JP2013032262A - 表面処理されたシリカ粒子の製造方法、シリカ粒子分散体、及び樹脂組成物 - Google Patents

表面処理されたシリカ粒子の製造方法、シリカ粒子分散体、及び樹脂組成物 Download PDF

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良 水口
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祐章 宇佐見
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純司 山口
Hitoshi Sekine
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Abstract

【課題】 本発明では、分散安定性に優れ、硬度の高いフィルムを調整する際に好ましく用いることのできるシリカ粒子の製造方法、及び当該シリカ粒子が分散された分散体を含む硬化性樹脂組成物の硬化物である硬度の高いフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 上記の課題を解決するため、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及びトリアルキルシリル基を有する化合物で表面処理されたシリカ粒子の製造方法を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物で表面処理されたシリカ粒子の製造方法、該シリカ粒子を分散させてなる分散体、該分散体を含む硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化膜、及び該硬化膜をフィルム状基材上に有するフィルムに関する。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化塗膜の硬度を上げるには活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、シリカ微粒子を分散させる方法がある。シリカ微粒子には湿式法で製造されるコロイダルシリカや、乾式法で製造されるフュームドシリカがある。シリカ微粒子の表面にはシラノール基があり、シリカ微粒子は親水性である。その為、活性エネルギー線硬化型モノマーやオリゴマー等の組成物中の主成分である有機相となじみが悪い。また、シリカ微粒子は有機相に比較して比重が大きい。その為、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中にシリカ微粒子を長期間にわたり安定して分散させることは一般に困難であり、シリカ微粒子を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、長期間放置するとシリカ微粒子が凝集や沈降するなど、貯蔵安定性に劣る。加えて、シリカ微粒子は通常、一次粒子間に働く分子間力や静電気力などにより強く凝集しており、このことも貯蔵安定性に悪影響を与えている。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中にシリカ微粒子を安定して分散させる方法として、例えば、シリカ微粒子を、疎水性基を有する反応性シランカップリング剤で表面処理することでシリカ微粒子の表面を疎水性化する方法が記載されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された方法により得られるシリカ微粒子でも活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中での分散安定性は十分ではなく、また、ヘイズ、指紋拭き取り性、油性染料拭き取り性の各評価の記載はあるが、明確な硬化物の硬度については記載がない。
また、特許文献2及び3には、シリカ粒子の分散性を向上させるため、親水性シリカゾルをヘキサメチルジシラザンで表面処理を行う方法が記載されている。
特開2006−348196号公報 特開2006−169096号公報 特開2007−039323号公報
以上の背景技術を鑑みると、分散安定性に優れ、高硬度を有するフィルムを調整する際に好ましく用いることのできるシリカ粒子は、これまで存在していなかった。
そこで、本発明の課題は、分散安定性に優れ、高硬度を有するフィルムを調整する際に好ましく用いることのできるシリカ粒子の製造方法を提供することにある。
更には、当該シリカ粒子が分散された分散体を含む硬化性樹脂組成物を提供することにより、該組成物の硬化物である高硬度のフィルムをも提供することをも課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討した結果、一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基を有する化合物
Figure 2013032262
(式中、R、R、Rは、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)、及びトリアルキルシリル基を有する化合物で表面処理されたシリカ粒子の製造方法を提供することにより上記課題を解決した。
本発明によれば、分散安定性に優れ、高硬度を有するフィルムを調整する際に好ましく用いることのできるシリカ粒子の提供が可能となり、該シリカ粒子が分散された分散体を含む硬化性樹脂組成物を提供することにより、該組成物の硬化物である高硬度のフィルムを提供することができる。
即ち、本発明は、
1.一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基を有する化合物
Figure 2013032262
(式中、R、R、Rは、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)、及びトリアルキルシリル基を有する化合物で表面処理されたシリカ粒子(A)の製造方法において、
表面処理前のシリカ粒子(B)に一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させた後にトリアルキルシリル基を有する化合物を反応させて得られるシリカ粒子分散体(C)を噴霧乾燥する工程を含むことを特徴とするシリカ粒子(A)の製造方法、
2.トリアルキルシリル基を有する化合物が、ヘキサメチルジシラザンである1.に記載の3.1.又は2.に記載の製造方法で得られるシリカ粒子(A)を、活性エネルギー線硬化性化合物又は有機溶剤に分散させてなるシリカ粒子分散体(D)、
4.活性エネルギー線硬化性化合物が、2個以上の重合性不飽和基を有するものである3.に記載のシリカ粒子分散体(D)、
5.3.又は4.に記載のシリカ粒子分散体(D)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、
6.5.に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化膜、
7.6.に記載の硬化膜をフィルム状基材上に有することを特徴とするフィルム、
8.前記フィルム状基材が、ポリエチレンテレフタレート樹脂のフィルム状基材、ポリカーボネート樹脂のフィルム状基材及びアセチル化セルロース樹脂のフィルム状基材からなる群から選ばれる一種以上のフィルム状基材である7.に記載のフィルム、
9.前記硬化膜の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して3〜100%である7.又は8.に記載のフィルム、
に関する。
本発明のシリカ粒子(A)は、一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基を有する化合物
Figure 2013032262
(式中、R、R、Rは、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)、及びトリアルキルシリル基を有する化合物で表面処理されていることに特徴を有する。
本発明で使用される(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、一般式(1)
Figure 2013032262
(式中、R、R、Rは、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)
で表される化合物が特に好ましい。
表面処理前のシリカ粒子(B)の表面には、(メタ)アクリロイル基を有する化合物と化学結合を形成する基を有することが必要で、シラノール基が結合を形成する基として機能する。化学結合を形成するための反応条件は、慣用の反応条件でよく、反応を促進させるために触媒を用いても良い。用いられる触媒に制限はないが、酸、塩基、金属錯体を添加してもよい。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;メタンスルフォン酸、トルエンスルフォン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸を、塩基としては、例えば、アンモニア水、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の1級、2級又は3級脂肪族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド類等を、また、金属錯体としては、アセチルアセトネートのアルミニウム、コバルト、マンガン等の金属錯体挙げることができる。
シリカ粒子(B)は、特に限定はないが、好ましい一次粒子径は、10〜300nmの範囲を挙げることができる。10nm以下であると、分散体中の無機粒子の分散が不十分となり、300nm以上であると、硬化膜の十分な強度が保持できないため好ましくない。
本発明のシリカ粒子(A)は、更にトリアルキルシリル基を有する化合物で表面処理されている特徴を有する。
これらのトリアルキルシリル基を有する化合物は、シリカ粒子(B)の有するシラノール基と反応する化合物であれば、特に制限はないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルはライド、トリエチルシリルハライド、ジメチルt−ブチルシリルハライド等のトリアルキルシリルハライド等を挙げることができるが、反応性、反応後の後処理の簡便さから、ヘキサメチルジシラザンが特に好ましい。
これらのトリアルキルシリル基を有する化合物とシリカ粒子(B)との反応条件は、用いる反応剤によって異なるが、公知慣用の反応条件を適宜選択して行うことができる。
シリカ粒子(A)の表面処理は、表面処理されていないシリカ粒子(B)と、一般式(1)で表される化合物、トリアルキルシリル基を有する化合物とを順次反応させてもよいし、一般式(1)で表される化合物、トリアルキルシリル基を有する化合物の両者の存在下に反応させてもよい。順次、反応させる場合には、先に一般式(1)で表される化合物と反応させた後に、トリアルキルシリル基を有する化合物を反応させることが好ましい。反応させる順序を、先にトリアルキルシリル基を有する化合物と反応させ、その後に一般式(1)で表される化合物と反応させると、一般式(1)で表される化合物との反応が不十分となり、シリカ粒子を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化膜に十分な硬度が発現しない。
例えば、一般式(1)で表される化合物としてメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、トリアルキルシリル基を有する化合物としてヘキサメチルジシラザンを用いた場合の反応条件として、通常、反応温度は0〜100℃、反応時間は1〜20時間を挙げることができる。反応終了後は、分散液が得られるので、該分散液を、例えばろ過法により表面処理されたシリカ粒子を得ることができる。
本発明の製造方法の特徴は、表面処理前のシリカ粒子(B)に一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させた後にトリアルキルシリル基を有する化合物を反応させて得られるシリカ粒子分散体(C)を噴霧乾燥する工程を含むことにある。
噴霧乾燥する工程に限定はなく、公知慣用の方法で行うことができる。
例えば、本発明のシリカ粒子(A)は、シリカ粒子分散体(C)を一般的な熱風乾燥装置に供して得ることもできるが、通常は塊状の乾燥固形物として得られるため、分散体(C)を得る際に、これを粉砕装置に供して適度に粉砕しておくことが必要となる。
しかし、その操作が煩雑であるばかりでなく、工程時間がかかるためスプレードライヤーを用いて前記分散体(C)を噴霧乾燥することが好ましい。なお、このスプレードライヤーを使用すれば、前記固形分の乾燥と粒状化を同時に行うことができる。
前記スプレードライヤーとしては、公知慣用のもの(ディスク回転式やノズル式等のスプレードライヤー)を使用することができる。
また、この噴霧乾燥は、従来公知の方法を用いて前記シリカスラリーを熱風気流中に噴霧することによって行われる。スプレードライヤー装置としては、例えば、大川原化工機株式会社製のCNL−03や藤崎電機株式会社製のMDL−015などがあげられるが、これらに限らない。
シリカ粒子(A)の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得るには、(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する化合物と、表面処理されたシリカ粒子との分散体を調整する。
前記(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する化合物としては、例えば、活性エネルギー線硬化型モノマー又は活性エネルギー線硬化型オリゴマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型モノマーとしては、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールにカプロラクトン付加した化合物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールメタン、及びそれらに1〜20モルのアルキレンオキサイドを付加させた水酸基含有化合物などの水酸基を3つ以上有する化合物に(メタ)アクリル酸が3分子以上エステル結合した化合物等が挙げられる。
前記活性エネルギー線硬化型オリゴマーとしては、例えば、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等からなる群から選ばれる1種以上の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソシアネート化合物を水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と反応せしめてなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで用いるイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂肪族若しくは脂環式のジイソシアネート化合物;トルエンジイソシアネート、4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ジイソシアネート化合物の3量体であるイソシアヌレート型イソシアネートプレポリマー等が挙げられる。また、該多官能ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際に、イソシアネート化合物と反応せしめる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の一部を2価〜4価のアルコール又はポリオール化合物で置換して重合せしめたものでも良い。
また、エステルアクリレートとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化水添ビスフェノールA、プロポキシ化ビスフェノールA、プロポキシ化水添ビスフェノールA及び2価以上の多価アルコールから選ばれる1種以上と、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などに代表される多塩基酸から選ばれる1種以上をエステル化反応せしめて得られる水酸基を有するエステルポリオールをさらに(メタ)アクリレート化した多官能エステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
更に、エポキシアクリレートとしては、例えば、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールAなどの2価のアルコールのトリグリシジルエーテル化物等のジエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られる2価のエポキシ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパン、エトキシ化トリメチロールプロパン、プロポキシ化トリメチロールプロパン、グリセリンなどの3価アルコールをエポキシ化して得られるエポキシ化合物に、(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られる平均3個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するエポキシトリ(メタ)アクリレート化合物;少なくとも1個の芳香環を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体にグリシジルエーテルを反応せしめたエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られるフェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能芳香族エポキシアクリレート;これら多官能芳香族エポキシアクリレートの水添タイプである多官能脂環式エポキシアクリレート;さらに分子中に存在する2級の水酸基とジイソシアネート化合物の片方のイソシアネート基でウレタン化した後、残存する片末端のイソシアネート基と水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン変性エポキシアクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、それぞれ、平均3個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有する、エステルアクリレートとウレタンアクリレートは、硬化塗膜の耐摩耗性が良好なため、特に好ましい。
シリカ粒子(A)の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、重合性基を有する化合物10〜90質量部とシリカ粒子(A)90〜10質量部とを、シリカ粒子(A)との合計の濃度が1〜50質量%となるように分散媒(有機溶剤)で希釈して、機械的手段を用いて分散させる方法が挙げられる。また、シリカ粒子(A)の濃度が1〜80質量%となるように分散媒(有機溶剤)で希釈して、機械的手段を用いて分散させたあとに、(メタ)アクリロイル基等重合成基を有する化合物を加える方法が挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等の環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類が挙げられ、これらを単独又は併用して使用可能であるが、中でも、(メタ)アクリロイル基等重合成基を有する化合物が可溶な有機溶媒が好ましい。
機械的手段としては、例えば、ディスパー、タービン翼等攪拌翼を有する分散機、ペイントシェイカー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等が挙げられる。
前記ビーズミルとしては、例えば、アシザワ・ファインテック(株)製のスターミル;三井鉱山(株)製のMSC−MILL、SC−MILL、アトライター MA01SC;浅田鉄工(株)のナノグレンミル、ピコグレンミル、ピュアグレンミル、メガキャッパーグレンミル、セラパワーグレンミル、デュアルグレンミル、ADミル、ツインADミル、バスケットミル、ツインバスケットミル:寿工業(株)製のアペックスミル、ウルトラアペックスミル、スーパーアペックス等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られた分散体(D)は、他の化合物と混合することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とすることができる。これらの化合物としては前記した活性エネルギー線硬化型モノマー、活性エネルギー線硬化型オリゴマー、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、2−(2’−キサンテンカルボキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−o−ニトロベンジロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。
前記シリコン系添加剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体など如きアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン類が挙げられる。
上記した如き種々の添加剤の使用量としては、その効果を十分発揮し、また紫外線硬化を阻害しない範囲であることから、該注型重合用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対し、それぞれ0.01〜10質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の分散体(D)に加えることができる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;
キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのキサントン、チオキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;
ベンジル、ジアセチルなどのα-ジケトン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィドなどのスルフィド類;4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸類;
3,3’-カルボニル-ビス(7-ジエチルアミノ)クマリン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフオリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリルニ量体、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−[ジ−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−エトキシ)フェニル−S−トリアジンアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン等が挙げられる。
前記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。その使用量は特に制限はないが、感度を良好に保ち、結晶の析出、塗膜物性の劣化等防止するため、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対して0.05〜20質量部用いることが好ましく、なかでも0.1〜10質量部が特に好ましい。
前記光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンの群から選ばれる1種または2種類以上の混合系が、硬化性が高いコーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が得られるため特に好ましい。
前記光重合開始剤の市販品としては、例えば、Irgacure−184、同149、同261、同369、同500、同651、同754、同784、同819、同907、同1116、同1664、同1700、同1800、同1850、同2959、同4043、Darocur−1173(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASFF社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA〔日本化薬(株)製〕、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD製)、SANDORY 1000(SANDOZ Co.LTD製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、QUANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP Co.LTD製)等が挙げられる。
さらに、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物では、前記光重合開始剤に種々の光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、例えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物またはニトリル類若しくはその他の含窒素化合物等が挙げられる。
更に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、フィルム基材への接着性改良等を目的としてその他の樹脂を併用することができる。
前記その他の樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート系共重合物等のアクリル樹脂;ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン系共重合物;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリブタジエンやブタジエン−アクリロニトリル系共重合物などのポリブタジエン樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られる分散体を用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は,特に、フィルム基材等の薄膜のプラスチック基材への塗工した際にも硬度が得られ、且つ、硬化の際も低収縮でフィルムの反り(カール)が少ない特徴を有する。また、従って、フィルム基材のコーティングに好適に用いることができる。
前記フィルム基材に塗布する際の塗布量としては、例えば、各種フィルム基材上に、乾燥後の質量が0.1〜30g/m、好ましくは1〜20g/mになるように塗布するのが好ましい。また、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して3%以上であるフィルムがハードコートとしての硬度を達成しやすいことから好ましい。中でも、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して3〜100%であるフィルムがより好ましく、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して5〜100%であるフィルムが更に好ましく、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して5〜50%であるフィルムが特に好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布するフィルム状基材としては、各種公知の基材に用いることができる。具体的には、例えば、プラスチックフィルム状基材等が挙げられる。プラスチックフィルム状基としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン、ポリイミド樹脂等のフィルム基材等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されず公知の方法を採用することができ、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
照射する活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線により硬化させる場合、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整されるが、高圧水銀灯を使用する場合、通常80〜160W/cmの光量を有したランプ1灯に対して搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合、通常10〜300kVの加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前述の通り、硬化時の収縮性が少なく、且つ、硬度も高い。その為、該組成物を用いることにより、フィルム基材上に該組成物の硬化層を設けたフィルムを提供することができる。このようなフィルムは、例えば、偏光板保護フィルム、タッチパネル等の光学物品用ハードコートフィルムに代表される各種保護フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルムやプリズムシートのバックコーティング等に好適に使用できる。
加えて、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は上記偏光版、タッチパネル等の平面状の物品を保護する保護フィルムとしてだけでなく、上記平面状の物品以外のプラスチック物品、例えば、携帯電話等の家電製品や自動車のバンパー等の成形品の表面を保護する為にも好適に用いられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて成形品の表面を保護する保護層を形成する方法には塗装法、転写法、シート接着法等が挙げられる。
塗装法は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる塗装剤をスプレーコートするか、若しくはカーテンコーター、ロールコーター、グラビアコーター等の印刷機器を用いて成形品にトップコートとして塗装せしめた後、活性エネルギー線を照射してトップコートを架橋する方法である。
転写法は、離型性を有する基体シート上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が塗装された転写材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離する事により成型品表面にトップコートを転写し、次いで活性エネルギー線を照射して架橋塗膜を作製する、或いは、該転写材を成形品表面に接着させた後、活性エネルギー線を照射して架橋塗膜を作製し、次いで基体シートを剥離する事により成型品表面にトップコートを転写する方法である。
そして、シート接着法は、基体シート上に保護層と必要に応じて加飾層とを有する保護シートをプラスチック成形品に接着することにより成形品表面に保護層を形成する方法である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。例中の部及び%は、特に記載のない限り、すべて質量基準である。
(実施例1)
市販の酸性水性シリカゾル(商品名:スノーテックスO、日産化学工業(株)製)、SiO濃度20質量%、PH3、粒子径12nm)をSiO濃度を40質量%まで濃縮したシリカゾル625g、イソプロピルアルコール1125gを攪拌機、滴下漏斗、冷却管、温度計を備えた2リットルのガラス製反応容器中で室温、空気をバブリングしながら攪拌する。 そして、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM503信越化学工業(株)製)23.46gを滴下し、78℃まで昇温し、4時間攪拌を続けシリカゾルの疎水化処理を行う。その後、内温を70℃まで降温し、ヘキサメチルジシラザン(商品名:LS−7150、信越化学工業(株)製)34.32gを滴下し、2時間攪拌を行った。
得られたシリカ分散体(C)を、藤崎電機(株)製噴霧式乾燥装置マイクロミストスプレードライヤ(MDL−050M)を用いて、供給量40mL/min、入口温度100℃の条件でスプレードライにより、白色のシリカ粒子(A)を得た。
上記シリカ粒子(A)を15g、MIBK35g、100μmのジルコニアビーズ60gを100mLのポリ瓶に仕込み、ペイントコンディショナーで2時間分散を行ったところ、動的光散乱測定から求めた分散粒径が、70nmのシリカ分散体(C)を得た。
次に、得られたシリカ分散体(C)6.67gとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:ライトアクリレートDPE−6A、共栄社(株)製)2g、イルガキュア#184(光開始剤)0.16gを加えて、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は室温(25℃)に2ヶ月保管しても沈降物が発生することなく保存安定性が良好であった。また、下記条件にて硬化塗膜を作製し、鉛筆硬度を測定したところ、4Hであった。
(実施例2)
市販の酸性水性シリカゾル(商品名:スノーテックスO、日産化学工業(株)製)、SiO濃度20質量%、PH3、粒子径12nm)をSiO濃度を40質量%まで濃縮したシリカゾル625g、イソプロピルアルコール1125gを攪拌機、滴下漏斗、冷却管、温度計を備えた2リットルのガラス製半応容器中で室温、空気をバブリングしながら攪拌する。 そして、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM503信越化学工業(株)製)11.73gを滴下し、78℃まで昇温し、4時間攪拌を続けシリカゾルの疎水化処理を行う。その後、内温を70℃まで降温し、ヘキサメチルジシラザン(商品名:LS−7150、信越化学工業(株)製)45.76gを滴下し、2時間攪拌を行った。
得られたシリカ分散体(C)を、藤崎電機(株)製噴霧式乾燥装置マイクロミストスプレードライヤ(MDL−050M)を用いて、供給量40mL/min、入口温度100℃の条件でスプレードライにより、白色のシリカ粒子(A)を得た。
上記シリカ粒子(A)を15g、MIBK35g、100μmのジルコニアビーズ60gを100mLのポリ瓶に仕込み、ペイントコンディショナーで2時間分散を行ったところ、動的光散乱測定から求めた分散粒径が、80nmのシリカ分散体(C)を得た。
次に、得られたシリカ分散体(C)6.67gとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:ライトアクリレートDPE−6A、共栄社(株)製)2g、イルガキュア#184(光開始剤)0.16gを加えて、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は室温(25℃)に2ヶ月保管しても沈降物が発生することなく保存安定性が良好であった。また、下記条件にて硬化塗膜を作製し、鉛筆硬度を測定したところ、4Hであった。
(比較例1)
市販の酸性水性シリカゾル(商品名:スノーテックスO、日産化学工業(株)製)、SiO濃度20質量%、PH3、粒子径12nm)をSiO濃度を40質量%まで濃縮したシリカゾル625g、イソプロピルアルコール1125gを攪拌機、滴下漏斗、冷却管、温度計を備えた2リットルのガラス製半応容器中で室温、空気をバブリングしながら攪拌する。 そして、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM503信越化学工業(株)製)23.46gを滴下し、78℃まで昇温し、4時間攪拌を続けシリカゾルの疎水化処理を行い、シリカスラリーを得た。
得られたシリカスラリーを、藤崎電機(株)製噴霧式乾燥装置マイクロミストスプレードライヤ(MDL−050M)を用いて、供給量40mL/min、入口温度100℃の条件でスプレードライにより、白色のシリカ粒子を得た。
上記シリカ粒子を15g、MIBK35g、100μmのジルコニアビーズ60gを100mLのポリ瓶に仕込み、ペイントコンディショナーで2時間分散を行ったところ、スラリーの粘度が上昇し、シリカ分散体を得ることができなかった。
(比較例2)
市販の酸性水性シリカゾル(商品名:スノーテックスO、日産化学工業(株)製)、SiO濃度20質量%、PH3、粒子径12nm)400g、イソプロピルアルコール120gを攪拌機、滴下漏斗、冷却管、温度計を備えた1リットルのガラス製反応容器中で室温、空気をバブリングしながら攪拌する。そして、内温を60℃まで昇温し、ヘキサメチルジシラザン(商品名:LS−7150、信越化学工業(株)製)36.4gを滴下することにより、シリカゾルが凝集し、白濁化する。さらに、2時間攪拌を続け、スラリー状分散液を得た。得られたスラリーを、桐山漏斗でろ過し固形分をろ別後80℃で真空乾燥することで有機修飾シリカ粉末を80g得た。
上記有機修飾シリカを15g、MIBK35g、100μmのジルコニアビーズ60gを100mLのポリ瓶に仕込み、ペイントコンディショナーで2時間分散を行ったところ、動的光散乱測定から求めた分散粒径が、77nmのシリカ分散体を得た。
次に、得られたシリカMIBK分散体6.67gとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:ライトアクリレートDPE−6A、共栄社(株)製)2g、イルガキュア#184(光開始剤)0.16gを加えて、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は室温(25℃)に2ヶ月保管しても沈降物が発生することなく保存安定性が良好であった。また、下記条件にて硬化塗膜を作製し、鉛筆硬度を測定したところ、2Hであった。
<鉛筆硬度の測定方法>
1.硬化塗膜の作製方法
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(膜厚40um)上にバーコーターで塗布し(膜厚10μm)、70℃で1分乾燥させ、窒素下で高圧水銀灯を用いて200mJ/cmの照射量で通過させて硬化させることにより、硬化塗膜を有する試験片を得た。
2.硬化塗膜の評価方法
上記試験片の硬化被膜をJIS K5400に従い荷重500gの鉛筆引っかき試験によって評価した。
本発明のシリカ粒子を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物はハードコートフィルム材としての利用が可能である。

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基を有する化合物
    Figure 2013032262
    (式中、R、R、Rは、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)、及びトリアルキルシリル基を有する化合物で表面処理されたシリカ粒子(A)の製造方法において、
    表面処理前のシリカ粒子(B)に一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させた後にトリアルキルシリル基を有する化合物を反応させて得られるシリカ粒子分散体(C)を噴霧乾燥する工程を含むことを特徴とするシリカ粒子(A)の製造方法。
  2. トリアルキルシリル基を有する化合物が、ヘキサメチルジシラザンである請求項1に記載のシリカ粒子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られるシリカ粒子(A)を、活性エネルギー線硬化性化合物又は有機溶剤に分散させてなるシリカ粒子分散体(D)。
  4. 活性エネルギー線硬化性化合物が、2個以上の重合性不飽和基を有するものである請求項3に記載のシリカ粒子分散体(D)。
  5. 請求項3又は4に記載のシリカ粒子分散体(D)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化膜。
  7. 請求項6に記載の硬化膜をフィルム状基材上に有することを特徴とするフィルム。
  8. 前記フィルム状基材が、ポリエチレンテレフタレート樹脂のフィルム状基材、ポリカーボネート樹脂のフィルム状基材及びアセチル化セルロース樹脂のフィルム状基材からなる群から選ばれる一種以上のフィルム状基材である請求項7に記載のフィルム。
  9. 前記硬化膜の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して3〜100%である請求項7又は8に記載のフィルム。
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