JP5422269B2 - 紫外線吸収剤組成物及び樹脂組成物 - Google Patents
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Description
これに対して、有機紫外線吸収剤は、吸収剤の構造設計の自由度が高いために、吸収剤の構造を工夫することによって様々な吸収波長のものを得ることができる。
これに対して長波紫外線領域において紫外線遮蔽効果を有する紫外線吸収剤を併用することが提案されている。すなわち、1種の紫外線吸収剤では不足する領域を別の紫外線吸収剤を併用してカバーすることで、紫外線領域全体をカバーし、かつ長波紫外線領域を効果的に遮蔽する紫外線吸収剤組成物を提供することができると考えられる。しかし、基本骨格の異なる紫外線吸収剤を用いた場合、ポリマーに対する相溶性が悪くブリードアウトしたり、溶媒に対する溶解性が悪く、作業効率の悪化の原因となることが問題となっていた。また、それぞれの紫外線吸収剤の紫外線遮蔽効果の差や経時による劣化速度の差によって十分な紫外線領域全体の紫外線遮蔽効果が得られなくなるという問題があった。
このため、上記の問題を解決し長波紫外線領域においても耐光性に優れた紫外線吸収剤組成物が求められている。
<1>
下記一般式(1)で表される化合物(ただし、糖残基を有する化合物を除く。)と極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤とを含有する紫外線吸収剤組成物。
一般式(1)
[R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、R 1e 、R 1f 、R 1g 、R 1h 、R 1i 、R 1j は互いに独立して、水素原子、又はOHを除く1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
R 1k 、R 1m 、R 1p は、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
R 1n は、水素原子、OR u 、又はR 1m と結合してベンゼン環を形成する基を表す。R u は、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、R 1e の置換基のうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正であるCOOR r 、CONR s 2 、CN、CF 3 、NO 2 、SO 2 R t 、及びSO 3 Mより選択される基を表す。R r 、R s 、R t は、水素原子、又は1価の置換基を表す。Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。]
<2>
R r が水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基である、<1>に記載の紫外線吸収剤組成物。
<3>
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、R 1e 、R 1f 、R 1g 、R 1h 、R 1i 、及びR 1j が表す1価の置換基、R 1k 、R 1m 、及びR 1p が表す1価の置換基、並びにR r 、R s 、及びR t が表す1価の置換基が、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、スルホ基、置換又は無置換のスルファモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基である、<1>又は<2>に記載の紫外線吸収剤組成物。
<4>
前記R 1c が、ハメット則のσp値が正である前記基であることを特徴とする、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
<5>
前記ハメット則のσp値が、0.1〜1.2の範囲であることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
<6>
前記ハメット則のσp値が正である前記基がCOOR r であることを特徴とする、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。[R r は、水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基を表す。]
<7>
前記R 1c が、CNであることを特徴とする、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
<8>
前記極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、メロシアニン系化合物、及びトリアジン系化合物より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
<9>
前記極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤が、ベンゾオキサジノン系化合物であることを特徴とする、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
<10>
<1>〜<9>のいずれか1項に記載の一般式(1)で表される化合物と極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤とを含有する樹脂組成物。
本発明は、上記<1>〜<10>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記〔1〕〜〔12〕)についても記載している。
〔1〕
下記一般式(1)で表される化合物と極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤とを含有する紫外線吸収剤組成物。
R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pの置換基のうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表す。]
〔2〕
前記R1a、R1b、R1c、R1d、R1eのうち少なくとも1つが、ハメット則のσp値が正である置換基を表すことを特徴とする、〔1〕に記載の紫外線吸収剤組成物。
〔3〕
前記R1cが、ハメット則のσp値が正である置換基であることを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載の紫外線吸収剤組成物。
〔4〕
前記ハメット則のσp値が、0.1〜1.2の範囲であることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の紫外線吸収剤組成物。
〔5〕
前記ハメット則のσp値が正である置換基が、COORr、CONRs 2、CN、CF3、ハロゲン原子、NO2、SO2Rt、及びSO3Mより選択される基であることを特徴とする、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物。[Rr、Rs、Rtは、水素原子又は1価の置換基を表す。Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。]
〔6〕
前記ハメット則のσp値が正である置換基がCOORrであることを特徴とする、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の紫外線吸収剤組成物。[Rrは、水素原子又は1価の置換基を表す。]
〔7〕
前記R1cが、CNであることを特徴とする、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の紫外線吸収剤組成物。
〔8〕
前記R1nが、ORuであることを特徴とする、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の紫外線吸収剤組成物。
[Ruは、水素原子又は1価の置換基を表す。]
〔9〕
前記Ruが、炭素数1〜20のアルキル基であることを特徴とする、〔8〕に記載の紫外線吸収剤組成物。
〔10〕
前記極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、メロシアニン系化合物、及びトリアジン系化合物より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
〔11〕
前記極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤が、ベンゾオキサジノン系化合物であることを特徴とする、〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
〔12〕
〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の一般式(1)で表される化合物と極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤とを含有する樹脂組成物。
〔紫外線吸収剤組成物〕
本発明の紫外線吸収剤組成物は下記一般式(1)で表される化合物と極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤とを含有する。
本発明において、極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤を前記一般式(1)で表される化合物と併用することで、紫外線吸収剤の耐光性が高められるため長時間の使用においても紫外線遮蔽効果を維持できるという効果が得られる。
(一般式(1)で表される化合物)
R1k、R1m、R1n、R1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pの置換基のうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表す。]
R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n、R1pが表す置換基の1〜3がハメット則のσp値が正である置換基を表すことが好ましく、1〜2がハメット則のσp値が正である置換基を表すことがより好ましい。
また、R1a、R1c、R1e、R1f、R1h、R1j、R1k、R1nのうち少なくとも1つが、ハメット則のσp値が正である置換基を表すことが好ましく、R1cがハメット則のσp値が正である置換基を表すことがより好ましい。
R1cがハメット則のσp値が正である置換基であり、R1a、R1b、R1d、R1eは水素原子を表すことがより好ましい。
R1cがハメット則のσp値が正である置換基を表す場合、電子求引性基によりLUMOが安定化されるため、励起寿命が短くなり、耐光性が向上するため好ましい。
また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。その際、置換基の例としては、上述の1価の置換基Aを挙げることができる。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
Ruは、水素原子又は1価の置換基を表し、1価の置換基としては前記置換基Aを挙げることができる。中でも炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基を表すことが好ましい。炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−オクチルを挙げることができ、メチル又はエチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
Rrとしては水素原子又は1価の置換基を表し、1価の置換基としては前記置換基Aを挙げることができる。中でも炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基が好ましく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基がより好ましい。炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−オクチルを挙げることができ、メチル又はエチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物において、R1cがCOORr、CONRs 2、CN、CF3、ハロゲン原子、NO2、SO2Rt、SO3Mのいずれかであることが好ましく、COORr又はCNよりが好ましい。
R1c及びR1hが共に前記ハメット則のσp値が正である置換基を表すことが特に好ましい。
優れた耐光性を有するためである
例えば、公知の特許文献や非特許文献、例えば、特開平7−188190号公報、特開平11−315072、特開2001−220385号公報、「染料と薬品」第40巻12号(1995)の325〜339ページなどを参考にして合成できる。具体的には、例示化合物(19)は 4−メトキシサリチルアミドと3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル クロリドとベンズアミジン塩酸塩とを反応させることにより合成できる。
前記一般式(1)で表される化合物は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用することもできる。
前記一般式(1)で表される紫外線吸収剤の極大吸収波長は、特に限定されないが、好ましくは250〜400nmであり、より好ましくは280〜380nmである。半値幅は好ましくは20〜100nmであり、より好ましくは40〜80nmである。
前述したように本発明の紫外線吸収剤組成物は前記一般式(1)で表される化合物と極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤とを含有する。
また、極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤は前記一般式(1)で表される化合物と基本骨格構造の異なるものであることが好ましい。基本骨格構造の異なる二種類の紫外線吸収剤を併用すると、広い波長領域の紫外線を吸収することができるためである。また、紫外線吸収剤組成物は前記一般式(1)で表される化合物を併用すると、紫外線吸収剤の分散状態が安定化する作用もある。
本発明の紫外線吸収剤組成物は、紫外線吸収剤が分散媒体に分散された分散物であってもよい。以下、本発明の紫外線吸収剤を含む紫外線吸収剤分散物について説明する。
本発明の紫外線吸収剤を分散する媒体はいずれのものであってもよい。例えば、水、有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液などが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、組み合わせて使用してもよい。
本発明の紫外線吸収剤を溶解する液体はいずれのものであってもよい。例えば、水、有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液などが挙げられる。有機溶剤、樹脂、樹脂の溶液の例としては、上述の分散媒体として記載したものが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、組み合わせて使用してもよい。
本発明の紫外線吸収剤組成物を用いる場合、その態様はいずれの方法であってもよい。本発明の紫外線吸収剤を単独で用いても良いが、紫外線吸収剤を含む樹脂組成物であることが好ましい。以下、本発明にかかる紫外線吸収剤を含む樹脂組成物について説明する。
本発明にかかる紫外線吸収剤を含む樹脂組成物は樹脂を含有する。本発明の紫外線吸収剤を含む樹脂組成物は、樹脂を任意の溶媒に溶解して形成されたものでもよい。
高沸点有機溶媒の沸点は、180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。高沸点有機溶媒の融点は、150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。高沸点有機溶媒の例には、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸エステル、炭酸エステル、アミド、エーテル、ハロゲン化炭化水素、アルコール及びパラフィンが含まれる。リン酸エステル、ホスホン酸エステル、フタル酸エステル、安息香酸エステル及び脂肪酸エステルが好ましい。
本発明の紫外線吸収剤の添加方法については、特開昭58−209735号、同63−264748号、特開平4−191851号、同8−272058号の各公報及び英国特許第2016017A号明細書を参考にできる。
樹脂組成物に用いられる樹脂について説明する。樹脂としては、天然あるいは合成ポリマーのいずれであってもよい。例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ4−メチルペンテン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリシクロペンテン、ポリノルボルネンなど)、ビニルモノマーのコポリマー(例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネンのようなシクロオレフィンコポリマー(COC:Cyclo−Olefin Copolymer))、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマーなど)、アクリル系ポリマー(例えば、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなど)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、ポリエーテル(例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)、ポリアセタール(例えば、ポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリスルホンポリエーテルケトン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、セルロースエステル(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリシロキサン、天然ポリマー(例えば、セルロース、ゴム、ゼラチンなど)、などが挙げられる。
本発明に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
(例示化合物(1)の調製)
4−メトキシサリチルアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU(ジアザビシクロウンデセン(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene))36.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−(クロロホルミル)安息香酸メチル23.8gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Aを36.0g得た(収率91%)。
MS:m/z 414(M+)
1H NMR(CDCl3):δ6.55−6.56(1H),δ6.62−6.64(1H),δ7.58−7.65(3H),δ8.22−8.24(2H),δ8.62−8.65(3H),δ8.71(2H),δ13.39(1H)
λmax=341nm(EtOAc)
(例示化合物(2)の調製)
4−メトキシサリチルアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU36.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−シアノベンゾイル クロリド19.8gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Cを31.2g得た(収率88%)。
MS:m/z 381(M+)
1H NMR(CDCl3):δ6.55−6.56(1H),δ6.62−6.64(1H),δ7.58−7.62(3H),δ7.65−7.69(2H),δ8.60−8.62(3H),δ8.76(2H),δ13.26(1H)
λmax=342nm(EtOAc)
(例示化合物(3)の調製)
4−メトキシサリチルアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU36.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド24.9gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Eを37.5g得た(収率92%)。
MS:m/z 424(M+)
1H NMR(CDCl3):δ6.56−6.57(1H),δ6.62−6.65(1H),δ7.58−7.66(3H),δ7.82−7.85(2H),δ8.62−8.64(3H),δ8.76(2H),δ13.35(1H)
λmax=342nm(EtOAc)
(例示化合物(4)の調製)
4−メトキシサリチルアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU36.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−クロロベンゾイルクロリド20.9gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Gを35.0g得た(収率96%)。
MS:m/z 390(M+)
1H NMR(CDCl3):δ6.54−6.55(1H),δ6.61−6.63(1H),δ7.53−7.67(5H),δ8.60−8.62(5H),δ13.26(1H)
λmax=340nm(EtOAc)
(例示化合物(5)の調製)
4−メトキシサリチルアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU36.4gを添加し溶解させた。この溶液にベンゾイルクロリド16.8gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Iを29.5g得た(収率91%)。
MS:m/z 399(M+)
1H NMR(CDCl3):δ6.57(1H),δ6.63−6.65(1H),δ7.58−7.66(3H),δ8.00−8.02(2H),δ8.64−8.66(3H),δ8.74(2H),δ13.41(1H)
λmax=340nm(EtOAc)
(例示化合物(29)の調製)
例示化合物(1)10gに2−エチルヘキサノール31.6g、NaOMe0.13gとキシレン100mLを添加し、減圧下90℃で6時間攪拌した。この反応液に水と酢酸エチルを添加して攪拌し、分液した有機層を濃縮した。得られた残渣をヘキサン/イソプロピルアルコール(体積比で1:10)で晶析することで例示化合物(29)を15.1g得た(収率96%)。
(例示化合物(32)の調製)
例示化合物(1)10gにファインオキソコール180N(日産化学化学工業製)9.8g、NaOMe0.13gとキシレン100mLを添加し、減圧下90℃で6時間攪拌した。この反応液に水と酢酸エチルを添加して攪拌し、分液した有機層を濃縮した。得られた残渣をヘキサン/イソプロピルアルコール(体積比で1:10)で晶析することで例示化合物(32)を15.1g得た(収率96%)。
(例示化合物(63)の調製)
4−メトキシサリチル酸フェニル10.0gにメタノール100mL、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液15.8g、塩酸4−アミジノ安息香酸メチル14.6gを添加した。この溶液を60℃で5時間攪拌した。この反応液を室温まで冷却した後、塩酸を0.2mL添加した。得られた固体を濾過、水とメタノールで洗浄して例示化合物(63)を18.0g得た(収率93%)。
MS:m/z 472(M+)
(例示化合物(64)の調製)
塩酸4−アミジノ安息香酸メチル4.2gにメタノール100mLと28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液3.8gを添加した。この溶液に合成中間体D5.0gを添加し、60℃で3時間攪拌した。この反応液を室温まで冷却した後、塩酸を0.2mL添加した。得られた固体を濾過、水とメタノールで洗浄して例示化合物(64)を7.5g得た(収率95%)。
MS:m/z 439(M+)
(例示化合物(65)の調製)
塩酸4−アミジノベンズアミド3.6gにメタノール100mLと28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液3.4gを添加した。この溶液に合成中間体B5.0gを添加し、60℃で3時間攪拌した。この反応液を室温まで冷却した後、塩酸を0.2mL添加した。得られた固体を濾過、水とメタノールで洗浄して例示化合物(65)を6.9g得た(収率94%)。
MS:m/z 457(M+)
(例示化合物(75)の調製)
サリチルアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU44.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−(クロロホルミル)安息香酸メチル29.0gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Kを40.0g得た(収率92%)。
MS:m/z 384(M+)
(例示化合物(80)の調製)
2−ヒドロキシ−4−メチルベンズアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU40.3gを添加し溶解させた。この溶液に4−(クロロホルミル)安息香酸メチル25.8gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Mを36.3g得た(収率89%)。
MS:m/z 398(M+)
(例示化合物(81)の調製)
2−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU29.7gを添加し溶解させた。この溶液に4−(クロロホルミル)安息香酸メチル19.4gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Oを34.1g得た(収率95%)。
MS:m/z 452(M+)
(例示化合物(90)の調製)
2−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU36.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−(クロロホルミル)安息香酸メチル23.8gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Qを38.0g得た(収率96%)。
MS:m/z 414(M+)
(例示化合物(93)の調製)
2−ヒドロキシ−5−クロロベンズアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU35.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−(クロロホルミル)安息香酸メチル23.1gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Sを38.1g得た(収率98%)。
MS:m/z 418(M+)
(例示化合物(96)の調製)
2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU36.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−(クロロホルミル)安息香酸メチル23.8gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Uを37.8g得た(収率95%)。
MS:m/z 414(M+)
(例示化合物(107)の調製)
3−ヒドロキシ−2−ナフトアミド20.0gにアセトニトリル80mLとDBU32.4gを添加し溶解させた。この溶液に4−(クロロホルミル)安息香酸メチル21.2gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水100mLと塩酸20mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Wを35.1g得た(収率94%)。
MS:m/z 434(M+)
塩化メチレンにPMMA樹脂(商品名:ダイヤナールBR−80、三菱レイヨン製)を22質量%溶解し、バインダー溶液を調製した。次に、当該バインダー溶液に例示化合物(1)を0.4質量%と、吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤として、一般式(2)のベンゾオキサジノン系化合物を0.1質量%溶解させ、紫外線吸収剤組成物1を調製した。
ガラスを基材とし、その上に上記紫外線吸収剤組成物1を200μmのブレードにより塗布し、10分間100℃で乾燥させ、膜厚50μmの被膜を形成して、フィルムを作成した。同様にして、例示化合物(2)、例示化合物(3)、例示化合物(4)、例示化合物(5)、例示化合物(29)、例示化合物(32)、例示化合物(63)、例示化合物(64)、例示化合物(65)、例示化合物(75)、例示化合物(80)、例示化合物(81)、例示化合物(90)、例示化合物(93)、例示化合物(96)、例示化合物(107)、並びに比較化合物について紫外線吸収剤組成物を調整し、フィルムを作成した。作成したフィルムは島津製作所製分光光度計UV−3600(商品名)を用いて吸光度を測定した。このフィルムに対して、メタルハライドランプ(商品名:アイスーパーUVテスター、岩崎電気製)で照度90mW/cm2、温度63℃、湿度50%の条件で光照射し、400時間照射後の吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤の残存量をそれぞれ測定した。残存量は次式に従い計算した。
残存量(%)=100×(100−照射後の透過率)/(100−照射前の透過率)
なお、透過率はそれぞれの400nmで測定した値である。結果を表1に示す。
Claims (10)
- 下記一般式(1)で表される化合物(ただし、糖残基を有する化合物を除く。)と極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤とを含有する紫外線吸収剤組成物。
一般式(1)
[R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R1jは互いに独立して、水素原子、又はOHを除く1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
R1k、R1m 、R 1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
R 1n は、水素原子、OR u 、又はR 1m と結合してベンゼン環を形成する基を表す。R u は、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
R1a、R1b、R1c、R1d、R1e の置換基のうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正であるCOOR r 、CONR s 2 、CN、CF 3 、NO 2 、SO 2 R t 、及びSO 3 Mより選択される基を表す。R r 、R s 、R t は、水素原子、又は1価の置換基を表す。Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。] - R r が水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基である、請求項1に記載の紫外線吸収剤組成物。
- R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、R 1e 、R 1f 、R 1g 、R 1h 、R 1i 、及びR 1j が表す1価の置換基、R 1k 、R 1m 、及びR 1p が表す1価の置換基、並びにR r 、R s 、及びR t が表す1価の置換基が、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、スルホ基、置換又は無置換のスルファモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基である、請求項1又は2に記載の紫外線吸収剤組成物。
- 前記R1cが、ハメット則のσp値が正である前記基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
- 前記ハメット則のσp値が、0.1〜1.2の範囲であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
- 前記ハメット則のσp値が正である前記基がCOORrであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。[Rrは、水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基を表す。]
- 前記R1cが、CNであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
- 前記極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、メロシアニン系化合物、及びトリアジン系化合物より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
- 前記極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤が、ベンゾオキサジノン系化合物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の一般式(1)で表される化合物と極大吸収波長を340〜400nmに有する紫外線吸収剤とを含有する樹脂組成物。
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