〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るプリンタの構成例を示す図である。図1に示す構成は一例であって、本発明のプリンタの機能が係る構成に限定されるものではない。
このプリンタ2は、本開示のプリンタの一例である。このプリンタ2には、印字ヘッド4に搭載された印字ピン6が印字媒体8の一部との接触によって折損するのを防止する処理機能が設定されている。この印字媒体8は、例えば、1枚または複数枚が積層されたプリント用紙である。また、この印字媒体8は、例えば、印字面が白紙のほか、罫線や文字等がプレプリントされたもの、複数枚が積層されて1部とされた複写紙等が含まれる。
プリンタ2は、例えば、印字機能部として、印字ヘッド4や印字ピン6を含む印字部10が備えられたシリアルプリンタである。そして、このプリンタ2には、例えば、印字ピン監視部12やストローク時間算定部14、制御部16が備えられている。
このプリンタ2では、印字ピン6の折損を防止するために、印刷媒体8の一部または全部に対して、印字ヘッド4の主走査方向への移動タイミングを変更する補正印刷範囲が設定される。
印字ヘッド4には、複数の印字ピン6が設置されている。そして、印字処理において、印字ヘッド4が印字媒体8上で主走査方向に移動することで、印字ピン6は印字する各文字の印字位置に搬送される。また、印字ヘッド4は、設置された印字媒体8の厚さに基づいて配置高さが設定されている。この配置高さは、例えば、印字媒体8の最上面に対して印字ピン6が最適な圧力で打ち下ろされるように設定されている。
印字ピン6では、印字対象の文字や記号等の形状に応じて印字ヘッド4から先端部が突出される。そして、印字ピン6が印字媒体8に対して接触し、印字媒体8に所定の圧力が加えられて印字が行われる。また、印字ピン6は、印字処理が行われると再び印字ヘッド4内に収納される。このとき、印字ヘッド4は、例えば、印字ピン6と印字媒体8との接触が解除されたタイミングで主走査方向への移動が行われる。
印字部10は、印字データに合せて各印字ピン6の打ち下ろしおよび引き上げ処理や、印字ヘッド4の主走査方向への移動処理を行う。印字部10は、印字ヘッド4および印字ピン6のほか、印字ヘッド4を主走査方向に移動させる図示しない駆動手段等が備えられている。
印字ピン監視部12は、印字ピン6の状態監視手段である。この印字ピン監視部12では、例えば、印字ヘッド4内に設置したセンサを利用し、印字ピン6が印字ヘッド4内に収納されたか否かの検出が行われる。また、この印字ピン監視部12には、例えば、タイマなどの計時手段が備えられている。印字ピン監視部12では、例えば、後述する印字ピン6のストローク時間算定において、印字ピン6が印字ヘッド4に収納されたことの検出が行われる。印字ピン監視部12では、印字ピン6の折損防止処理として、印字ヘッド4の主走査方向への移動に移行するカウント処理や、印字ピン6の収納状態の監視処理が行われる。
なお、この印字ピン監視部12では、例えば、印字ピン6の最大突出状態の監視を行なってもよい。
ストローク時間算定部14は、印字ピン6が印字ヘッド4内に収納されるまでのストローク時間を算定する手段である。このストローク時間算定部14では、例えば、印字ピン6が最大突出状態となる場合の最大ストローク時間や、設定された印字ヘッド4の高さに基づいた印字ピン6のストローク時間が算定される。このストローク時間は、例えば、印字ピン監視部12による印字ピン6の突出状態の監視結果を利用して算定される。
ストローク時間算定部14では、例えば、印字ヘッド4から印字ピン6を打ち出してから再び収納するまでの時間が算定される。また、ストローク時間算定部14では、ストローク時間として例えば、印字ピン6が最も突出した状態から印字ヘッド4内に収納されるまでの時間を算定してもよい。
制御部16は、プリンタ2に設置された印字媒体8に対し、補正印刷範囲が設定される。補正印刷範囲は、印字媒体8の端部や、パンチ穴などが形成されていると想定される制御エリアであり、例えば、印字媒体8の一部または全部に対して設定される。この補正印刷範囲は、例えば、プリンタ2に入力設定された制御情報、またはプリンタ2に予め記憶された制御情報に基づいて設定される。そして、制御部16は、印字ヘッド4が補正印刷範囲内に達すると、補正印刷処理を実行する。補正印刷処理では、算定した最大ストローク時間に基づいて印字ヘッド4の主走査方向への移動タイミングが変更される。この移動タイミングの変更では、印字ピン6が収納されるまで印字ヘッド4が待機され、主走査方向が行われない。
そこで制御部16は、印字部10や印字ピン監視部12に対して補正印刷処理の実行指示を出力する。そして、この実行指示を受けた印字部10、印字ピンの監視部12では、印字ヘッド4の待機時間として算定した最大ストローク時間が設定され、印字ヘッド4の移動制御が行われる。
次に、図2は、印刷制御処理の一例を示すフローチャートである。図2に示す処理内容、処理手順等は一例であり、係る構成に本発明の印刷制御処理が限定されるものではない。
この印刷制御処理は、本開示の印刷制御プログラムで実行する処理の一例である。印刷制御処理の印刷準備処理では、プリンタ2に設置された印刷用紙等の印字媒体8に対する印字ピン6のストローク量の設定、補正印刷範囲の設定が含まれる。そして、印刷処理では、印字を行う位置が補正印刷範囲に設定された補正エリアか否かにより通常印刷処理と補正印刷処理とが切り替えられる。
プリンタ2に印字媒体8である用紙がセットされると、印字ヘッド4の配置処理が行われる(S1)。印字ヘッド4の配置では、セットされた用紙の厚さに応じて、印字ヘッド4の配置高さが設定される。この場合、印字ヘッド4は、例えば用紙の厚さに対して所定のギャップ(隙間)だけ高い位置に配置される。
また、ストローク時間算定部14では、最大ストローク時間が算定される(S2)。最大ストローク時間は、例えば、予め記憶されている印字ピン6の長さ情報や印字ピン6の打ち下ろし速度情報を利用して算定される。また、例えば、記憶部等に予め最大ストローク時間情報が記憶され、制御部16がその情報が読み込むことで最大ストローク時間が設定されてもよい。
その他、この算定処理において、プリンタ2に入力された用紙の厚さや種類等の情報を利用してストローク量が算定されてもよい。
プリンタ2に対して用紙が配置され、最大ストローク時間が設定されると、制御部16では、用紙に対して補正印刷を行う補正エリアが設定される(S3)。この補正エリアの設定では、例えば、印刷準備が整った印字ヘッド4の位置を基準に、印字ヘッド4の主走査方向への移動量、即ち用紙の1ラインに印字する文字数や、用紙の副走査方向への移動量、用紙の行数等が設定される。
以上の設定処理が終わると、印刷処理が開始される。印刷処理では、印字ヘッド4の位置が補正エリアか否かが判断を行われる(S4)。補正エリアか否かの判断は制御部16が行えばよい。このとき、制御部16では、例えば印刷のスタート位置から、印刷する文字数や用紙の副走査方向への移動量等から用紙に対する印字ヘッド4位置が把握され、補正エリアか否かが判断される。
印字ヘッド4の現在の位置が補正エリアである場合(S4のYES)には、制御部16が印字部10に対して補正印刷処理への移行指示が出力され、印字ヘッド4の主走査方向への移動タイミングが変更される(S5)。この補正印刷処理では、例えば、印字ヘッド4の駆動手段の駆動制御が行われ、算定した最大ストローク時間が経過するまで印字ヘッド4が待機される。つまり、制御部16は、印字ピン6が確実に印字ヘッド4内に収納されてから印字ヘッド4が主走査方向に移動させる。
また、印字ヘッド4の現在の位置が補正エリアでない場合(S4のNO)は、通常の主走査タイミングで印字ヘッド4の移動が行われる(S6)。
斯かる構成によれば、印字媒体の端部やパンチ穴の形成される範囲を補正エリアが設定され、この補正エリアにおいて印字ヘッドの主走査タイミングを変更することで、印字ピンが用紙によって折損する危険性を低下させることができる。また、プレプリント用紙などの記載状態に関わらず、折損防止範囲が限定できるので、用紙幅が検出不可能な用紙に対し、その全ての範囲で折損防止処理を行う必要がないので、印刷処理の効率化が図れる。印字ピンの最大ストローク時間を利用して印字ヘッドの主走査タイミングを変更するので、用紙の枚数や厚さに関わらず、簡易な構成で印字ピンの折損防止が図れる。
〔第2の実施の形態〕
次に、図3は、第2の実施の形態に係るプリンタの機能構成例を示す図である。図3に示す構成は一例であって、係る構成に本発明のプリンタ構成が限定されるものではない。図3において、図1と同一構成には同一符号を付している。
このプリンタ20は、本開示のプリンタの一例である。プリンタ20では、単数または複数枚が積層した印刷用紙24に対してヘッドピン22が打ち下ろされ押圧することで印字される。そして、このプリンタ20では、印刷用紙24の印刷面外にヘッドピン22が打ち下ろされた場合に、印字ヘッド4の主走査方向への移動によってヘッドピン22が折損するのを防止する補正印刷処理が行われる。プリンタ20には、例えば、印字部28、位置検出部30、幅検知部32、ヘッドピン監視部34、ピンストローク時間算定部36、印字補正部38が備えられている。
ヘッドピン22は、既述の印字ピンの一例であって、印字ヘッド4内に設置され、印字を行う際に印字ヘッド4から突出して印刷用紙24に接触する。このヘッドピン22は、例えば、一部または全部が金属材料で極細の細線状に形成されている。そして、ヘッドピン22は、印刷用紙24に接触した場合に、折損したりまたは印刷用紙24を貫通しないように弾性変形可能に構成されている。
印刷用紙24は、印字媒体の一例であって、大きさまたは種類が同一の用紙を複数枚積層したものや、用紙間に複写紙等の異なる種類や大きさの用紙を積層した多層紙で構成されている。
印字部28は、印刷用紙24に対する印字手段の一例である。印字部28は、ヘッドピン22を搭載した印字ヘッド4やヘッド移動部26が備えられている。このヘッド移動部26は、例えば、印字ヘッド4を印刷用紙24に対して主走査方向に移動させる手段であり、印字ヘッド4を印刷用紙24の印字位置に合わせて移動させることができる。
位置検出部30は、印刷用紙24の有無の監視や、プリンタ20に対する印刷用紙24の吸入量、印刷用紙24の上端位置などを検出する印字媒体検出手段の一例である。この位置検出部30では、例えば、光学式のセンサ等で構成されており、用紙の上端部や下端部の何れかまたは両方が検出される。
幅検知部32は、プリンタ20に設置された印刷用紙24の左端部のみまたは左右端部を検出する手段の一例である。この幅検知部32では、例えば、光学式のセンサ等で構成され、印刷用紙24の端部位置や幅情報等が取得される。
ヘッドピン監視部34は、ヘッドピン22の状態監視手段の一例である。このヘッドピン監視部34は、例えば、ヘッドピンのストローク時間を計時する機能や印字ヘッド4内にヘッドピン22が収納されたことを検出するセンサなどで構成されている。
ピンストローク時間算定部36は、例えば、補正印刷処理において印字ヘッド4を待機させる最大ピンストローク時間が算定される。この最大ピンストローク時間は、ヘッドピン22の突出量が最大となった場合に、ヘッドピン22が印字ヘッド4に収納されるまでの時間が算出される。
印字補正部38は、補正印刷制御を行う制御部の一例である。印字補正部38では、印刷用紙24に対して補正印刷範囲が設定される。そして、印字ヘッド4が補正印刷範囲内にある場合には、印字補正部38は印字部28に対して、算定した最大ストローク時間が経過するまで印字ヘッド4を待機させるように制御指示を出力する。
次に、プリンタの具体的な構成例について図4、図5、図6、図7および図8を参照する。図4は、印字ヘッド周辺の構成例を示す図、図5は、印字ヘッドの内部構成例を示す図、図6は、プリンタの外観構成例を示す図、図7は、印字ヘッドの背面側の構成例を示す図、図8は、印字ヘッドのスライド制御手段の一例を示す図である。図4〜図8に示す構成は一例であって、本発明のプリンタが係る構成に限定されるものではない。
図4に示すプリンタ20には、例えば、印刷用紙24が載置されるプラテンローラ40、印字ヘッド4を保持するキャリアユニット42、スペースモータ44、ガイドステー46等が備えられている。
プラテンローラ40は、印刷用紙24が載置され、印字ヘッド4に対して平行に印刷面を配置させる手段であるとともに、印刷用紙24を副走査方向に搬送する手段である。このプラテンローラ40は、印刷タイミングに合わせて回転することで、印刷用紙24が副走査方向に移動し、印字ヘッド4の印字位置に対する改行が行われる。このプラテンローラ40は、例えば、樹脂または金属等で構成されており、載置された印刷用紙24に対して、その境界部分が識別可能な色で構成されている。
キャリアユニット42は、印字ヘッド4等を保持する手段である。印字ヘッド4は、キャリアユニット42により、例えば、上下方向に移動可能に保持されている。そして、キャリアユニット42に保持された印字ヘッド4には、印刷用紙24の印刷面に対して、所定高さの印字ギャップが設定される。また、キャリアユニット42は、プラテンローラ40に対して並行に移動可能である。これにより、保持された印字ヘッド4は、印刷用紙24の印刷面に対して主走査方向に移動が行われる。このキャリアユニット42は、例えば、ガイドステー46に貫通支持されるとともに、スペースモータ44に設置したキャリアベルト48に支持されている。
また、キャリアユニット42には、例えば、プラテンローラ40に対して平行なガイド部50が設置されている。このガイド部50は、印刷用紙24に対する印刷位置の調整手段の一例である。ガイド部50は、例えば、印字ヘッド4に収納されたヘッドピン22(図5)の突出孔側の周囲に略同一の高さに設定されている。印字ギャップの設定では、例えば、ガイド部50が印刷用紙24に対して平行に接触する高さを基準に印字ヘッド4の高さが設定される。また、このガイド部50には、例えば、印刷用紙24の幅を検知する複数の用紙幅センサ52、54や印刷用紙24の厚さ情報を取得する用紙厚センサ56が設置されている。
用紙幅センサ52は、プリンタ20に配置した印刷用紙24の左端を検出する幅検知手段である。また、用紙幅センサ54は、印刷用紙24の右端を検出する幅検知手段の一例である。これらの用紙幅センサ52、54は、例えば、色識別センサで構成されている。この用紙幅センサ52、54は例えば、キャリアユニット42の主走査方向への移動により、印刷用紙24の白色とプラテンローラ40の黒色との変化点を検出することで印刷用紙24の端部を検出することができる。この用紙幅センサ52、54は、例えば、用紙があると反射光を検知し、用紙がないと光が吸収され反射光がないことを区別する反射型センサを利用している。
このプリンタ20では、用紙幅センサ52、54により印刷用紙24の用紙の上端部、左端部、右端部の何れかまたは2以上の位置情報が取得する。そして、プリンタ20では、印刷用紙24の端部検出で最初に検出した端部情報に従い、それ以降の同一列において、この検出結果を利用して端部を判別し、第一印字位置として利用する。
用紙厚センサ56は、例えば、印字ヘッド4をプラテンローラ40側に対して移動させ、印刷用紙24の上面側に達した高さから印刷用紙24の厚さ情報を取得している。
スペースモータ44は、印字ヘッド4を保持したキャリアユニット42の主走査方向への駆動手段であるヘッド移動部26を構成している。スペースモータ44は、例えば、所定の間隔(space )毎に回転を区切って駆動させる。プリンタ20には、左右端部の何れか一方にスペースモータ44が配置され、対向する端部側にプーリ(Pulley)60が設置されている。このスペースモータ44とプーリ60とは例えば、同一の高さに設置され、キャリアベルト48で連結されている。また、キャリアユニット42は、例えば、背面側において、キャリアベルト48に係合されている。
そして、キャリアユニット42は、スペースモータ44の回転力を伝達するキャリアベルト48の回動により、主走査方向に平行移動することができる。スペースモータ44には、例えばキャリアユニット42を印刷用紙24に印字する1文字毎に移動させる回転量が設定されている。
ガイドステー46は、キャリアユニット42を印刷用紙24の印刷面に対して平行移動させるためのガイド手段である。このガイドステー46は、印字ヘッド4、ガイド部50およびキャリアユニット42の支持軸として機能している。ガイドステー46は、例えば、プラテンローラ40に対して並列に配置されており、キャリアユニット42がガイドステー46に沿って移動することで、印刷用紙24に対して、主走査方向に直線状に印字が行われる。
その他、プリンタ20には、例えば、キャリアユニット42の上部側に接触させるガイド62が設置されている。
図5に示す印字ヘッド4は、筐体部66内に複数のヘッドピン22が進退可能に設置されている。このヘッドピン22には、例えば、支点68を介してアーム部70とピン部72とが形成されており、印字ヘッド4の内部の上部側にアーム部70が配置されている。ピン部72は、印字ヘッド4の底部側に形成されたヘッド面74に向けて配置されている。このヘッド面74は、印刷用紙24側に対して平行に形成されている。そして、このヘッド面74には、ヘッドピン22の数に応じた突出孔が形成されており、この突出孔からヘッドピン22が突出する。
印字ヘッド4の内部には、駆動手段として例えば、アーム部70の位置に合わせて電磁ソレノイド76等が設置されている。アーム部70は、例えばヘッド移動部26(図3)の駆動指示に基づいて励磁された電磁ソレノイド76により引きつけられる。そして、ピン部72は、このアーム部70の動きに対し、例えば、梃子の原理により支点68を介して下向きに押込まれることで、ヘッド面74から突出される。また、電磁ソレノイド76の励磁が解除されると、ヘッドピン22に作用する復元力によってアーム部70が下げられる。そして、ピン部72は、支点68を介して、情報に引き上げられる。
また、この印字ヘッド4には、ヘッドピン22の状態監視手段として、例えば、各ヘッドピン22毎にピンセンサ78が設置されている。ピンセンサ78は、例えば、アーム部70を介して電磁ソレノイド76に対向する位置に設置されている。このピンセンサ78は、例えば、接触センサで構成され、ヘッドピン22が印字ヘッド4内に収納されているときに電気的に接触するように設定されている。従って、電磁ソレノイド76が励磁されてアーム部70が引きつけられると、ピンセンサ78では、アーム部70との接触が解除されたことが検出される。また、電磁ソレノイド76の励磁解除により下げられたヘッドピン22がピンセンサ78に接触することで、ピンセンサ78では、ヘッドピン22の収納状態が検出される。
このとき、ヘッドピン監視部34(図3)では、例えば、ピンセンサ78がONからOFFに切り替わってから再びONに切り替わるまでの時間をヘッドピン22のストローク時間として監視している。その他、ヘッドピン監視部34では、例えば、電磁ソレノイド76に対する励磁を解除したことを契機に計時が開始され、ピンセンサ78がONになるまでの時間がストローク時間に設定されてもよい。即ち、補正印刷処理では、ストローク時間の計時または制御のタイミングについて、例えば、電磁ソレノイド76に対する励磁電力の供給タイミングを利用してもよい。
図6に示すプリンタ20には、例えば、用紙載置部80、用紙吸入部82、用紙排出部84、表示操作部86が設置されている。用紙吸入部82は、用紙載置部80に対して印刷用紙24が載置されると、手動または自動で印刷用紙24を吸入する。この用紙載置部80には、例えば、用紙センサ88が設置されている。この用紙センサ88は、設置された印刷用紙24の吸入量の監視や調整が行われるとともに、用紙載置部80に印刷用紙24が載置されたか否かを監視する位置検出部30として機能する。また、用紙センサ88では、印刷用紙24の下端側が検出される。
用紙排出部84は、印刷処理が行われた印刷用紙24がプリンタ20から排出されて載置される。
表示操作部86には、プリンタ20の印刷状態、その他の報知情報が表示される表示パネルやプリンタ20に対する操作入力を行うための複数の操作ボタンが設置されている。この表示操作部86は、例えば、プリンタ20の利用者により、印刷を行う用紙の種類や補正印刷を行う補正エリアの設定などの入力が行われる。
図7に示すキャリアユニット42には、背面側にLRES(Left Right End Sencer )装置90が備えられている。このLRES装置90は、例えば、”C”字状に形成された光学式または通電式のセンサで構成されている。このLRES装置90は、例えば、キャリアユニット42の背面側の空間部92内に設置された遮蔽板94と対応した高さに設置されている。このLRES装置90は、プリンタ20内における印字ヘッド4およびキャリアユニット42の主走査方向の移動範囲が監視されている。
図8に示すLRES装置90は、キャリアユニット42の主走査方向の移動により、遮蔽板94に形成された左右の凸部96、98の間を移動する。LRES装置90が凸部96または凸部98を跨ぐことで、キャリアユニット42や印字ヘッド4が移動限界位置に達したことを検知し、スペースモータ44の駆動を制限させる。そして、この移動限界位置まで印刷が行われると、プリンタ20は、印字ヘッド4およびキャリアユニット42を印刷の初期位置に戻すとともに、改行させて印刷を再開させる。
図9は、プリンタのハードウェア構成例を示している。
このプリンタ20は、例えば、補正印刷処理を実行するため、CPU(Central Processing Unit )100、印字ヘッド駆動部102、タイマ104、用紙幅センサ52、54、用紙厚センサ56、操作入力部110、用紙センサ88、記憶部114で構成される。また、プリンタ20は、ヘッドピン駆動部120、用紙搬送部122や表示部124等が構成されている。
CPU100は、OS(Operating System)や印刷制御プログラムを演算実行する手段である。このCPU100は、印刷制御プログラムを実行することにより、補正印刷を行う補正エリアの設定、ストローク時間の算定、印字ヘッド4の印刷位置監視処理等の印刷制御が実行される。
印字ヘッド駆動部102は、スペースモータ44(図4)に対する給電制御や回転数制御により印字ヘッド4の主走査方向の移動を制御する手段である。
タイマ104は、ヘッドピン22のピンストローク時間を計時する手段である。補正印刷処理では、このタイマ104の計時結果に基づいて印字ヘッド駆動部102が印字ヘッド4の移動が制御される。
操作入力部110は、プリンタ20の表示操作部86に対する設定入力を監視する手段である。
記憶部114は、例えば、ROM(Read Only Memory)116やRAM(Random-Access Memory)118で構成されている。ROM116は例えば、ハードディスク装置やフラッシュメモリ(Flash memory)などの記録媒体で構成され、OSや印刷制御プログラム等が格納されている。また、ROM116には、補正エリアの設定情報や算定したストローク時間情報、検出した用紙幅情報、用紙厚さ情報等が記憶される。
なお、このROM116は、例えば、電気的に内容を書き換えることができるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )等で構成されてもよい。
また、上記の印刷制御プログラム等は、ROM116に記憶されたものに限られない。例えば、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータで読出し可能な記録媒体に記憶されているものを利用してもよい。さらに、ネットワーク上にあるサーバやデータベース等からプログラム等を読み込んで利用してもよい。
RAM118は、印字制御処理のワークエリアを構成しており、印刷制御プログラム等を実行することで、既述の印字補正部38等として機能する。
ヘッドピン駆動部120は例えば、電磁ソレノイド76に対する給電制御によりヘッドピン22の打ち下ろしと引き上げを制御する手段である。ヘッドピン駆動部120は、例えば電磁ソレノイド76を含むスイッチング回路で構成され、図示しないプリンタ20の給電手段に接続されている。
用紙搬送部122は、プリンタ20にセットされた印刷用紙24を搬送する手段であって、例えば、プラテンローラ40やその他の搬送ローラで構成されている。そして、印刷処理では、印字ヘッド4が印刷用紙24の端部側まで印字したタイミングに合わせて印刷用紙24を副走査方向に所定量毎に搬送する。
表示部124は、印刷処理の状態等を表示する手段の一例であって、既述の表示操作部86を構成する。この表示部124には、例えば、印刷設定画面や補正エリアの設定画面、その他の警告などの報知画面などを表示する。また、この表示部124は、警告などの報知を例えば、プリンタ20に接続したホストPC(Personal Computer )側に通知させる表示制御手段として機能してもよい。
補正印刷の構成について、図10、図11、12、図13、図14、図15および図16を参照する。図10は、補正エリアの一例を示す図、図11は、補正エリア内での印刷処理の状態を示す図、図12は、補正エリアの一例を示す図である。また、図13は、ヘッドピンの最大ストロークを示す図、図14は、用紙厚さ検出処理およびギャップ設定処理の一例を示す図、図15は、補正印刷処理の原理を示す図、図16は、補正印刷処理の原理を示す図である。図10〜図16に示す構成は一例であって、本発明が係る構成に限定されるものではない。
図10に示す印刷用紙24には、例えば、検出した左端位置から右方向に所定幅離L1、上端から所定距離L3の範囲に補正エリア126が設定されている。この補正エリア126は、印刷用紙24の上端部または左端部側にパンチ穴127などが形成された可能性がある範囲を設定している。パンチ穴127は、印刷用紙24の左端部側から距離l1として、例えば13〔mm〕の位置を中心に例えば直径φ6〔mm〕で形成される。また、パンチ穴127は、上端部側から距離l2として、例えば直径φ13〔mm〕の位置を中心に形成される。このようなパンチ穴は例えば、縦方向および/または横方向に、複数個が直線上に形成される。これらのパンチ穴127は、例えば、距離L2、L4として例えば80〔mm〕の間隔で形成されている。
補正印刷処理では、これらのパンチ穴127の形成位置を含む範囲を補正エリア126とし、例えば、所定距離L1、L3として例えば20〔mm〕の幅に設定されている。
この補正エリア126における補正印刷処理では、例えば、図11に示すように、用紙幅センサ52(図4)によって検出した印刷用紙24の左上部の位置Pを基準に印刷処理を開始する。この補正印刷処理では、印字補正部38の印刷制御指示により、補正エリア126内において、ヘッドピン22が印字ヘッド4に収納されるまで印字ヘッド4を待機させる。
印字補正部38では例えば、検出した位置Pを基準に印字ヘッド4の主走査方向への移動回数や、印刷用紙24に対する印字ヘッド4の位置を把握する。この印字ヘッド4の位置は、例えば、キャリアユニット42を移動させるスペースモータ44の回転数やプラテンローラ40の回転数等を利用して把握すればよい。そして、印字補正部38では、把握した印字ヘッド4の位置と、補正エリア126として設定された印刷用紙24の位置情報とを対比して補正印刷を行うか否かを判断する。
用紙センサ88は、副走査方向に搬送される印刷用紙24の有無を監視することで、印刷用紙24の下端部を検出している。そして、印字補正部38は、用紙センサ88の検出結果に基づいて、印刷用紙24に対する印刷処理の終了タイミングを把握する。そこで、印字補正部38では、例えば、用紙センサ88から印字ヘッド4側までの距離情報を把握しており、用紙センサ88による印刷用紙24の下端検出情報を取得すると、印刷用紙24の下端が印字ヘッド4側に達するまでのプラテンローラ40の回転数等を算定する。
そして、印刷中の印刷用紙24に対する印刷処理が終了すると、次の印刷用紙24に対して改めて印刷処理を開始する。このとき、例えば、現在の補正エリア126の設定条件そのまま利用してもよく、または新たに補正エリア126を設定してもよい。また、読み込んだ印刷データのデータ長等に基づいて補正エリア126の設定を変更してもよい。
その他、印刷用紙24に対して、例えば、右端側および下端側に補正エリア126を設定してもよい。例えば、図10に示す印刷用紙24を上下/左右を逆にしてプリンタ20に吸入させた場合には、パンチ穴127が右端側および下端側に配置される。この場合、印字補正部38は、図11に示すように印刷用紙24の左上部の位置Pを基準に右端の補正エリア126の位置を把握すればよい。また、用紙センサ88による下端検出情報を利用して、印刷用紙24の下端側の補正エリア126の位置を把握してもよい。
更に、図12に示すように、印刷用紙24には、上下左右の端部側に補正エリア126を設定してもよい。この印刷用紙24には、例えば、左端側に横方向の距離L1の範囲、右端側に横方向の距離L5の範囲に補正エリア126が設定されている。また、上端側に縦方向に距離L3の範囲、下端側に縦方向の距離L6の範囲に補正エリア126が設定されている。これらの距離L1、距離L5、距離L3、距離L6は、同じ幅に設定すればよい。これらの距離L1、距離L5、距離L3、距離L6は、例えば、印刷用紙24の上下左右の端部側から、仮想的なパンチ穴127の中心までの距離にパンチ穴127の半径または直径を足した値よりも大きな値を設定すればよい。
図13に示す印字ヘッド4は、印刷用紙24に形成されたパンチ穴にヘッドピン22を打ち下ろされ、ヘッドピン22が最大ストローク距離となっている。この印刷用紙24は、複数枚の用紙が積層されて厚さdとなっている。この印刷用紙24は、例えば、用紙の種類が33〔kg〕の場合には、厚さd=0.06×N(枚数)の値となる。この用紙種類は、例えば、用紙が1000枚重ねられた場合の重さで示されている。用紙の厚さdは、既述の用紙厚センサ56(図4)によって直接検出すればよい。印字ヘッド4は、この印刷用紙24の最上面に対して所定のギャップhを設定されている。即ち、印字ヘッド4は、例えば、プラテンローラなどの印刷用紙4の載置面から、用紙厚さdにギャップhを足した高さSに配置されている。
このように配置された印字ヘッド4において、パンチ穴130に対してヘッドピン22が打ち下ろされた場合、ヘッドピン22は、印刷用紙24の最上面から長さeだけ挿入される。ヘッドピン22の突出量は一定の値であることから、印刷用紙24に対する挿入長さeは、ギャップhにより決定される。そして、補正印刷処理では、最大ストローク距離までヘッドピン22が突出し、印字ヘッド4内に収納されるまでの最大ストローク時間が利用される。
印刷用紙24の厚さ検出処理では、図14Aに示すように、印字ヘッド4が印字ヘッド4およびガイド部50を印刷用紙24の最上面に対して接触する位置まで下げられる。用紙厚センサ56では、例えば、印刷用紙24を載置するプラテンローラ40の載置面を基準に印刷用紙24の最上面の高さが検出される。この検出された高さ情報が用紙厚さdとして記憶部114に記憶される。
そして、図14Bに示すギャップ設定処理では、印字ヘッド4やガイド部50を印刷用紙24の最上面からギャップhとして設定された高さに配置される。このギャップhは、印刷処理において印刷用紙24の最上面に対して打ち下ろすヘッドピン22が損傷せずに印刷用紙24に対して所定の圧力でされるように設定された間隔である。ギャップhは、例えば、印刷用紙24の厚さに関わらず、印刷用紙24の印字面からの距離により設定される。そして、これらの検出処理および設定処理の後に、ピンストローク時間の算定が行われる。
補正エリアにおける補正印刷処理では、図15のAに示すように、印刷用紙24のパンチ穴130にヘッドピン22が打ち下ろされ、ヘッドピン22が最大ストロークとなっているものと想定される。図15Bに示す印字ヘッド4は、ヘッドピン22が最大ストロークで突出され、印字ヘッド4内に戻るまでの時間として算定された最大ピンストローク時間が経過するまで待機する。
そして、図16に示す印字ヘッド4は、最大ピンストローク時間が経過すると主走査方向に、例えば、1文字分の印字間隔Xだけ移動する。従って、印字ヘッド4は、パンチ穴130に対して印字処理を行ったとしてもヘッドピン22が完全に収納されるまで移動しない。この補正印刷処理において、プリンタ20は、最大ピンストローク時間が経過するまで印字ヘッド4を待機させることで、ヘッドピン22の突出量に関わらず、印字ヘッド4内に確実に収納されたものと判断している。
図17、図18および図19は、印刷処理の手順、処理内容の一例が示されている。この補正印刷処理は、本開示の印刷制御プログラムの一例である。この処理では、例えば、印刷準備処理として、補正エリア内における印字ヘッド4の主走査方向への移動タイミングや補正エリアが設定される。また、印刷の実行処理として、補正エリア内における印刷または補正エリア外での通常印刷が含まれる。
プリンタ20では、印刷用紙24がセットされると用紙の上端位置の検出が行われる(S11)。この検出処理では、例えば、用紙センサ88や用紙幅センサ52、54等により印刷用紙24の有無が検出されるとともに、印刷制御を行うための基準位置P(図11)が設定される。また、用紙幅センサ52、54では、セットされた用紙幅の検出が行われる(S12)。この用紙幅の検出では、印刷用紙24の左端部が用紙幅センサ52により検出され、印刷用紙24の右端部が用紙幅センサ54により検出される。これにより、プリンタ20では例えば、印刷用紙24の印刷範囲である横幅が設定される。また、既述のように、セットされた印刷用紙24が着色やプレプリントされた用紙である場合であって用紙幅センサ54がOFFにされた場合には、左端部のみが検出され、基準位置Pが確定される。
セットされた印刷用紙24に対して印字ヘッド4が印刷開始位置に配置される(S13)、このとき、例えば、ピンストローク時間算定部36では、用紙厚センサ56によって検出された用紙厚さ情報などが取り込まれる。ピンストローク時間算定部36では、例えば、取り込んだ用紙厚さ情報を利用して印字ピンのストローク時間が算定される(S14)。
印字補正部38では例えば、検出された用紙幅情報を利用して、印刷用紙24に補正エリアが設定される(S15)。この補正エリアの設定処理では、例えば、記憶部114に予め記憶されている印刷用紙24の種類に応じて設定された補正エリア情報を利用してもよい。または、表示操作部86から入力された補正エリアの設定情報を利用してもよい。
補正エリアが設定されると、印刷用紙24に対する印字処理が開始される。そして、現在の印字ヘッド4の位置が補正エリア内か否が判断される(S16)。補正エリアである場合(S16のYES)、補正印刷処理に移行される(S17)。また補正エリアでない場合(S16のNO)は、通常の印刷処理(S18)が行われる。通常の印刷処理において、印字ヘッド4は、例えば、印刷用紙24との間に設定されたギャップhについてヘッドピン22が収納されるまでの時間、またはそれよりも短い時間が経過すると主走査方向に移動する。
プリンタ20では、補正印刷処理または通常処理に設定された待機時間が経過すると、印字ヘッド4の主走査方向への移動、または印刷用紙24の副走査方向に対する用紙送りが行われる(S19)。この用紙送りは、印字位置の改行として例えば、1列分の印字データの印刷が完了した場合や印字ヘッド4が印刷用紙24の右端に達した場合に実行される。
図18に示すピンストローク量の算定処理(S14)では例えば、ピンストローク時間算定部36が用紙厚情報を含むギャップ情報が読み込む(S21)。また、例えば、ヘッドピン22の打ち下ろし、および引き上げの移動速度が設定される(S22)。このヘッドピン22の移動速度は例えば、予め設定された速度情報を参照してもよい。そして、ピンストローク算定部36では、これらのギャップ情報やヘッドピン22の移動速度情報を利用し、ストローク時間が算定される(S23)。ピンストローク時間算定部36では、ヘッドピン22が最大量で突出した場合の最大ストローク時間や、通常印刷として例えば、ギャップh分だけ印字ヘッドが突出する場合のストローク時間などが算定される。
次に、図19に示す補正印刷処理(S18)では例えば、ヘッドピン駆動部120をONされ(S31)、同時にタイマ104による計時が開始される(S32)。ヘッドピン駆動部120の起動では、電磁ソレノイド76に対する給電スイッチの切替などが行われる。
そして、印字補正部38では、設定された最大ストローク時間が経過するまで印字ヘッド4を大気させ(S33のNO)、経過した場合(S33のYES)には、ヘッド主走査指示が出力される(S34)。
斯かる構成によれば、用紙幅が検出できず用紙の端部が確定しない場合や、印刷用紙にパンチ穴が形成された範囲において、ヘッドピンが用紙の端部やパンチ穴の縁等に接触して折損するのを防止できる。また、これらの補正エリア以外では、通常のタイミングで印字ヘッドを移動させるように切替えることで、印刷処理の時間ロスの抑制と、ヘッドピンの折損防止とを両立でき、プリンタの利便性を向上させることができる
〔第3の実施の形態〕
図20および図21は、第3の実施の形態に係る補正エリアの設定について示している。
図20に示す印刷用紙140では、例えば、端部から所定の位置に、用紙の一部を切り離し可能なミシン目142、144の切り込みが施されている。この印刷用紙140では、例えば、用途に応じて印刷用紙140の一部を切り取ることで、用紙幅の変更が可能となっている。このような印刷用紙140では、このミシン目142、144で区切られた余白部146、148について例えば、印刷処理後に切り離されることが想定されているため、既述の印刷用紙24よりも内側にパンチ穴が形成される。そして、この印刷用紙140では、例えば、切り離すミシン目142、144の部分が新たな用紙端部となり、既述のように、所定距離L1、L3の範囲にパンチ穴が形成される。
そこで、印字補正部38では例えば、切り取られる余白部146、148の幅情報を取得し、余白部146、148が切り取られたと想定した印刷用紙140に対して補正エリア126を設定する。
この補正エリア126の設定の一例として、余白部146、148が切り取られた後の印刷用紙140の中心部分を通過する中心線を想定し、形成されたパンチ穴127同士の中心位置を確認する。そしてこの中心位置について、余白部146、148を取り外す前の印刷用紙140の基準位置Pからの距離A、Bを求める。
印字補正部38では例えば、余白部146、148が切り取られた場合の用紙端部からパンチ穴127の中心までの距離に対し、余白部146、148の幅を加算した距離a、bを算出する。そして、印字補正部38では、算出したパンチ穴の中心距離a、bが含まれるように補正エリアの幅L1、L3を設定する。また、パンチ穴127同士の中心距離A、Bを考慮して補正エリア126の縦横の範囲を設定してもよい。
図21は、補正エリアの設定処理手順の一例を示している。
印字補正部38では、例えば、印刷用紙140の余白部146、148について、入力された位置情報や記憶部等に記憶された位置情報が取得される(S41)。この余白部146、148の位置情報とともに、記憶部に記憶され、または入力された、パンチ穴の位置情報等に基づき、パンチ穴の中心位置を確認する(S42)。この処理において、既述した距離A、B、a、bを算出すればよい。
これらの位置情報に基づいて、印字補正部38により、余白部146、148を切り離した後の所定距離L1、L3の範囲を補正エリア126が設定される(S43)。
そして、印刷処理では、設定した補正エリア126に対して補正印刷が行われる。
斯かる構成によっても、上記実施の形態と同様に、パンチ穴が形成される可能性が高い位置、および用紙端部の位置において、ヘッドピンの折損防止を行うことができる。
〔第1、第2および第3の実施の形態の利点および特徴事項〕
(1) 本発明のプリンタは、印字ヘッドに搭載したヘッドピンの折損防止機能を備えている。
(2) プリンタ2、20では、用紙吸入部82で印刷用紙24、140を吸入した後、印字ヘッド4のウェイト時間として最大ピンストローク時間が算定される。また、用紙幅検出センサ52、54で検出した用紙幅等から設定した用紙端部やパンチ穴があると想定される範囲を補正エリアに設定される。そして、補正エリアでは、印字補正部38は、最大ピンストローク時間に基づき、ヘッドピンが印字ヘッド4内収納されるまで、印字ヘッド4の主走査移動を制限する。これにより、用紙の端部やパンチ穴に印字したときでもピンの折損を防止できる。
(3) また、このプリンタ2、20では、例えば、プレプリントされた用紙を利用した場合において、端部の誤認識を防ぐ為に用紙幅センサ54をOFFにした場合でも、用紙端部やパンチ穴にヘッドピンが引っ掛かるのを回避できる。また、プレプリントされた文字や色などに影響されず、ヘッドピン22の折損防止が行われる。
(4) この印刷制御処理では、用紙に対する印刷時とパンチ穴等の用紙外に印刷するときとで、ピンストローク時間の差が最大となる場合を想定する。そして、補正エリアでは、最大ストローク時間が経過するまで印字ヘッド4を移動させない。
(5) また、補正エリアは、用紙の上端部側または左端部側に限られず、例えば、印刷24の右端部側および下端部側に設定されてもよい。印刷用紙24の下端側に対する補正エリアは、例えば、用紙搬送時にプリンタ装置に搭載された用紙センサ88が利用され、検出された印刷用紙24の下端部側から上端部側に向けて、例えば20〔mm〕の範囲に設定されればよい。
(6) 印刷用紙24の上端側のパンチ穴127は、用紙中心から中心振り分けで、例えば、80〔mm〕の間隔で形成されている。また、パンチ穴127は、用紙上部から例えば、13〔mm〕の位置に直径φ6〔mm〕で形成されている。パンチ穴127は、印刷用紙24の端部から例えば、16〔mm〕の範囲に形成される。これに対し、印刷用紙24に対する印字ヘッド4の接触面の全長は、例えば3.4〔mm〕に設定されている。そこで、補正エリア126は、マージンをとって印刷用紙20の上端側から、例えば、20〔mm〕の範囲に設定される。また、印刷用紙24の左端部側のパンチ穴127では、印刷用紙20の中心から中心振り分けで例えば、80〔mm〕の間隔で形成される。また、パンチ穴127は、印刷用紙20の左端部側から例えば、13〔mm〕の位置を中心に、直径φ6〔mm〕で形成される。そこで、補正エリアは、上記のように、印刷用紙24左端部側から例えば、20〔mm〕の位置を設定される。用紙が上下逆さや左右反対に挿入された場合には、下端部および右端部について同様に補正エリアを設定されればよい。
(7) 用紙のサイズを変更可能にするためミシン目を入れて、継ぎ足しや切り取りが可能な印刷用紙140では、入力されたパンチ穴位置を利用して補正エリア126が設定される。この場合、例えば図20に示す印刷用紙140では、算出した距離A/bまたはa/Bによって補正エリアの設定が行われる。
〔第4の実施の形態〕
図22、図23および図24は、第4の実施の形態に係る用紙端部の検出を行うプリンタの構成が示されている。図22〜図24に示す構成は一例であって、本発明が係る構成に限定されるものではない。
図22に示すプリンタ160では、設定された補正エリアにおいて、印字ヘッド4のスライドタイミングを変更し、最大ピンストローク時間が経過するまで、印字ヘッド4を待機させる補正印刷が行われる。また、このプリンタ160では、補正印刷処理において、ヘッドピン22の打ち下ろし状態が監視され、ヘッドピン22が打ち下ろされた位置が印刷用紙24の端部か、またはパンチ穴かの確認が行われる。
そこで、このプリンタ160には、ヘッドピン監視部34にヘッドピン検出部162が備えられている。このヘッドピン検出部162は、ヘッドピン22の打ち下ろし状態を監視するピンセンサ78(図5)で構成されている。また、ヘッドピン検出部162は、例えば、ヘッドピン22の監視結果に監視結果に基づいて、印字ヘッド4が印刷用紙24の端部に達したこと判定する判定手段として機能する。
既述のように、ピンセンサ78では、ヘッドピン22のアーム部70との接触状態が検出されている。即ち、ピンセンサ78は、ヘッドピン22が印字ヘッド4内に収納されているときにアーム部70と電気的に接触される。ヘッドピン22が打ち下ろされる場合、アーム部70はピンセンサ78との接触が解除され、逆に、ヘッドピンが引き上げられる場合、アーム部70はピンセンサ78とが接触される。
そこで、ヘッドピン監視部34では、ヘッドピン22が打ち下ろされてピンセンサ78が接触解除を検出したことを契機にタイマ104によるストローク時間の計時が開始され、再びピンセンサ78が接触状態となったことを検出するまでの時間が計時される。
そして、ヘッドピン検出部162では、計時されたストローク時間が予め算定した最大ストローク時間と一致する場合には、印刷用紙24以外に対してヘッドピン22が打ち下ろされたと判断され、用紙端部の検出処理が行われる。
なお、ヘッドピン22の打ち下ろし状態は、例えば、印刷用紙24に打ち下ろした場合のストローク時間との比較によって判断されてもよい。
ヘッドピン監視部34は、ヘッドピン22の印字位置が用紙外であると判断した場合には、用紙エラーとして報知する。その他、印字補正部38では、印刷データに設定されているデータ長が用紙幅よりも長い場合には、用紙外に該当する印字データの削除が行われる。
図23Aに示すヘッドピン22は、パンチ穴130に対して打ち下ろされたことにより、例えば、ストローク距離が最大値Y1 となっている。ヘッドピン監視部34では、ピンセンサ78によりヘッドピン22が印字ヘッド4内に収納されるまでの時間を監視して、ヘッドピン22が印刷用紙24以外に打ち下ろされたか否かを判断する。そして、ヘッドピン監視部34では、印刷用紙24以外にヘッドピン22が打ち下ろされたと判断した場合には、用紙端部の検出処理に移行される。
図23のBに示す検出処理では、例えば、印字ヘッド4が所定量X2だけ主走査方向に移動される。この所定量X2は、用紙端部の検出処理用に設定された値であってもよく、または通常の1文字分の主走査量であってもよい。ヘッドピン22が打ち下ろされ、ヘッドピン検出部162では、この時のストローク時間を監視する。図23のBのヘッドピン22は、印刷用紙24に対して打ち下ろされているので、ストローク時間は、最大ストローク時間よりも少ない値となる。この場合、ヘッドピン監視部34では、印字ヘッド4が印刷用紙24の端部に達していないと判断され、印刷処理が継続される。
また、図24のAに示すように、印字ヘッド4が印刷用紙24の用紙端部164から外れて印字が行われた場合、ヘッドピン検出部162において、上記と同様にストローク時間の監視が行われる。そして、図24のBに示す検出処理において、ヘッドピン22は、印刷用紙24以外に対して打ち下ろされたことにより、例えば、ストローク距離が最大値Y1 となっている。ヘッドピン検出部162では、このときのストローク時間が最大ストローク時間となったことを検出すると、印字ヘッド4が用紙端部164に達したと判断される。この用紙端部検出では、所定量X2だけ主走査方向に移動させて、再度ストローク時間を監視することで、パンチ穴130の直径よりも大きな空間にヘッドピン22を打ち下ろされたことが検出される。
図25および図26は、用紙端部検出を含む補正印刷処理が示されている。この図25、図26に示す処理内容、処理手順は一例であって、本発明が係る構成に限定されるものではない。
この用紙端部検出を含む補正印刷処理では、補正エリア設定処理や用紙厚情報に基づくピンストローク時間の算定処理とともに、打ち下ろしたヘッドピン22のストローク時間を監視し、印字ヘッド4が用紙端部に位置するか否かの検出処理が行われる。
プリンタ20に用紙が吸入されると(S51)、既述のように、用紙上端位置検出(S52)、補正エリアの設定を含む幅検知(S53)、印字ヘッドの配置処理(S54)、ピンストローク時間の算定(S55)が行われる。そして、設定された補正エリアである場合には(S56のYES)、印字補正部38により補正印刷が行われる(S57)。また、補正エリアでない場合には(S56のNO)、通常印刷が行われる(S58)。ヘッドピン22により印刷がされると、印字ヘッド4が右(主走査方向)に1文字分移動する(S59)。このS51〜S59に示す処理は、例えば、図17のステップS11〜ステップS19に示す処理と同様に行えばよく、詳細な説明を省略する。
次に、印刷用紙24の右端を検出する用紙幅センサ54がONになっているか否かが判断され(S60)、用紙幅センサ54がONでない場合(S60のNO)、連続で最大ストローク印字となったか否かの判断が行われる(S61)。この最大ストローク印字の判断処理は、既述の用紙端部の検出処理であって、打ち下ろしたヘッドピン22のストローク時間が監視される。そして、最大ストローク時間となった場合には、所定量X2 だけ印字ヘッド4を移動させ、再びヘッドピン22が打ち下ろされる。その結果、最大ストローク時間が検出された場合には、ヘッドピン検出部162では、連続で最大ストローク印字であると判断される。
連続で最大ストローク印字とならなかった場合(S61のNO)、ヘッドピン22がパンチ穴130に打ち下ろされたと判断され(S52)、ステップS56に移行して印字処理が行われる。また、連続で最大ストローク印字となった場合(ステップS61のYES)、印字ヘッド4が用紙端部164に達したと判断され、改行/次の行への復帰処理が行われる(ステップS63)。
また、用紙幅センサ54がONである場合(S60のYES)であって、用紙の右端が検出された場合(S64のYES)もステップS63に移行される。右端でない場合(S64のNO)、ステップS56に移行して印刷処理が行われる。
改行/次の行への復帰処理が行われた後、用紙下端であると判断された場合(S65のYES)には、印刷を終了する。また、用紙下端でない場合(S65のNO)には、ステップS56に移行して次の印字処理が行われる。
次に、用紙の端部を確認した場合には、図26に示す改行/次の行への復帰処理が行われる。この改行/復帰処理は、例えば、印字補正部38において実行される。
この処理では、印字ヘッド4が印刷開始位置まで移動されるとともに、印刷用紙24の副走査方向への搬送が行われる。このとき、印字補正部38では、プリンタ160が読み込んだ印刷データ長が用紙幅よりも長い場合には、例えば、現在の印刷行における印刷未了のデータについて削除される。
このプリンタ160では、連続で最大ストローク量を検出された印字ヘッド4の現在の位置が記憶される(S71)。また、例えば印字補正部38では、プリンタ160が読み込んだ印刷データと現在の印字ヘッド4の位置が参照され、印刷データに対して、印刷処理が終了した範囲を印刷範囲として記憶される(S72)。この印刷範囲に対し、例えば、ホストPCなどから受信した印刷データについて、同一行に設定された印刷未了のデータを印刷範囲外データとして削除する(S73)。
また、印字補正部38では、例えば、ホストPCなどから送信された印刷データのデータ長に対し、印刷が完了した部分以降の行に設定された印刷範囲外のデータが削除される(S74)。即ち、印字補正部38では、例えば、次行以降についても、記憶した印刷範囲と同一の文字数まで印刷が行われるように設定される。
未了の印刷データが削除されると、印字ヘッド4は、初期位置に移動し(S65)、例えば用紙搬送部122が動作されて、印刷用紙24が副走査方向に移動されて改行する(S76)。改行処理が終了したら、ステップS65に戻る。
なお、ステップS73において、印刷未了のデータがある場合には、プリンタ160にセットした用紙24と印刷データの長さが一致していないので、例えば、表示部124に対してエラー表示を行ってもよい。また、このプリンタ160に接続したPC等の電子機器に対してエラー通知を行ってもよい。
斯かる構成によれば、プリンタにセットされた印刷用紙に応じた印刷処理が行えるとともに、用紙外に対してヘッドピンが打ち下ろされるのを防止でき、よりヘッドピンの折損防止機能を高めることができる。
〔第4の実施の形態の利点および特徴事項〕
(1) このプリンタ160によれば、濃い色で印刷がされているプレプリント用紙が利用された場合であって、用紙幅センサ54がOFFとなっている場合でも印刷用紙24の印字範囲外にヘッドピン22が打ち下ろされる回数が減少される。そして、同一行の1ラインに設定された印刷データ長より幅の狭い用紙がセットされた場合でも、用紙幅を越えてヘッドピン22が打ち下ろされるのを回避される。
(2) この印刷制御では、検出されたヘッドピン22のピンストローク時間が最大ピンストロークである場合、印刷用紙24の印刷範囲外に印字されたことになる。この印刷範囲外にヘッドピン22が打ち下ろされるのは、パンチ穴130への印字または印刷用紙24の用紙端部164を越えた場合である。パンチ穴130の直径は、例えば6〔mm〕である。そこで、例えば、印字ヘッド4を直径6〔mm〕分だけ移動させて、再度ヘッドピン22が打ち下ろす。そして、連続して最大ストローク時間となった場合には、印字ヘッド4は、印刷用紙24の右端に達しているものと判断される。この判断は、例えば用紙の最初の行で行われ、用紙の右端の位置が検出された場合には、用紙幅を超える印字データはカットして印字される。
次に、以上述べた実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1)複数の印字ピンが設置され、印字媒体上で主走査を行う印字ヘッドと、
前記印字ピンが最大突出状態となる場合の最大ストローク時間を算定するストローク時間算定部と、
前記印字ピンの状態を監視する印字ピン監視部と、
前記印字媒体の一部または全部に補正印刷範囲を設定し、前記印字ヘッドの印字位置が該補正印刷範囲内である場合には、算定した前記最大ストローク時間に基づいて、前記印字ヘッドの主走査タイミングを切替える制御部と、
を備えることを特徴とするプリンタ。
(付記2)前記制御部は、前記補正印刷範囲内において、前記印字ヘッドに前記印字ピンが収納されるまで待機した後に、前記印字ヘッドの主走査を行うことを特徴とする、付記1に記載のプリンタ。
(付記3)前記印字ピン監視部は、
前記印字ピンのストローク時間を計時する計時手段と、
前記印字ヘッド内に前記印字ピンが収納されたことを検出するセンサと、
を備えることを特徴とする、付記1または付記2に記載のプリンタ。
(付記4)更に、吸入された前記印字媒体の印刷開始位置とともに、前記印字媒体の上端部、左端部、右端部、または下端部の何れかまたは2以上を検出する印字媒体位置検出手段を備え、
前記制御部は、該印字媒体位置検出手段による検出結果を利用して、前記補正印刷範囲を設定することを特徴とする、付記1ないし3のいずれかに記載のプリンタ。
(付記5)前記印字ピン監視部の監視結果に基づき、少なくとも2回以上連続で最大ストローク時間となった場合、前記印字ヘッドが前記印字媒体の端部に達したと判定する判定部と、
前記制御部は、前記印字媒体の端部に達したことが判定された場合、前記最大ストローク量となった直前の印字位置までを印字可能範囲に設定し、該印字可能範囲の位置まで印字を行うことを特徴とする、付記1ないし4のいずれかに記載のプリンタ。
(付記6)前記制御部は、前記印字ヘッドが前記印字可能範囲まで到達した場合、前記印字可能範囲を超える部分の印字データを削除し、前記印字ヘッドを印字開始位置まで主走査させるとともに、前記印字媒体の副操作を行うことを特徴とする、付記5に記載のプリンタ。
(付記7)更に、前記監視部の監視結果に基づき、最大ストローク量となった場合に報知する報知部を備えることを特徴とする、付記1ないし付記6に記載のプリンタ。
(付記8)前記補正印刷範囲は、前記印字媒体の先端側、後端側または左右端側の何れかまたは2以上の位置から、印字不可能な部分を含む所定の範囲に設定されることを特徴とする、付記1ないし付記7のいずれかに記載のプリンタ。
(付記9)前記印字媒体は、プレプリント用紙、穴あき用紙またはミシン目用紙の何れかまたは2以上を含むことを特徴とする、付記1ないし付記8のいずれかに記載のプリンタ。
(付記10)印字ヘッドに設置された複数の印字ピンが最大突出状態となる場合の最大ストローク時間を算定し、
前記印字ピンの状態情報を取り込み、
前記印字媒体の一部または全部に補正印刷範囲を設定し、前記印字ヘッドの印字位置が該補正印刷範囲内である場合には、算定した前記最大ストローク時間に基づいて、前記印字ヘッドの主走査タイミングを切替える、
機能を前記コンピュータで実現する印刷制御プログラム。
(付記11)前記補正印刷範囲内において、前記印字ヘッドに前記印字ピンが収納されるまで待機させ、前記印字ヘッドを主走査させる、
機能を前記コンピュータで実現する、付記10に記載の印刷制御プログラム。
(付記12)少なくとも2回以上連続で最大ストローク時間となった場合、前記印字ヘッドが前記印字媒体の端部に達したと判定し、
前記印字媒体の端部に達したことが判定された場合、前記最大ストローク量となった直前の印字位置までを印字可能範囲に設定し、
該印字可能範囲の位置まで印字を実行させる、
機能を前記コンピュータで実現する、付記10または付記11に記載の印刷制御プログラム。
(付記13)前記印字ヘッドが前記印字可能範囲まで到達した場合、前記印字可能範囲を超える部分の印字データを削除し、前記印字ヘッドを印字開始位置まで主走査させるとともに、前記印字媒体の副操作を実行させる、
機能を前記コンピュータで実現する、付記10ないし付記12記載の印刷制御プログラム。
以上説明したように、プリンタ、および印刷制御プログラムの好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。