JP2013015180A - 単列深溝型ラジアル玉軸受 - Google Patents

単列深溝型ラジアル玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】電気自動車の駆動部に設けたロータを回転支持する為に使用する様な、特殊な単列深溝型ラジアル玉軸受のスキッディングを抑えられる構造を実現する。
【解決手段】外輪2aの外径を130〜200[mm]、内輪3aの内径を100〜170[mm]、各玉4a、4aの直径Daを5.5〜7.5[mm]とする。これら各玉4a、4aのピッチ円直径をdm[mm]とし、これら各玉4a、4aの数をZとした場合に、dm・π/Z=(2〜5)Daを満たす。又、PEEK製で冠型の保持器5aの位置規制を、径方向に関しては内輪案内により、軸方向に関しては玉案内により、それぞれ図る。又、dm・nの値が、最大で150万以上となる条件下で使用する。
【選択図】図3

Description

この発明は、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動用モータや発電機のロータを他の部分に回転自在に支持する部分の様に、運転時に加わる荷重が小さいが、比較的径が大きく、しかも回転速度が大きい状況下で使用される単列深溝型ラジアル玉軸受の改良に関する。
各種機械装置の回転支持部を構成する為の転がり軸受として、例えば特許文献1〜4に記載されている様に、各種構造のものが広く知られている。図6は、このうちの特許文献1に記載された、単列深溝型のラジアル玉軸受1を示している。このラジアル玉軸受1は、外輪2と、内輪3と、複数個の玉4と、保持器5とから成る。このうちの外輪2は、内周面に深溝型の外輪軌道6を有する。又、前記内輪3は、外周面に深溝型の内輪軌道7を有し、前記外輪2の径方向内側に、この外輪2と同心に配置されている。又、前記各玉4は、前記外輪軌道6と前記内輪軌道7との間に、転動自在に設けられている。更に、前記保持器5は、冠型保持器と呼ばれるもので、前記各玉4を転動自在に保持している。この様な保持器5は、合成樹脂を射出成形する事により造られており、図7に示す様に環状のリム部8の軸方向片側面に複数組の爪部9、9を設けて成る。そして、互いに対となる爪部9、9と前記リム部8の軸方向片側面とにより囲まれた部分を、前記各玉4を保持する為のポケット10、10としている。
この様なラジアル玉軸受1は、一般的には或る程度大きなラジアル荷重(場合によってはラジアル荷重に加えてスラスト荷重)を負荷しつつ、前記外輪2と前記内輪3とを相対回転させる(一般的には、固定の外輪2の内径側で内輪3を回転させる)。又、前記保持器5を構成する合成樹脂として一般的には、ポリアミド樹脂(PA、ナイロン)或いはポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を単体若しくは強化繊維を混入した状態で使用している。
例えば、自動車用変速機の回転軸を支持する部分に使用する為のラジアル玉軸受1の場合には、前記各玉4のピッチ円直径(PCD)があまり大きくはなく、又、運転時にはこれら各玉4が、ギヤ反力に基づく比較的大きな荷重を負荷した状態で、自転しつつ公転する。この様な使用状態は、前記ラジアル玉軸受1を含む転がり軸受の分野で一般的であり、潤滑条件さえ整ってさえいれば、特に問題を生じる事はない。
一方、近年に於ける環境問題の高まりから普及し始めている電気自動車やハイブリッド自動車の駆動用モータや発電機のロータを他の部分の回転自在に支持する部分に使用する転がり軸受の場合、運転速度が10000min-1を優に超える様な、超高速で運転される。しかも、前記転がり軸受に加わる荷重は、前記ロータの自重程度の僅かなものとなる。この様な、軽荷重・高速運転の状態で運転される転がり軸受には、ころ軸受等の他の転がり軸受に比べて有利な玉軸受を使用する。更に、玉軸受のうちでも、アンギュラ型に比べてスピン損失が少なく、より高速運転に向いた、深溝型のものを使用する。
但し、前記ロータの回転支持を、単列深溝型ラジアル玉軸受により行った場合でも、軽荷重下で高速運転すると、転がり軸受の技術分野で広く知られている、スキッデイングと呼ばれる損傷が発生し易い。この様なスキッディングは、無負荷領域に存在して自転速度が公転速度に対応する値よりも小さくなった玉が負荷領域に突入する際に、軌道面と転動面とが強く擦れ合い、これら軌道面や転動面に擦り傷を発生させる事で生じる。従って、アンギュラ型とは異なり、各玉に十分な与圧を付与する事が難しく、各玉を確実に自転させにくい深溝型の玉軸受は、スキッディング防止の面からは不利である。この様なスキッディングの発生を防止する為には、特許文献2、3に記載されている構造の様に、玉の数を少なくして、各玉が非負荷圏に存在する時間を短くし(各玉が負荷圏に存在する時間を長くし)、これら各玉の自転速度の低下を抑える事が効果がある。
一方、電気自動車の駆動部のスペース効率を向上させるべく、前記ロータを支持する為のラジアル玉軸受の内径を大きくし、このラジアル玉軸受の径方向内側に他の部品を組み込む事が考えられている。この様な要求により、前記ラジアル玉軸受の内径を大きくすると、必然的に各玉のピッチ円直径も大きくなる。そして、ピッチ円直径が大きくなると、これら各玉に公転運動に基づいて加わる遠心力が大きくなり、前記スキッディングが発生し易くなる。前記特許文献2に記載された発明は、一般的な構造の(外径、内径、幅、玉径の比が一般的である)転がり軸受で転動体の数を規制し、スキッディングの発生を抑える事を意図したもので、上述の電気自動車の駆動部に設けたロータを回転支持する為に使用する様な、特殊なラジアル玉軸受のスキッディングを抑える事を意図してはいない。又、特許文献3に記載された発明は、単に低トルク化を目的に玉の数を減らした構造で、潤滑油の攪拌抵抗の低減を目的に保持器の構造を工夫したもので、やはり、特殊なラジアル玉軸受のスキッディングを抑える事を意図してはいない。
尚、本発明を実施する場合に関連する技術を記載した刊行物として、特許文献3、4が存在する。
特開2005−3198号公報 特開2001−27246号公報 特開2007−327514号公報 特開2009−156423号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、電気自動車の駆動部に設けたロータを回転支持する為に使用する様な、特殊な単列深溝型ラジアル玉軸受のスキッディングを抑えられる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の単列深溝型ラジアル玉軸受は、従来から一般的に知られている単列深溝型ラジアル玉軸受と同様に、外輪と、内輪と、複数個の玉と、保持器とから成る。又、この保持器は、合成樹脂を射出成形する事により造られた冠型保持器である。
特に、本発明の単列深溝型ラジアル玉軸受に於いては、前記外輪の外径が130〜200[mm](より好ましくは180〜200[mm])、前記内輪の内径が100〜170[mm](より好ましくは150〜170[mm])、前記各玉の直径Daが5.5〜7.5[mm](より好ましくは6〜7[mm])である。要するに、これら各玉の直径Daに比べて、前記外輪の外径及び前記内輪の内径が大きい。
そして、前記各玉のピッチ円直径をdm[mm]とし、これら各玉の数をZとした場合に、dm・π/Z=(2〜5)Daを満たす。より好ましくは、dm・π/Z=(3〜4)Daとする。
この様な本発明の単列深溝型ラジアル玉軸受は、請求項2に記載した様に、運転速度を、外輪が固定で内輪が回転している場合に換算した状態で、n[min-1]として、この運転速度nと前記ピッチ円直径dmとの積であるdm・nの値が、最大で150万以上(更には200万以上)となる条件下で使用する。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記保持器の径方向に関する位置決めを、この保持器の内外両周面のうちの何れか一方の周面と、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面とのうちの一方の周面の一部で、当該周面に設けた、前記外輪軌道と前記内輪軌道とのうちの一方である軌道溝から外れた部分に存在する円筒面との係合により(軌道輪案内により)図る。又、前記保持器の軸方向に関する位置決めを、前記各ポケットの内面と前記各玉の転動面との係合により(玉案内により)図る。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記保持器の中心軸と、前記外輪及び前記内輪の中心軸とが一致した状態で、この保持器の径方向に関する位置決めを図る為に互いに近接対向する1対の周面同士の間に存在する隙間の径方向に関する幅を、0.2〜0.7[mm]とする。
或いは、請求項5に記載した発明の様に、前記保持器の重心を、軸方向に関して、前記一方の周面のうちの円筒面の軸方向一端縁と他端縁との間部分に存在させる。
この様な請求項5に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、前記外輪軌道及び前記内輪軌道を、それぞれ前記外輪及び前記内輪の軸方向中央部から軸方向片側に偏った位置に設ける。そして、前記保持器のリム部を、前記外輪軌道及び前記内輪軌道よりも軸方向他側部分に設ける。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、前記保持器を構成する合成樹脂を、炭素繊維を20〜40容量%含有したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とする。
上述の様に構成する本発明の単列深溝型ラジアル玉軸受によれば、電気自動車の駆動部に設けたロータを回転支持する為に使用する様な、特殊な単列深溝型ラジアル玉軸受のスキッディングを抑えられる。
即ち、本発明の単列深溝型ラジアル玉軸受は、各玉の直径Da(5.5〜7.5[mm])に比べて、外輪の外径(130〜200[mm])及び内輪の内径(100〜170[mm])が大きい。この様な仕様の単列深溝型玉軸受を、dm・nの値が最大で150万以上(更には200万以上)となる条件で、しかも軽荷重下で運転すると、一般的にはスキッディングが発生し易くなる。これに対して本発明の場合には、dm・π/Z=(2〜5)Daを満たすべく、前記各玉の数Zを少なく抑えているので、これら各玉のうちで、外輪軌道と内輪軌道とから荷重を受ける玉の割合を多くできる。
即ち、単列深溝型ラジアル玉軸受の場合、転がり軸受の技術分野で広く知られている様に、組立上の問題から、各玉に与圧を付与する事は難しい。特に、ピッチ円直径に比べて玉の数が多い場合には、与圧を付与する事が難しいだけでなく、正の内部隙間が大きくなり易い。単列深溝型ラジアル玉軸受の正の内部隙間が大きく、しかも玉の数が多く、しかも運転時に加わる荷重が小さい場合には、負荷圏に存在する極く少数の玉がこの荷重を支承し切り、残りの多くの玉は非負荷圏に存在する状態となって、殆ど乃至は全く、荷重を支承しない状態となる。この状態では、前記各玉が非負荷圏に存在する時間が長く(1公転中の割合が多く)なり、しかも、その長い時間の間、これら各玉に、前記外輪軌道及び前記内輪軌道から自転方向の力が加わらない状態となる。そして、これら非負荷圏にある各玉の自転速度は、それぞれの転動面と、保持器のポケット内面との摩擦等により、低下する傾向になる。この結果、負荷圏への突入時に、前記各玉の転動面と前記外輪軌道及び前記内輪軌道が強く擦れ合って、前記スキッディングが発生する。
これに対して本発明の場合には、次の理由により、スキッディングを抑える事ができる。先ず、第一に、ピッチ円直径に比べて玉の数が少ないので、仮に正の内部隙間が存在しても、その大きさは極く小さく抑えられるだけでなく、場合によっては、軽い予圧を付与する事ができる。又、玉の数が少ないので、運転時に加わるラジアル荷重が小さくても、負荷圏に存在する玉の割合が多くなり、その分、非負荷圏に存在する玉の割合が少なくなる。この結果、前記各玉が非負荷圏に存在する時間が短く(1公転中の割合が少なく)なって、各玉の自転速度が非負荷圏を通過する過程で低下しにくくなる。この結果、dm・nの値が150万以上(更には200万以上)と言った、超高速回転下で運転される状態であっても、負荷圏への突入時に、前記各玉の転動面と前記外輪軌道及び前記内輪軌道が強く擦れ合う事が無くなり、前記スキッディングの発生を防止できる。
尚、dm・π/Z<2Daの場合には、前記非負荷圏に存在する各玉の割合を少なくする事が難しくなり、前記スキッディング防止効果が不十分となる。これに対して、dm・π/Z>5Daの場合には、玉の数が少なくなり過ぎて、保持器の安定的支持や、玉軸受の運転に伴って発生する振動を抑制する面から不利になる。即ち、玉の数が少なくなり、これら各玉と前記保持器に設けたポケットとの係合部の数が少なくなると、この保持器の軸方向位置を規制する事に寄与する、これら各ポケットと前記各玉との係合部の数が過小となり、前記保持器が外輪の内周面と内輪の外周面との間から抜け出る、所謂保持器抜けが発生し易くなる。又、軽荷重下で使用するとは言え、負荷圏に存在する極く少数の玉に関する接触楕円部分での弾性変形量が多くなり、運転時に於ける玉の通過振動が大きくなり易くなる。これに対して本発明の場合には、dm・π/Z=(2〜5)Daとしている為、保持器抜けを防止しつつ、前記スキッディングの防止と玉の通過振動の抑制とを、高次元で両立させられる。尚、dm・π/Z=(3〜4)Daとすれば、これらを、より高次元で両立させられる。
又、本発明の単列深溝型ラジアル玉軸受の場合には、運転時に於ける内部での発熱を抑えられる。この内部発熱の抑制は、主として、次の3通りの理由により図られる。先ず第一の理由は、前記各玉の転動面と前記外輪軌道及び前記内輪軌道との転がり接触部に存在する接触楕円のスピンを軽微に抑えられる為である。転がり軸受の技術分野で広く知られている様に、深溝型ラジアル玉軸受の場合、スラスト荷重が加わらない状態での前記各玉の接触角は0度であり、この状態では、前記各接触楕円はスピンしない。又、電動モータや発電機のロータを支持する為の深溝型ラジアル玉軸受には、スラスト荷重が殆ど加わらないか、仮に加わっても軽微である為、前記各玉の接触角は小さい値に止まる。従って、前記スピンに基づく摩擦による発熱は、仮に発生しても軽微に止まる。第二の理由は、前記各玉の数を少なくした分、運転時に熱を発生する接触楕円の数を少なくできる為である。第三の理由は、前記スキッディングの防止により、前記内部発熱を抑えられる為である。即ち、このスキッディングは、前記各玉の転動面と前記外輪軌道又は前記内輪軌道との著しい摩擦により生じるもので、当然に発熱を伴う。本発明の場合には、前記スキッディングを抑えられるので、このスキッディングによる発熱も抑えられる。本発明の単列深溝型ラジアル玉軸受は、これらにより、運転時に内部で発生する熱による温度上昇を抑える事ができて、超高速回転下で長時間運転した場合にも、焼き付等の損傷防止を図れる。
又、本発明を実施する場合に於いて、請求項3に記載した発明の様にして前記保持器の径方向及び軸方向に関する位置決めを図れば、前述した様な超高速回転での使用時にも、前記保持器の姿勢を安定させて、この保持器が、各玉の円滑な転動の為に必要とする以上に変位する事に伴う、保持器音と呼ばれる振動や騒音の発生を抑えられる。
この場合に於いて、請求項4に記載した発明の様に、保持器の回転を可能にしつつ、この保持器の径方向に関する位置決めを図る為の案内隙間の幅を0.2〜0.7[mm]の範囲に規制すれば、前記保持器音を十分低レベルに抑えられる。
又、請求項5に記載した発明の様に、前記保持器の重心を、前記隙間の径方向片側に位置する円筒面の軸方向一端縁と他端縁との間部分に存在させれば、前記保持器を傾斜させる方向のモーメントを抑えて、この保持器の姿勢を十分に安定させ、前記保持器音の抑制効果をより十分にできる。又、遠心力に基づく前記保持器の弾性変形を抑える事もできて、この面からも、超高速回転下での安定した運転が可能になる。
この様な請求項5に記載した発明を実施する場合に、請求項6に記載した発明の様に、前記外輪軌道及び前記内輪軌道を軸方向片側に偏らせ、前記保持器のリム部軸方向他側部分に設ければ、単列深溝型ラジアル玉軸受の大型化を抑えつつ、前記保持器の姿勢安定化を図れる。即ち、前記請求項5に記載した発明の要件を満たす為には、この保持器の軸方向に関して、前記リム部の厚さを大きくし、重心の軸方向位置をリム部の幅寸法範囲内に位置させる必要がある。但し、このリム部と、単列深溝型ラジアル玉軸受外に存在する部材との干渉を防止する為には、このリム部が前記外輪及び前記内輪の軸方向端面から突出しない様にする事が好ましい。前記外輪軌道及び前記内輪軌道を前記外輪の内周面及び前記内輪の外周面の軸方向中央に設けたまま、前記保持器の重心を前記間部分に存在させると、前記各玉を境として、前記リム部と反対側部分に無駄な空間が存在する状態となり、前記単列深溝型ラジアル玉軸受が徒に大型化する原因となる。これに対して、前記請求項6に記載した発明の構造を採用すれば、この大型化を抑えつつ、前記保持器の姿勢安定化を図れる。
更に、請求項7に記載した発明の様に、前記保持器を、炭素繊維を20〜40容量%含有したポリエーテルエーテルケトンにより造れば、温度変化に拘らず前記保持器の姿勢の安定化を図れると同時に、前記各玉によるこの保持器の保持力(前述した保持器抜けを防止する力)を確保し易い。
即ち、炭素繊維を20〜40容量%含有したポリエーテルエーテルケトンは、合成樹脂としては線膨張係数が低く、前記外輪及び内輪を構成する、軸受鋼、浸炭鋼等の鉄系金属の線膨張係数に近い。この為、運転に伴う温度上昇時にも、前記案内隙間の幅を適正範囲(0.2〜0.7mm)に維持できて、運転状態(温度変化)に拘らず、前記保持器音の発生を抑えられる。
又、炭素繊維を20〜40容量%含有したポリエーテルエーテルケトンの弾性係数は、保持器として一般的に使用されるポリアミド樹脂の弾性係数よりも大きい(弾性変形しにくい)。この為、玉の数が少なくて、この玉とポケットとの係合に基づいて前記保持器抜けを防止する係合部の数が少なくても、この保持器の保持力(保持器抜けを防止する力)を十分に確保できる。
本発明の実施の形態の1例を示す、単列深溝型ラジアル玉軸受の軸方向端面図。 同じく部分拡大図。 各玉の中心を含む仮想平面に関する断面図。 同じく部分拡大断面図。 外輪及び内輪の断面形状の2例を示す、それぞれ図2のa−a断面図。 従来構造の1例を示す断面図。 保持器を取り出して示す斜視図。
本発明の実施の形態に就いて、図1〜5により説明する。本例のラジアル玉軸受1aは、外輪2aと、内輪3aと、複数個の玉4a、4aと、保持器5aとから成る。このうちの外輪2aは、外径D2が130〜200[mm]であり、内周面に深溝型の外輪軌道6aを有する。又、前記内輪3aは、内径R3が100〜170[mm]であり、外周面に深溝型の内輪軌道7aを有し、前記外輪2aの径方向内側に、この外輪2aと同心に配置されている。前記各周面に前記外輪軌道6a及び前記外輪軌道7aを形成する位置は、好ましくは、図5の(A)に示す様に、軸方向中央部よりも片側{図5の(A)の左側}に偏った位置とする。この理由は、後述する様に、前記ラジアル玉軸受1aの大型化(軸方向に関する幅寸法の増大)を抑えつつ、前記保持器5aの姿勢の安定化を図り易くする為である。但し、多少大型化しても差し支えなければ、図5の(B)に示す様に、前記外輪軌道6a及び前記外輪軌道7aを、前記各周面の軸方向中央部に形成しても良い。
又、前記各玉4a、4aは、直径Daが5.5〜7.5[mm]であり、前記外輪軌道6aと前記内輪軌道7aとの間に、転動自在に設けられている。尚、これら両軌道6a、7aの断面形状の曲率半径rと、前記各玉4a、4aの直径Daとの関係は、r=(0.515〜0.535)Da程度にする。この理由は、各接触楕円部分の面圧を適正にして、両軌道6a、7aの転がり疲れ寿命を確保しつつ、これら各接触楕円部分での発熱を抑える為である。この場合に、玉軸受の技術分野で周知の様に、前記内輪軌道7aに関する曲率半径に比べて、前記外輪軌道6aに関する曲率半径を少し大き目にする事が好ましい。又、前記外輪2a及び前記内輪3aは、例えば高炭素クロム軸受鋼、浸炭鋼の如き、硬質の鉄系合金により造る。何れにしても、好ましくは、前記外輪2a及び前記内輪3aに、200℃を超える様な比較的高温で焼き戻しを行う、テンパー処理を施し、これら外輪2a及び内輪3a内部の残留オーステナイトを分解して(寸法安定化処理を施して)から、前記両軌道6a、7aの仕上研磨加工を行う。
更に、前記保持器5aは、冠型保持器と呼ばれるもので、前記各玉4a、4aを転動自在に保持している。この様な保持器5aは、炭素繊維を20〜40容量%含有したポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)を射出成形する事により造られており、環状のリム部8aの軸方向片側面に複数組の爪部9a、9aを設けて成る。そして、互いに対となる爪部9a、9aと前記リム部8aの軸方向片側面(図5の左側面)とにより囲まれた部分を、前記各玉4a、4aを保持する為のポケット10a、10aとしている。これら各ポケット10a、10aは、円周方向に関して等間隔に配置されており、それぞれの内面は、前記各玉4a、4aの転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する、単一部分球面状の凹面である。尚、前記PEEKとしては、比較的分子量が小さいものが、好ましく使用できる。この理由は、分子量が小さいPEEKは、同じく大きいPEEKに比べて、射出成形時に金型のキャビティ内に送り込む際の状態である、加熱溶融状態での粘度が低く(流動性が高く)、特に送り込み圧力を高くしなくても、得られる保持器5aの形状及び寸法を安定させられる為である。この点を考慮して、例えば、ビクトレックス社製の、「90CA30」(商品記号)材が、好ましく使用できる。これに対して、PEEKであっても、同社の、「450CA30」(商品記号)材は、分子量が高く、射出成型時の流動性の面で問題がある。加熱温度及び送り込み圧を高くすれば、所望の性能を有する保持器5aを得られるが、エネルギコストの上昇により製造コストが嵩む為、前記「90CA30」に比べて不利である。
前記各玉4a、4aを前記各ポケット10a、10a内に転動自在に保持するには、これら各玉4a、4aをこれら各ポケット10a、10a内に、前記保持器5aの軸方向片側(図1、2の手前側、図5の左側)から、前記対となる爪部9a、9aの先端縁同士の間隔を弾性的に押し広げつつ押し込む。押し込み後には、これら各爪部9a、9aが弾性的に復元して、前記各玉4a、4aが前記各ポケット10a、10aから抜け出る事はなくなる。又、これら各玉4a、4aは、それぞれが深溝型である、前記外輪軌道6a及び前記内輪軌道7aとの係合により、自転及び公転する事はあっても、前記外輪2a及び前記内輪3aの軸方向に変位する事はない。従って、前記保持器5aは、前記各玉4a、4aと前記各ポケット10a、10aとの係合に基づき、軸方向に関する位置決めを図られている(玉案内の構造により、前記保持器5aの軸方向に関する位置決めを図っている)。以上の点に関しては、本例のラジアル玉軸受1aに組み込まれる保持器5aも、材質の点を除き、前述の図6〜7に示した従来構造に組み込まれていた保持器5と同様である。但し、本例のラジアル玉軸受1aに組み込まれる保持器5aの場合、PEEK製である為、前記各玉4a、4aと前記各ポケット10a、10aとの係合強度が大きくなる。
更に、本例のラジアル玉軸受1aに組み込まれる保持器5aの場合には、材質以外の点でも、次の(1)〜(3)の点で、前述の図6〜7に示した従来構造に組み込まれていた保持器5とは異なる。
(1) 前記リム部8aの内径R8が、前記内輪3aのうちで、前記内輪軌道7aから外れた部分に存在する円筒面11(肩部の外周面)の外径D11よりも、僅かに(0.4〜1.4mm程度)大きいだけである。
(2) 前記リム部8aの軸方向に関する幅寸法W8が、前記従来構造の場合よりも大きく、前記保持器5aの重心の軸方向位置が、前記リム部8aの幅方向両端縁同士の間部分(前記幅寸法W8の範囲)に存在する。
(3) 前記各ポケット10a、10aの間隔(ピッチ)が大きく、前記保持器5aの直径が大きい割合に、これら各ポケット10a、10aの数が少ない。
これら(1)〜(3)の相違点のうちの相違点(1)により、前記保持器5aの径方向に関する位置決めを、前記リム部8aの内周面と前記円筒面11との係合により図れて、前記保持器5aの径方向に関する位置決めを安定させられる。
又、前記相違点(2)により、前記リム部8aの内周面と前記円筒面11との係合状態を安定させる事ができて、前記保持器5aの径方向に関する位置決めを、より一層安定させられる。
更に、前記相違点(3)により、本発明の必須要件である、前記各玉4a、4aのピッチ円直径dm[mm]と、これら各玉4a、4aの数Zとの関係式、dm・π/Z=(2〜5)Daを満たす様にしている。
上述の様に構成する本例の単列深溝型ラジアル玉軸受によれば、前述した様な理由により、電気自動車の駆動部に設けたロータの回転支持部に組み込み、運転速度nと前記ピッチ円直径dmとの積であるdm・nの値が、最大で150万以上となる条件下で使用した場合にも、スキッディングを抑える等により、十分に信頼性及び耐久性を確保すると共に、保持器音等、不利益な現象を抑えて、安定した運転状況を実現できる。
本発明の効果を確認する為に行った実験に就いて説明する。この実験の為に、本発明の技術的範囲から外れる7種類の試料(比較例1〜7)と、本発明の技術的範囲に属する4種類の試料(実施例1〜4)との、合計11種類の試料を用意した。
先ず、各試料に共通する仕様は、次の通りである。
外輪の外径 : 190mm
内輪の内径 : 155mm
外輪及び内輪の幅 : 11mm
玉の直径Da : 6.35mm
玉のピッチ円直径dm : 172.5mm
外輪軌道の断面形状の曲率半径 : 0.53Da
内輪軌道の断面形状の曲率半径 : 0.52Da
又、試料により異なる仕様は、次の通りである。
保持器の位置決め(案内)構造 : 玉案内(径方向、軸方向共に、各玉の転動面とポケットの内面との係合により位置決めを図る)、又は、玉案内及び内輪案内(軸方向に関しては、各玉の転動面とポケットの内面との係合により位置決めを図り、径方向に関しては、リム部の内周面と内輪の外周面との係合により位置決めを図る)
保持器の材質 : ガラス繊維強化PA又は炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 12〜46個(1.86〜7.1)
上述の範囲で、次の11種類の試料を用意した。
[本発明の技術的範囲から外れる比較例]
比較例1
保持器の案内構造 : 玉案内
保持器の材質 : ガラス繊維強化PA46
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 46個(1.86)
比較例2
保持器の案内構造 : 玉案内
保持器の材質 : 炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 46個(1.86)
比較例3
保持器の案内構造 : 玉案内
保持器の材質 : ガラス繊維強化PA46
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 12個(7.1)
比較例4
保持器の案内構造 : 玉案内
保持器の材質 : 炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 12個(7.1)
比較例5
保持器の案内構造 : 玉案内及び内輪案内
保持器の材質 : ガラス繊維強化PA46
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 46個(1.86)
比較例6
保持器の案内構造 : 玉案内及び内輪案内
保持器の材質 : 炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 46個(1.86)
比較例7
保持器の案内構造 : 玉案内及び内輪案内
保持器の材質 : 炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 12個(7.1)
[本発明の技術的範囲に属する実施例]
実施例1
保持器の案内構造 : 玉案内及び内輪案内
保持器の材質 : 炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 36個(2.37)
実施例2
保持器の案内構造 : 玉案内及び内輪案内
保持器の材質 : 炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 30個(2.84)
実施例3
保持器の案内構造 : 玉案内及び内輪案内
保持器の材質 : 炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 24個(3.56)
実施例4
保持器の案内構造 : 玉案内及び内輪案内
保持器の材質 : 炭素繊維強化PEEK
玉の数{(dm・π)/(Z・Da)} : 18個(4.74)
上述した11種類の試料に就いて、次述する条件で耐久試験に供した。
回転条件 : 外輪を固定し、内輪を12000min-1で回転駆動(dm・n=207万)
滑油条件 : 潤滑油を300cc/minで循環
負荷条件 : ラジアル荷重、スラスト荷重共に無負荷
尚、耐久試験は、24時間継続して行い、途中で、ラジアル玉軸受の外輪の表面温度が150℃を超えて焼き付きを発生したり、著しい振動が発生した場合に、試験を中止した。
この様な条件で行った耐久試験の結果に就いて、以下に説明する。
先ず、比較例1に就いては、ガラス繊維強化PA製の保持器が破損すると共に、ラジアル玉軸受の内部での発熱が早い段階から著しくなって、このラジアル玉軸受の温度が上昇し、1時間経過した時点で、焼き付き損傷を発生した。そこで、このラジアル玉軸受を検査したところ、玉の転動面にスキッディング損傷が認められた。これらにより、前記比較例1の仕様では、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動用モータや発電機のロータを回転支持する様な、軽負荷で超高速回転する様な条件下では、必要な性能を得られないと判断した。
次に、比較例2に就いては、保持器は破損しなかったが、上述した比較例1と同様に、スキッディング損傷が認められた。又、内部発熱による温度上昇も大きく、1時間経過した時点で、ラジアル玉軸受の温度が150℃を超えた為、やはり、前記条件下では、必要な性能を得られないと判断した。
次に、比較例3に就いては、玉の数が少ない事により、内部発熱が小さく、ラジアル玉軸受の温度上昇も低く抑えられた。但し、玉とポケットとの係合部の数が少な過ぎる事により、1時間経過した時点で、保持器の破損、保持器抜けが発生した。この為、この保持器の保持力が不充分であり、前記条件下では、必要な性能を得られないと判断した。
次に、比較例4に就いても、上述した比較例3と同様に、玉の数が少ない事により、内部発熱が小さく、ラジアル玉軸受の温度上昇も低く抑えられた。又、保持器の材質を炭素繊維強化PEEKとした事で、保持器の破損は発生しなかったが、3時間経過した時点で、保持器抜けが発生した。この為、この保持器の保持力が不充分であり、前記条件下では、必要な性能を得られないと判断した。
次に、比較例5は、前述の比較例1に対して、保持器の径方向に関する位置決めを、玉案内から内輪案内に変更したものであるが、前記比較例1と同様に、1時間経過した時点で、内部での発熱が早い段階から著しくなって、このラジアル玉軸受の温度が上昇し、焼き付き損傷が発生した。又、玉の転動面にスキッディング損傷が認められた。この為、前記条件下では、必要な性能を得られないと判断した。
上述した比較例5の様に、PA製の保持器を使用して内輪案内構造を採用した場合には、内輪の外周面と保持器の内周面との間に存在する案内隙間の径方向に関する幅を、使用温度の全範囲に亙って適正値に維持する事は難しい。この理由は、PAの線膨張係数は鉄の線膨張係数に比較してかなり大きい為である。本発明の対象となる様な、比較的直径が大きなラジアル玉軸受で、保持器の径方向位置の規制を軌道輪案内により行うと、運転の進行に伴う温度変化に伴って、前記案内隙間の幅が変動し、前記保持器の径方向位置が十分に規制されなくなり、超高速回転下でスキッディングを十分に防止できなくなる。特に、極低温環境下で使用する可能性がある場合、或いは、外輪案内構造で温度上昇が考えられる場合には、保持器の熱収縮又は熱膨張により、前記案内隙間が喪失して、この保持器の回転が困難乃至不能になる可能性がある。
次に、比較例6に就いては、保持器の破損は発生しなかったが、玉の数が多い事に伴って、各玉の転動面に軽微なスキッディング損傷が認められた。又、発熱による温度上昇が大きく、1時間経過した時点で、ラジアル玉軸受の温度が150℃を超えた。この為、前記条件下では、必要な性能を得られないと判断した。
更に、比較例7に就いては、前述した比較例3、4と同様に、玉の数が少ない事により、内部発熱が小さく、ラジアル玉軸受の温度上昇も低く抑えられた。又、保持器の材質を炭素繊維強化PEEKとし、この保持器の案内構造を工夫した事で、保持器の破損及びスキッディングは発生しなかったが、5時間経過した時点で、保持器抜けが発生した。この為、この保持器の保持力が不充分であり、前記条件下では、必要な性能を得られないと判断した。
上述の様な比較例1〜7に対して、実施例1〜4は、何れもdm・π/Z=(2〜5)Daなる条件を満たすもので、且つ、PEEK製の保持器の位置規制を、径方向に関しては内輪案内により、軸方向に関しては玉案内により、それぞれ図っている。この様な使用である、前記実施例1〜4は、何れも、運転に伴う内部発熱が抑制され、玉軸受の温度が、最大で145℃にまでしか上昇しなかった。更に、スキッディング損傷や保持器破損、保持器抜け等の問題も発生しなかった。これらにより、前記実施例1〜4の仕様によれば、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動用モータや発電機のロータを回転支持する様な、軽負荷で超高速回転する様な、厳しい使用条件下でも、必要な性能を得られる事が確認できた。
本発明を実施する場合に、前述した特許文献3に記載された発明の構造と組み合わせれば、保持器による潤滑油の攪拌抵抗を低く抑えて、単列深溝型ラジアル玉軸受の動トルクを低く抑え、電気自動車やハイブリッド自動車等、各種回転機械装置の性能の、より一層の向上を図れる。
又、玉(及びポケット)の数は、保持器を射出成形する際に、リム部に生じるウェルドがポケット部分から外れる様にする為に、偶数である事が好ましい。但し、材料の歩留まりが多少悪化はするが、キャビティのうちでリム部を形成する為の環状部分の一部に、この環状部分から突出する状態で湯溜りを形成してウェルドの位置をずらせる等の考慮をすれば、前記玉の数を奇数とする事もできる。
1、1a ラジアル玉軸受
2、2a 外輪
3、3a 内輪
4、4a 玉
5、5a 保持器
6、6a 外輪軌道
7、7a 内輪軌道
8、8a リム部
9、9a 爪部
10、10a ポケット
11 円筒面

Claims (7)

  1. 内周面に深溝型の外輪軌道を有する外輪と、外周面に深溝型の内輪軌道を有し、この外輪の径方向内側にこの外輪と同心に配置された内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器とから成り、この保持器は、合成樹脂を射出成形する事により造られて、環状のリム部の軸方向片側面に複数組の爪部を設けて成り、互いに対となる爪部とこのリム部の軸方向片側面とにより囲まれた部分を前記各玉を保持する為のポケットとした冠型保持器である単列深溝型ラジアル玉軸受に於いて、前記外輪の外径が130〜200[mm]、前記内輪の内径が100〜170[mm]、前記各玉の直径Daが5.5〜7.5[mm]であり、前記各玉のピッチ円直径をdm[mm]とし、これら各玉の数をZとした場合に、dm・π/Z=(2〜5)Daを満たす事を特徴とする単列深溝型ラジアル玉軸受。
  2. 運転速度を、外輪が固定で内輪が回転している場合に換算した状態で、n[min-1]として、この運転速度nと前記ピッチ円直径dmとの積であるdm・nの値が、最大で150万以上となる条件下で使用される、請求項1に記載した単列深溝型ラジアル玉軸受。
  3. 前記保持器の径方向に関する位置決めを、この保持器の内外両周面のうちの何れか一方の周面と、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面とのうちの一方の周面の一部で、当該周面に設けた、前記外輪軌道と前記内輪軌道とのうちの一方である軌道溝から外れた部分に存在する円筒面との係合により図り、前記保持器の軸方向に関する位置決めを、前記各ポケットの内面と前記各玉の転動面との係合により図っている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した単列深溝型ラジアル玉軸受。
  4. 前記保持器の中心軸と、前記外輪及び前記内輪の中心軸とが一致した状態で、この保持器の径方向に関する位置決めを図る為に互いに近接対向する1対の周面同士の間に存在する隙間の径方向に関する幅が、0.2〜0.7[mm]である、請求項3に記載した単列深溝型ラジアル玉軸受。
  5. 前記保持器の重心が、軸方向に関して、前記一方の周面のうちの円筒面の軸方向一端縁と他端縁との間部分に存在する、請求項3〜4のうちの何れか1項に記載した単列深溝型ラジアル玉軸受。
  6. 前記外輪軌道及び前記内輪軌道が、それぞれ前記外輪及び前記内輪の軸方向中央部から軸方向片側に偏った位置に設けられており、前記保持器のリム部が、前記外輪軌道及び前記内輪軌道よりも軸方向他側部分に設けられている、請求項5に記載した単列深溝型ラジアル玉軸受。
  7. 前記保持器を構成する合成樹脂が、炭素繊維を20〜40容量%含有したポリエーテルエーテルケトンである、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した単列深溝型ラジアル玉軸受。
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