JP3903648B2 - 自動車のピラー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のピラー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体には、フロントピラー、センタピラー、リヤピラー等のピラーが形成されている。これらのピラーは、いずれも閉断面の高剛性構造であり、車室の全体剛性を担っている。該ピラーは、車室内に面した状態で形成されているため、これらの車室内側には内装材としてのガーニッシュが取付けられ、車室内側からの見栄えの確保を図っている。
【0003】
また、前記したように、ピラーは、車室内に面しているため、車両の側面衝突の際には、車室内にある物がピラーに当たって、その物を破損させるおそれがある。そのため、ピラーには、各種の衝撃吸収構造が採用され、ピラーに当たった物を保護するようになっている。例えば、実開平3−68149号公報で知られているように、ガーニッシュの裏面にリブを立て、そのリブを変形させることにより、ガーニッシュに当たった物の衝撃エネルギーを吸収するようにしたものがある。また、ガーニッシュとピラーとの間に変形容易なスチールパッドを設け、このスチールパッドを変形させることにより、衝撃エネルギーを吸収するようにした構造もある。一方、特開平10ー138748号公報には、ルーフにクーリングユニットを配置するために、ピラーとガーニッシュとの間に空調装置の冷却用パイプが配管された車両用空調装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開平3ー68149号公報に記載されたピラーの衝撃吸収構造にあっては、ガーニッシュやピラーに、衝撃エネルギーを吸収するための特別な構造を設けなければならないため、ピラーの構造が複雑になり、製造作業性及びコストの面で不利になる。そこで、ピラーとガーニッシュとの間に配管された冷却用パイプを利用して衝撃エネルギーを吸収することが考えられるが、特開平10ー138748号公報には、冷却用パイプによって衝撃エネルギーを吸収するという思想は開示されていない。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、ピラーとガーニッシュとの間に配管されている空調の冷媒用パイプのレイアウト等を工夫することにより、衝撃エネルギーを効率よく吸収することができる自動車のピラー構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ピラーの車室内側にガーニッシュが取付けられ、該ピラーの側面部とガーニッシュとの間の内部空間に、空調用の低圧パイプと高圧パイプがそれぞれ上下方向に沿って配管されている自動車のピラー構造であって、
前記低圧パイプが、前記高圧パイプよりも大径であると共に該高圧パイプ及び低圧パイプを互いに近接させて内部空間の前側又は後側に配管すると共に、低圧パイプを高圧パイプに対して車室内側に位置させたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、ピラーの側面部の前端又は後端に凹部を形成し、該凹部内に高圧パイプを配管すると共に、高圧パイプと凹部の前後方向中央寄りにある縦壁との間に低圧パイプを配管したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、凹部の深さと高圧パイプの径とが略同じであることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、変形しやすい低圧パイプを、変形しにくい高圧パイプに対して車室内側に位置させたため、車両衝突時に車室内にある物がガーニッシュに当たった場合に、変形しやすい方の低圧パイプが変形してエネルギーを吸収し、その物に作用する衝撃を緩和して保護することができる。しかも、変形しにくい高圧パイプを、低圧パイプの車室外側に近接するように配管しているため、衝突後に、低圧パイプが車室外側へ位置ズレを起こすことはなく、低圧パイプはその位置で十分に潰れて、大きなエネルギーを吸収することができる。
【0011】
また、低圧パイプの方が高圧パイプよりも大径であるため、車室内の物は低圧パイプに先当たりして、低圧パイプが潰れるきっかけを低圧パイプに対して早期に与えることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、低圧パイプが凹部の縦壁と高圧パイプとの間で挟まれるため、低圧パイプの位置ズレがより確実に防止され、低圧パイプを十分に潰すことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、凹部の深さと高圧パイプの径が略同じで、凹部の縦壁と高圧パイプとの低圧パイプに対する接触点が、車幅方向で略同じ位置になるため、低圧パイプの転びが防止され、低圧パイプをより十分に潰すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。符号1はセンタピラーで、フロントドア2とリヤドア3の間で上下方向に沿って形成されている。このセンタピラー1はピラーアウタ4とピラーインナ5とを接合した閉断面構造で、その両端部にはフロントドア2やリヤドア3との水密性を確保するウエザストリップ6がそれぞれ設けられている。
【0015】
センタピラー1の車室内R側には、概略断面C形のガーニッシュ7が取付けられている。このガーニッシュ7の上部には上下位置調整可能なアジャスタ8が設けられ、このアジャスタ8から取り出したシートベルト9が下方のスリット10を介して内部の図示せぬリトラクタに巻き取り収納されている。
【0016】
そして、ガーニッシュ7とセンタピラー1との間には内部空間Sが形成され、この内部空間Sの後側には、空調用の低圧パイプAと高圧パイプBがそれぞれ上下方向に沿って配管されている。低圧パイプAの方が高圧パイプBよりも大径で、高圧パイプBは低圧パイプAの斜め後方に位置している。
【0017】
ピラーインナ5の後端には凹部11が形成され、その凹部11の前端は若干傾斜した状態の縦壁11aが形成されている。高圧パイプBはこの凹部11内に配管された状態になっており、高圧パイプBの径W1と凹部11の深さW2とは略一致している。そして、高圧パイプBと、凹部11の縦壁11aとの間の位置に、低圧パイプAが配管されている。高圧パイプBと縦壁11aとの間の間隔W3は、低圧パイプAの径W4よりも十分に小さく設定されている。
【0018】
次に、車両の側面衝突が起きて、ガーニッシュ7の後方に車室内Rにある物が当たって、ガーニッシュ7に衝撃エネルギーFが加わった場合の作用を説明する。低圧パイプAが大径で、高圧パイプBよりも車室内R側に位置しているため、衝撃エネルギーFはまず低圧パイプAに作用して、低圧パイプAの潰れるきっかけを早期に与える。そして、衝撃エネルギーFが加わったことにより、低圧パイプAが車体外側へ押されて、高圧パイプBを押すと共に、凹部11の縦壁11aに当たる。
【0019】
そして、低圧パイプAが凹部11の縦壁11aと高圧パイプBとの間で挟まれるため、低圧パイプAは車室外側への位置ズレが防止され、その位置で確実且つ十分に潰れることになる。特に、凹部11の深さW2と高圧パイプBの径W1が略一致しているため、縦壁11aと高圧パイプBとの低圧パイプAに対する接触点が、車幅方向で略同じ位置になり、低圧パイプAの前後方向での転びが確実に防止され、低圧パイプAをより十分に潰すことができる。
【0020】
このように、ガーニッシュ7の内部空間Sに配されている既存の高圧パイプB及び低圧パイプAのレイアウトを若干変更するだけで、センタピラー1に当たる物の衝撃エネルギーFを吸収して、その物を保護することができる。センタピラー1側には大きな構造の変更がないため、センタピラー1の製造作業性及びコストの面で有利である。
【0021】
尚、この実施形態では、高圧パイプB及び低圧パイプAを、ガーニッシュ7の内部空間Sの車両前後方向後側に配管する例を示したが、両方を前側に配管しても良い。但し、その場合は、高圧パイプBは低圧パイプAの車両前後方向前側かつ車室外側に位置させる。
【0022】
また、センタピラー1を例したが、本発明はフロントピラーやリヤピラーにも適用可能である。
【0023】
更に、高圧パイプBを収納する凹部11は必ずしも形成する必要はなく、高圧パイプBが低圧パイプAに対して車室外側に位置していれば、高圧パイプBにより低圧パイプAの同方向への位置ズレを防止し、低圧パイプAを確実に潰して、衝撃エネルギーを吸収をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】センタピラーを示す車室内斜視図。
【図2】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図3】衝撃エネルギーが加わった場合の状態を示す図2相当の断面図。
【符号の説明】
1 センタピラー
7 ガーニッシュ
9 シートベルト
11 凹部
11a 縦壁
A 低圧パイプ
B 高圧パイプ
F 衝撃エネルギー
R 車室内
S 内部空間
Claims (3)
- ピラーの車室内側にガーニッシュが取付けられ、該ピラーの側面部とガーニッシュとの間の内部空間に、空調用の低圧パイプと高圧パイプがそれぞれ上下方向に沿って配管されている自動車のピラー構造であって、
前記低圧パイプが、前記高圧パイプよりも大径であると共に該高圧パイプ及び低圧パイプを互いに近接させて内部空間の前側又は後側に配管すると共に、低圧パイプを高圧パイプに対して車室内側に位置させたことを特徴とする自動車のピラー構造。 - 請求項1に記載の自動車のピラー構造であって、
前記ピラーの側面部の前端又は後端に凹部を形成し、該凹部内に高圧パイプを配管すると共に、高圧パイプと凹部の前後方向中央寄りにある縦壁との間に低圧パイプを配管したことを特徴とする自動車のピラー構造。 - 請求項2に記載の自動車のピラー構造であって、
前記凹部の深さと前記高圧パイプの径とが略同じであることを特徴とする自動車のピラー構造。
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