JP2013082327A - 自動車のピラー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天井部と床部にわたるエアコン配管1とドレンホース2がピラー4に配索されている自動車のピラー構造であって、前記エアコン配管1とドレンホース2が固定具5で一体に纏められ、一体化した前記エアコン配管1とドレンホース2がピラーパネル6に固定されている。
【選択図】図3
Description
天井部と床部にわたるエアコン配管とドレンホースがピラーに配索されている自動車のピラー構造に関する。
従来、エアコン配管とドレンホースをピラーに配索する手段として、エアコン配管やドレンホースをインナーパネルに形成した開口部に挿入してインナーパネルとアウターパネルの間の空間に通していた(特許文献1参照)。
この構造によれば、前記開口部を形成したことでインナーパネルの強度低下を招くことから、インナーパネルの補強構造を設けなければならず、構造が複雑化し製作コストが高くなっていた。
また、ドレンホースが可撓性を備えて変形しやすいために、エアコン配管とドレンホースを前記空間内に通す作業に手間がかかっていた。
特許文献2に開示されているように、インナーパネルとアウターパネルの間の空間ではなく、インナーパネルの車室内側の面に沿ってエアコン配管とドレンホースを配策した構造もある。この構造では、エアコン配管とドレンホースをインナーパネルに別々に取り付けていた。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、構造を簡素化でき、製作コストを低廉化することができる構造でありながら、エアコン配管とドレンホースのピラーへの組み付け作業の作業性を向上させることができ、車両走行時のドレンホースのばたつきによる異音の発生を防止できる自動車のピラー構造を提供する点にある。
天井部と床部にわたるエアコン配管とドレンホースがピラーに配索されている自動車のピラー構造であって、
前記エアコン配管とドレンホースが固定具で一体に纏められ、
一体化した前記エアコン配管とドレンホースがピラーパネルに固定されている点にある。(請求項1)
また、金属材や硬質樹脂のような剛性のあるエアコン配管が、ゴム材のような可撓性のあるドレンホースに対して添え木のような役割を果たし、ドレンホースをピラーパネルに沿わせた状態でしっかりとピラーパネルに固定することができる。これにより、ドレンホースのピラーパネルに対する位置決めが可能となるとともに、ピラートリムなどの内装材をピラーパネルに固定する際に、ドレンホースがばらつかないため、ドレンホースが前記内装材の組み付けの邪魔にならなくなる。
そして、エアコン配管とドレンホースをピラーパネルとアウターパネルの間の空間に通す作業も不要になる。
その結果、車両への組み付けライン上での組み付け性を向上させることができる。
さらに、上記のように、ドレンホースをピラーパネルに沿わせた状態でしっかりとピラーパネルに固定することができるから、車両走行時のドレンホースのばたつきによる異音の発生を防止できる。
また、エアコン配管とドレンホースを挿通させる開口部をピラーパネルに形成しなくてもよくなることから、前記開口部の形成に起因するピラーパネルの強度低下を回避でき、ピラーパネルの補強構造が不要となる。これにより、構造を簡素化することができ、製作コストを低廉化することができる。(請求項1)
前記ドレンホースは前記エアコン配管に沿っていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
前記固定具に前記ピラーパネルに対する固定部が設けられ、
前記固定部が前記ピラーパネルに固定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
前記固定具は、前記エアコン配管とドレンホースを挟持する一対の挟持部を備えたクランプであり、
前記固定部は、前記クランプに設けられた係合部であり、
前記係合部が、前記ピラーパネルの車室内側の面に設けられた被係合部に係合すると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
3個のエアコン配管部分に長手方向に区分けされた前記エアコン配管の隣り合うエアコン配管部分同士の間に前記クランプが設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
前記エアコン配管とドレンホースの前記固定具による固定箇所以外の箇所で前記ドレンホースが前記エアコン配管にテープにより固定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項6)
構造を簡素化でき、製作コストを低廉化することができる構造でありながら、エアコン配管とドレンホースのピラーへの組み付け作業の作業性を向上させることができ、車両走行時のドレンホースのばたつきによる異音の発生を防止できる自動車のピラー構造を提供することができた。
図1(a),図1(b),図2(a),図2(b)に、天井部と床部にわたるエアコン配管1とドレンホース2がセンターピラー4(ピラーに相当)に配索された自動車のセンターピラー構造を示してある。ドレンホース2は凝縮水を流下排出する。
幅方向中間部が車室外側に膨出する断面ハット形状の車室外側のセンターピラーアウターパネル22と、
幅方向中間部が車室外側に膨出して前記センターピラーアウターパネル22の膨出部内に入り込む断面ハット形状のセンターピラーリンフォース23と、
センターピラーインナーパネル6を覆う内装材としての断面コの字状のセンターピラートリム20とから成る。
センターピラーインナーパネル6とセンターピラーアウターパネル22とセンターピラーリンフォース23は幅方向の側部同士が互いに重ねられて溶接接合されている。
これにより、クランプ5の数をできるだけ少なくした状態で、センターピラーインナーパネル6と、一体化したエアコン配管1とドレンホース2との隙間S(図5(a),図5(b)参照)を車両上下方向全体にわたって小さくすることができる。また、エアコン配管1とドレンホース2が自動車の走行時の振動により周辺部品と干渉することを防ぐことができる。
これにより、エアコン配管1とドレンホース2を確実に一体化することができ、エアコン配管1とドレンホース2が自動車の走行時の振動により周辺部品と干渉することをより確実に防ぐことができる。また、ドレンホース2をエアコン配管1に確実に沿わせることができる。
そして、ドレンホース2がセンターピラーインナーパネル6にテープ10で貼り付けられていないので、メンテナンス時にエアコン配管1とドレンホース2をセンターピラーインナーパネル6から簡単に取り外すことができてメンテナンス性を向上させることができる。
(1) 図3,図4,図1(b),図2(b)に示すように、上下に間隔を空けて位置する2個のクランプ5でエアコン配管1とドレンホース2を固定するとともに、エアコン配管1とドレンホース2のクランプ5による固定箇所以外の複数箇所(ドレンホース2の可撓性が大きい箇所)にテープ10を巻回してエアコン配管1とドレンホース2を固定し一体化する。
(2) エアコン配管1の上端部に設けられた取り付け部1T(図3,図4参照)のボルト挿通孔1Sに下方からボルトBを挿通させてエアコン3側の雌ねじ部に螺合締結する。一体化したエアコン配管1とドレンホース2をこのようにして前記エアコン3に組み付ける。
(3) 前記クランプ5の係合部7をセンターピラーインナーパネル6の車室内側の面に形成された係合孔8に挿入係合させる(図3,図4参照)。
(1) 前記エアコン配管1とドレンホース2がクランプ5で一体に纏められ、一体化したエアコン配管1とドレンホース2がセンターピラーインナーパネル6に固定されるから、エアコン配管1とドレンホース2の2部品をセンターピラーインナーパネル6に一度の組み付け作業で組み付けることができる。
また、剛性のあるエアコン配管1が可撓性のあるドレンホース2に対して添え木のような役割を果たし、ドレンホース2をセンターピラーインナーパネル6に沿わせた状態でしっかりとセンターピラーインナーパネル6に固定することができる。
これにより、ドレンホース2のセンターピラーインナーパネル6に対する位置決めが可能となるとともに、センターピラートリム20をセンターピラーインナーパネル6に固定する際に、ドレンホース2がばらつかないため、ドレンホース2がセンターピラートリム20の組み付けの邪魔にならなくなる。
そして、エアコン配管1とドレンホース2をセンターピラーインナーパネル6とセンターピラーアウターパネル22の間の空間に通す作業も不要になる。
その結果、車両への組み付けライン上での組み付け性を向上させることができる。
さらに、上記のように、ドレンホース2をセンターピラーインナーパネル6に沿わせた状態でしっかりとセンターピラーインナーパネル6に固定することができるから、車両走行時のドレンホース2のばたつきによる異音の発生を防止できる。
また、エアコン配管1とドレンホース2を挿通させる開口部をセンターピラーインナーパネル6に形成しなくてもよくなることから、前記開口部の形成に起因するセンターピラーインナーパネル6の強度低下を回避でき、センターピラーインナーパネル6の補強構造が不要となる。これにより、構造を簡素化することができ、製作コストを低廉化することができる。
前記エアコン用のセンターピラー4のエアコン低圧配管・エアコン高圧配管・ドレンホース2の3部品を固定具で一体に纏め、一体化した低圧配管・高圧配管・ドレンホース2をセンターピラーインナーパネル6に固定するよう構成してもよい。
本実施形態では、前記エアコン低圧配管とエアコン高圧配管でエアコン配管1を構成する。
2 ドレンホース
4 ピラー(センターピラー)
5 固定具(クランプ)
5A,5B 挟持部
6 ピラーパネル(センターピラーインナーパネル)
7 固定部(係合部)
8 係合孔(被係合部)
10 テープ
Claims (6)
- 天井部と床部にわたるエアコン配管とドレンホースがピラーに配索されている自動車のピラー構造であって、
前記エアコン配管とドレンホースが固定具で一体に纏められ、
一体化した前記エアコン配管とドレンホースがピラーパネルに固定されている自動車のピラー構造。 - 前記ドレンホースは前記エアコン配管に沿っている請求項1記載の自動車のピラー構造。
- 前記固定具に前記ピラーパネルに対する固定部が設けられ、
前記固定部が前記ピラーパネルに固定されている請求項1又は2記載の自動車のピラー構造。 - 前記固定具は、前記エアコン配管とドレンホースを挟持する一対の挟持部を備えたクランプであり、
前記固定部は、前記クランプに設けられた係合部であり、
前記係合部が、前記ピラーパネルの車室内側の面に設けられた被係合部に係合する請求項3記載の自動車のピラー構造。 - 3個のエアコン配管部分に長手方向に区分けされた前記エアコン配管の隣り合うエアコン配管部分同士の間に前記クランプが設けられている請求項4記載の自動車のピラー構造。
- 前記エアコン配管とドレンホースの前記固定具による固定箇所以外の箇所で前記ドレンホースが前記エアコン配管にテープにより固定されている請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動車のピラー構造。
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