(1)、(1−2)又は(1−3)のいずれかで表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
続いて、下記一般式(2)で表される紫外線吸収化合物について説明する。
Figure 2009067876
(一般式(2)中、A1は炭素原子以外の2価以上の非金属原子を表す。R及びR1は互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。また、R1及びRは互いに結合して環を形成していても良く、これがさらに縮環していてもよい。Y1及びY2は互いに独立して1価の置換基を表す。ただし、Y1又はY2の少なくとも一方は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。また、Y1及びY2は、互いに結合して環を形成しても良い。)
前記一般式(2)において、R及びR1は水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基としては、前記一般式(1)において前述した1価の置換基の例が挙げられる。置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
1とRとは互いに結合して環を形成してもよく、これがさらに縮環していてもよい。
1は、炭素原子以外の2価以上の非金属原子を表す。具体的には、ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、セレン原子などを表す。そのうち、好ましくはホウ素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄原子であり、より好ましくは、窒素、酸素、硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
1およびY2は互いに独立して1価の置換基を表す。1価の置換基の例としては前述した1価の置換基の例が挙げられる。ただし、Y1又はY2の少なくとも一方はハメットのσp値が0.2以上の置換基を有することを表す。Y1及びY2の例としては、前記一般式(1)におけるRa3およびRa4と同じである。Y1及びY2として好ましくは−COR1、−COOR2、−CONR34、−SOR5、−SO26または−SO2NR78である。ここで、R1〜R8は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。アルキル基、アリール基の例として、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜10のヘテロ環基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルスルフェニル基、炭素原子数6〜14のアリールスルフェニル基、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜14のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜21のアシル基、炭素原子数1〜25のカルバモイル基、炭素原子数0〜32のスルファモイル基、炭素原子数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜15のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2〜21のアシルアミノ基、炭素原子数1〜20のスルホニルアミノ基、炭素原子数0〜32のアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基およびハロゲン原子を挙げることができるが、好ましいものは、炭素原子数3〜16のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基である。
また、Y1及びY2は互いに結合して環を形成してもよい。なお、環を形成する場合のY1及びY2のσp値については、前記一般式(1)で説明した考え方を用いる。
前記一般式(2)で表される紫外線吸収化合物は、下記一般式(2−2)で表されることが好ましい。
Figure 2009067876
一般式(2−2)中、A21及びA22は前記一般式(2)におけるA1と同義であり、好ましい場合も同じである。Y21及びY22は前記一般式(2)におけるY1及びY2と同義であり、好ましい場合も同じである。(B)は、A21及びA22と炭素原子とが一緒になって環を形成する非金属原子群を表す。形成する環としては、含窒素5または6員環が好ましい。例えば、ピリミジン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環、チアゾリン環などが挙げられる。これらの環は1価の置換基を有していてもよく、上述した1価の置換基の例が挙げられる。また、芳香環などと共に縮環構造を形成してもよい。このような中でも(B)が形成する環として好ましくはチアゾリン環、オキサゾリン環、ジチオール環、イミダゾリン環、またはこれらのベンゾ縮環体であり、更に好ましくはベンゾジチオール環、ベンゾオキサゾリン環、ベンゾチアゾリン環、ベンゾイミダゾリン環であり、特に好ましくはベンゾジチオール環である。
前記一般式(2−2)で表される紫外線吸収化合物は、下記一般式(3)で表される紫外線吸収化合物であることが更に好ましい。
Figure 2009067876
一般式(3)中、A31及びA32は前記一般式(2)におけるA1と同義であり、好ましい場合も同じである。Y31及びY32は前記一般式(2)におけるY1及びY2と同義であり、好ましい場合も同じである。(D)は、炭素原子を含む環を形成する非金属原子群を表す。(D)が形成する環は、これがさらに1価の置換基を有しても良く、さらに縮環していてもよい。1価の置換基の例としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。(D)が形成する環の具体例としては例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン等のシクロアルカン類、ベンゼン環などのアリール類、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピラゾール環、またはこれらのベンゾ縮環体等のヘテロ環類があげられるがより好ましくはベンゼン環である。
前記一般式(3)で表される紫外線吸収化合物は、下記一般式(4)で表される紫外線吸収化合物であることが更に好ましい。
Figure 2009067876
一般式(4)中、A41及びA42は前記一般式(2)におけるA1と同義であり、好ましい場合も同じである。Y41及びY42は前記一般式(2)におけるY1及びY2と同義であり、好ましい場合も同じである。V41〜V44はそれぞれ水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基の例としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。V41〜V44は炭素原子を伴って任意の場所で環を形成してもよく、これがさらに縮環していてもよい。
前記一般式(4)で表される紫外線吸収化合物は、下記一般式(5)で表される紫外線吸収化合物であることが特に好ましい。
Figure 2009067876
一般式(5)中、A51及びA52は前記一般式(2)におけるA1と同義であり、好ましい場合も同じである。Y51及びY52は前記一般式(2)におけるY1及びY2と同義であり、好ましい場合も同じである。V51及びV52は前記一般式(4)におけるV41及びV42と同義であり、好ましい場合も同じである。X51及びX52はそれぞれ水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基の例としては上述した1価の置換基の例が挙げられるが、より好ましくは炭素数2以上の置換基を有している場合(例えば、アセチル基、エチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシル基)であり、特に好ましくは炭素数が6以上の置換基を有している場合(例えば、2−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニル基)である。
本発明における前記一般式(2)、(2−2)、(3)〜(5)のいずれかで表される紫外線吸収化合物は、ジャーナル オブ ケミカル クリスタログラフィー(Journal of Chemical Crystallography),27,1997,516ページ右段3行目〜520ページ右段15行目、リービッグス アナレン デル ケミー(Liebigs Annalen der Chemie),726,106ページ15行目〜109ページ37行目、特開昭49−1115号公報3ページ左段7行目〜5ページ左段8行目、バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters),7,1997,652ページ9行目〜19行目、ジャーナル オブ オーガニックケミストリー(Journal of Organic Chemistry),43,1978,2153ページ左段2行目〜12行目、特開平4−338759公報4ページ左段2行目〜5ページ左段2行目、特開平3−54566広報7ページ左段6行目〜8ページ左段10行目、シンセシス(Synthesis),1986,968ページ左段1行目〜22行目等に記載、引用もしくはこれらに類似の合成法により合成できる。
以下に、本発明で用いられる前記一般式(2)、(2−2)、(3)、(4)又は(5)のいずれかで表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
続いて、下記一般式(B−I)で表される化合物について説明する。
Figure 2009067876
[RB1、RB2、RB3及びRB4は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。RB5及びRB6は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。XB1、XB2、XB3及びXB4は、互いに独立してヘテロ原子を表す。]
前記一般式(B−I)において、RB1、RB2、RB3及びRB4は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基としては前記一般式(1)において前述した1価の置換基の例が挙げられる。置換基はさらに置換されていても良く、置換基が複数ある場合には、同じであっても異なっていても良い。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
B1、RB2、RB3及びRB4のうち少なくとも1つは、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表すことが好ましい。
B1とRB2及びRB3とRB4は互いに結合して環を形成してもよい。なお、環を形成する場合のRB1、RB2、RB3及びRB4のσp値については、前記一般式(1)で説明した考え方を用いる。
B1、RB2、RB3及びRB4のうち少なくとも1つはハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表すが、RB1とRB2との組またはRB3とRB4との組のいずれか一方がそれぞれこの置換基であることが好ましい。より好ましくはRB1、RB2、RB3及びRB4のうち3つがこの置換基の場合である。特に好ましくはRB1、RB2、RB3及びRB4がいずれもこの置換基の場合である。
B1、RB2、RB3及びRB4のうち少なくとも1つとして、−CN、−COORB8、−CONRB9B10、−CORB11又は−SOB12であることがより好ましい(ここで、RB8、RB9、RB10、RB11及びRB12はそれぞれ水素原子または1価の置換基を表す。)。より好ましくは−CN、−COORB8、−CORB11又は−SOB12である。さらに好ましくは−CN又は−COORB8である。特に好ましくは−CNである。
また、RB1、RB2、RB3及びRB4のうち少なくとも1つは炭素数6以上のアルコキシカルボニル基であることが殊更に好ましい。より好ましくは炭素数6以上20以下であり、さらに好ましくは炭素数6以上12以下である。アルコキシ基上に任意の位置に置換基を有していても良い。置換基の例としては上述の置換基の例が挙げられる。アルコキシカルボニル基中のアルコキシ基は、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基などが挙げられる。
B1とRB2との組み合わせ及びRB3とRB4との組み合わせは上述した条件を満たせばいずれの組み合わせであってもよいが、RB1とRB2との組およびRB3とRB4との組がそれぞれ同じ組み合わせであることがより好ましい。
B1とRB2並びにRB3とRB4とは互いに結合して環を形成しても良い。形成する環としては、飽和および不飽和の炭化水素環およびヘテロ環のいずれであってもよい。但し、ジチオール環およびジチオラン環を形成することはない。例えば、前記一般式(B−I)中で定義されているRB1及びRB2が結合した炭素原子を含んでなる環として、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ピロリジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、オキサゾリン環、チアゾリン環、ピロリン環、ピラゾリジン環、ピラゾリン環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピラン環などが挙げられる。これらは任意の位置に置換基を有していても良い。置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また2価の置換基としてカルボニル基、イミノ基なども挙げられる。置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成することで縮環やスピロ環となっても良い。
B1及びRB2又はRB3とRB4の組み合わせの好ましい具体例について下記表1に示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、本明細書において、Etはエチル基を、Buはブチル基を表す。表中の波線は前記一般式(B−I)におけるヘテロ環への結合部位を示す。
Figure 2009067876
Figure 2009067876
B5及びRB6は互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基としては、上述した1価の置換基の例が挙げられる。
中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、スルホ基、アルキルチオ基、アリールチオ基が好ましい。水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基がより好ましい。アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイルオキシ基、カルバモイルアミノ基がさらに好ましい。アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基が特に好ましい。炭素数2以上のアルコキシ基が殊更に好ましい。
アルコキシ基の場合におけるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。アルキル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アルコキシ基の場合におけるアルキル基として好ましくは、炭素数3〜20のアルキル基である。より好ましくは炭素数5〜18のアルキル基である。特に好ましくは炭素数6〜12のアルキル基である。
アリールオキシ基の場合におけるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アリールオキシ基の場合におけるアリール基として好ましくは、炭素数6〜14のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。特に好ましくはフェニル基である。
アシルオキシ基の場合におけるアシル基としては、炭素数1〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基などが挙げられる。アシル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アシルオキシ基の場合におけるアシル基として好ましくは、炭素数1〜15のアシル基である。より好ましくは炭素数1〜10のアシル基である。特に好ましくは炭素数4〜8のアシル基である。
アルコキシカルボニルオキシ基の場合におけるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。アルキル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アルコキシカルボニルオキシ基の場合におけるアルキル基として好ましくは、炭素数3〜20のアルキル基である。より好ましくは炭素数5〜18のアルキル基である。特に好ましくは炭素数6〜12のアルキル基である。
アリールオキシカルボニルオキシ基の場合におけるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アリールオキシカルボニルオキシ基の場合におけるアリール基として好ましくは、炭素数6〜14のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。特に好ましくはフェニル基である。
アシルアミノ基の場合におけるアシル基としては、炭素数1〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基などが挙げられる。アシル基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。また任意の置換基が結合することで環を形成してもよい。アシルアミノ基の場合におけるアシル基として好ましくは、炭素数1〜15のアシル基である。より好ましくは炭素数1〜10のアシル基である。特に好ましくは炭素数4〜8のアシル基である。
カルバモイルオキシ基の場合における窒素原子上の置換基としては、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルキル基上およびアリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。カルバモイルオキシ基の場合におけるアルキル基およびアリール基として好ましくは、炭素数3〜20のアルキル基および炭素数6〜14のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜12のアルキル基および炭素数6〜10のアリール基である。
カルバモイルアミノ基の場合における窒素原子上の置換基としては、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルキル基上およびアリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。カルバモイルアミノ基の場合におけるアルキル基およびアリール基として好ましくは、炭素数3〜20のアルキル基および炭素数6〜14のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜12のアルキル基および炭素数6〜10のアリール基である。
B5及びRB6はそれぞれ異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
B5またはRB6の好ましい具体例について下記表2に示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、表中の波線は前記一般式(B−I)におけるベンゼン環への結合部位を示す。
Figure 2009067876
Figure 2009067876
B1、XB2、XB3及びXB4は、互いに独立してヘテロ原子を表す。ヘテロ原子としては、例えば、ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子などが挙げられる。好ましくは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子である。より好ましくは窒素原子、硫黄原子である。特に好ましくは硫黄原子である。
B1、XB2、XB3及びXB4はそれぞれ異なっていてもよいが、XB1とXB2との組およびXB3とXB4との組がそれぞれ同じ組み合わせであることがより好ましく、特に好ましくは全て同じである場合である。最も好ましくは、全て硫黄原子を表す場合である。
B1とXB2又はXB3とXB4の組み合わせの好ましい具体例について下記表3に示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、本明細書において、Acはアセチル基を表す。表中の波線は前記一般式(B−I)におけるRB1とRB2又はRB3とRB4が結合する炭素原子への結合部位を示す。
Figure 2009067876
前記一般式(B−I)で表される化合物は、下記一般式(B−Ia)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 2009067876
一般式(B−Ia)において、RBa1、RBa2、RBa3およびRBa4は1価の置換基を表す。但し、RBa1、RBa2、RBa3およびRBa4のうち少なくとも1つは、シアノ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のカルバモイル基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルカルボニル基、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールカルボニル基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルスルホニル基または炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールスルホニル基である。
Ba5およびRBa6は、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシ基、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアシルオキシ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のカルバモイルオキシ基、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)のアミノ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアシルアミノ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のカルバモイルアミノ基を表す。
これらはさらに置換基を有していても良い。置換基としては上述した1価の置換基が挙げられる。また2価の置換基としてカルボニル基、イミノ基なども挙げられる。置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。また置換基同士で結合して環を形成することで縮環やスピロ環となっても良い。
以下に、本発明で用いられる一般式(B−I)または(B−Ia)のいずれかで表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
Figure 2009067876
前記一般式(B−I)または(B−Ia)で表される化合物は任意の方法で合成することができる。例えば前記一般式(B−I)におけるRB5及びRB6がヒドロキシ基である化合物を合成中間体とし、これに対してアルキル化やアシル化などを行い、所望の置換基を導入する反応により合成することができる。
この前記一般式(B−I)におけるRB5及びRB6がヒドロキシ基である合成中間体は、例えばXB1、XB2、XB3及びXB4がいずれも硫黄原子の場合には、公知の特許や文献、例えば、特開昭63-225382号公報の3ページ右上段1行目〜左下段1行目の参考例や、Liebigs Ann.Chem.,1969年,726巻,103-109ページ文献中109ページ5行目〜12行目などを参考にして合成することができる。
その他にも、前記一般式(B−I)または(B−Ia)で表される化合物は、Journal of Organic Chemistry,1990年,55巻,5347-5350ページの文献中5349ページ右27行目からの実験項、同1994年,59巻,3077-3081ページの文献中3081ページ11行目〜16行目、Tetrahedron Letters,1991年,32巻,4897-4900ページの文献中4897ページ9行目〜4899ページ3行目、同1977年,26巻,2225ページのTable 1、Tetrahedron,1993年,49巻,3035-3042ページの文献中3037ページ11行目〜20行目及び3040ページ22行目〜38行目、Journal of the American Chemical Society,1958年,80巻,1662-1664ページの文献中1664ページ右6行目〜15行目、同1995年,117巻,9995-10002ページの文献中9996ページ右12行目〜9997ページ左46行目、特開平6-80672号公報の4ページ左43行目〜右45行目、Phosphorus,Sulfur,and Silicon,1997年,120&121巻,121-143ページ文献中123ページ18行目〜124ページ3行目、Chem.Commun.,2004年,1758-1759ページの文献中1758ページ左44行目〜54行目、独国特許第3728452号明細書の4ページ46行目〜5ページ16行目、特開昭51-100097号公報の3ページ左上段3行目〜4ページ左下段4行目、特表平5-506428号公報の12ページ右下段1行目〜35ページ右下段1行目、などに記載されている類似構造を有する化合物の合成ルートを参考にして合成することができる。
例えば例示化合物(B−1)は、二硫化炭素とマロノニトリルを水酸化ナトリウム存在下で反応させて得られるジナトリウム塩をクロラニルと反応させて例示化合物(B−71)を合成し、これと2−エチルヘキサノイルクロリドを塩基存在下で反応させることによって合成することができる。例示化合物(B−2)は、例示化合物(B−71)と2−エチルヘキシルブロミドを塩基存在下で反応させることによって合成することができる。
例示化合物(B−11)は、二硫化炭素とシアノ酢酸エチルを水酸化カリウム存在下で反応させて得られるジカリウム塩をクロラニルと反応させて例示化合物(B−72)を合成し、これと2−エチルヘキサノイルクロリドを塩基存在下で反応させることによって合成することができる。例示化合物(B−12)は、例示化合物(B−72)と2−エチルヘキシルブロミドを塩基存在下で反応させることによって合成することができる。
例示化合物(B−59)は、二硫化炭素とシアノ酢酸エチルを水酸化カリウム存在下で反応させて得られるジカリウム塩をヘキサフルオロベンゼンと反応させることによって合成することができる。
例示化合物(B−51)は、例示化合物(B−59)とナトリウムドデカンチオレートを反応させることによって合成することができる。
前記一般式(B−I)で表される化合物は、RB1とRB2、RB3とRB4、XB1とXB2、XB3とXB4あるいはRB5とRB6が異なる場合に、互いの位置が入れ替わることによって幾何異性体となり得る。本明細書においてこれらのうち1種の幾何異性体のみが記載されている場合であっても、その他の幾何異性体についても本発明に用いられる前記一般式(B−I)で表される化合物に含まれる。また、合成あるいは精製の過程で幾何異性体混合物となっている場合でも、その代表的な構造のみが本明細書に記載される。幾何異性体混合物である場合には、その存在比率は0:1〜1:0の間の任意の比率であってよい。
本発明に用いられる前記一般式(1)、(1−2)、(1−3)、(2)、(2−2)、(3)、(4)、(5)、(B−I)又は(B−Ia)のいずれかで表される化合物は、構造とその置かれた環境によって互変異性体を取り得る。本明細書においては代表的な形の一つで記述しているが、本明細書の記述と異なる互変異性体も本発明に用いられる化合物に含まれる。
本発明に用いられる前記一般式(1)、(1−2)、(1−3)、(2)、(2−2)、(3)、(4)、(5)、(B−I)又は(B−Ia)のいずれかで表される化合物は、同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N、17O、18Oなど)を含有していてもよい。
本発明において、異なる構造を有する二種類以上の前記一般式(1)、(2)又は(B−I)のいずれかで表される紫外線吸収性残基を合わせて含んでもよいし、前記一般式(1)、(2)又は(B−I)のいずれかで表される紫外線吸収性残基とそれ以外の構造を有する一種類以上の紫外線吸収性残基を合わせて含んでもよい。二種類(好ましくは三種類)の紫外線吸収性残基を合わせて含むと、広い波長領域の紫外線を吸収することができる。前記一般式(1)、(2)および(B−I)以外の構造を有する紫外線吸収性残基として任意のものを使用できる。紫外線吸収剤の構造として知られているトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、メロシアニン系、シアニン系、ジベンゾイルメタン系、桂皮酸系、シアノアクリレート系、安息香酸エステル系などの化合物が挙げられる。例えば、ファインケミカル、2004年5月号、28〜38ページ、東レリサーチセンター調査研究部門発行「高分子用機能性添加剤の新展開」(東レリサーチセンター、1999年)96〜140ページ、大勝靖一監修「高分子添加剤の開発と環境対策」(シーエムシー出版、2003年)54〜64ページなどに記載されている紫外線吸収剤構造が挙げられる。
前記一般式(1)、(2)および(B−I)以外の構造を有する紫外線吸収性残基として好ましくは、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系、トリアジン系である。より好ましくはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系である。特に好ましくはベンゾトリアゾール系、トリアジン系の化合物である。
前記ベンゾトリアゾール系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmで、下記一般式(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure 2009067876
[前記一般式(IIa)中、
11は、水素原子、1〜24個の炭素原子を有するアルキル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、または下記一般式:
Figure 2009067876
(式中、R14及びR15は、互いに独立して1〜5個の炭素原子を有するアルキルを表す。R14は、C2n+1−m基と一緒になって、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を形成してもよい。mは1又は2を表す。nは2〜20の整数を表す。Mは、−COOR16(ここで、R16は、水素原子、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、アルキル部分及びアルコキシ部分に1〜20個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、またはアルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルである。)を表す。)
で表される基であり、
12は、水素原子、ハロゲン原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、及びアルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
13は、水素原子、塩素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ、または−COOR16(ここで、R16は先に規定される通りである。)である。
但し、R11及びR12のうちの少なくとも1つは、水素原子以外である。]
[前記一般式(IIb)中、
Tは、水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
は、水素原子、塩素原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシであり、
nは1又は2であり、
nが1のときTは、塩素原子、−OT、または式:
Figure 2009067876
であり、
また、nが2のときTは、式:
Figure 2009067876
、又は−O−T−O−の基である。
(ここで、Tは、水素原子、1〜18個の炭素原子を有しそして非置換であるか、または1〜3個のヒドロキシル基によってもしくは−OCOTによって置換されるアルキル、3〜18個の炭素原子を有し、−O−または−NT−によって連続的炭素−炭素結合が1回または数回中断され、そして非置換であるか、またはヒドロキシルもしくは−OCOTによって置換されるアルキル、5〜12個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシル及び/又は1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるシクロアルキル、2〜18個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシルによって置換されるアルケニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または、−CHCH(OH)−Tもしくは
Figure 2009067876
であり、
及びTは、互いに独立して、水素原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有しそして−O−または−NT−によって連続的炭素−炭素結合が1回または数回中断されるアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または2〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであり、
は、水素原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
は、水素原子、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、非置換であるか、またはヒドロキシルによって置換されるフェニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または−CHOTであり、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、または、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン、4〜8個の炭素原子を有するアルケニレン、4個の炭素原子を有するアルキニレン、シクロヘキシレン、2〜8個の炭素原子を有しそして−O−によって連続的炭素−炭素結合が1回または数回中断されるアルキレン、または−CHCH(OH)CHO−T11−OCHCH(OH)CH−、もしくは−CH−C(CHOH)−CH−であり、
10は、2〜20個の炭素原子を有しそして−O−によって連続的炭素−炭素結合が1回もしくは数回中断されることができるアルキレン、またはシクロヘキシレンであり、
11は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン、2〜18個の炭素原子を有しそして−O−によって連続的炭素−炭素結合が1回もしくは数回中断されるアルキレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−フェニレン、もしくは1,4−フェニレンであり、または、T10、及びTは、2個の窒素原子と一緒になって、ピペラジン環になる。)]
[前記一般式(IIc)中、R’は、C〜C12アルキルであり、そしてkは1〜4の数である。]
前記一般式(IIa)〜(IIc)のいずれかで表される化合物の代表例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)−5’−メチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2'−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]、2−[3’−t−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
Figure 2009067876
(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
前記トリアジン系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmで、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
Figure 2009067876
[前記一般式(III)中、
uは1又は2であり、そしてrは1〜3の整数であり、
置換基Yは、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル、フェニルもしくはハロゲン、ハロゲノメチル、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、1〜18個の炭素原子を有するアルコキシ、−COO−(C〜C18アルキル)によって置換される1〜18個の炭素原子を有するアルコキシである。
uが1のときYは、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、非置換であるか、またはヒドロキシル、ハロゲン、1〜18個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシによって置換されるフェニル;
1〜12個の炭素原子を有しそして−COOH、−COOY、−CONH、−CONHY、−CONY10、−NH、−NHY、−NY10、−NHCOY11、−CN、及び/又は−OCOY11によって置換されるアルキル;
4〜20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素原子によって連続的炭素−炭素結合が中断されそして非置換であるか、またはヒドロキシルもしくは1〜12個の炭素原子を有するアルコキシによって置換されるアルキル、3〜6個の炭素原子を有するアルケニル、グリシジル、非置換であるか、またはヒドロキシル、1〜4個の炭素原子を有するアルキル及び/又は−OCOY11によって置換されるシクロヘキシル、アルキル部分に1〜5個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシル、塩素及び/又はメチルによって置換されるフェニルアルキル、−COY12もしくは−SO13である。
また、uが2のときYは、2〜16個の炭素原子を有するアルキレン、4〜12個の炭素原子を有するアルケニレン、キシリレン、3〜20個の炭素原子を有し、1個以上の−O−原子によって連続的炭素−炭素結合が中断され、及び/又はヒドロキシルによって置換されるアルキレン、−CHCH(OH)CH−O−Y15−OCHCH(OH)CH、−CO−Y16−CO−、−CO−NH−Y17−NH−CO−、または−(CH)−CO−Y18−OCO−(CH)である。
(ここで、
mは、1、2または3であり、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、3〜20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素もしくは硫黄原子または−NT−によって連続的炭素−炭素結合が中断され、及び/又はヒドロキシルによって置換されるアルキル、1〜4個の炭素原子を有しそして−P(O)(OY14)、−NY10、もしくは−OCOY11及び/又はヒドロキシルによって置換されるアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、グリシジル、またはアルキル部分に1〜5個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
及びY10は、互いに独立して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、3〜12個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、4〜16個の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキル、もしくは5〜12個の炭素原子を有するシクロヘキシルであり、または、Y及びY10は、一緒になって3〜9個の炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンまたはアザアルキレンであってもよく、
11は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル、またはフェニルであり、
12は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル、フェニル、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ、フェノキシ、1〜12個の炭素原子を有するアルキルアミノ、またはフェニルアミノであり、
13は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、またはアルキル基に1〜8個の炭素原子を有するアルキルフェニルであり、
14は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、またはフェニルであり、
15は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、または−フェニレン−M−フェニレン−(ここで、Mは、−O−、−S−、−SO−、−CH−または−C(CH)−である。)であり、
16は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンまたはチアアルキレン、フェニレン、または2〜6個の炭素原子を有するアルケニレンであり、
17は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、またはアルキル部分に1〜11個の炭素原子を有するアルキルフェニレンであり、そして
18は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、または4〜20個の炭素原子を有しそして酸素によって連続的炭素−炭素結合が1回もしくは数回中断されるアルキレンである。)]
前記一般式(III)で表される化合物の代表例としては、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジ(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジ(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmである化合物が好ましく、その代表例としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノ−2’−ヘキシルオキシカルボニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタン等を挙げることができる。
前記サリチル酸系化合物としては、その有効吸収波長が約290〜330nmである化合物が好ましく、その代表例としてはフェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−オクチルフェニルサリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレート、ヘキサデシル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレートなどを挙げることができる。
前記アクリレート系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜350nmである化合物が好ましく、その代表例としては2−エチルヘキシル 2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、エチル 2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、イソオクチル 2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、ヘキサデシル 2−シアノ−3−(4−メチルフェニル)アクリレート、メチル 2−シアノ−3−メチル−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート、ブチル 2−シアノ−3−メチル−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート、メチル 2−カルボメトキシ−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート2−シアノ−3−(4−メチルフェニル)アクリル酸塩、1,3−ビス(2’−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ)−2,2−ビス(((2’−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ)メチル)プロパン、N−(2−カルボメトキシ−2−シアノビニル)−2−メチルインドリン等を挙げることができる。
前記シュウ酸ジアミド系化合物としては、その有効吸収波長が約250〜350nmであるものが好ましく、その代表例としては4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブチルオキサニリド等を挙げることができる。
続いて、一般式(UL)におけるB基について説明する。B基は、前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる光安定性残基である。
以下に、本発明に用いられる下記一般式(TS−I)〜(TS−V)で表される化合物について説明する。
Figure 2009067876
一般式(TS−I)中、R91は水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基(シクロアルキルスルホニル基、ビシクロアルキルスルホニル基、トリシクロアルキルスルホニル基等の環状アルキルスルホニル基を含む。)、アリールスルホニル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、又は−Si(R97)(R98)(R99)を表す。ここで、R97、R98、R99は同一でも異なってもいてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基、アリールオキシ基を表す。−X91−は−O−、−S−又は−N(−R100)−を表す。ここで、R100はR91と同義である。R92、R93、R94、R95、R96は互いに同一でも異なってもよく、それぞれ、水素原子又は置換基を表す。R91とR92、R100とR96、R91とR100は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。さらに、R92とR93、R93とR94が互いに結合して、5〜7員環又はスピロ環、ビシクロ環を形成してもよい。但し、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R100のすべてが水素原子であることはなく、総炭素数は10以上である。
本明細書中における基が脂肪族部位を含む場合には、その脂肪族部位は直鎖、分岐鎖又は環状で飽和であっても不飽和であってもよく、例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルを表し、これらは無置換であっても置換基を有していてもよい。また、アリール部位を含む場合には、そのアリール部位は、単環であっても縮合環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよい。また、複素環部位を含む場合には、その複素環部位は環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよく、環状のヘテロ原子で結合しても、炭素原子で結合してもよい。
本発明における置換基とは、置換可能な基であればよく、例えば脂肪族基、アリール基、複素環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、複素環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、複素環スルホンアミド基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、複素環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ホスフィニル基、ホスホリル基等を挙げることができる。
前記一般式(TS−I)をさらに詳細に述べる。
91は水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基等の環状アルキル基を含む、例えば、メチル基、i−プロピル基、s−ブチル基、ドデシル基、メトキシエトキシ基、ベンジル基)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む、例えば、アリル基)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メトキシフェニル基)ヘテロ環基(例えば2−テトラヒドフリル基、ピラニル基)、アシル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基)、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基(例えばメキシカルボニル基、ヘキサデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基、p−メトキシフェノキシカルボニル基)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、ホスフィノトリル基(例えばジメトキシホスフィノ基、ジフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(例えばジエチルホスフィニル基、ジフェニルホスフィニル基)、又は−Si(R97)(R98)(R99)を表す。ここで、R97、R98、R99は同一でも異なってもいてもよく、それぞれアルキル基(例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、ベンジル基)、アルケニル基(例えばアリル基)、アリール基(例えばフェニル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基)、アルケニルオキシ基(例えばアリルオキシ基)、又はアリールオキシ基(例えばフェノキシ基)を表す。
−X91−は、−O−、−S−又は−N(−R100)−を表す。ここで、R100はR91と同義であり、好ましい範囲も同様である。R92、R93、R94、R95、R96は各々同一でも異なってもよく、それぞれ、水素原子又は置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
その中でも好ましい置換基としてはアルキル基(例えばメチル基、t−ブチル基、t−ヘキシル基、ベンジル基)、アルケニル基(アリール基)、アリール基(例えばフェニル基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基)、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、p−ヒドロキシベンゼンスルホニル基)又は−X91−R91である。
91とR92、R100とR96、R91とR100は互いに結合して5〜7員環(例えばクロマン環、モルホリン環)を形成していてもよい。さらに、R92とR93、R93とR94が互いに結合して、5〜7員環(例えばクロマン環、インダン環)又はスピロ環、ビシクロ環を形成してもよい。但し、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R100のすべてが水素原子であることはなく、総炭素数は10以上であり、好ましくは総炭素数16以上である。
本発明に用いられる前記一般式(TS−I)で表される化合物は、特公昭63−50691号公報の一般式(I)、特公平2−37575号公報の一般式(IIIa)(IIIb)(IIIc)、同2−50457号公報の一般式、同5−67220号公報の一般式、同5−70809の一般式(IX)、同6−19534号公報の一般式、特開昭62−227889号公報の一般式(I)、同62−244046号公報の一般式(I)(II)、特開平2−66541号公報の一般式(I)(II)、同2−139544号公報の一般式(II)(III)、同2−194062号公報の一般式(I)、同2−212836号公報の一般式(B)、(C)、(D)、同3−200758号公報の一般式(III)、同3−48845号公報の一般式(II)(III)、同3−266836号公報の一般式(B)、(C)、(D)、同3−969440号公報の一般式(I)、同4−330440号公報の一般式(I)、同5−297541号公報の一般式(I)、同6−130602号公報の一般式、国際公開WO91/11749号パンフレットの一般式(1)、(2)、(3)、独国特許出願公開第4008785A1号明細書の一般式(I)、米国特許第4931382号明細書の一般式(II)、欧州特許第203746B1号明細書の一般式(a)、欧州特許第264730B1号明細書の一般式(I)等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−I)で表される化合物としては、下記一般式(TS−IA)〜(TS−IG)で表される化合物が挙げられ、本発明においてはこれらの構造の化合物が好ましい。
Figure 2009067876
前記一般式(TS−IA)〜(TS−IG)において、R91〜R97は一般式(TS−I)で定義したものと同じであり、好ましい範囲も同様である。Ra1〜Ra4は水素原子又は脂肪族基を表し、X92及びX93は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、オキシ基、スルホニル基を表す。式中、同一分子中の同記号は同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(TS−II)中、R101、R102、R103、R104は各々独立に、水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)を表し、R101とR102、R103とR104は結合し、5〜7員環を形成してもよい。
101は水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルもしくはアルケニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。
102は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
前記一般式(TS−II)をさらに詳細に述べる。
式中、R101、R102、R103、R104は、水素原子、アルキル基(例えばメチル基、エチル基)、アルケニル基(例えばアリル基)であるが、好ましくはアルキル基である。
101は、水素原子、アルキル基(例えばメチル基、エチル基)、アルケニル基(例えば、アリル基)、アルキルオキシ基(例えばメトキシ基、オクチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アルケニルオキシ基(例えばアリルオキシ基)、アルキルオキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、ヘキサデシルオキシカルボニル基)、アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基)、アシル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、メタクリロイル基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アルキルオキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、オクチルオキシカルボニルオキシ基)、アルケニルオキシカルボニルオキシ基(例えば、アリルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えばフェノキシカルボニルオキシ基)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、アルケニルスルホニル基(例えば、アリルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、アルキルスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、オクタンスルフィニル基)、アルケニルスルフィニル基(例えば、アリルスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(例えばベンゼンスルフィニル基、p−トルエンスルフィニル基)、スルファモイル基(例えばジメチルスルファモイル基)、カルバモイル基(例えばジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基)、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。
102は5〜7員環(例えばピペリジン環、ピペラジン環)を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
前記一般式(TS−II)においては、更に好ましくは、R103、R104、R105、R106が共に炭素数1〜3のアルキル基であり、X101がオキシラジカル、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜14のアシル基、又は炭素数6〜20のアリール基であり、X102がシクロヘキサン環を形成するものである。
前記一般式(TS−II)は下記一般式(TS−IIa)で表される場合が特に好ましい。
Figure 2009067876
式中、X101は前記一般式(TS−II)におけるX101と同義であり、好ましい範囲も同様である。R200は1価の置換基を表す。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。
本発明に用いられる前記一般式(TS−II)で表される化合物は、特公平2−32298号公報の一般式(I)、同3−39296号公報の一般式(I)、同3−40373号公報の一般式、特開平2−49762号公報の一般式(I)、同2−208653号公報の一般式(II)、同2−217845号公報の一般式(III)、米国特許第4906555号明細書の一般式(B)、欧州特許出願公開第309400A2号明細書の一般式、同第309401A1号明細書の一般式、同第309402A1号明細書の一般式等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−III)中、R105、R106は水素原子、脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基を表し、R107は脂肪族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、アシルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、置換アミノ基、複素環基、ヒドロキシ基を表し、可能な場合にはR105とR106、R106とR107、R105とR107は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよいが、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を形成する場合を除く。但し、R105、R106の両方が水素原子であることはなく、総炭素数は7以上である。
前記一般式(TS−III)を更に詳細に述べる。
式中、R105、R106は水素原子、脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オクチル基、メトキシエトキシ基)、アシル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、メタクリロイル基)、脂肪族オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、ヘキサデシルオキシカルボニル基)、芳香族オキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基)、脂肪族スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、芳香族スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基)を表し、R107は脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オクチル基、メトキシエトキシ基)、脂肪族オキシ基(例えばメトキシ基、オクチルオキシ基)、芳香族オキシ基(例えばフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基)、脂肪族チオ基(例えばメチルチオ基、オクチルチオ基)、芳香族チオ基(例えばフェニルチオ基、p−メトキシフェニルチオ基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、ピバロイルオキシ基)、脂肪族オキシカルボニルオキシ基(例えばメトキシカルボニルオキシ基、オクチルオキシカルボニルオキシ基)、芳香族オキシカルボニルオキシ基(例えばフェノキシカルボニルオキシ基)、置換アミノ基(置換基としては置換可能ならばよく、例えば脂肪族基、芳香族基、アシル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基等の置換したアミノ基)、複素環基(例えばピペリジン環、チオモルホリン環)、ヒドロキシ基を表し、可能な場合にはR105とR106、R106とR107、R105とR107は互いに結合し、5〜7員環(例えばピペリジン環、ピラゾリジン環)を形成してもよい。但し、R105、R106の両方が水素原子であることはなく、総炭素数は7以上である。
本発明に用いられる前記一般式(TS−III)で表される化合物は、特公平6−97332号公報の一般式(I)、特公平6−97334号公報の一般式(I)、特開平2−148037号公報の一般式(I)、同2−150841号公報の一般式(I)、同2−181145号公報の一般式(I)、同3−266836号公報の一般式(I)、同4−350854号公報の一般式(IV)、同5−61166号公報の一般式(I)等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−III)で表される化合物としては、下記一般式(TS−IIIA)〜(TS−IIID)で表される化合物が挙げられ、本発明においてはこれらの構造の化合物が好ましい。
Figure 2009067876
前記一般式(TS−IIIA)〜(TS−IIID)において、R105〜R106は前記一般式(TS−III)で定義したものと同じであり、好ましい範囲も同様である。Rb1〜Rb3はR105と同義であり、好ましい範囲も同様である。Rb4、Rb5、Rb6は脂肪族基を表す。X103は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
前記一般式(TS−IV)中、R111、R112は脂肪族基を表し、R111とR112は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよい。nは0、1、2を表す。但しR111、R112の総炭素数は10以上である。
前記一般式(TS−IV)を更に詳細に述べる。
前記一般式(TS−IV)中、R111、R112は脂肪族基(例えばメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ドデシルオキシカルボニルエチル基)を表し、R111とR112は互いに結合し、5〜7員環(例えばテトラヒドロチオフェン環、チオモルホリン環)を形成してもよい。nは0、1、2を表す。但し、R111、R112の総炭素数は10以上である。
本発明に用いられる前記一般式(TS−IV)で表される化合物は、特公平2−44052号の一般式(I)、特開平3−48242号公報の一般式(T)、同3−266836号公報の一般式(A)、同5−323545号公報の一般式(I)(II)(III)、同6−148837号公報の一般式(I)、米国特許第4933271号明細書の一般式(I)等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−V)中、R121、R122は脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、R123は脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、mは0又は1を表す。R121とR122、R121とR123は互いに結合し、5〜8員環を形成してもよい。但し、R121、R122、R123の総炭素数は10以上である。
前記一般式(TS−V)を更に詳細に述べる。
前記一般式(TS−V)中、R121、R122は脂肪族オキシ基(例えばメトキシ基、t−オクチルオキシ基)、芳香族オキシ基(例えばフェノキシ基、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ基)を表し、R123は脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、t−オクチル基)、芳香族基(例えばフェニル基、4−t−ブチルフェニル基)、脂肪族オキシ基(例えばメトキシ基、t−オクチルオキシ基)、芳香族オキシ基(例えばフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基)を表し、mは0又は1を表す。R121とR122、R121とR123は互いに結合し、5〜8員環を形成してもよい。但し、R121、R122、R123の総炭素数は10以上である。
本発明に用いられる前記一般式(TS−V)で表される化合物は、特開平3−25437号公報の一般式(I)、同3−142444号公報の一般式(I)、米国特許第4749645号明細書の一般式、同第4980275号明細書の一般式等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物は、前記一般式(TS−I)、(TS−II)、又は(TS−V)のいずれかで表される化合物から選ばれたものであることが好ましく、前記一般式(TS−I)又は(TS−II)で表される化合物から選ばれたものがより好ましく、前記一般式(TS−II)で表される化合物であることがさらに好ましい。前記一般式(TS−II)で表される化合物としては、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格からなるものが特に好ましい。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の具体的化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、前記一般式(TS−I)に該当する化合物には、TI−1〜56が、前記一般式(TS−II)に該当する化合物には、TII−1〜34が、前記一般式(TS−III)に該当する化合物には、TIII−1〜13が、前記一般式(TS−IV)に該当する化合物には、TIV−1〜6が、前記一般式(TS−V)に該当する化合物には、TV−1〜8が、参照番号として付されている。
Figure 2009067876
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前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物として好ましくは、前記一般式(TS−I)、(TS−II)又は(TS−V)のいずれかで表される化合物である。より好ましくは前記一般式(TS−I)又は(TS−II)で表される化合物である。特に好ましくは前記一般式(TS−II)で表される化合物である。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物が2種以上含まれる場合、同一の群から2種以上併用しても良いし(例えば、前記一般式(TS−II)で表される化合物を2種類使用する場合)、複数の群に亘って2種以上併用しても良い(例えば、前記一般式(TS−I)で表される化合物と前記一般式(TS−II)で表される化合物をそれぞれ1種類ずつ使用する場合)。好ましくは、複数の群に亘って2種以上併用する場合である。
続いて、前記一般式(UL)におけるL、x、y及びzについて説明する。
前記一般式(UL)中、x及びzは1以上の整数を表す。好ましくは1以上10以下であり、より好ましくは1以上5以下であり、さらに好ましくは1以上3以下であり、最も好ましくは1である。
xが2以上の場合、複数の紫外線吸収性残基Aは同じであっても良いし異なっていても良い。紫外線吸収性残基Aに相当するものは2種類以下であることが好ましく、1種類のみである場合が特に好ましい。
またzが2以上の場合、複数の残基Bは同じであっても良いし異なっていても良い。残基Bに相当するものは3種類以下であることが好ましく、2種類である場合がより好ましく、1種類である場合が特に好ましい。
前記一般式(UL)中、Lは連結基を表す。この連結基は、単結合、あるいは脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基、または窒素原子、硫黄原子、酸素原子などのヘテロ原子から選ばれる原子またはこれを含む原子団からなる。例えば2価の連結基の例としては、アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン、ナフチレン)、アルケニレン基(例えば、エテニレン、プロペニレン)、アルキニレン基(例えば、エチニレン、プロオピニレン)、アミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、アミノ基、ヘテロ環2価基(例えば、6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数1以上20以下の連結基を表す。また、これらの置換基は環(芳香族、また非芳香族の炭化水素環、またはヘテロ環)を含有しても良い。上記の連結基は、更に前述の1価の置換基Rの例を有しても良い。
Lは、紫外線吸収性残基Aおよび残基Bと任意の位置で連結しても良い。
前記一般式(UL)中、yは0以上の整数を表す。好ましくは0以上10以下であり、より好ましくは0以上5以下であり、さらに好ましくは0および1である。yが0の場合は、上述した原子団からなる連結基を介さずに紫外線吸収性残基Aと残基Bが結合していることを表す。また、yが2以上の場合、複数のLは同じであっても良いし異なっていても良い。
以下に、本発明の前記一般式(UL)で表される紫外線安定剤の具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2009067876
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Figure 2009067876
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本発明の前記一般式(UL)で表される紫外線安定剤の合成は、有機合成化学においてよく知られている種々の結合形成反応を利用して効率的に合成することができる。例えば、アミド結合形成反応、エステル結合形成反応、炭素−炭素結合形成反応、エーテル結合形成反応などが挙げられる。前記一般式(UL)で表される化合物の合成方法としては、例えば、紫外線吸収性残基A部分と残基B部分を最後に連結させる方法や、紫外線吸収性残基A部分の合成原料及び中間体に連結基Lおよび残基B部分を連結させてから紫外線吸収性残基Aを構築する方法、残基B部分の合成原料及び中間体に連結基Lおよび紫外線吸収性残基A部分を連結させてから残基B部分を構築する方法などいずれの方法でもよく、適宜選択して合成できる。これらの合成のための合成反応については、例えば、アール・シー・ラロック(R.C.Larock)著,「コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメイション−ア・ガイド・トゥー・ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ−(Comprehensive Organic Transformations -A Guide to Functional Group Preparations-)」(ブイ・シー・エッチ・パブリッシャーズ(VCH Publishers)社、ニューヨーク、1989年刊)など、多くの有機合成反応に関する成書を参考にすることができる。
本発明の紫外線安定剤は、いずれの形態のものであってもよい。例えば、液体分散物、溶液、高分子材料などが挙げられる。また、本発明の紫外線安定剤の他に、目的に応じてその他の成分として適宜任意の化合物を含有することができる。
本発明の紫外線安定剤は、分散媒体に分散された分散物の状態が好適である。以下、本発明の紫外線安定剤分散物について説明する。
本発明の紫外線安定剤を分散する媒体はいずれのものであってもよい。例えば、水、有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液などが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、組み合わせて使用してもよい。
本発明に用いられる分散媒体の有機溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタンなどの炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなどのエーテル系、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、メチルエチルケトンなどのケトン系、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン系、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸系、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン系、テトラヒドロフラン、ピリジンなどのヘテロ環系、などが挙げられる。これらを任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
本発明に用いられる分散媒体の樹脂としては、従来公知の各種成形体、シート、フィルム等の製造に従来から使用されている熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−ビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、液晶ポリエステル樹脂(LCP)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられ、これらは一種または二種以上のポリマーブレンドあるいはポリマーアロイとして使用される。また、これらの樹脂は、ナチュラル樹脂にガラス繊維、炭素繊維、半炭化繊維、セルロース系繊維、ガラスビーズ等のフィラーや難燃剤等を含有させた熱可塑性成形材料としても使用される。また、必要に応じて従来使用されている樹脂用の添加剤、例えば、ポリオレフィン系樹脂微粉末、ポリオレフィン系ワックス、エチレンビスアマイド系ワックス、金属石鹸等を単独であるいは組み合わせて使用することもできる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらはナチュラル樹脂のほかガラス繊維、炭素繊維、半炭化繊維、セルロース系繊維、ガラスビーズ等のフィラーや難燃剤を含有させた熱硬化性成形材料としても使用することができる。
本発明の紫外線安定剤分散物には、分散剤、泡防止剤、保存剤、凍結防止剤、界面活性剤などを合わせて用いることもできる。その他に任意の化合物を合わせて含んでいてもよい。例えば、染料、顔料、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定剤、香料、重合性化合物、ポリマー、無機物、金属などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤分散物を得るための装置として、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機などを使用できる。具体的には、コロイドミル、ホモジナイザー、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置などがある。本発明で使用するのに好ましい高速攪拌型分散機は、ディゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケデイーミル、ジェットアジターなど、分散作用する要部が液中で高速回転(500〜15,000rpm。好ましくは2,000〜4,000rpm)するタイプの分散機である。本発明で使用する高速攪拌型分散機は、ディゾルバーないしは高速インペラー分散機とも呼ばれ、特開昭55−129136号公報にも記載されているように、高速で回転する軸に鋸歯状のプレートを交互に上下方向に折り曲げたインペラーを着装して成るものも好ましい一例である。
疎水性化合物を含む乳化分散物を調製する際には、種々のプロセスに従うことができる。例えば、疎水性化合物を有機溶媒に溶解するときは、高沸点有機物質、水非混和性低沸点有機溶媒または水混和性有機溶媒の中から任意に選択された一種、又は二種以上の任意の複数成分混和物に溶解し、次いで界面活性化合物の存在化で、水中あるいは親水性コロイド水溶液中に分散せしめる。疎水性化合物を含む水不溶性相と水性相との混合方法としては、攪拌下に水性相中に水不溶性相を加えるいわゆる順混合法でも、その逆の逆混合法でもよい。
本発明の紫外線安定剤分散物中における前記紫外線安定剤の含有量は、使用目的と使用形態によって異なるため一義的に定めることはできないが、使用する目的に応じて任意の濃度であってよい。好ましくは紫外線安定剤分散物の全量に対して0.001〜50質量%であり、より好ましくは0.01〜20質量%である。
また、本発明の紫外線安定剤は、液体状の媒体に溶解された溶液の状態が好適である。以下、本発明の紫外線安定剤溶液について説明する。
本発明の紫外線安定剤を溶解する液体はいずれのものであってもよい。例えば、水、有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液などが挙げられる。有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液の例としては、上述の分散媒体として記載したものが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、組み合わせて使用してもよい。
本発明の紫外線安定剤の溶液は、その他に任意の化合物を合わせて含んでいてもよい。例えば、染料、顔料、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、光安定剤、香料、重合性化合物、ポリマー、無機物、金属などが挙げられる。本発明の紫外線安定剤以外は必ずしも溶解していなくてもよい。
本発明の紫外線安定剤溶液における前記紫外線安定剤の含有量は、使用目的と使用形態によって異なるため一義的に定めることはできないが、使用する目的に応じて任意の濃度であってよい。好ましくは溶液の全量に対して0.001〜30質量%であり、より好ましくは0.01〜10質量%である。あらかじめ高濃度で溶液を作製しておき、所望の時に希釈して使用することもできる。希釈溶媒としては上述の溶媒から任意に選択できる。
本発明の高分子材料の調製には、その高分子組成物が用いられる。本発明に用いられる高分子組成物は、後述する高分子物質に本発明の紫外線安定剤を添加してなる。
本発明の紫外線安定剤は、様々な方法で高分子物質に含有させることができる。本発明の紫外線安定剤が高分子物質との相溶性を有する場合は、本発明の紫外線安定剤を高分子物質に直接添加することができる。高分子物質との相溶性を有する補助溶媒に、本発明の紫外線安定剤を溶解し、その溶液を高分子物質に添加してもよい。本発明の紫外線安定剤を高沸点有機溶媒やポリマー中に分散し、その分散物を高分子物質に添加してもよい。
高沸点有機溶媒の沸点は、180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。高沸点有機溶媒の融点は、150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。高沸点有機溶媒の例には、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸エステル、炭酸エステル、アミド、エーテル、ハロゲン化炭化水素、アルコールおよびパラフィンが含まれる。リン酸エステル、ホスホン酸エステル、フタル酸エステル、安息香酸エステルおよび脂肪酸エステルが好ましい。
本発明の紫外線安定剤の添加方法については、特開昭58−209735号、同63−264748号、特開平4−191851号、同8−272058号の各公報および英国特許第2016017A号明細書を参考にできる。
本発明の紫外線安定剤溶液における前記紫外線安定剤の含有量は、使用目的と使用形態によって異なるため一義的に定めることはできないが、使用する目的に応じて任意の濃度であってよい。好ましくは高分子材料中0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜5質量%である。
また、本発明の紫外線安定剤は、高分子材料に好ましく用いられる。以下、本発明の高分子材料について説明する。
本発明に用いられる高分子物質について説明する。高分子物質としては、天然又は合成ポリマーもしくはコポリマーである。例えば以下のものが挙げられる。
<1> モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下において及び高められた温度において)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は他の活性化剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンであって、該金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用されることができる。該活性化剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は、通常、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
<2> 前記<1>項で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
<3> モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれの低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COC(Cyclo-Olefin Copolymer)のようなエチレン/ノルボルネン)、1−オレフィンが現場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)、ならびにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
<4> 水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
前記<1>ないし<4>項のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
<5> ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
<6> スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
<6a> エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はそのアクリル誘導体及び混合物から選択される上述された芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
<6b> 前記<6>項で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製され、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含む。
<6c> 前記<6a>項で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し得;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
<7> スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの前記<6>項に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、SAN、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
<8> ポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ボリフッ化ビニリデン、ならびに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコポリマー、のようなハロゲン含有ポリマー。
<9> α,β−不飽和酸及びから誘導されたポリマー、及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
<10> 前記<9>項で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
<11> 不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;ならびに前記<1>項で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
<12> ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
<13> ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレンのようなポリアセタール;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
<14> ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
<15> 一方はヒドロキシル基末端を有するポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、ならびにそれらの前駆体。
<16> ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
<17> ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
<18> ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。米国特許第5,807,932号明細書(2欄、53行)で定義されたようなポリエステル及びポリエステルコポリマーは、参照としてここに組込まれる。
<19> ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
<20> ポリケトン。
<21> ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
<22> 一成分としてのアルデヒドと他成分としてのフェノール、尿素及びメラミンとから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
<23> 乾性及び非乾性アルキド樹脂。
<24> 飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールと架橋剤としてのビニル化合物とから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、及び更に低燃性のそのハロゲン含有変性体。
<25> 置換アクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂。
<26> メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂を用いて架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
<27> 脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋エポキシ樹脂、例えば、促進剤を用いて又は用いずに、無水物又はアミンのような慣例の硬化剤で架橋されている、ビスフェノールA及びビスフェノールFのグリシジルエーテル生成物。
<28> 天然ポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチン及び化学的に変性されたそれらの同族列の誘導体、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート及びセルロースブチレート、又はセルロースエーテル、例えばメチルセルロース;並びにロジン及びそれらの誘導体。
<29> 上述のポリマーの配合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
<30> 純粋なモノマー状化合物又は前記化合物の混合物である天然及び合成有機材料、例えば鉱油、動物及び植物脂肪、油及びワックス、又は合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェート又はトリメリテート)をベースとする油、脂肪及びワックス、及び更に何れかの質量比の合成エステルと鉱油との混合物、代表的には繊維紡糸組成物として使用される混合物、並びに前記材料の水性エマルジョン。
<31> 天然又は合成ゴムの水性エマルジョン、例えば天然ラテックス又はカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーのラテックス。
<32> ポリシロキサン類、例えば、アメリカ合衆国特許第4259467号明細書に記載された軟質、親水性のポリシロキサン、及び、例えば、アメリカ合衆国特許第4355147号明細書に記載された硬質ポリオルガノシロキサン。
<33> 不飽和アクリルポリアセトアセテート樹脂と又は不飽和アクリル樹脂と組み合わせたポリケチミン。前記不飽和アクリル樹脂はウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ペンダント不飽和基を持つビニル若しくはアクリルコポリマー、及びアクリル化されたメラミンを包含する。前記ポリケチミンは、酸触媒の存在下で、ポリアミンとケトンから製造される。
<34> エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマー及び多不飽和脂肪族オリゴマーを含む輻射線硬化性組成物。
<35> LSE−4103[モンサント(Monsanto)社製]のようなエポキシ官能性の共エーテル化された高固形分メラミン樹脂により架橋された光安定化エポキシ樹脂のようなエポキシメラミン樹脂。
本発明に用いられる高分子物質は、合成ポリマーである場合が好ましく、ポリオレフィン、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースエステルがより好ましい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン)、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが特に好ましい。
本発明に用いられる高分子物質は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明の高分子材料は、上記の高分子物質および紫外線防止剤に加えて、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、加工安定剤、老化防止剤、相溶化剤等の任意の添加剤を適宜含有してもよい。
本発明の高分子材料は前記高分子物質を用いてなる。本発明の高分子材料は、前記高分子物質のみから形成されたものでもよく、また、前記高分子物質を任意の溶媒に溶解して形成されたものでもよい。
本発明の紫外線安定剤を含む高分子材料は、合成樹脂が使用される全ての用途に使用可能であるが、特に日光又は紫外線を含む光に晒される可能性のある用途に特に好適に使用できる。具体例としては、例えばガラス代替品とその表面コーティング材、住居、施設、輸送機器等の窓ガラス、採光ガラス及び光源保護ガラス用のコーティング材、住居、施設、輸送機器等のウインドウフィルム、住居、施設、輸送機器等の内外装材及び内外装用塗料および該塗料によって形成される塗膜、アルキド樹脂ラッカー塗料および該塗料によって形成される塗膜、アクリルラッカー塗料および該塗料によって形成される塗膜、蛍光灯、水銀灯等の紫外線を発する光源用部材、精密機械、電子電気機器用部材、各種ディスプレイから発生する電磁波等の遮断用材、食品、化学品、薬品等の容器又は包装材、ボトル、ボックス、ブリスター、カップ、特殊包装用、コンパクトディスクコート、農工業用シート又はフィルム材、印刷物、染色物、染顔料等の退色防止剤、ポリマー支持体用(例えば、機械および自動車部品のようなプラスチック製部品用)の保護膜、印刷物オーバーコート、インクジェット媒体被膜、積層艶消し、オプティカルライトフィルム、安全ガラス/フロントガラス中間層、エレクトロクロミック/フォトクロミック用途、オーバーラミネートフィルム、太陽熱制御膜、日焼け止めクリーム、シャンプー、リンス、整髪料等の化粧品、スポーツウェア、ストッキング、帽子等の衣料用繊維製品及び繊維、カーテン、絨毯、壁紙等の家庭用内装品、プラスチックレンズ、コンタクトレンズ、義眼等の医療用器具、光学フィルタ、バックライトディスプレーフィルム、プリズム、鏡、写真材料等の光学用品、金型膜、転写式ステッカー、落書き防止膜、テープ、インク等の文房具、標識、標示板、標示器等とその表面コーティング材等を挙げることができる。
本発明の高分子材料の形状としては、平膜状、粉状、球状粒子、破砕粒子、塊状連続体、繊維状、管状、中空糸状、粒状、板状、多孔質状などのいずれの形状であってもよい。
本発明においては、本発明の紫外線安定剤のみで実用的には十分な紫外線遮蔽効果が得られるものの、更に厳密を要求する場合には隠蔽力の強い白色顔料、例えば酸化チタンなどを併用してもよい。また、外観、色調が問題となる時、あるいは好みによって微量(0.05質量%以下)の着色剤を併用することができる。また、透明あるいは白色であることが重要である用途に対しては蛍光増白剤を併用してもよい。蛍光増白剤としては市販のものや特開2002−53824号公報記載の一般式[1]や具体的化合物例1〜35などが挙げられる。
本発明の高分子材料は、本発明の紫外線安定剤を含有しているため、優れた耐光性(紫外光堅牢性)を有しており、紫外線安定剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じることがない。また、本発明の高分子材料は、優れた長波紫外線吸収能を有するので、紫外線吸収フィルタや容器として用いることができ、紫外線に弱い化合物などを保護することもできる。例えば、前記高分子物質を押出成形又は射出成形などの任意の方法により成形することで、本発明の高分子材料からなる成形品(容器等)を得ることができる。また、別途作製した成形品に前記高分子物質の溶液を塗布・乾燥することで、本発明の高分子材料からなる紫外線吸収膜がコーティングされた成形品を得ることもできる。
本発明の高分子材料を紫外線吸収フィルタや紫外線吸収膜として用いる場合、高分子物質は透明であることが好ましい。透明高分子材料の例としては、セルロースエステル(例、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリメチルメタクリレート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリオキシエチレンなどが挙げられる。好ましくはセルロースエステル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル樹脂である。本発明の高分子材料は透明支持体として用いることもでき、透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
本発明の紫外線安定剤を含む包装材料について説明する。本発明の紫外線安定剤を含む包装材料は、前記一般式(UL)で表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子から成る包装材料であってもよい。例えば、特開平8-208765号公報に記載の熱可塑性樹脂、特開平8-151455号公報に記載のポリビニルアルコール、特開平8-245849号公報に記載のポリ塩化ビニル、特開平10-168292号公報、特開2004-285189号公報に記載のポリエステル、特開2001-323082号公報に記載の熱収縮性ポリエステル、特開平10-298397号公報に記載のスチレン系樹脂、特開平11-315175号公報、特開2001-26081号公報、特開2005-305745号公報に記載のポリオレフィン、特表2003-524019号公報に記載のROMPなどが挙げられる。例えば特開2004-50460号公報、特開2004-243674号公報に記載の無機物の蒸着薄膜層を有する樹脂であってもよい。例えば特開2006-240734号公報に記載の紫外線吸収剤を含む樹脂を塗布した紙であってもよい。
本発明の紫外線安定剤を含む包装材料は、食料品、飲料、薬剤、化粧品、個人ケア用品等いずれのものを包装するものであってもよい。例えば、特開平11-34261号公報、特開2003-237825号公報に記載の食品包装、特開平8-80928号公報に記載の着色液体包装、特開2004-51174号公報に記載の液状製剤用包装、特開平8-301363号公報、特開平11-276550号公報に記載の医薬品容器包装、特開2006-271781号公報に記載の医療品用滅菌包装、特開平7-287353号公報に記載の写真感光材料包装、特開2000-56433号公報に記載の写真フィルム包装、特開2005-178832号公報に記載の紫外線硬化型インク用包装、特開2003-200966号公報、特開2006-323339号公報に記載のシュリンクラベルなどが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む包装材料は、例えば特開2004-51174号公報に記載の透明包装体であってもよいし、例えば特開2006-224317号公報に記載の遮光性包装体であってもよい。
本発明の紫外線安定剤を含む包装材料は、例えば特開2001-26081号公報、特開2005-305745号公報に記載のように紫外線遮蔽性を有するだけでなく、他の性能を合わせて持っていても良い。例えば特開2002-160321号公報に記載のガスバリヤー性を合わせて有するものや、例えば特開2005-156220号公報に記載の酸素インジケータを内包するものや、例えば特開2005-146278号公報に記載の紫外線吸収剤と蛍光増白剤を組み合わせるものなどが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む包装材料は、いずれの方法を用いて製造してもよい。例えば特開2006-130807号公報に記載のインキ層を形成させる方法、例えば特開2001-323082号公報、特開2005-305745号公報に記載の紫外線吸収剤を含有した樹脂を溶融押出し積層する方法、例えば特開平9-142539号公報に記載の基材フィルム上にコーティングする方法、例えば特開平9-157626号公報に記載の接着剤に紫外線吸収剤を分散する方法などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む容器について説明する。本発明の紫外線安定剤を含む容器は、前記一般式(UL)で表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子から成る容器であってもよい。例えば、特開平8-324572号公報に記載の熱可塑性樹脂容器、特開2001-48153号公報、特開2005-105004号公報、特開2006-1568号公報に記載のポリエステル製容器、特開2000-238857号公報に記載のポリエチレンナフタレート製容器、特開2001-88815号公報に記載のポリエチレン製容器、特開平7-216152号公報に記載の環状オレフィン系樹脂組成物製容器、特開2001-270531号公報に記載のプラスチック容器、特開2004-83858号公報に記載の透明ポリアミド容器などが挙げられる。例えば特開2001-114262号公報、特開2001-213427号公報に記載の樹脂を含む紙容器であってもよい。例えば特開平7-242444号公報、特開平8-133787号公報、特開2005-320408号公報に記載の紫外線吸収層を有するガラス容器であってもよい。
本発明の紫外線安定剤を含む容器の用途は食料品、飲料、薬剤、化粧品、個人ケア用品、シャンプー等いずれのものを入れるものであってもよい。例えば特開平5-139434号公報に記載の液体燃料貯蔵容器、特開平7-289665号公報に記載のゴルフボール容器、特開平9-295664号公報、特開2003-237825号公報に記載の食品用容器、特開平9-58687号公報に記載の酒用容器、特開平8-155007号公報に記載の薬剤充填容器、特開平8-324572号公報、特開2006-298456号公報に記載の飲料容器、特開平9-86570号公報に記載の油性食品用容器、特開平9-113494号公報に記載の分析試薬用溶液容器、特開平9-239910号公報に記載の即席麺容器、特開平11-180474号公報、特開2002-68322号公報、特開2005-278678号公報に記載の耐光性化粧料容器、特開平11-276550号公報に記載の医薬品容器、特開平11-290420号公報に記載の高純度薬品液用容器、特開2001-106218号公報に記載の液剤用容器、特開2005-178832号公報に記載の紫外線硬化型インク用容器、WO04/93775号パンフレットに記載のプラスチックアンプルなどが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む容器は、例えば特開平5-305975号公報、特開平7-40954号公報に記載のように紫外線遮断性を有するだけでなく、他の性能を合わせて持っていてもよい。例えば特開平10-237312号公報に記載の抗菌性容器、特開2000-152974号公報に記載の可撓性容器、特開2002-264979号公報に記載のディスペンサー容器、例えば特開2005-255736号公報に記載の生分解性容器などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む容器はいずれの方法を用いて製造してもよい。例えば特開2002-370723号公報に記載の二層延伸ブロー成形による方法、特開2001-88815号公報に記載の多層共押出ブロー成形方法、特開平9-241407号公報に記載の容器の外側に紫外線吸収層を形成させる方法、特開平8-91385号公報、特開平9-48935号公報、特表平11-514387号公報、特開2000-66603号公報、特開2001-323082号公報、特開2005-105032号公報、WO99/29490号パンフレットに記載の収縮性フィルムを用いた方法、特開平11-255925号公報に記載の超臨界流体を用いる方法などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む塗料および塗膜について説明する。本発明の紫外線安定剤を含む塗料は、前記一般式(UL)で表わされる化合物を含むものであればいずれの成分からなる塗料であってもよい。例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アミノアルキッド樹脂系、エポキシ樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系などが挙げられる。これらの樹脂は主剤、硬化剤、希釈剤、レベリング剤、はじき防止剤などを任意に配合することができる。
例えば、透明樹脂成分としてアクリルウレタン樹脂、シリコンアクリル樹脂を選んだ場合には、硬化剤としてポリイソシアネートなどを、希釈剤としてトルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶剤、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系を用いることができる。また、ここでアクリルウレタン樹脂とは、メタクリル酸エステル(メチルが代表的)とヒドロキシエチルメタクリレート共重合体とポリイソシアネートと反応させて得られるアクリルウレタン樹脂をいう。なおこの場合のポリイソシアネートとはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。透明樹脂成分としては、他にも例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルスチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。更にこれら成分に加えアクリル樹脂、シリコーン樹脂などのレベリング剤、シリコーン系、アクリル系等のはじき防止剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明の紫外線安定剤を含む塗料の使用目的としてはいずれの用途であってもよい。例えば特開平7-26177号公報、特開平9-169950号公報、特開平9-221631号公報、特開2002-80788号公報に記載の紫外線遮蔽塗料、特開平10-88039号公報に記載の紫外線・近赤外線遮断塗料、特開2001-55541号公報に記載の電磁波遮蔽用塗料、特開平8-81643号公報に記載のクリアー塗料、特開2000-186234号公報に記載のメタリック塗料組成物、特開平7-166112号公報に記載のカチオン電着塗料、特開2002-294165号公報に記載の抗菌性および無鉛性カチオン電着塗料、特開2000-273362号公報、特開2001-279189号公報、特開2002-271227号公報に記載の粉体塗料、特開2001-9357号公報に記載の水性中塗り塗料、水性メタリック塗料、水性クリヤー塗料、特開2001-316630号公報に記載の自動車、建築物、土木系品に用いられる上塗り用塗料、特開2002-356655号公報に記載の硬化性塗料、特開2004-937号公報に記載の自動車バンパー等プラスチック材等に使用される塗膜形成組成物、特開2004-2700号公報に記載の金属板用塗料、特開2004-169182号公報に記載の硬化傾斜塗膜、特開2004-107700号公報に記載の電線用塗装材、特開平6-49368号公報に記載の自動車補修塗料、特開2002-38084号公報、特開2005-307161号公報に記載のアニオン電着塗料、特開平5-78606号公報、特開平5-185031号公報、特開平10-140089号公報、特表2000-509082号公報、特表2004-520284号公報、WO2006/097201号パンフレットに記載の自動車用塗料、特開平6-1945号公報に記載の塗装鋼板用塗料、特開平6-313148号公報に記載のステンレス用塗料、特開平7-3189号公報に記載のランプ用防虫塗料、特開平7-82454号公報に記載の紫外線硬化型塗料、特開平7-118576号公報に記載の抗菌性塗料、特開2004-217727号公報に記載の眼精疲労防止用塗料、特開2005-314495号公報に記載の防曇塗料、特開平10-298493号公報に記載の超耐候性塗料、特開平9-241534号公報に記載の傾斜塗料、特開2002-235028号公報に記載の光触媒塗料、特開2000-345109号公報に記載の可剥塗料、特開平6-346022号公報に記載のコンクリート剥離用塗料、特開2002-167545号公報に記載の防食塗料、特開平8-324576号公報に記載の保護塗料、特開平9-12924号公報に記載の撥水性保護塗料、特開平9-157581号公報に記載の板ガラス飛散防止用塗料、特開平9-59539号公報に記載のアルカリ可溶型保護塗料、特開2001-181558号公報に記載の水性一時保護塗料組成物、特開平10-183057号公報に記載の床用塗料、特開2001-115080号公報に記載のエマルション塗料、特開2001-262056号公報に記載の2液型水性塗料、特開平9-263729号公報に記載の1液性塗料、特開2001-288410号公報に記載のUV硬化性塗料、特開2002-69331号公報に記載の電子線硬化型塗料組成物、特開2002-80781号公報に記載の熱硬化性塗料組成物、特表2003-525325号公報に記載の焼付ラッカー用水性塗料、特開2004-162021号公報に記載の粉体塗料およびスラリー塗料、特開2006-233010号公報に記載の補修用塗料、特表平11-514689号公報に記載の粉体塗料水分散物、特開2001-59068号公報、特開2006-160847号公報に記載のプラスチック用塗料、特開2002-69331号公報に記載の電子線硬化型塗料などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む塗料は一般に塗料(透明樹脂成分を主成分として含む)および紫外線吸収剤から構成されるが、好ましくは樹脂を基準に考えて紫外線吸収剤0〜20質量%の組成である。塗布する際の厚さは、好ましくは2〜1000μmであるが、更に好ましくは5〜200μmの間である。これら塗料を塗布する方法は任意であるが、スプレー法、ディッピング法、ローラーコート法、フローコーター法、流し塗り法などがある。塗布後の乾燥は塗料成分によって異なるが概ね室温〜120℃で10〜90分程度行うことが好ましい。
本発明の紫外線安定剤を含む塗膜は、前記一般式(UL)で表わされる化合物からなる紫外線安定剤を含む塗膜であり、上記の本発明の紫外線安定剤を含む塗料を用いて形成された塗膜である。
本発明の紫外線安定剤を含むインクについて説明する。本発明の紫外線安定剤を含むインクは、前記一般式(UL)で表わされる化合物を含むものであればいずれの形態のインクであってもよい。例えば、染料インク、顔料インク、水性インク、油性インクなどが挙げられる。また、いずれの用途に用いられてもよい。例えば、特開平8-3502号公報に記載のスクリーン印刷インク、特表2006-521941号公報に記載のフレキソ印刷インク、特表2005-533915号公報に記載のグラビア印刷インク、特表平11-504954号公報に記載の平版オフセット印刷インク、特表2005-533915号公報に記載の凸版印刷インク、特開平5-254277号公報に記載のUVインク、特開2006-30596号公報に記載のEBインクなどが挙げられる。また例えば、特開平11-199808号公報、WO99/67337号パンフレット、特開2005-325150号公報、特開2005-350559号公報、特開2006-8811号公報、特表2006-514130号公報に記載のインクジェットインク、特開2006-257165号公報に記載のフォトクロミックインク、特開平8-108650号公報に記載の熱転写インク、特開2005-23111号公報に記載のマスキングインク、特開2004-75888号公報に記載の蛍光インク、特開平7-164729号公報に記載のセキュリティインク、特開2006-22300号公報に記載のDNAインクなども挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含むインクを用いることで得られるいずれの形態も本発明に含まれる。例えば特開2006-70190号公報に記載の印刷物、印刷物をラミネートして得られる積層体、積層体を用いた包装材料や容器、特開2002-127596号公報に記載のインク受理層などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む繊維について説明する。本発明の紫外線安定剤を含む繊維は、前記一般式(UL)で表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子から成る繊維であってもよい。例えば、特開平5-117508号公報、特開平7-119036号公報、特開平7-196631号公報、特開平8-188921号公報、特開平10-237760号公報、特開2000-54287号公報、特開2006-299428号公報、特開2006-299438号公報に記載のポリエステル繊維、特開2002-322360号公報、特開2006-265770号公報に記載のポリフェニレンサルファイド繊維、特開平7-76580号公報、特開2001-348785号公報、特開2003-41434号公報、特開2003-239136号公報に記載のポリアミド繊維、WO03/2661号パンフレットに記載のエポキシ繊維、特開平10-251981号公報に記載のアラミド繊維、特開平6-228816号公報に記載のポリウレタン繊維、特表2005-517822号公報に記載のセルロース繊維などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む繊維はいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平6-228818号公報に記載のように前記一般式(UL)で表わされる化合物をあらかじめ含んだ高分子を繊維状に加工してもよいし、例えば特開平5-9870号公報、特開平8-188921号公報、特開平10-1587号公報に記載のように繊維状に加工したものに対して前記一般式(UL)で表わされる化合物を含む溶液などを用いて処理をおこなってもよい。特開2002-212884号公報、特開2006-16710号公報に記載のように超臨界流体を用いて処理をおこなってもよい。
本発明の紫外線安定剤を含む繊維は各種用途に用いることができる。例えば、特開平5-148703号公報に記載の衣料、特開2004-285516号公報に記載の裏地、特開2004-285517号公報に記載の肌着、特開2003-339503号公報に記載の毛布、特開2004-11062号公報に記載の靴下、特開平11-302982号公報に記載の人工皮革、特開平7-289097号公報に記載の防虫メッシュシート、特開平10-1868号公報に記載の工事用メッシュシート、特開平5-256464号公報に記載のカーペット、特開平5-193037号公報に記載の透湿・防水性シート、特開平6-114991号公報に記載の不織布、特開平11-247028号公報に記載の極細繊維、特開2000-144583号公報に記載の繊維からなるシート状物、特開平5-148703号公報に記載の清涼衣料、特開平5-193037号公報に記載の透湿防水性シート、特開平7-18584号公報に記載の難燃性人工スエード状構造物、特開平8-41785号公報に記載の樹脂ターポリン、特開平8-193136号公報に記載の膜剤、外壁材剤、農業用ハウス、特開平8-269850号公報に記載の建築資材用ネット、メッシュ、特開平8-284063号公報に記載のフィルター基材、特開平9-57889号公報に記載の防汚膜剤、特開平9-137335号公報に記載のメッシュ織物、陸上ネット、特開平10-165045号公報に記載の水中ネット、特開平11-247027号公報、特開平11-247028号公報に記載の極細繊維、特開平7-310283号公報、特表2003-528974号公報に記載の防織繊維、特開2001-30861号公報に記載のエアバッグ用基布、特開平7-324283号公報、特開平8-20579号公報、特開2003-147617号公報に記載の紫外線吸収性繊維製品などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む建材について説明する。本発明の紫外線安定剤を含む建材は、前記一般式(UL)で表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子から成る建材であってもよい。例えば、特開平10-6451号公報に記載の塩化ビニル系、特開平10-16152号公報に記載のオレフィン系、特開2002-161158号公報に記載のポリエステル系、特開2003-49065号公報に記載のポリフェニレンエーテル系、特開2003-160724号公報に記載のポリカーボネート系などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む建材はいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平8-269850号公報に記載のように前記一般式(UL)で表わされる化合物を含む材料を用いて所望の形に形成してもよいし、例えば特開平10-205056号公報に記載のように前記一般式(UL)で表わされる化合物を含む材料を積層して形成してもよいし、例えば特開平8-151457号公報に記載のように前記一般式(UL)で表わされる化合物を用いた被覆層を形成させてもよいし、例えば特開2001-172531号公報に記載のように前記一般式(UL)で表わされる化合物を含有する塗料を塗装して形成してもよい。
本発明の紫外線安定剤を含む建材は各種用途に用いることができる。例えば、特開平7-3955号公報、特開平8-151457号公報、特開2006-266042号公報に記載の外装用建材、特開平8-197511号公報に記載の建材用木質構造体、特開平9-183159号公報に記載の建材用屋根材、特開平11-236734号公報に記載の抗菌性建築資材、特開平10-205056号公報に記載の建材用基材、特開平11-300880号公報に記載の防汚建材、特開2001-9811号公報に記載の難燃性材料、特開2001-172531号公報に記載の窯業系建材、特開2003-328523号公報に記載の装飾用建材、特開2002-226764号公報に記載の建材用塗装物品、特開平10-6451号公報、特開平10-16152号公報、特開2006-306020号公報に記載の化粧材、特開平8-269850号公報に記載の建築資材用ネット、特開平9-277414号公報に記載の建材用透湿防水シート、特開平10-1868号公報に記載の建築工事用メッシュシート、特開平7-269016号公報に記載の建材用フィルム、特開2003-211538号公報に記載の表装用フィルム、特開平9-239921号公報、特開平9-254345号公報、特開平10-44352号公報に記載の建材用被覆材料、特開平8-73825号公報に記載の建材用接着剤組成物、特開平8-207218号公報に記載の土木建築構造物、特開2003-82608号公報に記載の歩行路用塗装材、特開2001-139700号公報に記載のシート状光硬化性樹脂、特開平5-253559号公報に記載の木材用保護塗装、特開2005-2941780号公報に記載の押釦スイッチ用カバー、特開平9-183159号公報に記載の接合シート剤、特開平10-44352号公報に記載の建材用基材、特開2000-226778号公報に記載の壁紙、特開2003-211538号公報に記載の表装用ポリエステルフィルム、特開2003-211606号公報に記載の成形部材表装用ポリエステルフィルム、特開2004-3191号公報に記載の床材などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む記録媒体について説明する。本発明の紫外線安定剤を含む記録媒体は、前記一般式(UL)で表わされる化合物を含むものであればいずれのものであってもよい。例えば、特開平9-309260号公報、特開2002-178625号公報、特開2002-212237号公報、特開2003-266926号公報、特開2003-266927号公報、特開2004-181813号公報に記載のインクジェット被記録媒体、特開平8-108650熱転写インク用受像媒体、特開平10-203033号公報に記載の昇華転写用受像シート、特開2001-249430号公報に記載の画像記録媒体、特開平8-258415号公報に記載の感熱記録媒体、特開平9-95055号公報、特開2003-145949号公報、特開2006-167996号公報に記載の可逆性感熱記録媒体、特開2002-367227号公報に記載の光情報記録媒体などが挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む画像表示装置について説明する。本発明の紫外線安定剤を含む画像表示装置は前記一般式(UL)で表わされる化合物を含むものであればいずれのものであってもよい。例えば、特開2006-301268号公報に記載のエレクトロクロミック素子を用いた画像表示装置、特開2006-293155号公報に記載のいわゆる電子ペーパーと呼ばれる画像表示装置、特開平9-306344号公報に記載のプラズマディスプレー、特開2000-223271号公報に記載の有機EL素子を用いた画像表示装置などが挙げられる。本発明の紫外線安定剤は、例えば特開2000-223271号公報に記載の積層構造中に紫外線吸収層を形成させるものでもよいし、例えば特開2005-189645号公報に記載の円偏光板など必要な部材中に紫外線吸収剤を含むものを用いてもよい。
本発明の紫外線安定剤を含む太陽電池用カバーについて説明する。本発明における適用する太陽電池は、結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、色素増感太陽電池などいずれの形式の素子からなる太陽電池であってもよい。結晶シリコン太陽電池やアモルファスシリコン太陽電池において、特開2000-174296号公報に記載のように防汚や耐衝撃性、耐久性を付与する保護部材としてカバー材が用いられている。また色素増感太陽電池において、特開2006-282970号公報に記載のように光(特に紫外線)に励起されて活性となる金属酸化物系半導体を電極材料として用いるため、光増感剤として吸着させた色素が劣化し、光発電効率が徐々に低下する問題があり、紫外線吸収層を設けることが提案されている。
本発明の紫外線安定剤を含む太陽電池用カバーはいずれの種類の高分子から成るものであってもよい。例えば特開2006-310461号公報に記載のポリエステル、特開2006-257144号公報に記載の熱硬化性透明樹脂、特開2006-210906号公報に記載のα−オレフィンポリマー、特開2003-168814号公報に記載のポリプロピレン、特開2005-129713号公報に記載のポリエーテルサルホン、特開2004-227843号公報に記載のアクリル樹脂、特開2004-168057号公報に記載の透明フッ素系樹脂等が挙げられる。
本発明の紫外線安定剤を含む太陽電池用カバーはいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平11-40833号公報に記載の紫外線吸収層を形成してもよいし、特開2005-129926号公報に記載のそれぞれ紫外線吸収剤を含む層を積層してもよいし、特開2000-91611号公報に記載の充填材層の樹脂に含まれていてもよいし、特開2005-346999号公報に記載の紫外線吸収剤を含む高分子からフィルムを形成してもよい。
本発明の紫外線安定剤を含む太陽電池用カバーはいずれの形状であってもよい。特開2000-91610号公報、特開平11-261085号公報に記載のフィルム、シート、例えば特開平11-40833号公報に記載の積層フィルム、特開平11-214736号公報に記載のカバーガラス構造などが挙げられる。特開2001-261904号公報に記載の封止材に紫外線吸収剤を含むものであってもよい。
また、その他使用例としては特開平8-102296号公報、特開2000-67629号公報、特開2005-353554号公報に記載の照明装置用光源カバー、特開平5-272076号公報、特開2003-239181号公報に記載の人工皮革、特開2006-63162号公報に記載のスポーツゴーグル、特開2007-93649号公報に記載の偏向レンズ、特開2001-214121号公報、特開2001-214122号公報、特開2001-315263号公報、特開2003-206422号公報、特開2003-25478号公報、特開2004-137457号公報、特開2005-132999号公報に記載の各種プラスチック製品向けハードコート、特開2002-36441号公報に記載の窓外側貼り付け用ハードコート、特開平10-250004号公報に記載の窓張りフィルム、特開2002-36452号公報に記載の高精細防眩性ハードコートフィルム、特開2003-39607号公報に記載の帯電防止性ハードコートフィルム、特開2004-114355号公報に記載の透過性ハードコートフィルム、特開2002-113937号公報に記載の偽造防止帳表、特開2002-293706号公報に記載の芝の紫斑防止剤、特開2006-274179号公報に記載の樹脂フィルムシート接合用シール剤、特開2005-326761号公報に記載の導光体、特開2006-335855号公報に記載のゴム用コーティング剤、特開平10-34841号公報、特開2002-114879号公報に記載の農業用被覆材、特表2004-532306号公報、特表2004-530024号公報に記載の染色ろうそく、特表2004-525273号公報に記載の布地リンス剤組成物、特開平10-194796号公報に記載の合わせガラス、特開平10-287804号公報に記載のプリズムシート、特開2000-71626号公報に記載の保護層転写シート、特開2001-139700号公報に記載の光硬化性樹脂製品、特開2001-159228号公報に記載の床用シート、特開2002-127310号公報に記載の水滴付着防止性及び熱線遮断性を有するガラス板、特開2002-189415号公報に記載の遮光性印刷ラベル、特開2002-130591号公報に記載の給油カップ、特開2002-307619号公報に記載の硬質塗膜塗工物品、特開2002-307845号公報に記載の中間転写記録媒体、特開2006-316395号公報に記載の人工毛髪、WO99/29490号パンフレット、特開2004-352847号公報に記載のラベル用低温熱収縮性フィルム、特開2000-224942号公報に記載の釣り用品、特開平8-208976号公報に記載のマイクロビーズ、特開平8-318592号公報に記載のプレコート金属板、特開2005-504735号公報に記載の薄肉フィルム、特開2005-105032号公報に記載の熱収縮性フィルム、特開2005-37642号公報に記載のインモールド成形用ラベル、特開2005-55615号公報に記載の投影スクリーン、特開平9-300537号公報、特開2000-25180号公報、特開2003-19776号公報、特開2005-74735号公報に記載の化粧シート、特開2001-207144号公報に記載のホットメルト接着剤、特表2002-543265号公報、特表2002-543266号公報、米国特許第6225384号明細書に記載の接着剤、特開2004-352783号公報に記載の電着コート、ベースコート、特開平7-268253号公報に記載の木材表面保護、特開2003-253265号公報、特開2005-105131号公報、特開2005-300962号公報、特許第3915339号公報に記載の調光材料、調光フィルム、調光ガラス、特開2005-304340号公報に記載の防蛾灯、特開2005-44154号公報に記載のタッチパネル、特開2006-274197号公報に記載の樹脂フィルムシート接合用シール剤、特開2006-89697号公報に記載のポリカーボネートフィルム被覆、特開2000-231044号公報に記載の光ファイバテープ、特表2002-527559号公報に記載の固形ワックスなどが挙げられる。
次に、高分子材料の耐光性を評価する方法について説明する。高分子材料の耐光性を評価する方法として、「高分子の光安定化技術」(株式会社シーエムシー,2000年)85ページ〜107ページ、「高機能塗料の基礎と物性」(株式会社シーエムシー,2003年)314ページ〜359ページ、「高分子材料と複合材製品の耐久性」(株式会社シーエムシー,2005年)、「高分子材料の長寿命化と環境対策」(株式会社シーエムシー,2000年)、H.Zweifel編「Plastics Additives Handbook 5th Edition」(Hanser Publishers)238ページ〜244ページ、葛良忠彦著「基礎講座2 プラスチック包装容器の科学」(日本包装学会,2003年)第8章などの記載を参考にできる。
また各々の用途に対する評価としては下記の既知評価法により達成できる。
高分子材料の光による劣化は、JIS-K7105:1981、JIS-K7101:1981、JIS-K7102:1981、JIS-K7219:1998、JIS-K7350-1:1995、JIS-K7350-2:1995、JIS-K7350-3:1996、JIS-K7350-4:1996の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。
包装・容器用途として用いられる場合の耐光性は、JIS-K7105の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。その具体例としては、特開2006-298456号公報に記載のボトル胴体の光線透過率、透明性評価、キセノン光源を用いた紫外線暴露後のボトル中身の官能試験評価、特開2000-238857号公報に記載のキセノンランプ照射後のヘーズ値評価、特開2006-224317号公報に記載のハロゲンランプ光源としたヘイズ値評価、特開2006-240734号公報に記載の水銀灯暴露後のブルーウールスケールを用いた黄変度評価、特開2005-105004号公報、特開2006-1568号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いたヘーズ値評価、着色性目視評価、特開平7-40954号公報、特開平8-151455号公報、特開平10-168292号公報、特開2001-323082号公報、特開2005-146278号公報に記載の紫外線透過率評価、特開平9-48935号公報、特開平9-142539号公報に記載の紫外線遮断率評価、特開平9-241407号公報、特開2004-243674号公報、特開2005-320408号公報、特開2005-305745号公報、特開2005-156220号公報に記載の光線透過率評価、特開2005-178832号公報に記載のインク容器内インキの粘度評価、特開2005-278678号公報に記載の光線透過率評価、日光暴露後の容器内サンプル目視、色差ΔE評価、特開2004-51174号公報に記載の白色蛍光灯照射後の紫外線透過率評価、光透過率評価、色差評価、特開2004-285189号公報に記載の光線透過率評価、ヘーズ値評価、色調評価、特開2003-237825号公報に記載の黄色度評価、特開2003-20966号公報に記載の遮光性評価、L*a*b*表色系色差式を用いた白色度評価、特開2002-68322号公報に記載のキセノン光を分光した後の波長ごとの暴露後サンプルにおける色差ΔEa*b*を用いた黄ばみ評価、特開2001-26081号公報に記載の紫外線暴露後、紫外線吸収率評価、特開平10-298397号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後のフィルム引っ張り伸び評価、特開平10-237312号公報に記載のキセノンウェザーメーター暴露後の抗菌性評価、特開平9-239910号公報に記載の蛍光灯照射後の包装内容物褪色性評価、特開平9-86570号公報に記載のサラダ油充填ボトルに対する蛍光灯暴露後の油の過酸化物価評価、色調評価、特開平8-301363号公報に記載のケミカルランプ照射後の吸光度差評価、特開平8-208765号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後の表面光沢度保持率、外観評価、特開平7-216152号公報に記載のサンシャインウェザロメーターを用いた暴露後の色差、曲げ強度評価、特開平5-139434号公報に記載の遮光比評価、灯油中の過酸化物生成量評価などがあげられる。
塗料・塗膜用途として用いられる場合の長期耐久性は、JIS-K5400、JIS-K5600-7-5:1999、JIS-K5600-7-6:2002、JIS-K5600-7-7:1999、JIS-K5600-7-8:1999、JIS-K8741の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。その具体例としては、特表2000-509082号公報に記載のキセノン耐光試験機およびUVCON装置による暴露後の色濃度およびCIE L*a*b*色座標における色差ΔEa*b*、残留光沢を用いた評価、特表2004-520284号公報に記載の石英スライド上フィルムに対するキセノンアーク耐光試験機を用いた暴露後の吸光度評価、ロウにおける蛍光灯、UVランプ暴露後の色濃度およびCIE L*a*b*色座標における色差ΔEa*b*を用いた評価、特開2006-160847号公報に記載のメタルウェザー耐候性試験機を用いた暴露後の色相評価、特開2005-307161号公報に記載のメタルハイドランプを用いた暴露試験後の光沢保持率評価および色差ΔEa*b*を用いた評価、サンシャインカーボンアーク光源を用いた暴露後光沢感の評価、特開2002-69331号公報に記載のメタルウェザー耐候性試験機を用いた暴露後の色差ΔEa*b*を用いた評価、光沢保持率、外観評価、特開2002-38084号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率評価、特開2001-59068号公報に記載のQUV耐候性試験機を用いた暴露後の色差ΔEa*b*を用いた評価、光沢保持率評価、特開2001-115080号公報、特開平6-49368号公報、特開2001-262056号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後光沢保持率評価、特開平8-324576号公報、特開平9-12924号公報、特開平9-169950号公報、特開平9-241534号公報、特開2001-181558号公報に記載の塗装板に対するサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の外観評価、特開2000-186234号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率、明度値変化評価、特開平10-298493号公報に記載の塗膜に対するデューサイクルWOM暴露後の塗膜劣化状態の外観評価、特開平7-26177号公報に記載の塗膜の紫外線透過率評価、特開平7-3189号公報、特開平9-263729号公報に記載の塗膜の紫外線遮断率評価、特開平6-1945号公報に記載のサンシャインウェザーオーメーターを用いた塗膜の光沢保持率80%となる時間比較評価、特開平6-313148号公報に記載のデューパネル光コントロールウェザーメーターを用いた暴露後の錆発生評価、特開平6-346022号公報に記載の屋外暴露後の塗装済み型枠に対するコンクリートの強度評価、特開平5-185031号公報に記載の屋外暴露後の色差ΔEa*b*を用いた評価、碁盤目密着評価、表面外観評価、特開平5-78606号公報に記載の屋外暴露後の光沢保持率評価、特開2006-63162号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の黄変度(ΔYI)評価等があげられる。
インク用途として用いられる場合の耐光性は、JIS-K5701-1:2000、JIS-K7360-2、ISO105-B02の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には特表2006-514130号公報に記載の事務所用蛍光灯、褪色試験機を用いた暴露後の色濃度およびCIE L*a*b*色座標の測定による評価、特開2006-22300号公報に記載のキセノンアーク光源を用いた紫外線暴露後の電気泳動評価、特開2006-8811号公報に記載のキセノンフェードメーターによる印刷物の濃度評価、特開2005-23111号公報に記載の100Wケミカルランプを用いたインク抜け性評価、特開2005-325150号公報に記載のウェザーメーターによる画像形成部位の色素残存率評価、特開2002-127596号公報に記載のアイスーパーUVテスターを用いた印刷物のチョーキング評価、および変色評価、特開平11-199808号公報、特開平8-108650号公報に記載のキセノンフェードメーター暴露後の印刷物についてCIE L*a*b*色座標における色差ΔEa*b*を用いた評価、特開平7-164729号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の反射率評価などが挙げられる。
太陽電池モジュールの耐光性は、JIS-C8917:1998、JIS-C8938:1995の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006-282970号公報に記載のキセノンランプに太陽光シミュレーション用補正フィルタを装着した光源による暴露後のI-V測定光発電効率評価、特開平11-261085号公報、特開2000-144583号公報に記載のサンシャインウェザーメーター、フェードメータを用いた暴露後の変褪色グレースケール等級評価、色、外観密着性評価などがあげられる。
繊維および繊維製品の耐光性は、JIS-L1096:1999、JIS-A5905:2003、JIS-L0842、JIS-K6730、JIS-K7107、DIN75.202、SAEJ1885、SN-ISO-105-B02、AS/NZS4399の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。特開平10-1587号公報、特開2006-299428号公報、特開2006-299438号公報に記載の紫外線透過率評価、特開平6-228816号公報、特開平7-76580号公報、特開平8-188921号公報、特開平11-247028号公報、特開平11-247027号公報、特開2000-144583号公報、特開2002-322360号公報、特開2003-339503号公報、特開2004-11062号公報に記載のキセノン光源、カーボンアーク光源を用いた暴露後のブルースケール変褪色評価、特開2003-147617号公報に記載のUVカット率評価、特開2003-41434号公報に記載の紫外線遮断性評価、特開平11-302982号公報に記載のドライクリーニング後のカーボンアーク光源を用いた暴露後ブルースケール変褪色評価、特開平7-119036号公報、特開平10-251981号公報に記載のフェードオメーターを用いた暴露後の明度指数、クロマティクネス指数に基づく色差ΔE*評価、特開平9-57889号公報、特開平9-137335号公報、特開平10-1868号公報、特開平10-237760号公報に記載のUVテスター、サンシャインウェザーメーターを用いた暴露後の引っ張り強度評価、特開平8-41785号公報、特開平8-193136号公報に記載の全透過率評価、強力保持率評価、特表2003-528974号公報、特表2005-517822号公報、特開平8-20579号公報に記載の紫外線保護係数(UPF)評価、特開平6-228818号公報、特開平7-324283号公報、特開平7-196631号公報、特開平7-18584号公報に記載の高温フェードメーターを用いた暴露後の変褪色グレースケール評価、特開平7-289097号公報に記載の屋外暴露後の外観評価、特開平7-289665号公報に記載の紫外線暴露後の黄色度(YI)、黄変度(ΔYI)評価、特表2003-528974号公報に記載の規約反射率評価等があげられる。
建材の耐光性は、JIS-A1415:1999の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006-266402号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の表面色調評価、特開2004-3191号公報、特開2006-306020号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の外観評価、アイスーパーUVテスターを用いた暴露後の外観評価、暴露後の吸光度評価、暴露後の色度、色差評価、メタルハイドランプ光源を用いた暴露後のCIE L*a*b*色座標における色差ΔEa*b*を用いた評価、光沢保持率評価、特開平10-44352号公報、特開2003-211538号公報、特開平9-239921号公報、特開平9-254345号公報、特開2003-211606号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後のヘーズ値変化評価、暴露後の引張試験機を用いた伸度保持率評価、特開2002-161158号公報に記載の溶媒浸漬後の紫外線透過率評価、アイスーパーUVテスターを用いた暴露後の外観目視評価、特開2002-226764号公報に記載のQUV試験後の光沢率変化評価、特開2001-172531号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率評価、特開平11-300880号公報に記載のブラックライトブルー蛍光灯を用いた紫外線暴露後の色差ΔEa*b*を用いた評価、特開平10-205056号公報に記載のコーブコン促進試験機を用いた暴露後の密着保持率評価、紫外線遮断性評価、特開平8-207218号公報、特開平9-183159号公報に記載の屋外暴露(JIS-A1410)後の外観評価、全光透過率評価、ヘイズ変化評価、引張せん断接着強さ評価、特開平8-151457号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露後の全光線透過率評価、ヘイズ評価、黄変度評価、特開平7-3955号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の黄変度(ΔYI)、紫外線吸収剤残存率評価等が挙げられる。
記録媒体用途として用いられる場合の耐光性はJIS-K7350の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006-167996号公報に記載の蛍光灯照射後の印字部位における地肌色差変化評価、特開平10-203033号公報、特開2004-181813号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露による画像濃度残存率評価、特開2002-207845号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露による光学反射濃度変化評価、特開2003-266926号公報に記載のサンテストCPS光褪色試験機を用いた暴露後のL*a*b*評価形による黄変度評価、特開2003-145949号公報に記載のフェードメーターを用いた暴露後の褪色評価、特開2002-212237号公報に記載のキセノンフェードメーターを用いた暴露後の褪色目視評価、特開2002-178625号公報に記載の室内太陽光暴露後の色濃度保持率評価、キセノンウェザーメーターを用いた暴露後の色濃度保持率評価、特開2002-367227号公報に記載のフェードメーターを用いた暴露後のC/N評価、特開2001-249430号公報に記載の蛍光灯暴露後のかぶり濃度評価、特開平9-95055号公報に記載の蛍光灯を用いた暴露後の光学反射濃度評価、消去性評価、特開平9-309260号公報に記載のアトラスフェードメーターを用いた暴露後の色差ΔE*評価、特開平8-258415号公報に記載のカーボンアークフェードメーターを用いた暴露後の褪色目視評価、特開2000-223271号公報に記載の有機EL素子色変換特性保持率評価、特開2005-189645号公報に記載のキセノン褪色試験機による暴露後の有機ELディスプレイ輝度測定評価などが挙げられる。
その他の評価法としてはJIS-K7103、ISO/DIS9050の方法およびこれを参考とした方法によって評価できる。具体的には、特開2006-89697号公報に記載のポリカーボネート被覆フィルムのUVテスターによる暴露後の外観評価、特開2006-316395号公報に記載の人工毛髪における紫外線暴露後のブルースケール評価、特開2006-335855号公報に記載の促進耐候性試験機を用いた暴露後の評価用処理布水接触角評価、特開2005-55615号公報に記載の耐候試験機を用いた暴露後の投影スクリーンに映し出された映像目視評価、特開2005-74735号公報に記載のサンシャインウェザーメーター、メタルウェザーメーターを用いた暴露後の試験体表面劣化、意匠性変化目視評価、特開2005-326761号公報に記載の金属ランプリフレクターを用いた点灯暴露後の外観目視評価、特開2002-189415号公報、特開2004-352847号公報に記載のボトル用ラベルの光線透過率評価、特開2003-19776号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた湿度条件下、暴露後のポリプロピレン劣化評価、特開2002-36441号公報、特開2003-25478号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いたハードコートフィルムの劣化評価、基材の劣化評価、親水性評価、耐擦傷性評価、特開2003-239181号公報に記載のキセノンランプ光源を用いた暴露後の人工皮革のグレースケール色差評価、特開2003-253265号公報に記載の水銀灯を用いた暴露後の液晶デバイス特性評価、特開2002-307619号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の密着性評価、特開2002-293706号公報に記載の芝の紫斑度合い評価、特開2002-114879号公報に記載のキセノンアーク光源を用いた暴露後紫外線透過率評価、引張強度評価、特開2001-139700号公報に記載のコンクリート密着速度評価、特開2001-315263号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後外観評価、および塗膜密着性評価、特開2001-214121号公報、特開2001-214122号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の黄変度、密着性評価、特開2001-207144号公報に記載の紫外線フェードメーターを用いた接着性能評価、特開2000-67629号公報に記載の照明点灯時における昆虫類飛来抑制評価、特開平10-194796号公報に記載のアイスーパーUVテスターを用いた合わせガラスの黄変度(ΔYI)評価、特開平8-318592号公報に記載のQUV照射、耐湿テストを行った後の表面外観評価、光沢保持率評価、特開平8-208976号公報に記載のデューパネル光コントロールウェザーメーターを用いた経時色差評価、特開平7-268253号公報に記載のキセノンウェザロメーターを用いた暴露後の木材基材塗布状態における光沢度(DI)、黄色度指数(YI)評価、特表2002-5443265号公報、特表2002-543266号公報に記載の紫外線照射、暗闇を繰り返した後の紫外線吸収率評価、特表2004-532306号公報に記載の紫外線暴露後の染料褪色色差ΔE評価等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(例示化合物(UL−2)の調製)
下記化合物(a)3.1gと下記化合物(b)2.0gとをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)30mlに溶解し、これに1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド1.6gを添加した。室温で10時間反応させた後、単離・精製して例示化合物(UL−2)を2.8g得た。収率57%。m/z=492。
Figure 2009067876
得られた例示化合物(UL−2)2mgを酢酸エチル100mlに溶解し、試料溶液を調製した。
(例示化合物(UL−10)の調製)
例示化合物(UL−2)の調製において、前記の化合物(a)及び(b)をそれぞれ下記化合物(c)及び(d)に変更したこと以外は同様にして例示化合物(UL−10)を調製した。収率74%。m/z=492。
Figure 2009067876
得られた例示化合物(UL−10)2mgを酢酸エチル100mlに溶解し、試料溶液を調製した。
(例示化合物(UL−19)の調製)
下記化合物(e)4.5gと前記化合物(d)4.3gとをDMF 50mlに溶解し、これに1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド3.2gを添加した。室温で10時間反応させた後、単離・精製して例示化合物(UL−19)を4.1g得た。収率48%。m/z=846。
Figure 2009067876
得られた例示化合物(UL−19)2mgを酢酸エチル100mlに溶解し、試料溶液を調製した。
(吸収スペクトルの測定)
以下の方法により、各試料溶液の吸収スペクトルを測定した。
各試料溶液に、キセノンランプで照度17万ルクスになるように光照射し、48時間照射後の紫外線安定剤の残存量をそれぞれ測定した。残存率は次式に従い計算した。
残存率(%)=100×(100−照射後の透過率)/(100−照射前の透過率)
ここで、透過率は、島津製作所製分光光度計UV−3600(商品名)を用いて380nmで測定した。結果を表4に示す。
Figure 2009067876
表4の結果から明らかなように、本発明の紫外線安定剤はいずれも残存率が高く、長期間にわたって長波紫外線吸収能を維持できることがわかった。
実施例2
直径2mm、高さ2mmの円筒状アルミニウム皿に例示化合物(UL−2)、(UL−10)又は(UL−19)をそれぞれ3mg量り取り、280℃オーブン中で30分放置して加熱した後、室温に放冷した。加熱前後の質量変化から、加熱による質量減少率を調べた。質量減少率は次の式で求めた。
質量減少率(%)=(加熱前の質量−加熱後の質量)/(加熱前の質量)×100
一方、比較として、例示化合物を構成する紫外線吸収性残基Aおよび残基Bに水素原子またはメチル基を結合させた化合物をそれぞれ紫外線吸収性残基Aおよび残基Bの存在比率と同じ比率で混合して、含まれる紫外線吸収性残基Aおよび残基Bは同じであるが互いに結合していない比較混合物(UL−2−M)、(UL−10−M)および(UL−19−M)を調製した。用いた化合物および混合比について下記表5に示す。
調製した比較混合物についてそれぞれ、上記と同様にして質量減少率を調べた。
それぞれの結果を表6に示す。
Figure 2009067876
Figure 2009067876
表6の結果から明らかなように、比較例では質量減少が顕著であったのに対し、本発明の前記一般式(UL)で表される紫外線安定剤では質量減少が少なかった。このことから、本発明の前記一般式(UL)で表される紫外線安定剤は、それを構成する紫外線吸収性残基をそれぞれ混合して用いた場合と比較して、加熱時の昇華や揮発が少ないことがわかった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(UL)で表される紫外線安定剤。
    Figure 2009067876
    [一般式(UL)中、Aは、紫外線吸収性残基を表す。但し、Aのうち少なくとも1つが、下記一般式(1)、(2)又は(B−I)のいずれかで表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる紫外線吸収性残基である。
    Bは、下記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる残基を表す。
    Lは連結基を表す。x及びzは1以上の整数を表し、yは0以上の整数を表す。]
    Figure 2009067876
    〔一般式(1)中、Ra1及びRa2は、互いに独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Ra1とRa2とは互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。Ra3及びRa4は、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。Ra3とRa4とは互いに結合して環を形成してもよい。Ra5、Ra6及びRa7は、水素原子または1価の置換基を表す。Ra1、Ra5、Ra6及びRa7のうち任意の2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。〕
    Figure 2009067876
    〔一般式(2)中、A1は炭素原子以外の2価以上の非金属原子を表す。R及びR1は互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。また、R及びR1は互いに結合して環を形成していても良く、これがさらに縮環していてもよい。Y1及びY2は互いに独立して1価の置換基を表す。ただし、Y1又はY2の少なくとも一方は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。また、Y1及びY2は、互いに結合して環を形成しても良い。〕
    Figure 2009067876
    〔一般式(B−I)中、RB1、RB2、RB3及びRB4は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。RB5及びRB6は、互いに独立して水素原子または1価の置換基を表す。XB1、XB2、XB3及びXB4は、互いに独立してヘテロ原子を表す。〕
    Figure 2009067876
    〔一般式(TS−I)中、R91は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ホスフィノトリル基、ホスフィニル基、又は−Si(R97)(R98)(R99)を表す。ここで、R97、R98、R99は同一でも異なってもいてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基、アリールオキシ基を表す。−X91−は−O−、−S−又は−N(−R100)−を表す。ここで、R100はR91と同義である。R92、R93、R94、R95、R96は互いに同一でも異なってもよく、それぞれ、水素原子又は置換基を表す。R91とR92、R100とR96、R91とR100は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。さらに、R92とR93、R93とR94が互いに結合して、5〜7員環又はスピロ環、ビシクロ環を形成してもよい。但し、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R100のすべてが水素原子であることはなく、総炭素数は10以上である。
    一般式(TS−II)中、R101、R102、R103、R104は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基を表し、R101とR102、R103とR104は結合し、5〜7員環を形成してもよい。X101は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルもしくはアルケニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。X102は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
    一般式(TS−III)中、R105、R106は水素原子、脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基を表し、R107は脂肪族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、アシルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、置換アミノ基、複素環基、ヒドロキシ基を表し、可能な場合にはR105とR106、R106とR107、R105とR107は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよいが、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を形成する場合を除く。但し、R105、R106の両方が水素原子であることはなく、総炭素数は7以上である。
    一般式(TS−IV)中、R111、R112は脂肪族基を表し、R111とR112は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよい。nは0、1、2を表す。但し、R111とR112の総炭素数は10以上である。
    一般式(TS−V)中、R121、R122は脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、R123は脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、mは0又は1を表す。R121とR122、R121とR123は互いに結合し、5〜8員環を形成してもよい。但し、R121、R122、R123の総炭素数は10以上である。〕
  2. 前記一般式(2)で表される化合物が下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1記載の紫外線安定剤。
    Figure 2009067876
    (式中、A41及びA42は炭素原子以外の2価以上の非金属原子を表す。Y41及びY42はそれぞれ独立して1価の置換基を表す。ただし、Y41又はY42の少なくとも一方は、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の置換基を表す。また、Y41及びY42は、互いに結合して環を形成しても良い。V41、V42、V43及びV44はそれぞれ独立して水素原子または1価の置換基を表す。V41〜V44は任意の場所で炭素原子とともに環を形成してもよく、これがさらに縮環していてもよい。)
  3. 前記Bのうち少なくとも1つが前記一般式(TS−II)で表される化合物の任意の位置から水素原子または1価の置換基を取り除いてなる残基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の紫外線安定剤。
  4. 前記一般式(TS−II)で表される化合物が下記一般式(TS−IIa)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線安定剤。
    Figure 2009067876
    (式中、X101は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルもしくはアルケニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。R200は1価の置換基を表す。)
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線安定剤を含むことを特徴とする紫外線安定剤組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線安定剤を含むことを特徴とする紫外線安定剤溶液。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線安定剤を含むことを特徴とする高分子材料。
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