JP2013035768A - 新規シラン化合物、表面処理された無機粒子、及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents

新規シラン化合物、表面処理された無機粒子、及び硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明では、分散安定性に優れ、高硬度を有する硬化物を調製する際に好ましく用いることのできる新規シラン化合物、及び該シラン化合物で表面処理された無機粒子を提供することを課題とする。更には、当該無機粒子が分散された分散体を含む硬化性樹脂組成物を提供することにより、高い硬度を有する該組成物の硬化物の提供も課題とする。
【解決手段】 3個の重合性不飽和基を有する新規シラン化合物、及び該化合物で表面処理された無機粒子を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、(メタ)アクリロイル基を有する新規シラン化合物、該化合物で表面処理された無機粒子、及び該無機粒子を含む硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物に関する。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化塗膜の硬度や耐候性、耐熱性等の向上のため、組成物に無機金属酸化物微粒子を分散させる方法がある。例えば、広く工業的に使用されている金属酸化物微粒子として、シリカ微粒子が知られている。シリカ微粒子には湿式法で製造されるコロイダルシリカや、乾式法で製造されるフュームドシリカがある。シリカ微粒子の表面にはシラノール基があり、金属酸化物微粒子は親水性である。その為、活性エネルギー線硬化型モノマーやオリゴマー等の組成物中の主成分である有機相となじみが悪い。また、シリカ微粒子は有機相に比較して比重が大きい。その為、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中にシリカ微粒子を長期間にわたり安定して分散させることは一般に困難であり、シリカ微粒子を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、長期間放置するとシリカ微粒子が凝集や沈降するなど、貯蔵安定性に劣る。加えて、シリカ微粒子は通常、一次粒子間に働く分子間力や静電気力などにより強く凝集しており、このことも貯蔵安定性に悪影響を与えている。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中にシリカ微粒子を安定して分散させる方法として、例えば、シリカ等のナノ微粒子を効果的な分散剤と共に、効果的な分散機を用いて活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に分散させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、当方法により得られるシリカ分散体は、分散安定性は付与されているものの、その硬化物の塗膜硬度は不十分である。
一方、表面硬度を高める手法として、分子内に一つの(メタ)アクイリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理したシリカを利用する手法(例えば、特許文献2)が開示されている。しかし、当手法ではシリカ表面に結合しうるシランカップリング剤の量に限界があり、すなわち、硬度を向上させる効果があると考えるシリカ表面の(メタ)アクリロイル基の濃度に限界があることから、この分子内に一つの(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面修飾されたシリカを活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に分散させた分散液の硬化塗膜の硬度は不十分であった。
さらに、前記問題を解決する手段として、分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤にて表面処理したシリカを用いる手法が開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4)。しかしながら、これらのシランカップリング剤は、水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートと、反応性基を有するアルコキシシラン化合物を、分子量の大きい結合基を介して形成されている。すなわち、結合基の母体として、ジイソシアネート化合物や、無水コハク酸等、分子量の大きい反応性化合物を使用することから、反応の結果得られる、複数の(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤の分子量が必然的に大きくなる。
従って、これらのシランカップリング剤の(メタ)アクリロイル基の官能基濃度が低いために、塗膜硬度の向上のための「(メタ)アクリロイル基の多官能化による官能基濃度の増加」効果が限定的で、その結果、これらのシランカップリング剤で表面修飾されたシリカ等を活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に分散させた分散液の硬化塗膜についても、硬度が不十分である事が問題となっていた。
特開2008−169233号公報 特許4397027号公報 特許3035402号公報 特許3972347号公報
以上の背景技術を鑑みると、分散安定性に優れ、高硬度を有する硬化物を調製する際に好ましく用いることのできるシラン化合物、及び該シラン化合物で表面処理された無機粒子はこれまで存在していなかった。そこで、本発明の課題は、分散安定性に優れ、高硬度を有する硬化物を調製する際に好ましく用いることのできる新規シラン化合物、及び該シラン化合物で表面処理された無機粒子を提供することにある。
更には、当該無機粒子が分散された分散体を含む硬化性樹脂組成物を提供することにより、高い硬度を有する該組成物の硬化物の提供も課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討した結果、一般式(1)で表される新規シラン化合物
Figure 2013035768
(Rは、水素原子、又はメチル基、R及びRは、各々独立にメチル基、エチル基、又はプロピル基、mは3〜6の整数、nは、0〜2の整数を表す。)、
及び該化合物で表面処理された無機粒子を提供することにより上記課題を解決した。
本発明によれば、分散安定性に優れ、高硬度を有する硬化物を調製する際に好ましく用いることのできる新規シラン化合物、及び該シラン化合物で表面処理された無機粒子を提供することができる。
即ち、本発明は、
1.一般紙(1)
Figure 2013035768
(Rは、水素原子、又はメチル基、R及びRは、各々独立にメチル基、エチル基、又はプロピル基、mは3〜6の整数、nは、0〜2の整数を表す。)
で表される化合物、
2.1.に記載の化合物で表面処理された無機粒子、
3.無機粒子が、シリカ粒子である2.に記載の無機粒子、
4.2.又は3.に記載の無機粒子を活性エネルギー線硬化性化合物又は有機溶剤に分散させてなる無機粒子分散体、
5.活性エネルギー線硬化性化合物が、2個以上の重合性不飽和基を有する4.に記載の無機粒子分散体、
6.4.又は5.に記載の無機粒子分散体を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、
7.6.に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物、
に関する。
本発明の一般式(1)で表されるシラン化合物は、3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることに特徴を有する。
Figure 2013035768
式中、Rは、水素原子、又はメチル基、R及びRは、各々独立にメチル基、エチル基、又はプロピル基、mは3〜6の整数、nは、0〜2の整数を表す。
一般式(1)で表される化合物は、3個の(メタ)アクリロイル基を有し、無機粒子とのカップリング機能を有する基を備えていれば特に制限はない。本化合物は、3個の(メタ)アクリロイル基を有することにより、(メタ)アクリロイル基の官能基濃度を向上させることが可能となり、従来技術にはない硬度を有する硬化物を提供することができる。
一般式(1)で表される化合物の製造方法の一例として、例えば下式(2)で表される方法を挙げることができる。
Figure 2013035768
即ち、ペンタエリスリトールに、酸性触媒(PTS:p−トルエンスルホン酸)存在下に水酸基の保護を行い化合物(A)とする。化合物(A)の保護されていない水酸基に塩化アリルを反応させて、化合物(B)とする。酸性条件下で、水酸基の脱保護を行なって化合物(C)とした後に、無水メタクリル酸を反応させて化合物(D)とする。更に、アリルエーテル基の二重結合に付加反応を行い、目的とする化合物(E)とする。
本発明では、一般式(1)で表される化合物で無機粒子の表面を処理することに特徴を有する。そのため、無機粒子の表面には、一般式(1)で表される化合物のうちのトリアルコキシシリル基と化学結合を形成する基を有することが必要である。
化学結合を形成するための反応条件は、公知慣用の反応条件でよく、反応を促進させるために触媒を用いても良い。用いられる触媒に制限はないが、酸、塩基、金属錯体を添加してもよい。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;メタンスルフォン酸、トルエンスルホン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸を、塩基としては、例えば、アンモニア水、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の1級、2級又は3級脂肪族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド類等を、また、金属錯体としては、アセチルアセトネートのアルミニウム、コバルト、マンガン等の金属錯体挙げることができる。
無機粒子に特に制限はないが、好ましい一次粒子径は、10〜300nmの範囲を挙げることができる。10nm以下であると、分散体中の無機粒子の分散が不十分となり、300nm以上であると、硬化膜の十分な強度が保持できないため好ましくない。
また、本発明で使用される無機粒子としては、一般式(1)で表される化合物と反応し得る無機粒子であれば、特に制限なく使用することができるが、反応性に優れることから特にシリカ粒子が好ましい。その他、無機粒子としては、ジルコニア微粒子、アルミナ微粒子酸価セリウム微粒子、チタニウム微粒子、又はチタン酸バリウム微粒子等の無機粒子を挙げることができる。
無機粒子の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得るには、一般式(1)で表される化合物で表面処理された無機粒子の活性エネルギー線硬化性化合物又は有機溶剤に分散させた分散体を調製する。
活性エネルギー線硬化性化合物としては、例えば(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有する化合物が好ましく、例えば、以下の活性エネルギー線硬化型モノマー又は活性エネルギー線硬化型オリゴマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型モノマーとしては、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールにカプロラクトン付加した化合物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールメタン、及びそれらに1〜20モルのアルキレンオキサイドを付加させた水酸基含有化合物などの水酸基を3つ以上有する化合物に(メタ)アクリル酸が3分子以上エステル結合した化合物等が挙げられる。
前記活性エネルギー線硬化型オリゴマーとしては、例えば、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等からなる群から選ばれる1種以上の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソシアネート化合物を水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と反応せしめてなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで用いるイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂肪族若しくは脂環式のジイソシアネート化合物;トルエンジイソシアネート、4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ジイソシアネート化合物の3量体であるイソシアヌレート型イソシアネートプレポリマー等が挙げられる。また、該多官能ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際に、イソシアネート化合物と反応せしめる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の一部を2価〜4価のアルコール又はポリオール化合物で置換して重合せしめたものでも良い。
また、エステルアクリレートとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化水添ビスフェノールA、プロポキシ化ビスフェノールA、プロポキシ化水添ビスフェノールA及び2価以上の多価アルコールから選ばれる1種以上と、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などに代表される多塩基酸から選ばれる1種以上をエステル化反応せしめて得られる水酸基を有するエステルポリオールをさらに(メタ)アクリレート化した多官能エステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
更に、エポキシアクリレートとしては、例えば、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールAなどの2価のアルコールのトリグリシジルエーテル化物等のジエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られる2価のエポキシ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパン、エトキシ化トリメチロールプロパン、プロポキシ化トリメチロールプロパン、グリセリンなどの3価アルコールをエポキシ化して得られるエポキシ化合物に、(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られる平均3個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するエポキシトリ(メタ)アクリレート化合物;少なくとも1個の芳香環を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体にグリシジルエーテルを反応せしめたエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られるフェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能芳香族エポキシアクリレート;これら多官能芳香族エポキシアクリレートの水添タイプである多官能脂環式エポキシアクリレート;さらに分子中に存在する2級の水酸基とジイソシアネート化合物の片方のイソシアネート基でウレタン化した後、残存する片末端のイソシアネート基と水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン変性エポキシアクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、それぞれ、平均3個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有する、エステルアクリレートとウレタンアクリレートは、硬化塗膜の耐摩耗性が良好なため、特に好ましい。
無機粒子の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、重合性不飽和基を有する化合物10〜90質量部と無機粒子90〜10質量部とを、無機粒子との合計の濃度が1〜50質量%となるように重合性不飽和基を有する化合物又は有機溶剤で希釈して、機械的手段を用いて分散させる方法が挙げられる。また、無機粒子の濃度が1〜80質量%となるように重合性不飽和基を有する化合物又は有機溶剤で希釈して、機械的手段を用いて分散させたあとに、(メタ)アクリロイル基等重合性基を有する化合物を加える方法が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等の環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類が挙げられ、これらを単独又は併用して使用可能であるが、中でも、(メタ)アクリロイル基等重合成基を有する化合物が可溶な有機溶媒が好ましい。
機械的手段としては、例えば、ディスパー、タービン翼等攪拌翼を有する分散機、ペイントシェイカー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等が挙げられる。
前記ビーズミルとしては、例えば、アシザワ・ファインテック(株)製のスターミル;三井鉱山(株)製のMSC−MILL、SC−MILL、アトライター MA01SC;浅田鉄工(株)のナノグレンミル、ピコグレンミル、ピュアグレンミル、メガキャッパーグレンミル、セラパワーグレンミル、デュアルグレンミル、ADミル、ツインADミル、バスケットミル、ツインバスケットミル:寿工業(株)製のアペックスミル、ウルトラアペックスミル、スーパーアペックス等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られた分散体は、他の化合物と混合することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とすることができる。これらの化合物としては前記した活性エネルギー線硬化型モノマー、活性エネルギー線硬化型オリゴマー、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、2−(2’−キサンテンカルボキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−o−ニトロベンジロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。
前記シリコン系添加剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体など如きアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン類が挙げられる。
上記の添加剤の使用量としては、その効果を十分発揮し、また紫外線硬化を阻害しない範囲であることから、該注型重合用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対し、それぞれ0.01〜10質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の分散体に加えることができる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;
キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのキサントン、チオキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;
ベンジル、ジアセチルなどのα-ジケトン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィドなどのスルフィド類;4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸類;
3,3’-カルボニル-ビス(7-ジエチルアミノ)クマリン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフオリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリルニ量体、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−[ジ−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−エトキシ)フェニル−S−トリアジンアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン等が挙げられる。
前記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。その使用量は特に制限はないが、感度を良好に保ち、結晶の析出、塗膜物性の劣化等防止するため、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対して0.05〜20質量部用いることが好ましく、なかでも0.1〜10質量部が特に好ましい。
前記光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンの群から選ばれる1種または2種類以上の混合系が、硬化性が高いコーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が得られるため特に好ましい。
前記光重合開始剤の市販品としては、例えば、Irgacure−184、同149、同261、同369、同500、同651、同754、同784、同819、同907、同1116、同1664、同1700、同1800、同1850、同2959、同4043、Darocur−1173(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASFF社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA〔日本化薬(株)製〕、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD製)、SANDORY 1000(SANDOZ Co.LTD製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、QUANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP Co.LTD製)等が挙げられる。
さらに、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物では、前記光重合開始剤に種々の光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、例えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物またはニトリル類若しくはその他の含窒素化合物等が挙げられる。
更に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、フィルム基材への接着性改良等を目的としてその他の樹脂を併用することができる。
前記その他の樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート系共重合物等のアクリル樹脂;ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン系共重合物;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリブタジエンやブタジエン−アクリロニトリル系共重合物などのポリブタジエン樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られる分散体を用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、特に、フィルム基材等の薄膜のプラスチック基材への塗工した際にも硬度が得られる特徴を有し、フィルム基材のコーティングに好適に用いることができる。
前記フィルム基材に塗布する際の塗布量としては、例えば、各種フィルム基材上に、乾燥後の質量が0.1〜30g/m、好ましくは1〜20g/mになるように塗布するのが好ましい。また、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して3%以上であるフィルムがハードコートとしての硬度を達成しやすいことから好ましい。中でも、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して3〜100%であるフィルムがより好ましく、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して5〜100%であるフィルムが更に好ましく、硬化層の膜厚が、フィルム状基材の膜厚に対して5〜50%であるフィルムが特に好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布するフィルム状基材としては、各種公知の基材に用いることができる。具体的には、例えば、プラスチックフィルム状基材等が挙げられる。プラスチックフィルム状基としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン、ポリイミド樹脂等のフィルム基材等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されず公知の方法を採用することができ、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
照射する活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線により硬化させる場合、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整されるが、高圧水銀灯を使用する場合、通常80〜160W/cmの光量を有したランプ1灯に対して搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合、通常10〜300kVの加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前述の通り、硬化時の収縮性が少なく、且つ、硬度も高い。その為、該組成物を用いることにより、フィルム基材上に該組成物の硬化層を設けたフィルムを提供することができる。このようなフィルムは、例えば、偏光板保護フィルム、タッチパネル等の光学物品用ハードコートフィルムに代表される各種保護フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルムやプリズムシートのバックコーティング等に好適に使用できる。
加えて、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は上記偏光版、タッチパネル等の平面状の物品を保護する保護フィルムとしてだけでなく、上記平面状の物品以外のプラスチック物品、例えば、携帯電話等の家電製品や自動車のバンパー等の成形品の表面を保護する為にも好適に用いられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて成形品の表面を保護する保護層を形成する方法には塗装法、転写法、シート接着法等が挙げられる。
塗装法は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる塗装剤をスプレーコートするか、若しくはカーテンコーター、ロールコーター、グラビアコーター等の印刷機器を用いて成形品にトップコートとして塗装せしめた後、活性エネルギー線を照射してトップコートを架橋する方法である。
転写法は、離型性を有する基体シート上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が塗装された転写材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離する事により成型品表面にトップコートを転写し、次いで活性エネルギー線を照射して架橋塗膜を作製する、或いは、該転写材を成形品表面に接着させた後、活性エネルギー線を照射して架橋塗膜を作製し、次いで基体シートを剥離する事により成型品表面にトップコートを転写する方法である。
そして、シート接着法は、基体シート上に保護層と必要に応じて加飾層とを有する保護シートをプラスチック成形品に接着することにより成形品表面に保護層を形成する方法である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。例中の部及び%は、特に記載のない限り、すべて質量基準である。
(合成例1)
ペンタエリスリトール(272.3g、2mol)、オルト酢酸トリエチル(324g、2mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物(1g)、および、トルエン(200g)の混合液を攪拌しながら、混合液の温度を80℃から130℃に徐々に加熱上昇させ、副生するエタノールをトルエンと共に8時間かけて系外に留去し、化合物(A)のトルエン溶液を得た。
(合成例2)
合成例1で得た化合物(A)(320.3g、2mol)のトルエン(73g)溶液にトルエン(480g)を添加し、さらに、塩化アリル(183.6g、2.4mol)、水酸化カリウム(262.5g、4.0mol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(5g)を添加後、混合液を、温度68℃で13時間加熱攪拌した。その後、系内の固体をろ別し、得られたろ液をイオン交換水で洗浄後濃縮した。濃縮残渣を減圧下加熱して、化合物(B)を蒸留精製した。化合物(B):収量(198g、収率49%)、沸点(102−104℃/0.13kPa)、
H NMR(CDCl)δ1.30(s、3H)、3.06(s、2H)、3.79(br、2H)、3.88(s、6H)、5.04−5.13(m、2H)、5.69(m、1H).
13C NMR(CDCl)δ23.2、34.7、68.2、69.2、72.1、108.2、117.0、133.8.
(合成例3)
合成例2で得た化合物(B)(190g、0.95mol)にメタノール(500g)を加え、混合液を攪拌、氷冷し、2N−塩酸(629.1g、1.26mol)を混合液の温度20℃を保持しながら30分かけて滴下した。その後、室温で7.5時間攪拌した後、炭酸ナトリウム(152.2g、1.44mol)の固体を添加し、さらに室温で20時間攪拌を継続した後、系中の固体をろ過し、メタノールで洗浄した。得られたろ液と洗浄液を合わせて減圧下濃縮し、さらに析出した固体をろ過後、メタノールで洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせて減圧下濃縮し、化合物(C)を得た。化合物(C):収量(167g、収率100%)
(合成例4)
合成例3で得た化合物(C)(22.0g、125mmol)、無水メタクリル酸(75.15g、489mmol)、p−メトキシフェノール(0.05g)、ジメチルアミノピリジン(4.17g、19mmol)、及びトルエン(125g)を混合し、混合液中に乾燥空気を吹き込みながら80℃で8時間加熱攪拌した。反応液を室温へ冷却後、水冷しながら12%水酸化ナトリウム水(260g)を滴下し、室温でしばらく攪拌した後に、下層の水層を分離除去した。上層の有機層をイオン交換水で数回洗浄して、減圧下濃縮し、化合物(D)を得た。化合物(D):収量(47g、収率99%)、
H NMR(CDCl)δ1.94(s、9H),3.53(s、2H),3.95(m、2H),4.23(s、6H),5.14−5.27(m、2H),5.58(s、3H),6.10(s、3H).
13C NMR(CDCl)δ17.6、42.9、65.3、68.1、72.1、116.7、127.5、134.1、135.7、166.4.
(合成例5)
合成例4で得た化合物(D)(5g、13.1mmol)とトリエトキシシラン(2.15g、13.1mmol)を5℃に氷冷し、攪拌しながら、白金(0)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体溶液(0.05g)を添加した。その後、5℃で1時間攪拌し、さらに室温で7時間、60℃で3時間攪拌を継続する事により、化合物(E)を得た。化合物(E):収量(7.1g、収率100%)、
H NMR(CDCl)δ0.60(t、2H),1.22(t、9H),1.56(m、2H),1.94(s、9H),3.38(t、2H),3.50(s、2H),3.78(q、6H),4.27(s、6H),5.58(s、3H),6.10(s、3H).
13C NMR(CDCl)δ6.18、17.67、17.99、22.60、42.98、58.05、63.03、69.05、73.69、125.60、135.58、166.42.
(合成例6)アクリル(メタ)アクリレートのMIBK溶液の調整
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応装置に、グリシジルメタクリレート250g、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKという)1000g及びt−ブチルパーオキシエチルヘキサノエイト(以下、P−Oという)10gを仕込んだ後、窒素気流下に約1時間かけて系内温度が約90℃になるまで昇温し、1時間保温した。次いで、あらかじめGMA750g、P−Oが30gからなる混合液を仕込んだ滴下ロートより、窒素気流下に混合液を約2時間要して系内に滴下し、3時間同温度に保温した。その後、120℃に昇温し、2時間保温した。60℃まで冷却後、窒素導入管を空気導入管につけ替え、アクリル酸507g、メトキノン2.3g及びトリフェニルフォスフィン9.3gを仕込み混合した後、空気バブリング下にて、110℃まで昇温した。同温度にて8時間保温後、メトキノン1.6gを仕込み、冷却して、不揮発分が50%となるようMIBKを加え、反応性分散剤の溶液を得た。該反応性分散剤は、アクリル当量が約214g/eq、水酸基価が約262mgKOH/g、重量平均分子量が約30,000であった。
(実施例1)
Evonik Degussa GmbH社製ナノシリカ(AEROSIL200;一次粒径12nm)を100部、化合物Eを30部、酸性リン酸エステル(商品名:PhoslexA−3、SC有機化学株式会社製)を1部、水を2.98部、MIBKを176.2部、およびジルコニアビーズ(粒径0.1mm)1000部を混合し、ペイントシェイカーにて2時間混合してシリカ表面のシランカップリング剤による修飾を行った。続いて、合成例6で調製したアクリル(メタ)アクリレートのMIBK溶液を116.6部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(商品名:ライトアクリレートDPE−6A、共栄社(株)製)を50部を添加し、ペイントシェイカーにてさらに2時間混合し、ジルコニアビーズをろ別してシリカ分散体を得た。分散体中のシリカの粒径を動的光散乱法にて測定したところ、平均粒径121nmであった。シリカ分散体にMIBKを添加して不揮発分40%の濃度に調製した分散体100部に、イルガキュア#184(光重合開始剤)を2部加えて、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。下記条件にて評価用の硬化塗膜を作製した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、表1に示す組成で実施例2を行なった。
<塗膜作製方法>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(膜厚40μm)上にバーコーターで塗布し(膜厚10μm)、70℃で5分乾燥させ、窒素雰囲気下で高圧水銀灯により200mJ/cmの光を照射して硬化させる事により評価用の硬化塗膜を作製した。
<塗膜評価方法>
1.マルテンス硬度
TACフィルム上の硬化塗膜をフィッシャー・インストルメンツ(株)製超微小硬度計H100Cを用いてマルテンス硬度を測定した。
2.外観
TACフィルム上の硬化塗膜を、目視にて外観を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013035768
Figure 2013035768
本発明の無機粒子を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物はハードコートフィルム材としての利用が可能である。

Claims (7)

  1. 一般式(1)
    Figure 2013035768
    (Rは、水素原子、又はメチル基、R及びRは、各々独立にメチル基、エチル基、又はプロピル基、mは3〜6の整数、nは、0〜2の整数を表す。)で表される化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物で表面処理された無機粒子。
  3. 無機粒子が、シリカ粒子である請求項2に記載の無機粒子。
  4. 請求項2又は3に記載の無機粒子を活性エネルギー線硬化性化合物又は有機溶剤に分散させてなる無機粒子分散体。
  5. 活性エネルギー線硬化性化合物が、2個以上の重合性不飽和基を有する請求項4に記載の無機粒子分散体。
  6. 請求項4又は5に記載の無機粒子分散体を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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