JP2008238606A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出用マークの濃淡、又は剥離紙の不透明度の差に起因するフォトセンサの検出誤差を補正して、印字位置精度を向上できる印刷装置を提供する。
【解決手段】テープ印刷装置では、ダイカットラベルシートが搬送され、反射型センサにエンコーダマークが対向してセンサレベルが閾値以下になった時から(S9:YES)、そのセンサレベルがRAMに随時記憶される(S10)。そしてセンサレベルが閾値以上になった場合(S11:YES)、RAMに記憶されたセンサレベルの中から最小値が確定され(S12)、その最小値を元に、予め設定されたサーマルヘッドまでの所定距離dが補正され、補正搬送距離Dが算出される(S13)。よってエンコーダマークの濃淡による印字開始位置のずれを補正できる。
【選択図】図13

Description

本発明は、印刷装置に関し、詳細には、印字媒体に設けられた検出用マークを検出するフォトセンサを備え、該フォトセンサの検出結果によって印字媒体の位置制御を行う印刷装置に関する。
従来より、巻芯に巻回された長尺状のロールシート等にサーマルヘッドを介して文字等を印刷するテープ印刷装置が種々提案されている。このテープ印刷装置に使用されるロールシートの種類としては、例えば、ダイカットラベルシートがある。このダイカットラベルシートは、剥離紙上に複数のラベルが等間隔に貼り合わされたものであって、ラベル同士の間には所定のギャップが形成されている。そして、テープ印刷装置には、これらのエンコーダマーク又はギャップを検出するための光センサが設けられ、その光センサの検出値に基づくことによって、ロールシートの位置制御が行われるようになっている。
このようなテープ印刷装置では、装着されたロールシートの種類に対応して該ロールシートの搬送速度を変更することがあるが、そのロールシートの搬送速度の違いによって、エンコーダマークを検出する検出器から出力される出力信号の波形が崩れ、エンコーダマークを正確に検出できなくなるという問題があった。そこで、例えば、所定搬送速度が第1速度未満の際には、マーク検出センサの出力電圧が所定閾値になったときにエンコーダマークが該マーク検出センサに対向したと判定して該無定長ロールシートの搬送状態を判断し、該所定搬送速度が第1速度以上の際には、マーク検出センサの出力電圧が所定電圧分変化したときにエンコーダマークが該マーク検出センサに対向したと判定して該無定長ロールシートの搬送状態を判断するテープ印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−289581号公報
しかしながら、特許文献1に記載のテープ印刷装置では、マーク検出センサとして反射型センサを使用した場合に、印字媒体として使用されるロールシートのエンコーダマークには濃淡のばらつきがあるため、マーク検出センサの出力電圧(センサレベル)に誤差が生じてしまい、印字位置精度が低下するという問題点があった。他方、マーク検出センサとして透過型センサを使用した場合でも、剥離紙の種類によって不透明度にばらつきがあるため、同様の理由で印字位置精度が悪くなるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、検出用マークの濃淡、又は剥離紙の不透明度の差に起因するフォトセンサの検出誤差を補正して、印字位置精度を向上できる印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の印刷装置は、剥離紙の表面に複数のラベルが前記剥離紙の長手方向に沿って剥離可能に接着された長尺状のラベルシートを搬送する搬送手段と、当該搬送手段によって搬送される前記ラベルシートの搬送経路に設けられ、前記ラベルの表面に文字や図形を印字する印字手段とを備えた印刷装置であって、前記搬送経路における前記印字手段の上流側に設けられ、前記ラベルシートの長手方向に沿って、前記ラベルシートの所定領域内における反射度又は透過度を検出する検出手段と、前記反射度又は前記透過度の閾値を記憶する閾値記憶手段と、前記検出手段の検出値を記憶する検出値記憶手段と、当該検出値記憶手段に記憶された前記検出値の最小値又は最大値を決定する決定手段と、前記検出手段の前記検出値が、前記閾値記憶手段に記憶された前記閾値に達したか否かを判断する判断手段と、当該判断手段によって、前記検出値が前記閾値に達したと判断された場合に、前記ラベルの印字開始位置が前記印字手段に対向するように、前記ラベルシートを前記印字手段側に所定距離だけ搬送させることを前記搬送手段に指示する搬送指示手段と、前記決定手段によって決定された前記最小値又は前記最大値に基づいて、前記所定距離を補正する距離補正手段とを備えている。
また、請求項2に係る発明の印刷装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記所定領域は、前記剥離紙の裏面又は表面に設けられた検出用マークを含む領域、又は前記ラベル同士の間に設けられた所定のギャップを含む領域であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の印刷装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記検出手段は、発光素子と、当該発光素子から照射され、前記所定領域に反射する反射光を検出する受光素子とを備え、当該受光素子に検出された前記反射光のレベルに応じて電圧を出力する反射型センサであって、前記検出値記憶手段には、前記反射光のレベルに応じた電圧値が記憶されることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の印刷装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記検出手段は、発光素子と、当該発光素子から照射され、前記所定領域を透過する透過光を検出する受光素子とを備え、当該受光素子に検出された前記透過光のレベルに応じて電圧を出力する透過型センサであって、前記検出値記憶手段には、前記透過光のレベルに応じた電圧値が記憶されることを特徴とする。
請求項1に係る発明の印刷装置では、検出手段の検出値が閾値に達したと判断手段によって判断された場合、ラベルの印字開始位置を印字手段に対向させるため、搬送指示手段の指示によって搬送手段が印字媒体を所定距離搬送する。他方、ラベルシートの所定領域内における反射度又は透過度が検出手段によって検出され、その検出値は検出値記憶手段に随時記憶される。そして、検出値記憶手段に記憶された複数の検出値の中から最小値又は最大値が決定手段によって決定される。さらに、その決定手段によって決定された最小値又は最大値に基づいて、距離補正手段が前記所定距離を補正する。つまり、所定領域内における検出値の最小値又は最大値の差異に起因して、閾値の検出タイミングにズレが生じても、印字手段までの所定距離が距離補正手段によって補正されるので、印字手段に対してラベルの印字開始位置を確実に合わせることができる。
また、請求項2に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、所定領域が検出用マークを含む領域である場合、その領域内の反射度を検出して検出用マークを検出できるので、ラベルシートの位置制御を行うことができる。さらに、所定領域内における反射度の最小値のレベルは、検出用マークの濃淡によって差が生じるので、その最小値のレベルに応じて距離補正手段が所定距離を補正する。これにより、検出用マークの濃淡によって閾値の検出タイミングにズレが生じた場合でも、印字手段に対してラベルの先頭位置を確実に合わせることができる。他方、所定領域が所定のギャップを含む領域である場合、その領域内の反射度又は透過度を検出して、検出用マーク又はギャップを検出できるので、ラベルシートの位置制御を行うことができる。さらに、所定領域内における反射度の最小値のレベル、又は透過度の最大値のレベルは、ギャップにおける剥離紙の不透明度によって差が生じるので、その最小値又は最大値のレベルに応じて距離補正手段が所定距離を補正する。これにより、ギャップにおける剥離紙の不透明度の差によって閾値の検出タイミングにズレが生じた場合でも、印字手段に対してラベルの先頭位置を確実に合わせることができる。
また、請求項3に係る発明の印刷装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、反射型センサによって、検出用マーク又はギャップを含む領域の反射度が検出される。つまり、発光素子から照射され、所定領域内に反射した反射光を受光素子が検出することによって、検出用マーク又はギャップが検出される。ここで、検出用マークの濃淡によって反射度の最小値レベルが異なって閾値の検出タイミングがずれた場合でも、決定手段によって決定された最小値に基づき、距離補正手段によって印字手段までの所定距離が補正されるので、印字手段に対して印字開始位置を確実に合わせることができる。また、ギャップにおける剥離紙の不透明度によって反射度の最小値レベルが異なって閾値の検出タイミングがずれた場合でも、決定手段によって決定された最小値に基づき、距離補正手段によって印字手段までの所定距離が補正されるので、印字手段に対して印字開始位置を確実に合わせることができる。
また、請求項4に係る発明の印刷装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、透過型センサによって、所定のギャップを含む領域の透過度が検出される。つまり、発光素子から照射され、所定領域内を透過する透過光を受光素子が検出することによって、ラベルの先頭位置が検出される。ここで、剥離紙の種類によって透過度の最大値レベルが異なって閾値の検出タイミングがずれた場合でも、決定手段によって決定された最大値に基づき、距離補正手段によって印字手段までの所定距離が補正されるので、印字手段に対してラベルの先頭位置を確実に合わせることができる。
以下、本発明の第1の実施形態であるテープ印刷装置1について、図面を参照して説明する。図1は、テープ印刷装置1の斜視図であり、図2は、テープ印刷装置1にラベルシート3Aが装着された状態を示す斜視図(上カバー14省略)であり、図3は、テープ印刷装置1の左側上方から見た斜視図(上カバー14省略)であり、図4は、図3に示す一点鎖線で囲まれたW部分の拡大斜視図であり、図5は、テープ印刷装置1の右側断面図であり、図6は、図5に示すプラテンローラ26の周囲の部分拡大図であり、図7は、ラベルシート3Aが装着されたロールシートホルダ3の前側上方から見た斜視図であり、図8は、ラベルシート3Aが装着されたロールシートホルダ3の下側後方から見た斜視図であり、図9は、テープ印刷装置1の電気的構成を示すブロック図であり、図10は、ラベルシート3Aの剥離紙3B側から見た平面図であり、図11は、エンコーダマーク5付近におけるセンサレベルの変化を示したグラフであり、図12は、CPU62によるラベルシート3Aの位置制御を示すフローチャートであり、図13は、図12の続きを示すフローチャートであり、図14は、CPU62によるラベルシート3Aの位置制御の変形例を示すフローチャートである。
はじめに、テープ印刷装置1の概略構成について説明する。図1乃至図3に示すように、テープ印刷装置1は、印字機構及び搬送機構等を収納する筐体2を備え、該筐体2の上部後方には、巻芯に巻回された所定幅のラベルシート3Aを回転可能に支持するロールシートホルダ3を収納するために湾曲するロールシートホルダ収納部4(図7参照)が設けられている。さらに、そのロールシートホルダ収納部4を上側から覆うようにして、透明樹脂製の上カバー14(図1参照)が筐体2の上部に開閉自在に取り付けられている。さらに、筐体2の前面には、上カバー14の略中央部に対向するように立設された透明樹脂製のトレー6と、該トレー6の前側に配置された電源ボタン7と、該電源ボタン7の下側に設けられ、筐体2内を左右に移動するカッターユニット8(図5参照)を操作するためのカッターレバー9とが各々設けられている。また、筐体2の背面下部には、電源コード10(図7参照)が接続され、その電源コード10の隣りには、パーソナルコンピュータ(図示外)等と接続されるUSB(Universal Serial Bus)等から構成されたコネクタ部(不図示)が設けられている。
さらに、図2,図3に示すように、ロールシートホルダ収納部4の右側には、柱状のホルダ支持部材15が立設されている。このホルダ支持部材15には、上方に開口する正面視略縦長コの字状の第1位置決め溝部16と、該第1位置決め溝部16の下方に配置された係合凹部15A(図4参照)とが各々設けられている。この第1位置決め溝部16には、ロールシートホルダ3の後述する位置決め部材12に突設された断面略矩形状の取付部材13が嵌め込まれる。一方、係合凹部15Aには、位置決め部材12の下端部に突設された弾性係止片12A(図8参照)が係合される。
また、図3,図5,図6に示すように、ロールシートホルダ収納部4の上部前側には、ラベルシート3Aを挿入するための挿入口18が設けられている。さらに、その挿入口18の後端部と、ロールシートホルダ収納部4の前側部分との間には、ロールシートホルダ3の後述するガイド部材20(図8参照)の先端部が載置されるための略水平な載置部21が設けられている。そして、その載置部21の後部には、ラベルシート3Aの複数の幅寸法にそれぞれ対応するように、断面略L字状の4個の第2位置決め溝部22A,22B,22C,22Dが各々形成されている。なお、これら第2位置決め溝部22A〜22Dには、図8に示すロールシートホルダ3のガイド部材20の載置部21に当接する部分の一部を上方から嵌め込まれるようになっている。
ところで、図4に示すように、ロールシートホルダ収納部4の底面には、平面視横長長方形状の位置決め凹部4Aが所定深さ(本実施形態では、深さが約1.5〜3mm)で形成されている。この位置決め凹部4Aは、ホルダ支持部材15から第2位置決め溝部22Aに対向する位置までの範囲を占める大きさで形成され、その前後方向の幅寸法は、ロールシートホルダ3の位置決め部材12及びガイド部材20の各下端縁部の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また、位置決め凹部4Aにおけるホルダ支持部材15側には、さらに深く(本実施形態では、約1.5〜3mm)形成された平面視縦長の長方形状の判別凹部4Bが形成されている。この判別凹部4Bには、ロールシートホルダ3の位置決め部材12に設けられた後述するシート判別部60(図8参照)が対向するようになっている。
ここで、判別凹部4Bについて説明する。図4に示すように、判別凹部4Bには、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成され、各種シートの種別、感熱シートの材質、ロールシート幅、後述するエンコーダマーク5の印刷面(印字面又は裏面)等を判別するための5個のシート判別センサSS1、SS2、SS3、SS4、SS5がL字状に設けられている。これらシート判別センサSS1〜SS5は、プランジャーとマイクロスイッチ等から構成される公知の機械式スイッチからなる。そして、これら各プランジャーの上端部は、判別凹部4Bの底面部から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突出して設けられている。このような構成からなる判別凹部4Bでは、シート判別センサSS1〜SS5によって、ロールシートホルダ3のシート判別部60に設けられた後述するセンサ孔60A〜60E(図8参照)の有無が検出される。そして、後述する制御回路部61(図9参照)において、これらシート判別センサSS1〜SS5から出力されるオン・オフ信号に基づいて、ロールシートホルダ3に装着された各ロールシートの種類、感熱シートの材質、ロールシート幅等がそれぞれ特定される。
なお、シート判別センサSS1〜SS5の各プランジャーは、判別凹部4Bの底面から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで常に突出され、マイクロスイッチはオフ状態になっている。つまり、シート判別部60のセンサ孔60A〜60Eが、シート判別センサSS1〜SS5に対向する位置にある場合にはプランジャーは押下されず、マイクロスイッチはオフ状態となるため、オフ信号が出力される。一方、シート判別部60のセンサ孔60A〜60Eが、シート判別センサSS1〜SS5に対向する位置に無い場合には、プランジャーが押下されてマイクロスイッチがオン状態になるため、オン信号が出力される。よって、シート判別センサSS1〜SS5によって、5ビットの「0」、「1」信号が出力され、シート判別センサSS1〜SS5が全てオフ状態の場合、即ち、ロールシートホルダ3が装着されていない場合には、5ビットの「00000」の信号が出力される。
ところで、図2,図3に示すように、ロールシートホルダ収納部4の左側前方には、後述するサーマルヘッド31(図5,図6参照)の上下動の操作等を行うためのレバー27が設けられている。このレバー27を上方に回動させると、サーマルヘッド31が下方に移動するので、サーマルヘッド31はプラテンローラ26から離間する。一方、レバー27を下方に回動させると、サーマルヘッド31が上方に移動するので、各種シートにサーマルヘッド31が押圧付勢されるので印字可能な状態となる。また、ロールシートホルダ収納部4の下側には制御基板32(図5参照)が設けられている。この制御基板32には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により、印字機構及び搬送機構等を駆動制御するための制御回路部61(図9参照)が設けられている。
次に、筐体2の内部機構について説明する。図5に示すように、筐体2の載置部21の前端部には、該前端部から所定長さ斜め下方に延出されるとともに、前方に所定長さ延出された側面視逆「く」の字状の延出部24が形成されている。そして、図5,図6に示すように、その延出部24の前方にプラテンローラ26が設けられ、該プラテンローラ26の下側に、サーマルヘッド31が上下方向に移動可能に設けられている。また、延出部24の上方には、延出部24の上面に対して所定隙間を形成するようにガイド部材28が設けられている。そして、その延出部24の上面とガイド部材28の下面との間の所定隙間が、各種ロールシートをプラテンローラ26に向かって案内するためのシート案内路25となり、そのシート案内路25の入口が挿入口18となっている。
また、図6に示すように、シート案内路25において、サーマルヘッド31よりも上流側には反射型センサ11がガイド部材28に固定されて設けられている。この反射型センサ11は、発光素子11aと、受光素子11bとから構成され、シート案内路25を案内されるラベルシート3Aの同一裏面側(ラベルシート3Aの上側、シート案内路25の上側)に並列に設けられている。この反射型センサ11では、発光素子11aから照射され、ラベルシート3Aの剥離紙3Bの裏面に反射する反射光が受光素子11bによって検出され、その検出された反射光のレベル(光量)に応じて電圧(以下、センサレベルと呼ぶ。)が出力される。このような反射型センサ11によって、ラベルシート3Aの剥離紙3Bの裏面に印刷されたエンコーダマーク5が検出される。なお、エンコーダマーク5を検出した場合の反射型センサ11のセンサレベルについては後述する。
次に、ロールシートホルダ3の概略構成について説明する。なお、ロールシートホルダ3には各種ロールシートが周方向に回転可能に装着されるが、全て同一構成であるため、ここでは、ラベルシート3Aが装着された状態について説明する。図7,図8に示すように、ロールシートホルダ3は、板状のガイド部材20と、該ガイド部材20の内側面に立設された第1筒部(図示外)と、位置決め部材12と、該位置決め部材12の内側面に立設された第2筒部(図示外)とを備えている。
そして、ガイド部材20の第1筒部に嵌挿されて一端側端面の外周部に形成されるフランジ部36が、該第1筒部の外側端面、即ちガイド部材20の外側端面に固着されると共に、他端側端部が位置決め部材12の第2筒部内に嵌挿されて該第2筒部に固着される略筒状のホルダ軸部材40とから構成されている。したがって、ホルダ軸部材40の長さ寸法を変更することにより、異なる幅寸法のラベルシート3Aが装着されたロールシートホルダ3を容易に製作することができる。
ガイド部材20には、第1筒部(図示外)から下方に延出された長方形状の第1延出部46が形成されている。この第1延出部46は、ロールシートホルダ収納部4の底面に形成された位置決め凹部4Aに嵌入されるとともに、その位置決め凹部4Aの底面に当接される。さらに、ガイド部材20には、ラベルシート3Aの前側方向の略1/4円周上の外側端面部を覆うようにして、外側方向に延出される第2延出部43が形成されている。また、その第2延出部43の外周部の上部には、前下がり状に延出された第3延出部44が形成されている。この第3延出部44は、ロールシートホルダ3がテープ印刷装置1のロールシートホルダ収納部4に収納された状態において、挿入口18近傍まで前下がり状に延出された形状となっている。
さらに、第3延出部44の先端部の下端面は略水平に形成され、テープ印刷装置1の載置部21上に当接して、第3延出部44と第2延出部43の内側面によって、ラベルシート3Aの一側部を挿入口18まで案内するように構成されている。また、この第3延出部44の下端面の載置部21の搬送方向後端縁部に対向する位置から第1延出部46まで所定長さ延出される第4延出部45が形成されている。そして、第3延出部44の下端面が載置部21上に当接された場合には、この第4延出部45の搬送方向先端部分が、装着されたラベルシート3Aのシート幅に対向する各第2位置決め溝部22A〜22Dのいずれかに嵌入されるように構成されている。
また、ガイド部材20の内側面に立設された第1筒部と位置決め部材12の内側面に立設された第2筒部とによって、ラベルシート3Aが巻回された巻芯が回転可能に保持される。なお、ホルダ軸部材40は、ラベルシート3Aの巻芯の各長さ寸法に対応して複数種類の長さ寸法のものが設けられている。また、位置決め部材12の外側端面部の搬送方向の略中央部に、即ち、ホルダ軸部材40の軸心の端縁部から該軸心に対してほぼ直交するように、上下方向に縦長の断面略矩形状の取付部材13が突設されている。この取付部材13は、正面視下方向に幅狭になるように形成され、テープ印刷装置1のホルダ支持部材15の下方向に幅狭な第1位置決め溝部16内に密着可能に形成されている。また、この取付部材13の突出高さ寸法は、この第1位置決め溝部16の幅寸法にほぼ等しく形成されている。
さらに、位置決め部材12の取付部材13の下端部には、該取付部材13の下端部よりも左右方向に各々外側方向に所定長さ(本実施形態では、約1.5mm〜3mm)突出する正面視略四角形の平板状(本実施形態では、約1.5mm〜3mmの厚さ寸法)の案内部57が形成されている。これにより、ロールシートホルダ3を装着する場合は、取付部材13の下端部に形成される案内部57をホルダ支持部材15の外側端面に当接させつつ、取付部材13を第1位置決め溝部16に挿入することによって、該ロールシートホルダ3を容易に位置決めしつつ装着することができる。また、位置決め部材12の延出部(図示外)の下端縁部は、ガイド部材20の下端縁部よりも所定長さ(本実施形態では、約1mm〜2.5mm)下側方向に突出するように延出されると共に、該下端縁部には、略直角内側方向に所定長さ延出される略長四角形のシート判別部60が形成されている。
ここで、シート判別部60について説明する。図8に示すように、このシート判別部60には、各シート判別センサSS1〜SS5に対向する所定位置に、各センサ孔60A〜60Eが略L字状に配置されて穿設されている。これにより、各センサ孔60A〜60Eは、最大5個穿設されるため、1つ1つの有無を「1」と「0」に対応させることにより、該ロールシートホルダ3に装着されたラベルシート3Aの種別、感熱シートの材質、ロールシート幅等を5ビットの符号によって表示することができる。また、位置決め部材12の取付部材13の下端部には、延出部(図示外)に縦長四角形の貫通孔(図示外)が穿設され、該貫通孔(図示外)の上端縁部には、下側方向に先端部に外側方向に突出する突起部が形成された弾性係止片12Aが設けられている。この弾性係止片12Aは、テープ印刷装置1のロールシートホルダ収納部4に立設されたホルダ支持部材15の係合凹部15Aに係合するようになっている。
次に、テープ印刷装置1の電気的構成について説明する。図9に示すように、テープ印刷装置1の制御基板32(図5参照)上に設けられた制御回路部61は、CPU62、CGROM63、ROM64、EEPROM65、RAM66、入出力インタフェイス67、及び通信用インタフェイス(I/F)68等を備えている。また、CPU62、CGROM63、ROM64、EEPROM65、RAM66、入出力インタフェイス67、及び通信用インタフェイス68は、バス69により相互に接続され、相互にデータのやり取りが行われる。
CGROM63には、各キャラクタに対応するドットパターンデータが記憶されている。これにより、CGROM63から読み出されたドットパターンデータに基づいて、各種ロールシートの感熱シート上にドットパターンが印刷されるようになっている。
ROM64には、各種ロールシートを搬送するための搬送処理プログラムや、印字制御するための印字制御プログラム等の各種プログラムを記憶するプログラム記憶エリア64aと、文字等のキャラクタについて、各キャラクタの輪郭線を規定する輪郭線データ(アウトラインデータ)を各書体(ゴシック系書体、明朝体系書体等)毎に分類してコードデータに対応して記憶する輪郭線データ記憶エリア64bと、シート判別センサSS1〜SS5から出力される5ビットの信号に対応して、ロールシートの装着の有無と、各種ロールシートの情報を記憶するロールシート情報記憶エリア64cと、等が設けられている。
ここで、ロールシート情報記憶エリア64cについて説明する。このロールシート情報記憶エリア64cには、例えば、シート判別センサSS1〜SS5から入力される5ビットの符号が「11100」に対して、種別:「ラベルシート3A」、感熱シートの材質:「材質A」、ロールシート幅:「100mm」、ロール種別毎のエンコーダマーク5又はギャップ判別用の閾値「1.9V」、印字開始位置補正用パラメータ(α、C)、所定距離d等の情報が記憶されている。
EEPROM65には、外部のコンピュータ装置等から受信した外字データ等のドットパターンデータや、各種図柄データのドットパターンデータ等に登録番号が付されて記憶されている。よって、テープ印刷装置1の電源をオフしても記憶内容は保持されるようになっている。
RAM66には、印字バッファ66a、ワーク記憶エリア66b、閾値記憶エリア66c、センサレベル記憶エリア66d、補正搬送距離記憶エリア66e等の各種記憶エリアが設けられ、CPU62により演算された各種の演算結果等が一時的に記憶される。印字バッファ66aには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギー量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納されている。よって、サーマルヘッド31は、この印字バッファ66aに記憶されたドットパターンデータに基づいてドット印字が行われるようになっている。また、閾値記憶エリア66cには、反射型センサ11のセンサレベルの閾値が記憶される。さらに、センサレベル記憶エリア66dには、反射型センサ11から出力されたセンサレベルが記憶される。さらに、補正搬送距離記憶エリア66eには、センサレベル記憶エリア66dに記憶されたセンサレベルの最小値に基づいて算出された後述する補正搬送距離Dが記憶される。
入出力インタフェイス67には、シート判別センサSS1〜SS5、反射型センサ11の発光素子11a及び受光素子11b、サーマルヘッド31を駆動するための駆動回路71、プラテンローラ26を回転駆動するシート送りモータ72を駆動するために駆動回路73とが各々接続されている。なお、通信用インタフェイス68は、例えば、USB等から構成され、外部のコンピュータ装置とUSBケーブル等によって接続され、双方向データ通信が可能となっている。
次に、ラベルシート3Aについて説明する。図10に示すように、ラベルシート3Aは、長尺状の剥離紙3Bの表面側に自己発色性を有する感熱シート(いわゆる、サーマルペーパー)で形成された各ラベル3Cが粘着剤を介して該剥離紙の長手方向に沿って所定ギャップ毎に配列するよう仮着されている。また、剥離紙3Bの裏面側であって、テープ印刷装置1に装着された場合の反射型センサ11に対向する位置には、剥離紙3Bの長手方向に沿って所定ピッチ寸法で複数のエンコーダマーク5が形成されている。そして、これら複数のエンコーダマーク5は、剥離紙3Bの裏面において、各ラベル3Cの先頭の片側角部の近傍に相当する位置に各々設けられている。このようなラベルシート3Aは、剥離紙3Bの裏面側が外側になるように巻芯に巻回され、ロールシートホルダ3に回転可能に保持される。
次に、エンコーダマーク5を反射型センサ11で走査した場合のセンサレベルの変化について説明する。図11に示すように、まず、反射型センサ11のセンサレベルは、剥離紙3B上では一定の値を示す。そして、反射型センサ11の発光素子11aの照射範囲内にエンコーダマーク5の一方のエッジ部分が徐々に侵入すると、エンコーダマーク5のエッジ部から中央部にかけてセンサレベルが急激に低下し、その中央部において最小値となる。その後、センサレベルは中央部から他方のエッジ部にかけて急激に上昇し、剥離紙3B上で再び一定の値に推移する。つまり、エンコーダマーク5を含む領域を反射型センサ11で走査した場合、センサレベルは谷底形状を示す。さらに、反射型センサ11のセンサレベルには、エンコーダマーク5を判別するための閾値(例えば、1.9V)が設定されている。これにより、センサレベルがその閾値に達した場合にエンコーダマーク5が検出される。
そして、従来のテープ印刷装置では、反射型センサ11がエンコーダマーク5を検出した場合、ラベルシート3Aを正転方向に搬送し、反射型センサ11にエンコーダマーク5の搬送方向上流側のエッジ部分が対向した地点から予め決められた所定距離dをさらに搬送することによって、エンコーダマーク5の反対側に位置するラベル3Cの先頭位置をサーマルヘッド31に対向させる方法を採用していた。
しかしながら、エンコーダマーク5は、剥離紙3Bの裏面に印刷されるものであるため、ラベルシート3Aの製造ロット、インクの種類、マーク印刷時の環境条件、又は剥離紙3Bの材質等によって濃淡に差を生じる場合がある。この濃淡は、反射型センサ11のセンサレベルを変動させる要因となる。例えば、図11に示すように、エンコーダマーク5が通常よりも濃い場合(例えば、OD=1.7)、センサレベルは通常よりも早く低下した後、通常よりも低い最小値で推移し、通常よりも遅く上昇する。一方、エンコーダマーク5が通常よりも薄い場合(例えば、OD=0.7)、センサレベルは通常よりも遅く低下した後、通常よりも高い最小値で推移し、通常よりも早く上昇する。
つまり、エンコーダマーク5の濃淡によって、センサレベルが閾値に達するタイミングが変わる。このことから、反射型センサ11にエンコーダマーク5の搬送方向上流側のエッジ部分が対向した地点から予め決められた所定距離dをさらに搬送した場合でも、ラベル3Cの先頭位置がサーマルヘッド31に対してずれてしまう不具合が生じる。そこで、本実施形態では、エンコーダマーク5の濃淡によって変動するセンサレベルの最小値に基づいて、予め決められたサーマルヘッド31までの所定距離dを補正した補正搬送距離Dを算出することによって、サーマルヘッド31に対してラベル3Cの先頭位置を確実に合わせることができる。
次に、補正搬送距離Dの算出方法について説明する。この補正搬送距離Dは、予め決められたサーマルヘッド31までの所定距離dに対して補正値d’を加えたもので、
・D=d+d’
で表される。そして、エンコーダマーク5を反射型センサ11で走査した際のセンサレベルの最小値と、印字開始位置のズレとが比例関係にあることから、その近似式を求めることによって補正値d’を算出することができる。
次に、近似式の求め方について説明する。近似式を求めるために以下のものを使用する。
・テープ印刷装置1(本実施形態のもの)
・オシロスコープ
・基準用印刷用紙(基準用 OD=1.3)
・測定用印刷用紙(測定用 OD=0.7〜1.9)
・マーク濃度測定器(グレタグマクベス社製:ポータブル反射濃度計RD−918)
※ODは「Optical Density」の略である。
なお、本実施例において、基準用印刷用紙を用いた場合、エンコーダマーク5の搬送方向上流側のエッジ部分が、反射型センサ11に検出された地点から搬送する所定距離dは3mmである。つまり、OD=1.3のエンコーダマーク5を有する基準印刷用紙を用いた場合、エンコーダマーク5の搬送方向上流側のエッジ部分が、反射型センサ11に検出されてから3mm搬送すれば、サーマルヘッド31に対して、ラベル3Cの先頭位置を合わせることができる。
次に、近似式を求めるためのデータの測定方法について説明する。まず、マーク濃度測定器を用いることによって、OD=0.7〜1.9までのエンコーダマーク5を有する測定用印刷用紙を作成し、その測定用印刷用紙をテープ印刷装置1に装着する。次いで、テープ印刷装置1において、測定用印刷用紙を正転方向に搬送して印字動作を実行するとともに、反射型センサ11によって検出されたエンコーダマーク5のセンサレベル(V)をオシロスコープで測定する。さらに、そのオシロスコープで測定したセンサレベルの最小値(図11参照)を求める。そして、測定用印刷用紙に印字された印字結果の印字開始位置と、基準用印刷用紙に印字された印字結果の基準印字開始位置とを比較して、印字開始位置のずれの長さを測定する。つまり、このずれの長さが補正値d’に相当する。そして、センサレベルの最小値に対応する印字開始位置のずれをグラフ上に全てプロットする。すると、これらは互いに比例関係にあることから、
・d’=αX−C(αは正のパラメータ、Cは=正のパラメータ)・・・(1)式
と表すことができる。そして、本実施例では、α=0.45、C=0.5となったため、これらのパラメータを(1)式に代入すると、
・d’=0.45X−0.5・・・(2)式
となる。
ここで、エンコーダマーク5が基準値よりも濃い場合の一例として、エンコーダマーク5のセンサレベルの最小値が0.8(V)であった場合、上記(2)式に代入すると、
・d’=(0.45×0.8)−0.5
・d’=−0.14(mm)
となるので、
・補正搬送距離D=3−0.14=2.86(mm)
となる。
つまり、エンコーダマーク5が基準値(OD=1.3)よりも濃い場合、ラベルシート3Aを所定距離dだけ搬送するタイミングは通常よりも遅れるため、印字開始位置はラベルシート3Aの搬送方向上流側(印字方向下流側)にずれるが、所定距離dよりも短い2.86mm搬送することで、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に対して確実に合わせることができる。
他方、エンコーダマーク5が基準値よりも薄い場合の一例として、エンコーダマーク5のセンサレベルの最小値が1.7(V)であった場合、上記(2)式に代入すると、
・d’=(0.45×1.7)−0.5
・d’=0.265(mm)
となるので、
・補正搬送距離D=3+0.265=3.265(mm)
となる。つまり、エンコーダマーク5が基準値よりも薄い場合、ラベルシート3Aを所定距離dだけ搬送するタイミングは通常よりも早くなるため、印字開始位置はラベルシート3Aの搬送方向下流側(印字方向上流側)にずれるが、所定距離dよりも長い3.265mm搬送することで、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に対して確実に合わせることができる。
次に、上記構成からなるテープ印刷装置1の使用方法について簡単に説明する。図2に示すように、はじめに、巻芯に巻回された各種ロールシートが装着されたロールシートホルダ3の取付部材13をホルダ支持部材15の第1位置決め溝部16に嵌め込む。次いで、ロールシートホルダ3の位置決め部材12の下端部に突設された弾性係止片12Aを、ホルダ支持部材15の内側基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。さらに、ロールシートホルダ3のガイド部材20の先端部の下面を各第2位置決め溝部22A〜22Dに嵌め込むとともに、そのガイド部材20の下端部を位置決め凹部4Aの内側に嵌入させて当接させる。これにより、ロールシートホルダ収納部4にロールシートホルダ3が取り付けられる。
また、ロールシートホルダ3の位置決め部材12の下部に設けられたシート判別部60は、判別凹部4B内に挿入されるため、シート判別部60と判別凹部4Bとが対向する。これにより、判別凹部4Bに配設された各シート判別センサSS1〜SS5によって、シート判別部60の各センサ孔60A〜60Eの有無の検出が可能となる。そして、これらシート判別センサSS1〜SS5の検出値に基づいて、ロールシートホルダ3に支持されたロールシートの種別等が特定され、特定されたロールシートに対応する印字パラメータ(エネルギー設定、モータ駆動速度設定、ロール種別毎のエンコーダマーク5又はギャップ判別用の閾値「1.9V」、印字開始位置補正用パラメータ(α、C)、所定距離d等)が設定される。
次いで、レバー27を上方に回動させ、各種ロールシートの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させながら、各種ロールシートの他方の側端縁部を、挿入口18の側縁部に立設される案内リブ部(図示外)に当接させながら挿入口18内に挿入する。その後、レバー27を下方に回動させる。すると、挿入口18から挿入されたラベルシート3Aは、ライン型のサーマルヘッド31によってプラテンローラ26に向かって押圧されるように付勢される。そして、プラテンローラ26はステッピングモータ等で構成されるシート送りモータ72(図9参照)により回転駆動されるとともに、サーマルヘッド31が駆動制御される。これにより、各種ロールシートが搬送されながら感熱シートの印字面に順次画像データが印字される。また、トレー6上に排出された各種ロールシートは、カッターレバー9を右側方向に移動操作することによって、カッターユニット8により所望の長さで切断することができる。
次に、CPU62によるラベルシート3Aの位置制御について、図12,図13のフローチャートを参照して説明する。はじめに、ラベルシート3Aの位置を検出するために、反射型センサ11によって、ラベルシート3Aのセンサレベルが検出される(S1)。なぜなら、反射型センサ11の真下にエンコーダマーク5が対向しているか、又はそれ以外の剥離紙3Bが対向しているかによって、それ以降の制御が変わるからである。ここでは、発光素子11aから照射され、ラベルシート3Aの裏面(上面)に反射する反射光が受光素子11bによって検出され、その光量に応じたセンサレベルが出力される。次いで、反射型センサ11によって検出されたセンサレベル(検出値)と、RAM66の閾値記憶エリア66cに記憶された閾値との対比がなされ、反射型センサ11の真下にエンコーダマーク5が位置しているか否かが判断される(S2)。ここで、センサレベルが閾値を超えている場合は(S2:NO)、反射型センサ11には剥離紙3Bが対向し、センサレベルが閾値以下の場合は(S2:YES)、反射型センサ11にはエンコーダマーク5が対向していると判断される。
まず、反射型センサ11に剥離紙3Bが対向している場合(S2:NO)について説明する。この場合、まず、ラベルシート3Aが逆転搬送される(S3)。なぜなら、反射型センサ11よりも搬送方向下流側に位置するエンコーダマーク5を反射型センサ11の搬送方向上流側まで一旦引き戻すためである。これにより、反射型センサ11よりも下流側に位置するラベルシート3Aのラベル3Cの先頭部分から印字を開始することができる。よって、ラベルシート3Aの先端側を切り捨てる必要が無い。次いで、センサレベルが閾値以下になったか否かが判断される(S4)。まだ、センサレベルが閾値以下でない場合(S4:NO)、反射型センサ11に、エンコーダマーク5がまだ対向していないので、センサレベルが閾値以下になったか否かの判断処理が繰り返される(S4)。そして、センサレベルが閾値以下になった場合(S4:YES)、反射型センサ11にエンコーダマーク5が対向している。そこで、今度は、検出値が閾値以上か否かが判断される(S6)。まだ、検出値が閾値以上でない場合は(S6:NO)、反射型センサ11にはエンコーダマーク5がまだ対向しているので、検出値が閾値以上か否かの判断処理が繰り返される(S6)。
そして、検出値が閾値以上の場合(S6:YES)、反射型センサ11に対して、エンコーダマーク5が通過し、剥離紙3Bが対向しているので、搬送が一時停止される(S7)。このとき、プラテンローラ26を駆動するシート送りモータ72の停止動作によって、僅かにスルーダウンしながらプラテンローラ26が停止する。
次に、図13に示すように、逆転搬送されたラベルシート3Aが正転搬送される(S8)。このとき、シート送りモータ72の駆動動作によって、前記スルーダウンと同距離だけスルーアップしながらプラテンローラ26が回転する。さらに、反射型センサ11によって検出されたセンサレベルが閾値以下になったか否かが判断される(S9)。そして、センサレベルが閾値以下になっていない場合(S9:NO)、反射型センサ11にエンコーダマーク5がまだ対向していないので、S9に戻って処理が繰り返される。そして、センサレベルが閾値以下になった場合(S9:YES)、反射型センサ11にエンコーダマーク5が対向しているので、搬送されながらエンコーダマーク5の濃淡に応じてセンサレベルが検出され、そのセンサレベルがRAM66のセンサレベル記憶エリア66dに随時記憶される(S10)。
次いで、センサレベルが閾値以上か否かが判断される(S11)。ここで、センサレベルが閾値以上でない場合(S11:NO)、反射型センサ11には、まだエンコーダマーク5が対向しているので、S10に戻って、センサレベルの検出及び記憶が継続して実行される。そして、センサレベルが閾値以上の場合(S11:YES)、エンコーダマーク5全体のセンサレベルが検出され、RAM66のセンサレベル記憶エリア66dに記憶されたので、その中からセンサレベルの最小値が確定される(S12)。次いで、その確定されたセンサレベルの最小値を元に補正値d’が算出され、その算出された補正値d’が予め設定された所定距離dに対して加算されることによって、補正搬送距離Dが算出される(S13)。なお、補正搬送距離Dの算出方法は上記説明した通りである。
そして、センサレベルが閾値に達した地点からラベルシート3Aが補正搬送距離Dだけ搬送される(S14)。つまり、予め設定された所定距離dを搬送するのではなく、エンコーダマーク5の濃淡に応じて補正された補正搬送距離Dを搬送することによって、ラベル3Cの先頭位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。その後、サーマルヘッド31による印字動作が実行され(S15)、ラベル3Cの先頭位置には、所望の文字、図形等が印刷される。そして、全ての印字が終了したら、サーマルヘッド31による印字動作が終了し(S16)、プラテンローラ26の駆動が停止される(S17)。こうして、ラベルシート3Aの搬送が停止され、処理が終了する。
次に、反射型センサ11にエンコーダマーク5が最初から対向している場合(S2:YES)について説明する。図12に示すように、この場合も、上記理由と同様に、ラベルシート3Aが逆転搬送される(S5)。そして、センサレベルは既に閾値よりも低いため、逆転搬送を継続しながら、センサレベルが閾値以上か否かが判断される(S6)。まだ、センサレベルが閾値以上でない場合(S6:NO)、反射型センサ11にはエンコーダマーク5が対向しているので、逆転搬送されながら、S6に戻って処理が繰り返される。そして、検出値が閾値以上になった場合(S6:YES)、反射型センサ11に対して、エンコーダマーク5が通過し、剥離紙3Bが対向しているので、搬送が一時停止される(S7)。なお、この後の処理は上記説明した流れと同じである。
なお、上記した第1の実施形態の説明において、図6に示すプラテンローラ26と、図9に示すシート送りモータ72とが本発明の「搬送手段」に相当し、図6に示すサーマルヘッド31が本発明の「印字手段」に相当し、図10に示すエンコーダマーク5が本発明の「検出用マーク」に相当し、図6に示す反射型センサ11が本発明の「検出手段」に相当し、図9に示すRAM66の閾値記憶エリア66cが本発明の「閾値記憶手段」に相当し、センサレベル記憶エリア66dが本発明の「検出値記憶手段」に相当する。さらに、図13に示すS12の処理を実行するCPU62が本発明の「決定手段」に相当し、S11の処理を実行するCPU62が本発明の「判断手段」に相当し、S14の処理を実行するCPU62が本発明の「搬送指示手段」に相当し、S13の処理を実行するCPU62が本発明の「距離補正手段」に相当する。
以上説明したように、第1の実施形態のテープ印刷装置1では、ラベルシート3Aに印刷されたエンコーダマーク5を、反射型センサ11で検出し、エンコーダマーク5の濃淡に対応する補正搬送距離Dを算出してラベルシート3Aを搬送することで、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。補正搬送距離Dは、予め決められた所定距離dに対して、エンコーダマーク5のセンサレベルの最小値に基づいて算出される補正値d’が加算されることによって算出される。これにより、エンコーダマーク5の濃淡によって生じる印字開始位置のずれが補正されるので、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。この変形例では、ラベルシート3Aを逆転搬送せずに、最初から正転搬送することによって、印字開始までの時間を短縮できる点に特徴がある。なお、変形例では、第1の実施形態のテープ印刷装置1の構成と同じであるので、第1の実施形態の符号と同符号を用いて説明し、第1の実施形態と異なるCPU62の位置制御についてのみ説明する。
CPU62によるラベルシート3Aの位置制御の変形例について、図14のフローチャートを参照して説明する。はじめに、ラベルシート3Aの位置を検出するために、反射型センサ11によって、ラベルシート3Aのセンサレベルが検出される(S20)。なぜなら、反射型センサ11の真下にエンコーダマーク5が対向しているか、又はそれ以外の剥離紙3Bが対向しているかによって、それ以降の制御が変わるからである。ここでは、発光素子11aから照射され、ラベルシート3Aの裏面(上面)に反射する反射光が受光素子11bによって検出され、その光量に応じたセンサレベルが出力される。次いで、反射型センサ11によって検出されたセンサレベルと、RAM66の閾値記憶エリア66cに記憶された閾値との対比がなされ、反射型センサ11の真下にエンコーダマーク5が位置しているか否かが判断される(S21)。ここで、センサレベルが閾値を超えている場合は(S21:NO)、反射型センサ11には剥離紙3Bが対向し、センサレベルが閾値以下の場合は(S21:YES)、反射型センサ11にはエンコーダマーク5が対向していると判断される。
まず、反射型センサ11に剥離紙3Bが対向している場合(S21:NO)について説明する。この場合、まず、ラベルシート3Aが正転搬送される(S22)。次いで、センサレベルが閾値以下になったか否かが判断される(S25)。まだ、センサレベルが閾値以下でない場合(S25:NO)、反射型センサ11に、エンコーダマーク5がまだ対向していないので、S25に戻って処理が繰り返される。そして、センサレベルが閾値以下になった場合(S25:YES)、反射型センサ11にエンコーダマーク5が対向している。そこで、反射型センサ11にエンコーダマーク5が対向した地点からエンコーダマーク5の濃淡に応じてセンサレベルが検出され、そのセンサレベルがRAM66のセンサレベル記憶エリア66dに随時記憶される(S26)。
次いで、センサレベルが閾値以上か否かが判断される(S27)。ここで、センサレベルが閾値以上でない場合(S27:NO)、反射型センサ11には、まだエンコーダマーク5が対向しているので、S26に戻って、センサレベルの検出及び記憶が継続して実行される。そして、センサレベルが閾値以上になった場合(S27:YES)、エンコーダマーク5全体のセンサレベルが検出され、RAM66のセンサレベル記憶エリア66dに記憶されたので、その中からセンサレベルの最小値が確定される(S28)。次いで、その確定されたセンサレベルの最小値を元に補正値d’が算出され、その算出された補正値d’が予め設定された所定距離dに対して加算されることによって、補正搬送距離Dが算出される(S29)。なお、補正搬送距離Dの算出方法は上記説明した通りである。
そして、センサレベルが閾値に達した地点からラベルシート3Aが補正搬送距離Dだけ搬送される(S30)。つまり、予め設定された所定距離dだけ搬送するのではなく、エンコーダマーク5の濃淡に応じて補正された補正搬送距離Dだけ搬送されることによって、ラベル3Cの先頭位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。その後、サーマルヘッド31による印字動作が実行されるので(S31)、ラベル3Cの先頭位置には、所望の文字、図形等が印刷される。そして、全ての印字が終了したら、サーマルヘッド31による印字動作が終了し(S32)、プラテンローラ26の駆動が停止される(S33)。こうして、ラベルシート3Aの搬送が停止され、処理が終了する。
次に、反射型センサ11にエンコーダマーク5が最初から対向している場合(S21:YES)について説明する。この場合も前記と同様に、ラベルシート3Aが正転搬送される(S23)。しかしながら、反射型センサ11に剥離紙3Bが対向している前記の場合と異なり、反射型センサ11にエンコーダマーク5が既に対向しているので、そのエンコーダマーク5からセンサレベルの最小値を確定することはできない。つまり、現在対向しているエンコーダマーク5より搬送方向上流側のエンコーダマーク5からセンサレベルを検出する必要がある。このため、正転搬送を継続しながら、センサレベルが閾値以上か否かが判断される(S24)。まだ、センサレベルが閾値以上でない場合(S24:NO)、反射型センサ11にはエンコーダマーク5が対向しているので、正転搬送されながら、S24に戻って処理が繰り返される。
そして、検出値が閾値以上になった場合(S24:YES)、反射型センサ11に対して、エンコーダマーク5が通過し、剥離紙3Bが対向している。したがって、反射型センサ11に次のエンコーダマーク5を対向させるため、センサレベルが閾値以下になったか否かが判断される(S25)。まだ、センサレベルが閾値以下でない場合(S25:NO)、反射型センサ11に、エンコーダマーク5がまだ対向していないので、S25に戻って処理が繰り返される。そして、センサレベルが閾値以下になった場合(S25:YES)、反射型センサ11に次のエンコーダマーク5が対向している。そこで、反射型センサ11にエンコーダマーク5が対向した地点からエンコーダマーク5の濃淡に応じてセンサレベルが検出され、そのセンサレベルがRAM66のセンサレベル記憶エリア66dに随時記憶される(S26)。なお、この後の処理は上記説明した流れと同じである。
なお、上記した第1の実施形態の変形例の説明において、図14に示すS28の処理を実行するCPU62が本発明の「決定手段」に相当し、S27の処理を実行するCPU62が本発明の「判断手段」に相当し、S30の処理を実行するCPU62が本発明の「搬送指示手段」に相当し、S29の処理を実行するCPU62が本発明の「距離補正手段」に相当する。
以上説明したように、第1の実施形態の変形例では、CPU62による位置制御において、ラベルシート3Aを最初から正転搬送させることによって、印字開始までの時間を短縮することができる。さらに、連続して印字する場合には、印刷時間を大幅に短縮できるため特に有効である。
次に、第2の実施形態であるテープ印刷装置100について、図15乃至図17を参照して説明する。図15は、テープ印刷装置100の反射型センサ51周囲の部分拡大断面図(第2の実施形態)であり、図16は、ラベルシート3Aのラベル3C側から見た平面図(第2の実施形態)であり、図17は、ギャップG付近におけるセンサレベルの変化を示したグラフ(第2の実施形態)である。
このテープ印刷装置100は、エンコーダマーク5ではなく、ラベルシート3Aのラベル3C間のギャップG(図16参照)を検出して位置制御を行う点が第1の実施形態と異なる。このような形態でも、第1の実施形態のCPU62の位置制御方法と同様の制御方法で本発明の効果を得ることができる。なお、テープ印刷装置100は、第1の実施形態のテープ印刷装置1とほぼ同じ構成であるので、同じ構成部分については同符号を付して説明する。さらに、CPU62の位置制御方法に関しても、補正搬送距離Dの算出方法が異なるのみで、その他の処理については同じであるので、ここでは、補正搬送距離Dの算出方法を中心に説明する。
はじめに、反射型センサ51の位置について説明する。図15に示すように、反射型センサ51は、シート案内路25の下側の延出部24の上面に固定されている。反射型センサ51は、発光素子51aと受光素子51bとから構成されている。そして、発光素子51aから照射される照射光は、シート案内路25を案内されるラベルシート3Aの印字面側(ラベル3C側)に向けて照射され、ラベルシート3Aの印字面側に反射する反射光が、受光素子51bによって検出される。そして、受光素子51bから検出された反射光の光量に応じたセンサレベル(V)が制御回路部61(図9参照)に出力される。
次に、ラベル3C間のギャップGを反射型センサ51で走査した場合のセンサレベルの変化について説明する。図17に示すように、反射型センサ51のセンサレベルは、まず、反射度の高いラベル3C上では一定の値を示す。そして、ギャップGが発光素子51aの照射範囲内に侵入すると、センサレベルはギャップGの一端部から中央部にかけて急激に低下し、その中央部において最小値となる。その後、センサレベルはギャップGの中央部から他端部にかけて急激に上昇し、ラベル3C上で再び一定の値に推移する。つまり、ギャップGを含む領域を反射型センサ51で走査した場合、エンコーダマーク5を検出した場合と同様に、センサレベルは谷底形状を示す。さらに、反射型センサ51のセンサレベルには、ギャップGを判別するための閾値(例えば、1.9V)が設定されているため、センサレベルがその閾値に達した場合にギャップGが検出される。
ところで、剥離紙3Bの不透明度は、製造ロット、種類、材質等によって差異が生じる。この不透明度の差異は、反射型センサ51のセンサレベルを変動させる要因となる。例えば、剥離紙3Bの不透明度が低い場合(白色度が低い場合)、センサレベルは通常よりも早く低下した後、通常よりも低い最小値で推移し、通常よりも遅く上昇する。一方、剥離紙3Bの不透明度が高い場合(白色度が高い場合)、センサレベルは通常よりも遅く低下した後、通常よりも高い最小値で推移し、通常よりも早く上昇する。つまり、剥離紙3Bの不透明度の差異によって、ギャップGの両端部の検出タイミングが変動することから、反射型センサ51にラベル3Cの先頭位置が検出された地点から予め決められた所定距離dをさらに搬送した場合でも、ラベル3Cの先頭位置がサーマルヘッド31に対してずれてしまうのである。そこで、第2の実施形態では、剥離紙3Bの不透明度によって変動するセンサレベルの最小値に基づいて、予め決められた所定距離dを補正した補正搬送距離Dを算出することによって、サーマルヘッド31に対してラベル3Cの先頭位置を確実に合わせることができる。
次に、第2の実施形態における補正搬送距離Dの算出方法について説明する。この補正搬送距離Dは、予め決められた所定距離dに対して補正値d’を加えたもので、
・D=d+d’
で表される。そして、ギャップGを反射型センサ51で走査した際のセンサレベルの最小値と、印字開始位置のズレとが比例関係にあることから、その近似式を求めることによって補正値d’を算出することができる。
次に、近似式の求め方について説明する。近似式を求めるために以下のものを用意する。
・テープ印刷装置100(本実施形態のもの)
・オシロスコープ
・基準用印刷用紙(基準用 不透明度=65%)
・測定用印刷用紙(測定用 不透明度=40%〜80%)
・不透明度測定器(スガ試験器株式会社製 分光白色度測色計SC10W)
※不透明度は、JIS P 8149(ISO2471相当)方式の値
なお、本実施例では、基準用印刷用紙を用いた場合、ギャップGの搬送方向上流側のエッジ部分(ラベル3Cのエッジ部分)を検出した地点から搬送する所定距離dは33mmである。つまり、不透明度=65%の剥離紙3Bを有する基準印刷用紙の場合、ギャップGの搬送方向上流側のエッジ部分が、反射型センサ11に検出されてから33mm搬送すれば、サーマルヘッド31に対して、ラベル3Cの先頭位置を合わせることができる。
次に、近似式を求めるためのデータの測定方法について説明する。まず、不透明度測定器を用いることによって、不透明度=40%〜80%の剥離紙3Bを有する測定用印刷用紙を作成し、その測定用印刷用紙をテープ印刷装置100に装着する。次いで、テープ印刷装置100において、測定用印刷用紙を正転方向に搬送して印字動作を実行し、反射型センサ51によって検出されたギャップGのセンサレベル(V)をオシロスコープで測定する。さらに、そのオシロスコープで測定したセンサレベルの最小値(図17参照)を求める。そして、測定用印刷用紙に印字された印字結果の印字開始位置と、基準用印刷用紙に印字された印字結果の基準印字開始位置とを比較することによって、その印字開始位置のずれを測定する。つまり、このずれが補正値d’に相当する。そして、センサレベルの最小値に対応する印字開始位置のずれをグラフ上に全てプロットする。すると、これらは互いに比例関係にあることから、
・d’=αX−C(αは正のパラメータ、Cは=正のパラメータ)・・・(3)式
と表すことができる。なお、本実施例では、α=1.25、C=1.6となるので、これらパラメータを(3)式に代入すると、
・d’=1.25X−1.6・・・(4)式
となる。
そして、剥離紙3Bの不透明度が基準値よりも低い場合の一例として、エンコーダマーク5のセンサレベルの最小値が0.8(V)であった場合、
・d’=(1.25×0.8)−1.6
・d’=−0.6(mm)
となるので、
・補正搬送距離D=33−0.6=32.4(mm)
となる。つまり、剥離紙3Bの不透明度が基準値よりも低い場合、ラベルシート3Aを所定距離dだけ搬送するタイミングは通常よりも遅れるため、印字開始位置はラベルシート3Aの搬送方向上流側にずれる。そこで、所定距離dよりも短い32.4mm搬送することによって、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に対して確実に合わせることができる。
他方、ギャップGの不透明度が基準値よりも高い場合の一例として、エンコーダマーク5のセンサレベルの最小値が1.7(V)であった場合、
・d’=(1.25×1.7)−1.6
・d’=0.525(mm)
となるので、
・補正搬送距離D=33+0.525=33.525(mm)
となる。つまり、ギャップGの不透明度が基準値よりも低い場合、ラベルシート3Aを所定距離dだけ搬送するタイミングは通常よりも早くなるため、印字開始位置はラベルシート3Aの搬送方向下流側にずれる。そこで、所定距離dよりも長い33.525mm搬送することによって、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に対して確実に合わせることができる。
なお、上記した第2の実施形態の説明において、図15に示す反射型センサ51が本発明の「検出手段」に相当する。
以上説明したように、第2の実施形態のテープ印刷装置100は、ラベルシート3AのギャップGを反射型センサ51で検出して、ラベルシート3Aの位置制御を行うものである。そして、剥離紙3Bの不透明度の差異によって生じる印字開始位置のずれを補正するために、ギャップGにおけるセンサレベルの最小値に基づいて、サーマルヘッド31までの補正搬送距離Dを算出することによって、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に対して確実に合わせることができる。なお、この実施例では、ギャップGを検出するために、反射型センサ51を用いたが、実施例1の反射型センサ11の構成でもギャップGの検出は同様な処理により可能である。
次に、第3の実施形態であるテープ印刷装置200について、図18乃至図23を参照して説明する。図18は、テープ印刷装置200の透過型センサ81周囲の部分拡大断面図(第3の実施形態)であり、図19は、テープ印刷装置200の電気的構成を示すブロック図であり、図20は、ギャップG付近におけるセンサレベルの変化を示したグラフ(第3の実施形態)であり、図21は、CPU82によるラベルシート3Aの位置制御の変形例を示すフローチャート(第3の実施形態)である。図22は、図21の続きを示すフローチャート(第3の実施形態)であり、図23は、CPU82によるラベルシート3Aの位置制御の変形例を示すフローチャート(第3の実施形態)である。
テープ印刷装置200は、第2の実施形態の変形例であって、反射型のフォトセンサではなく、透過型センサ81(図18参照)で、ラベル3C間のギャップGを検出してラベルシート3Aの位置制御を行う点が第2の実施形態と異なる。そして、そのギャップGにおける透過型センサ81のセンサレベルの最大値に基づいて、サーマルヘッド31までの補正搬送距離Dを算出することによって、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に対して確実に合わせることができる点が特徴である。なお、テープ印刷装置200の構成は、透過型センサ81以外は、第1,第2の実施形態のテープ印刷装置1,100の構成と全く同じであるので、同じ構成部分に関しては同符号を付して説明する。なお、テープ印刷装置200の電気的構成についても、第1の実施形態のテープ印刷装置1と同様であるので、同じ構成部分に関しては同符号を付して説明する。
はじめに、透過型センサ81について説明する。図18に示すように、透過型センサ81は、シート案内路25の下側に配置された発光素子81aと、シート案内路25を挟んで上側に且つ発光素子81aに対向して配置された受光素子81bとから構成されている。この透過型センサ81では、発光素子81aの照射光は、ラベルシート3Aの印字面側に照射され、ラベルシート3Aを透過した透過光が受光素子81bに検出される。そして、その受光素子81bから光量に応じた電圧値であるセンサレベル(V)が制御回路部61(図19参照)に出力される。
次に、テープ印刷装置200の電気的構成について説明する。図19に示すように、テープ印刷装置200の制御基板(図示外)上に設けられた制御回路部61は、CPU82、CGROM63、ROM64、EEPROM65、RAM86、入出力インタフェイス67、及び通信用インタフェイス(I/F)68等を備えている。また、CPU82、CGROM63、ROM64、EEPROM65、RAM86、入出力インタフェイス67、及び通信用インタフェイス68は、バス69により相互に接続され、相互にデータのやり取りが行われる。
RAM86には、印字バッファ86a、ワーク記憶エリア86b、閾値記憶エリア86c、センサレベル記憶エリア86d、補正搬送距離記憶エリア86e等の各種記憶エリアが設けられ、CPU82により演算された各種の演算結果等が一時的に記憶される。閾値記憶エリア86cには、透過型センサ81のセンサレベルの閾値が記憶される。さらに、センサレベル記憶エリア86dには、透過型センサ81から出力されたセンサレベルが記憶される。さらに、補正搬送距離記憶エリア86eは、センサレベル記憶エリア86dに記憶されたセンサレベルの最小値に基づいて算出された後述する補正搬送距離Dが記憶される。
次に、ラベル3C間のギャップGを透過型センサ81で走査した場合のセンサレベルの変化について説明する。図20に示すように、透過型センサ81のセンサラベルは、まず、ラベル3C上では一定の値を示す。そして、ギャップGが発光素子81aの照射範囲内に侵入すると、センサレベルはギャップGの一端部から中央部にかけて急激に上昇し、その中央部において最大値となる。その後、センサレベルはギャップGの中央部から他端部にかけて急激に低下し、ラベル3C上で再び一定の値に推移する。つまり、ギャップGを含む領域を透過型センサ81で走査した場合、センサレベルは鉢を逆にした形状を示す。さらに、透過型センサ81のセンサレベルには、ギャップGを判別するための閾値(例えば、0.8V)が設定されているため、センサレベルがその閾値に達した場合にギャップGが検出される。
ここで、従来のテープ印刷装置では、透過型センサ81がギャップGを検出した場合、ラベルシート3Aを正転方向に搬送し、透過型センサ81にギャップGの搬送方向上流側のエッジ部分が対向した地点から予め決められた所定距離dを搬送することによって、ラベル3Cの先頭位置がサーマルヘッド31に対向するようになっている。
しかしながら、ギャップGでは、剥離紙3Bが露出しているので、剥離紙3Bの材質、ロット等によって不透明度に差を生じる場合がある。この不透明度の差は、透過型センサ81のセンサレベルを変動させる要因となる。例えば、剥離紙3Bの不透明度が通常よりも低い場合、センサレベルは通常よりも早く上昇した後、通常よりも高い最大値で推移し、通常よりも遅く低下する。他方、剥離紙3Bの不透明度が通常よりも高い場合、センサレベルは通常よりも遅く上昇した後、通常よりも低い最大値で推移し、通常よりも早く低下する。つまり、剥離紙3Bの不透明度の差によって、ギャップGのエッジ部分の検出タイミングが変動することから、透過型センサ81に対して、ギャップGの搬送方向上流側のエッジ部分が対向した地点から予め決められた所定距離dをさらに搬送した場合でも、ラベル3Cの先頭位置はサーマルヘッド31に対してずれてしまうのである。そこで、第3の実施形態では、剥離紙3Bの不透明度によって変動するセンサレベルの最大値に基づいて、予め決められた所定距離dを補正した補正搬送距離Dを算出することによって、ラベル3Cの先頭位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。
次に、第3の実施形態における補正搬送距離Dの算出方法について説明する。この補正搬送距離Dは、予め決められた所定距離dに対して補正値d’を差し引いたもので、
・D=d−d’
で表される。そして、ギャップGを透過型センサ81で走査した際のセンサレベルの最大値と、印字開始位置のズレとが比例関係にあることから、その近似式を求めることによって補正値d’を算出することができる。
次に、近似式の求め方について説明する。近似式を求めるために以下のものを用意する。
・テープ印刷装置200(本実施形態のもの)
・オシロスコープ
・基準用印刷用紙(基準用 不透明度=65%)
・測定用印刷用紙(測定用 不透明度=40%〜80%)
・不透明度測定器(スガ試験器株式会社製 分光白色度測色計SC10W)
※不透明度は、JIS P 8149(ISO2471相当)方式の値
なお、本実施例では、基準用印刷用紙を用いた場合、ギャップGの搬送方向上流側のエッジ部分を検出した地点から搬送する所定距離dは33mmである。つまり、不透明度=65%の剥離紙3Bを有する基準印刷用紙の場合、ギャップGの搬送方向上流側のエッジ部分が、透過型センサ81に検出されてから33mm搬送すれば、サーマルヘッド31に対して、ラベル3Cの先頭位置を合わせることができる。
次に、近似式を求めるためのデータの測定方法について説明する。まず、不透明度測定器を用いることによって、不透明度=40%〜80%までの剥離紙を用いた測定用印刷用紙を作成し、その測定用印刷用紙をテープ印刷装置200に装着する。次いで、テープ印刷装置200において、測定用印刷用紙を正転方向に搬送して印字動作を実行するとともに、透過型センサ81によって検出されたギャップGのセンサレベル(V)をオシロスコープで測定する。さらに、そのオシロスコープで測定したセンサレベルの最大値(図20参照)を求める。そして、測定用印刷用紙に印字された印字結果の印字開始位置と、基準用印刷用紙に印字された印字結果の基準印字開始位置とを比較することによって、その印字開始位置のずれの長さを測定する。つまり、このずれの長さが補正値d’に相当する。そして、センサレベルの最大値に対応する印字開始位置のずれをグラフ上に全てプロットする。すると、これらは互いに比例関係にあることから、
・d’=αX−C(αは正のパラメータ、Cは=正のパラメータ)・・・(1)式
と表すことができる。そして、本実施例では、α=0.33、C=0.73となったため、これらのパラメータを(1)式に代入すると、
・d’=0.33X−0.73・・・(2)式
となる。
ここで、ギャップGの不透明度が基準値よりも低い場合の一例として、ギャップGのセンサレベルの最大値が3.0(V)であった場合、上記(2)式に代入すると、
・d’=(0.33×3.0)−0.73
・d’=0.26(mm)
となるので、
・補正搬送距離D=33−0.26=32.74(mm)
となる。
つまり、ギャップGの不透明度が基準値よりも低い場合、ラベルシート3Aを所定距離dだけ搬送するタイミングは通常よりも遅れるため、印字開始位置はラベルシート3Aの搬送方向上流側にずれるが、所定距離dよりも短い32.74mm搬送すれば、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に対して確実に合わせることができる。
他方、ギャップGの不透明度が基準値よりも高い場合の一例として、ギャップGのセンサレベルの最大値が1.2(V)であった場合、上記(2)式に代入すると、
・d’=(0.33×1.2)−0.73
・d’=−0.334(mm)
となるので、
・補正搬送距離D=33+0.334=33.334(mm)
となる。つまり、ギャップGの不透明度が基準値よりも低い場合、ラベルシート3Aを所定距離dだけ搬送するタイミングは通常よりも早くなるため、印字開始位置はラベルシート3Aの搬送方向下流側(印字方向上流側)にずれるが、所定距離dよりも長い33.334mm搬送することによって、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に対して確実に合わせることができる。
次に、CPU82によるラベルシート3Aの位置制御について、図21,図22のフローチャートを参照して説明する。はじめに、ラベルシート3Aの位置を検出するために、透過型センサ81によって、ラベルシート3Aのセンサレベルが検出される(S41)。なぜなら、透過型センサ81の真下にギャップG(剥離紙3B)が対向しているか、又はラベル3Cが対向しているかによって、それ以降の制御が変わるからである。ここでは、発光素子81aから照射され、ラベルシート3Aを透過した透過光が受光素子81bによって検出され、その光量に応じたセンサレベルが出力される。次いで、透過型センサ81によって検出されたセンサレベルと、RAM86の閾値記憶エリア86cに記憶された閾値との対比がなされ、透過型センサ81の真下にギャップGが位置しているか否かが判断される(S42)。ここで、センサレベルが閾値以上の場合は(S42:YES)、透過型センサ81にはギャップGが対向し、またセンサレベルが閾値未満の場合は(S42:NO)、透過型センサ81にはラベル3Cが対向していると判断される。
まず、透過型センサ81にラベル3Cが対向している場合(S42:NO)について説明する。この場合、まず、ラベルシート3Aが逆転搬送される(S43)。なぜなら、透過型センサ81よりも搬送方向下流側に位置するギャップGを透過型センサ81の搬送方向上流側まで一旦引き戻すためである。これにより、透過型センサ81よりも下流側に位置するラベルシート3Aのラベル3Cの先頭部分から印字を開始することができる。次いで、センサレベルが閾値以上か否かが判断される(S44)。まだ、センサレベルが閾値以上でない場合(S44:NO)、透過型センサ81に、ギャップGがまだ対向していないので、S44に戻って処理が繰り返される。そして、センサレベルが閾値以上の場合(S44:YES)、透過型センサ81にギャップGが対向している。そこで、今度は、センサレベルが閾値以下か否かが判断される(S46)。まだ、センサレベルが閾値を超えている場合は(S46:NO)、透過型センサ81にはギャップGがまだ対向しているので、S46に戻って処理が繰り返される。
そして、センサレベルが閾値以下の場合(S46:YES)、透過型センサ81に対して、ギャップGが通過し、ラベル3Cが対向しているので、搬送が一時停止される(S47)。このとき、プラテンローラ26を駆動するためのシート送りモータ72の停止動作によって、僅かにスルーダウンしながらプラテンローラ26が停止する。
次に、図22に示すように、逆転搬送されたラベルシート3Aが正転搬送される(S48)。このとき、シート送りモータ72の駆動動作によって、前記スルーダウンと同距離だけスルーアップしながらプラテンローラ26が回転する。さらに、透過型センサ81によって検出されたセンサレベルが閾値以上か否かが判断される(S49)。そして、センサレベルが閾値未満の場合(S49:NO)、透過型センサ81にギャップGがまだ対向していないので、S49に戻って処理が繰り返される。そして、センサレベルが閾値以上の場合(S49:YES)、透過型センサ81にギャップGが対向しているので、搬送されながらギャップGにおける剥離紙3Bの不透明度に応じてセンサレベルが検出され、そのセンサレベルがRAM86のセンサレベル記憶エリア86dに随時記憶される(S50)。
次いで、センサレベルが閾値以下か否かが判断される(S51)。ここで、センサレベルが閾値を超えている場合(S51:NO)、透過型センサ81にはギャップGがまだ対向しているので、S50に戻って、センサレベルの検出及び記憶が継続して実行される。そして、センサレベルが閾値以下になった場合(S51:YES)、ギャップGにおける剥離紙3Bのセンサレベルが検出され、RAM86のセンサレベル記憶エリア86dに記憶されたので、その中からセンサレベルの最大値が確定される(S52)。次いで、その確定されたセンサレベルの最大値を元に補正値d’が算出され、その算出された補正値d’が予め設定された所定距離dから差し引かれることによって、補正搬送距離Dが算出される(S53)。なお、補正搬送距離Dの算出方法は上記説明した通りである。
そして、センサレベルが閾値未満になった地点からラベルシート3Aが補正搬送距離Dだけ搬送される(S54)。つまり、予め設定された所定距離dだけ搬送するのではなく、ギャップGにおけるセンサレベルの最大値に応じて補正された補正搬送距離Dだけ搬送されることによって、ラベル3Cの先頭位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。その後、サーマルヘッド31による印字動作が実行されるので(S55)、ラベル3Cの先頭位置には、所望の文字、図形等が印刷される。そして、全ての印字が終了したら(S56)、サーマルヘッド31による印字動作が終了し、プラテンローラ26の駆動が停止される(S57)。こうして、ラベルシート3Aの搬送が停止され、処理が終了する。
次に、透過型センサ81にギャップGが最初から対向している場合(S42:YES)について説明する。図21に示すように、この場合も、上記理由と同様に、ラベルシート3Aが逆転搬送される(S45)。そして、センサレベルは既に閾値よりも高いため、逆転搬送を継続しながら、センサレベルが閾値以下になったか否かが判断される(S46)。まだ、センサレベルが閾値以下になっていない場合(S46:NO)、透過型センサ81にはギャップGが対向しているので、逆転搬送されながら、S46に戻って処理が繰り返される。そして、検出値が閾値以下になった場合(S46:YES)、透過型センサ81に対して、ギャップGが通過し、ラベル3Cが対向しているので、搬送が一時停止される(S47)。なお、この後の処理は上記説明した流れと同じである。
なお、上記した第3の実施形態の説明において、図18に示す透過型センサ81が本発明の「検出手段」に相当し、図19に示すRAM86の閾値記憶エリア86cが本発明の「閾値記憶手段」に相当し、センサレベル記憶エリア86dが本発明の「検出値記憶手段」に相当する。さらに、図22に示すS52の処理を実行するCPU82が本発明の「決定手段」に相当し、S51の処理を実行するCPU82が本発明の「判断手段」に相当し、S54の処理を実行するCPU82が本発明の「搬送指示手段」に相当し、S53の処理を実行するCPU82が本発明の「距離補正手段」に相当する。
以上説明したように、第3の実施形態のテープ印刷装置200では、ラベルシート3Aのラベル3C間のギャップGを、透過型センサ81で検出し、剥離紙3Bの不透明度の差に対応する補正搬送距離Dを算出してラベルシート3Aを搬送することで、ラベル3Cの印字開始位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。補正搬送距離Dは、予め決められた所定距離dに対して、ギャップGにおけるセンサレベルの最大値に基づいて算出される補正値d’が差し引かれることによって算出される。これにより、剥離紙3Bの不透明度の差によって生じる印字開始位置のずれが補正されるので、ラベル3Cの先頭位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。
次に、第3の実施形態の変形例について説明する。この変形例では、ラベルシート3Aを逆転搬送せずに、最初から正転搬送することによって、印字開始までの時間を短縮できる点に特徴がある。なお、変形例では、第3の実施形態のテープ印刷装置200の構成と同じであるので、第3の実施形態の符号と同符号を用いて説明し、第3の実施形態と異なるCPU82の位置制御についてのみ説明する。
CPU82によるラベルシート3Aの位置制御の変形例について、図23のフローチャートを参照して説明する。はじめに、ラベルシート3Aの位置を検出するために、透過型センサ81によって、ラベルシート3Aのセンサレベルが検出される(S60)。なぜなら、透過型センサ81の真下にギャップGが対向しているか、又はラベル3Cが対向しているかによって、それ以降の制御が変わるからである。ここでは、発光素子81aから照射され、ラベルシート3Aを透過した透過光が受光素子81bによって検出され、その光量に応じたセンサレベルが出力される。次いで、透過型センサ81によって検出されたセンサレベルと、RAM86の閾値記憶エリア86cに記憶された閾値との対比がなされ、透過型センサ81の真下にギャップGが位置しているか否かが判断される(S61)。ここで、センサレベルが閾値未満の場合は(S61:NO)、透過型センサ81にはラベル3Cが対向し、またセンサレベルが閾値以上の場合は(S61:YES)、透過型センサ81にはギャップGが対向していると判断される。
まず、透過型センサ81にラベル3Cが対向している場合(S61:NO)について説明する。この場合、まず、ラベルシート3Aが正転搬送される(S62)。次いで、センサレベルが閾値以上か否かが判断される(S65)。まだ、センサレベルが閾値未満の場合(S65:NO)、透過型センサ81に、ギャップGがまだ対向していないので、S65に戻って処理が繰り返される。そして、センサレベルが閾値以上になった場合(S65:YES)、透過型センサ81にギャップGが対向している。そこで、透過型センサ81にギャップGが対向した地点から剥離紙3Bの不透明度の差異に応じてセンサレベルが検出され(S66)、そのセンサレベルがRAM86のセンサレベル記憶エリア86dに随時記憶される。
次いで、センサレベルが閾値以下か否かが判断される(S67)。ここで、センサレベルが閾値を超えている場合(S67:NO)、透過型センサ81には、まだギャップGが対向しているので、S66に戻って、センサレベルの検出及び記憶が継続して実行される。そして、センサレベルが閾値以下になった場合(S67:YES)、ギャップGにおけるセンサレベルが検出され、RAM86のセンサレベル記憶エリア86dに記憶されたので、その中からセンサレベルの最大値が確定される(S68)。次いで、その確定されたセンサレベルの最大値を元に補正値d’が算出され、その算出された補正値d’が予め設定された所定距離dから差し引かれることによって、補正搬送距離Dが算出される(S69)。なお、補正搬送距離Dの算出方法は上記説明した通りである。
そして、センサレベルが閾値以下になった地点からラベルシート3Aが補正搬送距離Dだけ搬送される(S70)。つまり、予め設定された所定距離dだけ搬送するのではなく、ギャップGにおける剥離紙3Bの不透明度の差異に応じて補正された補正搬送距離Dだけ搬送されることによって、ラベル3Cの先頭位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。その後、サーマルヘッド31による印字動作が実行されるので(S71)、ラベル3Cの先頭位置には、所望の文字、図形等が印刷される。そして、全ての印字が終了したら、サーマルヘッド31による印字動作が終了し(S72)、プラテンローラ26の駆動が停止される(S73)。こうして、ラベルシート3Aの搬送が停止され、処理が終了する。
次に、透過型センサ81にギャップGが最初から対向している場合(S61:YES)について説明する。この場合も前記と同様に、ラベルシート3Aが正転搬送される(S63)。しかしながら、透過型センサ81に剥離紙3Bが対向している前記の場合と異なり、透過型センサ81にギャップGが既に対向しているので、そのギャップGからセンサレベルの最大値を確定することはできない。つまり、現在対向しているギャップGの搬送方向上流側のギャップGからセンサレベルを検出する必要がある。このため、正転搬送を継続しながら、センサレベルが閾値以下になったか否かが判断される(S64)。そして、センサレベルが閾値を超えている場合(S64:NO)、透過型センサ81には最初のギャップGがまだ対向しているので、正転搬送されながら、S64に戻って処理が繰り返される。
そして、検出値が閾値以下になった場合(S64:YES)、透過型センサ81に対して、最初のギャップGが通過し、ラベル3Cが対向している。したがって、透過型センサ81に次のギャップGを対向させるため、次に、センサレベルが閾値以上か否が判断される(S65)。そして、センサレベルが閾値未満の場合(S65:NO)、透過型センサ81に、ギャップGがまだ対向していないので、S65に戻って処理が繰り返される。そして、センサレベルが閾値以上の場合(S65:YES)、透過型センサ81に次のギャップGが対向している。そこで、透過型センサ81に次のギャップGが対向した地点から剥離紙3Bの不透明度に応じてセンサレベルが検出され、そのセンサレベルがRAM86のセンサレベル記憶エリア86dに随時記憶される(S66)。
次いで、センサレベルが閾値以下か否かが判断される(S67)。ここで、センサレベルが閾値を超えている場合(S67:NO)、透過型センサ81にはギャップGがまだ対向しているので、S66に戻って、センサレベルの検出及び記憶が継続して実行される。そして、センサレベルが閾値以下になった場合(S67:YES)、ギャップGにおける剥離紙3Bのセンサレベルが検出され、RAM86のセンサレベル記憶エリア86dに記憶されたので、その中からセンサレベルの最大値が確定される(S68)。次いで、その確定されたセンサレベルの最大値を元に補正値d’が算出され、その算出された補正値d’が予め設定された所定距離dから差し引かれることによって、補正搬送距離Dが算出される(S69)。なお、補正搬送距離Dの算出方法は上記説明した通りである。
そして、センサレベルが閾値未満になった地点からラベルシート3Aが補正搬送距離Dだけ搬送される(S70)。つまり、予め設定された所定距離dだけ搬送するのではなく、ギャップGにおける剥離紙3Bの不透明度の差異に応じて補正された補正搬送距離Dだけ搬送されることによって、ラベル3Cの先頭位置をサーマルヘッド31に確実に合わせることができる。その後、サーマルヘッド31による印字動作が実行されるので(S71)、ラベル3Cの先頭位置には、所望の文字、図形等が印刷される。そして、全ての印字が終了したら(S72)、サーマルヘッド31による印字動作が終了し(S73)、プラテンローラ26の駆動が停止される。こうして、ラベルシート3Aの搬送が停止され、処理が終了する。
なお、上記した第3の実施形態の変形例の説明において、図23に示すS68の処理を実行するCPU82が本発明の「決定手段」に相当し、S67の処理を実行するCPU82が本発明の「判断手段」に相当し、S70の処理を実行するCPU82が本発明の「搬送指示手段」に相当し、S69の処理を実行するCPU82が本発明の「距離補正手段」に相当する。
以上説明したように、第3の実施形態の変形例では、CPU82による位置制御において、ラベルシート3Aを最初から正転搬送させることによって、ギャップGにおける剥離紙3Bのセンサレベルの最大値を速やかに検出できるので、印字開始までの時間を短縮することができる。さらに連続して印字する場合には、印刷時間を大幅に短縮できるため特に有効である。
なお、本発明の印刷装置は、上記した第1乃至第3の実施形態及び変形例に限らず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、第1の実施形態では、印字媒体としてダイカットラベルシートを使用したが、エンコーダマークが印刷された無定長ロールシート、光沢フォトロールシート、半透明ロールシート、表面光沢シート等の各種印字媒体にも適用可能である。
また、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)のインクで、テープの同一位置へ各色を用いて3度印字を重ねるカラーテーププリンタに適用すると、色ずれが低減でき、印字画質の向上が可能となる。
本発明の印刷装置は、フォトセンサでラベルシートの位置制御を行う印刷装置に適用可能である。
テープ印刷装置1の斜視図である。 テープ印刷装置1にラベルシート3Aが装着された状態を示す斜視図(上カバー14省略)である。 テープ印刷装置1の左側上方から見た斜視図(上カバー14省略)である。 図3に示す一点鎖線で囲まれたW部分の拡大斜視図である。 テープ印刷装置1の右側断面図である。 図5に示すプラテンローラ26の周囲の部分拡大図である。 ラベルシート3Aが装着されたロールシートホルダ3の前側上方から見た斜視図である。 ラベルシート3Aが装着されたロールシートホルダ3の下側後方から見た斜視図である。 テープ印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。 ラベルシート3Aの剥離紙3B側から見た平面図である。 エンコーダマーク5付近におけるセンサレベルの変化を示したグラフである。 CPU62によるラベルシート3Aの位置制御を示すフローチャートである。 図12の続きを示すフローチャートである。 CPU62によるラベルシート3Aの位置制御の変形例を示すフローチャートである。 テープ印刷装置100の反射型センサ51周囲の部分拡大断面図(第2の実施形態)である。 ラベルシート3Aのラベル3C側から見た平面図(第2の実施形態)である。 ギャップG付近におけるセンサレベルの変化を示したグラフ(第2の実施形態)である。 テープ印刷装置200の透過型センサ81周囲の部分拡大断面図(第3の実施形態)である。 テープ印刷装置200の電気的構成を示すブロック図である。 ギャップG付近におけるセンサレベルの変化を示したグラフ(第3の実施形態)である。 CPU82によるラベルシート3Aの位置制御の変形例を示すフローチャート(第3の実施形態)である。 図21の続きを示すフローチャート(第3の実施形態)である。 CPU82によるラベルシート3Aの位置制御の変形例を示すフローチャート(第3の実施形態)である。
符号の説明
1 テープ印刷装置
3A ラベルシート
3B 剥離紙
3C ラベル
5 エンコーダマーク
11 反射型センサ
11a 発光素子
11b 受光素子
25 シート案内路
26 プラテンローラ
31 サーマルヘッド
51 反射型センサ
51a 発光素子
51b 受光素子
61 制御回路部
62 CPU
66 RAM
66c 閾値記憶エリア
66d センサレベル記憶エリア
66e 補正搬送距離記憶エリア
72 シート送りモータ
81 透過型センサ
81a 発光素子
81b 受光素子
82 CPU
86 RAM
86c 閾値記憶エリア
86d センサレベル記憶エリア
86e 補正搬送距離記憶エリア
100 テープ印刷装置
200 テープ印刷装置

Claims (4)

  1. 剥離紙の表面に複数のラベルが前記剥離紙の長手方向に沿って剥離可能に接着された長尺状のラベルシートを搬送する搬送手段と、当該搬送手段によって搬送される前記ラベルシートの搬送経路に設けられ、前記ラベルの表面に文字や図形を印字する印字手段とを備えた印刷装置であって、
    前記搬送経路における前記印字手段の上流側に設けられ、前記ラベルシートの長手方向に沿って、前記ラベルシートの所定領域内における反射度又は透過度を検出する検出手段と、
    前記反射度又は前記透過度の閾値を記憶する閾値記憶手段と、
    前記検出手段の検出値を記憶する検出値記憶手段と、
    当該検出値記憶手段に記憶された前記検出値の最小値又は最大値を決定する決定手段と、
    前記検出手段の前記検出値が、前記閾値記憶手段に記憶された前記閾値に達したか否かを判断する判断手段と、
    当該判断手段によって、前記検出値が前記閾値に達したと判断された場合に、前記ラベルの印字開始位置が前記印字手段に対向するように、前記ラベルシートを前記印字手段側に所定距離だけ搬送させることを前記搬送手段に指示する搬送指示手段と、
    前記決定手段によって決定された前記最小値又は前記最大値に基づいて、前記所定距離を補正する距離補正手段と
    を備えていることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記所定領域は、前記剥離紙の裏面又は表面に設けられた検出用マークを含む領域、又は前記ラベル同士の間に設けられた所定のギャップを含む領域であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記検出手段は、発光素子と、当該発光素子から照射され、前記所定領域に反射する反射光を検出する受光素子とを備え、当該受光素子に検出された前記反射光のレベルに応じて電圧を出力する反射型センサであって、
    前記検出値記憶手段には、前記反射光のレベルに応じた電圧値が記憶されることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記検出手段は、発光素子と、当該発光素子から照射され、前記所定領域を透過する透過光を検出する受光素子とを備え、当該受光素子に検出された前記透過光のレベルに応じて電圧を出力する透過型センサであって、
    前記検出値記憶手段には、前記透過光のレベルに応じた電圧値が記憶されることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置
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