JP2018184583A - コーティング組成物、及びこれを用いた化粧シート - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、乾燥プロセス後のベタつきがなく、低光沢による高級感を持ち、耐汚染性、耐溶剤性、及び耐傷性に優れるコーティング組成物提供する事にある。【解決手段】本発明の解決手段は、特定のアクリル(メタ)アクリレート、及びシリカを組合せ採用する事で上記課題を解決するものであり、二重結合当量が200〜750g/mol、重量平均分子量が10,000〜100,000のアクリル(メタ)アクリレート、及びシリカを含有する事を特徴とするコーティング組成物を提供するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、主に住宅内装用家具・床材等に用いられるコーティング組成物、及びこれを用いた化粧シートに関する。
近年、住宅等の建築物内部における家具・床材等においてダイレクト塗装もしくは化粧シート貼りが多く用いられており、その表層は保護や美装を目的として各種クリア塗装が行われている。その多くはダイレクト塗装の場合、スプレー塗装、フローコーター塗装、ロールコーター塗装、 シート貼りの場合予めグラビア印刷によるプレコートが用いられており、塗装・印刷で使用するクリアにはアクリルポリオールとイソシアネート硬化剤の2液型と、アクリレート樹脂等からなる活性エネルギー線硬化型が挙げられる。
前者の前記2液型は耐候性・汚染性・加工性に優れ、安価であるという利点がある一方で、耐傷性の低さ、残液の粘度上昇に加えて硬化時間が長い等、様々な問題も持ち合わせている。
これに対して、後者の活性エネルギー線硬化型は高い耐傷性や残インキの使用が可能な事、活性エネルギー線照射のみで塗膜物性が発現するという利点がある一方で、汚染性や加工性の低さ、乾燥工程のみではベタつきが残ることから、2液型硬化型と、活性エネルギー線硬化型の混合系で使用する必要があった。
また昨今の化粧シート又はダイレクト塗装表面は高級感を出す為に、光沢を抑えたマット調のものが好まれている。マット感を出すためには表面に細かい凹凸をつける必要があり、これにはシリカ等の無機粒子を艶消し剤として添加している(例えば、特許文献1及び2)。しかし、表面の凹凸に汚れが入り込むことによる汚染性の悪化や、粒子の脱落・埋没による艶変化・傷付が発生し、意匠性を出すためのマット感と塗膜物性はトレードオフの関係にある。
また、前記活性エネルギー線硬化系では、比較的分子量の小さい樹脂を用いるのが一般的であり、光沢感が強くでる傾向にある。そのためマット感を出すためには艶消し剤の添加量が更に多くなり、相対的に添加する樹脂成分の比率が減少する事から耐汚染性・耐傷性の低下につながるという問題がある。
特開2004−167779号公報 特開2004−148632号公報
本発明の課題は、乾燥プロセス後のベタつきがなく、低光沢による高級感を持ち、耐汚染性、耐溶剤性、及び耐傷性に優れるコーティング組成物提供する事にある。
本発明者らは、特定のアクリル(メタ)アクリレート、及びシリカを組合せ採用する事で上記課題を解決するに至った。
即ち本発明は 二重結合当量が200〜750g/mol、重量平均分子量が10,000〜100,000のアクリル(メタ)アクリレート、及びシリカを含有する事を特徴とするコーティング組成物を提供する。
また本発明は、前記アクリル(メタ)アクリレートのガラス転移温度(Tg)が40〜130℃の範囲であり、水酸基価が5〜300mgKOH/gであるコーティング組成物を提供する。
また本発明は、平均粒子径が0.1〜25μmの湿式シリカ及び/又は平均粒子径が0.1〜3μmの乾式シリカであるコーティング組成物を提供する。
また本発明は、更に、アクリル(メタ)オリゴマー、及び/又はウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有するコーティング組成物を提供する。
また本発明は、前記コーティング組成物を基材表面に被覆し硬化した化粧シートを提供する。
更に本発明は、前記コーティング組成物を表面塗装した木質板をも提供する。
本発明のコーティング組成物は、乾燥プロセス後のベタつきがなく、低光沢による高級感を持ち、耐汚染性、耐溶剤性、及び耐傷性を兼備する事が出来る。
本発明のコーティング組成物としては、二重結合当量が200〜750g/mol、重量均分子量が10,000〜100,000の範囲のアクリル(メタ)アクリレート、及びシリカを含有する事を必須とする。
本発明に用いられる基材として化粧シート向けとしての紙や各種フィルムの他、木材、不燃材等が挙げられる。
化粧シートとは、紙等の基材に対し公知の例えばアクリル系、セルロース系、ビニル系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ゴム系、ウレタン系印刷インキや塗料を印刷あるいは塗布することによって絵柄層を形成した上で、この絵柄層を被覆させるトップコート層を設ける構成とするものであり、本発明のコーティング組成物は前記トップコート層を形成するものである。
前記化粧シート向け基材の種類としては、例えば、薄葉紙、普通紙、強化紙、樹脂含浸紙等の紙質シート、チタン紙、ポリエチレンテレフタレートシート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートシート(PETGシート)、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンシート、アクリルニトリルブタジエンスチレンシート、ポリプロピレンシート等の樹脂シート、及びこれらの複合シート等を使用できる。
また、木質化粧板の木質基材としては、従来から化粧板や家具、建築部材等の木質基材として使用されている合板、パーティクルボード、ハードボード、MDF等の公知のものが挙げられる。またこれらの公知基材はどのような製法で得られたものであるかは問わない。
更に、基材として使用できる不燃材としては、石膏ボード、石膏板、珪酸カルシウム板等を素材とした開孔ボード建材等を挙げることができる。
尚、絵柄層の印刷インキの印刷方法、及びトップコート層の塗布・印刷方式の具体的な例としては、ロールコート、グラビアコート、カーテンコート、スプレーコート、ダイコート等の塗装方式や、グラビア印刷、フレキソ印刷及びスクリーン印刷、インクジェット印刷等の各種印刷方式を挙げる事ができる。
本発明のコーティング組成物に使用するアクリルアクリレート樹脂を構成するモノマー成分としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルプロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明のコーティング組成物で使用する前記アクリル(メタ)アクリレートの二重結合当量は、200〜750g/molの範囲を必須とする。前記アクリル(メタ)アクリレートの二重結合当量が200g/molを下回ると硬化時の体積収縮が大きく、塗膜の湾曲や歪みによる割れが生じる可能性と、密な架橋による加工性の低下が発生する。また750g/molを上回ると反応性基が足りず反応後の硬度等の物性が十分にでない傾向にあり、200〜400g/molの範囲であればより好ましく、200〜300g/molの範囲であれば更に好ましい。
また、前記アクリル(メタ)アクリレートの重量均分子量は、10,000〜100,000の範囲であることを必須とする。前記アクリル(メタ)アクリレートの重量平均分子量が10,000を下回ると塗膜にタックが残り、乾燥工程のみでのタックフリー化が困難になり、また100,000を上回ると組成物の粘度が高くなりすぎ、塗工時の希釈が効きすぎて十分な塗布量が得られない問題が生じる。また、作業性の観点から10,000〜50,000であればより好ましく、10,000〜30,000の範囲であれば更に好ましい。
更に、前記アクリル(メタ)アクリレートのガラス転移温度(Tg)は、40〜130℃の範囲である事が好ましく、40℃を下回ると塗膜にした際に硬化後十分な強度が得られない傾向にあり、また130℃を上回ると塗膜にした際に脆さが現れ加工性が悪くなる傾向がある。また前記アクリル(メタ)アクリレートの水酸基価は5〜300mgKOH/gの範囲である事が好ましく、5mgKOH/gを下回ると艶消し剤の分散が悪く低光沢化が困難になり、また300mgKOH/gを上回ると汚染性等の性能の低下が顕著になる。
尚、前記アクリル(メタ)アクリレートの含有量は、固形分換算にてコーティング組成物全量の20〜50質量%である事が塗布面の好適な被覆性、硬化性の点から好ましく、25〜45質量%の範囲であればより好ましい。
本発明のコーティング組成物で使用するシリカとしては、非晶性シリカがより好ましい。前記非晶性シリカとしては、珪藻土、活性白土等が挙げられ、非晶性シリカの中でも合成非晶性シリカとしては乾式シリカ、湿式シリカ、シリカゲル等が使用できる。
本発明のコーティング組成物で使用する艶消し剤として用いるシリカとしては、ケイ酸ソーダ水溶液の酸またはアルカリ金属塩による中和、分解反応によって製造された湿式シリカが好ましい。
前記合成非晶質シリカは、物質の最小構成単位である5〜55nmの一次粒子が融着あるいは化学結合し一次粒子凝集体(二次粒子構造)となる。さらに一次粒子凝集体が物理的に凝集し二次凝集体として存在しているが、二次凝集体は各種媒体中で物理的なせん断力を与えることで一次粒子凝集体(二次粒子構造)まで分散することが可能である。本発明の平均粒子径とは、一次粒子凝集体(二次粒子構造)である平均二次粒子系のことを指す。
前記艶消し剤として用いる湿式シリカの平均粒子径としては、0.1〜25μm、好ましくは0.3〜20μm、さらに好ましくは0.5〜15μm、さらに好ましくは1〜10μmであることが望ましい。平均粒子径が0.05μm未満であると、より粒径の小さい一次粒子の強い結合から成り立っており、比表面積も大きくなるため、高い吸油性能を有し、コーティング組成物とした際に十分な流動性が得られない上、艶消し効果の低下によりマット感に伴う高級感が得られない。また、平均粒子径が25μmより大きいと、表面の凹凸に汚れが入り込むことによる汚染性の悪化や、粒子の脱落・埋没による艶変化・傷付が発生し易くなる。
湿式シリカの細孔容積としては0.1〜2.0mL/g、好ましくは1.5〜2.0mL/gであることが望ましい。見かけ比重としては0.1〜1.5g/mL、好ましくは0.1〜0.5g/mLであることが望ましい。吸油量としては50〜400mL/100g、好ましくは200〜400 mL/100gであることが望ましい。細孔容積0.1mL/g、見かけ比重0.1g/mL、吸油量としては50mL/100gを下回ると十分な艶消し効果を得ることが困難となる。反対に、細孔容積2.0mL/g、見かけ比重1.5g/mL、吸油量としては400mL/100gを上回ると、艶消し効果は大きい反面、増粘作用も必要以上に増し、コーティング剤としての流動性が損なわれる傾向にあり好ましくない。
本発明で艶消し剤として使用する湿式シリカの含有率は、コーティング組成物全量の0.01〜10質量%、好ましくは、0.05〜8質量%、さらに好ましくは0.1〜7質量%が望ましい。シリカ含有率が0.01質量%未満であると充分な艶消し効果が見られず、10質量%を超えるとコーティング剤としての流動性、転移性が損なわれる傾向となり好ましくない。中でも、BET法による比表面積が50〜500m/gの湿式シリカが好ましい。
更に、耐傷性を付与する耐傷性向上添加剤としてシリカを添加してもよい。耐傷性を付与させるために添加するシリカとしては、四塩化ケイ素ガスなどを気相中で燃焼させて製造された乾式シリカが好ましい。前記艶消し剤としての湿式シリカに、更に耐傷性向上添加剤として乾式シリカを添加すれば、適度な低艶に加えて塗工表面の耐傷付き性を向上させる事が出来る。
前記耐傷性向上添加剤としての乾式シリカの平均粒子径は、0.1〜3μmであり、好ましくは0.1〜0.5μm、さらに好ましくは0.1〜0.25μmである。
前記耐傷性向上添加剤として使用した場合の乾式シリカの含有率は、コーティング組成物全量の10〜30質量%が好ましくは、15〜20質量%であればより好ましい。シリカ含有率が10質量%未満であると充分な耐傷効果が見られず、30質量%を超えるとコーティング剤としての鮮明性、汚染性が損なわれる傾向にあり好ましくない。
中でも、BET法による比表面積が50〜500m/gの乾式シリカが好ましい。
また、耐傷性向上添加剤としてアクリル樹脂ビーズや、シリコーンビーズ等で代用する事が出来る。アクリル樹脂ビーズ、及びシリコーンビーズの平均粒子径は1〜50μm、好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1〜10μmであり、その含有率は、コーティング組成物全量の3〜15質量%が好ましく、5〜12質量%であればより好ましい。
本発明で使用する艶消し剤として用いる湿式シリカ、耐傷性向上添加剤としての乾式シリカは共に、表面修飾されたものを使用することができる。
シリカ粒子を表面処理する方法は、特に制限は無く公知の方法であれば良い。ワックスやシランカップリング剤で表面差処理されたものが挙げられる。
本発明のコーティング組成物は、基材に塗布後、活性エネルギー線を照射することで硬化皮膜とすることができる。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。これらのなかでも特に、硬化性および利便性の点から紫外線(UV)が好ましい。
本発明のコーティング組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、上記の通り、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線であるが、具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
本発明のコーティング組成物を硬化させる活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、コーティング組成物の硬化剤として公知公用の光重合開始剤組成物を利用することが可能であり、中でもラジカル重合タイプの光重合開始剤が好ましく、活性エネルギー線硬化性化合物溶解時に溶解液の着色が無く、経時による黄変の少ないα-ヒドロキシアルキルケトン系光重合開始剤が挙げられる。α-ヒドロキシアルキルケトン系光重合開始剤としては例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。更にフェニルグリオキソレート系光重合開始剤も好ましい。フェニルグリオキソレート系光重合開始剤としては例えばメチルベンゾイルフォルマート等を挙げることができる。中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。
また、その他のラジカル重合タイプの光重合開始剤としては紫外線の中でも長波長領域に吸収波長を有するモノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を適宜組合わせて使用してもよい。モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては活性エネルギー線硬化性化合物への溶解時に着色するビスアシルフォスフィンオキサイド類は除き、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等のモノアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられ、特に、これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドは、385nmや395nmに発光波長を有するUV−LEDの発光波長領域に合致するUV吸収波長を有することで、好適な硬化性が得られ、且つ、硬化皮膜の黄変が少ない点でより好ましい。
前記した光重合開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記光重合開始剤の総計のコーティング組成物中の含有率は、組成物全量に対し0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましい。0.1質量%未満の添加量では良好な硬化性を得ることが困難であり、また10質量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、コーティング剤としての流動性を損ない加工性、作業性が低下することから好ましくない。
更に、脂肪族アミン誘導体及び/又は安息香酸アミン誘導体から選ばれる3級アミン化合物を増感剤として添加することによって、硬化速度を速めることもできる。3級アミン化合物は、反応性を高め、酸素による反応阻害を阻止することで知られている。好適な3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの遊離アルキルアミン、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエートなどの芳香族アミン、およびポリアリルアミンとその誘導体としての高分子アミンなどが挙げられる。エチレン2重結合性不飽和アミン(例えば、(メタ)アクリレート化アミン類)などの活性エネルギー線重合性化合物は、低臭気性、低揮発性、および硬化によってポリマーマトリックス中に組み込むことができる能力によって黄ばみが抑制される性質があることから、好ましいとされる。
前記3級アミン化合物は、コーティング組成物全量に対して、好ましくは、0.1〜10質量%、より好ましくは、0.3〜3質量%の量で用いる事ができる。
また本発明のコーティング組成物は、該組成物を用いた塗工表面の耐傷性の向上を目的に、更にアクリル(メタ)オリゴマー、及び/又はウレタン(メタ)アクリレート樹脂を添加してもよい。これらのアクリル(メタ)オリゴマー、及び/又はウレタン(メタ)アクリレート樹脂を添加する際の組成比は、アクリル(メタ)アクリレート/アクリル(メタ)オリゴマー/ウレタン(メタ)アクリレートを併用した時の『3者同士の固形分の質量比の範囲』を示せば、アクリル(メタ)アクリレート樹脂50〜99質量%、アクリル(メタ)オリゴマー、及び/又はウレタン(メタ)アクリレート樹脂1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、アクリル(メタ)アクリレート樹脂60〜90質量%、アクリル(メタ)オリゴマー、及び/又はウレタン(メタ)アクリレート樹脂10〜40質量%である。アクリル(メタ)オリゴマー、及び/又はウレタン(メタ)アクリレート樹脂の配合量が50質量%を超すと塗膜に粘性が生じ、乾燥工程のみでのタックフリー化が発現しない。
前記アクリル(メタ)オリゴマーとしては例えばトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成する成分としては、多官能アルコール成分、分子中に一個以上のアルコール性水酸基と一個以上の(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミドを有する化合物、ポリイソシアネート化合物が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を構成する多官能アルコール成分としては、以下に例示した化合物から選ばれる一種類以上の化合物を単独又は必要に応じて任意の比率で二種類以上を混合して使用することができる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジ(1,2−プロピレングリコール)、トリ(1,2−プロピレングリコール)、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)アダマンタン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、 ネオペンチルグリコールモノヒドロキシピバリン酸エステル、スピログリコール(3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキソスピロ[5.5]ウンデカン)、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、グリセリン、エチレンオキサイド変性グリセリン、プロピレンオキサイド変性グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトール、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、エチレンオキサイド変性ジトリメチロールプロパン、プロピレンオキサイド変性ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール、プロピレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール、精製ヒマシ油等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の構成成分で、末端ラジカル重合性不飽和結合を付与するための化合物としては以下に挙げる、分子中に一個以上のアルコール性水酸基と一個以上の(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミドを有する化合物が挙げられる。
アルコール性水酸基を分子内に一個有する(メタ)アクリル酸エステル類又は(メタ)アクリルアミド類としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、ε−カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレートステアレート、グリセリン(メタ)アクリレートオレエート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌル酸、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。又、二個以上のアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類としてはグリセリン(メタ)アクリレートの他、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルビス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸等が挙げられる。その他、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル等の脂肪族ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の反応により得られ、一般的にはエポキシアクリレートと称される化合物群を用いることができる。ここから選ばれる一種類以上の化合物を、両末端に2−ヒドロキシル(メタ)アクリル酸エステル構造を有する化合物として利用してウレタン樹脂骨格にラジカル重合性不飽和結合を導入することもできる。
更に任意の成分として、ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、泡消剤等を含有させることが出来る。
本発明のコーティング組成物で使用する溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを挙げることができる。
本発明のコーティング組成物の塗布・印刷方式の具体的な例としては、コーティング方法としては、たとえばロールコーター、グラビアコーター、フレキソコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコーター、カーテンコーター、キャストコーター、スプレイコーター、ダイコーター、オフセット印刷機、スクリーン印刷機等を適宜採用することができる。
本発明のコーティング組成物では、前記の如く活性エネルギー線、好ましくは紫外線等の光照射をすることにより、2液硬化型でなくとも仕上がりにベタ付きを残すことなく硬化反応を行う事ができる。紫外線等の光源としては、通常UV硬化性コーティング剤に使用する光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等であれば問題なく硬化させることができる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
本発明のコーティング組成物は、前記化粧シート、木質板の他、前記基材類からなる家具類、楽器類、事務用品類、スポーツ用品類、玩具類の表面塗装、特に上塗り層の形成に好適に使用することが可能である。
また、本発明のコーティング組成物は、建材用途のみならず、家具、楽器、事務用品、スポーツ用品、玩具等の表面塗装用途に幅広く展開され得る。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。尚、以下実施例中にある部とは、質量%を表す。
尚、本発明におけるGPCによる重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
また、ガラス転移温度(Tg)の測定は、示差走査熱量計(株式会社TAインスツルメント製「DSC Q100」)を用い、窒素雰囲気下、冷却装置を用い温度範囲−80〜450℃、昇温温度10℃/分の条件で走査を行う事で行った。
また、各アクリルアクリレート樹脂の水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰のアセチル試薬にてアセチル化した際の、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウム(KOH)のmg数で示したものであり、JISK0070に準じたものである。
また、シリカの平均粒子径は日機装株式会社製ナノ粒子粒度分布測定器Nanotrac UPA EX−150を使って測定した。
〔実施例1 化粧シート用コーティング組成物の調整〕
アクリルアクリレート樹脂A(二重結合当量250g/mol品、重量平均分子量25,000、Tg56℃、水酸基価113mgKOH/g)35部、BASF社製1−ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、艶消し剤湿式シリカ「サイリシア350 平均粒子径3.9μm、見かけ比重0.49g/mL、吸油量310mL/100g、細孔容積1.7mL/g」7部、酢酸エチル53部を添加し、攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで2時間撹拌処理し、コーティング組成物1を作製した。
〔実施例2 化粧シート用コーティング組成物の調整〕
アクリルアクリレート樹脂A(二重結合当量250g/mol品、重量平均分子量25,000、Tg56℃、水酸基価113mgKOH/g)35部、BASF社製1−ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン「IRGACURE 184」5部、艶消し剤湿式シリカ「ニップジェルAZ−204 平均粒子径1.3μm、見かけ比重0.12g/mL、吸油量355mL/100g、細孔容積2.0mL/g」7部、酢酸エチル53部を添加し、攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで2時間撹拌処理し、コーティング組成物2を作製した。
〔実施例3〕
実施例1のアクリルアクリレート樹脂A(二重結合当量250g/mol品)の代わりに、アクリルアクリレート樹脂B(二重結合当量360g/mol品、重量平均分子量25,000、Tg73℃、水酸基価78mgKOH/g)を使用した他は、全て実施例1と同様の配合にて、同様の手順で混合・攪拌しコーティング組成物3を作製した。
〔実施例4〕
実施例1のアクリルアクリレート樹脂A(二重結合当量250g/mol品)の代わりに、アクリルアクリレート樹脂C(二重結合当量550品g/mol品、重量平均分子量25,000、Tg85℃、水酸基価50mgKOH/g)を使用した他は、全て実施例1と同様の配合にて、同様の手順で混合・攪拌しコーティング組成物4を作製した。
〔実施例5〕
実施例1のアクリルアクリレート樹脂A(二重結合当量250g/mol品)35部に、更に東亞合成(株)製「アロニックスM−402(5官能の重合性アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトール及び6官能の重合性アクリレートモノマーであるヘキサアクリレートの混合物、製品中のペンタアクリレートの割合が30〜40質量%)」7部を添加した他は、実施例1と同様の配合にて、同様の手順で混合・攪拌しコーティング組成物5を作製した。
〔実施例6〕
実施例1のアクリルアクリレート樹脂A(二重結合当量250g/mol品)17.5部に、更に耐傷性向上添加剤として乾式シリカ日本アエロジル社製「AEROSIL 50、平均粒子径0.25μm」17.5部添加した他は、実施例1と同様の配合にて、同様の手順で混合・攪拌しコーティング組成物6を作製した。
〔実施例7〕
実施例1のアクリルアクリレート樹脂A(二重結合当量250g/mol品)17.5部に、更に耐傷性向上添加剤として乾式シリカ日本アエロジル社製「AEROSIL R972(ジメチルジクロロシランで表面処理したのち、構造を変化させた疎水性乾式シリカ)、平均粒子径0.25μm」17.5部添加した他は、実施例1と同様の配合にて、同様の手順で混合・攪拌しコーティング組成物7を作製した。
〔比較例1〕
樹脂としてDIC(株)社製アクリルポリオール樹脂「アクリディックA−814A」10部、東亞合成(株)製「アロニックスM−402」25部、シリカ「サイリシア350」12部、BASF社製「IRGACURE 184」5部、住友バイエルウレタン株式会社製ポリイソシアネート「デスモジュールL−75」17部、酢酸エチル31部を添加し、同様に攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで2時間撹拌処理し、コーティング組成物8を作製した。
〔比較例2〕
樹脂として、東亜合成(株)「アロニックスM−402」35部、BASF社製「IRGACURE 184」5部、シリカ「サイリシア350」14部、酢酸エチル46部を添加し、同様に攪拌機で1時間撹拌混合した後、ビーズミルで2時間撹拌処理し、コーティング組成物9を作製した。
〔化粧シートの作製〕
基材として、光沢評価用に黒ベタ印刷紙、汚染性評価用に白印刷紙を用意し、バーコーター(4μm)を使用して前記コーティング組成物1〜6を其々塗布した後、高圧水銀灯120W/cmの光源下にて速度25m/minで照射し化粧シートを作製した。
尚、前記コーティング組成物1〜6を用いて作製した各化粧シート表面の日本電色製グロスメーターVG2000によるグロス(光沢)値が、いずれも一律0.9である事を確認した上で下記評価を行った。光沢の測定条件は入射角60°反射角60°とした。
尚、硬化後の塗布膜厚は4〜5μmである事を塗膜の質量を測定することにより確認した。1g/m=1μmで質量換算を行った。
〔評価方法〕
本発明のコーティング組成物を化粧シートに用いた評価方法を示す。
〔化粧シート塗工直後のタック性〕
墨ベタ印刷紙に前記バーコーターを使用してコーティング組成物1〜9を其々塗布した後、前記乾燥プロセスのみを行い、塗膜表面のタック性を触手にて下記の3段階にて目視評価した。
○:タック性を全く感じられず、完全に乾燥している。
△:僅かにタック性が感じられる。
×:タック性があり、完全に乾燥してない。
〔化粧シート表面の耐汚染性〕
前記化粧シート表面の耐汚染性についてJAS汚染性Aに従って、作成した化粧シートサンプルを水平に置いた後、サンプルの表面に一般市販品事務用青色インキ、黒色速乾性インキ及び赤色クレヨンで幅10mmの線を引き、6時間放置した後、IPAを布に含ませてふき取る。その汚染痕を次の3段階で目視評価した。

○:わずかに汚れが残っている。
△:ほとんど汚れが残っている。
×:まったく汚れが落ちない。
〔化粧シート表面の耐溶剤性〕
前記化粧シート表面の耐溶剤性について、塗膜表面をメチルエチルケトンを含ませた脱脂綿で200回こすり、次の4段階で目視評価した。

◎:変化無し。
○:試験した痕が、わずかに艶が出る変化が起きている。
△:試験した痕が完全に残っており、艶が出る変化が起きている。
×:擦り回数200回に至る以前に塗膜表面が剥がれてしまう。
〔化粧シート表面の耐傷性〕
前記化粧シート表面の耐傷性について、塗膜表面を爪で擦り、傷の付き具合を評価する。次の4段階で目視評価した。

◎:変化無し。
○:試験した部分が極わずかな傷付きによる艶変化が見られる。
△:試験した部分が浅い軽度な傷が付いている。
×:試験した部分にはっきり深い傷がついている。
化粧シート用コーティング組成物の各配合、及びこれを用いた化粧シートの評価結果を表1に示す。
Figure 2018184583
〔木質板の作製〕
基材として、ナラ無垢材12mm厚を用意し、エアー式スプレーガンを使用して表2、及び表3に示すコーティング組成物を50g/mの塗布量で塗布した後、10分室温(25℃)で乾燥した後、高圧水銀灯120W/cmの光源下にて速度25m/minで照射し木質板を作製した。尚、表2、3中の実施例8〜14のコーティング組成物は、各々実施例1〜9と同様の配合であり、同様に表3中の比較例3、4は、各々比較例1、2と同様の配合である。また、実施例15については、耐傷性向上添加剤として乾式シリカの代わりにアクリル樹脂ビーズ(ガンツ化成社製GM−0801、平均粒子径8μm 吸油量45ml/100g)を、実施例16については乾式シリカの代わりにシリコーンビーズ(東レ・ダウコーニング社製 トレフィルE−500、平均粒子径3μm)を各々7部で配合した。
〔評価方法〕
本発明のコーティング組成物を木質板に用いた評価方法を示す。
〔木質板塗工直後のタック性〕
木質板に前記エアー式スプレーガンを使用してコーティング組成物実施例8〜16、比較例3、4を其々塗布した後、前記乾燥プロセスのみを行い、塗膜表面のタック性を触手にて下記の3段階にて目視評価した。

○:タック性を全く感じられず、完全に乾燥している。
△:僅かにタック性が感じられる。
×:タック性があり、完全に乾燥してない。
〔木質板表面の耐汚染性〕
木質板表面の耐汚染性についてJAS汚染性Aに従って、作成した木質板サンプルを水平に置いた後、サンプルの表面に一般市販品事務用青色インキ、黒色速乾性インキ及び赤色クレヨンで幅10mmの線を引き、6時間放置した後、IPAを布に含ませてふき取る。その汚染痕を次の3段階で目視評価した。

○:わずかに汚れが残っている。
△:ほとんど汚れが残っている。
×:まったく汚れが落ちない。
〔木質板の耐溶剤性〕
前記木質板表面の耐溶剤性について、塗膜表面をメチルエチルケトンを含ませた脱脂綿で200回こすり、次の4段階で目視評価した。

◎:変化無し。
○:試験した痕が、わずかに艶が出る変化が起きている。
△:試験した痕が完全に残っており、艶が出る変化が起きている。
×:擦り回数200回に至る以前に塗膜表面が剥がれてしまう。
〔木質板表面の耐傷性〕
前記木質板表面の耐傷性について、塗膜表面を爪で擦り、傷の付き具合を評価する。次の4段階で目視評価した。

◎:変化無し。
○:試験した部分が極わずかな傷付きによる艶変化が見られる。
△:試験した部分が浅い軽度な傷が付いている。
×:試験した部分にはっきり深い傷がついている。
コーティング組成物の各配合、及びこれを用いた木質板の評価結果を表2、3に示す。
Figure 2018184583
Figure 2018184583
実施例に示すコーティング組成物を用いた化粧シート、及び木質板では、乾燥直後のタック性はなく、低い光沢による高級感、耐汚染性、耐溶剤性、及び耐傷性の全てを兼備することが出来る。

Claims (6)

  1. 二重結合当量が200〜750g/mol、重量平均分子量が10,000〜100,000のアクリル(メタ)アクリレート、及びシリカを含有する事を特徴とするコーティング組成物。
  2. 前記アクリル(メタ)アクリレートのガラス転移温度(Tg)が40〜130℃の範囲であり、水酸基価が5〜300mgKOH/gである請求項1に記載のコーティング組成物。
  3. 前記シリカが、平均粒子径が0.1〜25μmの湿式シリカ及び/又は平均粒子径が0.1〜3μmの乾式シリカである請求項1又は2に記載のコーティング組成物。
  4. 更に、アクリル(メタ)オリゴマー、及び/又はウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のコーティング組成物。
  5. 請求項1〜4に記載のコーティング組成物を基材表面に被覆し硬化した化粧シート。
  6. 請求項1〜4に記載のコーティング組成物を表面塗装し硬化した木質板。
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