ところで近年、マーク付用紙の利用拡大に伴い用紙の形態も多様化し、用紙の側端部にマークが印刷されたものや用紙の中央部にマークが印刷されたもの、また用紙の表面(印刷面)にマークが印刷されたものなどマーク位置が異なる複数種類の用紙が利用されている。ところが、上記のように1つの検出センサで、マーク検出と用紙切れ検出とを行う場合はもちろん、2つの検出センサを用いる場合においてもそれぞれの検出センサの機能(マーク検出機能または用紙切れ検出機能)は固定されているため、マーク位置が異なる用紙には対応できないといった問題があった。このため、マーク位置が異なる複数種類のマーク付用紙を使用する場合は、それぞれのマーク位置に対応した複数の印刷装置を使い分けなければならず、大変不便であった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、複数のセンサを効率的に利用し、複数種類のマーク付用紙に印刷を行い得る印刷装置、印刷装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的としている。
本発明の印刷装置は、長尺状の用紙に所定間隔でマークが付されたマーク付用紙を含む連続用紙に印刷を行うと共に、連続用紙を繰り出しながら当該連続用紙の用紙切れ検出およびマーク検出を行う印刷装置において、印刷ヘッドの上流側に配置され、連続用紙の幅方向における異なる位置をそれぞれ検出可能な複数の検出センサと、各検出センサに対し、用紙切れ検出を行う用紙切れ検出機能、マーク検出を行うマーク検出機能、用紙切れ検出およびマーク検出を行うダブル機能、またはいずれの検出も行わない非動作機能のうち、いずれかの機能を設定するセンサ機能設定手段と、用紙切れ検出機能および/またはダブル機能に設定された検出センサの出力に基づき、用紙切れを判別する用紙切れ判別手段と、マーク検出機能および/またはダブル機能に設定された検出センサの出力に基づき、印刷制御および/または用紙切断制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の印刷装置の制御方法は、長尺状の用紙に所定間隔でマークが付されたマーク付用紙を含む連続用紙に印刷を行うと共に、連続用紙を繰り出しながら当該連続用紙の用紙切れ検出およびマーク検出を行う印刷装置の制御方法であって、印刷ヘッドの上流側に配置され、連続用紙の幅方向における異なる位置をそれぞれ検出可能な複数の検出センサの各々に対し、用紙切れ検出を行う用紙切れ検出機能、マーク検出を行うマーク検出機能、用紙切れ検出およびマーク検出を行うダブル機能、またはいずれの検出も行わない非動作機能のうち、いずれかの機能を設定するセンサ機能設定工程と、用紙切れ検出機能および/またはダブル機能に設定された検出センサの出力に基づき、用紙切れを判別する用紙切れ判別工程と、マーク検出機能および/またはダブル機能に設定された検出センサの出力に基づき、印刷制御および/または用紙切断制御を行う制御工程と、を備えたことを特徴とする。
これらの構成によれば、印刷ヘッドの上流側に配置された検出センサの出力に基づいて用紙切れの検出を行うため、印刷ヘッドの損傷を防ぐことができる。また、検出センサの出力に基づいて印刷制御および/または用紙切断制御を行うため、適切な位置への印刷、並びに適切な位置の用紙切断を行うことができる。また、複数の検出センサは、連続用紙の幅方向における異なる位置をそれぞれ検出可能であって、これら複数の検出センサの各々に対し、用紙切れ検出機能、マーク検出機能、用紙切れ検出およびマーク検出を行うダブル機能、またはいずれの検出も行わない非動作機能のうち、いずれかの機能を設定することができるため、検出センサの数に応じた複数のマーク位置を有するマーク付用紙に対応することができる。すなわち、検出センサをn個(nは自然数)備えた場合は、1台の印刷装置でn種類のマーク位置を有するマーク付用紙に印刷を行うことができる。
この場合、連続用紙の表面側または裏面側に対向する位置のそれぞれに(すなわち、連続用紙が搬送される搬送路の両側に)、少なくとも1つの検出センサが配置されていることが好ましい。
また、この場合、印刷装置には、連続用紙の表面側および裏面側のそれぞれに少なくとも1つの検出センサが配置されており、用紙切れ判別工程は、表面側または裏面側の一方に配置された検出センサであって、用紙切れ検出機能および/またはダブル機能に設定された検出センサの出力に基づき、用紙切れを判別し、制御工程は、表面側または裏面側の他方に配置された検出センサであって、マーク検出機能および/またはダブル機能に設定された検出センサの出力に基づき、印刷制御および/または用紙切断制御を行うことが好ましい。
これらの構成によれば、通常、マーク付用紙(連続用紙)の裏面側(非印刷面)にマークが付されているが、表面側(印刷面)にマークが付されたマーク付用紙にも対応することができる。
これらの場合、検出センサは、連続用紙に照射した光の反射光を検出する反射型光学センサによって構成されており、用紙切れ検出およびマーク検出は、反射光の受光レベルに基づいて行うことが好ましい。
また、これらの場合、検出センサとして、連続用紙に照射した光の反射光を検出する反射型光学センサを使用し、用紙切れ判別工程では、反射光の受光レベルに基づいて用紙切れを判別し、制御工程では、反射受光レベルに基づいて印刷制御および/または用紙切断制御を行うことが好ましい。
これらの構成によれば、検出センサとして反射型光学センサを用いることにより、容易に用紙切れ検出およびマーク検出を行うことができる。すなわち、用紙切れの判別、並びに印刷制御および/または用紙切断制御を容易に行うことができ、印刷装置の製造コストを低く抑えることができる。
この場合、連続用紙には、長尺状の用紙にマークが付されていない普通紙が含まれており、連続用紙を繰り出しながら、連続用紙が、マーク付用紙であるか普通紙であるかの用紙種類の検出を行う用紙種類検出手段と、センサ機能設定手段によりいずれかの検出センサがマーク検出機能および/またはダブル機能に設定されており、且つ用紙種類検出手段により用紙種類が普通紙であると検出された場合に、エラー報知を行うエラー報知手段と、を更に備えることが好ましい。
また、この場合、連続用紙には、長尺状の用紙にマークが付されていない普通紙が含まれており、連続用紙を繰り出しながら、連続用紙が、マーク付用紙であるか普通紙であるかの用紙種類の検出を行う用紙種類検出工程と、センサ機能設定工程において、いずれかの検出センサがマーク検出機能および/またはダブル機能に設定され、且つ用紙種類検出工程において、用紙種類が普通紙であると検出された場合に、エラー報知を行うエラー報知工程と、を更に備えることが好ましい。
これらの構成によれば、長尺状の用紙にマークが付されていない普通紙にも印刷可能であるため、n個の検出センサを用いる場合は(n+1)種類の連続用紙に対応することができる。また、いずれかの検出センサがマーク検出機能および/またはダブル機能に設定され、且つ用紙種類が普通紙であると検出された場合に、エラー報知を行うため、ユーザは、操作に誤りがあること(間違った印刷モード設定を行ったか、若しくは間違った連続用紙をセットしてしまったか)を認識することができる。
この場合、用紙種類検出手段は、マーク検出機能および/またはダブル機能に設定された検出センサの出力に基づき、用紙種類を検出することが好ましい。
また、この場合、用紙種類検出工程では、マーク検出機能および/またはダブル機能に設定された検出センサの出力に基づき、用紙種類を検出することが好ましい。
これらの構成によれば、マーク検出用に機能設定された検出センサを用いて用紙種類を検出することができるため、用紙種類の検出のための機構を別に備える必要がない。
この場合、用紙種類検出手段は、マーク付用紙のマーク間隔に相当する所定量の用紙繰り出し期間中において、検出センサの受光レベルが基準値以下とならなかった場合(すなわち、所定量の搬送中にマークを検出できなかった場合)、連続用紙が普通紙であることを検出することが好ましい。
また、この場合、用紙種類検出工程では、マーク付用紙のマーク間隔に相当する所定量の用紙繰り出し期間中に、検出センサの受光レベルが基準値以下とならなかった場合(すなわち、所定量の搬送中にマークを検出できなかった場合)、連続用紙が普通紙であることを検出することが好ましい。
これらの構成によれば、マーク検出用に機能設定された検出センサ(反射型光学センサ)の出力である受光レベルが、マーク付用紙のマーク間隔に相当する所定量の用紙繰り出し期間中に基準値以下とならなかった場合に普通紙と判断するため、マーク間隔分の用紙繰り出しにより、用紙種類の検出を行うことができる。なお、この構成によれば、用紙繰り出し中に反射受光レベルが基準値以下となった場合、その時点で瞬時にマーク付用紙であると判別することができるため、検出時間を短縮することができる。
これらの場合、使用する連続用紙に対応したマーク位置を、マーク無しを含む複数のマーク位置候補の中から選択するマーク位置選択手段を更に備え、センサ機能設定手段は、マーク位置選択手段の選択結果に基づいて、各検出センサの機能を設定することが好ましい。
また、これらの場合、使用する連続用紙に対応したマーク位置を、マーク無しを含む複数のマーク位置候補の中から選択するマーク位置選択工程を更に備え、センサ機能設定工程では、マーク位置選択工程の選択結果に基づいて、各検出センサの機能を設定することが好ましい。
これらの構成によれば、ユーザは、複数のマーク位置候補の中から、使用する連続用紙に合ったマーク位置を選択するだけで、各検出センサの機能が設定されるため、複数の検出センサ全てに対して機能を設定する手間を省くことができる。また、複数のマーク位置候補には、マーク無しが含まれるため、普通紙を使用する場合もこのマーク無しを選択することで、複数の検出センサに対する機能設定の手間を省くことができる。
これらの場合、検出センサの少なくとも1は、連続用紙の用紙幅方向に移動可能に設置されていることが好ましい。また、連続用紙を収容する用紙収容部と、収容部内において連続用紙をその用紙幅方向にガイドするガイド部材とを更に備えることが好ましい。
これらの構成によれば、連続用紙に付されたマークの位置に合わせて、ユーザが検出センサの位置および/または連続用紙の装填位置を設定することができ、延いては種々のマーク付連続用紙に対応することができる。
また、本発明の印刷装置は、搬送路に沿って搬送され、所定間隔でマークが付された連続用紙に印刷可能な印刷装置であって、搬送路を挟んで配置された第1および第2の検出センサと、所定の入力に基づいて、第1および第2の検出センサの機能を設定するセンサ機能設定部であって、一方の検出センサを、連続用紙のマークを検出すると共に連続用紙の用紙切れを検出するための第1の状態に設定し、他方の検出センサを、いずれの検出も行わない第2の状態に設定するセンサ機能設定部と、第1の状態に設定された検出センサの出力に基づいて、マークの判別および用紙切れの判別を行う判別部と、を備えることを特徴とする。ここで、所定の入力とは、例えば、ディップスイッチやメモリスイッチの設定状態(設定値)、ホストコンピュータからの制御データのことを示している。
また、本発明の印刷装置の制御方法は、搬送路に沿って搬送され、所定間隔でマークが付された連続用紙に印刷可能な印刷装置であって、第1および第2の検出センサが搬送路を挟んで配置された印刷装置を制御する方法において、所定の入力に基づいて、第1および第2の検出センサの機能を設定するセンサ機能設定工程であって、一方の検出センサを、連続用紙のマークを検出すると共に連続用紙の用紙切れを検出するための第1の状態に設定し、他方の検出センサを、いずれの検出も行わない第2の状態に設定するセンサ機能設定工程と、第1の状態に設定された検出センサの出力に基づいて、マークの判別および用紙切れの判別を行う判別工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の印刷装置は、搬送路に沿って搬送され、所定間隔でマークが付された連続用紙に印刷可能な印刷装置であって、搬送路を挟んで配置された第1および第2の検出センサであって、連続用紙のマークを検出すると共に連続用紙の用紙切れを検出するためのものと、所定の入力に基づいて、第1または第2の検出センサの何れか一方を有効とし、当該有効とされた検出センサの出力に基づいて、マークの判別および用紙切れの判別を行う判別部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の印刷装置の制御方法は、搬送路に沿って搬送され、所定間隔でマークが付された連続用紙に印刷可能な印刷装置であって、連続用紙のマークを検出すると共に連続用紙の用紙切れを検出するための第1および第2の検出センサが搬送路を挟んで配置された印刷装置を制御する方法において、所定の入力に基づいて、第1または第2の検出センサの何れか一方を有効とし、当該有効とされた検出センサの出力に基づいて、マークの判別および用紙切れの判別を行う判別工程を備えることを特徴とする。
本発明のプログラムは、上記のいずれか1に記載の印刷装置の制御方法における各工程を実行させることを特徴とする。
この構成によれば、複数のセンサを効率的に利用し、1台の印刷装置で複数種類のマーク付用紙に印刷を行い得るプログラムを提供することができる。
本発明の印刷装置、印刷装置の制御方法およびプログラムによれば、複数の検出センサを備え、当該複数の検出センサの機能を切り替え可能とすることにより、複数種類の連続用紙に対応することができるなどの作用・効果を奏する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る印刷装置、印刷装置の制御方法およびプログラムについて詳細に説明する。本実施形態の印刷装置は、長尺状の用紙に所定間隔でマークが付されたマーク付用紙を含む連続用紙に印刷を行う印刷装置であって、連続用紙の用紙切れ検出およびマーク検出を行う複数の検出センサを備えており、これら複数の検出センサの出力に基づいて用紙切れの判別、印刷制御および用紙切断制御を行うものである。
また、複数の検出センサは、連続用紙の幅方向における異なる位置をそれぞれ検出可能であって、これら複数の検出センサの各々に対し、用紙切れ検出機能、マーク検出機能、用紙切れ検出およびマーク検出を行うダブル機能、いずれの検出も行わない非動作機能のうち、いずれかの機能を設定することができるため、検出センサの数に応じた複数のマーク位置を有するマーク付用紙に対応することができる。すなわち、検出センサをn個(nは自然数)備えた場合は、1台の印刷装置でn種類のマーク位置を有するマーク付用紙に印刷を行うことができる構成となっている。
そこで、ホストコンピュータと接続され、当該ホストコンピュータから送信された印刷データおよび制御データに基づいて印刷を行う印刷装置を例に挙げて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る印刷装置の蓋体を開いた状態の斜視図、図2は印刷装置の蓋体を閉じた状態の断面図、図3は検出センサ周りを模式的に示した拡大断面図である。これらの図に示すように、印刷装置(プリンタ)10は、上部が開口した筐体11と、上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体12とによって構成され、当該蓋体12を開放することによって、連続用紙Pの装填および内部の保守、点検が可能となっている。連続用紙Pは、巻回された状態で、カートリッジ等のケースに収容されることなく、直接(剥き出しの状態で)印刷装置10内部の用紙収容部25に収納され、巻回された連続用紙P(ロール紙)のコア26が用紙収容部25に回転自在に保持される。尤も、コア26を介さずに連続用紙Pを用紙収容部25内に載置しても良い。また、用紙収容部25から繰り出された連続用紙Pの先端側は、搬送路13を経由して排紙口14から筐体11外へ導かれる。
印刷装置10は、コネクタ等を介してホストコンピュータ100(図8参照)と接続されており、当該ホストコンピュータ100からの指示にしたがって、印刷制御(印刷処理)および用紙切断制御(用紙切断処理)を行う。すなわち、搬送路13上に配置された印刷ヘッド(本例ではサーマルヘッド)15およびプラテンローラ18を適宜駆動すると共に、連続用紙Pの排紙口14に向けた搬送(連続用紙Pの繰り出し)を行い、当該搬送に伴ってキャラクタ(文字や記号など)や画像(絵柄など)およびバーコード等の印刷を行う。そして、印刷が完了し、連続用紙Pをさらに搬送して印刷済み部分の後端位置がカッタ機構17の切断位置に達したとき、カッタ機構17を駆動して切断分離し、排紙口14から単票用紙として排出する。なお、印刷ヘッド15およびプラテンローラ18による印刷制御、並びにカッタ機構17による用紙切断制御は、後述の検出センサ21,22の出力である、マーク検出結果に基づいて行われる。
筐体11の上面前端部には、検出センサ21,22の機能を特定する複数(本例では3つ)の印刷モードを、ユーザが設定可能な複数のスイッチ31,32,33が備えられている(図1(a)参照)。本実施形態の印刷装置10は、2種類のマーク付用紙P1,P2と、長尺状の無地用紙である普通紙P3とに対応可能となっており(図4参照)、使用する連続用紙Pに応じて(用紙種類並びにマーク位置に応じて)、ユーザにより印刷モードの設定が行われる。例えば、ユーザによりスイッチ31が押下された場合は印刷モード1(マーク付用紙P1、マーク位置:裏面左側)、スイッチ32が押下された場合は印刷モード2(マーク付用紙P2、マーク位置:表面中央)、またスイッチ33が押下された場合は印刷モード3(普通紙P3)を設定する(図7参照)。また、この印刷モードの設定に伴って、各検出センサ(検出センサA21および検出センサB22)の機能を設定するが、詳細については後述する。
筐体11の上面右側端部には、印刷装置10内の各種エラーを表示する複数のLED41,42,43が備えられている(図1(a)参照)。例えば、用紙収容部25に収容された用紙を使い切った場合(用紙切れとなった場合)は、用紙切れエラーLED41によりエラーを報知する。また、設定された印刷モードと検出した用紙種類とが矛盾する場合(例えば、マーク付き用紙を使う印刷モードに設定されているにもかかわらず、普通紙が収容されている場合など)は、用紙違いエラーLED42によりエラーを報知する。さらに、その他印刷続行が困難となるエラーが発生した場合は、その他エラーLED43によりエラーを報知する。
なお、報知方法は、各LED41,42,43を点灯状態にするだけでも良いし、これらを点滅させても良い。また、LED41,42,43の表示と共に、ビープ音(電子音)等を発生させ、より効果的にユーザにエラー報知を行うようにしても良い。さらに、ホストコンピュータ100に対してエラー報知を行うようにしても良い。
ここで、図4を参照し、本実施形態の印刷装置10に適用可能な連続用紙Pの一例について説明する。同図(a)は、長尺状の用紙の裏面左側に所定間隔L2でマーク長さL1のマーク(ブラックマーク)Mが付されたマーク付用紙P1を示し、同図(b)は、長尺状の用紙の表面中央に所定間隔L4でマーク長さL3のマークMが付されたマーク付用紙P2を示し、同図(c)は、長尺状の無地用紙である普通紙P3を示している。なお、マーク長さL1,L3は、マークMの、連続用紙Pの長尺方向(紙送り方向)における長さを示している。また、各連続用紙Pの印刷面(表面)は、マーク付用紙P1については、図示下側、マーク付用紙P2および普通紙P3においては図示上側となっている。
本実施形態の印刷装置10は、ここに示すマーク付用紙P1,P2および普通紙P3の3種類の連続用紙Pに印刷可能となっている。但し、検出センサの個数を増やしたり、設置位置を変化させることにより、ここに示した例以外のマーク付用紙にも対応可能となっている。また、マークMの形状は、図示では連続用紙Pの幅方向にその長手方向を有する長方形となっているが、検出センサの精度や、搬送速度または検出間隔の調節により、さらに小さな形状に設定することも可能である。
ところで、上記の通り、本実施形態の印刷装置10は、スイッチ31,32,33の押下により、印刷モードを特定し、複数の検出センサ(検出センサA21および検出センサB22)の機能を設定するが、当該複数の検出センサは、いずれも印刷ヘッド15の上流側であって(図2,図3参照)、且つ連続用紙Pの幅方向において互いに異なる位置に配置される(図1,図5参照)。
具体的には、検出センサA21が、筐体11側で、且つ閉蓋時においてプラテンローラ18の直下となる位置に配置され、連続用紙Pの表面(印刷面)における幅方向中央部を検出する。したがって、マークMが表面中央に配置されたマーク付用紙P2のマーク位置検出を行うことができ、設定によって用紙切れ検出も行い得るようになっている。用紙切れが発生した場合は、プラテンローラの表面(位置S1)を検出することとなる。
一方、検出センサB22は、蓋体12側で、且つ搬送路13上において検出センサA21よりもさらに上流側に配置され、連続用紙Pの裏面(非印刷面)における幅方向左側を検出する。したがって、マークMが裏面左側に配置されたマーク付用紙P1のマーク位置検出を行うことができ、設定によって用紙切れ検出も行い得るようになっている。用紙切れが発生した場合は、筐体11内部(検出センサA21付近)の平面部28(位置S2)を検出することとなる。
これら検出センサ21,22は、いずれも照射した光の反射光を取得する反射型光学センサであり、図3に示すように、発光素子21a,22aおよび受光素子21b,22bを一対として構成されている。発光素子21a,22aは、紙送りピッチ(1ドット)毎に発光駆動され、それに応じて受光素子21b,22bが受光レベル信号を出力する。例えば紙送りステッピングモータ122(図8参照)の4ステップで1ドットを構成している場合、紙送りステッピングモータ122の駆動パルスに同期して、4ステップ毎に発光素子21a,22aが発光駆動される。
また、検出センサ21,22は、いずれも反射型光学センサであるため、用紙切れが発生した場合の検出位置(検出センサA21は、プラテンローラの表面(位置S1)、検出センサB22は、検出センサA21付近の平面部28(位置S2))は、いずれも高濃度の色(例えば、黒色)に着色されている。すなわち、この着色により、用紙の有り/無しを確実に検出できるようになっている。
ここで、図5ないし図7を参照し、各検出センサ21,22の機能設定、並びに機能設定された各検出センサ21,22の出力である受光レベルについて説明する。まず、図7および図5(a)に示すように、連続用紙Pとしてマーク付用紙P1を使用する場合、ユーザによるスイッチ31の押下により印刷モードがモード1に設定される。このとき、マーク付用紙P1のマーク位置は、裏面左側であるから、裏面左側を検出可能な検出センサB22が、マークMを検出するマーク検出機能に設定され、他方の検出センサA21が、用紙切れを検出する用紙切れ検出機能に設定される。なお、マーク位置「裏面左側」とは、図5(a)に示すように、非印刷面であって、非印刷面を上側にして紙送り方向下流側から見たとき、左側側部にマークMがあることを意味している。
この場合、図6(a)および(c)に示すように、用紙切れ検出機能に設定された検出センサA21の出力(受光レベル)は、用紙ありの部分では基準値(しきい値)Aよりも高いHighレベルとなり、用紙無し(用紙切れ後)の部分では基準値Aよりも低いLowレベルとなる。前述の通り、用紙切れの場合は、検出センサA21は位置S1を検出することとなるが(図1,図3参照)、この位置S1(すなわち、プラテンローラ18の表面)は、受光レベルが低くなるよう高濃度の色で着色されているため、検出センサA21の検出領域に用紙が存在しない場合は受光レベルがLとなり、確実に用紙切れを検出できるようになっている。
一方、マーク検出機能に設定された検出センサB22の出力(受光レベル)は、図6(a)および(d)に示すように、白紙部分では基準値Aよりも高いHighレベルとなり、マーク部分(黒色部分)では基準値Aよりも低いLowレベルとなる。これにより、紙送りに伴って定期的に(4ステップ毎に)マークMを検出し、紙送り量のずれ等の補正を行いつつ、適切な印刷制御および用紙切断制御を行い得るようになっている。
また、図7および図5(b)に示すように、連続用紙Pとしてマーク付用紙P2を使用する場合は、ユーザによるスイッチ32の押下により印刷モードがモード2に設定される。このとき、マーク付用紙P2のマーク位置は、表面中央であるから(図5(b)では、分かりやすくするため、印刷面(表面)を上側にして図示している)、表面中央を検出可能な検出センサA21がマーク検出機能に設定され、他方の検出センサB22が用紙切れ検出機能に設定される。
この場合、マーク検出機能に設定された検出センサA21の出力(受光レベル)は、図6(b)および(d)に示すとおりであり、用紙切れ検出機能に設定された検出センサB22の出力(受光レベル)は、図6(b)および(c)に示すとおりである。
また、図7に示すように、連続用紙Pとして普通紙P3を使用する場合は、ユーザによるスイッチ33の押下により印刷モードがモード3に設定される。この場合は、マークMを検出する必要がないため、検出センサA21および検出センサB22の両方が、用紙切れ検出機能に設定される。このように、2つの検出センサ21,22によって用紙切れを検出することで、検出精度を向上させることができる。
ここで、印刷装置10の制御構成について、図8の制御ブロック図を参照して説明する。印刷装置10は、用紙切れエラーLED41、用紙違いエラーLED42、およびその他エラーLED43を有し、各種エラーを表示する表示部110と;連続用紙Pを収容した用紙収容部25と、印刷ヘッド15と、紙送りモータ122により連続用紙Pを搬送する用紙送り部121とを有し、ホストコンピュータ100から送信された印刷データに基づいて連続用紙P上に印刷を行う印刷部(印刷制御部)120と;カッタ17b、およびこれを駆動するカッタモータ17aを有し、連続用紙Pの印刷済み部分の後端を切断する切断部(切断制御部)130と;印刷モード1に設定するためのスイッチ31、印刷モード2に設定するためのスイッチ32、および印刷モード3に設定するためのスイッチ33を有し、各印刷モードの設定を行う操作部140と;紙送りモータ122の回転速度を検出する回転速度センサ151、蓋体12の開閉を検出する蓋体検出センサ152、用紙収容部25内に収容された連続用紙Pの取り付け/取り外しを検出する用紙着脱検出センサ153、前述の検出センサA21および検出センサB22を有し、各種検出を行う検出部150と;表示ドライバ161、ヘッドドライバ162およびモータドライバ163(送りモータドライバ163a、カッタモータドライバ163b)を有し、各部を駆動する駆動部160と;各部と接続され、印刷装置10の全体を制御する制御部200とによって構成されている。
制御部200は、CPU210、ROM220、キャラクタジェネレータROM(CG−ROM)230、RAM240および入出力制御装置(以下、「IOC:Input Output Controller」という)250を備え、互いに内部バス260により接続されている。ROM220は、設定された印刷モードに応じて、検出センサ21,22の機能設定や印刷制御を行うためのプログラムの他、CPU210で処理する各種プログラムを記憶する制御プログラムブロック221と、各種テーブルを含む制御データを記憶する制御データブロック222とを有している。また、CG−ROM230は、文字や記号のフォントデータを記憶しており、文字等を特定するコードデータが与えられたときに対応するフォントデータを出力する。なお、ホストコンピュータ100の処理能力に応じて、CG−ROM230を省略した構成としても良い。
RAM240は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック241の他、ホストコンピュータ100より送信された印刷データを記憶する印刷データブロック242、ユーザのスイッチ31,32,33の押下により設定された印刷モードを記憶する印刷モード設定ブロック243、マーク検出機能に設定された検出センサの出力に基づいて用紙種類(マーク付用紙P1,P2または普通紙P3)を判別し、その用紙種類に関するデータを記憶する用紙種類データブロック244を有し、制御処理のための作業領域として使用される。
なお、上記の印刷モード設定ブロック243は、RAM240内ではなく、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体に格納するようにしても良い。この構成によれば、ユーザは、電源オン毎に印刷モードの設定操作を行う手間を省くことができる。
IOC250には、CPU210の機能を補うと共に各種周辺回路とのインターフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。これにより、IOC250は、ホストコンピュータ100からの印刷データや制御データをそのまま或いは加工して内部バス260に取り込むと共に、CPU210と連動して、CPU210から内部バス260に出力されたデータや制御信号を、そのまま或いは加工して駆動部160に出力する。
そして、CPU210は、上記の構成により、ROM220内の制御プログラムにしたがって、IOC250を介してホストコンピュータ100および印刷装置10内の各部から各種信号・データを入力し、CG−ROM230からのフォントデータ、RAM240内の各種データを処理し、IOC250を介して印刷装置10内の各部に、各種信号・データを出力することにより、設定された印刷モードに応じて、各検出センサ21,22の機能設定を行い、これら検出センサ21,22の出力に基づいて、用紙切れ検出、印刷制御および用紙切断制御などを行う。
次に、図9のフローチャートを参照し、印刷装置10の初期設定処理について説明する。ここでは、印刷モード1に設定される場合、すなわち、検出センサA21が用紙切れ検出機能、検出センサB22がマーク検出機能に設定される場合について説明する。
まず、電源オン後、ユーザにより印刷モードの選択(設定)が為される(S1)。印刷モードの選択は、スイッチ31,32,33のいずれかの押下により行われる。ここでは、スイッチ31が押下され、モード1が選択されたものとする。なお、ステップS1では、印刷モードの選択が行われるまで印刷装置10をオフラインの状態としても良い(すなわち、いずれかのスイッチ31,32,33の押下が為されるまで印刷装置10を待機状態としても良い)。また、所定時間内に設定が行われない場合には、デフォルト設定(例えば、印刷モード1)に設定されたものとして、処理を進めても良い。
印刷モードが選択されると、各検出センサ21,22の機能を設定する(S2)。ここでは、印刷モード1における検出センサ21,22の機能、すなわち上記のとおり、検出センサA21が用紙切れ検出機能、検出センサB22がマーク検出機能に設定される。次に、紙送りモータ122を駆動して紙送りを行い(S3)、当該紙送りに伴って紙送りモータ122の4ステップ毎に検出センサA21の受光レベルを取得する(S4)。そして、その検出センサA21の受光レベルが基準値A以下となった場合(S5:Yes)は、用紙切れと判断し、用紙切れエラー処理として用紙切れエラーLED41を点灯する(S6)。このとき、検出センサA21の受光レベルが所定回数(例えば、2回)連続して基準値A以下となった場合に用紙切れと判断してもよい。この場合にはノイズに起因した誤判断の恐れを低く抑えることができる。
一方、検出センサA21の受光レベルが基準値Aより大きい場合は(S5:No)、検出センサB22の受光レベルを取得し(S7)、当該受光レベルが基準値A以下となった場合(S8:Yes)は、セットされた連続用紙Pがマーク付用紙P1であると判別する(S9)。そして、マーク間距離L2(図4(a)参照)に応じて頭出しを行い(S10)、初期設定処理を終了する。その後は、ホストコンピュータ100から送信されたデータに基づいて印刷や用紙切断を実行する。
また、検出センサB22の受光レベルが基準値Aより大きい場合(S8:No)は、紙送り量がマーク間距離L2以上であるか否かを判別し(S11)、紙送り量がマーク間距離L2に達していない場合(S11:No)は、紙送りを行い、引き続き検出センサA21および検出センサB22による検出を続ける(S3〜S8)。そして、マーク間距離L2に相当する紙送りを行った後も検出センサB22の受光レベルが基準値Aより大きいままである場合(S11:Yes)は、セットされた連続用紙Pが普通紙P3であると判別し(S12)、用紙違いエラー処理として用紙違いエラーLED42を点灯する(S13)。
なお、用紙切れエラー処理および用紙違いエラー処理を行った後は、オフラインとなるため、エラー復帰処理が必要となる。この場合、エラー復帰処理は、ユーザによる蓋体12の開閉(蓋体検出センサ152により検出(図8参照))等をトリガとして実行され、図9に示す初期設定処理に相当する処理が行われる。
また、このエラー復帰処理において、受光レベルの高低判別を行うための基準値Aの設定が行われることが好ましい。この構成によれば、セットされた連続用紙Pの受光レベルに基づいて、基準値Aを更新できるため、受光レベルの高低判別をより正確に行うことができる。なお、基準値Aの自動設定については、本特許出願人により出願された特開2002−205872号公報に記載されている。
また、上記の処理において、印刷モードが選択された後、センサ機能の設定と共に、所定のマーク間距離を設定しておき(この場合、スイッチ31の押下による印刷モード1の選択により、マーク付用紙P1のマーク間距離L2がマーク間距離として設定される)、紙送り(S3)、頭出し(S10)または印刷実行(S11)の処理中に、検出センサB22の検出結果からマーク間距離がL2でないと判断された場合は、用紙違いエラー処理が行われることが好ましい。この構成によれば、マーク付用紙P1以外のマーク付用紙に印刷を行い、不適切な位置に印刷されたり、不適切な位置で切断されたりすることがない。
以上の通り、本発明では、印刷モードの設定と用紙種類の判別結果が矛盾する場合(上記の例では、印刷モードの設定がマーク付用紙P1用で、用紙種類の判別結果が普通紙P3となった場合)、用紙違いのエラー報知を行うため、ユーザは、操作に誤りがあること(間違った印刷モード設定を行ったか、若しくは間違った連続用紙Pをセットしてしまったか)を認識することができる。
なお、印刷モード2に設定された場合は、ステップS4において検出センサB22の受光レベルを、またステップS7において検出センサA21の受光レベルを取得すると共に、ステップS11では、紙送り量がマーク付用紙P2のマーク間距離L4以上であるか否かを判別する(図4(b)参照)ことになる。
次に、本発明の第2実施形態について、図10を参照して説明する。上記の第1実施形態では、印刷モード1または印刷モード2に設定された場合、検出センサA21および検出センサB22のうち、いずれか一方がマーク検出機能、そして他方が用紙切れ検出機能に設定されるものとしたが(図7参照)、本実施形態では、いずれか一方によりマーク検出および用紙切れ検出を行い、他方を非動作とするものである。
図10に示すように、例えば印刷モードがモード1に設定されている場合、対応するマーク付用紙P1のマーク位置は裏面左側であるから(図5(a)参照)、当該マーク位置を検出可能な検出センサB22を、マーク検出および用紙切れ検出を行うダブル機能に設定する。そして、他方の検出センサA21を非動作に設定する。この場合、マーク検出および用紙切れ検出は、検出センサB22の受光レベルが基準値A以下となった後、マーク長さL1(図4(a)参照)に相当する紙送り後も基準値A以下のままである場合は用紙切れと判別し、マーク長さL1に相当する紙送り時間の間に受光レベルが基準値Aより大きくなった場合は、マーク検出と判別する。
また、印刷モード2に設定された場合は、検出センサA21をダブル機能に設定し、検出センサB22を非動作とする。そしてこの場合、検出センサA21の受光レベルが基準値A以下となった後、マーク長さL3(図4(b)参照)に相当する紙送り後も基準値A以下のままである場合は用紙切れと判別し、マーク長さL3に相当する紙送り時間の間に受光レベルが基準値Aより大きくなった場合は、マーク検出と判別する。
さらに、印刷モード3(普通紙)に設定された場合は、検出センサA21または検出センサB22のいずれか一方を、用紙切れ検出機能に設定し、他方を非動作とする。この場合は、用紙切れ検出機能に設定された検出センサA21または検出センサB22の受光レベルが基準値A以下となった時点で、用紙切れと判別する。
このように、マーク付用紙P1,P2を使用する場合、検出センサA21および検出センサB22のうち、いずれか一方のみでマーク検出および用紙切れ検出を行い、普通紙P3を使用する場合、いずれか一方のみで用紙切れ検出を行うことにより、他方の検出センサを非動作とすることができるため、特にCPU210の処理能力が低い場合など、CPU210に負担をかけることなく検出処理を行うことができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図11ないし図13を参照して説明する。上記の第1,2実施形態では、2つの検出センサ21,22を用いてマーク検出および用紙切れ検出を行ったが、本実施形態では、4つの検出センサ321,322,323,324を用いて、4種類のマーク付用紙P1,P2,P4,P5(図12参照)、および普通紙P3を検出可能としたものである。また、上記の実施形態ではユーザが印刷モードを選択するものとしたが、本実施形態ではユーザは連続用紙Pに付されたマークMのマーク位置を選択する。そこで、上記の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図11に示すように、本実施形態の印刷装置10は、筐体11側に検出センサA321と、検出センサB322とを備え、蓋体12側に検出センサC323と、検出センサD324とを備えている。このうち、同じ面に配置される検出センサA321と検出センサB322、並びに検出センサC323と検出センサD324は、連続用紙Pの幅方向において、異なる位置に配置され、検出センサA321と検出センサD324とは、それぞれ表面と裏面の、幅方向においてほぼ同一位置を検出可能となるように配置されている。なお、いずれの検出センサ321〜324も、印刷ヘッド15より上流側に配置されている。
これらの検出センサ321〜324は、図12に示すように、検出センサA321が表面中央に印刷されたマークMを検出し(図12(a)参照)、検出センサB322が表面右側に印刷されたマークMを検出し(図12(b)参照)、検出センサC323が裏面左側に印刷されたマークMを検出し(図12(c)参照)、検出センサD324が裏面中央に印刷されたマークMを検出可能となっている(図12(d)参照)。
なお、表面および裏面とは、印刷面および非印刷面を示し、右側、左側とは、非印刷面を上側にしたときの、紙送り方向下流側から見た位置(図12に示す位置)を基準にして示している。
また、各検出センサ321〜324は、図13に示すように、検出センサA321がマーク付用紙P2、検出センサB322がマーク付用紙P5、検出センサC323がマーク付用紙P1、検出センサD324がマーク付用紙P4を使用する場合のマーク検出機能に設定される。
本実施形態の場合、ユーザは、使用する連続用紙Pのマーク位置を、選択肢(a)表面中央、(b)表面右側、(c)裏面左側、(d)裏面中央および(e)マーク無しの中からスイッチ等により選択する。ここで、(e)マーク無しとは、普通紙P3を指すものである。印刷装置10は、このユーザによるマーク位置の選択に基づいて、各検出センサ321〜324の機能を、図13に示すように設定する。
なお、この場合、例えばマーク位置が(a)表面中央に選択された場合、検出センサA321以外の検出センサ322〜324は、いずれか1つ、若しくは全てが用紙切れ検出機能に設定される。この構成によれば、前者の場合CPU210の負担を軽くすることができ、後者の場合、検出精度を高めることができる。当然、3つの検出322〜324の内2つの検出センサを用紙切れ検出機能に設定しても良い。また、マーク位置が(e)マーク無しに選択された場合は、4つの検出センサ321〜324のいずれか1つ以上が用紙切れ検出機能に設定される。
このように、本実施形態によれば、4つの検出センサ321〜324を用いることにより、(検出センサ数n+1)種類(nは自然数)、すなわち5種類の連続用紙Pに対応することができる。また、複数のマーク位置候補の中から、使用する連続用紙Pに合ったマーク位置を選択するだけで、各検出センサの機能が設定されるため、ユーザが複数の検出センサ全てに対して機能を設定する手間を省くことができると共に、ユーザは連続用紙Pに合ったモード選択を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、4つの検出センサ321〜324を用いた場合を例示したが、検出センサを奇数個使用しても良いし、より多数の検出センサを用いてさらに他種類の連続用紙Pに対応できるように構成しても良い。
以上、説明したとおり、本発明の印刷装置、印刷装置の制御方法およびプログラムによれば、複数の検出センサを備え、当該複数の検出センサに対し、用紙切れ検出機能、マーク検出機能、用紙切れ検出およびマーク検出を行うダブル機能、またはいずれの検出も行わない非動作機能のうち、いずれかの機能を設定することができるため、検出センサの数に応じた複数のマーク位置を有するマーク付用紙に対応することができる。すなわち、検出センサをn個(nは自然数)備えた場合は、1台の印刷装置10でn種類のマーク位置を有するマーク付用紙、並びに普通紙に印刷を行うことができる。また、複数の検出センサを連続用紙Pの表面側および裏面側に配置することにより、表面側(印刷面)および裏面側(非印刷面)にマークMが付されたマーク付用紙にも対応させることができる。
また、検出センサとして反射型光学センサを用いることにより、容易に用紙切れ検出およびマーク検出を行うことができる。すなわち、用紙切れの判別、並びに印刷制御および/または用紙切断制御を容易に行うことができ、印刷装置の製造コストを低く抑えることができる。
また、いずれかの検出センサがマーク検出機能および/またはダブル機能に設定され、且つ用紙種類が普通紙であると検出された場合、エラー報知を行うため、ユーザは、操作に誤りがあること(間違った印刷モード設定を行ったか、若しくは間違った連続用紙をセットしてしまったか)を認識することができる。またこの場合、マーク検出用に機能設定された検出センサを用いて用紙種類を検出することができるため、用紙種類の検出のための機構を別に備える必要がない。
さらにこの場合、マーク検出用に機能設定された検出センサ(反射型光学センサ)の出力である受光レベルが、マーク付用紙のマーク間隔に相当する所定量の用紙繰り出し期間中に基準値以下とならなかった場合に普通紙と判断するため、マーク間隔の用紙繰り出しにより、用紙種類の検出を行うことができる。なお、この構成によれば、用紙繰り出し中に受光レベルが基準値以下となった場合、その時点で瞬時にマーク付用紙であると判別することができるため、検出時間を短縮することができる。
なお、上記では、検出センサとして反射型光学センサを用いた場合を例に挙げたが、マイクロフォトセンサやファイバーセンサ等を用いてマーク検出および用紙切れ検出を行っても良い。また、印刷モードやマーク位置を選択するためのスイッチとして、ディップスイッチやメモリスイッチ等の各種スイッチを採用してもよい。また、スイッチを用いた印刷モードまたはマーク位置の設定を例に挙げたが、ホストコンピュータからの印刷モード設定用またはマーク位置設定用制御データに基づいて、印刷モードまたはマーク位置を設定しても良い。また、検出センサを連続用紙の幅方向に変位(移動)可能に配置し、連続用紙に付されたマークの位置に合わせて、ユーザが検出センサの位置を設定することにより、種々の連続用紙に対応しても良い。あるいは、連続用紙の装填位置を変化させ(用紙ガイドを用いて用紙収容部内で連続用紙を幅方向に片寄せしたり中央寄せしたりして)、連続用紙に付されたマークの位置を検出センサの位置に合わせることにより、種々の連続用紙に対応しても良い。また、その他用紙種類の検出方法やモード選択方法など、本発明を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。