JP2000131811A - 画像記録プリント及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

画像記録プリント及びハロゲン化銀写真感光材料

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JP2000131811A
JP2000131811A JP11131268A JP13126899A JP2000131811A JP 2000131811 A JP2000131811 A JP 2000131811A JP 11131268 A JP11131268 A JP 11131268A JP 13126899 A JP13126899 A JP 13126899A JP 2000131811 A JP2000131811 A JP 2000131811A
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carbon atoms
resin coating
atom
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Takeshi Nakamura
岳司 中村
Chikamasa Yamazaki
力正 山崎
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄くても剛度があり、光、熱、湿度に対する
画像保存性に優れ、高湿下でのプリント保存性に優れ、
白地の経時変動に優れた画像記録プリント、及び、薄く
ても剛度があり、光、熱、湿度に対する画像保存性に優
れ生試料の保存時のカブリ耐性に優れ、生試料の耐傷性
に優れ、高湿下でのプリント保存性に優れ、白地の経時
変動に優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供する。 【解決手段】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された支
持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハロ
ゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化銀
乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハロ
ゲン化銀写真感光材料を、現像処理して得られた画像記
録プリントにおいて、該樹脂被覆層の少なくとも1層
が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層であり、
かつ該カプラーが特定の構造を有するカプラーの少なく
とも1種を含有することを特徴とする画像記録プリント
及びハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像記録プリント及
びハロゲン化銀写真感光材料に関し、更に詳しくは、薄
くても剛度があり、光、熱、湿度に対する画像保存性に
優れ、高湿下でのプリント保存性に優れ、白地の経時変
動に優れた画像記録プリント、及び薄くても剛度があ
り、光、熱、湿度に対する画像保存性に優れ生試料の保
存時のカブリ耐性に優れ、生試料の耐傷性に優れ、高湿
下でのプリント保存性に優れ、白地の経時変動に優れた
ハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】画像を記録するプリントには、様々な手
段、方法がある。そんな中でもハロゲン化銀写真感光材
料を用いた方法が、昔から今日にかけ一般的に普及して
いる。このハロゲン化銀写真感光材料のうち、特にカラ
ーペーパーを現像処理して得られた画像を記録したカラ
ープリントには、手に持った時の質感等の要求、画像へ
の要求、またハロゲン化銀写真感光材料にも、品質等へ
の要求が高まっている。
【0003】これらカラープリントには、プリントの剛
度、色再現性、画像保存性等の研究が従来より広く行わ
れてきた。
【0004】近年、特にカラープリントは、写真店間で
の厳しいプリント価格の値下げ競争が行われている。こ
のプリント価格の値下げを維持する1つの方法として、
プリント自身の厚さを薄くしてコストダウンする方法が
考えられるが、この場合、実際にはカラープリントに用
いられている支持体(RC原紙)の厚さを薄くすること
になる。しかしながら、現在カラープリントに用いられ
ている、ポリエチレン樹脂に被覆されるRC原紙は、薄
くするとカラープリント自身の剛度が保てず、手に持っ
た時の質感が損なわれる等の問題がある。その欠点を改
善するために、本発明のポリプロピレン樹脂により被覆
された支持体の使用により、薄くても剛度が保てること
が判った。
【0005】広く普及しているカラープリントにおいて
は、発色色素としてイエロー、マゼンタ及びシアン色素
を用いた、いわゆる減色法に基づいた色再現が利用され
ている。カラー印画紙用感光材料を用いて作製されたカ
ラープリントが、元の被写体に対してどの程度忠実な色
再現が可能かは、プリント用感光材料の性能に大きく依
存する。このため色再現性に優れたプリント用感光材料
の研究が様々な観点から行われて来た。得られたカラー
プリントがどれだけ広い範囲の色を再現できるかは、原
色として用いられる上記各色素の色相によって決定され
るため、如何に優れた吸収特性を有する色素を開発する
かが当業者にとって重要な課題であった。色素の光吸収
プロファイルがブロードであったり、望ましくない副吸
収があったりする場合、元の被写体に対して忠実な色再
現が得られない。
【0006】プリント用感光材料においては、イエロ
ー、マゼンタ及びシアン色素を形成する、いわゆる色素
形成カプラーとして、活性メチレン又はメチレン位を分
子内に有する化合物が常用され、具体的には、例えばイ
エロー色素形成カプラーとしてピバロイルアセトアニリ
ド類、マゼンタ色素形成カプラーとして5−ピラゾロン
類或いはピラゾロトリアゾール類、シアン色素形成カプ
ラーとしてフェノール類或いはナフトール類等を挙げる
ことができる。
【0007】これらの色素形成カプラーの内、イエロー
色素形成カプラーとして用いられるピバロイルアセトア
ニリド類は、一般に青色光領域の光吸収プロファイルが
やや長波長で、又ブロードである。このため得られた色
相がオレンジ色を帯びており、イエロー色素を用いた色
再現が充分得られないという欠点を有していた。
【0008】この欠点を改良するイエロー色素形成カプ
ラーとして、例えば特開昭63−123047号、特開
平4−9051号、同4−124661号等に記載のア
ニライド部にアルコキシ基を有するピバロイルアセトア
ニリド系イエローカプラー、特開平4−218042号
記載のアシル部にシクロアルキル基を有するピバロイル
アセトアニリド系イエローカプラー及び特開平4−17
4428号、同4−184434号、同5−11416
号等に記載の非対称型マロンジアミド系イエローカプラ
ー等、種々提案されている。しかし、これらカプラーか
ら得られたイエロー画像は色再現性には優れるものの、
高熱、高湿下での画像堅牢性(以後、暗退色性という)
がやや悪いという欠点を有している。しかし、本発明の
支持体と併用することによりイエローの暗退色性が改善
できることが判った。
【0009】又、マゼンタ色素形成カプラーとして用い
られる5−ピラゾロン類は青色光領域に好ましくない副
吸収を持ち、色再現性を著しく低下させるという欠点を
有している。
【0010】この欠点を改良するために、ピラゾロトリ
アゾール型マゼンタカプラーを用いることが提案されて
いる。しかし、これらのカプラーから得られたマゼンタ
画像は色再現性に優れるものの、光に対する堅牢性(以
降、耐光性と呼ぶ)が悪く、このことを改良するため
に、これらカプラーの6位に嵩高い置換基を導入するこ
とで或る程度改善はされることが判っているが、未だ満
足されるものではなく更なる改善が望まれている。しか
し、本発明の支持体と併用することでマゼンタの耐光性
が改善できることが判った。
【0011】又、シアン色素形成カプラーとして用いら
れるフェノール類或いはナフトール類は青色光領域及び
緑色光領域に好ましくない副吸収を持ち、色再現性を著
しく低下させるという欠点を有しており、更に、暗退色
性がやや悪いという欠点を有している。
【0012】この欠点を改良する手段として、フェノー
ルの5位にアルキル基を有するシアンカプラーが提案さ
れており、又、特開昭64−552号、同64−553
号、同64−554号、同64−555号、同64−5
56号、同64−557号及び特開平1−144052
号等に記載されるピラゾロアゾール系シアンカプラー、
特開平4−174429号、同4−230746号、同
5−165172号、同5−204107号、同5−3
13324号及び同5−313325号等に記載される
ピロロアゾール系シアンカプラー、及び特開平4−13
3055号、同5−232648号等に記載されるシア
ンカプラーが提案されている。しかし、これらのカプラ
ーから得られたシアン画像は色再現性には優れるもの
の、暗退色性が未だ満足されるものではなく、改善が望
まれている。しかし、本発明の支持体と併用することで
シアンの暗退色性が改善できることが判った。
【0013】また、本発明の上記カプラーと本発明の支
持体との組み合わせで、プリントの経時での白地着色が
極めて良好であることが判った。
【0014】更に、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の
構成要素として、近年主流をなすものは、支持体上にオ
イルプロテクテッドタイプと称される方法により、親油
性の色素形成カプラーや紫外線吸収化合物、抗酸化剤等
の油溶性添加物が高沸点の有機溶媒に溶解された状態
で、油滴粒子状に分散含有されたハロゲン化銀乳剤層を
設けたものである。
【0015】しかしこの様な油滴粒子を含有すると、現
像処理後にプリント等を長期に保存したり、高温下や高
湿下に置かれた場合、油滴粒子を構成する成分が、写真
構成層の表面に移動して発生するいわゆる発汗現象(以
下発汗という。)を起こしたりすることがある。発汗が
発生しているものは、光沢の悪化となり、これらは、カ
ラープリントの画質の低下の原因となり、非常に改善が
望まれているが、本発明の支持体の使用により、改善が
できることが判った。
【0016】一方、ハロゲン化銀写真感光材料のうち、
特にカラーペーパーの場合、現像所、写真店等で主に使
用され、製造されてから使用されるまで、性能を損なわ
ないためには、冷蔵庫等で保存されることが好ましくな
っている。しかし実状は、流通過程、使用される現像
所、写真店等で、長期間冷蔵ではない場所で放置される
ことが多く、また地域によっては、高温、或いは、高湿
環境下等で、長期の間放置されることもしばしばある。
この様な試料は長期保存中にカブリが発生する場合があ
り、改善が望まれている状況にある。特にトリアジン系
の硬膜剤、カルボキシル基活性型硬膜剤を使用した場
合、長期保存中にカブリが大きく発生するという問題が
あった。また、これらカラーペーパーは、プリンター内
で生試料が高速搬送され時に、傷が発生するという問題
もあった。特にビニルスルホン系の硬膜剤を使用した場
合、この欠点が顕著に発生し易いという問題があった。
これら改善のためにも様々な方法が提案されているが、
未だ不十分であり、更なる改善が望まれている。しかし
ながら、本発明のポリプロピレン樹脂により被覆された
支持体の使用により、これらが大きく改善されることが
判った。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の発明における目的は、薄くて剛度あり、熱、湿度に対
するイエロー画像の保存性に優れ、高湿下でのプリント
保存性に優れ、白地の経時変動に優れた画像記録プリン
トを提供することにある。本発明の第2の発明における
目的は、薄くて剛度あり、光に対するマゼンタ画像の保
存性に優れ、高湿下でのプリント保存性に優れ、白地の
経時変動に優れた画像記録プリントを提供することにあ
る。本発明の第3の発明における目的は、薄くて剛度あ
り、熱、湿度に対するシアン画像の保存性に優れ、高湿
下でのプリント保存性に優れ、白地の経時変動に優れた
画像記録プリントを提供することにある。本発明の第4
の発明における目的は、薄くて剛度あり、生試料の保存
時のカブリ耐性に優れ、高湿下でのプリント保存性に優
れ、白地の経時変動に優れたハロゲン化銀写真感光材料
を提供することにある。本発明の第5の発明における目
的は、薄くて剛度あり、生試料の耐傷性に優れ、高湿下
でのプリント保存性に優れ、白地の経時変動に優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。本発明
の第6の発明における目的は、薄くて剛度あり、生試料
の保存時のカブリ耐性に優れ、高湿下でのプリント保存
性に優れ、白地の経時変動に優れたハロゲン化銀写真感
光材料を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0019】(1) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設さ
れた支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料を、現像処理して得られた
画像記録プリントにおいて、該樹脂被覆層の少なくとも
1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層であ
り、かつ該カプラーのうちイエロー画像を形成するイエ
ローカプラーが、前記請求項1に記載の一般式〔Y−
I〕、〔Y−II〕又は〔Y−III〕で表されるイエロー
カプラーの少なくとも1種を含有することを特徴とする
画像記録プリント。
【0020】(2) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設さ
れた支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の
少なくとも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂
被覆層であり、かつ該カプラーのうちイエロー画像を形
成するイエローカプラーが、前記一般式〔Y−I〕であ
ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0021】(3) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設さ
れた支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料を、現像処理して得られた
画像記録プリントにおいて、該樹脂被覆層の少なくとも
1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層であ
り、かつ該カプラーのうちマゼンタ画像を形成するマゼ
ンタカプラーが、前記請求項3に記載の一般式〔M−
I〕又は〔M−II〕で表されるマゼンタカプラーの少な
くとも1種を含有することを特徴とした画像記録プリン
ト。
【0022】(4) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設さ
れた支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の
少なくとも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂
被覆層であり、かつ該カプラーのうちマゼンタ画像を形
成するマゼンタカプラーが、前記一般式〔M−I〕又は
〔M−II〕の式中、Ra,Rb及びRcが共に水素原子
以外の置換基であることを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料。
【0023】(5) マゼンタカプラーが前記一般式
〔M−I〕であることを特徴とする前記4記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0024】(6) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設さ
れた支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料を、現像処理して得られた
画像記録プリントにおいて、該樹脂被覆層の少なくとも
1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層であ
り、かつ該カプラーのうちシアン画像を形成するシアン
カプラーが、前記請求項6に記載の〔C−I〕又は一般
式〔I〕〜〔IV〕で表されるシアンカプラーの少なくと
も1種を含有することを特徴とした画像記録プリント。
【0025】(7) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設さ
れた支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の
少なくとも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂
被覆層であり、かつ該カプラーのうちシアン画像を形成
するシアンカプラーが、前記一般式〔C−I〕であるこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0026】(8) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設さ
れた支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の
少なくとも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂
被覆層であり、かつ該感光材料がトリアジン系硬膜剤の
少なくとも1種により硬膜されていることを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0027】(9) トリアジン系硬膜剤が前記請求項
9に記載の一般式〔H−I〕又は〔H−II〕で表される
化合物であることを特徴とした前記8記載のハロゲン化
銀写真感光材料。
【0028】(10) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設
された支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有
するハロゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層
の少なくとも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹
脂被覆層であり、かつ該感光材料がビニルスルホン系硬
膜剤の少なくとも1種により硬膜されていることを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0029】(11) ビニルスルホン系硬膜剤が前記
請求項11に記載の一般式〔H−III〕で表される化合
物であることを特徴とした前記10記載のハロゲン化銀
写真感光材料。
【0030】(12) 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設
された支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有
するハロゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層
の少なくとも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹
脂被覆層であり、かつ該感光材料がカルボキシル基活性
型硬膜剤の少なくとも1種により硬膜されていることを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0031】(13) カルボキシル基活性型硬膜剤が
前記請求項13に記載の一般式(1)〜(8)で表され
る化合物であることを特徴とした前記12記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0032】(14) ポリプロピレンを主成分とする
樹脂が2軸延伸されていることを特徴とする前記1、3
又は6記載の画像記録プリント。
【0033】(15) ポリプロピレンを主成分とする
樹脂が2軸延伸されていることを特徴とする前記2、
4、5、7、8、9、10、11、12又は13のいず
れか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0034】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸
化体とカップリング反応して340nmより長波長域に
分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し
得るいかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代
表的な物としては、波長域350〜500nmに分光吸
収極大波長を有するイエロー色素形成カプラー、波長域
500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼン
タ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光
吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知
られているものが代表的である。
【0035】本発明の請求項1又は2の発明に用いられ
るイエローカプラーは、一般式〔Y−I〕、〔Y−II〕
又は〔Y−III〕で表される化合物の少なくとも1種で
ある。このうち好ましくは〔Y−I〕で表される化合物
である。
【0036】一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプ
ラーについて詳述する。
【0037】R1で表されるアルキル基としては、直鎖
又は分岐のアルキル基、例えばメチル、エチル、i−プ
ロピル、t−ブチル、ドデシル、1−ヘキシルノニル等
の基が挙げられる。又、R1で表されるシクロアルキル
基としては、シクロプロピル、シクロヘキシル及びアダ
マンチル等の基が挙げられる。R1で表されるアリル基
としては、置換基を有することのできるフェニル等の基
が挙げられる。
【0038】これらR1で表されるアルキル基及びシク
ロアルキル基は更に置換基を有することもでき、置換基
として、ハロゲン原子(塩素、臭素等)、シアノ基、ニ
トロ基、アリール基(フェニル、p−t−オクチルフェ
ニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル等)、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基(メトキシ、2−エトキシエトキ
シ等)、アリールオキシ基(フェノキシ、2,4−ジ−
t−アミルフェノキシ、4−(4−ヒドロキシフェニル
スルホニル)フェノキシ等)、複素環オキシ基(4−ピ
リジルオキシ、2−ヘキサヒドロピラニルオキシ等)、
カルボニルオキシ基(アセチルオキシ、ピバロイルオキ
シ等のアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ
等のアリールオキシ基等)、スルホニルオキシ基(メタ
ンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオ
キシ、ドデカンスルホニルオキシ等のアルキルスルホニ
ルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエン
スルホニルオキシ等のアリールスルホニルオキシ基)、
カルボニル基(アセチル、ピバロイル等のアルキルカル
ボニル基、ベンゾイル、3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンゾイル等のアリールカルボニル基等)、
オキシカルボニル基(メトキシカルボニル、シクロヘキ
シルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等の
アルコキシカルボニル基、2,4−ジ−t−アミルフェ
ノキシカルボニル等のアリールオキシカルボニル基、2
−ピリジルオキシカルボニル、1−フェニルピラゾリル
−5−オキシカルボニルなどの複素環オキシカルボニル
基等)、カルバモイル基(ジメチルカルバモイル、4−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノカ
ルボニル等のアルキルカルバモイル基、フェニルカルバ
モイル、1−ナフチルカルバモイル等のアリールカルバ
モイル基)、スルホニル基(メタンスルホニル、トリフ
ルオロメタンスルホニル等のアルキルスルホニル基、p
−トルエンスルホニル等のアリールスルホニル基)、ス
ルファモイル基(ジメチルスルファモイル、4−(2,
4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノスルホニ
ル等のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモ
イル等のアリールスルファモイル基及びアセチルスルフ
ァモイル、エチルカルボニルアミノスルホニル等のアシ
ルスルファモイル基)、アミノ基(ジメチルアミノ、シ
クロヘキシルアミノ、ドデシルアミノ等のアルキルアミ
ノ基、アニリノ、p−t−オクチルアニリノ等のアリー
ルアミノ基等)、スルホンアミド基(メタンスルホンア
ミド、ヘプタフルオロプロパンスルホンアミド、ヘキサ
デシルスルホンアミド等のアルキルスルホンアミド基、
p−トルエンスルホンアミド、ペンタフルオロベンゼン
スルホンアミド等のアリールスルホンアミド基)、アシ
ルアミノ基(アセチルアミノ、ミリストイルアミノ等の
アルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ等のア
リールカルボニルアミノ基)、アルキルチオ基(メチル
チオ、t−オクチルチオ等)、アリールチオ基(フェニ
ルチオ、p−トリルチオ等)及び複素環チオ基(1−フ
ェニルテトラゾール−5−チオ、5−メチル−1,3,
4−オキサジアゾール−2−チオ等)等が挙げられる。
【0039】R1は好ましくはアルキル基であり、分岐
アルキル基が更に好ましく、t−ブチル基が特に好まし
い。
【0040】R2で表されるアルキル基及びシクロアル
キル基としては、例えばR1で表されるアルキル基及び
シクロアルキル基と同義の基を挙げることができる。
又、R2で表されるアリール基としては、例えばフェニ
ル基及び1−ナフチル基等が挙げられる。これらR2
表されるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基
は置換基を有することもでき、置換基としては、例えば
1で表されるアルキル基及びシクロアルキル基と同義
の基及びR1で表されるアルキル基及びシクロアルキル
基の置換基として挙げた基と同義の基を挙げることがで
きる。
【0041】X1で表される現像主薬の酸化体との反応
で離脱しうる基又は原子としては、窒素原子でカップリ
ング位と結合する含窒素複素環基、アリールオキシ基、
アリールチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アシ
ルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルキルチオ基、
水素原子又はハロゲン原子が挙げられる。
【0042】X1がカップリング位と窒素原子で結合す
る含窒素複素環基を表す時、この含窒素複素環基は、炭
素数が1〜15、好ましくは1〜10である。5〜6員
環の、置換若しくは無置換、飽和若しくは不飽和、並び
に単環若しくは縮合環の複素環基であることが好まし
い。ヘテロ原子として、窒素原子以外に酸素原子又は硫
黄原子を含んでもよい。複素環基の好ましい具体例とし
ては、1−ピラゾリル、1−イミダゾリル、ピロリノ、
1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−ト
リアゾール−1−イル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイ
ミダゾリル、イミダゾリジン−2,4−ジオン−3−イ
ル、オキサゾリジン−2,4−ジオン−3−イル、1,
2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオン−4−イル、
イミダゾリジン−2,4,5−トリオン−3−イル、2
−イミダゾリノン−1−イル、3,5−ジオキソモルホ
リノ又は1−インダゾリル等が挙げられる。これらの複
素環基が置換基を有する時、その置換基は特に制約され
ないが、好ましい置換基としては、置換基の1個がアル
キル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ
基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アリール基、
ニトロ基、カルバモイル基、シアノ基又はスルホニル基
である。
【0043】X1がアリールオキシ基を表す時、好まし
くは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリールオキシ
基である。特に好ましくは置換又は無置換のフェノキシ
基である。アリールオキシ基が置換基を有する時、好ま
しい置換基としては、少なくとも1個の置換基が電子吸
引性基である場合であり、その例としてはスルホニル
基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、ハロ
ゲン原子、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基又はア
シル基が挙げられる。
【0044】X1がアリールチオ基を表す時、好ましく
は炭素数6〜10の置換又は無置換のアリールチオ基で
ある。特に好ましくは置換又は無置換のフェニルチオ基
である。置換基を有する時、好ましい置換基としては、
少なくとも1個の置換基が、アルキル基、アルコキシ
基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、スルファ
モイル基、ハロゲン原子、カルバモイル基又はニトロ基
である。
【0045】X1が複素環オキシ基を表す時、複素環基
の部分は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
る、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子又は硫
黄原子を少なくとも1個以上含む3〜12、好ましくは
5〜6員環の、置換若しくは無置換、飽和若しくは不飽
和、並びに単環若しくは縮合環の複素環基である。複素
環オキシ基の例としては、ピリジルオキシ、ピラゾリル
オキシ又はフリルオキシ基が挙げられる。複素環オキシ
基が置換基を有する時、好ましい置換基としては、置換
基1個がアルキル基、アリール基、カルボキシル基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシル
アミノ基、スルホンアミド基、ニトロ基、カルバモイル
基又はスルホニル基である。
【0046】X1が複素環チオ基を表す時、複素環基の
部分は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
る、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子又は硫
黄原子を少なくとも1個以上含む3〜12、好ましくは
5〜6員環の、置換若しくは無置換、飽和若しくは不飽
和、並びに単環若しくは縮合環の複素環基である。複素
環チオ基の例としては、テトラゾリルチオ、1,3,4
−チアジアゾリルチオ、1,3,4−オキサジアゾリル
チオ、1,3,4−トリアゾリルチオ、ベンゾイミダゾ
リルチオ、ベンゾチアゾリルチオ又は2−ピリジルチオ
基が挙げられる。複素環チオ基が置換基を有する時、好
ましい置換基としては、置換基の少なくとも1個がアル
キル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、ス
ルホンアミド基、ニトロ基、カルバモイル基、複素環基
又はスルホニル基である。
【0047】X1がアシルオキシ基を表す時、このアシ
ルオキシ基は、好ましくは炭素数が6〜10であり、単
環若しくは縮合環である。置換若しくは無置換の芳香族
アシルオキシ基、又は炭素数が2〜30、好ましくは2
〜20である置換若しくは無置換の脂肪族アシルオキシ
基である。これらは更に置換基を有してもよい。
【0048】X1がカルバモイルオキシ基を表す時、こ
のカルバモイルオキシ基は、炭素数1〜30、好ましく
は1〜20の、脂肪族、芳香族、複素環、置換若しくは
無置換のカルバモイルオキシ基である。例えばN,N−
ジエチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイ
ルオキシ、1−イミダゾリルカルボニルオキシ又は1−
ピロロカルボニルオキシ基が挙げられる。
【0049】X1がアルキルチオ基を表す時、このアル
キルチオ基は、炭素数1〜30、好ましくは1〜20の
直鎖、分岐、飽和若しくは不飽和、並びに置換若しくは
無置換のアルキルチオ基である。これらは更に置換基を
有してもよい。
【0050】X1の中、好ましいものとして下記一般式
(I)、(II)、(III)で表される基が挙げられる。
【0051】 一般式(I) −OR4 一般式(II) −OCOR4
【0052】
【化17】
【0053】上記一般式(I)及び(II)において、R
4はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複
素環基を表す。これらR4で表されるアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基としては、例えば前記一般式
〔Y−I〕においてR2で表されるアルキル基、シクロ
アルキル基及びアリール基と同義の基を挙げることがで
きる。又、R4で表される複素環基としては、4−ピリ
ジル及び2−ヘキサヒドロピラニル等の基が挙げられ
る。これらR4で表されるアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基及び複素環基は置換基を有することもで
き、置換基として例えば、前記一般式〔Y−I〕におい
てR2で表されるアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基の置換基として挙げた基と同義の基を挙げること
ができる。
【0054】これらR4で表されるアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基及び複素環基の中ではアリール
基が好ましい。又、R4の置換基としては、電子吸引性
基(カルボキシル、メトキシカルボニル又はi−プロピ
ルオキシカルボニル等のオキシカルボニル基、アセチル
又はベンゾイル等のアシル基、トリフルオロメタンスル
ホニル基又は4−ヒドロキシフェニルスルホニル等のス
ルホニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ジメ
チルスルファモイル等のスルファモイル基、アセチルア
ミノ又はペンタフルオロベンゾイルアミノ等のアシルア
ミノ基、メタンスルホンアミド等のスルホンアミド基な
ど)が好ましい。
【0055】上記一般式(III)において、Z11は窒素
原子と共同して5又は6員環を形成するのに必要な非金
属原子群を表す。ここで非金属原子群を形成するために
必要な原子群としては、例えばメチレン、メチン、置換
メチン、−CO−,−N(R5)−(R5は水素原子、ア
ルキル基、アリール基又は複素環基を表す)、−N=、
−O−及び−S(O)u−(uは0〜2の整数を表す)
等が挙げられる。
【0056】X1として特に好ましくは、下記一般式(I
V)で表される基である。
【0057】
【化18】
【0058】上記一般式(IV)において、Y1は−N
(R6)−(R6は前記一般式(III)においてR5で表さ
れる基と同義の基を表す)、−O−及び−S(O)r−
(rは0〜2の整数を表す)等で表されるヘテロ原子、
又は−CO−、−C(R7)(R8)−(R7及びR8は、
水素原子又は前記一般式(I)においてR4で表される
アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基
として挙げた基と同義の基を表す)及び−C(R9)−
(R9は水素原子又は前記一般式〔Y−I〕においてR2
で表されるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール
基の置換基として挙げられた基と同義の基を表す)等で
表される炭素原子を表す。
【0059】又、Z12は−Y1−N−CO−と共同して
5又は6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表
す。ここで、非金属原子群を形成するのに必要な原子群
としては、例えば前記一般式(III)においてZ11で表
される原子群と同義の原子群を挙げることができる。
【0060】R3で表される置換基としては、水素原
子、ハロゲン原子又はアシルアミノ基を表すが、アシル
アミノ基として好ましくは、炭素数11〜21の無置換
のアルキル置換アシル基であり、直鎖アルキル置換アシ
ル基が更に好ましい。
【0061】一般式〔Y−I〕で表される2当量イエロ
ーカプラーは、何れかの置換基において結合し、ビス
体、トリス体、テトラキス体或いはポリマー体を形成し
てもよい。
【0062】一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプ
ラーは、容易に入手できる市販の化合物を出発原料とし
て用い、従来公知の方法、例えば特開昭63−1230
47号、特開平4−9051号、同4−124661号
等に記載される方法に準じて容易に合成することができ
る。
【0063】以下に〔Y−I〕で表されるイエローカプ
ラーの具体例を示すが、本発明のイエローカプラーはこ
れらに限定されない。
【0064】
【化19】
【0065】
【化20】
【0066】
【化21】
【0067】次に一般式〔Y−II〕のイエローカプラー
について述べる。
【0068】一般式〔Y−II〕において、R11は好まし
くはハロゲン原子、シアノ基又は何れも置換されてもよ
い総炭素数1〜30の1価の脂肪族基(アルキル基、ア
ルコキシ基等)又は炭素数6〜30の1価の芳香族基
(アリール基、アリールオキシ基等)であって、その置
換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、スル
ホンアミド基、アシル基等が挙げられる。
【0069】Qは好ましくはCと共に3〜5員の、何れ
も置換されてもよい炭素数3〜30の炭化水素環又は少
なくとも1個のN、S、O、Pから選ばれたヘテロ原子
を環内に含む炭素数2〜30の複素環を形成するのに必
要な非金属原子群である。又、QがCと共に作る環は環
内に不飽和結合を含んでいてもよい。QがCと共に形成
する環の例として、シクロプロパン、シクロブタン、シ
クロペンタン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロ
ペンテン、オキセタン、オキソラン、1,3−ジオキソ
ラン、チエタン、チオラン、ピロリジン等の環がある。
有してもよい置換基の例として、ハロゲン原子、ヒドロ
キシル基、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、シアノ基、アルコキシカル
ボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基が挙げられ
る。
【0070】R12は好ましくはハロゲン原子、置換され
てもよい炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜3
0のアリールオキシ基、炭素数1〜30のアルキル基又
は炭素数0〜30のアミノ基を表し、その置換基として
は、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
アリールオキシ基が挙げられる。
【0071】R13は好ましくはハロゲン原子、置換され
てもよい炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30
のアリール基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数
2〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜30の
アリールオキシカルボニル基、炭素数1〜30のアシル
アミノ基、炭素数1〜30のスルホンアミド基、炭素数
1〜30のカルバモイル基、炭素数0〜30のスルファ
モイル基、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、炭
素数6〜30のアリールスルホニル基、炭素数1〜30
のウレイド基、炭素数0〜30のスルファモイルアミノ
基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニルアミノ基、
炭素数1〜30の複素環基、炭素数1〜30のアシル
基、炭素数1〜30のアルキルスルホニルオキシ基、炭
素数6〜30のアリールスルホニルオキシ基を表し、そ
の置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、
アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、複素環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミ
ド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ウレイ
ド基、シアノ基、ニトロ基、アシルオキシ基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキ
ルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基が
挙げられる。
【0072】一般式〔Y−II〕におけるR13の置換位置
は、アニライドのベンゼン環において
【0073】
【化22】
【0074】に対してメタ位又はパラ位が好ましい。
【0075】X2は前記一般式〔Y−I〕におけるX1
同様の基を表す。
【0076】次に一般式〔Y−II〕において特に好まし
い置換基について説明する。
【0077】R11として特に好ましくは、ハロゲン原
子、アルキル基であって、最も好ましくはメチル基であ
る。
【0078】Qは、特に好ましくはCと共に3〜5員の
炭化水素環を形成する非金属原子群であり、例えば、
【0079】
【化23】
【0080】である。
【0081】ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子又は
アルキル基を表す。ただし、複数のRは同一でも異なっ
てもよい。
【0082】Qとして最も好ましくは、結合するCと共
に3員環を形成する
【0083】
【化24】
【0084】である。
【0085】R12として特に好ましくは、塩素原子、弗
素原子、炭素数1〜6のアルキル基(メチル、トリフル
オロメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル等)、
炭素数1〜8のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、メ
トキシエトキシ、ブトキシ等)又は炭素数6〜24のア
リールオキシ基(フェノキシ、p−トリルオキシ、p−
メトキシフェノキシ等)であり、最も好ましくは塩素原
子、メトキシ基又はトリフルオロメチル基である。
【0086】R13として特に好ましくは、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基又はスルファモイル基であり、最も
好ましくはアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
シルアミノ基又はスルホンアミド基である。
【0087】X2として特に好ましくは、前記一般式
〔Y−I〕において述べた一般式(IV)で表される基で
ある。
【0088】一般式〔Y−II〕で表されるイエローカプ
ラーは、容易に入手できる市販の化合物を出発原料とし
て用い、従来公知の方法、例えば特開平4−21804
2号等に記載される方法に従い容易に合成することがで
きる。
【0089】以下に一般式〔Y−II〕で表されるイエロ
ーカプラーの具体例を示すが、本発明のイエローカプラ
ーはこれらに限定されない。
【0090】
【化25】
【0091】
【化26】
【0092】
【化27】
【0093】
【化28】
【0094】
【化29】
【0095】次に、一般式〔Y−III〕で示されるカプ
ラーについて詳しく述べる。
【0096】一般式〔Y−III〕のR21及びR22がアル
キル基を表す時、炭素数1〜30、好ましくは1〜20
の直鎖、分岐、環状、飽和、不飽和、置換又は無置換の
アルキル基である。アルキル基の例としてはメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、アリル、t
−オクチル、i−ブチル、ドデシル、2−ヘキシルデシ
ル等が挙げられる。
【0097】R21及びR22が複素環基を表す時、この複
素環基は炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
り、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子又は硫
黄原子を少なくとも1個以上含む、3〜12員環、好ま
しくは5〜6員環の、飽和若しくは不飽和、置換若しく
は無置換、並びに単環若しくは縮合環の複素環基であ
る。複素環基の例としては、3−ピロリジニル、1,
2,4−トリアゾール−3−イル、2−ピリジル、4−
ピリミジニル、3−ピラゾリル、2−ピロリル、2,4
−ジオキソ−1,3−イミダゾリジン−5−イル又はピ
ラニル等が挙げられる。
【0098】R21及びR22がアリール基を表す時、炭素
数6〜20、好ましくは6〜10の置換又は無置換のア
リール基を表す。アリール基の例としては、フェニル、
ナフチルが代表例である。
【0099】R21とR22が結合し、Nと共に形成しても
よい含窒素複素環基は、炭素数1〜20、好ましくは1
〜15であり、ヘテロ原子として窒素原子以外に、例え
ば酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい、3〜12員
環、好ましくは5〜6員環の、置換若しくは無置換、飽
和若しくは不飽和、並びに単環若しくは縮合環の複素環
基である。この複素環基の例としては、ピロリジノ、ピ
ペリジノ、モルホリノ、1−ピペラジニル、1−インド
リニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−
イル、1−イミダゾリジニル、1−ピラゾリル、1−ピ
ロリニル、1−ピラゾリジニル、2,3−ジヒドロ−1
−インダゾリル、2−イソインドリニル、1−インドリ
ル、1−ピロリル、4−チアジン−S,S−ジオキソ−
4−イル又はベンズオキサジン−4−イルが挙げられ
る。
【0100】R21及びR22が置換基を有するアルキル
基、同アリール基若しくは同複素環基を表す時、及びR
21とR22が結合し、Nと共に形成する含窒素複素環基が
置換基を有する時、それらの置換基の例としては次のも
のが挙げられる。
【0101】ハロゲン原子(弗素、塩素等)、アルコキ
シカルボニル基(炭素数2〜30、好ましくは2〜20
のメトキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、ヘ
キサデシルオキシカルボニル等)、アシルアミノ基(炭
素数2〜30、好ましくは2〜20のアセトアミド、テ
トラデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェ
ノキシ)ブタンアミド、ベンズアミド等)、スルホンア
ミド基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20のメタン
スルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、ヘキサデカ
ンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等)、カル
バモイル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20のN
−ブチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイ
ル)、N−スルホニルカルバモイル基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20のN−メシルカルバモイル、N
−ドデシルスルホニルカルバモイル等)、スルファモイ
ル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20のN−ブチ
ルスルファモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−
ヘキサデシルスルファモイル、N−3−(2,4−ジ−
t−アミルフェノキシ)ブチルスルファモイル、N,N
−ジエチルスルファモイル)、アルコキシ基(炭素数1
〜30、好ましくは1〜20のメトキシ、ヘキサデシル
オキシ、i−プロポキシ等)、アリールオキシ基(炭素
数6〜20、好ましくは6〜10のフェノキシ、4−メ
トキシフェノキシ、3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェノキシ、ナフトキシ)、アリールオキシカルボニル基
(炭素数7〜21、好ましくは7〜11のフェノキシカ
ルボニル等)、N−アシルスルファモイル基(炭素数2
〜30、好ましくは2〜20の例えばN−プロパノイル
スルファモイル、N−テトラデカノイルスルファモイル
等)、スルホニル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜
20のメタンスルホニル、オクタンスルホニル、4−ヒ
ドロキシフェニルスルホニル、ドデカンスルホニル
等)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20のエトキシカルボニルアミノ
等)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基、スルホ基、アルキルチオ基(炭素数1〜30、
好ましくは1〜20のメチルチオ、ドデシルチオ、ドデ
シルカルバモイルメチルチオ等)、ウレイド基(炭素数
1〜30、好ましくは1〜20のN−フェニルウレイ
ド、N−ヘキサデシルウレイド等)、アリール基(炭素
数6〜20、好ましくは6〜10のフェニル、ナフチ
ル、4−メトキシフェニル等)、複素環基(炭素数1〜
20、好ましくは1〜10で、ヘテロ原子として、例え
ば窒素、酸素又は硫黄を少なくとも1個以上含み、3〜
12員環、好ましくは5〜6員環の、単環若しくは縮合
環の2−ピリジル、3−ピラゾリル、1−ピロリル、
2,4−ジオキソ−1,3−イミダゾリジン−1−イ
ル、2−ベンズオキサゾリル、モルホリノ、インドリル
等)、アルキル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜2
0の、直鎖、分岐若しくは環状、並びに飽和若しくは不
飽和アルキル、例えばメチル、エチル、i−プロピル、
シクロプロピル、t−ペンチル、t−オクチル、シクロ
ペンチル、t−ブチル、sec−ブチル、ドデシル、2
−ヘキシルデシル等)、アシル基(炭素数1〜30、好
ましくは2〜20のアセチル、ベンゾイル等)、アシル
オキシ基(炭素数2〜30、好ましくは2〜20のプロ
パノイルオキシ、テトラデカノイルオキシ等)、アリー
ルチオ基(炭素数6〜20、好ましくは6〜10のフェ
ニルチオ、ナフチルチオ等)、スルファモイルアミノ基
(炭素数0〜30、好ましくは0〜20のN−ブチルス
ルファモイルアミノ、N−ドデシルスルファモイルアミ
ノ、N−フェニルスルファモイルアミノ等)又はN−ス
ルホニルスルファモイル基(炭素数1〜30、好ましく
は1〜20のN−メシルスルファモイル、N−エタンス
ルホニルスルファモイル、N−ドデカンスルホニルスル
ファモイル、N−ヘキサデカンスルホニルスルファモイ
ル等)等。
【0102】上記の置換基は更に置換基を有してもよ
く、その置換基の例としては、ここで挙げた置換基が挙
げられる。
【0103】上記の中で好ましい置換基としては、アル
コキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニト
ロ基、アルキル基又はアリール基が挙げられる。
【0104】一般式〔Y−III〕においてR23が表すア
リール基としては、炭素数6〜20、好ましくは6〜1
0の置換又は無置換のアリール基である。例えばフェニ
ル基及びナフチル基がその代表的な例である。
【0105】R23が表す複素環基としては、上述のR21
又はR22が複素環基を表す場合の説明と同じ意味を有す
る。
【0106】R23が置換アリール基又は置換複素環基を
表す時、置換基の例としては、例えば前記R21が置換基
を有する時の例として列挙した置換基が挙げられる。R
23が有する置換基として好ましい例は、その置換基の1
個が、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、スルフ
ァモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、N−スル
ホニルスルファモイル基、N−アシルスルファモイル
基、アルコキシ基、アシルアミノ基、N−スルホニルカ
ルバモイル基、スルホンアミド基又はアルキル基であ
る。
【0107】R23として特に好ましくは、少なくとも1
個の置換基がオルト位にあるフェニル基である。
【0108】一般式〔Y−III〕においてX3で示される
基としては、前記一般式〔Y−I〕のX1と同様の基が
挙げられ、特に好ましくは一般式(IV)で表される基で
ある。
【0109】次に一般式〔Y−III〕で表されるカプラ
ーの特に好ましい範囲について以下に述べる。
【0110】R21で示される基は、好ましくはアルキル
基である。特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基
である。
【0111】R23で示される基は、好ましくは芳香族基
である。特に好ましくは、オルト位に置換基を少なくと
も1個有するフェニル基である。置換基としては、前に
23がアリール基である時、有してもよい置換基として
列挙したものが挙げられる。好ましい置換基の例も同様
である。
【0112】X3で示される基は、好ましくは5〜6員
の窒素原子でカップリング位と結合する含窒素複素環
基、アリールオキシ基、5〜6員の複素環オキシ基又は
5〜6員の複素環チオ基が挙げられる。
【0113】一般式〔Y−III〕で表されるカプラーの
内、特に好ましいカプラーは下記一般式〔Y−III
a〕、〔Y−IIIb〕又は〔Y−IIIc〕で示されるカプ
ラーである。
【0114】
【化30】
【0115】式中、X3は一般式〔Y−III〕におけるX
3と同義であり、R24はアルキル基を表し、R25はアル
キル基又は芳香族基を表し、Arはオルト位に少なくと
も1個の置換基を有するフェニル基を表し、Z13は−C
(R26)(R27)−N<と共に含窒素複素環基(単環又
は縮合環)を形成する有機残基を表し、Z14は−C(R
28)=C(R29)−N<と共に含窒素複素環基(単環又
は縮合環)を形成する有機残基を表し、R26、R27、R
28及びR29は各々、水素原子又は置換基を表す。
【0116】上記R24〜R29、Z13、Z14及びArで示
される基の詳しい説明及び好ましい範囲については、前
記一般式〔Y−III〕で述べた説明の中で、該当する基
の説明と同じ意味である。R26〜R29が置換基を表す
時、前記R21とR22が結合し、Nと共に形成する含窒素
複素環基が有してもよい置換基として列挙したものが例
として挙げられる。
【0117】一般式〔Y−IIIa〕〜〔Y−IIIc〕の中
で特に好ましいカプラーは、一般式〔Y−IIIb〕又は
〔Y−IIIc〕で表されるカプラーである。
【0118】一般式〔Y−III〕で示されるカプラー
は、R21、R22、R23及びX3で示される基において2
価又はそれ以上の基を介して互いに結合する2量体又は
それ以上の多量体(例えばテロマー又はポリマー)を形
成してもよい。この場合、前記の各置換基において示し
た炭素原子数範囲の規定外となってもよい。
【0119】一般式〔Y−III〕で示されるカプラーは
耐拡散型カプラーであることが好ましい。耐拡散型カプ
ラーとは、添加した層に分子を不動化させるために、十
分に分子量を大きくする基(耐拡散基)を分子中に有す
るカプラーである。耐拡散基としては、通常、総炭素数
8〜30、好ましくは10〜20のアルキル基又は総炭
素数4〜20の置換基を有するアリール基が用いられ
る。これらの耐拡散基は分子中の何れに置換されていて
もよく、又、複数個有していてもよい。
【0120】一般式〔Y−III〕で表されるイエローカ
プラーは、容易に入手できる市販の化合物を出発原料と
して用い、従来公知の方法、例えば特開平4−1744
28号、同4−184434号、同5−11416号等
に記載される方法に準じて容易に合成することができ
る。
【0121】以下に一般式〔Y−III〕で表されるイエ
ローカプラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定
されない。
【0122】
【化31】
【0123】
【化32】
【0124】
【化33】
【0125】
【化34】
【0126】
【化35】
【0127】本発明の一般式〔Y−I〕〜〔Y−III〕で
表されるイエローカプラーの内、最も好ましくは一般式
〔Y−I〕で表されるイエローカプラーである。
【0128】本発明の一般式〔Y−I〕〜〔Y−III〕
で表されるイエローカプラーは、ハロゲン化銀1モル当
たり1.0〜1.0×10-3モルの範囲で使用すること
ができる。好ましくは5.0×10-1〜5.0×10-2
モルであり、より好ましくは4.0×10-1〜2.0×
10-2モルの範囲である。又、イエローカプラーの添加
量としては0.70g/m2以下が好ましく、0.65
g/m2以下が特に好ましい。
【0129】本発明におけるイエローカプラーは、異な
る2種類以上のイエローカプラーとの併用で使用されて
もよい。
【0130】本発明の請求項3、4又は5の発明に用い
られるマゼンタカプラーは、一般式〔M−I〕又は〔M
−II〕で表される化合物の少なくとも1種である。
【0131】前記一般式〔M−I〕及び〔M−II〕にお
いてRa,Rb,Rc,Rdは各々、水素原子又は置換
基を表し、Ra,Rb,Rcのうち二つ以上が水素原子
であることはない。Ra,Rb,Rcの内、二つが結合
して環を形成してもよい。
【0132】Ra、Rb、Rcの表す置換基としては特
に制限はないが、代表的にはアルキル、アリール、シク
ロアルキル、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキ
シ、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド等の各基
が挙げられ、好ましくはアルキル基である。
【0133】Rdの表す置換基としては特に制限はない
が、代表的にはアルキル、アリール、シクロアルキル、
複素環、ハロゲン、アニリノ、アシルアミノ、スルホン
アミド、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、
アルキルチオ、アリールチオ、スルホニル、ウレイド、
カルバモイル、スルファモイル等の各基が挙げられる。
【0134】この内、Ra,Rb,Rcが共に水素原子
ではない置換基であることが好ましく、この場合、一般
式〔M−I〕で表されるものが更に好ましい。
【0135】X11は現像主夜薬の酸化体との反応で離脱
しうる基又は基を表し、例えば水素原子、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基、スルホニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基等が挙げられるが、好ましくはハロゲン原子であ
り、更に好ましくは塩素原子である。
【0136】以下に〔M−I〕又は〔M−II〕で表され
るマゼンタカプラーの具体例を示すが、本発明のマゼン
タカプラーはこれらに限定されない。
【0137】
【化36】
【0138】
【化37】
【0139】
【化38】
【0140】
【化39】
【0141】
【化40】
【0142】
【化41】
【0143】
【化42】
【0144】本発明におけるマゼンタカプラーは、異な
る2種類以上のマゼンタカプラーとの併用で使用されて
もよい。
【0145】本発明の請求項6又は7の発明に用いられ
るシアンカプラーは、一般式〔C−I〕又は一般式
〔I〕〜〔IV〕で表される化合物の少なくとも1種であ
る。このうち好ましくは〔C−I〕で表される化合物で
ある。
【0146】前記一般式〔C−I〕で示されるシアンカ
プラーについて説明する。
【0147】一般式〔C−I〕においてR31で表される
炭素原子数2〜6のアルキル基は直鎖でも分岐でもよ
く、置換基を有するものも包含する。R31は好ましくは
エチル基である。
【0148】R32で表されるバラスト基は、カプラーが
適用される層からカプラーを実質的に他層へ拡散できな
いようにするのに十分な嵩張りをカプラー分子に与える
大きさと形状を有する有機基である。該バラスト基とし
て好ましいものは、−CH(R33)−O−Arで表され
るものである。
【0149】R33は炭素原子数1〜12のアルキル基を
表し、Arはフェニル基等のアリール基を表し、このア
リール基は置換基を有するものを包含する。
【0150】X21で表される発色現像主薬の酸化体との
反応で離脱しうる原子又は基としては、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオ
キシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ基、スルホ
ニルアミノ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリー
ルオキシカルボニルオキシ基及びイミド基など(それぞ
れ置換基を有するものを含む)が挙げられるが、好まし
くはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシ基で
ある。
【0151】次に一般式〔C−I〕で表されるカプラー
の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0152】
【化43】
【0153】
【化44】
【0154】
【化45】
【0155】これらを含め、本発明において用いること
のできるシアンカプラーの具体例は、特公昭49−11
572号、特開昭61−3142号、同61−9652
号、同61−9653号、同61−39045号、同6
1−50136号、同61−99141号、同61−1
05545号等に記載されている。
【0156】本発明の前記一般式〔C−I〕で示される
シアンカプラーは、通常ハロゲン化銀1モル当たり1×
10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-2
ルの範囲で用いることができる。
【0157】又、本発明のシアンカプラーは、本発明以
外のシアンカプラーと共に用いられてもよく、このよう
に併用されるカプラーとしては、5位にメチル基を有す
るフェノール系シアンカプラーや2,5−ジアシルアミ
ノフェノール系シアンカプラー等が挙げられる。
【0158】次に、一般式〔I〕で表されるシアンカプ
ラーについて詳述する。
【0159】本発明に係るHammettによって定義
された置換基定数σpが+0.20以上の置換基は、具
体的にはスルホニル、スルフィニル、スルホニルオキ
シ、スルファモイル、ホスホリル、カルバモイル、アシ
ル、アシルオキシ、オキシカルボニル、カルボキシル、
シアノ、ニトロ、ハロゲン置換アルコキシ、ハロゲン置
換アリールオキシ、ピロリル、テトラゾリル等の各基及
びハロゲン原子等が挙げられる。
【0160】スルホニル基としては、アルキルスルホニ
ル、アリールスルホニル、ハロゲン置換アルキルスルホ
ニル、ハロゲン置換アリールスルホニル等;スルフィニ
ル基としては、アルキルスルフィニル、アリールスルフ
ィニル等;スルホニルオキシ基としては、アルキルスル
ホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ等;スルファ
モイル基としては、N,N−ジアルキルスルファモイ
ル、N,N−ジアリールスルファモイル、N−アルキル
−N−アリールスルファモイル等;ホスホリル基として
は、アルコキシホスホリル、アリールオキシホスホリ
ル、アルキルホスホリル、アリールホスホリル等;カル
バモイル基としては、N,N−ジアルキルカルバモイ
ル、N,N−ジアリールカルバモイル、N−アルキル−
N−アリールカルバモイル等;アシル基としては、アル
キルカルボニル、アリールカルボニル等;アシルオキシ
基としては、アルキルカルボニルオキシ等;オキシカル
ボニル基としては、アルコキシカルボニル、アリールオ
キシカルボニル等;ハロゲン置換アルコキシ基として
は、α−ハロゲン置換アルコキシ等;ハロゲン置換アリ
ールオキシ基としては、テトラフルオロアリールオキ
シ、ペンタフルオロアリールオキシ等;ピロリル基とし
ては1−ピロリル等;テトラゾリル基としては、1−テ
トラゾリル等の各基が挙げられる。
【0161】上記置換基の他に、トリフルオロメチル
基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノニルフルオロ−
t−ブチル基や、テトラフルオロアリール基、ペンタフ
ルオロアリール基なども好ましく用いられる。
【0162】一般式〔I〕において、R41又はR42が表
す置換基のうち、電子吸引性基以外の置換基としては、
種々のものが挙げられ特に制限はないが、代表的なもの
として、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、ア
ルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキ
ニル、複素環、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オ
キシ、シロキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウ
レイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニル
アミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシ
カルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、
チオウレイド、ヒドロキシル及びメルカプトの各基、並
びにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等が挙
げられる。
【0163】上記アルキル基としては炭素数1〜32の
ものが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。アリール基と
してはフェニル基が好ましい。
【0164】アシルアミノ基としてはアルキルカルボニ
ルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基;スルホンア
ミド基としてはアルキルスルホニルアミノ基、アリール
スルホニルアミノ基;アルキルチオ基、アリールチオ基
におけるアルキル成分、アリール成分は上記のアルキル
基、アリール基が挙げられる。
【0165】アルケニル基としては炭素数2〜32のも
の、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5
〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐で
もよい。シクロアルケニル基としては炭素数3〜12、
特に5〜7のものが好ましい。
【0166】ウレイド基としてはアルキルウレイド基、
アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ基として
はアルキルスルファモイルアミノ基、アリールスルファ
モイルアミノ基等;複素環基としては5〜7員のものが
好ましく、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、
2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等;複素
環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するものが好
ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル
−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ基等;複素環チオ基としては5〜7員の複素環チオ基
が好ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチ
アゾリルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−
トリアゾール−6−チオ基等;シロキシ基としてはトリ
メチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブ
チルシロキシ基等;イミド基としては琥珀酸イミド基、
3−ヘプタデシル琥珀酸イミド基、フタルイミド基、グ
ルタルイミド基等;スピロ化合物残基としてはスピロ
[3.3]ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物
残基としてはビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イ
ル、トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン−1−イ
ル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−1−イル等が挙げられる。
【0167】これらの基は、更に長鎖炭化水素基やポリ
マー残基等の耐拡散性基などの置換基を含んでいてもよ
い。
【0168】一般式〔I〕において、X31の表す発色現
像主薬の酸化体との反応により離脱しうる基又は原子と
しては、例えば水素原子、ハロゲン原子(塩酸、臭素、
弗素等)及びアルコキシ、アリールオキシ、複素環オキ
シ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アルコキシカル
ボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、アルキルオ
キザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキシ、アルキ
ルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルコキシチオカ
ルボニルチオ、アシルアミノ、スルホンアミド、N原子
で結合した含窒素複素環、アルコキシカルボニルアミ
ノ、アリールオキシカルボニルアミノ、カルボキシル等
の各基が挙げられるが、これらのうち好ましくは、水素
原子及びアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、
アリールチオの各基、N原子で結合した含窒素複素環基
である。
【0169】一般式〔I〕において、Z1により形成さ
れる含窒素5員複素環としては、ピラゾール、イミダゾ
ール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、テトラゾー
ル等の各環が挙げられる。mは好ましくは0〜5であ
る。
【0170】一般式〔I〕で表される化合物を更に具体
的に記すと、下記一般式〔I〕−1〜〔I〕−7により
表される。
【0171】
【化46】
【0172】上記一般式において、〔I〕−1中のR41
及びR51の内の少なくとも一つ、〔I〕−2中のR41
びR52の内の少なくとも一つ、〔I〕−3中のR41、R
53及びR54の内の少なくとも一つ、〔I〕−4中の
41、R55及びR56の内の少なくとも一つ、〔I〕−5
中のR41及びR57の内の少なくとも一つ、〔I〕−6中
のR41、〔I〕−7中のR41及びR58の内の少なくとも
一つはσpが0.20以上の電子吸引性基である。
【0173】X31は一般式〔I〕におけるX31と同義で
あり、pは0〜4の整数を表す。
【0174】又、一般式〔I〕−1〜〔I〕−7におい
て、R41及びR51〜R58の内、σpが0.20以上の電
子吸引性基でないものは、水素原子又は置換基を表し、
58の内、電子吸引性基でないものは、置換基として特
に制限はなく、具体的には一般式〔I〕において、R41
又はR42が電子吸引性基以外である場合に、R41又はR
42が表す置換基として述べたものが挙げられる。
【0175】本発明に係る電子吸引性基を有するシアン
カプラーは、特開昭64−554号、同64−555
号、同64−557号、特開平1−105251号等に
記載の方法に従って容易に合成することができる。
【0176】次に一般式〔II〕で表されるシアンカプラ
ーについて説明する。
【0177】一般式〔II〕のシアンカプラーは、ピラゾ
ール環と縮環して複素6員環を形成した構造を有するも
ので、R43の表す置換基としては特に制限はなく、代表
的にはアルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、
スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケ
ニル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他
にハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複
素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシ
ル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキ
シ、スルホニルオキシ、アリールオキシ、複素環オキ
シ、シロキシ、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、ア
ミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモ
イルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオ
キシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリー
ルオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カル
ボキシル、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、スルホ
ン酸等の各基、並びにスピロ化合物残基、有橋炭化水素
化合物残基等も挙げられる。
【0178】R43で表されるアルキル基としては炭素数
1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でもよく、ア
リール基としてはフェニル基が好ましい。
【0179】R43で表されるアシルアミノ基としては、
アルキルカルボニルアミノ基アリールカルボニルアミノ
基等;スルホンアミド基としては、アルキルスルホニル
アミノ基、アリールスルホニルアミノ基等;アルキルチ
オ基、アリールチオ基におけるアルキル成分、アリール
成分は上記R43で表されるアルキル基、アリール基が挙
げられる。
【0180】R43で表されるアルケニル基としては炭素
数2〜32のもの、シクロアルキル基としては炭素数3
〜12、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は
直鎖でも分岐でもよい。又、シクロアルケニル基として
は炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましい。
【0181】R43で表されるスルホニル基としてはアル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基等;スルフィ
ニル基としてはアルキルスルフィニル基、アリールスル
フィニル基等;ホスホニル基としてはアルキルホスホニ
ル基、アルコキシホスホニル基、アリールオキシホスホ
ニル基、アリールホスホニル基等;アシル基としてはア
ルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;カルバ
モイル基としてはアルキルカルバモイル基、アリールカ
ルバモイル基等;スルファモイル基としてはアルキルス
ルファモイル基、アリールスルファモイル基等;アシル
オキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ基、アリー
ルカルボニルオキシ基等;カルバモイルオキシ基として
はアルキルカルバモイルオキシ基、アリールカルバモイ
ルオキシ基等;ウレイド基としてはアルキルウレイド
基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ基と
してはアルキルスルファモイルアミノ基、アリールスル
ファモイルアミノ基等;複素環基としては5〜7員のも
のが好ましく、具体的には2−フリル基、2−チエニル
基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、1
−ピロリル基、1−テトラゾリル基等;複素環オキシ基
としては5〜7員の複素環を有するものが好ましく、例
えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキ
シ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基等;複
素環チオ基としては5〜7員の複素環チオ基が好まし
く、例えば2−ピリジルチオ基、2−ペンゾチアゾリル
チオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾ
ール−6−チオ基等;シロキシ基としてはトリメチルシ
ロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロ
キシ基等;イミド基としては琥珀酸イミド基、3−ヘプ
タデシル琥珀酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイ
ミド基等;スピロ化合物残基としてはスピロ[3.3]
ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基として
はビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル、トリシ
クロ[3.3.1.13.7]デカン−1−イル、7,7
−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イ
ル等が挙げられる。これらの各基は、更に長鎖炭化水素
基やポリマー残基などの耐拡散性基等の置換基を有して
いてもよい。
【0182】X32の表す発色現像主薬の酸化体との反応
により離脱しうる基としては、一般式〔I〕のX31と同
様の基を挙げることができる。
【0183】一般式〔II〕において、Z2が形成する含
窒素複素6員環は、好ましくは6π電子系又は8π電子
系であり、少なくとも一つの−NH−を含んで1〜4個
の窒素原子を含有しており、該6員環が含む少なくとも
一つのカルボニル基とは>C=Oや>C=S等の基を表
す。又、該6員環が含む少なくとも一つのスルホニル基
とは−SO2−の基を表す。
【0184】本発明のシアンカプラーの内、好ましい具
体例としては、下記一般式〔II〕−1〜〔II〕−6で表
される化合物が挙げられる。
【0185】
【化47】
【0186】式中、R43,R61,R62,R63,R64,R
65,R66,R67及びR68は、一般式〔I〕におけるR41
と同義であり、X32は一般式〔I〕におけるX31と同義
であり、一般式〔II〕−5において、nは0〜4の整数
を表し、nが2以上の時、複数のR66は同じでも異なっ
てもよい。
【0187】一般式〔II〕−4及び〔II〕−6における
64,R65,R67及びR68は一般式〔I〕におけるR41
と同義であるが、R64及びR67がヒドロキシル基である
ことはない。
【0188】一般式〔III〕において、R44及びR45
ハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性
基を表し、これらの電子吸引性基としては、一般式
〔I〕におけるR41及びR42の電子吸引性基と同様の基
を挙げることができる。ただし、R44とR45のσp値の
和は0.65以上である。
【0189】Z3により形成される含窒素5員複素環と
しては、ピラゾール、イミダゾール又はテトラゾール等
の環が挙げられる。これらの含窒素5員複素環は置換基
を有していてもよい。
【0190】一般式〔III〕で表される化合物を更に具
体的に記すと、下記一般式〔III〕−1〜〔III〕−8に
より表される。
【0191】
【化48】
【0192】式中、R44,R45及びX33は、一般式〔II
I〕におけるそれぞれと同義である。R71は水素原子又
は置換基を表し、R72はハメットの置換基定数σpが
0.20以上の電子吸引性基を表す。
【0193】R71の表す置換基としては、一般式〔II〕
のR43と同様の基を挙げることができ、R72の表す電子
吸引性基としては、一般式〔I〕におけるR41及びR42
の電子吸引性基と同様の基を挙げることができる。
【0194】一般式〔III〕で表されるシアンカプラー
は、一般式〔III〕−1,〔III〕−2又は〔III〕−3
で表されるシアンカプラーが好ましく、特に一般式〔II
I〕−2で表されるシアンカプラーが好ましい。
【0195】一般式〔IV〕において、R46及びR47は水
素原子又は置換基を表し、これらの置換基としては、一
般式〔II〕のR43と同様の基を挙げることができる。
【0196】一般式〔IV〕におけるZ4は、含窒素6員
複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただ
し、該複素環は少なくとも一つの解離基を有する。含窒
素6員複素環を構成するための四つの2価の連結基とし
ては、例えば−NH−,−N(R)−,−N=,−CH
(R)−,−CH=,−C(R)=,−CO−,−S
−,−SO−,−SO2−が挙げられる(Rは置換基を
表し、その例としてはR71で挙げた置換基が挙げられ
る)。
【0197】解離基としては、例えば−NH−,−CH
(R)−のような酸性プロトンを有するものが挙げら
れ、好ましくは水中のpKaが3〜12の値を持つもの
である。
【0198】一般式〔IV〕で表されるカプラーの内、好
ましい具体例としては下記一般式〔IV〕−1〜〔IV〕−
6で表される化合物が挙げられる。
【0199】
【化49】
【0200】式中、R46,R47及びX34は、一般式〔I
V〕におけるそれぞれと同義である。R81及びR82は各
々、水素原子又は置換基を表し、R83はハメットの置換
基定数σp値が0.20以上の電気吸引性基を表す。
【0201】R81及びR82の置換基の具体例は、一般式
〔II〕のR43と同様であり、R83の表す電子吸引性基の
具体例は、一般式〔I〕におけるR41及びR42の電子吸
引性基と同様である。
【0202】X34の表す発色現像主薬の酸化体との反応
により離脱しうる基としては、一般式〔I〕のX31と同
様の基を挙げることができる。
【0203】以下、一般式〔I〕〜〔IV〕で表されるシ
アンカプラー(以下、本発明のシアンカプラーと呼ぶ)
の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではな
い。
【0204】
【化50】
【0205】
【化51】
【0206】
【化52】
【0207】
【化53】
【0208】
【化54】
【0209】
【化55】
【0210】
【化56】
【0211】
【化57】
【0212】本発明のシアンカプラーは、通常、ハロゲ
ン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1
×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができ
る。又、本発明のカプラーは他の種類のシアンカプラー
と併用することもできる。
【0213】本発明の感光材料に用いられるカプラーや
その他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散
法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶
性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/又は水
溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの
親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散す
る。分散手段としては、攪拌機、ホモジナイザー、コロ
イドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を
用いることができる。分散後又は分散と同時に、低沸点
有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。
【0214】カプラーを溶解して分散するために用いる
ことの出来る高沸点有機溶媒としては、ジオクチルフタ
レート、ジ−i−デシルフタレート、ジブチルフタレー
ト等のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート等の燐酸エステル類が好
ましく用いられる。又、高沸点有機溶媒の誘電率として
は3.5〜7.0であることが好ましい。又、2種以上
の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
【0215】又、高沸点有機溶媒を用いる方法に代え
て、又は高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有機
溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点及
び/又は水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液など
の親水性バインダー中に界面活性剤を用いて種々の分散
手段により乳化分散する方法を採ることもできる。この
時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマーとし
ては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を挙げ
ることができる。
【0216】写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調
整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物と
しては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホ
ン酸基又はその塩を含有するものが挙げられる。具体的
には、特開昭64−26854号記載のA−1〜A−1
1が挙げられる。又、アルキル基に弗素原子を置換した
界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は、
通常、ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加される
が、分散後塗布液に添加される迄の時間、及び塗布液に
添加後塗布迄の時間は短い方が良く、各々10時間以内
が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
【0217】本発明のカプラーには、形成された色素画
像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止
剤を併用することが好ましい。特に好ましい化合物とし
ては、特開平2−66541号3頁記載の一般式〔I〕
及び〔II〕で示されるフェニルエーテル系化合物、特開
平3−174150号記載の一般式〔IIIB〕で示され
るフェノール系化合物、特開昭64−90445号記載
の一般式〔A〕で示されるアミン系化合物、特開昭62
−182741号記載の一般式〔XII〕、〔XIII〕、〔X
IV〕、〔XV〕で示される金属錯体が特にマゼンタ色素用
として好ましい。又、特開平1−196049号記載の
一般式〔I〕で示される化合物及び特開平5−1141
7号記載の一般式[II]で示される化合物が特にイエロ
ー、シアン色素用として好ましい。
【0218】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特開平4−114154号9頁左下欄に記載の化合
物d−11、同10頁左上欄に記載の化合物A′−1等
の化合物を用いることができる。又、これ以外にも、米
国特許4,774,187号に記載の蛍光色素放出化合
物を用いることもできる。
【0219】感光材料には、現像主薬酸化体と反応する
化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防
止したり、又、ハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等
を改良することが好ましい。このための化合物としては
ハイドロキノン誘導体が好ましく、更に好ましくは2,
5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキ
ルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は、特開
平4−133056号記載の一般式〔II〕で示される化
合物であり、同号13〜14頁に記載の化合物II−1〜
II−14及び17頁記載の化合物−1が挙げられる。
【0220】感光材料中には、紫外線吸収剤を添加して
スタチックカブリを防止したり、色素画像の耐光性を改
良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としては
ベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物
として特開平1−250944号記載の一般式〔III−
3〕で示される化合物、特開昭64−66646号記載
の一般式[III]で示される化合物、特開昭63−18
7240号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4
−1633号記載の一般式[I]で示される化合物、特
開平5−165144号記載の一般式(I)、(II)で
示される化合物が挙げられる。
【0221】本発明の感光材料にはバインダーとしてゼ
ラチンを用いることが有利であるが、必要に応じてゼラ
チン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマ
ー、ゼラチン以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導
体、単一又は共重合体の如き合成親水性高分子物質等の
親水性コロイドも用いることができる。
【0222】本発明の請求項8又は9の発明には、トリ
アジン系硬膜剤が用いられる。このうち好ましくは、前
記一般式〔H−I〕、〔H−II〕で表される化合物であ
る。
【0223】一般式〔H−I〕におけるアルキル基、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基としては、炭
素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等で
ありこれらは更に置換基を有していてもよい。アリール
基としては、フェニル基、ナフチル基等であり、これら
は更に置換基を有していてもよい。Mは例えばナトリウ
ム原子或いはカリウム原子等である。
【0224】一般式〔H−II〕におけるアルキル基、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基としては、炭
素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等で
ありこれらは更に置換基を有していてもよい。アルキレ
ン基としては、好ましくは炭素数1〜8のものであり、
例えばエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ヘ
キサメチレン基等であり、アリーレン基としては、好ま
しくは、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フ
ェニレン基、1,4−ナフタレン基、等である。
【0225】以下にトリアジン系硬膜剤の具体例を示す
が、本発明はこれらに限定されない。
【0226】
【化58】
【0227】
【化59】
【0228】
【化60】
【0229】
【化61】
【0230】本発明の請求項10又は11の発明には、
ビニルスルホン系硬膜剤が用いられる。このうち好まし
くは一般式〔H−III〕で表される化合物である。
【0231】一般式〔H−III〕におけるアルキレン基
としては、好ましくは炭素数1〜8のものであり、例え
ばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレ
ン基、ヘキサメチレン基等であり、アリーレン基として
は、好ましくは、o−フェニレン基、m−フェニレン
基、p−フェニレン基、1,4−ナフタレン基、等であ
り、これらの前記基が互いに結合した基としては、1,
4−キシリレン基、メチレンビス(1,4−フェニレ
ン)基等である。
【0232】以下にビニルスルホン系硬膜剤の化合物例
を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0233】
【化62】
【0234】
【化63】
【0235】本発明の請求項12又は13の発明には、
カルボキシル基活性型硬膜剤が用いられる。このうち好
ましくは一般式(1)〜(8)で表される化合物であ
る。
【0236】一般式(1)中、R11,R12は炭素数1〜
10のアルキル基(例えばメチル、エチル、2−エチル
ヘキシル)、炭素数6〜15のアリール基(例えばフェ
ニル、ナフチル)、又は炭素数7〜15のアラルキル基
(例えばベンジル、フェネチル)を表し、互いに同じで
あっても異なっても良い。またR11,R12は互いに結合
して窒素原子と共に複素環を形成することも好ましい。
環を形成する例としてはピロリジン環、ピペラジン環、
モルホリン環などが挙げられる。R13は水素原子、ハロ
ゲン原子、カルバモイル基、スルホ基、スルホオキシ
基、スルホアミノ基、ウレイド基、炭素数1〜10のア
ルコキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜
20のジアルキルアミノ基、N−アルキルカルバモイル
基などの置換基を表す。R13がアルコキシ基、アルキル
基、ジアルキルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基
であるとき、それらの基とは更に置換基をもっていても
良く、それら置換基の例としては、ハロゲン原子、カル
バモイル基、スルホ基、スルホオキシ基、スルホアミノ
基、ウレイド基が挙げられる。X-は陰イオンを表し、
N−カルバモイルピリジニウム塩の対イオンとなる。R
13の置換基にスルホ基、スルホオキシ基、スルホアミノ
基を含むときは、分子内塩を形成していて、X-は存在
しなくても良い。陰イオンの好ましい例として、ハロゲ
ン化物イオン、硫酸イオン、スルホネートイオン、Cl
4 -、BF4 -、PF6 -などが挙げられる。
【0237】一般式(1)で表されるカルバモイルアン
モニウム塩系硬膜剤についての詳細な記載は、特公昭5
6−12853号、同58−32699号、特開昭49
−51945号、同51−59625号、同61−96
41号などの公報に詳しい。
【0238】一般式(2)中、R11、R12、R13及びX
-の定義は、一般式(1)における定義と全く同様であ
り、これらの化合物はベルギー特許第825,726号
に詳しい。
【0239】一般式(3)中、R14、R15、R16及びR
17は各々炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、
エチル、ブチル、2−エチルヘキシル、ドデシル)、炭
素数6〜20のアラルキル基(例えばベンジル、フェネ
チル、3−ピリジルメチル)、又は炭素数5〜20のア
リール基(例えばフェニル、ナフチル、ピリジル)であ
り、それぞれ同じであっても異なっていても良い。また
14、R15、R16及びR17は置換基を有していても良
く、その置換基の例としては、ハロゲン原子、炭素数1
〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキ
シ基、N,N−ジ置換カルバモイル基などが挙げられ
る。
【0240】また、R14、R15、R16及びR17の中の任
意の2つが結合して環を形成することも好ましい。例え
ばR14とR15、或いはR16とR17が結合して窒素原子と
共に環を形成する例としては、ピロリジン環、ピペラジ
ン環、ペルヒドロアゼピン環、モルホリン環などを形成
する場合が挙げられる。また、R14とR16、或いはR15
とR17が結合して2つの窒素原子及びそれらにはさまれ
た炭素原子と共に環を形成する例としては、イミダゾリ
ン環、テトラヒドロピリミジン環、テトラヒドロジアゼ
ピン環などを形成する場合が挙げられる。
【0241】Xは、一般式(3)で表される化合物が求
核試薬と反応した際に離脱し得る基を表し、好ましい例
としてハロゲン原子、スルホニルオキシ基などが挙げら
れる。Y-は陰イオンを表し、ハロゲン化物イオン、ス
ルホネートイオン、硫酸イオン、ClO4 -、BF4 -、P
6 -などが好ましい。Yがスルホネートイオンを表すと
き、X、R14、R15、R16又はR17と結合して分子内塩
を形成しても良い。
【0242】一般式(3)で表されるアミジニウム塩系
硬膜剤については特開昭60−225148号に詳細な
記述がある。
【0243】一般式(4) R18−N=C=N−R19 一般式(4)中、R18は炭素数1〜10のアルキル基
(例えばメチル、エチル、2−エチルヘキシル)、炭素
数5〜8のシクロアルキル基(例えばシクロヘキシ
ル)、炭素数3〜10のアルコキシアルキル基(例えば
メトキシエチル)、又は炭素数7〜15のアラルキル基
(例えばベンジル、フェネチル)を表す。R19はR18
定義された基を表す他に前記一般式(5)で表される基
が好ましい。
【0244】一般式(5)において、R20は炭素数2〜
4のアルキレン基(例えばエチレン、プロピレン、トリ
メチレンなど)を表す。R21とR22はそれぞれ同じであ
っても異なっていても良い炭素数1〜6のアルキル基
(例えばメチル、エチル)を表す。また、R21とR22
結合して窒素原子と共に複素環(例えばピロリジン環、
ピラペラジン環、モルホリン環など)を形成することも
好ましい。R23は炭素数1〜6のアルキル基(例えばメ
チル、エチル、ブチルなど)を表すが、置換されること
も好ましい。置換基の例としては置換或いは無置換のカ
ルバモイル基、スルホ基などが好ましい。X-は陰イオ
ンを表し、ハロゲン化物イオン、スルホネートイオン、
硫黄イオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -などが好まし
い。またR23がスルホ基で置換された場合には、分子内
塩を形成して、X-は存在しなくても良い。
【0245】これらのカルボジイミド系硬膜剤について
は特開昭51−126125号、同52−48311号
に詳しい。
【0246】一般式(6)中、R24は炭素数1〜10の
アルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル)、炭素数
6〜15のアリール基(例えばフェニル、ナフチル)、
又は炭素数7〜15のアラルキル基(例えばベンジル、
フェネチル)を表す。これらの基は置換されても良く、
置換基の例としてはカルバモイル基、スルファモイル
基、スルホ基などが挙げられる。R25、R26は水素原
子、ハロゲン原子、アシルアミド基、ニトロ基、カルバ
モイル基、ウレイド基、アルコキシ基、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、アラルキル基などの置換基を
表し、それぞれ同じであっても異なっていても良い。ま
たR25とR26が結合してピリジニウム環骨格と共に縮合
環を形成することも好ましい。
【0247】Xは一般式(6)で表される化合物が求核
試薬と反応した際に脱離し得る基を表し、好ましい例と
してハロゲン原子、スルホニルオキシ基或いは−OP
(=O(OR272で表される基(R27はアルキル基又
はアリール基を表す。)が挙げられる。Xがスルホニル
オキシ基を表す場合はXはR24が結合していることも好
ましい。Y-は陰イオンを表し、ハロゲン化物イオン、
スルホネートイオン、硫酸イオン、ClO4 -、BF4 -
PF6 -などが好ましい。またR24がスルホ基で置換され
た場合には分子内塩を形成して、Yは存在しなくても良
い。
【0248】これらのピリジニウム塩型硬膜剤について
は、特公昭58−50699号、特開昭57−4414
0号、同57−46538号に詳細な記載がある。
【0249】一般式(7)中、R11、R12の定義は一般
式(1)におけるR11、R12の定義と全く同義であり、
28は炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル、エ
チル、ブチル)、炭素数6〜15のアリール基(例えば
フェニル、ナフチル)、又は炭素数7〜15のアラルキ
ル基(例えばベンジル、フェネチル)を表す。X-は陰
イオンであり、ハロゲン化物イオン、スルホネートイオ
ン、硫酸イオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -などが好ま
しい。
【0250】一般式(7)で表されるピリジニウム塩系
硬膜剤については特開昭52−54427号に詳しく記
載されている。
【0251】一般式(8)中、R29は炭素数1〜10の
アルキル基(例えばメチル、エチル、2−エチルヘキシ
ル)、炭素数6〜15のアリール基(例えばフェニル、
ナフチルなど)、又は炭素数7〜15のアラルキル基
(例えばベンジル、フェネチルなど)を表し、置換され
ていても置換されていなくても良い。置換基としてはハ
ロゲン原子、カルバモイル基、スルホ基、スルホオキシ
基、ウレイド基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素
数1〜10のアルキル基、炭素数2〜20のジアルキル
置換アミノ基などの例がある。
【0252】Zは含窒素複素芳香環を完成するのに必要
な非金属原子群を表し、好ましい例としてはピリジン
環、ピリミジン環、ビラゾール環、イミダゾール環、オ
キサゾール環など及びそれらのベンゾ縮合環がある。R
30は水素原子、ハロゲン原子、カルバモイル基、スルホ
基、スルホオキシ基、ウレイド基、炭素数1〜10のア
ルコキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜
20のジアルキルアミノ基、N−アルキルカルバモイル
基などの置換基を表す。R30がアルコキシ基、アルキル
基、ジアルキルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基
であるとき、これらの基は更に置換されていても良く、
それら置換基の例としては、ハロゲン原子、カルバモイ
ル基、スルホ基、スルホオキシ基、ウレイド基が挙げら
れる。X-は陰イオンを表す。R29、R30又はそれらの
置換基にスルホ基、スルホオキシ基を含むときは、分子
内塩を形成して、X-は存在しなくても良い。陰イオン
の好ましい例として、ハロゲン化物イオン、硫酸イオ
ン、スルホネートイオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -
どが挙げられる。
【0253】本発明で用いられるカルボキシル基活性型
硬膜剤としては前記の一般式(1)〜一般式(8)で表
される化合物の他にも、特開昭50−38540号、特
開昭52−93470号、特開昭56−43353号、
特開昭58−113929号、米国特許3,321,3
13号に記載された化合物なども好ましい。特に好まし
く本発明に用いられる硬膜剤は、一般式(2)で表され
る硬膜剤である。以下に本発明に使用される化合物(カ
ルボキシル基活性型硬膜剤)の具体的な例を分類してあ
げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0254】
【化64】
【0255】
【化65】
【0256】
【化66】
【0257】
【化67】
【0258】
【化68】
【0259】本発明に使用する硬膜剤の使用量は、目的
に応じて任意に選ぶことができる。通常は乾燥ゼラチン
に対して0.01〜20重量%の範囲の割合で使用でき
る。特に好ましくは0.05〜15重量%の範囲の割合
で使用する。
【0260】本発明の請求項7から請求項13にかけて
の発明の硬膜剤は、それぞれ単独で使用されても、2種
以上の硬膜剤との併用で使用されても構わない。また本
発明に入らない他の種の硬膜剤との併用で使用されても
構わない。
【0261】本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤の組成
は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化
銀、塩沃化銀等、任意のハロゲン組成を有するものであ
ってもよいが、塩化銀を95モル%以上含有する実質的
に沃化銀を含有しない塩臭化銀が好ましい。迅速処理
性、処理安定性からは、好ましくは97モル%以上、よ
り好ましくは98〜100モル%の塩化銀を含有するハ
ロゲン化銀乳剤が好ましい。
【0262】上記のハロゲン化銀乳剤を得るには、臭化
銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が
特に好ましく用いられる。この場合、高濃度に臭化銀を
含有する部分は、ハロゲン化銀乳剤粒子にエピタキシー
接合していても、所謂コア・シェル乳剤であってもよい
し、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域
が存在するだけであってもよい。又、組成は連続的に変
化してもよいし、不連続に変化してもよい。臭化銀が高
濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶
粒子の頂点であることが特に好ましい。
【0263】本発明のハロゲン化銀乳剤を得るには、重
金属イオンを含有させるのが有利である。このような目
的に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イ
リジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オ
スミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属
や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属
や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウ
ム、クロム等の各イオンを挙げることができる。中でも
鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミ
ウムの金属イオンが好ましい。これらの金属イオンは、
塩や錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することができ
る。
【0264】重金属イオンが錯体を形成する場合には、
その配位子又はイオンとしてシアン化物イオン、チオシ
アン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、シアン酸イオ
ン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、硝酸
イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げることができ
る。中でも、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、
イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン
等が好ましい。
【0265】ハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有さ
せるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形
成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の
形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すれば
よい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るに
は、重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒
子形成工程の全体或いは一部に亘って連続的に添加すれ
ばよい。
【0266】重金属イオンのハロゲン化銀乳剤中への添
加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×1
-2モルが好ましく、特に1×10-8〜5×10-5モル
が望ましい。
【0267】ハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用
いることができる。好ましい一つの例は、(100)面
を結晶表面として有する立方体である。又、米国特許
4,183,756号、同4,225,666号、特開
昭55−26589号、特公昭55−42737号や、
ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエン
ス(J.Photogr.Sci.)21巻,39頁
(1973年)等の文献に記載された方法等により、八
面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子を造
り、これを用いることもできる。更に、双晶面を有する
粒子を用いてもよい。
【0268】ハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる
粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳
剤を2種以上同一層に添加することが特に好ましい。
【0269】ハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はない
が、迅速処理性及び感度等、他の写真性能などを考慮す
ると、好ましくは0.1〜1.2μm、更に好ましくは
0.2〜1.0μmの範囲である。この粒径は、粒子の
投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することがで
きる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布
は直径か投影面積として可成り正確にこれを表すことが
できる。
【0270】ハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好まし
くは変動係数が0.05〜0.22、更に好ましくは
0.05〜0.15の単分散ハロゲン化銀粒子であり、
特に好ましくは0.05〜0.15の単分散乳剤を2種
以上同一層に添加することである。ここで変動係数は、
粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義さ
れる。
【0271】変動係数=S/R(Sは粒径分布の標準偏
差、Rは平均粒径を表す)ここでいう粒径とは、球状の
ハロゲン化銀粒子の場合は、その直径、又、立方体や球
状以外の形状の粒子の場合は、その投影像を同面積の円
像に換算した時の直径を表す。
【0272】ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0273】ハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、ア
ンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒
子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を
造った後で成長させてもよい。種粒子を造る方法と成長
させる方法は、同じであっても異なってもよい。
【0274】又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物を反
応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合
法、それらの組合せなど何れでもよいが、同時混合法で
得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式とし
て、特開昭54−48521号等に記載されているpA
gコントロールド・ダブルジェット法を用いることもで
きる。
【0275】又、特開昭57−92523号、同57−
92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装
置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を供給
する装置、独国公開特許2,921,164号等に記載
された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を連続
的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−5017
76号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外
濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離
を一定に保ちながら粒子形成を行う装置などを用いても
よい。
【0276】更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。又、メルカプト基を有する
化合物、含窒素複素環化合物又は増感色素のような化合
物をハロゲン化銀粒子の形成時又は粒子形成終了の後に
添加して用いてもよい。
【0277】ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増
感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて
用いることができる。
【0278】ハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲン増
感剤としては、硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感
剤などを用いることができるが、硫黄増感剤が好まし
い。
【0279】硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、アリル
チオカルバミド、チオ尿素、アリルイソチアシアナー
ト、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダ
ニン、無機硫黄等が挙げられる。
【0280】硫黄増感剤の添加量は、適用されるハロゲ
ン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変
えることが好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×
10-10〜5×10-5モル、好ましくは5×10-8〜3
×10-5モルの範囲が望ましい。
【0281】金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の
他各種の金錯体として添加することができる。用いられ
る配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシ
アン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール等が挙げられる。金化合物の使用量は、ハロゲン化
銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などに
よって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当た
り1×10-4〜1×10-8モルであることが好ましく、
更に好ましくは1×10-5〜1×10-8モルである。
【0282】ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、
還元増感法を用いてもよい。
【0283】ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の調製工
程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を
小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で
公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることができる。こ
うした目的に用いられる好ましい化合物の例として、特
開平2−146036号7頁下欄に記載された一般式
[II]で表される化合物を挙げることができ、更に好ま
しい具体的な化合物としては、同公報の8頁に記載のII
a−1〜IIa−8、IIb−1〜IIb−7の化合物や、1
−(3−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾ
ール、1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプト
テトラゾール等の化合物を挙げることができる。
【0284】これらの化合物は、その目的に応じて、ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増
感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加され
る。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合に
は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-5〜5×10-4
モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に
添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当たり1×10
-6〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5
5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程におい
てハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化
銀1モル当たり1×10-6〜1×10-1モル程度の量が
好ましく、1×10-5〜×10-2モルがより好ましい。
又、ハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、
塗布被膜中の量が1m2当たり1×10-9〜1×10-3
モル程度の量が好ましい。
【0285】感光材料には、イラジエーション防止やハ
レーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染
料を用いることができる。この目的で、公知の化合物を
何れも用いることができるが、特に、可視域に吸収を有
する染料としては、特開平3−251840号30頁に
記載のAI−1〜11の染料及び特開平6−3770号
記載の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料として
は、特開平1−280750号2頁左下欄に記載の一般
式(I)、(II)、(III)で表される化合物が好まし
い分光特性を有し、写真乳剤の写真特性への影響もな
く、又、残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合
物の具体例として、同公報3頁左下欄〜5頁左下欄に挙
げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げることがで
きる。これらの染料を添加する量として、鮮鋭性を改良
する目的には、感光材料の未処理試料の680nmにお
ける分光反射濃度が0.7〜3.0にする量が好まし
く、更には0.8〜3.0にすることがより好ましい。
【0286】感光材料中に蛍光増白剤を添加することが
白地性を改良でき好ましい。好ましく用いられる化合物
としては、特開平2−232652号記載の一般式〔I
I〕で示される化合物が挙げられる。
【0287】本発明のハロゲン化銀乳剤に用いる分光増
感色素としては、公知の化合物を何れも用いることがで
きるが、青感光性増感色素としては、特開平3−251
840号28頁に記載のBS−1〜BS−8を単独で又
は組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性
増感色素としては、同公報28頁に記載のGS−1〜G
S−5が好ましく、更に赤感光性増感色素としては、同
公報29頁に記載のRS−1〜RS−8が好ましく用い
られる。又、半導体レーザーを用いるなどして赤外光に
より画像露光を行う場合には、赤外感光性増感色素を用
いる必要があるが、赤外感光性増感色素としては、特開
平4−285950号,6〜8頁に記載のIRS−1〜
IRS−11の色素が好ましく用いられる。又、これら
の赤外、赤、緑、青感光性増感色素に特開平4−285
950号,8〜9頁に記載の強色増感剤SS−1〜SS
−9や特開平5−66515号,15〜17頁に記載の
化合物S−1〜S−17を組み合わせて用いるのが好ま
しい。
【0288】これら増感色素の添加時期としては、ハロ
ゲン化銀粒子形成から化学増感終了迄の任意の時期でよ
い。
【0289】増感色素の添加方法としては、メタノー
ル、エタノール、弗素化アルコール、アセトン、ジメチ
ルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して溶
液として添加してもよいし、固体分散物として添加して
もよい。
【0290】本発明に用いる支持体としては、原紙の両
面に樹脂で被覆されたものであり、少なくとも片面がポ
リプロピレンを主成分とする樹脂に被覆された支持体で
ある。中でも、原紙の両面がポリプロピレンを主成分と
する耐水性樹脂で被覆された支持体が好ましい。このポ
リプロピレン樹脂を主成分とする耐水性樹脂層は、他の
樹脂と混合で使用されても構わないが、その場合、ポリ
プロピレン樹脂の割合が50重量%以上である。ここで
いう他の樹脂とは、特に制限がないが、具体的には、低
密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン
(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
等のポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ベークライト、トリアセチルセルロース等の樹脂が挙げ
られる。また、このポリプロピレン樹脂を主成分とする
耐水性樹脂層は、他の樹脂からなる耐水性樹脂層や、ポ
リプロピレン樹脂を主成分とする耐水性樹脂層との積層
で使用されても構わない。耐水性樹脂の厚さは5μm以
上60μm以下が好ましい。
【0291】本発明に用いるポリプロピレンを主成分と
する樹脂は、特開平9−262851号等に記載の方法
にて2軸延伸された方法で製膜することが好ましい。こ
の場合支持体を製造する方法は、基紙の表面をコロナ放
電処理、グロー放電処理等で表面処理し、2軸延伸され
た樹脂と基紙を圧着する方法、又は、基紙の表面に接着
剤等を塗布し、2軸延伸された樹脂と基紙を圧着する方
法等がある。また、通常カラーペーパー用支持体に用い
られている、原紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆され
た支持体の製造方法と同様な方法、即ち、特開平9−2
65154号等に記載の、基紙の表面をコロナ放電処理
し、樹脂温度315℃で溶融押し出しして、樹脂をラミ
ネートコーティングする方法で製造することもできる。
【0292】本発明のハロゲン化銀乳剤層を塗設する側
の耐水性樹脂層は、白色顔料が含有されていることが好
ましい。白色顔料としては、無機及び/又は有機の白色
顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が
用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属
の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸
塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カ
ルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸
化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。白色顔料は好
ましくは硫酸バリウム、二酸化チタンであり、より好ま
しくは二酸化チタンである。二酸化チタンは、アナター
ゼ型とルチル型のものがあるが、より好ましくは、アナ
ターゼ型の二酸化チタンである。二酸化チタンは、水酸
化アルミニウムやアルコール、界面活性剤等で表面処理
されていても、また表面処理されていなくても良い。こ
の白色顔料の含有量は、樹脂に対して3〜25重量%が
好ましく、更に5〜20重量%が好ましい。また樹脂の
中に微小空孔を有していてもよい。特に樹脂の中に白色
顔料を含有しない場合は、微小空孔を有していることが
好ましい。
【0293】本発明に使用される原紙は、一般に写真用
印画紙に用いられる原料から選択できる。例えば、天然
パルプ、合成パルプ、天然パルプと合成パルプとの混合
の他、各種の抄き合わせ紙用原料を挙げることができ
る。一般に針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ
と広葉樹パルプの混合パルプ等を主成分とする天然パル
プが広く応用できる。中性紙、酸性紙、他いかなるもの
でも良い。紙の厚さは、40μm以上200μm以下が
好ましい。
【0294】更に前記支持体の中には、一般に製紙で用
いられるサイズ剤、定着剤、強力増強剤、鎮料、帯電防
止剤、染料、カブリ防止剤等の添加剤が配合されていて
もよく、また表面サイズ剤、表面張力剤、帯電防止剤等
を表面に塗布したものであっても良い。
【0295】本発明の支持体は表面がエネルギー処理さ
れて使用されても構わない。このエネルギー処理とは、
例えば、特開平9−7818号、同9−197618
号、同9−258376号、欧州特許−785466号
等に記載されている、グロー放電、プラズマ処理、バー
ナー加熱処理等がある。その結果支持体表面上に硬膜剤
反応基を生じた支持体になっていても構わない。
【0296】また反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂
中や塗布されたバインダー中に処理後の白地部の分光反
射濃度バランスを調整し白色性を改良するため群青、油
溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加する事が
好ましい。
【0297】また写真性能や画像保存性に悪影響するカ
ビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3−1
57646号公報記載のような防腐剤及び抗カビ剤を添
加する事が好ましい。また感光材料又は処理後の試料の
表面の物性を改良するため保護層に特開平6−1185
43号公報や特開平2−73250号公報明細書記載の
滑り剤を添加する事が好ましい。
【0298】ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の
塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用い
てもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布す
ることの出来るエクストルージョンコーティング及びカ
ーテンコーティングが特に有用である。
【0299】本発明の感光材料を用いて写真画像を形成
するには、ネガ上に記録された画像を、プリントしよう
とする感光材料上に光学的に結像させて焼き付けてもよ
いし、画像を一旦デジタル情報に変換した後、その画像
をCRT(陰極線管)上に結像させ、この像をプリント
しようとする感光材料上に結像させて焼き付けてもよい
し、デジタル情報に基づいてレーザー光の強度を変化さ
せて走査することによって焼き付けてもよい。
【0300】本発明は、現像主薬を感光材料中に内蔵し
ていない感光材料に適用することが好ましく、特に直接
鑑賞用の画像を形成する感光材料に適用することが好ま
しい。例えばカラーペーパー、カラー反転ペーパー、ポ
ジ画像を形成する感光材料、ディスプレイ用感光材料、
カラープルーフ用感光材料を挙げることができる。特
に、反射支持体を有する感光材料に適用することが好ま
しい。
【0301】本発明において用いられる芳香族1級アミ
ン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができ
る。これらの化合物の例として下記の化合物を挙げるこ
とができる。
【0302】CD−1:N,N−ジエチル−p−フェニ
レンジアミン CD−2:2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン CD−3:2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリ
ル)アミノトルエン CD−4:4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチ
ル)アミノアニリン CD−5:2−メチル−4−(N−エチル−N−β−ヒ
ドロキシエチル)アミノ)アニリン CD−6:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミド)エチルアニリン CD−7:4−アミノ−3−β−メタンスルホンアミド
エチル−N,N−ジエチルアニリン CD−8:N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン CD−9:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
メトキシエチルアニリン CD−10:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N
−(β−エトキシエチル)アニリン CD−11:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N
−(γ−ヒドロキシプロピル)エチルアニリン 本発明においては、上記は色現像液を任意のpH域で使
用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0
であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜1
2.0の範囲で用いられる。
【0303】本発明における発色現像の処理温度は、3
5〜70℃が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が
可能であり好ましいが、処理液の安定性からは余り高く
ない方が好ましく、37〜60℃で処理することが好ま
しい。
【0304】発色現像時間は、従来、一般には3分30
秒程度で行われているが、本発明では40秒以内が好ま
しく、更に25秒以内の範囲で行うことが望ましい。
【0305】発色現像液には、前記の発色現像主薬に加
えて、既知の現像液成分化合物を添加することができ
る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩素イオ
ン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キ
レート剤などが用いられる。
【0306】感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定
着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行って
もよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行なわれ
る。又、水洗処理の代替として、安定化処理を行っても
よい。
【0307】本発明の感光材料の処理に用いる現像処理
装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料
を挟んで搬送するローラートランスポートタイプであっ
ても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレス
ベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形
成して、この処理槽に処理液を供給すると共に感光材料
を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、
処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、
粘性処理液による方式なども用いることができる。大量
に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処
理されるのが通常だが、この際補充液の補充量は少ない
程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、
補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであ
り、公開技報94−16935号に記載の方法が最も好
ましい。
【0308】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0309】実施例1 坪量170g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)に低密度ポリエチレン30g/m2、裏面に高密度
ポリエチレン22g/m2を溶融押し出しラミネートし
た、支持体Aを作製した。但し、表面のポリエチレンに
は、表面処理を施したアナターゼ型二酸化チタンを13
重量%の含有量で分散して含有させた。この支持体Aを
コロナ放電処理した後、以下に示す構成の各層を塗設
し、ハロゲン化銀写真感光材料を作製した。塗布液は下
記のごとく調製した。尚、支持体Aは厚さ220μm
で、抄紙方向のテーバー剛度は17.5g・cmであっ
た。
【0310】第1層塗布液 イエローカプラー(I−1)23.4g、色素画像安定
化剤(ST−1)3.34g,(ST−2)3.34
g,(ST−5)3.34g、ステイン防止剤(HQ−
1)0.34g、画像安定剤A5.0g、高沸点有機溶
媒(DBP)3.33g及び高沸点有機溶媒(DNP)
1.67gに酢酸エチル60mlを加え溶解し、この溶
液を20%界面活性剤(SU−1)7mlを含有する1
0%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナイザー
を用いて乳化分散させてイエローカプラー分散液を作製
した。この分散液を下記条件にて作製した青感性ハロゲ
ン化銀乳剤と混合し第1層塗布液を調製した。
【0311】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に表1及び表2の塗布量になるように各塗布液を
調製した。
【0312】又、硬膜剤として(H−A)を1m2当た
り89mgの付量になるように第7層に添加した。塗布
助剤としては、界面活性剤(SU−2),(SU−3)
を添加し、表面張力を調整した。又、各層にF−1を全
量が0.04g/m2となるように添加した。
【0313】
【表1】
【0314】
【表2】
【0315】SU−1:トリ−i−プロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナ
トリウム塩 SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,
5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩 DBP:ジブチルフタレート DNP:ジノニルフタレート DOP:ジオクチルフタレート DIDP:ジ−i−デシルフタレート PVP:ポリビニルピロリドン H−A:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン HQ−2:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノ
ン HQ−3:2,5−ジ−sec−テトラデシルハイドロ
キノン HQ−4:2−sec−ドデシル−5−sec−テトラ
デシルハイドロキノン HQ−5:2,5−ジ[(1,1−ジメチル−4−ヘキ
シルオキシカルボニル)ブチル]ハイドロキノン 画像安定剤A:p−t−オクチルフェノール
【0316】
【化69】
【0317】
【化70】
【0318】
【化71】
【0319】
【化72】
【0320】(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)40℃
に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A
液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制
御しつつ30分かけて同時添加し、更に下記(C液)及
び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつ
つ180分かけて同時添加した。この時、pAgの制御
は特開昭59−45437号記載の方法により行い、p
Hの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行
った。
【0321】 (A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C液) 塩化ナトリウム 102.7g K2IrCl6 4×10-8モル/モルAg K4Fe(CN)6 2×10-5モル/モルAg 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行っ
た後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μ
m、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.
5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1を得た。
【0322】次に、(A液)と(B液)の添加時間及び
(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP
−1と同様にして平均粒径0.64μm、変動係数0.
07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤
EMP−1Bを得た。
【0323】上記EMP−1に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−1B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−1とEMP−1Bを銀量で1:1の割合で混合
し、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B)を得た。
【0324】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX (緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.40μ
m、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0325】次に、平均粒径0.50μm、変動係数
0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤
EMP−2Bを得た。
【0326】上記EMP−2に対し、下記化合物を用い
55℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−2B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−2とEMP−2Bを銀量で1:1の割合で混合
し、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G)を得た。
【0327】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX (赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.40μ
m、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−3を得た。又、平均粒径0.38
μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単
分散立方体乳剤EMP−3Bを得た。
【0328】上記EMP−3に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−3B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−3とEMP−3Bを銀量で1:1の割合で混合し
赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R)を得た。
【0329】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5
−メルカプトテトラゾール STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール 尚、赤感性乳剤には、SS−1をハロゲン化銀1モル当
たり2.0×10-3添加した。
【0330】
【化73】
【0331】
【化74】
【0332】こうして得られた試料を101とし、この
試料の支持体やイエローカプラーを表3に示すものに変
更した以外は同様な試料102〜116を作製した。
尚、変更したイエローカプラーは試料101のイエロー
カプラーと等モル量を含有させた。
【0333】次に、紙支持体の抄紙方向の剛度測定方法
を示す。
【0334】(支持体の剛度)幅38.1mm、長さ6
9.2mmの大きさに支持体を長方形に切り抜き、テー
バー社製テーバー剛性度試験機MODEL150−D
で、15度曲げ力を加えた時の所定の測定方法で測定し
た。数字が大きいほど剛度が高いことを表す。
【0335】更に、支持体Aと同様に、以下に示す支持
体B〜Kを作製した。
【0336】支持体B 坪量158g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)に低密度ポリエチレン20g/m2、裏面に高密度
ポリエチレン24g/m2をラミネートした、支持体B
を作製した。但し、表面のポリエチレンには、表面処理
を施したアナターゼ型二酸化チタンを13重量%の含有
量で分散して含有させた。尚、支持体Bの厚さは200
μmで、抄紙方向のテーバー剛度は14.2g・cmで
あった。
【0337】支持体C 坪量174g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)にポリプロピレン18g/m2、裏面にポリプロピ
レン16g/m2をラミネートした、支持体Cを作製し
た。但し、表面のポリプロピレンには、表面処理を施し
たアナターゼ型二酸化チタンを13重量%の含有量で分
散して含有させた。尚、支持体Cの厚さは192μm
で、抄紙方向のテーバー剛度は19.6g・cmであっ
た。
【0338】支持体D 坪量175g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)にポリプロピレン27g/m2、裏面にポリプロピ
レン22g/m2をラミネートした、支持体Dを作製し
た。但し、表面のポリプロピレンには、表面処理を施し
たアナターゼ型二酸化チタンを13重量%の含有量で分
散して含有させた。尚、支持体Dの厚さは206μm
で、抄紙方向のテーバー剛度は22g・cmであった。
【0339】支持体E 坪量175g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)にポリプロピレン90重量%と低密度ポリエチレン
10重量%の混合樹脂19g/m2、裏面にポリプロピ
レン20g/m2をラミネートした、支持体Eを作製し
た。但し、表面のポリプロピレンとポリエチレンの混合
樹脂には、表面処理を施した硫酸バリウム13重量%の
含有量で分散して含有させた。尚、支持体Eの厚さは2
03μmで、抄紙方向のテーバー剛度は19.9g・c
mであった。
【0340】支持体F 坪量150g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)にポリプロピレン40g/m2、裏面にポリプロピ
レン80重量%と高密度ポリエチレン20重量%の混合
樹脂20g/m2をラミネートした、支持体Fを作製し
た。但し、表面のポリプロピレンには、表面処理を施し
たルチル型二酸化チタンを13重量%の含有量で分散し
て含有させた。尚、支持体Fの厚さは200μmで、抄
紙方向のテーバー剛度は18.6g・cmであった。
【0341】支持体G 坪量140g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)にポリプロピレン45g/m2、裏面に高密度ポリ
エチレン20g/m2μmをラミネートした、支持体G
を作製した。但し、表面のポリプロピレンには、表面処
理を施したアナターゼ型二酸化チタンを13重量%の含
有量で分散して含有させた。尚、支持体Gの厚さは19
7μmで、抄紙方向のテーバー剛度は17.9g・cm
であった。
【0342】支持体H 坪量160g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)に低密度ポリエチレン25g/m2、裏面にポリプ
ロピレン25g/m2をラミネートした、支持体Hを作
製した。但し、表面のポリエチレンには、表面処理を施
したアナターゼ型二酸化チタンを13重量%の含有量で
分散して含有させた。尚、支持体Hの厚さは202μm
で、抄紙方向のテーバー剛度は18.2g・cmであっ
た。
【0343】支持体I 坪量150g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)にポリプロピレン20g/m2、裏面にポリプロピ
レン20g/m2をラミネートし、更に表面にポリプロ
ピレン25g/m2をラミネートした支持体Iを作製し
た。但し、表面のポリプロピレンの2層ともに、表面処
理を施したアナターゼ型二酸化チタンを13重量%の含
有量で分散して含有させた。尚、支持体I厚さは202
μmで、抄紙方向のテーバー剛度は19.3g・cmで
あった。
【0344】支持体J 坪量170g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)に低密度ポリエチレン5g/m2、裏面にポリプロ
ピレン25g/m2μmをラミネートし、更に表面のポ
リプロピレン15g/m2をラミネートした支持体Jを
作製した。但し、表面のポリエチレンとポリプロピレン
の2層ともに、表面処理を施したアナターゼ型二酸化チ
タンを13重量%の含有量で分散して含有させた。尚、
支持体Jの厚さは202μmで、抄紙方向のテーバー剛
度は18.3g・cmであった。
【0345】支持体K 坪量158g/m2の紙パルプの表面(乳剤を塗布する
側)にポリプロピレン20g/m2、裏面にポリプロピ
レン24g/m2をラミネートした、支持体Kを作製し
た。但し、表面のポリプロピレンには、表面処理を施し
たアナターゼ型酸化チタンを13重量%の含有量で分散
して含有させた。尚、支持体Kの厚さは200μmで、
抄紙方向のテーバー剛度は18g・cmであった。
【0346】支持体L 支持体Kの表面(乳剤を塗布する側)と裏面のポリプロ
ピレンを、2軸延伸したポリプロピレンを用いた以外は
支持体Kと同様な、支持体Lを作製した。支持体Lの厚
さは199μmで、抄紙方向のテーバー剛度は18.5
g・cmであった。尚、支持体Lの作製方法は、基紙の
表面に接着剤を塗布し、2軸延伸したポリプロピレンと
を圧着して行った。
【0347】また、2軸延伸したポリプロピレンの製膜
方法は、特開平9−262851号等記載の方法で、作
製することができる。以下に具体的方法を説明する。
【0348】ポリプロピレンポリマーペレットを約30
0℃で、支持体状に溶融押し出しして、冷却ドラム上で
急冷固化し、まず未延伸支持体を作製する。その後この
未延伸支持体を、速度差を持ったロール間で、105℃
で縦方向に3倍、引き続いて110℃で横方向に3.1
倍延伸し、250℃で10秒間熱固定し、80℃で10
秒間冷却後巻き取った。
【0349】これら試料を以下の方法で評価した。
【0350】(プリントの剛度)幅38.1mm、長さ
69.2mmの大きさに下記現像処理工程Aにより処理
されたプリントを長方形に切り抜き、テーバー社製テー
バー剛性度試験機MODEL150−Dで、15度曲げ
力を加えた時の所定の測定方法で測定した。数字が大き
いほど剛度が高いことを表す。
【0351】(暗退色性(イエロー画像))各試料を青
色光にウェッジ露光した後、下記現像処理工程Aに従っ
て処理し、得られたイエロー画像について、PDA−6
5濃度計(コニカ株式会社製)を用いて、青色反射濃度
1.0を与える部分の赤色濃度を求め、この試料を85
℃、相対湿度60%の下に30日間保存し、初濃度1.
0における色素画像の残存率(%)を求めることにより
評価した。色素画像の残存率(%)が高いほど優れてい
る。
【0352】(発汗性の評価)各試料に白色光で均一に
露光した後、下記処理工程Aを行った。得られた試料を
85℃、60%RHの環境下に10日間保存し、試料表
面への油剤の発汗による光沢劣化を目視で評価した。
【0353】◎:発汗が見られない ○:発汗が殆ど見られない △:発汗が見られるが、商品として可 ×:発汗がかなり見られ、商品として不可 ××:発汗が非常に多く見られ、画質を大きく損ねる 発汗性が良好であれば、高湿下でのプリント保存性に優
れる。
【0354】(経持での白地着色の評価)未露光試料
を、下記の現像処理工程Aを行い、得られた白地試料を
40℃、80%RHの環境下に1カ月間保存した。この
試料の白地の着色(黄変)度合いを目視判定し、以下の
序列をつけ評価した。
【0355】◎:着色が極めて少なく非常に優れている ○:着色が少なく優れている △:着色は見られるが気になるレベルではない ×:着色が極めて多く非常に問題であるレベルである。
【0356】 現像処理工程A 処理工程 処 理 温 度 時 間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80ml 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120ml 安定化 30〜34℃ 60秒 150ml 乾 燥 60〜80℃ 30秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0357】 発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml トリエチレンジアミン 2g 3g ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4 −アミノアニリン硫酸 6.0g 10.0g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベン ジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=1
0.10に、補充液はpH=10.60に調整する。
【0358】 漂白定着液タンク液及び補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g ジエチレントリアミン五酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷
酢酸でpH=5.0に調整する。
【0359】 安定化液タンク液及び補充液 o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g 塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g PVP 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア
水でpH=7.5に調整する。
【0360】結果を表3に示す。
【0361】
【表3】
【0362】以上の結果より本発明は比較に対して優れ
ている。
【0363】実施例2 実施例1において下記の様に変更した処理を行った。
【0364】 処理工程 処 理 温 度 時間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 22秒 81ml 漂白定着 35.0±0.5℃ 22秒 54ml 安 定 化 30〜34℃ 25秒 150ml 乾 燥 60〜80℃ 30秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0365】 発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4 −アミノアニリン硫酸塩 6.5g 10.5g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 3.5g 6.0g N,N−ビス(2−スルホエチル)ヒドロキシアミン 3.5g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=1
0.10に、補充液はpH=10.60に調整する。
【0366】 漂白定着液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 100g 50g ジエチレントリアミン五酢酸 3g 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 200ml 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 1.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 50ml 25ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷
酢酸でタンク液はpH=7.0に、補充液はpH=6.
5に調整する。
【0367】 安定化液タンク液及び補充液 o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g PVP 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 10ml 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア
水でpH=7.5に調整する。
【0368】実施例1と同様に評価し、本発明の効果が
得られることを確認した。
【0369】実施例3 実施例1において、自動現像機としてコニカ(株)製N
PS−868J、処理ケミカルとしてECOJET−P
を使用し、プロセス名CPK−2−J1に従ってランニ
ング処理した。
【0370】実施例1と同様に評価し、本発明の効果が
得られることを確認した。尚、実施例1〜3は請求項1
〜2に関する実施例である。
【0371】実施例4 試料101の支持体やマゼンタカプラーを表4に示すも
のに変更した以外は同様な試料201〜216を作製し
た。尚、変更したマゼンタカプラーは試料101のマゼ
ンタカプラーと等モル量を含有させた。
【0372】これら試料を以下の方法の評価と、実施例
1と同じ方法で、プリントの剛度、発汗性の評価、経持
での白地着色の評価を行った。
【0373】(耐光性(マゼンタ画像))各試料を緑色
光にウェッジ露光した後、前記現像処理工程Aに従って
処理し、得られたマゼンタ画像について、PDA−65
濃度計(コニカ株式会社製)を用いて、緑色反射濃度
1.0を与える部分の緑色濃度を求め、この試料を真夏
に屋外で日光下(暴露台)に1カ月間保存し、初濃度
1.0における色素画像の残存率(%)を求めることに
より評価した。色素画像の残存率(%)が高いほど優れ
ている。結果を表4に示す。
【0374】
【表4】
【0375】以上の結果より本発明は比較に対して優れ
ている。
【0376】実施例5 実施例4において、実施例2と同様な処理を行い、実施
例4と同様に評価し、本発明の効果が得られることを確
認した。
【0377】実施例6 実施例4において、実施例3と同様な処理を行い、実施
例4と同様に評価し、本発明の効果が得られることを確
認した。尚、実施例4〜6は請求項3〜5に関する実施
例である。
【0378】実施例7 試料101の支持体やシアンカプラーを表5に示すもの
に変更した以外は同様な試料301〜316を作製し
た。尚、変更したシアンカプラーは試料101のシアン
カプラーと等モル量を含有させた。
【0379】これら試料を以下の方法の評価と、実施例
1と同じ方法で、プリントの剛度、発汗性の評価、経持
での白地着色の評価を行った。
【0380】(暗退色性(シアン画像))各試料を赤色
光にウェッジ露光した後、前記現像処理工程Aに従って
処理し、得られたシアン画像について、PDA−65濃
度計(コニカ株式会社製)を用いて、赤色反射濃度1.
0を与える部分の赤色濃度を求め、この試料を85℃、
相対湿度60%の下に20日間保存し、初濃度1.0に
おける色素画像の残存率(%)を求めることにより評価
した。色素画像の残存率(%)が高いほど優れている。
結果を表5に示す。
【0381】
【表5】
【0382】以上の結果より本発明は比較に対して優れ
ている。
【0383】実施例8 実施例7において、実施例2と同様な処理を行い、実施
例7と同様に評価し、本発明の効果が得られることを確
認した。
【0384】実施例9 実施例7において、実施例3と同様な処理を行い、実施
例7と同様に評価し、本発明の効果が得られることを確
認した。尚、実施例7〜9は請求項6〜7に関する実施
例である。
【0385】実施例10 試料101の支持体や硬膜剤を表6に示すものに変更し
た以外は同様な試料401〜416を作製した。尚、変
更した硬膜剤は、一般式〔H−I〕で表されるものは、
試料101の硬膜剤と等モル量を使用し、一般式〔H−
II〕で表されるものは、試料101の硬膜剤の0.5モ
ル量を使用した。
【0386】これら試料を以下の方法の評価と、実施例
1と同じ方法で、プリントの剛度、発汗性の評価、経持
での白地着色の評価を行った。
【0387】(生試料の保存時のカブリ耐性)ウェッジ
サイズ試料を乳剤面を上にして5枚重ねて、黒のポリエ
チレン袋2重で包み、65℃、40%RH条件下で10
日間保存した試料を、25℃、50%の環境下に1日放
置し、未露光で前記処理工程Aで処理した。得られた試
料のうち、保存時に5枚重ねの1番下にあった試料の真
ん中をXライト社製310RTにより、反射濃度を測定
した。青色光で反射濃度が低い程、イエローのカブリが
少なく、生試料の保存時のカブリ耐性に優れる。結果を
表6に示す。
【0388】
【表6】
【0389】以上の結果より本発明は比較に対して優れ
ている。
【0390】実施例11 実施例10において、実施例2と同様な処理を行い、実
施例10と同様に評価し、本発明の効果が得られること
を確認した。
【0391】実施例12 実施例10において、実施例3と同様な処理を行い、実
施例10と同様に評価し、本発明の効果が得られること
を確認した。
【0392】尚、実施例10〜12は請求項8〜9に関
する実施例である。
【0393】実施例13 試料101の支持体や硬膜剤を表7に示すものに変更し
た以外は同様な試料501〜516を作製した。尚、変
更した硬膜剤は試料101の硬膜剤と等モル量を使用し
た。
【0394】これら試料を以下の方法の評価と、実施例
1と同じ方法で、プリントの剛度、発汗性の評価、経持
での白地着色の評価を行った。
【0395】(生試料の耐傷性)生試料をウェッジサイ
ズに切断し、次の方法で測定した。連続加重式引掻強度
試験機(ヘイドン)18型(新東科学株式会社製)に規
定の方法により試料をセットして、0〜100gの連続
加重を加えたとき試料面に傷が発生し始めた時に加えら
れた加重(g)を規定の方法により計測し、これをもっ
て耐傷性の評価を行った。この数値が大きい程耐傷性が
優れていることを示す。尚、針は0.1mmダイヤモン
ド針を使用した。
【0396】結果を表7に示す。
【0397】
【表7】
【0398】以上の結果より本発明は比較に対して優れ
ている。
【0399】実施例14 実施例13において、実施例2と同様な処理を行い、実
施例13と同様に評価し、本発明の効果が得られること
を確認した。
【0400】実施例15 実施例13において、実施例3と同様な処理を行い、実
施例13と同様に評価し、本発明の効果が得られること
を確認した。尚、実施例13〜15は請求項10〜11
に関する実施例である。
【0401】実施例16 試料101の支持体や硬膜剤を表8に示すものに変更し
た以外は同様な試料601〜616を作製した。尚、変
更した硬膜剤は試料101の硬膜剤と等モル量を使用し
た。
【0402】これら試料を実施例1と同じ方法で、プリ
ントの剛度、発汗性の評価、経持での白地着色の評価
と、実施例10と同じ方法で生試料の保存時のカブリ耐
性の評価を行った。結果を表8に示す。
【0403】
【表8】
【0404】以上の結果より本発明は比較に対して優れ
ている。
【0405】実施例17 実施例16において、実施例2と同様な処理を行い、実
施例16と同様に評価し、本発明の効果が得られること
を確認した。
【0406】実施例18 実施例16において、実施例3と同様な処理を行い、実
施例16と同様に評価し、本発明の効果が得られること
を確認した。尚、実施例16〜18は請求項12〜13
に関する実施例である。
【0407】
【発明の効果】本発明により、薄くても剛度があり、
光、熱、湿度に対する画像保存性に優れ、高湿下でのプ
リント保存性に優れ、白地の経時変動に優れた画像記録
プリント、及び、薄くても剛度があり、光、熱、湿度に
対する画像保存性に優れ生試料の保存時のカブリ耐性に
優れ、生試料の耐傷性に優れ、高湿下でのプリント保存
性に優れ、白地の経時変動に優れたハロゲン化銀写真感
光材料を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 7/38 G03C 7/38

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された支
    持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化銀
    乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料を、現像処理して得られた画像記
    録プリントにおいて、該樹脂被覆層の少なくとも1層
    が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層であり、
    かつ該カプラーのうちイエロー画像を形成するイエロー
    カプラーが、下記一般式〔Y−I〕、〔Y−II〕又は
    〔Y−III〕で表されるイエローカプラーの少なくとも
    1種を含有することを特徴とする画像記録プリント。 【化1】 〔式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基又はアリ
    ル基を表し、R2はアルキル基、シクロアルキル基又は
    アリール基を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子又は
    アシルアミノ基を表す。X1は発色現像主薬の酸化体と
    の反応で離脱する基又は原子を表す。〕 【化2】 〔式中、R11は水素原子を除く1価の置換基を表し、Q
    はCと共に3〜5員の炭化水素環を形成するか、又は
    N,S,O及びPから選ばれるヘテロ原子の少なくとも
    一つを環内に含む3〜5員の複素環を形成するに必要な
    非金属原子群を表す。R12は水素原子、ハロゲン原子、
    アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアミ
    ノ基を表し、R13はベンゼン環に置換可能な基を表す。
    2は発色現像主薬の酸化体との反応で離脱する基又は
    原子を表す。〕 【化3】 〔式中、R21及びR22は各々、アルキル基、アリール基
    又は複素環基を表し、R23はアリール基又は複素環基を
    表す。X3は発色現像主薬の酸化体との反応で離脱する
    基又は原子を表す。又、R21とR22が互いに結合し、N
    と共に含窒素複素環を形成してもよい。〕
  2. 【請求項2】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された支
    持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化銀
    乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の少なく
    とも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層
    であり、かつ該カプラーのうちイエロー画像を形成する
    イエローカプラーが、前記一般式〔Y−I〕であること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された支
    持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化銀
    乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料を、現像処理して得られた画像記
    録プリントにおいて、該樹脂被覆層の少なくとも1層
    が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層であり、
    かつ該カプラーのうちマゼンタ画像を形成するマゼンタ
    カプラーが、下記一般式〔M−I〕又は〔M−II〕で表
    されるマゼンタカプラーの少なくとも1種を含有するこ
    とを特徴とした画像記録プリント。 【化4】 〔式中、Ra,Rb,Rc,Rdは各々、水素原子又は
    置換基を表すが、Ra,Rb,Rcのうち二つ以上が水
    素原子であることはなく、Ra,Rb,Rcのうち二つ
    が互いに結合して環を形成してもよい。X11は発色現像
    主薬の酸化体との反応で離脱する基又は原子を表す。〕
  4. 【請求項4】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された支
    持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化銀
    乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の少なく
    とも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層
    であり、かつ該カプラーのうちマゼンタ画像を形成する
    マゼンタカプラーが、前記一般式〔M−I〕又は〔M−
    II〕の式中、Ra,Rb及びRcが共に水素原子以外の
    置換基であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。
  5. 【請求項5】 マゼンタカプラーが前記一般式〔M−
    I〕であることを特徴とする請求項4記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された支
    持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化銀
    乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料を、現像処理して得られた画像記
    録プリントにおいて、該樹脂被覆層の少なくとも1層
    が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層であり、
    かつ該カプラーのうちシアン画像を形成するシアンカプ
    ラーが、下記〔C−I〕又は一般式〔I〕〜〔IV〕で表
    されるシアンカプラーの少なくとも1種を含有すること
    を特徴とした画像記録プリント。 【化5】 〔式中、R31は炭素原子数2〜6のアルキル基を表す。
    32はバラスト基を表す。X21は発色現像主薬の酸化体
    との反応により離脱する基又は原子を表す。〕 【化6】 〔式中、R41は水素原子又は置換基を表し、R42は置換
    基を表す。mは置換基R42の数を示す。mが0の時、R
    41はハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸
    引性基を表し、mが1又は2以上の時、R41及びR42
    少なくとも一つはハメットの置換基定数σpが0.20
    以上の電子吸引性基を表す。Z1はベンゼン環等が縮合
    していてもよい含窒素複素5員環を形成するのに必要な
    非金属原子群を表す。R43は水素原子又は置換基を表
    し、Z2は−NH−と共にピラゾール環と縮環して、含
    窒素複素6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表
    し、該6員環は置換基を有してもよく、該ピラゾール環
    以外にベンゼン環等と縮環してもよい。R44及びR45
    ハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性
    基を表す。ただし、R44とR45のσp値の和は0.65
    以上である。Z3は含窒素5員複素環を形成するのに必
    要な非金属原子群を表し、該5員環は置換基を有しても
    よい。R46及びR47は水素原子又は置換基を表し、Z4
    は含窒素6員複素環を形成するのに必要な非金属原子群
    を表し、該6員環は置換基を有していてもよい。X31
    32,X33及びX34は各々、発色現像主薬の酸化体との
    カップリング反応により離脱する基又は原子を表す。〕
  7. 【請求項7】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された支
    持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化銀
    乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の少なく
    とも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層
    であり、かつ該カプラーのうちシアン画像を形成するシ
    アンカプラーが、前記一般式〔C−I〕であることを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  8. 【請求項8】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された支
    持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化銀
    乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の少なく
    とも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆層
    であり、かつ該感光材料がトリアジン系硬膜剤の少なく
    とも1種により硬膜されていることを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
  9. 【請求項9】 トリアジン系硬膜剤が下記一般式〔H−
    I〕又は〔H−II〕で表される化合物であることを特徴
    とした請求項8記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化7】 〔式中、R1は塩素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、
    アルコキシ基、アルキルチオ基、−OM(Mは1価の金
    属原子を表す)、−NR′R″又は−NHCOR″′
    (R′,R″,R″′はそれぞれ水素原子、アルキル基
    又はアリール基を表す)の各基を表し、R2は塩素原子
    を除くR1と同義である。〕 【化8】 〔式中、R3及びR4はそれぞれ塩素原子、ヒドロキシ
    基、アルキル基、アルコキシ基又は−OM(Mは1価の
    金属原子を表す)を表し、−Q−及び−Q′−は−O
    −,−S−又は−NH−の連結基を表し、Lはアルキレ
    ン基又はアリーレン基を表し、m1及びn1はそれぞれ
    0又は1を表す。〕
  10. 【請求項10】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された
    支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハ
    ロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化
    銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハ
    ロゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の少な
    くとも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆
    層であり、かつ該感光材料がビニルスルホン系硬膜剤の
    少なくとも1種により硬膜されていることを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  11. 【請求項11】 ビニルスルホン系硬膜剤が下記一般式
    〔H−III〕で表される化合物であることを特徴とした
    請求項10記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化9】 〔式中、R5、R6、R7はアルキレン基、アリーレン基
    又はこれらの前記基が互いに結合した基を表す。R5
    6、R7で示される基は更にビニルスルホニル基で置換
    されていてもよい。J1、J2は−O−,−S−,−CO
    −,−NHCO−,−CONH−又は−CH(OH)−
    を表す。m2は0又は1以上の整数を表す。〕
  12. 【請求項12】 基紙の両面に樹脂被覆層が塗設された
    支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハ
    ロゲン化銀乳剤とカプラーを含有する感光性ハロゲン化
    銀乳剤層、及び少なくとも1層の非感光性層を有するハ
    ロゲン化銀写真感光材料において、該樹脂被覆層の少な
    くとも1層が、ポリプロピレンを主成分とする樹脂被覆
    層であり、かつ該感光材料がカルボキシル基活性型硬膜
    剤の少なくとも1種により硬膜されていることを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料。
  13. 【請求項13】 カルボキシル基活性型硬膜剤が下記一
    般式(1)〜(8)で表される化合物であることを特徴
    とした請求項12記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化10】 〔式中、R11,R12は炭素数1〜10のアルキル基、炭
    素数6〜15のアリール基、又は炭素数7〜15のアラ
    ルキル基を表し、互いに同じであっても異なっても良
    い。またR11,R12は互いに結合して窒素原子と共に複
    素環を形成してもよい。R13は水素原子、ハロゲン原
    子、カルバモイル基、スルホ基、スルホオキシ基、スル
    ホアミノ基、ウレイド基、炭素数1〜10のアルコキシ
    基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜20のジ
    アルキルアミノ基又はN−アルキルカルバモイル基を表
    す。X-は陰イオンを表し、N−カルバモイルピリジニ
    ウム塩の対イオンとなる。〕 【化11】 〔式中、R11、R12、R13及びX-は、一般式(1)に
    おける定義と同義である。〕 【化12】 〔式中、R14、R15、R16及びR17は各々炭素数1〜2
    0のアルキル基、炭素数6〜20のアラルキル基、又は
    炭素数5〜20のアリール基を表し、それぞれ同じであ
    っても異なっていても良く、R14、R15、R16及びR17
    は置換基を有していても良い。また、R14、R15、R16
    及びR17の中の任意の2つが結合して環を形成してもよ
    い。Xは、求核試薬と反応した際に離脱し得る基を表
    し、Y-は陰イオンを表す。〕 一般式(4) R18−N=C=N−R19 〔式中、R18は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5
    〜8のシクロアルキル基、炭素数3〜10のアルコキシ
    アルキル基、又は炭素数7〜15のアラルキル基を表
    す。R19はR18に定義された基を表す他に下記一般式
    (5)で表される基が好ましい。〕 【化13】 〔式中、R20は炭素数2〜4のアルキレン基を表す。R
    21とR22はそれぞれ同じであっても異なっていても良い
    炭素数1〜6のアルキル基を表す。また、R21とR22
    結合して窒素原子と共に複素環を形成してもよい。R23
    は炭素数1〜6の置換されてもよいアルキル基を表す。
    -は陰イオンを表す。〕 【化14】 〔式中、R24は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
    〜15のアリール基、又は炭素数7〜15のアラルキル
    基を表す。これらの基は置換されても良い。R25、R26
    は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アシルアミド
    基、ニトロ基、カルバモイル基、ウレイド基、アルコキ
    シ基、アルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラ
    ルキル基を表し、それぞれ同じであっても異なっていて
    も良い。またR25とR26が結合してピリジニウム環骨格
    と共に縮合環を形成してもよい。Xは求核試薬と反応し
    た際に脱離し得る基を表し、Y-は陰イオンを表すが、
    24がスルホ基で置換された場合には分子内塩を形成し
    て、Yは存在しなくても良い。〕 【化15】 〔式中、R11、R12の定義は一般式(1)における
    11、R12の定義と全く同義であり、R28は炭素数1〜
    10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、又は
    炭素数7〜15のアラルキル基を表す。X-は陰イオン
    を表す。〕 【化16】 〔式中、R29は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
    〜15のアリール基、又は炭素数7〜15のアラルキル
    基を表し、置換されていても置換されていなくても良
    い。Zは含窒素複素芳香環を完成するのに必要な非金属
    原子群を表し、R30は水素原子、ハロゲン原子、カルバ
    モイル基、スルホ基、スルホオキシ基、ウレイド基、炭
    素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基又はN−ア
    ルキルカルバモイル基を表す。X-は陰イオンを表す。
    29、R30又はそれらの置換基にスルホ基、スルホオキ
    シ基を含むときは、分子内塩を形成して、X-は存在し
    なくても良い。〕
  14. 【請求項14】 ポリプロピレンを主成分とする樹脂が
    2軸延伸されていることを特徴とする請求項1、3又は
    6記載の画像記録プリント。
  15. 【請求項15】 ポリプロピレンを主成分とする樹脂が
    2軸延伸されていることを特徴とする請求項2、4、
    5、7、8、9、10、11、12又は13のいずれか
    1項記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004072730A1 (ja) * 2003-02-14 2004-08-26 Konica Corporation ハロゲン化銀写真感光材料
WO2007149907A2 (en) * 2006-06-20 2007-12-27 Abbott Laboratories Pyrazoloquinazolinones as parp inhibitors
JP2013082707A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Fujifilm Corp 新規なトリアジン誘導体、紫外線吸収剤

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