JPH05339033A - 紫外線遮断ガラスの製造方法、自動車用窓ガラス及び建築用窓ガラス - Google Patents

紫外線遮断ガラスの製造方法、自動車用窓ガラス及び建築用窓ガラス

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JPH05339033A
JPH05339033A JP29464792A JP29464792A JPH05339033A JP H05339033 A JPH05339033 A JP H05339033A JP 29464792 A JP29464792 A JP 29464792A JP 29464792 A JP29464792 A JP 29464792A JP H05339033 A JPH05339033 A JP H05339033A
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zinc oxide
film
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window glass
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Mitsumasa Saito
光正 斉藤
Kazuhiko Osada
和彦 長田
Hideaki Ueno
秀章 植野
Tatsuhiko Shimizu
達彦 清水
Yasuhiro Nonobe
康宏 野々部
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Sumitomo Cement Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Sumitomo Cement Co Ltd
Toyota Motor Corp
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating

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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用や建築用窓ガラスに好適な、耐擦傷
性、耐摩耗性に優れた紫外線遮断ガラスの製造方法を提
供する。 【構成】 粒径が0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末を、
オルガノポリシロキサン溶液にSiO2/ZnO=0.2
5〜0.67(重量比)の割合となるよう混合する。次
に、この酸化亜鉛微粉末を分散させて得られた液を板ガ
ラスに乾燥時膜厚で0.2〜1.5μmの厚さになるよう
に塗布する。その後、この板ガラスを580〜700℃
で焼成して紫外線遮断ガラスの製造する。また、得られ
た紫外線遮断ガラスからなる自動車用窓ガラス及び建築
用窓ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用や建築用窓ガ
ラスに好適な、耐擦傷性、耐摩耗性に優れた紫外線遮断
ガラスの製造方法にかかり、詳しくは板ガラス上に酸化
亜鉛の透明な膜を形成し、その後焼成することによって
製造する紫外線遮断ガラスの製造方法と、この製造方法
によって得られた紫外線遮断ガラスからなる自動車用窓
ガラス及び建築用窓ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に紫外線遮断ガラスを製造する方法
としては、ガラス組成で行う方法、板ガラス上に有機紫
外線吸収剤を練り込んだ透明フィルムを貼着する方法、
及び板ガラス上に透明な紫外線吸収膜を形成する方法が
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記方法に
おいてガラス組成で行う方法は、通常のガラスに酸化セ
リウム、酸化チタン、酸化鉄あるいは酸化バナジウム等
を添加し紫外線を吸収するガラス組成とするものである
が、この方法では特別なガラス組成であるため製造コス
トがかかり、また組成を均一にすることが困難で紫外線
吸収性能が不安定であるといった不都合がある。
【0004】板ガラス上に有機紫外線吸収剤を練り込ん
だ透明フィルムを貼着する方法では、有機紫外線吸収剤
の耐久性に問題があり、またフィルム強度が弱く実用的
でない。また、これを解決するため前記フィルムを2枚
の板ガラス間に挟み込み、合わせガラスとする方法も考
えられるが、コストがかかりすぎるため、安全性を重視
する自動車のフロントガラスや一部の建築用窓ガラスな
どにしか使用されていないのが実状である。
【0005】板ガラス上に紫外線吸収膜を形成する方法
としては、Ti−アルコキシド及びSi−アルコキシド
の加水分解物を交互に塗布し、焼成してTiO2−Si
2多層膜を形成する方法、亜鉛等の紫外線を吸収する
有機金属化合物を酸化熱分解する方法、ZnO、TiO
2、CeO等の粉末を分散した塗料を塗布する方法があ
る。しかし、TiO2−SiO2多層膜を形成する方法で
は正確に膜厚制御された5〜10層の多層膜が必要であ
り、製造にコストと時間がかかるといった不都合があ
る。また、熱分解法では均一できれいな膜を得るのが困
難であり、膜厚を厚くできないため紫外線吸収性能が劣
るといった不都合がある。またZnO、TiO2、Ce
O等の微粉末を分散した塗料による方法では、最も容易
に紫外線吸収膜を得ることができるものの、塗膜硬度が
弱いといった問題がある。さらに、自動車用や建築用の
窓ガラスのように、特に耐擦傷性、耐摩耗性が要求され
る用途には、前述した方法で得られた紫外線吸収膜はい
ずれも膜硬度が不十分であり不適であるといった問題が
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、耐
擦傷性に優れた紫外線遮断膜の製造方法を鋭意検討した
ところ、微粉末酸化亜鉛の分散液を塗布する方法におい
て、塗料の配合、膜厚及び膜の焼成方法を選ぶことによ
り、膜硬度を改善することを見いだし本発明に至った。
すなわち本発明における紫外線遮断ガラスの製造方法で
は、粒径が0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末を、オルガ
ノポリシロキサン溶液にSiO2/ZnO=0.25〜
0.67(重量比)の割合となるよう混合し、前記酸化
亜鉛微粉末を分散させて得られた液を板ガラスに乾燥時
膜厚で0.2〜1.5μmの厚さになるように塗布し、そ
の後この板ガラスを580〜700℃で焼成することを
前記課題の解決手段とした。また、本発明における請求
項2、3記載の窓ガラスでは、請求項1記載の製造方法
によって得られた紫外線遮断ガラスからなることを前記
課題の解決手段とした。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明で
は、まず粒径0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末をオルガ
ノポリシロキサン溶液中に分散させる。ここで、酸化亜
鉛を選択した理由を説明すると、紫外線吸収剤には一般
に酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄の微粒
子が用いることができるが、酸化亜鉛は0.1μm以下
の粉末が得やすく、屈折率が小さいために透明な膜が得
られ、紫外線吸収性能が最も良く、さらに後述するオル
ガノポリシロキサンの安定性に悪影響を及ぼさないから
である。
【0008】すなわち、紫外線吸収剤として酸化チタン
を用いた場合、酸化亜鉛と同程度の紫外線吸収性能にす
るためには、ルチルとアナターゼ型との結晶形態のうち
ルチル構造にする必要がある。しかし、ルチル構造の酸
化チタンの場合、微粒子状の粉末が得にくく、しかも屈
折率が大きいため膜の反射が多くなり透明性が劣るから
である。なお、アナターゼ型では微粒子状の粉末が得ら
れるが、紫外線吸収性能が酸化亜鉛に比べ悪くなってし
まうのである。酸化セリウムを用いた場合では、紫外線
吸収性能が酸化亜鉛に比べ悪くなり、また塩基性が強い
ためオルガノポリシロキサンが重合反応を起こしてしま
い、溶液の安定性に問題を生じるからである。また、酸
化鉄では膜が赤く着色してしまい、可視光の透過率が悪
くなる。
【0009】以上の理由により、本発明においては酸化
亜鉛粉末が用いられるが、この酸化亜鉛粉末としては粒
径が0.1μm以下のものを用いるのが好ましく、特に
0.005〜0.015μmの酸化亜鉛を用いるのが望ま
しい。このような微粒子状の酸化亜鉛としては、例えば
特開平2−311314号公報に記載された方法によっ
て得ることができるが、本発明はこれに限定されること
なく、他の方法によって得られたものでもよい。ここ
で、無機粉末の分散膜は、一般に分散粒径が0.2μm
より小さくなると透明性を帯び、0.1μm以下では、
ほとんど透明になることが知られている。したがって、
用いる酸化亜鉛については、粒径が小さいほど分散膜の
透明性が良くなることから、本発明では前述した粒径の
ものが好ましいのである。
【0010】なお、このような粉末状態の酸化亜鉛は通
常凝集しており、特に粒径の小さなものは凝集力が強く
分散が難しい。したがって、固く凝集した粒子を0.1
μm以下に分散させるには、後述するように酸化亜鉛と
親和性のある溶媒で粒子表面をぬらし、酸化亜鉛粒子間
の凝集力より強い機械的なエネルギーを与えて粒子を引
き離し、さらに分散を安定化させなければならない。
【0011】本発明では、酸化亜鉛粉末の分散剤として
オルガノポリシロキサンが用いられる。このオルガノポ
リシロキサンは、酸化亜鉛の分散剤としてだけでなく、
得られる紫外線遮断膜における酸化亜鉛粒子のバインダ
ーとしても機能するものである。このオルガノポリシロ
キサンは、たとえばクロロシランまたはアルコキシシラ
ンと水とを反応させてシラノールを得、次いで酸触媒中
で縮合反応を行うことにより得ることができる。なお、
本発明において使用されるオルガノポリシロキサンとし
ては、その重合度、分子構造に特に制限はない。
【0012】また、このオルガノポリシロキサンは予め
溶媒に溶解され溶液として用いられる。オルガノポリシ
ロキサンを溶解する溶媒としては、酸化亜鉛と親和性が
あることが必要となり、具体的にはアルコール系、エス
テル系の極性有機溶媒が好適とされる。しかし、界面活
性剤を添加するか、酸化亜鉛粒子表面を脂肪酸等により
改質することにより、酸化亜鉛との親和性(ぬれ性)を
高めることができることから、非極性溶液や水も使用す
ることができる。このような溶媒の選定については、前
述したように酸化亜鉛とのぬれ性のほかに、オルガノポ
リシロキサンの溶解性、粘度、蒸発速度、価格等の条件
があり、これらの条件を満たすべく例えば2〜5種類の
溶媒を組み合わせて使用することもできる。
【0013】そして、オルガノポリシロキサン溶液に酸
化亜鉛微粉末を加えるに際しては、オルガノポリシロキ
サン中のSiO2と酸化亜鉛微粉末(ZnO)との重量
比(SiO2/ZnO)が0.25以上0.67以下とな
るよう調整し配合する。すなわち、重量比が0.25未
満になると酸化亜鉛微粉末の分散が悪くなって成膜可能
な塗料とならなかったり、塗料を作製し得ても得られる
膜の屈折率が大きくなるためその透明性が不十分となる
からである。一方、0.67を越えると得られる膜の紫
外線吸収性能が低下し、さらに後の高温焼成工程におい
て形成される膜に微細なクラックが発生するおそれがあ
るからである。
【0014】また、オルガノポリシロキサン溶液に酸化
亜鉛微粉末を加え該微粉末を分散させるには、前述した
ように強く凝集した粒子(微粉末)を引き離すため、酸
化亜鉛微粉末の凝集エネルギーより大きなエネルギーを
与えることのできる分散機が用いられる。ただし、その
形式については特に限定されることなく、具体的にはサ
ンドミル、アトライター、ボールミル、ロールミル、ホ
モジナイザー、超音波分散機等を用いることができる。
さらに、分散機により分散された酸化亜鉛微粉末の分散
状態を安定化させるため、たとえば高分子吸着による立
体障害を起こさせる方法や、吸着イオンの反発力による
方法、カップリング剤を用いる方法等を採用することも
できる。
【0015】次に、このようにして酸化亜鉛微粉末を分
散させた液を板ガラスに塗布する。使用する板ガラスと
しては青板ガラスが好適に用いられるが、硬質ガラスや
石英ガラスでもよく、特にその材質については限定され
ることはない。板ガラスへの塗料の塗布法については、
スプレーコート、ロールコート、ディップコート、フロ
ーコート、スピンコート等の各塗布法が採用可能であ
る。また、塗布量については、後の焼成工程で得られる
乾燥時の膜の厚さで0.2μm以上1.5μm以下の厚さ
となるように塗布する。なぜなら、得られる膜厚が0.
2μm未満であると紫外線透過率がたとえば360nm
で15%以上と大きくなり、紫外線遮断の効果が低くな
るからである。一方、膜厚が1.5μmを越える量塗布
すると、後の焼成工程において580℃以上で焼成した
際クラックが発生する恐れがあるからである。
【0016】その後、酸化亜鉛微粉末分散液を塗布した
板ガラスを、580〜700℃で焼成して板ガラス上に
紫外線遮断膜を形成する。ここで、焼成温度を580℃
以上700℃以下としたのは、580℃未満では膜の硬
さが不十分で板ガラスと同等の硬さが得られず、特に自
動車や建築用窓ガラスのように高度な耐擦傷性、耐摩耗
性を必要とするガラスには適用できないからである。一
方、700℃を越えるとガラスの軟化温度に近くなり、
ガラス板が元の形状を保つのが困難になるとともに、酸
化亜鉛がバインダーのオルガノポリシロキサンと反応し
てしまい、紫外線吸収力を失ってしまう恐れがあるから
である。なお、ガラスの溶融点近くかそれ以上の温度で
焼成するのは、オルガノポリシロキサンの無機化及び酸
化亜鉛のイオン拡散に伴って膜の収縮が起こり、クラッ
クが発生することがあるので不適である。また、700
℃を越えて焼成すると紫外線吸収性能が低下する詳しい
理由としては、酸化亜鉛中のZnイオンがオルガノポリ
シロキサンから形成される非晶質SiO2中に熱拡散
し、結果的に酸化亜鉛量が低下することによるものと推
察される。
【0017】また、焼成時間、すなわちガラス板を58
0〜700℃に保持する時間としては、10分以上60
分以内とされる。なぜなら、10分未満では酸化亜鉛微
粉末を含む膜が設定した焼成温度にまで上昇せず、十分
硬化しないからであり、一方60分を越えて加熱しても
膜強度の改善に寄与することはなく、逆に亜鉛イオンの
熱拡散が促進され、形成される膜の紫外線吸収性能が低
下する恐れがあるからである。焼成したガラスの冷却に
ついては、徐冷、急冷のいずれでもよく、徐冷すれば普
通の板ガラスとなり、一方急冷すれば強化ガラスとな
る。また、軟化状態でプレス変形することも可能であ
り、これらの工程は膜の性能に影響しない。そして、こ
のようにして得られた紫外線遮断ガラスを、自動車用あ
るいは建築用の窓ガラスに適用することにより、本発明
における請求項2、3記載の窓ガラスが得られる。
【0018】
【作用】本発明における請求項1記載の製造方法によれ
ば、オルガノポリシロキサンの有機分が分解して完全に
無機化し、非晶質SiO2となること、酸化亜鉛粒子表
面と非晶質SiO2とが反応して粒界がなくなること、
ガラス表面が溶融して膜と一体化することなどにより、
得られた紫外線遮断膜が十分な高硬度を有するものとな
る。また、請求項2、3記載の窓ガラスによれば、紫外
線遮断膜が十分高硬度となることから、耐擦傷性、耐摩
耗性に優れたものとなる。
【0019】
【実施例】本発明を実施例にて更に詳しく説明する。 (実施例1)メチルトリエトラキシシラン100重量
部、イソプロピルアルコール100重量部、純水30重
量部、濃塩酸0.1重量部を、それぞれ攪拌機及び還流
器付きの500mlの丸底フラスコに入れ、オイルバス
で150℃に維持しながら2時間反応させ、粘稠な透明
の液体を得た。次に、この液体を5〜20mmHgの減
圧下で蒸留し、37重量部の白色固体(オルガノポリシ
ロキサン)を得た。得られた白色固体を30重量部、粒
径0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末(住友セメント株式
会社製、商品名[ZnO−100])70重量部、酢酸
ブチル100重量部、ブチルカルビトールアセテート1
00重量部、トルエン50重量部を混合し、サンドグラ
インダーにて3時間分散して白色液体を得た。
【0020】次いで、普通青板ガラスに、得られた白色
液体(酸化亜鉛分散液)をスピンコーターによってその
回転数を変え、膜厚0.2μmから1.5μmになるよう
に塗布した。さらに、これらを200℃で30分乾燥
し、ガラス面に形成された膜の厚さと光線透過率との関
係を調べ、その結果を図1に示す。次いで、得られたガ
ラスを、580℃から700℃の間で10℃おきに設定
した電気炉に入れ、ガラスの表面温度が炉温に達したと
き取り出した。炉温に達するまでの時間は10〜60分
であった。
【0021】取り出した板ガラスを、テーバー式耐摩耗
試験機(摩耗輪CS−10F、500g荷重、1000
回転)により摩耗後の紫外線透過率を測定し、さらにヘ
ーズ値を測定した。得られた結果を図2に示す。なお、
比較のため普通青板ガラスを実施例と同じ方法で摩耗試
験を行ったところ、ヘーズの変化は2%であった。ま
た、普通青板ガラスに、実施例で得られた白色液体を
1.0μmの厚さに塗布し、570℃で焼成して摩耗試
験を行ったところ、1000回摩耗の結果膜は完全に剥
離した。
【0022】(実施例2)実施例1で得られた白色固体
(オルガノポリシロキサン)を溶媒に溶かしてオルガノ
シロキサン溶液とし、このオルガノシロキサン溶液に粒
径0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末(住友セメント株式
会社製、商品名[ZnO−100])を、その混合比率
がSiO2 /ZnO=0.1〜0.8(ただし、SiO2
はオルガノシロキサン溶液中のSiO2 量)となる範囲
で分散させて複数種の分散液を作製した。次いで、この
分散液を板ガラスの上に膜厚が1.0μmとなるように
して塗布し、580〜700℃で焼成した。
【0023】板ガラス上に形成された膜の、紫外線透過
率(360nmの光線透過率で測定)、ヘーズ、および
クラックの発生状況を調べ、得られた結果を図3に示
す。SiO2 /ZnOが0.17以下(A領域)では、
ZnOがオルガノシロキサン溶液に均一に分散せず、成
膜可能な塗料に調製することができなかった。また、S
iO2 /ZnOが0.17以上0.25未満(B領域)で
は、塗料は作製できるもののZnOの分散が悪く、図3
に示すようにヘーズが高くなり、良好な透明性が得られ
なかった。SiO2 /ZnOが0.67を越える範囲
(C領域)では、紫外線遮断率が低いうえに、焼成時に
膜にクラックの発生がみられた。一方、SiO2 /Zn
Oが0.25以上0.67以下の範囲では、透明な膜とな
り、また焼成時にクラックの発生がなく、しかもこの膜
の耐摩耗性を前記テーバー式耐摩耗試験機により調べた
ところ、優れたものであることが確認された。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明の紫外線遮断
ガラスの製造方法は、ガラスと同等の表面硬度(膜硬
度)を有した紫外線遮断ガラスを容易にしかも経済的に
作ることができ、したがって、自動車用や建築用の窓ガ
ラスなど特に耐擦傷性、耐摩耗性が要求される用途に極
めて有効となる。また、本発明における請求項2、3記
載の窓ガラスは、紫外線遮断の効果が大きいため、自動
車内や建物内の内装材、家具などの退色や劣化を十分抑
制することができ、したがって該窓ガラスを用いること
により、シート地や内装材、家具等に従来紫外線による
退色や劣化の恐れから使用できなかった材質、色彩のも
のを使用することができる。また、自動車用窓ガラスで
はその乗員の日焼け防止に極めて効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】200℃で乾燥した後の酸化亜鉛膜の膜厚と紫
外線吸収率との関係を示すグラフである。
【図2】テーバー摩耗試験の結果を示すグラフである。
【図3】SiO2 /ZnOと紫外線透過率およびヘーズ
との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 17/10 (72)発明者 植野 秀章 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 清水 達彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 野々部 康宏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末
    を、オルガノポリシロキサン溶液にSiO2/ZnO=
    0.25〜0.67(重量比)の割合となるよう混合し、
    前記酸化亜鉛微粉末を分散させて得られた液を板ガラス
    に乾燥時膜厚で0.2〜1.5μmの厚さになるように塗
    布し、その後この板ガラスを580〜700℃で焼成す
    ることを特徴とする紫外線遮断ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 粒径が0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末
    を、オルガノポリシロキサン溶液にSiO2/ZnO=
    0.25〜0.67(重量比)の割合となるよう混合し、
    前記酸化亜鉛微粉末を分散させて得られた液を板ガラス
    に乾燥時膜厚で0.2〜1.5μmの厚さになるように塗
    布し、その後この板ガラスを580〜700℃で焼成し
    て得られた紫外線遮断ガラスからなる自動車用窓ガラ
    ス。
  3. 【請求項3】 粒径が0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末
    を、オルガノポリシロキサン溶液にSiO2/ZnO=
    0.25〜0.67(重量比)の割合となるよう混合し、
    前記酸化亜鉛微粉末を分散させて得られた液を板ガラス
    に乾燥時膜厚で0.2〜1.5μmの厚さになるように塗
    布し、その後この板ガラスを580〜700℃で焼成し
    て得られた紫外線遮断ガラスからなる建築用窓ガラス。
JP29464792A 1992-03-31 1992-11-02 紫外線遮断ガラスの製造方法、自動車用窓ガラス及び建築用窓ガラス Withdrawn JPH05339033A (ja)

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