JP2009040850A - 透明樹脂組成物および透明樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

透明樹脂組成物および透明樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マトリックス樹脂中にナノサイズの無機粒子を高度に分散する製造方法を提供し、硬化物の透明性が高い成形品が得られる透明樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 マトリックス樹脂中に、金属酸化物、金属炭酸塩、金属、又はそれらの複合物からなるナノサイズの無機粒子が分散された透明樹脂組成物であって、前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂又は光エネルギー線硬化型樹脂であり、硬化後の状態において前記無機粒子の径が電子顕微鏡又はSPMによる計測により50nm以下であり、かつ硬化後の1cm厚みの成形品で波長380〜780nmにおける光線透過率が90%以上である透明樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ナノサイズの無機粒子を含む透明樹脂組成物および透明樹脂組成物の製造方法に関する。
マトリックス樹脂中にナノサイズの無機粒子を分散させたいわゆるナノコンポジットは、樹脂の耐熱性向上、熱膨張率の低減等のために各種材料が試みられている。しかし、高い透明性が要求される場合に、マトリックス樹脂に高透明樹脂を用いても無機粒子の分散性が悪いため得られた材料は着色や白濁化が生じ、マトリクス樹脂以上の透明性(光線透過率)を示すことは出来なかった。
ナノコンポジットの製造方法としては、ゾルゲル法で無機ナノ粒子を作成しそれをマトリックス樹脂に分散させるボトムアップ法と、粉体の無機ナノ粒子を表面処理や各種の分散装置を利用してマトリックス樹脂中に分散させるトップダウン法があるが、何れの手法でも可視光の波長の十分の一以下のナノ粒子分散物のみにするということが困難であり、光のレイリー散乱により着色または白濁化が生じていた(特許文献1、特許文献2参照)。
特開2004−346288号公報 特開2007−51187号公報
本発明の目的は、マトリックス樹脂中にナノサイズの無機粒子を高度に分散する製造方法を提供し、硬化物の透明性が高い成形品が得られる透明樹脂組成物を提供することである。
本発明は、下記の通りである。
(1)マトリックス樹脂中に、金属酸化物、金属炭酸塩、金属、又はそれらの複合物からなるナノサイズの無機粒子が分散された透明樹脂組成物であって、前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂又は光エネルギー線硬化型樹脂であり、硬化後の状態において前記無機粒子の径が電子顕微鏡又はSPMによる計測により50nm以下であり、かつ硬化後の1cm厚みの成形品で波長380〜780nmにおける光線透過率が90%以上であることを特徴とする透明樹脂組成物。
(2)硬化後の波長850nmにおける光損失が0.1dB/cm以下である(1)記載の透明樹脂組成物。
(3)前記透明樹脂組成物の硬化後の1cm厚みの成形品における光線透過率と前記マトリックス樹脂単体の硬化後の1cm厚みの成形品の光線透過率との比が1.1以上である(1)又は(2)記載の透明樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)いずれか記載の透明樹脂組成物の製造方法であって、(a)ナノサイズの無機粒子の粉体を水又はアルコールに分散処理する工程、(b)表面処理剤又は界面活性剤で前記無機粒子表面を表面処理する工程、(c)水又はアルコールをマトリックス樹脂に置換する工程、を含むことを特徴とする透明樹脂組成物の製造方法。
(5)工程(a)において、分散処理がビーズミル、衝突式分散装置又は高速せん断力印加型分散装置を使用するものである(4)記載の透明樹脂組成物の製造方法。
(6)工程(a)において前記無機粒子が小角X線散乱計測による粒子径計測にて50nm以下の粒径に分散している(4)又は(5)記載の透明樹脂組成物の製造方法。
(7)工程(b)において、前記表面処理剤がシランカップリング剤である(4)〜(6)いずれか記載の透明樹脂組成物の製造方法。
(8)工程(b)において、更に無機粒子表面に残存するシラノール基を実質的にゼロにする処理工程を行なう(7)記載の透明樹脂組成物の製造方法。
本発明の透明樹脂組成物の製造方法によれば、無機粒子が高度に分散した樹脂組成物が得られ、硬化物において透明性が高い成形品が得られる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、マトリックス樹脂中に、金属酸化物、金属炭酸塩、金属、又はそれらの複合物からなるナノサイズの無機粒子が分散された透明樹脂組成物あって、マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂又は光エネルギー線硬化型樹脂であり、硬化後の状態において無機粒子の径が電子顕微鏡又はSPMによる計測により50nm以下であり、かつ硬化後の1cm厚みの成形品で波長380〜780nmにおける光線透過率が90%以上である透明樹脂組成物である。
本発明に使用するマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂又は光エネルギー線硬化型樹脂である。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等、熱によって三次元架橋し硬化する樹脂一般を示す。これらは単独でも混合しても良い。また用いる樹脂が硬化剤及び硬化促進剤を必要とする場合はそれを併用することができる。熱硬化性樹脂として最も好適に使用されるものはエポキシ樹脂である。特に脂環式構造を有するエポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレート構造を有するエポキシ樹脂などが好ましい。
このとき硬化剤としてアミン系、特にジシアンジアミドと芳香族アミン、テトラメチレンヘキサミン及びフェノールノボラック系硬化剤や酸無水物系硬化剤が使用されるか、あるいは硬化剤を配合せず、エポキシ単独重合を選択することができる。硬化剤等は特に限定しないが、成型品の透明性から酸無水物系硬化剤が好ましい。例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチル水添無水ナジック酸、水添無水ナジック酸、などが例として挙げられる。
硬化促進剤としては、特に限定はしないが、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機燐系や、1.8−ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等の窒素系の硬化促進剤かそれらのアダクト品が好適に使用される。なおエポキシ単独重合の時は酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸、三フッ化硼素アミン錯体、三フッ化硼素のアンモニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アルミニウム錯体等のカチオン系硬化促進剤を用いることが好ましい。これらの硬化促進剤は単独でも2種以上を併用して使用しても良い。
光エネルギー線硬化型樹脂として好適に使用されるものとして紫外線硬化性樹脂が挙げられる。紫外線硬化性樹脂とは、アクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等の、紫外線により三次元架橋し硬化する樹脂一般を示す。樹脂構造は特に経限定しないが、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリメリット酸、テレフタル酸等の他塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのエステル化物などが挙げられる。
これらの光重合性モノマーの中でも、高度な透明性の他に耐熱性を求める場合には1分子中に2個以上の官能基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。好ましい(メタ)アクリレートの例としては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独でも混合しても良い。このとき重合開始剤としては紫外線照射によりラジカルを発生させうる物質が用いられる。特に限定しないが、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
あるいは、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を紫外線硬化系に使用できる可能性もあり、この場合は紫外線照射によってカチオンを発生させうる物質、例えばアリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールホスホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、各種スルホン酸エステル、鉄−アレーン錯体、シラノール−アルミニウム錯体などを配合することが望ましい。なお紫外線硬化性樹脂は、一般に電子線の照射や単なる加熱によっても硬化することができるため、紫外線硬化性樹脂を硬化させる手段に関しては紫外線照射、電子線照射、加熱のいずれかあるいはこれらの併用としても問題はない。
本発明に使用するナノサイズの無機粒子は、金属酸化物、金属炭酸塩、金属、又はそれらの複合物からなる粒子である。
粒径は一次粒子径として、1〜100nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。粒径が上限値以下の無機粒子を用いると、可視光の波長よりも小さいナノ粒子であるため、光の反射や散乱を防止することができ、透明樹脂組成物の硬化物の透明性を十分に確保することが可能となる。
金属酸化物としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどが挙げられる。
このような無機粒子は、ゾルゲル法、湿式法、気相法、乾式法等の方法によって得ることができる。また、上記の無機粒子のうち1種のみを用いたり、2種以上を混合して用いても良い。
本発明の透明樹脂組成物において、無機粒子とマトリックス樹脂との配合割合は特に限定せず、必要特性に応じて適宜決められる。無機粒子の含有量が、透明樹脂組成物全体の重量を基準として、1〜95重量%であることが好ましく、5〜90重量%であることがより好ましい。
本発明の透明樹脂組成物の硬化後の状態において、無機粒子の径が電子顕微鏡又はSPMによる計測により50nm以下であることが必要である。好ましくは40nm以下である。このことにより、マトリックス樹脂中にナノ粒子が可視光の波長より充分小さく分散されているため、硬化後の1cm厚みの成形品で可視光領域(波長380〜780nm)における光線透過率が90%以上であることが可能となる。
又、硬化後の1cm厚みの成形品における光線透過率とマトリックス樹脂単体の硬化後の1cm厚みの成形品の光線透過率との比が1.1以上であることが可能となり、硬化後の1cm厚みの成形品における光線透過率を95%以上にすることも可能である。
更には、硬化物の波長850nmにおける光損失が0.1dB/cm以下であることも可能となる。
本発明の透明樹脂組成物の製造方法は、(a)ナノサイズの無機粒子の粉体を水又はアルコールに分散処理する工程、(b)表面処理剤又は界面活性剤で無機粒子表面を表面処理する工程、(c)水又はアルコールをマトリックス樹脂に置換する工程、を含む。
工程(a)において、無機粒子は粉体状態のものを使用する。粉体粒子から水ゾルやアルコールゾルを作製することにより、不純物が少なく、コストが安いものが得られる。
分散液としては水又はアルコールであり、これらの混合物を用いてもよい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
無機粒子の配合量は分散液に対して好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
分散処理方法としては各種の方法が使用できるが、ビーズミル、衝突式分散装置又は高速せん断力印加型分散装置を使用することが好ましい。特に、ビーズミルにおいてジルコニア等の耐摩耗性を有するビーズで、10〜100μm径の微小サイズのビーズを用いることが好ましい。
工程(a)で得られた分散液において、無機粒子が小角X線散乱計測による粒子径計測にて50nm以下の粒径に分散していることを確認することが好ましい。
次いで、(b)表面処理剤又は界面活性剤で無機粒子表面を表面処理する工程を行なう。
表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤が挙げられる。無機粒子にシリカを用いる場合は、シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランなどが挙げられる。
表面処理剤がシランカップリング剤である場合、無機粒子の表面にシランカップリング剤に起因するシラノール基が多く形成される。透明樹脂組成物のマトリックス樹脂がエポキシ樹脂等の場合は、シラノール基が粒子表面に多く存在すると、エポキシ樹脂と重合反応が起こりやすく、透明樹脂組成物の保存性が悪くなる恐れがある。
このため、工程(b)において、更に無機粒子表面に残存するシラノール基を実質的にゼロにする処理工程を行なうことが好ましい。シラノール基を減らす具体的な方法としては、工程(b)における処理温度を120℃以上にする方法、へキサメチルジシラザン等のシリル化材で処理する方法が挙げられる。
表面処理剤の使用量は、無機粒子100重量部に対し、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは、5〜80重量部、さらに好ましくは、10〜60重量部である。下限値未満では、透明樹脂組成物中の無機粒子の分散が不均一になる恐れがあり、上限値を超えると透明樹脂組成物の硬化後の機械的強度及び耐熱性が低下する恐れがある。
界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系、非イオン系の界面活性剤が挙げられ、特に制限するものではないが、イオン性物質を嫌う用途では非イオン系の界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(以下、ポリオキシエチレンをPOEと略す)、POEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリン脂肪酸エステル類、POE脂肪酸エステル類、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類、テトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油誘導体、POEミツロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。さらにシリコーン系界面活性剤として、ジメチルポリシロキサン、ポリエチレングリコール類、ジメチルポリシロキサンポリエチレン類、ジメチルポリシロキサンポリエチレングリコール共重合体類、ジメチルポリシロキサン・メチル(ポリム、カラオキシエチレン)シロキサン共重合体類等が挙げられる。
界面活性剤の使用量は、無機粒子100重量部に対し、好ましくは0.01〜5.0重量部、より好ましくは、0.01〜2.0重量部、さらに好ましくは、0.01〜1.0重量部である。
表面処理の後に、(c)水又はアルコールをマトリックス樹脂に置換する工程を行なう。上記分散液にマトリックス樹脂の一部又は全部を添加し、加熱攪拌して水又はアルコールの沸点以上に温度を上げて、脱水又は脱アルコールする。
この際に、水又はアルコールとマトリックス樹脂の両方を相溶させることのできる有機溶剤が添加されていることが好ましい。有機溶剤は、工程(b)の段階、又は工程(c)の段階で添加することができる。
工程(b)及び工程(c)は同時に行なってもかまわない。
このようにして得られた未硬化の樹脂組成物に、更に硬化剤又は光エネルギー線発生剤等を添加して本発明の透明樹脂組成物が得られる。
本発明の透明樹脂組成物は、良好な透明性を利用して電子材料用透明封止樹脂、プラスチック製光導波路、透明回路基板、電子パッケージ用透明樹脂基板、材料表示体用透明樹脂基板、導光板等への適用が可能である。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
水にシリカ粒子(一次粒子径15nm)を10wt%配合し、ビーズミルを用いて分散処理する。ビーズミルの運転においては、30μm径のジルコニアビーズを使用し、ローター周速は15m/sで2時間処理した。得られた水ゾルの粒度分布を、動的光散乱型粒度分布計(堀場製作所株式会社製LB−500を使用)で計測したところ、メジアン径は84nmであったが、小角X線回折装置(リガク株式会社製SmartLabを使用)を使用して計測したところ、メジアン径は21nm、最大粒子径は33nmであった。次に、シリカ10重量部に対して3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを3重量部配合し、さらにγブチロラクトンを適量配合して全体を均一の分散物にした。その状態で150℃以上の温度で還流してシリカとシランカップリング剤を反応させた。
その後、透明樹脂CEL−2021P(ダイセル化学工業株式会社製)を90重量部配合して攪拌したのち、水及びγブチロラクトンを減圧加熱により脱水、脱溶剤した。得られた未硬化の樹脂にカチオン重合触媒SI−100L(三新化学工業株式会社製)を1重量部配合して透明樹脂組成物を作製した。得られた透明樹脂組成物をガラス板上にキャストし、150℃に加熱硬化させて、最終的な透明樹脂基板を得た。1cm厚みの透明樹脂基板ブロックを作成し、光線透過率計(株式会社島津製作所製UV−240PCを使用)で波長380〜780nmにおける光線透過率を計測したところ、光線透過率は98%であった。又、マトリックス樹脂単体(シリカ粒子を配合しないもの)の硬化後の1cm厚みの成形品の光線透過率は88%であった。波長850nmにおける光損失は0.1dB/cmであった。透明樹脂基板を切断し研磨して、断面をFE−SEMで観測したところ、シリカの粒子径が20〜30nmであることが確認された。
(実施例2)
水/メタノールの50/50混合物にアルミナ粒子(一次粒子径21nm)を10wt%配合し、ビーズミルを用いて分散処理する。ビーズミルの運転においては、30μm径のジルコニアビーズを使用し、ローター周速は15m/sで2時間処理した。得られた水ゾルの粒度分布を、動的光散乱型粒度分布計(堀場製作所株式会社製LB−500を使用)で計測したところ、メジアン径は105nmであったが、小角X線回折装置(リガク株式会社製SmartLabを使用)を使用して計測したところ、メジアン径は29nm、最大粒子径は41nmであった。次に、アルミナ10重量部に対して3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを5重量部配合し、さらにγブチロラクトンを適量配合して全体を均一の分散物にした。その状態で150℃以上の温度で還流してシリカとシランカップリング剤を反応させた。その後ヘキサメチルジシラザンを1重量部加えて、さらに150℃で処理してヘキサメチルジシラザンを反応させ、未反応シラザン及び反応副生物のアンモニアを除去した。
その後、透明樹脂CEL−2021P(ダイセル化学工業株式会社製)を90重量部配合して攪拌したのち、水及びγブチロラクトンを減圧加熱により脱水、脱溶剤した。得られた未硬化の樹脂にカチオン重合触媒SI−100L(三新化学工業株式会社製)を1重量部配合して透明樹脂組成物を作製した。得られた透明樹脂組成物をガラス板上にキャストし、150℃に加熱硬化させて、最終的な透明樹脂基板を得た。1cm厚みの透明樹脂基板ブロックを作成し、光線透過率計(株式会社島津製作所製UV−240PCを使用)で波長380〜780nmにおける光線透過率を計測したところ、光線透過率は95%であった。又、マトリックス樹脂単体(アルミナ粒子を配合しないもの)の硬化後の1cm厚みの成形品の光線透過率は88%であった。波長850nmにおける光損失は0.2dB/cmであった。透明樹脂板を切断し研磨して、断面をFE−SEMで観測したところ、アルミナの粒子径が25〜35nmであることが確認された。
(実施例3)
水にジルコニア粒子(一次粒子径10nm)を10wt%配合し、ビーズミルを用いて分散処理する。ビーズミルの運転においては、30μm径のジルコニアビーズを使用し、ローター周速は15m/sで2時間処理した。得られた水ゾルの粒度分布を、動的光散乱型粒度分布計(堀場製作所株式会社製LB−500を使用)で計測したところ、メジアン径は72nmであったが、小角X線回折装置(リガク株式会社製SmartLabを使用)を使用して計測したところ、メジアン径は13nm、最大粒子径は30nmであった。次に、ジルコニア10重量部に対して3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを4重量部配合し、さらにγブチロラクトンを適量配合して全体を均一の分散物にした。その状態で150℃以上の温度で還流してシリカとシランカップリング剤を反応させた。その後ヘキサメチルジシラザンを1重量部加えて、さらに150℃で処理し、ヘキサメチルジシラザンを反応させ、未反応シラザン及び反応副生物のアンモニアを除去した。
その後、透明樹脂CEL−2021P(ダイセル化学株式会社製)を90重量部配合して攪拌したのち、水及びγブチロラクトンを減圧加熱により脱水、脱溶剤した。得られた未硬化の樹脂にカチオン重合触媒SI−100L(三新化学工業株式会社製)を1重量部配合して透明樹脂組成物を作製した。得られた透明樹脂組成物をガラス板上にキャストし、150℃に加熱硬化させて、最終的な透明樹脂基板を得た。1cm厚みの透明樹脂基板ブロックを作成し、光線透過率計(株式会社島津製作所製UV−240PCを使用)で波長380〜780nmにおける光線透過率を計測したところ、光線透過率は97%であった。又、マトリックス樹脂単体(ジルコニア粒子を配合しないもの)の硬化後の1cm厚みの成形品の光線透過率は88%であった。波長850nmにおける光損失は0.09dB/cmであった。透明樹脂板を切断し研磨して、断面をFE−SEMで観測したところ、ジルコニアの粒子径が20〜30nmであることが確認された。
(比較例1)
実施例1において、シリカの水ゾルの分散処理として、高圧ホモジナイザーを使用して行ったこと以外は実施例1と同じプロセスを用いて透明樹脂基板を得た。1cm厚みの透明樹脂基板ブロックの光線透過率は62%であった。又、透明樹脂基板中のシリカの分散粒径は50〜100nmであった。
(比較例2)
実施例1において、シランカップリング剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同じ条件のプロセスを用いて透明樹脂基板を得た。1cm厚みの透明樹脂基板ブロックの光線透過率は15%であった。又、透明樹脂基板中のシリカの分散粒径は1000nm以上であった。

Claims (8)

  1. マトリックス樹脂中に、金属酸化物、金属炭酸塩、金属、又はそれらの複合物からなるナノサイズの無機粒子が分散された透明樹脂組成物であって、前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂又は光エネルギー線硬化型樹脂であり、硬化後の状態において前記無機粒子の径が電子顕微鏡又はSPMによる計測により50nm以下であり、かつ硬化後の1cm厚みの成形品で波長380〜780nmにおける光線透過率が90%以上であることを特徴とする透明樹脂組成物。
  2. 硬化後の波長850nmにおける光損失が0.1dB/cm以下である請求項1記載の透明樹脂組成物。
  3. 前記透明樹脂組成物の硬化後の1cm厚みの成形品における光線透過率と前記マトリックス樹脂単体の硬化後の1cm厚みの成形品の光線透過率との比が1.1以上である請求項1又は2記載の透明樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の透明樹脂組成物の製造方法であって、(a)ナノサイズの無機粒子の粉体を水又はアルコールに分散処理する工程、(b)表面処理剤又は界面活性剤で前記無機粒子表面を表面処理する工程、(c)水又はアルコールをマトリックス樹脂に置換する工程、を含むことを特徴とする透明樹脂組成物の製造方法。
  5. 工程(a)において、分散処理がビーズミル、衝突式分散装置又は高速せん断力印加型分散装置を使用するものである請求項4記載の透明樹脂組成物の製造方法。
  6. 工程(a)において前記無機粒子が小角X線散乱計測による粒子径計測にて50nm以下の粒径に分散している請求項4又は5記載の透明樹脂組成物の製造方法。
  7. 工程(b)において、前記表面処理剤がシランカップリング剤である請求項4〜6いずれか記載の透明樹脂組成物の製造方法。
  8. 工程(b)において、更に無機粒子表面に残存するシラノール基を実質的にゼロにする処理工程を行なう請求項7記載の透明樹脂組成物の製造方法。
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