JP2017053450A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2017053450A
JP2017053450A JP2015178381A JP2015178381A JP2017053450A JP 2017053450 A JP2017053450 A JP 2017053450A JP 2015178381 A JP2015178381 A JP 2015178381A JP 2015178381 A JP2015178381 A JP 2015178381A JP 2017053450 A JP2017053450 A JP 2017053450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
rolling bearing
covering portion
cage
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015178381A
Other languages
English (en)
Inventor
貴行 鈴木
Takayuki Suzuki
貴行 鈴木
清茂 山内
Kiyoshige Yamauchi
清茂 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2015178381A priority Critical patent/JP2017053450A/ja
Priority to PCT/JP2016/075852 priority patent/WO2017043425A1/ja
Publication of JP2017053450A publication Critical patent/JP2017053450A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/34Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load
    • F16C19/36Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with a single row of rollers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/46Cages for rollers or needles

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】転がり軸受の保持器が軽量であって、その被案内面の摺動性が良好でありながら、案内すきまを狂わせるような保持器変形を抑制する。【解決手段】保持器4が、周方向に所定間隔でポケット5に対応の開口6aが形成された樹脂本体部6と、樹脂本体部6に固着された被覆部7とからなる。被覆部7が、樹脂本体部6に比して小さな吸水率、小さな線膨張率及び高い弾性率の三性質をもっている。保持器の被案内面7bが、被覆部7に形成された樹脂表面からなる。【選択図】図1

Description

この発明は、遊星減速機に備わる遊星回転体のような公転部位に好適な転がり軸受に関し、特に、保持器を案内することに関する。
一般に、転がり軸受は、転動体間の周方向間隔を保つための保持器を備える。保持器には、転動体を収めるポケットが周方向に均等間隔で形成されている。保持器の種類としては、鋼板によって形成されたプレス保持器と(例えば、特許文献1)、樹脂によって形成された樹脂保持器とが挙げられる(例えば、特許文献2)。保持器を案内する方式としては、転動体によって保持器を案内する転動体案内方式(例えば、特許文献2)、又は軌道輪(外輪又は内輪)によって保持器を案内する軌道輪案内方式(例えば、特許文献1、3)が採用されている。
特開2004−293730号 特開2005−69282号公報 特開2008−196582号公報
しかしながら、公転する部位に使用される場合、保持器や軸受内部の潤滑油には、保持器の軸受中心軸周りの回転による遠心力のほかに、転がり軸受が遊星回転体と一体に公転することによる遠心力も作用する。公転による遠心力は、転がり軸受に負荷域を生じさせると共に、保持器の変形や偏心、軸受内部の潤滑油の偏りを生じさせる原因となる。
例えば、ダンプトラック等では、ホイールリムの内側に終減速装置が配置されている。この終減速装置は、大きな減速比を得るため、一般に、遊星減速機を複数段に組み合わせた構造であり、最終段の遊星減速機からの出力をホイールリムに伝達するようになっている。その遊星減速機に備わる遊星回転体は、リングギア及びサンギア間で自転しながら公転する遊星歯車又は遊星ローラからなり、転がり軸受を介してキャリヤの軸に支持されている(例えば、特許文献3)。
本願発明者らが現行の超大型ダンプの終減速装置における使用環境を調べたところ、転がり軸受の公転直径が500mm前後になり、その公転速度が500rpmを超え、軸受回転速度が1300rpm程度になり、最大の遠心加速度が約75Gになっていた。このような強い遠心加速度が作用すると、軸受内部の潤滑油が負荷域で希薄になり、負荷域と周方向反対側へ偏る傾向が顕著であった。
プレス保持器は、強い遠心加速度が作用した際の耐変形性に優れるが、転動体又は軌道輪の軸受部品によって案内される被案内面等の金属表面において自己潤滑性に期待できず、負荷域で潤滑油が希薄になる環境での使用に不安がある。
一方、樹脂保持器は、プレス保持器に比して、被案内面の摺動性に優れると共に軽量になるため、強い遠心加速度による軸受部品(保持器に径方向に接触し得る軌道輪又は転動体)への攻撃性が小さく、結果的に軸受損傷に対して有利となるが、遠心加速度が作用した際に変形し易く、被案内面と軸受部品との間の案内すきまを適切な範囲に保つことができない可能性がある。その変形として、例えば、軌道輪案内方式の場合、軌道輪の保持器案内面に保持器の被案内面が押し付けられたことによる楕円変形が挙げられる。また、転動体案内方式の場合、転動体間の公転速度差に伴って保持器に作用する引っ張り力による楕円変形が挙げられる。
また、樹脂保持器の場合、遠心加速度の作用以外にも、温度上昇又は吸水による膨張が生じる。この膨張変形も案内すきまを狂わせる原因になる。
上記の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、転がり軸受の保持器が軽量であって、その被案内面の摺動性が良好でありながら、案内すきまを狂わせるような保持器変形を抑制することにある。
上記の課題を達成するため、この発明は、ポケットが周方向に所定間隔で形成された保持器と、前記保持器を案内する軸受部品とを備える転がり軸受において、前記保持器が、周方向に所定間隔で前記ポケットに対応の開口が形成された樹脂本体部と、前記樹脂本体部に固着された被覆部とからなり、前記被覆部が、前記樹脂本体部に比して小さな吸水率、小さな線膨張率及び高い弾性率の三性質のうち、少なくとも一つの性質をもっており、前記保持器の表面のうち、前記軸受部品によって案内される被案内面が、前記被覆部に形成された樹脂表面からなる構成を採用したものである。
上記構成によれば、周方向に所定間隔でポケットに対応の開口が形成された樹脂本体部の採用により、保持器を軽量にすることができる。その樹脂本体部に固着された被覆部が樹脂本体部に比して小さな吸水率をもっている場合、その被覆部に形成された樹脂表面からなる被案内面において、吸水による膨張変形を抑制することができる。
また、被覆部が樹脂本体部に比して小さな線膨張率をもっている場合、その被覆部に形成された樹脂表面からなる被案内面において、温度上昇による膨張変形を抑制することができる。
また、被覆部が樹脂本体部に比して高い弾性率をもっている場合、その被覆部に形成された樹脂表面からなる被案内面において、遠心加速度や転動体間の公転速度差による変形を抑制することができる。
また、被案内面の摺動性は、被覆部の樹脂表面からなるので、良好である。
このように、この発明は、上記構成の採用により、転がり軸受の保持器が軽量であって、その被案内面の摺動性が良好でありながら、案内すきまを狂わせるような保持器変形を抑制することができる。
この発明の第一実施形態に係る転がり軸受の構成を示す断面図 図1中のII−II線の断面図 この発明の第二実施形態に係る転がり軸受の構成を示す断面図 この発明の第三実施形態に係る転がり軸受の構成を示す断面図 いずれかの実施形態に係る転がり軸受を組み込んだ遊星減速機の構成を示す断面図 図5中のVI−VI線の断面図
以下、この発明の第一実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、第一実施形態に係る転がり軸受は、内輪1と、外輪2と、これら両輪1,2間に介在する複数の転動体3と、これら転動体3を周方向に等配する保持器4とを備える。両輪1,2の中心軸及び保持器4の中心軸は、この転がり軸受の軸受中心軸に一致している。以下、軸受中心軸に沿った方向のことを単に「軸方向」といい、その中心軸に直角な方向のことを単に「径方向」といい、その中心軸周りの円周方向のことを単に「周方向」という。
内輪1は、外周側に軌道面を有する軸受部品になっている。外輪2は、内周側に軌道面を有する軸受部品になっている。
転動体3は、円すいころからなる。
第一実施形態の転がり軸受は、単列円すいころ軸受になっている。内輪1、複数の転動体3及び保持器4によって内輪アセンブリが構成されている。なお、転動体3は、円筒ころ、球面ころにしてもよく、また、玉にしてもよく、複列に配置されてもよい。
保持器4は、かご形保持器になっている。保持器4には、ポケット5が周方向に所定間隔で形成されている。ポケット5は、転動体3を収める空間になっている。
保持器4は、周方向に所定間隔でポケット5に対応の開口6aが形成された樹脂本体部6と、樹脂本体部6に固着された被覆部7とからなる。
開口6aは、樹脂本体部6に被覆部7を固着することでポケット5の形状を完成させる前提の形状になっている。
被覆部7は、樹脂本体部6の全面に定着させられた樹脂成形層からなる。
その結果、被覆部7は、樹脂本体部6の周方向全周に亘って固着されている。
また、被覆部7は、樹脂本体部6のうち、開口6a,6a同士を周方向に分離する各仕切り部分を内包している態様で樹脂本体部6に固着されている。
また、保持器4の表面のうち、転動体3を周方向に受けるポケット内面部7aは、被覆部7に形成された樹脂表面からなる。
また、保持器4の表面のうち、軸受部品によって案内される被案内面7bも、被覆部7に形成された樹脂表面からなる。保持器4を案内する軸受部品は、外輪2からなる。被案内面7bは、外輪2に形成された保持器案内面2aを滑る。
樹脂本体部6は、ポリアミド(PA)によって形成されている。被覆部7は、エポキシ樹脂によって形成されている。
例えば、ポリアミド(PA)では、吸水率:2[%]、線膨張係数:2〜7[×10−5/℃]、引張弾性率:8000[MPa]程度になる。一方、エポキシ樹脂では、吸水率:0.2[%]、線膨張係数:1〜5[×10−5/℃]、引張弾性率:20000[MPa]程度となる。したがって、エポキシ樹脂で形成された被覆部7は、ポリアミド(PA)で形成された樹脂本体部6に比して明らかに小さな吸水率及び高い弾性率をもち、同程度の線膨張率をもっている。特に、線膨張係数が2[×10−5/℃]未満のエポキシ樹脂の採用により、樹脂本体部6に比して小さな線膨張率をもっている被覆部7となっている。
また、エポキシ樹脂は、ポリアミド(PA)よりも優れた自己潤滑性をもつ。このため、被覆部7に形成されたエポキシ樹脂表面の摺動性は、樹脂本体部6のポリアミド(PA)表面よりも優れる。
なお、被覆部7は、樹脂本体部6に比して小さな吸水率、小さな線膨張率及び高い弾性率の三性質のうち、少なくとも一つの性質をもっているように構成すればよい。樹脂本体部6の形成に利用可能な他の樹脂材料としては、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)といったエンジニアリングプラスチックが挙げられる。また、被覆部7の形成に利用可能な樹脂材料としては、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)といったスーパーエンジニアリングプラスチックが挙げられる。例えば、ポリアミドイミドでは、吸水率:0.2[%]、線膨張係数:3[×10−5/℃]、引張弾性率:5000[MPa]程度となる。したがって、樹脂本体部をポリアミド(PA)で形成し、被覆部をポリアミドイミド(PAI)で形成する場合、樹脂本体部に比して明らかに小さな吸水率をもち、かつ同程度の線膨張率又は高い線膨張率をもっている被覆部を形成することができる。
保持器4は、例えば、樹脂本体部6をキャビティ内に配置し、被覆部7をトランスファ成形することによって製造することができる。
第一実施形態の転がり軸受は、上述のようなものであり、周方向に所定間隔でポケット5に対応の開口6aが形成された樹脂本体部6で保持器4の大部分を構成しているので、全体を鉄系材料で形成した場合に比して、保持器4を軽量にすることができる。このことは、強い遠心加速度による軸受部品(保持器4に径方向に接触し得る外輪2又は転動体3)への攻撃性が小さく、結果的に軸受損傷に対して有利となる。
また、第一実施形態の転がり軸受は、保持器4が樹脂本体部6と、樹脂本体部6に固着された被覆部7とからなり、被覆部7が樹脂本体部6に比して小さな吸水率をもっており、保持器4の表面のうち、軸受部品(外輪2)によって案内される被案内面7bが被覆部7に形成された樹脂表面からなるので、保持器全体を樹脂本体部6と同じ樹脂材料で形成した場合に比して、吸水による被案内面7bの膨張変形を抑制することができる。すなわち、被案内面7bと保持器案内面2a間の案内すきま減少によって当該両面7b,2aの滑り接触域での回転トルク増大及び発熱量の増加を防止することができる。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、被覆部7が樹脂本体部6に比して小さな線膨張率をもっており、被案内面7bが被覆部7に形成された樹脂表面からなるので、保持器全体を樹脂本体部6と同じ樹脂材料で形成した場合に比して、温度上昇による被案内面7bの膨張変形を抑制することができる。このことも、案内すきま減少による回転トルク増大及び発熱量の増加を防止することに有効である。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、被覆部7が樹脂本体部6に比して高い弾性率をもっており、被案内面7bが被覆部7に形成された樹脂表面からなるので、保持器全体を樹脂本体部6と同じ樹脂材料で形成した場合に比して、遠心加速度や転動体間の公転速度差による保持器4の楕円変形を抑制することができる。このことは、楕円変形による案内すきまやポケットすきま(ポケット5と転動体3との間のすきま)の不等配を抑制することに相当するので、適正な保持器案内が妨げられる事態を防止することにもなる。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、被覆部7が樹脂本体部6の表面のうち、開口6a,6a同士を周方向に分離する各仕切り部分を内包しているので、前述の吸水、温度上昇によるポケット内面部7a,7aの膨張変形を抑制し、前述の遠心加速度や公転速度差による保持器4の柱の変形を抑制し、ひいては保持器4の楕円変形を抑制することができる。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、保持器4の表面のうち、軸受部品(軌道輪2)によって案内される被案内面7bが被覆部7に形成された樹脂表面からなるので、被案内面7bの摺動性が良好である。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、被覆部7が樹脂本体部6の全面に定着させられた樹脂成形層からなるので、前述の保持器4の楕円変形を最も効果的に抑制することができる。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、樹脂本体部6がポリアミド(PA)によって形成されており、被覆部7がエポキシ樹脂によって形成されているので、被覆部7を樹脂本体部6に比して小さな吸水率、小さな線膨張率及び高い弾性率をもち、優れた摺動性を有する被覆部7にすることができる。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、保持器4が軌道輪2によって案内されるので、ポケットすきまを転動体案内方式のように狭く設定する必要がなく、遠心加速度の作用や転動体3間の公転速度差によって保持器4が楕円変形した場合でも、保持器4と転動体3の強い接触を防ぐことができる。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、保持器4を案内する軸受部品が外輪2からなるので、保持器を内輪1によって案内する場合に比して、保持器4の外周に形成された被案内面7b、保持器案内面2aの周長が長くなって当該両面7b,2aの滑り接触部における周速差及び接触面圧が小さくなると共に、潤滑油が遠心力によって外輪2側へ移動するため、被案内面7bで潤滑油が不足しにくく、被案内面7bの摩耗や焼付きの防止に有利である。
さらに、第一実施形態の転がり軸受は、被覆部7が樹脂本体部6の外周全周に亘って連続しているので、保持器外径側で前述の楕円変形に抵抗することになり、保持器内径側で楕円変形に抵抗する場合に比して楕円変形への抵抗性に優れる。
上述の第一実施形態では、軌道輪案内方式を例示したが、転動体案内方式にする場合、被覆部7のポケット内面部7a,7aに接する転動体3によって保持器4が案内されるようにポケットすきま及び軌道輪と保持器間のすきまを設定すればよく、その図示説明を省略する。
また、上述の第一実施形態では、開口6aが被覆部7の固着でポケット5の形状を完成させる前提の態様となっているが、開口をポケットにしてもよい。また、第一実施形態では、被覆部7を樹脂本体部6の全面を覆う樹脂成形層としたが、被覆部に少なくとも被案内面7bとなる樹脂表面を形成するように、樹脂本体部の一部に定着させてもよい。その一例としての第二実施形態を図3に示す。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
図3に示す第二実施形態の保持器10は、樹脂本体部11の軸方向片側(図示例では大径側)の外周面、内周面及び側面のみを周方向全周に亘って覆うように定着させられた被覆部12を有する。
第二実施形態の転がり軸受は、図2に示すようなポケットを樹脂本体部11の開口として形成するため、軸受運転中の被案内面12aの変形を抑制しつつ、保持器製造時のポケット寸法を安定させ易い利点がある。
なお、図示例では、樹脂本体部11の一部に定着させる被覆部12の固定性を良好にするため、樹脂本体部11を内径側、外径側及び片側面の三方から覆うようにしている。被覆部12の固定性を高めるため、被覆部12で覆う樹脂本体部11の表面部分に溝やディンプルのような凹凸状を形成してもよい。
上述の第一、第二実施形態では、被覆部を単一の樹脂材料からなる樹脂成形層としたが、被覆部を複数の材料で構成してもよい。その一例としての第三実施形態を図4に示す。
図4に示す第三実施形態の保持器20は、樹脂本体部21に嵌め合わされた環状部品からなる被覆部22を有する。被覆部22を嵌め合わせる範囲は、第二実施形態と同様である。
被覆部22は、鉄によって形成された環状芯金23と、環状芯金23に定着させられたコーティング層24とからなる。ここで、鉄とは、純鉄、鋼(ステンレスを含む)、鋳鉄といった鉄系材料のことをいう。
鉄では、吸水率:実質的に0[%]、線膨張係数:1[×10−5/℃]、引張弾性率:206000[MPa]程度になる。したがって、被覆部22の全体としての線膨張率及び弾性率は、被覆部22の大部分を占める環状芯金23の鉄の性質により、保持器20の楕円変形を抑制するのに十分な程度に確保することができる。
コーティング層24は、ポリアミドイミド(PAI)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成されている。コーティング層24の樹脂表面が被案内面となる。
ポリアミドイミド(PAI)は、良好な寸法安定性(特に低吸水率)、摺動性に加え耐摩耗性に優れる。また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)も良好な寸法安定性(吸水率:実質的に0[%])をもち、採用しても良好な摺動性が得られる。前述のように被案内面として好適な吸水率:0.2[%]をもち、良好な摺動性をもっている。
第三実施形態の転がり軸受は、被覆部22を樹脂本体部21に嵌合される別作りの環状部品にしているので、被覆部の材料選択の多様性を優先したいときに好適である。例えば、ポリアミドイミド(PAI)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のみで前述の三性質を満足する被覆部が得られないときは、鉄製の環状芯金23と、ポリアミドイミド(PAI)等のコーティング層24とから被覆部22を構成することにより、前述の三性質を満足させることができる。
図5、図6は、上述のいずれかの実施形態に係る転がり軸受100を組み込んだ遊星減速機を例示している。この遊星減速機は、入力軸101に取り付けた太陽歯車102と、ハウジング103に固定された内歯車104との間に両歯車102、104に噛み合う遊星歯車としての遊星回転体105が複数個配置され、出力軸106に連結されたキャリヤ107に対して各遊星回転体105が回転自在に支持され、太陽歯車102と内歯車104との間で自転しながら公転する遊星回転体105の公転運動が、キャリヤ107を介して出力軸106に出力されるものである。
転がり軸受100は、この遊星減速機に備わる遊星回転体105とキャリヤ107との間に一対で配置されている。各転がり軸受100の外輪は、遊星回転体105に取り付けられ、遊星回転体105と一体に回転する。各転がり軸受100の内輪は、キャリヤ107に設けられた支持軸108に取り付けられ、外輪に対して静止する。
図示の遊星減速機は、超大型ダンプトラックのホイールリムの内側に設けられた終減速装置の第一段目の減速を行うものとなっている。その超大型ダンプトラックは、鉱山用であって積載量300t以上のものを想定している。ころ軸受100の使用環境として、太陽歯車102周りに公転するころ軸受100の公転直径は500mm程度、その公転速度は500rpm程度、このときの軸受回転速度は1300rpm程度、最大の遠心加速度は75G程度を想定している。
転がり軸受100は、前述のように、保持器の楕円変形を抑制すると共に、転がり軸受100に供給される潤滑油の水分を吸水したり、潤滑油の温度上昇によって保持器の被案内面が膨張することを抑制することが可能なものなので、超大型ダンプトラックの終減速装置のような強い遠心加速度が作用する使用環境であっても、保持器の被案内面やポケット内面部での異常摩耗を防止することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 内輪
2 外輪
2a 保持器案内面
3 転動体
4、10、20 保持器
5 ポケット
6、11、21 樹脂本体部
6a 開口
7、12、22 被覆部
7a ポケット内面部
7b、12a 被案内面
23 環状芯金
24 コーティング層

Claims (9)

  1. ポケットが周方向に所定間隔で形成された保持器と、前記保持器を案内する軸受部品とを備える転がり軸受において、
    前記保持器が、周方向に所定間隔で前記ポケットに対応の開口が形成された樹脂本体部と、前記樹脂本体部に固着された被覆部とからなり、
    前記被覆部が、前記樹脂本体部に比して小さな吸水率、小さな線膨張率及び高い弾性率の三性質のうち、少なくとも一つの性質をもっており、
    前記保持器の表面のうち、前記軸受部品によって案内される被案内面が、前記被覆部に形成された樹脂表面からなることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記被覆部が、前記樹脂本体部に比して高い弾性率をもっており、かつ前記樹脂本体部の周方向全周に亘って固着されている請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記被覆部が、前記樹脂本体部の表面のうち、前記開口同士を周方向に分離する各仕切り部分を内包している請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記被覆部が、前記樹脂本体部の一部又は全面に定着させられた樹脂成形層からなる請求項1から3のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  5. 前記樹脂本体部が、ポリアミドによって形成されており、
    前記被覆部が、エポキシ樹脂によって形成されている請求項4に記載の転がり軸受。
  6. 前記被覆部が、前記樹脂本体部に嵌め合わされた環状部品からなる請求項2に記載の転がり軸受。
  7. 前記被覆部が、鉄によって形成された環状芯金と、前記環状芯金に定着させられたコーティング層とからなり、
    前記コーティング層が、ポリアミドイミド又はポリテトラフルオロエチレンによって形成されている請求項6に記載の転がり軸受。
  8. 前記被覆部が、前記樹脂本体部の外周全周に亘って連続している請求項1から7のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  9. 遊星減速機に備わる遊星回転体とキャリヤとの間に配置される請求項1から8のいずれか1項に記載の転がり軸受。
JP2015178381A 2015-09-10 2015-09-10 転がり軸受 Pending JP2017053450A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015178381A JP2017053450A (ja) 2015-09-10 2015-09-10 転がり軸受
PCT/JP2016/075852 WO2017043425A1 (ja) 2015-09-10 2016-09-02 転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015178381A JP2017053450A (ja) 2015-09-10 2015-09-10 転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017053450A true JP2017053450A (ja) 2017-03-16

Family

ID=58239587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015178381A Pending JP2017053450A (ja) 2015-09-10 2015-09-10 転がり軸受

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2017053450A (ja)
WO (1) WO2017043425A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024019012A1 (ja) * 2022-07-21 2024-01-25 Ntn株式会社 外輪案内保持器付き玉軸受および偏心回転装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005009636A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Nsk Ltd 転がり軸受
WO2008087926A1 (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Jtekt Corporation 円錐ころ軸受
JP2011025586A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Nsk Ltd 高分子材料を含んで構成される機械部品
JP2011043226A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Nsk Ltd 保持器およびこれを備えた転がり軸受

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024019012A1 (ja) * 2022-07-21 2024-01-25 Ntn株式会社 外輪案内保持器付き玉軸受および偏心回転装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017043425A1 (ja) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5441713B2 (ja) ボールベアリングのためのハウジング
US8985860B2 (en) Prong type resin cage for double row roller bearing and double row roller bearing
WO2012070642A1 (ja) ラジアルニードル軸受用スペーサ
JP5845662B2 (ja) 単列深溝型ラジアル玉軸受
JP2016109253A (ja) 転がり軸受
WO2017110905A1 (ja) ころ軸受
WO2016132983A1 (ja) 円すいころ軸受
JP2008196583A (ja) 遊星回転体用円錐ころ軸受
JP5187279B2 (ja) 転がり軸受
JP2007292093A (ja) 深溝玉軸受
WO2017043425A1 (ja) 転がり軸受
JP2009074679A (ja) 自動調心ころ軸受
JP5636887B2 (ja) タンデムアンギュラ型玉軸受
JP2015127563A (ja) 円筒ころ軸受
WO2019146768A1 (ja) アンギュラ玉軸受
JP2014105809A (ja) 転がり軸受用保持器
JP2010025191A (ja) 自動調心ころ軸受
WO2017043414A1 (ja) ころ軸受
JP2013061040A (ja) 自動調心ころ軸受
WO2018225720A1 (ja) 転がり軸受用保持器および転がり軸受
JP2009180235A (ja) 自動調心ころ軸受
WO2016204220A1 (ja) 円すいころ軸受及び遊星軸受装置
JP5985684B2 (ja) スラスト軸受及びその保持器
JP2010025183A (ja) 自動調心ころ軸受
WO2014189042A1 (ja) 円すいころ軸受