JP2018090818A - 樹脂組成物、樹脂成形体、及び光学部品 - Google Patents

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正明 小松
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安奈 金指
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Yoshiyuki Sugawara
義之 菅原
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Abstract

【課題】
高屈折性及び透明性に優れ、吸水による寸法変化が少ない樹脂成形体の材料として有用な加工性に優れた樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体及び光学部品を提供する。
【解決手段】
透明樹脂と、表面が修飾剤により修飾された無機粒子とを含有する樹脂組成物であって、前記透明樹脂の37℃における飽和吸水率が0.015重量%未満であり、
前記無機粒子が、平均粒子径が20nm以下で、かつ、屈折率が前記透明樹脂の屈折率より0.40以上大きいものであり、前記修飾剤が、リン酸エステル、有機ホスホン酸、ホスホン酸エステルからなる群から選ばれるリン含有化合物であって、炭素−炭素二重結合を有する炭素数12〜18の炭化水素基を含むリン含有化合物であることを特徴とする樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体、及び光学部品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高屈折性及び透明性に優れ、吸水による寸法変化が少ない樹脂成形体の材料として有用な加工性に優れた樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体及び光学部品に関する。
光学レンズ等の光学部品の材料には、高屈折性と透明性に優れることが要求される。このため、従来、アクリル樹脂等の透明性に優れる樹脂に、無機粒子を添加することにより、屈折率を高め、光学部品の材料として用いることが行われている。
また、無機粒子を表面処理することにより、樹脂成形体中における無機粒子の分散性を向上させ、樹脂成形体の透明性の低下を避ける方法も検討されている。
例えば、特許文献1には、表面が有機酸により修飾された特定の金属酸化物粒子と、アクリレート樹脂などの透明樹脂とを含有する透明樹脂複合体が記載されている。
特開2009−191167号公報
特許文献1に記載されているアクリレート樹脂は、透明性に優れるものの、吸水率が比較的高いという問題がある。吸水率が高い材料は、大気中の水分の吸収などによって寸法変化を生じ易く、光学レンズ等の高い寸法安定性が要求される光学部品の材料として用いることが困難である。
しかしながら、アクリレート樹脂に代えて、吸水率が低い樹脂を用いる場合には、特許文献1に記載の方法により表面処理された無機粒子を樹脂組成物中に添加すると、無機粒子が十分に分散されず、樹脂組成物の加工性や透明性が悪くなって、得られる樹脂成形体の表面が粗くなったり、透明性が劣ったりする場合があり、問題となっていた。
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、高屈折性及び透明性に優れ、吸水による寸法変化が少ない樹脂成形体の材料として有用な加工性に優れた樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体及び光学部品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、透明樹脂と、表面が修飾剤により修飾された無機粒子とを含有する樹脂組成物について鋭意検討した。その結果、特定の透明樹脂と、表面が特定の修飾剤により修飾された無機粒子を含有する樹脂組成物を用いることにより、良好な加工性で、高屈折性及び透明性に優れ、吸水による寸法変化が少ない樹脂成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記〔1〕〜〔6〕の樹脂組成物、〔7〕の樹脂成形体、及び、〔8〕の光学部品が提供される。
〔1〕透明樹脂と、表面が修飾剤により修飾された無機粒子とを含有する樹脂組成物であって、前記透明樹脂の37℃における飽和吸水率が0.015重量%未満であり、前記無機粒子が、平均粒子径が20nm以下で、かつ、屈折率が前記透明樹脂の屈折率より0.40以上大きいものであり、前記修飾剤が、リン酸エステル、有機ホスホン酸、ホスホン酸エステルからなる群から選ばれるリン含有化合物であって、炭素−炭素二重結合を有する炭素数12〜18の炭化水素基を含むリン含有化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
〔2〕前記透明樹脂が、脂環式構造含有炭化水素樹脂である、〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕前記無機粒子が、金属酸化物の粒子である、〔1〕または〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕前記修飾剤が、下記式(1)又は(2)
Figure 2018090818
(式中、Rは、炭素−炭素二重結合を有する炭素数12〜18の炭化水素基を表し、Xは、水酸基又は炭素数1〜18の炭化水素オキシ基を表し、Yは、水酸基、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数1〜18の炭化水素オキシ基を表す。)
で示されるリン含有化合物である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔5〕前記修飾された無機粒子の修飾率が20〜35重量%である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔6〕前記透明樹脂と前記修飾された無機粒子との合計量に対する前記修飾された無機粒子の含有量が、20〜85重量%である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて得られた樹脂成形体。
〔8〕前記〔7〕に記載の樹脂成形体からなる光学部品。
本発明によれば、高屈折性及び透明性に優れ、吸水による寸法変化が少ない樹脂成形体の材料として有用な加工性に優れた樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体、及び光学部品が提供される。
以下、本発明を、1)樹脂組成物、及び、2)樹脂成形体及び光学部品、に項分けして詳細に説明する。
1)樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、透明樹脂と、表面が修飾剤により修飾された無機粒子とを含有する樹脂組成物であって、前記透明樹脂の37℃における飽和吸水率が0.015重量%未満であり、前記無機粒子が、平均粒子径が20nm以下で、かつ、屈折率が前記透明樹脂の屈折率より0.40以上大きいものであり、前記修飾剤が、リン酸エステル、有機ホスホン酸、ホスホン酸エステルからなる群から選ばれるリン含有化合物であって、炭素−炭素二重結合を有する炭素数12〜18の炭化水素基を含むリン含有化合物であることを特徴とする。
本明細書において、表面が修飾剤により修飾された無機粒子を「修飾された無機粒子」、表面が修飾剤により修飾される前の無機粒子を「無機粒子」と記載する。
〔透明樹脂〕
本発明の樹脂組成物は透明樹脂を含有する。透明樹脂とは、ASTM D1003に基づいて、厚みが3mmの板を用いて測定した全光線透過率が85%以上の樹脂をいうものとする。
本発明に用いる透明樹脂は、37℃における飽和吸水率が、0.015重量%未満、好ましくは0〜0.012重量%、より好ましくは0〜0.010重量%のものである。
37℃における飽和吸水率は、実施例に記載の方法により求めることができる。
37℃における飽和吸水率が0.015重量%未満の透明樹脂を用いることで、吸水による寸法変化が起こりにくく、高い寸法安定性が要求される光学部品の材料などとして有用な樹脂組成物を得ることができる。
飽和吸水率の値は、樹脂の種類や、樹脂が有する置換基の影響を受ける。一般に、炭化水素系樹脂の飽和吸水率は低く、また、極性基が存在すると、樹脂の飽和吸水率が高くなる傾向がある。したがって、本発明においては、これらの性質を考慮して、適切な透明樹脂を選択することが好ましい。
本発明に用いる透明樹脂の屈折率は、用いる無機粒子の屈折率より0.4以上小さいものであれば特に限定されないが、通常、1.50〜1.60の範囲である。このような透明樹脂を用いることにより、高屈折性及び透明性に優れる樹脂成形体を得ることができる。
透明樹脂の屈折率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
透明樹脂の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、通常、5,000〜500,000、好ましくは7,000〜300,000、より好ましくは10,000〜100,000である。透明樹脂の重量平均分子量(Mw)も、特に限定されないが、通常、5,000〜1,000,000、好ましくは14,000〜600,000、より好ましくは15,000〜250,000である。分子量分布(Mw/Mn)も、特に限定されないが、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4の範囲である。
数平均分子量、重量平均分子量、及び分子量分布がこれらの範囲にあることで、樹脂成形体は、機械的強度と成形性とのバランスに優れるものとなる。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、シクロヘキサンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値である。
透明樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、通常、80〜250℃、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは120〜180℃である。ガラス転移温度は、JIS−K7121に基づいて示差走査熱量分析法(DSC)で測定した値である。
本発明に用いる透明樹脂の樹脂としての種類は、透明で、37℃における飽和吸水率が0.015重量%未満である限りにおいて特に限定されず、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、脂環式構造含有炭化水素樹脂などから選択することができる。
これらの中でも、透明性と低吸水性に優れることから、脂環式構造含有炭化水素樹脂が好ましい。
脂環式構造含有炭化水素樹脂は、脂環式構造を有する繰り返し単位を有し、実質的に炭素原子と水素原子のみによって骨格が構成された重合体からなる樹脂である。脂環式構造含有炭化水素樹脂中の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造等が挙げられる。なかでも、透明性及び低吸水性に優れる樹脂成形体が得られ易いことから、シクロアルカン構造を有する重合体が好ましい。
脂環式構造は主鎖にあっても良いし、側鎖にあっても良いが、透明性及び低吸水性に優れる樹脂成形体が得られ易いことから、主鎖に脂環式構造を有する重合体が好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。
なお、脂環式構造含有炭化水素樹脂は、37℃における飽和吸水率が0.015重量%未満となる限りにおいて、修飾された無機粒子の分散性の改良などを目的として、必要に応じて、極性基含有化合物で変性してもよい。
脂環式構造含有炭化水素樹脂中の脂環式構造を含有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜決定すればよいが、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%である。脂環式構造含有炭化水素樹脂中の脂環式構造を含有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあることで、透明性及び低吸水性に優れる樹脂成形体が得られ易くなる。
脂環式構造含有炭化水素樹脂としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及び(1)〜(4)重合体の水素化物等が挙げられる。これらの中でも、高屈折性及び透明性に優れる樹脂成形体が得られ易いことから、ノルボルネン系重合体又はその水素化物が好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン環構造を有する化合物を単量体として用いた(すなわち、ノルボルネン系単量体を用いた)重合体である。
ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体;ノルボルネン系単量体とこの単量体と開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体;これらの重合体の水素化物;ノルボルネン系単量体の付加重合体;ノルボルネン系単量体とこの単量体と共重合可能なその他の単量体との付加共重合体;等が挙げられる。
これらの中でも、高屈折性及び透明性に優れる樹脂成形体が得られ易いことから、ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物、又はノルボルネン系単量体とこの単量体と開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体の水素化物が好ましい。
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名テトラシクロドデセン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)等が挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体が有する置換基としては、メチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、ビニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基、エチリデン基等の炭素数2〜10のアルキリデン基等が挙げられる。
ノルボルネン系単量体は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状オレフィン系単量体が挙げられる。
これらの単量体は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、又はノルボルネン系単量体と、この単量体と開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体は、これらの単量体を、公知の開環重合触媒の存在下で重合することにより得ることができる。
開環重合触媒としては、モリブデン、ルテニウム、タングテン、オスミウム等の金属のハロゲン化物と、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒等が挙げられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体や開環共重合体の水素化物は、通常、重合反応後の反応溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系単量体の付加重合体、及びノルボルネン系単量体と、この単量体と共重合可能なその他の単量体との付加共重合体は、これらの単量体を、公知の付加重合触媒の存在下で重合することにより得ることができる。
付加重合触媒としては、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が挙げられる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン等のシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;等が挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
これらの単量体は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体が挙げられる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物が挙げられる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン等のビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;等が挙げられる。
〔無機粒子〕
本発明に用いる修飾された無機粒子は、無機粒子の表面が修飾剤により修飾されてなるものである。
無機粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、20nm以下であり、好ましくは1〜17nm、より好ましくは3〜15nmである。無機粒子の平均粒子径が20nmを超えると、得られる樹脂組成物の透明性が低下するおそれがある。一方、無機粒子の平均粒子径が小さすぎる場合には、無機粒子の二次凝集が生じ易くなり、無機粒子について所期の性質が得られないおそれがある。
無機粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、実施例に記載の方法により測定することができる。
無機粒子の屈折率は、透明樹脂の屈折率より0.40以上大きいものである。
例えば、用いる透明樹脂の屈折率が1.50である場合、本発明においては、屈折率が1.90以上の無機粒子を用いる。
このような無機粒子を用いることにより、屈折率が高い樹脂組成物を得ることができる。
無機粒子の屈折率は、例えば、濃度の異なる無機粒子分散液の屈折率差を測定することにより、算出することができる。例えば、酸化チタンの屈折率は2.6、酸化ジルコニウムの屈折率は2.1である。
無機粒子の表面には、通常、水酸基、メルカプト基等の16族元素を含む基が存在する。後述するように、本発明においては、これらの基と化学結合を形成可能な官能基(又は官能基を有する原子団)を有する修飾剤と無機粒子とを接触させることにより、表面が修飾剤により修飾された無機粒子を得ることができる。
無機粒子を構成する無機化合物としては、金属酸化物、金属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セレン、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化アンチモン等が挙げられる。
金属硫化物としては、硫化亜鉛、硫化アンチモン等が挙げられる。
金属セレン化物としては、セレン化亜鉛、セレン化アンチモン等が挙げられる。
金属テルル化物としては、テルル化カドミウム等が挙げられる。
これらの中でも、金属酸化物が好ましく、酸化チタン又は酸化ジルコニウムがより好ましい。
無機粒子は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
無機粒子は、特開2009−197323号公報、特開2011−213505号公報、特開2012−180241号公報等に記載の公知の方法を用いて製造することができる。
無機粒子の修飾に用いる修飾剤は、リン酸エステル、有機ホスホン酸、ホスホン酸エステルからなる群から選ばれるリン含有化合物であって、炭素−炭素二重結合を有する炭素数12〜18の炭化水素基(以下、「二重結合含有長鎖炭化水素基」ということがある。)を含むリン含有化合物である。
本発明においては、修飾剤を一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
二重結合含有長鎖炭化水素基としては、ドデセニル基及びその構造異性体、トリデセニル基及びその構造異性体、テトラデセニル基及びその構造異性体、ペンタデセニル基及びその構造異性体、ヘキサデセニル基及びその構造異性体、ヘプタデセニル基及びその構造異性体、オクタデセニル基(オレイル基を含む。)及びその構造異性体等の炭素数12〜18の直鎖状又は分岐状のアルケニル基が挙げられる。
これらの中でも、直鎖状のアルケニル基が好ましく、直鎖状の炭化水素鎖の内部に二重結合を有する直鎖状内部アルケニル基がより好ましく、オレイル基が特に好ましい。
前記リン含有化合物中、二重結合含有長鎖炭化水素基の数は、特に限定されないが、1又は2であることが好ましく、1がより好ましい。
二重結合含有長鎖炭化水素基を有するリン含有化合物を用いて表面が修飾されてなる無機粒子(すなわち、修飾された無機粒子)は透明樹脂との相溶性に優れるため、樹脂組成物の溶液中や樹脂成形体中における分散性に優れる。このため、修飾された無機粒子の含有量を多くしても、得られる樹脂組成物は、透明性及び加工性に優れるものとなる。
また、リン含有化合物が、リン酸エステル、有機ホスホン酸、ホスホン酸エステルからなる群から選ばれるものであることにより、これら化合物に含まれるリン原子に直接結合した水酸基や炭化水素オキシ基と、無機粒子表面の水酸基やメルカプト基等との間や、2つのリン含有化合物のリン原子に直接結合した水酸基や炭化水素オキシ基の相互間で縮合反応が起き、無機粒子の表面がリン含有化合物により修飾される。
本発明に用いる修飾剤としては、下記式(1)又は(2)で示されるリン含有化合物が好ましく用いられる。
Figure 2018090818
式中、Rは、炭素−炭素二重結合を有する炭素数12〜18の炭化水素基を表し、Xは、水酸基又は炭素数1〜18の炭化水素オキシ基を表し、Yは、水酸基、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数1〜18の炭化水素オキシ基を表す。
Yの炭素数1〜18の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜18のアルキル基;ビニル基、アリル基、Rで表される基等の炭素数2〜18のアルケニル基;フェニル基等の炭素数6〜18のアリール基;等が挙げられる。
X及びYの炭素数1〜18の炭化水素オキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜18のアルコキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等の炭素数2〜18のアルケニルオキシ基;フェノキシ基等の炭素数6〜18のアリーロキシ基;等が挙げられる。
式(1)又は(2)においてYで表される基は、目的に合わせて適宜選択することが好ましい。例えば、透明樹脂と修飾された無機粒子との相溶性を高める場合には、Yで表される基は、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数1〜18の炭化水素オキシ基が好ましく、縮合反応性を高めるためには、水酸基や、炭素数が1〜10の炭化水素オキシ基が好ましい。
本発明において修飾剤として用いられるリン含有化合物の具体例を挙げると、リン酸エステルとしては、リン酸ドデセニル、リン酸トリデセニル、リン酸テトラデセニル、リン酸ペンタデセニル、リン酸ヘキサデセニル、リン酸ヘプタデセニル、リン酸オクタデセニル、リン酸オレイル、リン酸オクタデカジエニル、リン酸オクタデカトリエニル、リン酸ジオレイルなどが挙げられ、有機ホスホン酸としては、ドデセニルホスホン酸、トリデセニルホスホン酸、テトラデセニルホスホン酸、ペンタデセニルホスホン酸、ヘキサデセニルホスホン酸、ヘプタデセニルホスホン酸、オクタデセニルホスホン酸、オレイルホスホン酸、オクタデカジエニルホスホン酸、オクタデカトリエニルホスホン酸、ジオレイルホスホン酸などが挙げられ、ホスホン酸エステルとしては、ドデセニルホスホナート、トリデセニルホスホン酸、テトラデセニルホスホン酸、ペンタデセニルホスホン酸、ヘキサデセニルホスホナート、ヘプタデセニルホスホナート、オクタデセニルホスホナート、オレイルホスホナートなどが挙げられる。これらのなかでもリン酸エステルが好ましく用いられ、さらにそのなかでも、入手容易性や耐熱性の観点から、リン酸オレイルが特に好ましく用いられる。修飾剤として用いられるリン含有化合物は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
無機粒子を修飾剤により修飾する方法は特に限定されず、例えば、湿式法で修飾してもよいし、乾式法で修飾してもよい。ただし、無機粒子をより効率よく修飾し、さらに、無機粒子の二次凝集を防止する観点からは、湿式法で修飾することが好ましい。無機粒子を湿式法で修飾する場合には、例えば、無機粒子の分散液を調製し、この分散液を撹拌しながら、修飾剤の溶液を分散液に滴下することにより、無機粒子の表面を修飾することができる。
無機粒子の分散液に用いる溶媒は特に限定されないが、無機粒子を良好に分散させる観点からは、水、又はメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコールが好ましく用いられる。また、分散液の安定化のために、例えば、ギ酸、酢酸、塩酸、硝酸などの酸やアルカリなどの他の成分を分散液に添加してもよい。
無機粒子を修飾剤で修飾させるための反応時間は、特に限定されず、通常、1〜48時間、好ましくは、2〜24時間、より好ましくは12〜22時間である。反応温度は特に限定されず、通常、10〜100℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは10〜40℃である。
上記反応後、遠心分離処理を行うことにより、修飾された無機粒子を沈殿させることができる。必要に応じて、上澄み液の除去、溶媒に再分散、遠心分離処理を繰り返し、修飾された無機粒子を洗浄してもよい。
修飾された無機粒子の修飾率(修飾された無機粒子において、修飾剤由来の成分が占める割合)は、特に限定されないが、好ましくは20〜35重量%、より好ましくは25〜35重量%である。
修飾された無機粒子の修飾率が上記範囲内であることで、修飾された無機粒子を透明樹脂中に効率よく分散させ、かつ、無機粒子を分散させることによる屈折率向上の効果を十分に得ることができる。
修飾された無機粒子の修飾率は、実施例に記載の方法により算出することができる。
〔樹脂組成物〕
本発明の樹脂組成物は、前記透明樹脂及び修飾された無機粒子を含有する。
透明樹脂と修飾された無機粒子の合計量に対する修飾された無機粒子の含有量は、好ましくは20〜85重量%、より好ましくは40〜80重量%である。修飾された無機粒子の含有量が上記範囲内であることで、高屈折性、透明性及び加工性により優れる樹脂組成物が得られ易くなる。
樹脂組成物は、前記透明樹脂及び修飾された無機粒子に加えて、添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機物充填材、無機物充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどの公知の添加剤が挙げられる。
これらの含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に合わせて適宜決定することができる。
本発明の樹脂組成物は、例えば、透明樹脂の溶液と、修飾された無機粒子の分散液とを混合することにより調製することができる。このとき、修飾された無機粒子を十分に分散させるために、超音波処理を行ってもよい。この方法によれば、樹脂組成物の溶液を得ることができる。
樹脂組成物の溶液の溶媒としては、特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン等のポリオール系溶媒;N−メチルピロリドン、ピリジン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;等が挙げられる。これらの中でも、透明樹脂の溶解性を良好にする観点から、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が好ましく用いられ、さらに修飾された無機粒子の分散性を良好にする観点から、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が特に好ましく用いられる。
また、本発明の樹脂組成物は、加熱溶融させた透明樹脂に修飾された無機粒子を添加し、混錬することにより調製することもできる。混練する際は、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、フィーダールーダー等の溶融混練機等を用いることができる。混練温度は、透明樹脂の溶融温度(軟化温度)等に応じて決定すればよく特に限定されないが、好ましくは160〜250℃、より好ましくは、180〜220℃である。なお、混練にあたっては、混練機内部を例えば窒素などの不活性ガス(好ましくは、純度99.9%以上)雰囲気として、透明樹脂の酸化劣化を防止することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、修飾された無機粒子が、透明樹脂中に十分に分散されているものであり、透明性に優れる。例えば、固形分濃度が10重量%の樹脂組成物のトルエン溶液の波長600nmにおける光線透過率(光路長:1cm)は、通常、90%以上、好ましくは95%以上である。
本発明の樹脂組成物は、修飾された無機粒子の含有量が多い場合であっても、修飾された無機粒子が十分に分散されているものである。したがって、本発明の樹脂組成物は加工性に優れ、また、この樹脂組成物を用いることにより、高屈折性及び透明性に優れる樹脂成形体を効率よく得ることができる。
2)樹脂成形体及び光学部品
本発明の樹脂成形体は、本発明の樹脂組成物を用いて得られたものである。
適用する成形法は目的の樹脂成形体を得られるものである限りにおいて、特に限定されないが、フィルムを得る場合には、本発明の樹脂組成物の溶液を用いたキャスト法が好適である。
キャスト法により得られる樹脂フィルムの厚みは特に制限されない。
樹脂フィルムの厚みは、通常、10nmから1mm、好ましくは50nmから500μm、より好ましくは100nmから1μmである。
本発明の樹脂成形体は、修飾された無機粒子が透明樹脂中に十分に分散されたものであり、高屈折性及び透明性に優れ、吸水による寸法変化が少ないものである。
例えば、本発明の樹脂成形体は、通常、用いた透明樹脂の屈折率に比べて、例えば0.04以上、あるいは0.065以上大きな屈折率を有するものであり、高屈折性を有する。
また、膜厚が200nmの樹脂フィルムの、波長600nmにおける光線透過率は、通常、80%以上であり、好ましくは85%以上であり、透明性に優れる。
また、この樹脂フィルムは、本発明の樹脂組成物が加工性に優れたものであるため、例えば、その表面粗さRaが、20nm未満であるような表面が平滑で均質なものとすることができる。
本発明の樹脂成形体は、各種成形品として広範な分野において有用である。
例えば、医療用器材;電気絶縁材料;電子部品処理用器材;光学部品;受光素子用窓透の電子部品用途;窓、機器部品、ハウジング等の構造材料や建材;バンパー、ルームミラー、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、インストルメントパネル等の自動車用器材;スピーカーコーン材、スピーカー用振動素子、電子レンジ容器等の電気用器材;ボトル、リターナブルボトル、哺乳瓶等の食品容器;ラップ等の包装材料;フィルム、シート、ヘルメット等の種々の用途に利用できる。
これらの中でも、本発明の樹脂成形体は、その特徴が生かされることから、光学部品として用いるのが好ましい。
光学部品の具体例としては、光学レンズ、導光板、プリズムシート、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、光ディスク、光ディスク基板、ブルーレーザー用光ディスク、ブルーレーザー用光ディスク基板、光磁気ディスク、光磁気ディスク基板、光カード基板、光導波路などが挙げられ、特に、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムシートなどの拡散または集光シートや導光板などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。また、下記の実施例および比較例において、「部」および「%」は特に断りのない限り、重量基準である。
製造例1で得た透明樹脂Aの重量平均分子量、水素化率、及び飽和吸水率は、それぞれ以下の方法により求めた。
(重量平均分子量)
シクロヘキサンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を行い、標準ポリスチレン換算値として求めた。
(水素化率)
H−NMRを測定し、定法により求めた。
(飽和吸水率)
水の温度を37℃に変更したこと以外はASTMD530に従い、37℃の水中に1週間浸漬して増加重量を測定することにより求めた。
製造例2〜8で得た修飾された無機粒子の修飾率、及び修飾された無機粒子の溶液中の平均粒子径は、それぞれ以下の方法により求めた。
(修飾率)
修飾された無機粒子8mgをアルミパンに入れ、示差熱熱重量同時測定装置(SII社製、製品名:TG/DTA6200)を使用して、30℃〜550℃まで昇温速度15℃/分で加温し、120℃〜550℃までの加熱重量減少量を測定した。この重量減少量が修飾剤の分解除去によるものとして、修飾率〔修飾された無機粒子において、修飾剤由来の成分が占める割合(%)〕を算出した。
(修飾された無機粒子の平均粒子径)
修飾された無機粒子の平均粒子経は、粒子径測定システム(大塚電子社製、製品名:ELSZ−100)を用いて測定し、体積平均粒子径(D50)を平均粒子径とした。
〔製造例1〕(透明樹脂Aのトルエン溶液の製造)
内部を窒素ガスで置換した反応器に、室温で、脱水シクロヘキサン500部、1−ヘキセン0.82部、ジブチルエーテル0.15部及びトリイソブチルアルミニウム0.30部を入れ混合した後、内容物を45℃に加熱した。次いで、内容物の温度を45℃に維持したまま、内容物に、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(以下「ETCD」と略記する)100部、六塩化タングステン0.7%トルエン溶液40部を、2時間かけて連続的に添加し、重合反応を行った。反応終了後、反応混合物に、ブチルグリシジルエーテル1.06部及びイソプロピルアルコール0.52部を添加することにより、重合反応を停止させ、ETCD開環重合体を含む反応液を得た。
得られた反応液100部に対して、シクロヘキサン270部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加えた。次いで、反応器内の圧力が5MPaになるまで水素ガスを加えた後、内容物を攪拌しながら200℃まで加熱し、200℃で4時間、水素化反応を行った。次いで、内容物を室温まで冷却し、ETCD開環重合体水素化物を20%含む反応液を得た。
ろ過により反応液から水素化触媒を除去した後、濾液を、円筒型濃縮乾燥機(日立製作所製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、シクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去しながら、溶融状態のETCD開環重合体水素化物を押出機からストランド状に押出し、冷却後ペレット化することにより、ETCD開環重合体水素化物のペレットを得た。
得られたETCD開環重合体水素化物(以下、「透明樹脂A」と略記する)の重量平均分子量は35,000、水素化率は99.9%、飽和吸水率は0.008%であった。
透明樹脂Aをトルエンに溶解させ、濃度10%の透明樹脂Aのトルエン溶液を得た。
〔製造例2〕(修飾された無機粒子B1のトルエン分散液の製造)
酸化チタンのメタノール分散液(堺化学工業社製、商品名:SRD−M、固形分濃度15%、ルチル型、平均粒子径11nm)15部を容器に入れ、内容物を撹拌しながら、20℃でメタノール45部を加えることにより、酸化チタンのメタノール分散液を希釈した。
次いで、内容物を撹拌しながら、リン酸オレイルのメタノール溶液〔1.958部(酸化チタン1kgあたりリン酸オレイル2.5molに相当)のリン酸オレイル(東京化成工業社製、モノ体、ジ体の混合物)をメタノール30部に溶解させて得られた溶液〕を、1時間かけて容器内に滴下し、その後20℃で20時間撹拌を継続することにより、表面修飾された酸化チタンのメタノール分散液を得た。
10000回転/分で10分間遠心分離を行い、表面修飾された酸化チタンを沈殿させた後、透明な上澄み液を除去した。沈殿物にエタノール60部を加えて撹拌し、再度分散液を得、次いで、10000回転/分で10分間遠心分離をすることにより、表面修飾された酸化チタンを洗浄した。この洗浄操作を4回繰り返した後、得られた白色沈殿物にトルエンを60部加え、超音波処理を60分間行うことにより、表面修飾された酸化チタンをトルエンに分散させた。次いで、40℃で2時間以上かけてトルエンを揮発させることにより、リン酸オレイルで表面修飾された酸化チタン(修飾された無機粒子B1)を得た。
修飾された無機粒子B1の修飾率は28%であった。
修飾された無機粒子B1をトルエンに分散させ、濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液を得た。
得られたトルエン分散液中、修飾された無機粒子B1の平均粒子径は15nmであった。また、凝集は確認されず、200nm以上の粒子含有量は0%であった。
〔製造例3〕(修飾された無機粒子B2のトルエン分散液の製造)
製造例2において、酸化チタンのメタノール分散液を、酸化ジルコニウムのメタノール分散液(堺化学工業社製、商品名:SZR−M、固形分濃度30%、平均粒子径4nm)7.5部に変更したこと以外は、製造例2と同様の方法により、リン酸オレイルで表面修飾された酸化ジルコニウム(修飾された無機粒子B2)を得た。
修飾された無機粒子B2の修飾率は25%であった。
濃度10%の修飾された無機粒子B2のトルエン分散液中、修飾された無機粒子B2の平均粒子径は6nmであった。また、凝集は確認されず、200nm以上の粒子含有量は0%であった。
〔製造例4〕(修飾された無機粒子B3のトルエン分散液の製造)
製造例2において、平均粒子径11nmの酸化チタンのメタノール分散液を、平均粒子径200nmの酸化チタン(関東化学社製、商品名:NO−0051−HP、平均粒子径200nm)の水分散液〔前記酸化チタンを、ジェットミル(吉田機械興業社製、商品名:ナノマイザー)を用いて、硝酸を加えてpHを2.0に調整した水中に分散、安定化させて得られた、酸化チタンの濃度が15%の水分散液〕に変更したこと以外は、製造例2と同様の方法により、リン酸オレイルで表面修飾された酸化チタン(修飾された無機粒子B3)を得た。
修飾された無機粒子B3の修飾率は10%であった。
濃度10%の修飾された無機粒子B3のトルエン分散液中、修飾された無機粒子B3の平均粒子径は200nmであった。また、凝集は確認されなかった。
〔製造例5〕(修飾された無機粒子B4のトルエン分散液の製造)
製造例2において、修飾剤をリン酸オレイルからリン酸ブチル(SC有機化学社製、商品名:Phoslex A−4)に変更したことと、洗浄操作において、エタノールに代えてメタノールを用いたこと以外は、製造例2と同様の方法により、リン酸ブチルで表面修飾された酸化チタン(修飾された無機粒子B4)を得た。
修飾された無機粒子B4の修飾率は14%であった。
濃度10%の修飾された無機粒子B4のトルエン分散液中、修飾された無機粒子B4の平均粒子径は12nmであった。また、凝集は確認されず、200nm以上の粒子含有量は0%であった。
〔製造例6〕(修飾された無機粒子B5のトルエン分散液の製造)
製造例2において、修飾剤をリン酸オレイルからリン酸エチルヘキシル(SC有機化学社製、商品名:Phoslex A−8)に変更したこと以外は、製造例2と同様の方法により、リン酸エチルヘキシルで表面修飾された酸化チタン(修飾された無機粒子B5)を得た。
修飾された無機粒子B5の修飾率は18%であった。
濃度10%の修飾された無機粒子B5のトルエン分散液中、修飾された無機粒子B5の平均粒子径は12nmであった。また、凝集は確認されず、200nm以上の粒子含有量は0%であった。
〔製造例7〕(修飾された無機粒子B6のトルエン分散液の製造)
製造例2において、修飾剤をリン酸オレイルからリン酸ラウリル(SC有機化学社製、商品名:Phoslex A−12)に変更したこと以外は、製造例2と同様の方法により、リン酸ラウリルで表面修飾された酸化チタン(修飾された無機粒子B6)を得た。
修飾された無機粒子B6の修飾率は23%であった。
濃度10%の修飾された無機粒子B6のトルエン分散液中、修飾された無機粒子B6の平均粒子径は14nmであった。また、凝集は確認されず、200nm以上の粒子含有量は0%であった。
〔製造例8〕(修飾された無機粒子B7のトルエン分散液の製造)
製造例2において、修飾剤をリン酸オレイルからリン酸ステアリル(SC有機化学社製、商品名:Phoslex A−18)に変更したこと以外は、製造例2と同様の方法により、リン酸ステアリルで表面修飾された酸化チタン(修飾された無機粒子B7)を得た。
修飾された無機粒子B7の修飾率は28%であった。
濃度10%の修飾された無機粒子B7のトルエン分散液中、修飾された無機粒子B7の平均粒子径は14nmであった。また、凝集は確認されず、200nm以上の粒子含有量は0%であった。
〔実施例1〕
(樹脂組成物の製造)
製造例1で得た濃度10%の透明樹脂Aのトルエン溶液60部と、製造例2で得た濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液40部とを混合し、30℃で60分間超音波処理を行うことにより、樹脂組成物のトルエン溶液を得た。
(樹脂フィルムの製造)
得られた樹脂組成物のトルエン溶液をガラス板に滴下した後、1500回転/分でスピンコートし、得られた塗膜を乾燥させることにより、厚みが200nmの樹脂フィルムを得た。
〔実施例2〕
製造例2で得た濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液に代えて、製造例3で得た濃度10%の修飾された無機粒子B2のトルエン分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂組成物及び樹脂フィルムを得た。
〔実施例3〕
製造例1で得た濃度10%の透明樹脂Aのトルエン溶液20部と、製造例2で得た濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液80部を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂組成物及び樹脂フィルムを得た。
〔比較例1〕
実施例1の樹脂組成物に代えて、製造例1で得た濃度10%の透明樹脂Aのトルエン溶液を用いて、実施例1と同様の方法により樹脂フィルムを得た。
〔比較例2〕
製造例2で得た濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液に代えて、製造例4で得た濃度10%の修飾された無機粒子B3のトルエン分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂組成物及び樹脂フィルムを得た。
〔比較例3〕
製造例2で得た濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液に代えて、製造例5で得た濃度10%の修飾された無機粒子B4のトルエン分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂組成物及び樹脂フィルムを得た。
〔比較例4〕
製造例2で得た濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液に代えて、製造例6で得た濃度10%の修飾された無機粒子B5のトルエン分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂組成物及び樹脂フィルムを得た。
〔比較例5〕
製造例2で得た濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液に代えて、製造例7で得た濃度10%の修飾された無機粒子B6のトルエン分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂組成物及び樹脂フィルムを得た。
〔比較例6〕
製造例2で得た濃度10%の修飾された無機粒子B1のトルエン分散液に代えて、製造例8で得た濃度10%の修飾された無機粒子B7のトルエン分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、樹脂組成物及び樹脂フィルムを得た。
実施例1〜3及び比較例1〜6で得た樹脂組成物及び樹脂フィルムについて以下の測定を行い、物性を評価した。
〔樹脂組成物の溶液の透明性〕
固形分濃度が10%の樹脂組成物のトルエン溶液の波長600nmにおける光線透過率を、分光光度計(日本分光社製、製品名:V−570、光路長:1cm)を用いて測定し、以下の基準で透明性を評価した。
○:90%以上
×:90%未満
〔樹脂フィルムの透明性〕
樹脂フィルムの波長600nmにおける光線透過率を、分光光度計(日本分光社製、製品名:V−570)を用いて測定し、以下の基準で透明性を評価した。
○:80%以上
×:80%未満
〔樹脂組成物の加工性〕
樹脂組成物を用いて得られた樹脂フィルムの表面粗さRa(算術平均高さ)を、原子間力顕微鏡(Digital Instrument社製、製品名:Nano ScopeIIIa)を用いて測定し、以下の基準で樹脂組成物の加工性を評価した。
○:Ra<20nm
×:Ra≧20nm
〔樹脂フィルムの屈折率〕
フィルムの屈折率を、反射分光膜厚計(大塚電子社製、製品名:FE−3000)を用いて波長589nmにて、膜表面から膜厚100〜200nmの部分の5点を測定し、その平均値を屈折率とした。
透明樹脂Aのフィルム(比較例1)では、屈折率は1.53であった。この値と比較して、0.04以上の屈折率の上昇が確認出来たものを○、それ以外のものを×とした。
結果を第1表に示す。
Figure 2018090818
第1表から以下のことが分かる。
実施例1〜3の樹脂組成物の溶液及び樹脂フィルムは、修飾された無機粒子が十分に分散されており、透明性及び加工性に優れている。
一方、比較例1の樹脂フィルムは、修飾された無機粒子を含有しておらず、屈折率が低い。
また、比較例2〜6の樹脂組成物の溶液及び樹脂フィルムは、修飾された無機粒子が十分に分散されておらず、透明性に劣っている。

Claims (8)

  1. 透明樹脂と、表面が修飾剤により修飾された無機粒子とを含有する樹脂組成物であって、
    前記透明樹脂の37℃における飽和吸水率が0.015重量%未満であり、
    前記無機粒子が、平均粒子径が20nm以下で、かつ、屈折率が前記透明樹脂の屈折率より0.40以上大きいものであり、
    前記修飾剤が、リン酸エステル、有機ホスホン酸、ホスホン酸エステルからなる群から選ばれるリン含有化合物であって、炭素−炭素二重結合を有する炭素数12〜18の炭化水素基を含むリン含有化合物であること
    を特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記透明樹脂が、脂環式構造含有炭化水素樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記無機粒子が、金属酸化物の粒子である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記修飾剤が、下記式(1)又は(2)
    Figure 2018090818
    (式中、Rは、炭素−炭素二重結合を有する炭素数12〜18の炭化水素基を表し、Xは、水酸基又は炭素数1〜18の炭化水素オキシ基を表し、Yは、水酸基、炭素数1〜18の炭化水素基、又は炭素数1〜18の炭化水素オキシ基を表す。)
    で示されるリン含有化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記修飾された無機粒子の修飾率が20〜35重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記透明樹脂と前記修飾された無機粒子との合計量に対する前記修飾された無機粒子の含有量が、20〜85重量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて得られた樹脂成形体。
  8. 請求項7に記載の樹脂成形体からなる光学部品。
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