JP5371202B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物及びコーティング剤組成物、硬化膜 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物及びコーティング剤組成物、硬化膜 Download PDF

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Description

本発明は、高い硬度、優れた耐傷擦性、耐収縮性、および、優れた表面硬化性を有する有機無機ハイブリッド樹脂塗膜を形成することができる活性エネルギー線硬化性組成物に関するものであり、さらに、塗膜に帯電防止性や防汚性などの付加機能を容易に与えることができる活性エネルギー線硬化性組成物に関するものである。
近年、プラスチック製品の表面に対して耐摩耗性を付与するために、活性エネルギー線硬化性ハードコート材料が用いられており、かかる材料としては、例えば、(1)コロイダルシリカと多官能アクリレート類からなる組成物、(2)コロイダルシリカと特定シリケートの加水分解・縮合した組成物、(3)これら組成物と多官能アクリレート、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、またはアクリル樹脂などからなる硬化性組成物などの有機無機複合ハードコート材料が、単層塗布の際に優れた硬度、耐摩耗性を実現しうることを目的に検討されている。
しかしながら、上記の有機無機複合ハードコート材料では、いずれも、硬度、あるいは耐摩耗性のレベルが充分でなかったり、コート液の安定性に乏しかったり、硬化膜の環境耐性(耐湿性および耐熱性など)が不十分であるなどの問題があった。
また、特許文献1には、多官能アクリレートとコロイダルシリカを反応させた化合物をベースとする活性エネルギー線硬化性コーティング剤が開示されているが、上記のような従来から知られている有機無機複合コーティング剤に比べると、単層塗布でも硬度や耐摩耗性に優れているものの、硬化収縮がなお大きく、厚膜化が困難であり、達成できる硬度や耐摩耗性には制約があった。
そこで、上記硬化収縮を低減させるための方法として、特許文献2には、ポリマー化した紫外線硬化性樹脂を用いる方法が提案されている。しかしながら、特許文献2開示の紫外線硬化性樹脂を用いる方法では、硬化収縮は大幅に低減されるものの、より低収縮化が必要な場合や、一層の高硬度や耐傷つき性が求められる場合には充分ではなかった。さらに、特許文献2開示の方法では、酸素による硬化阻害を受けやすく、物性の耐久性にも問題が多かった。特に、薄膜(膜厚2μm未満) では硬化が深刻であり、また、薄膜ではなくとも表面部分の硬化度が低いという問題があった。
さらに、特許文献3には、一層の低収縮化をはかるため、あるいは、表面の硬化度を上げるため、ポリマー化した紫外線硬化性樹脂としてカチオン重合可能な樹脂を用いる方法、特許文献4には、カチオン重合可能な低分子量有機成分を結合したコロイダルシリカを用いる方法、また、特許文献5には、これらの成分を通常のラジカル重合性紫外線硬化性樹脂(有機ハイブリッド樹脂および有機無機ハイブリッドの両方を含む)と併用する方法が提案されている。
特開平5−287215号公報 特開平10−316864号公報 特開2001−40205号公報 特開2002−53659号公報 特開平9−278935号公報
しかしながら、上記特許文献2〜5の開示技術は、低収縮化、高膜厚化、あるいは表面の硬化度アップなどを特徴とするものの、高い硬度あるいは高い耐擦傷性が求められる場合には、依然として不十分なものであり、更なる改善が求められている。
さらには、種々機能を付加するため、例えば帯電防止性を付加するために添加剤を使用した場合には、塗膜の透明性が低下したり、硬度が低下したり、使用した添加剤がブリードアウトしたりする等の問題点が発生するものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、硬化性、耐擦傷性に優れ、さらに硬度および耐収縮性のバランスにも優れた有機無機ハイブリッド樹脂塗膜を形成することができ、さらに、帯電防止性や防汚性などの種々機能を容易に付加することができる活性エネルギー線硬化性組成物及びコーティング剤組成物、硬化膜を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、有機無機ハイブリッド樹脂の塗膜を形成する活性エネルギー線硬化性組成物において、無機材料と有機材料がキレート形成されてなる活性エネルギー線硬化性の金属キレート化合物を用いることにより、硬化性、耐擦傷性に優れ、硬度及び耐収縮性のバランスも良く、更に、キレート形成可能な金属化合物の種類に応じて、帯電防止性、防汚性など種々の機能を付加することが可能である活性エネルギー線硬化性組成物を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)と、(A)のアセトアセチル基とキレート形成可能な金属化合物(B)、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)を含有してなり、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)としてポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物、及び/又はアセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)と、(A)のアセトアセチル基とキレート形成可能な金属化合物(B)より形成されてなる活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)を含有してなり、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)としてポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物に関するものである。
また、本発明では、上記の活性エネルギー線硬化性組成物を含有してなるコーティング剤組成物も提供するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、塗膜を形成したときに耐擦傷性に優れ、硬度及び耐収縮性のバランスも良く、更に、キレート形成可能な金属化合物の種類に応じて、帯電防止性、防汚性など、種々の機能を付加することができるといった効果を有するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)と、(A)のアセトアセチル基とキレート形成可能な金属化合物(B)(以下、単に「キレート形成可能な金属化合物(B)」と略すことがある)、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)を含有してなること、及び/又は、かかる成分(A)と(B)より形成されてなる活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)を含有してなることを特徴とするものである。
本発明におけるアセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)は、特に限定されることなく、例えば、次の方法によって製造することができる。
(1)官能基含有エチレン性不飽和モノマー(i)にジケテンを反応させる。該官能基としてはヒドロキシル基、アミド基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられ、官能基含有エチレン性不飽和モノマー(ア)として好適なものは、炭素数1〜10のアルキレン基を有する脂肪族系アセトアセチル基含有アルキル(メタ)アクリレート系化合物であり、特に好ましくは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート等の炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を有するアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等の炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を有するメタクリレート等である。(2)上記官能基含有エチレン性不飽和モノマー(i)とアセト酢酸エステルとをエステル交換反応する。
上記の(1)の場合のジケテンの反応は、無触媒の他、第3級アミン、酸(硫酸等)、塩基性塩(酢酸ナトリウム等)、有機金属化合物(ジブチルスズラウレート等)の触媒存在下に行うことができる。
上記の(2)アセト酢酸エステルの反応は、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化鉛等のエステル交換触媒の存在下に行うことが好ましい。
上記の官能基含有エチレン性不飽和モノマー(i)の中でも、活性エネルギー線照射における反応性の点からヒドロキシアルキル基を有するアクリレートであることが好ましい。
本発明におけるキレート形成可能な金属化合物(B)としては、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)とキレート形成が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、金属アルコレ−ト、該金属アルコレ−トの加水分解物、該金属アルコレ−トの縮合物、金属アルコレートのキレ−ト化合物、該キレ−ト化合物の部分アルコレート化物および金属アシレ−トの群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、特には金属アルコレートおよび該金属アルコレートのキレ−ト化合物が好ましく、殊には下記一般式(1)で表される金属アルコレートおよび金属アルコレートのキレ−ト化合物が好ましく用いられる。
なお、キレート形成可能な金属化合物(B)としては、上記化合物の中から1種だけを用いてもよいし、任意の2種以上の混合物であってもよい。
一般式(1)・・・ R1 mM(OR2n
(式中、Mは金属原子を表し、R1は同一または異なっていてもよい、炭素数1〜10の有機基を表し、R2は同一または異なっていてもよい炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を表し、mおよびnはそれぞれ0以上の整数を表し、m+nはMの原子価を表す。)
上記一般式(1)においてMで表される金属原子としては、特に限定されるものではなく、通常、遷移元素金属、2属、12属、13属、14属の金属元素が用いられ、特にはアルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、マグネシウム、クロム、コバルト、銅、鉄、ニッケル、バナジル、亜鉛、インジウム、カルシウム、マンガン、スズが好ましく、更にはアルミニウム、チタニウム、クロム、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、インジウムが好ましい。また、通常、2〜4価の金属が用いられ、殊にはアルミニウム、チタニウム、亜鉛が好ましく用いられる。
上記一般式(1)においてR1で表される炭素数1〜10の1価の有機基としては、一般式(1)が金属アルコレートである場合には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基などのアシル基;ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。かかる置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR1 の炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて10以下である。
また、一般式(1)が金属アシレートである場合におけるR1としては、例えば、アセトキシル基、プロピオニロキシル基、ブチリロキシル基、バレリロキシル基、ベンゾイルオキシル基、トリオイルオキシル基などのアシルオキシル基を挙げることができる。
なお、一般式(1)中に、R1 が2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよいが、同一である方が好ましい。
上記一般式(1)においてR2で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。
なお、一般式(1)中に、R2が複数個存在するときには、相互に同一でも異なってもよいが、同一である方が好ましい。
本発明における金属アルコレートの加水分解物とは、上記金属アルコレートに含まれるOR2基が加水分解されたものであるが、金属アルコレートに含まれるOR2 がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの混合物であってもよい。
本発明における金属アルコレートの縮合物とは、上記金属アルコレートの加水分解物が縮合してM−O−Mの構造を有するものであるが、本発明では、かかる加水分解物の水酸基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部の水酸基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
本発明における金属アルコレートのキレート化合物とは、金属アルコレートの配位子のうち少なくとも一つがキレート結合された構造をもつ化合物である。かかる金属アルコレートのキレート化合物は、金属アルコレートと、β−ジケトン類、β−ケトエステル類、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸エステル、ケトアルコールおよびアミノアルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物との反応で得られたものであることが好ましい。
これらの化合物の中でも、β−ジケトン類またはβ−ケトエステル類を用いることが好ましく、これらの具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらの中でも、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルを用いることが特に好ましい。
本発明におけるキレート化合物の加水分解物とは、上記した金属アルコレートの加水分解物と同様に、キレート化合物に含まれるOR2 基がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの混合物であってもよい。
本発明における金属アシレートとは、上記金属アルコレートの配位子のうち少なくとも一つがアシルオキシ基であるものである。
これらのキレート形成可能な金属化合物(B)成分のうち、金属アルコレートおよび金属アルコレートのキレート化合物の具体例としては、
[I]テトラエトキシチタニウム、トリエトキシ・アセチルアセトナートチタニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、エトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)チタニウム、テトラプロポキシチタニウム、トリプロポキシ・アセチルアセトナートチタニウム、ジプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタニウム、テトラブトキシチタニウム、トリブトキシ・アセチルアセトナートチタニウム、ジブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタニウム、トリエトキシ・エチルアセトアセテートチタニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、エトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタニウム、トリプロポキシ・エチルアセトアセテートチタニウム、ジプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタニウム、トリブトキシ・エチルアセトアセテートチタニウム、ジブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタニウムなどのチタニウム化合物;
[II]トリエトキシアルミニウム、ジエトキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、エトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、ジプロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリブトキシアルミニウム、ジブトキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジエトキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、エトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジプロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジブトキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウム化合物;
[III]ジエトキシ亜鉛、エトキシ・アセチルアセトナート亜鉛、ビス(アセチルアセトナート)亜鉛、ジプロポキシ亜鉛、プロポキシ・アセチルアセトナート亜鉛、ジブトキシ亜鉛、ブトキシ・アセチルアセトナート亜鉛、エトキシ・エチルアセトアセテート亜鉛、ビス(エチルアセトアセテート)亜鉛、プロポキシ・エチルアセトアセテート亜鉛、ブトキシ・エチルアセトアセテート亜鉛などの亜鉛化合物;を挙げることができる。
これらの金属アルコレートおよび金属キレート化合物のうち好ましいものとしては、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム、ジプロポキシ・エチルアセトアセテート、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ(アセチルアセトナート)亜鉛、ジ(エチルアセトアセテート)亜鉛を挙げることができ、特に好ましい化合物はトリプロポキシアルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ(アセチルアセトナート)亜鉛などである。
また、金属アシレートの具体例としては、ジヒドロキシ・チタンジブチレート、ジ−i−プロポキシ・チタンジアセテート、ジ−i−プロポキシ・チタンジプロピオネート、ジ−i−プロポキシ・チタンジマロニエート、ジ−i−プロポキシ・チタンジベンゾイレート、ジ−n−ブトキシ・ジルコニウムジアセテート、ジ−i−プロピルアルミニウムモノマロニエートなどを挙げることができ、特に好ましい化合物はジヒドロキシ・チタンジブチレート、ジ−i−プロポキシ・チタンジアセテートなどのチタン化合物である。
本発明におけるアセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)と、キレート形成可能な金属化合物(B)との配合割合については、キレート形成可能な金属化合物(B)の金属の配位子または結合基に対して、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)のアセトアセチル基が0.7〜2当量(特には0.9〜1.8当量、更には1〜1.5当量)となるように、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)を配合することが好ましく、或いは、キレート形成可能な金属化合物(B)を、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)100重量部に対して0.1〜200重量部(特には1〜150重量部、更には10〜100重量部)で配合することが好ましい。かかるキレート形成可能な金属化合物(B)の配合割合が少なすぎると、充分な耐擦傷性が発現しない傾向があり、多すぎると硬度及び耐収縮性のバランスが損なわれる傾向がある。
また、本発明においては、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)とキレート形成可能な金属化合物(B)から形成されてなる活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物を含有させてなる活性エネルギー線硬化性組成物とすることもできる。
更に、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)と、キレート形成可能な金属化合物(B)と、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)とキレート形成可能な金属化合物(B)から形成されてなる活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物とを含有させてなる活性エネルギー線硬化性組成物とすることもできる。
本発明においては、かかるキレート化合物を形成させるに当たっては、通常20〜120℃、特には30〜80℃で混合すればよい。また、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)と金属化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物として、基材に塗布し、通常50〜200℃、特には60〜150℃で乾燥を行うことにより、金属キレート形成することもできる。
本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物が、更に分子内に2個以上のエチレン性不飽和を有する不飽和化合物(C)(以下、不飽和化合物(C)と略することがある。)を含有すること、塗料化する時の粘度調整等、要求される物性のバランスを調整する点で重要であり、かかる不飽和化合物(C)の含有量については、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)100重量部に対して、通常1〜200重量部であり、特には5〜150重量部、更には10〜100重量部であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎると塗料化する時の粘度調整が不充分となる傾向があり、多すぎると充分な耐擦傷性が発現しづらかったり、硬度及び耐収縮性のバランスが損なわれたりする傾向がある。
上記の不飽和化合物(C)としては、2官能モノマー、3官能以上のモノマーが挙げられる。
2官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等が挙げられる。
また、本発明では、上記不飽和化合物(C)の他に、単官能モノマーを併用することもでき、かかる単官能モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリルレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(n=2)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n=2.5)(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート等が挙げられる。
更に、その他に、アクリル酸のミカエル付加物あるいは2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも併用可能であり、アクリル酸のミカエル付加物としては、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等が挙げられる。また、2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、特定の置換基をもつカルボン酸であり、例えば2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、その他オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
特に本発明では、帯電防止性の観点から、水溶性または水分散性をもつエチレン性不飽和モノマーを使用するも好ましく、上記の中でも例えば、アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、エチレンオキサイド変性エポキシアクリレート、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、ポリエチレングリコールを主成分とするポリエステルアクリレート等の水溶性または水分散性のエチレン性不飽和モノマーを用いることが好ましい。中でもアクリロイルモルフォリン、ポリエチレングリコールジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン等の水溶性または水分散性のエチレン性不飽和モノマーが好適である。
これら上記の不飽和化合物(C)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、不飽和化合物(C)として、ポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有することが必要であり、優れた耐擦傷性や、硬度及び耐収縮性のバランスを保持させる点で好ましい。
かかるポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、下記一般式(1)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物及び下記一般式(2)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、耐擦傷性や高硬度を保持する点で下記一般式(1)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物が好ましく、硬度と耐収縮性のバランスを保持する点で下記一般式(2)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。
Figure 0005371202
〔式中、R1はポリイソシアネート系化合物のウレタン結合残基、R2は水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物のウレタン結合残基、aは2〜50の整数である。〕
Figure 0005371202
〔式中、R1はポリイソシアネート系化合物のウレタン結合残基、R2は水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物のウレタン結合残基、R3はポリオール系化合物のウレタン結合残基、aは1〜50の整数、bは2〜50の整数である。〕
上記一般式(1)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、ポリイソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を反応させてなるものであり、また、上記一般式(2)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、ポリイソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物とポリオール系化合物を反応させてなるものである。
ポリイソシアネート系化合物としては特に限定されないが、例えば芳香族系、脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等のポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの3量体化合物又は多量体化合物、ビューレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業(株)製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等)等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物としては特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリオール系化合物としては特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールや、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール、該多価アルコール又はポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール、カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等のポリブタジエン系ポリオール等が挙げられる。更には、かかるポリオール系化合物として、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、酒石酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ジヒドロキシメチル酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、ホモゲンチジン酸等のカルボキシル基含有ポリオールや、1,4−ブタンジオールスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基又はスルホン酸塩基含有ポリオール等も挙げられる。
上記ポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物の調製に際しては、反応を促進する目的でジブチルチンジラウレートのような金属系触媒や1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のようなアミン系触媒等を用いることも好ましく、更に反応温度は30〜90℃、特には40〜70℃の範囲が好ましい。
また、本発明においては、上記で得られるポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物の重量平均分子量は、800〜40,000であることが好ましく、更には900〜10,000、特には1000〜5,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると、多官能(メタ)アクリレートを用いた際の硬度及び耐収縮性のバランスを保持させることが困難となる傾向があり、重量平均分子量が大きすぎると、2〜3官能の(メタ)アクリレートを用いた際に耐擦傷性や硬度を保持することが困難となる傾向がある。
尚、上記の重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(昭和電工社製、「Shodex GPC system−11型」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される。
本発明において、上記の不飽和化合物(C)の含有量は、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)100重量部に対して、通常1〜200重量部であり、特には5〜150重量部、更には10〜100重量部であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎたり、多すぎたりすると、耐擦傷性や硬度を保持させたり、硬度及び耐収縮性のバランスを保持させることが困難となる傾向がある。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上記アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)とキレート形成可能な金属化合物(B)及び分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)、及び/又はアセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)とキレート形成可能な金属化合物(B)から形成されてなる活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物及び分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)を含有してなるものであるが、かかる組成物を紫外線照射により硬化を行う場合は、光重合開始剤(D)を含有してなることが好ましい。
かかる光重合開始剤(D)としては、光の作用によりラジカルを発生するものであれば特に限定されず、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピレンフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4′,4″−ジエチルイソフタロフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、α−アシロキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられ、中でもベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが好適に用いられる。
更に、光重合開始剤の助剤としてトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
本発明において、上記光重合開始剤(D)の含有量は、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)100重量部(更に不飽和化合物(C)を含有する場合は(A)及び(C)の合計100重量部)に対して1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。かかる含有量が少なすぎると紫外線硬化の場合の硬化速度が遅くなる傾向があり、多すぎても含有量ほどの硬化性は向上せず無駄である。
また、本発明においては、上記(A)〜(D)の他に、その他配合剤として、フィラー、電解質塩、染料、顔料、油、可塑剤、ワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、補強剤、艶消し剤、架橋剤等を配合することも可能である。
また、これらのほかに、塗膜の硬化収縮率を更に抑える目的で、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、アクリル樹脂類、アルキッド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類やニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体の如き高分子を添加してもよい。
かくして得られる本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、必要に応じて、有機溶剤を配合し、粘度を調整して使用することも可能である。かかる有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、対象物に塗布し、乾燥させた後、活性エネルギー線を照射することにより硬化されるのである。
上記塗布工程における活性エネルギー線硬化性組成物は、成分(A)と成分(B)と成分(C)が混合された状態の組成物であってもよいし、或いは成分(A)と成分(B)と成分(C)を混合させた後、加熱することにより活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物を形成させた状態の組成物であってもよく、これらの組成物を対象物に塗布するものである。
かかる塗布前に活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物を形成させるにあたっては、通常20〜120℃、特には30〜80℃で混合、加熱すればよい。
また、かかる活性エネルギー線硬化性組成物を塗布する対象物としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタジエンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属、ガラス、及びそれらの成形品(フィルム、シート、カップ、等)が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化性組成物を対象物に塗布した後の乾燥工程については、
通常50〜200℃、特には60〜150℃で乾燥を行うことが好ましい。塗布前に活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物を形成させなかった場合には、かかる加熱により活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物が形成されることとなる。
上記活性エネルギー線照射工程で用いられる活性エネルギー線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。尚、電子線照射を行う場合は、光重合開始剤(D)を用いなくても硬化し得る。
紫外線照射により硬化させる方法としては、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極ランプ等を用いて、100〜3000mJ/cm2程度照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
かくして本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)、キレート形成可能な金属化合物(B)及び分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)を含有してなる樹脂組成物、及び/又はアセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)キレート形成可能な金属化合物(B)、成分(C)から形成されてなる活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物であり、光重合開始剤(D)を含有してなるため、硬化性、耐擦傷性に優れ、さらに硬度および耐収縮性のバランスにも優れた有機無機ハイブリッド樹脂塗膜を形成することができ、さらに、帯電防止性や防汚性などの種々機能を容易に付加することができる活性エネルギー線硬化性組成物となり、塗料、インク、保護コーティング剤、アンカーコーティング剤、磁性粉コーティングバインダー、粘着剤、接着剤、粘接着剤等、各種の塗膜形成材料として有用である。中でも、各種プラスチック、光学フィルムトップコート用のコーティング剤、金属蒸着やスパッタリング膜、ガラス修飾向けのコーティング剤として非常に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
参考例1−1>
アルミニウムイソプロピレート(川研ファイン製:PADM)25.0部とトルエン50.0部を攪拌機、還流冷却管を備えた反応容器に仕込み、50℃に加温してPADMを溶解させる。次いで、2−アセトアセトキシエチルアクリレート(日本合成化学工業製:AAEA)29.4部を2時間かけて滴下し、さらに1時間かけてトルエン26.7部を追加しながら室温で攪拌を続けよく混合させることにより、アルミニウムイソプロピレートと2−アセトアセトキシエチルアクリレートのトルエン混合液(1)を得た。(硬化成分25.0%)
得られた混合液(1)400.0重量部(硬化成分100.0重量部)に、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0重量部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物(Ia)(硬化性分25.0%)を得た。
<実施例1−2>
上記<参考例1−1>で得られた混合液(1)200.0部(硬化成分50.0部)に、多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業製:紫光UV−7600B)50.0部を加え、トルエン50.0部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物(Ib)(硬化性分40.0%)を得た。
<実施例1−3>
上記<参考例1−1>で得られた混合液(1)200.0部(硬化成分50.0部)に、多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業製:紫光UV−7600B)20.0部、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(日本化薬製:カヤラッドDPHA)30.0部を加え、トルエン50部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物(Ic)(硬化性分40.0%)を得た。
参考例2−1>
アセチルアセトンアルミニウム塩(日本化学産業製:ナーセムアルミニウム)25.0部とトルエン39.0部を攪拌機、還流冷却管を備えた反応容器に仕込み、50℃に加温してナーセムアルミニウムを溶解させる。次いで、2−アセトアセトキシエチルアクリレート(日本合成化学工業製:AAEA)18.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間かけて60℃で加熱攪拌を続けよく混合させ、ナーセムアルミニウムと2−アセトアセトキシエチルアクリレートのトルエン混合液(2)を得た。(硬化成分25.0%)
得られた混合液(2)400.0部(硬化成分100.0部)に、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤(IIa)(硬化性分25.0%)を得た。
<実施例2−2>
上記<参考例2−1>で得られた混合液(2)200.0部(硬化成分50.0部)に、多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業製:紫光UV−7600B)50.0部を加え、トルエン50.0部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤(IIb)(硬化性分40.0%)を得た。
<実施例2−3>
上記<参考例2−1>で得られた混合液(2)200.0部(硬化成分50.0部)に、多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業製:紫光UV−7600B)20.0部、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(日本化薬製:カヤラッドDPHA)30.0部を加え、トルエン50部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤(IIc)(硬化性分40.0%)を得た。
参考例3−1>
アルミニウムイソプロピレート(川研ファイン製:PADM)25.0部とトルエン50.0部を攪拌機、還流冷却管を備えた反応容器に仕込み、50℃に加温してPADMを溶解させる。次いで、2−アセトアセトキシエチルアクリレート(日本合成化学工業製:AAEA)29.4部を2時間かけて滴下し、さらに1時間50℃で加熱攪拌を続け、トルエン26.7部を追加して、淡黄色〜黄色の粘調液体である金属キレート化合物(3)を得た。(硬化成分25.0%)
得られた金属キレート化合物400.0部(硬化成分100.0部)に、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物(IIIa)(硬化性分25.0%)を得た。
<実施例3−2>
上記<参考例3−1>で得られた金属キレート化合物(3)200.0部(硬化成分50.0部)に、多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業製:紫光UV−7600B)50.0部を加え、トルエン50.0部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物(IIIb)(硬化性分40.0%)を得た。
<実施例3−3>
上記<参考例3−1>で得られた金属キレート化合物(3)200.0部(硬化成分50.0部)に、多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業製:紫光UV−7600B)20.0部、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(日本化薬製:カヤラッドDPHA)30.0部を加え、トルエン50部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物(IIIc)(硬化性分40.0%)を得た。
<比較例1>
多官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業製:紫光UV−7600B)100.0重量部に、トルエン150.0重量部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0重量部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤(IV)(硬化性分40.0%)を得た。
<比較例2>
ジアクリル酸亜鉛100.0重量部、トルエン150.0重量部、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:イルガキュア184)3.0重量部を添加してよく混合し、活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物(V)(硬化性分40.0%)を得た。
上記実施例1−2、1−3、2−2、2−3、3−2、3−3、参考例1−1、2−1、3−1、及び比較例1,2の活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物に関して得られた活性エネルギー線硬化型コーティング剤を、易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターNo.8を用いて、乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量450mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を形成し、以下の評価を行った。
<透明性(ヘイズ)>
得られた硬化塗膜の外観(ムラ、白化の程度)を目視で観察した。
評価基準は以下の通りである。
〇・・・外観が良好なもの、
×・・・ムラや白化がみられたもの
<鉛筆硬度>
硬化塗膜について、JIS K 5600に準じて鉛筆硬度を測定した。
<耐収縮性>
膜を10cm角に塗布し、静置時の4角の浮き上がり量の平均値(mm)で評価した。
<耐スチールウール性>
硬化塗膜について、1kgの荷重をかけたスチールウール#0000を、硬化塗膜表面で40往復させた後の表面の傷付き度合いを目視により観察した。評価基準は以下の通りである。
◎・・・全く傷が付かないもの、又は、ほとんど傷が付かないもの
○・・・わずかに傷が付いたもの
△・・・多少傷が付いたもの
×・・・塗膜が傷つきにより白化したもの
<密着性>
硬化塗膜について、クロスカット法による付着性試験(JIS K 5600)に準じて評価した。
<帯電防止性>
硬化塗膜について、三菱化学社製の抵抗率計「ハイレスターUP」を用いて、URSプローブにて、(1)20℃×65%RH環境下での表面抵抗率(Ω/□)、及び、(2)20℃×40%RH環境下での表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
上記、評価結果について[表1]にまとめた。
Figure 0005371202
参考例及び実施例では、硬度を保持しながら、耐収縮性を低いレベルに抑制している。更に硬度を上げても、耐収縮性の上昇は認められなかった。また、これらの物性に加え、透明性、密着性、帯電防止性などの塗膜性能も保持しており、バランス良い物性を示している。
一方、比較例1は、実施例に比べ耐収縮性に劣る結果となっており、硬度と対収縮性のバランスが悪いものとなっている。比較例2は、硬度と対収縮性のみならず、透明性、密着性など、帯電防止性を除く全ての物性が実施例よりも劣る結果となった。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化性、耐擦傷性に優れ、さらに硬度および耐収縮性のバランスにも優れた有機無機ハイブリッド樹脂塗膜を形成することができるものであり、塗料、インク、保護コーティング剤、アンカーコーティング剤、磁性粉コーティングバインダー、粘着剤、接着剤、粘接着剤等、各種の塗膜形成材料として有用である。中でも、各種プラスチック、光学フィルムトップコート用のコーティング剤、金属蒸着やスパッタリング膜、ガラス修飾向けのコーティング剤として非常に有用である。

Claims (8)

  1. アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)と、(A)のアセトアセチル基とキレート形成可能な金属化合物(B)、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)を含有してなり、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)としてポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)と、(A)のアセトアセチル基とキレート形成可能な金属化合物(B)より形成されてなる活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)を含有してなり、分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)としてポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. アセトアセチル基含有エチレン性不飽和化合物(A)が、炭素数1〜8のアルキレン基を有する脂肪族系アセトアセチル基含有アルキル(メタ)アクリレート系化合物である請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. キレート形成可能な金属化合物(B)が、金属アルコレートまたは金属アルコレ−トのキレ−ト化合物である請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 分子内に2個以上のエチレン不飽和基を有する不飽和化合物(C)が、重量平均分子量800〜40,000のポリウレタン(メタ)アクリレート系化合物である請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  6. 更に、光重合開始剤(D)を含有してなる請求項1〜5いずれか記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の活性エネルギー線硬化性組成物を含有してなるコーティング剤組成物。
  8. 請求項2〜6いずれか記載の活性エネルギー線硬化性金属キレート化合物が硬化されてなる硬化膜。
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