JP2013012336A - 二次電池およびその充電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いカットオフ電圧で予備充電を行い不可逆容量を補填する技術において好適である、新規の二次電池を提供する。
【解決手段】本発明は、リチウム(Li)とマンガンを必須とする少なくとも一種の他の金属元素(M)とを含み層状岩塩構造をもつリチウムマンガン系酸化物を含む正極活物質を有する正極と、珪素系材料を含む負極活物質を有する負極と、を備える二次電池であって、前記正極活物質は、前記リチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの二次電池に関するものである。
近年、携帯電話やノート型パソコンなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型軽量でかつ高容量の二次電池が必要とされている。現在、この要求に応える高容量二次電池としては、正極材料としてコバルト酸リチウム(LiCoO)、負極材料として炭素系材料、を用いた非水二次電池が商品化されている。このような非水二次電池はエネルギー密度が高く、小型化および軽量化が図れることから、幅広い分野で電源としての使用が注目されている。しかしながら、LiCoOは希少金属であるCoを原料として製造されるため、今後、資源不足が深刻化すると予想される。さらに、Coは高価であり、価格変動も大きいため、安価で供給の安定している正極材料の開発が望まれている。
そこで、構成元素の価格が安価で、供給が安定しているマンガン(Mn)を基本組成に含むリチウムマンガン酸化物系の複合酸化物の使用が有望視されている。その中でも、4価のマンガンイオンのみを含み、充放電の際にマンガン溶出の原因となる3価のマンガンイオンを含まないLiMnOという物質が注目されている。LiMnOは、今まで充放電不可能と考えられてきたが、最近の研究では金属リチウム基準で4.4V以上に充電することにより充放電可能なことが見出されてきている。しかしながらLiMnOは、充放電特性に関してさらなる改善が必要である。
充放電特性の改善のため、LiMnOとLiMeO(Meは遷移金属元素)との固溶体であるxLiMnO・(1−x)LiMeO(0<x<1)の開発が盛んである。なお、LiMnOは、一般式Li(Li0.33Mn0.67)Oとも書き表すことが可能であり、LiMeOと同じ結晶構造に属するとされている。そのため、xLiMnO・(1−x)LiMeOは、Li1.33―yMn0.67−zMey+z(0<y<0.33、0<z<0.67)とも記載される場合があり、いずれの記載方法であっても同様の結晶構造をもつ複合酸化物を示す。
しかし、上記の組成式で表されるリチウムマンガン酸化物系の複合酸化物を正極活物質として用い、黒鉛(C)または珪素酸化物(SiO)を負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池では、初回充電時に正極から負極へ移動したリチウム(Li)の全量が放電時に負極から正極に戻らず、不可逆容量となることが知られている。特にSiOは容量が大きいため、負極活物質としてのSiOの使用はリチウムイオン二次電池の高容量化に不可欠である。しかし、SiOを負極活物質に用いることで、上記の不可逆容量がより顕著になるという問題がある。
特許文献1には、Li(LiMn2xCo1−3x)O(0<x<1/3)を含む正極活物質層を有する正極と、SiまたはSnを含む負極活物質層を有する負極と、を備える非水電解液二次電池が開示されている。特許文献1では、非水電解液二次電池に対して充電を行うときに、電池を組み立てた後に初めて行う初回の充電に相当する予備充電のカットオフ電圧を、予備充電より後の充電(つまり二回目以降の充電)のカットオフ電圧よりも高く設定して行う。高いカットオフ電圧で充電を行う予備充電を行うことで不可逆容量が補填されるため、低いカットオフ電圧で充電を行う場合には、ほぼ全量が可逆的に充放電される。つまり、二回目以降の放電容量が高く維持される。
特許第4219391号公報
特許文献1に記載の正極活物質は、リチウム塩、マンガン化合物およびコバルト化合物を所定の混合比で混合し、酸素雰囲気中で800〜1100℃で焼成して合成される。すなわち、固相法と呼ばれる合成方法により得られる。特許文献1では、いずれの組成の正極活物質も固相法により合成されており、それ以外の方法により合成された正極活物質については検討されていない。
また、固相法で合成された上記の酸化物は、微粒子が複数凝集した二次粒子、換言すれば、複数の結晶粒から構成された多結晶粒子からなる。多結晶粒子には、結晶粒界が多数存在する。一般的に、結晶粒界は欠陥の一種であるため、粒子の崩壊の原因となる。また、結晶粒界には、目的の酸化物とは組成が異なる不純物が存在する。このようなリチウム含有複合酸化物の粉末を正極活物質として使用した二次電池には、繰り返しの充放電に伴って結晶粒界から粒子が崩壊しやすく、また、高電圧で作動させる場合に不純物が電解液分解の活性点となる、といった問題がある。
本発明は、高いカットオフ電圧で予備充電を行って不可逆容量を補填する技術において好適である、新規の二次電池を提供することを目的とする。
本発明者等は、これまでに、リチウムイオン二次電池などの二次電池の正極活物質として好適な、溶融塩法により合成されたリチウムマンガン系酸化物について研究してきた。研究により、溶融塩法により合成されるリチウムマンガン系酸化物は、単結晶性の微粉末からなることがわかった。このようなリチウムマンガン系酸化物の粉末を正極活物質として用いた二次電池に対して高いカットオフ電圧で予備充電を行ったところ、予備充電を行わない場合に比較し充放電における放電容量が大きく向上することを新たに見出した。このような着眼点から、以下に説明する種々の発明を想到した。
すなわち、本発明は、リチウム(Li)とマンガンを必須とする少なくとも一種の他の金属元素(M)とを含み層状岩塩構造をもつリチウムマンガン系酸化物を含む正極活物質を有する正極と、珪素系材料を含む負極活物質を有する負極と、を備える二次電池であって、
前記正極活物質は、前記リチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末を含むことを特徴とする。
本発明者等の研究によれば、固相法により合成されたリチウムマンガン系酸化物よりも、溶融塩法により合成されたリチウムマンガン系酸化物を正極活物質として用いた本発明の二次電池のほうが、カットオフ電圧を高くした場合に、より大きな不可逆容量が発現することがわかった。固相法により合成されるリチウムマンガン系酸化物は、微粒子が複数凝集した二次粒子、換言すれば、複数の結晶粒により構成された多結晶粒子からなる。一方、溶融塩法により合成されるリチウムマンガン系酸化物は、結晶粒界をもたない単結晶粒子からなる。すなわち、本発明の二次電池は、リチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末を含む正極活物質を用いることで、高いカットオフ電圧で予備充電を行った場合に、多くの不可逆容量を補填することができる。
なお、溶融塩法により合成されたリチウムマンガン系酸化物、すなわち、リチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末を用いた本発明の二次電池において、カットオフ電圧を高くした場合に、従来よりも大きな不可逆容量を示すことは、これまで知られていなかった新たな知見である。
特に、リチウムマンガン系酸化物に含まれる金属元素(M)に対するリチウム(Li)の割合(Li/M)がモル比で1を越えるのが好ましく、さらに不可逆容量が大きく、予備充電によりさらに多くの不可逆容量を充填することが可能である。
さらに、本発明の二次電池は、正極活物質として単結晶粒子を用いるため、充放電に伴う活物質粒子の崩壊、高電圧での電解液の分解、などの原因となる結晶粒界を含まない。特に、高電圧での電解液の分解が抑制されることから、電解液が含まれる本発明の二次電池に対して高いカットオフ電圧で予備充電を行う際に有効である。
また、本発明は、上記本発明の二次電池を組み立てた後に初めて行う一回目の充電であって、カットオフ電圧を二回目以降の充電のカットオフ電圧よりも高く設定して行う予備充電工程と、
二回目以降の充電であって、カットオフ電圧を前記予備充電工程よりも低く設定して行う本充電工程と、
を有することを特徴とする二次電池の充電方法と捉えることもできる。
本発明の二次電池は、高いカットオフ電圧で充電を行う予備充電において不可逆容量が大きく補填され、低いカットオフ電圧で充電を行う二回目以降の放電容量が高く維持される。
種々の二次電池の予備充電後の初回放電容量を示すグラフであって、正極活物質として使用されるリチウムマンガン系酸化物に含まれるLiMnO含有量に対する初回放電容量を示す。 種々の二次電池の電池セル抵抗を示すグラフであって、正極活物質として使用されるリチウムマンガン系酸化物に含まれるLiMnO含有量に対する電池セル抵抗を示す。 溶融塩法により合成されたリチウムマンガン系酸化物粉末(0.13LiMnO・0.87LiNi1/3Mn1/3Co1/3粉末)を走査電子顕微鏡(SEM)により観察した結果を示す図面代用写真である。
以下に、本発明の二次電池を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限aおよび上限bをその範囲に含む。また、その数値範囲内において、本明細書に記載した数値を任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。
<二次電池>
本発明の二次電池は、リチウムおよびマンガンを少なくとも含み層状岩塩構造をもつリチウムマンガン系酸化物を含む正極活物質を有する正極と、珪素系材料を含む負極活物質を有する負極と、を備える。以下に、それぞれについて説明する。
<正極活物質>
リチウムマンガン系酸化物は、Liと、Mnを必須とする少なくとも一種の他の金属元素(M)と、を含み層状岩塩構造をもつ。Li/Mは1以上であればよいが、予備充電により多くの不可逆容量を補填できる点から、特に、Li/Mがモル比で1を越えるLi過剰のリチウムマンガン系酸化物であるのが好ましい。さらに好ましくは、Li/Mが1.10以上である。
リチウムマンガン系酸化物は、好ましくは、組成式:Li1+n1−n(Mは4価のMnを必須とする一種以上の金属元素、0≦n≦0.33)、あるいは、組成式:xLi・(1−x)LiM(Mは4価のMnを必須とする一種以上の金属元素、Mは一種以上の金属元素、0≦x≦1)、で表される。いずれの組成式も、同様の結晶構造(α−NaFeO型の層状岩塩構造)をもつ複合酸化物を示す。なお、リチウムマンガン系酸化物は、上記の組成式を基本組成とすればよく、不可避的に生じるLi、M、MまたはOの欠損により、上記組成式からわずかにずれた複合酸化物をも含むことは言うまでもない。リチウムマンガン系酸化物が層状岩塩構造の場合、基本的にMnの平均酸化数は4価であるが、上記の基本組成から僅かにずれることで、4価に満たないMnの存在により、得られる複合酸化物全体のMnの平均酸化数としては3.8〜4価まで許容される。
さらに具体的には、LiはLiMnO等、LiMはLiCoO、LiNiO、LiFeO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3およびLiNi0.5Mn0.5等、が挙げられる。前述の通り、これらを基本組成とすればよく、Mn、Fe、CoおよびNiの一部は、他の金属元素で置換されていてもよい。Liの一部はHに置換されていてもよい。また、不可避的に生じる金属元素または酸素の欠損により、上記組成式から僅かに外れていてもよい。
なお、Liは、原子比で60%以下さらには45%以下がHに置換されていてもよい。nおよびxは、後述の理由より、0<n、0<x、であるのが好ましい。さらにxは、後述の理由より0.1≦x≦0.4さらには0.15≦x≦0.3が好ましい。また、Mは、ほとんどが4価のMnであるのが好ましいが、50%未満さらには80%未満が他の金属元素で置換されていてもよい。Mは、4価のMnを必須とする一種以上の金属元素であるのが好ましい。MおよびMを構成するMn以外の金属元素としては、電極材料とした場合の充放電可能な容量の観点から、遷移金属であるのが好ましいが、具体的には、Ni、Co、Fe、Ti等の遷移金属およびMg、Alなどから選ばれるとよい。特に好ましくは、Niおよび/またはCoである。
リチウムマンガン系酸化物は、上記組成式のLi(Mは4価のMnを必須とする一種以上の金属元素)を必須で含むのが好ましい。つまり、nおよびxが、0<n、0<x、であるのが好ましい。好ましいLi含有量は、10モル%以上(0.1≦x)さらには15モル%以上(0.15≦x)である。Li量が多いほど、予備充電により補填することができる不可逆容量が多くなる。すなわち、Li量が多いほど、負極活物質にLiイオンを多く蓄積することができる。しかし、Liを過剰に含むリチウムマンガン系酸化物は、抵抗が高くなる傾向にある。その結果、二次電池のセル抵抗が上昇する。そのため、Li含有量が40モル%以下(x≦0.4)さらには30%以下(x≦0.3)であれば、セル抵抗を低減させられるため好ましい。
なお、上記組成式から明らかではあるが、Li量(つまりx)はLi/M値と相関があり、Li/M値が増加するとxの値も増加する。
リチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末の平均一次粒径に特に限定はない。平均一次粒径が、工業的に取り扱いやすい粒径である200nm以上であれば、粒子は凝集しにくく、好ましい。また、平均一次粒径が30μmを越えると、集電体に形成される正極活物質層の厚さ(通常30〜80μm程度)を考慮した場合に充填密度が低下するため現実的ではない。
なお、平均一次粒径の測定は、SEMなどの顕微鏡写真から複数個の粒子の最大径(粒子を2本の平行線で挟んだとき平行線の間隔の最大値)を測定し、それらの平均値とする。
本発明において、単結晶粒子は、好ましくは単粒子からなる。換言すれば、単結晶粒子は、溶融塩法により製造された単結晶の単粒子を含むのが好ましい。本明細書において「単粒子」とは、複数の結晶粒からなる多結晶粒子や微粒子が複数凝集してなる二次粒子とは異なり、結晶粒界を含まない単一粒子からなる粒子を言う。なお、単粒子が単結晶であることは、たとえば、透過型電子顕微鏡による電子線回折像の解析によって知ることができる。
また、正極活物質は、上記の層状岩塩構造をもつリチウムマンガン系酸化物粉末とは別に、従来から二次電池の正極活物質として用いられているその他の化合物粉末をさらに含んでもよい。具体的には、LiCoO粉末、LiNi0.5Mn0.5粉末、LiNi1/3Mn1/3Co1/3粉末、LiMn12粉末、LiMn粉末、等が挙げられる。このとき、リチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末は、正極活物質全体を100モル%としたときに、10モル%以上さらには20モル%以上含むのが好ましく、この範囲にあれば前述の予備充電の効果を悪化させることがない。
上記のリチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末は、たとえば、溶融塩法により溶融塩中で単結晶を育成することにより合成可能である。以下に、溶融塩法について説明する。
上記のリチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末は、主として、合成工程、冷却工程および回収工程、必要に応じて、原料調製工程、前駆体合成工程および/または焼成工程などを経て合成される。
はじめに、リチウムを除く一種以上の金属元素を含む金属含有原料と、リチウム化合物を含む溶融塩原料と、を調製する原料調製工程を行うとよい。原料調製工程では、金属含有原料と溶融塩原料とを混合するとよい。この際、単体金属や金属化合物などを粉砕するなどして得られる粉体状の金属含有原料と、リチウム化合物の粉末を含む溶融塩原料と、を混合して原料混合物を得るとよい。なお、溶融塩原料はLiを供給する原料、金属含有原料はLiを除く一種以上の金属元素を供給する原料である。
金属含有原料は、Liを除く一種以上の金属元素を供給する。金属含有原料に含まれる金属元素の価数に特に限定はない。水酸化リチウムを含む溶融塩原料を使用する場合には、目的のリチウムマンガン系酸化物に含まれる金属元素の価数以下にするのが好ましい。溶融塩法では、水酸化リチウム溶融塩のような高酸化状態にある溶融塩中で単結晶粒子が製造されるため、たとえば原料の状態で2価や3価のMnであっても反応中に4価のMnになるからである。したがって、溶融塩法に使用される一般的な単体金属、金属化合物などであれば使用可能である。具体的には、Mn供給源として、二酸化マンガン(MnO)、三酸化二マンガン(Mn)、一酸化マンガン(MnO)、四三酸化マンガン(Mn)、水酸化マンガン(Mn(OH))、オキシ水酸化マンガン(MnOOH)、等が使用可能である。
また、目的とするリチウムマンガン系酸化物の組成に応じて、Li、Mn以外の金属供給源を用いるとよい。具体的には、Co供給源であれば、酸化コバルト(CoO、Co)、硝酸コバルト(Co(NO・6HO)、水酸化コバルト(Co(OH))、塩化コバルト(CoCl・6HO)、硫酸コバルト(Co(SO)・7HO)、等が挙げられる。Ni供給源であれば、酸化ニッケル(NiO)、硝酸ニッケル(Ni(NO・6HO)、硫酸ニッケル(NiSO・6HO)、塩化ニッケル(NiCl・6HO)、等が挙げられる。Fe供給源であれば、水酸化鉄(Fe(OH))、塩化鉄(FeCl・6HO)、酸化鉄(Fe)、硝酸鉄(Fe(NO・9HO)、硫酸鉄(FeSO・9HO)、等が挙げられる。そのほか、水酸化アルミニウム(Al(OH))、硝酸アルミニウム(Al(NO・9HO)、酸化銅(CuO)、硝酸銅(Cu(NO・3HO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))なども使用可能である。これらの酸化物、水酸化物または金属塩に含まれる金属元素の一部が他の金属元素(たとえば、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Al、Mgなど)で置換された金属化合物であってもよい。
上記の金属化合物のうち、Mn供給源であればMnO、Co供給源であればCo(OH)、Ni供給源であればNi(OH)、Fe供給源であればFe(OH)、が好ましく、入手が容易であるとともに、比較的高純度のものが入手しやすい。
上記の単体金属および金属化合物から選ばれる二種以上を使用することで、たとえば、二種以上の金属元素を含むリチウム含有複合酸化物粉末、Li以外の金属元素が他の金属元素で置換されたリチウム含有複合酸化物粉末、を製造することができる。
また、金属含有原料が二種以上の金属元素を含む場合は、それらを含む化合物を前駆体としてあらかじめ合成するとよい。すなわち、原料を調製する前に、少なくとも二種の金属元素を含む水溶液をアルカリ性にして沈殿物を得る前駆体合成工程を行うとよい。水溶液としては、水溶性の無機塩、具体的には金属元素の硝酸塩、硫酸塩、塩化物塩などを水に溶解し、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水などで水溶液をアルカリ性にすると、前駆体は沈殿物として生成される。特に、合成するリチウムマンガン系酸化物がNiを含む場合には、前駆体を用いた製造方法を採用することで、除去が困難な副生成物(NiO)の生成が抑制されるため好ましい。
溶融塩原料は、主として水酸化リチウムを含むとよい。水酸化リチウムの溶融塩は、酸化力が高いため、層状岩塩構造を有するリチウムマンガン系酸化物を合成するのに適する。特に、水酸化リチウムのみの溶融塩中でリチウムマンガン系酸化物を合成することで、結晶性に優れた比較的大きな粒子を合成することができる。ただし、溶融塩原料は、硝酸リチウムなどの他のリチウム化合物を含んでもよい。混合溶融塩とすることで、融点が低下するため、低温での合成に適する。溶融塩原料として水酸化リチウムとともに硝酸リチウムを使用する場合には、硝酸リチウムに対する水酸化リチウムの割合(水酸化リチウム/硝酸リチウム)がモル比で1以上さらには1.5以上であるのが望ましい。
水酸化リチウムは、無水物(LiOH)を用いても水和物(LiOH・HO)を用いてもよいが、後述の合成工程に供される水酸化リチウムは、脱水された状態にあるのが好ましい。なお、水酸化リチウムは、大気中の二酸化炭素を吸収して炭酸リチウムとなる性質があるため、不純物として微量の炭酸リチウムを含む場合がある。
上記の金属含有原料および溶融塩原料の配合割合は、製造するリチウムマンガン系酸化物に含まれるLiおよび金属元素の割合に応じて適宜選択すればよい。ただし、溶融塩原料は、リチウムの供給源のみならず、溶融塩の酸化状態を維持する役割を果たす。そのため、溶融塩原料(すなわち溶融塩)は、製造されるリチウム含有複合酸化物に含まれるリチウムの理論組成を超えるリチウムを含むとよい。具体的には、溶融塩原料に含まれるリチウムに対する、目的の複合酸化物に含まれるリチウムの理論組成(複合酸化物のLi/溶融塩原料のLi)は、モル比で1未満、さらには0.01〜0.4が望ましい。0.01未満であると、使用する溶融塩原料の量に対して生成する複合酸化物の量が少なくなるため、製造効率の面で望ましくない。また、0.4以下であれば、金属含有原料を分散させる溶融塩が十分に存在し、溶融塩中における複合酸化物の凝集が抑制され、ひいては多結晶粒子が生成されにくくなる。
合成工程は、溶融塩原料からなる溶融塩中で金属含有原料を反応させる工程である。合成工程における反応温度は溶融塩の温度に相当し、融点以上900℃以下が望ましい。特に、水酸化リチウムの溶融塩中で500〜900℃で反応させることで、層状岩塩構造に属するリチウムマンガン系酸化物からなり結晶性が高く、粒径の比較的大きい単結晶粒子が育成されやすい。反応温度の上限は、水酸化リチウムの分解温度未満であり、反応温度が700〜900℃であれば、安定した条件で単結晶の育成が行われるため、特に望ましい。また、合成工程を行う雰囲気に特に限定はなく、大気中で行えばよい。合成工程を大気中のような酸素含有雰囲気で行うことで、層状岩塩構造を有するリチウム含有複合酸化物が単相で得られやすい。
冷却工程は、合成工程後の溶融塩を冷却する工程である。冷却速度に特に限定はないが、冷却速度が遅いほど、合成される粒子は大きくなる。そのため、反応温度から溶融塩の融点まで(もしくは室温になるまで)、5℃/分以下さらには2℃/分以下の速度で冷却するのが望ましい。したがって、冷却工程では、反応終了後の高温の溶融塩を、空冷してもよいし、加熱炉の中に収容したままの状態で冷却速度を調整して徐冷してもよい。冷却により溶融塩は凝固するため、冷却工程後には、合成されたリチウムマンガン系酸化物と溶融塩との混合物が固形物で得られる。
回収工程は、冷却後の固形物から生成されたリチウムマンガン系酸化物を回収する工程である。具体的には、冷却工程により固化した溶融塩を極性プロトン性溶媒に溶解させて、固化した溶融塩から合成工程で生成されたリチウムマンガン系酸化物を分離する分離回収工程であるとよい。極性プロトン性溶媒は、凝固した溶融塩(つまり水酸化リチウム)を溶解することができるため本工程に採用される。極性プロトン性溶媒の具体例としては、イオン交換水などの純水、エタノールなどのアルコール類、等が挙げられ、これらのうちの一種を単独、二種以上を混合して使用してもよい。凝固した溶融塩は極性プロトン性溶媒に容易に溶解し、極性プロトン性溶媒に溶解しにくいリチウムマンガン系酸化物は溶媒中に溶け残る。そのため、溶融塩とリチウムマンガン系酸化物とは、容易に分離される。リチウム含有複合酸化物粉末の回収方法に特に限定はないが、溶液を遠心分離したり濾過したりして、回収可能である。回収後のリチウム含有複合酸化物を乾燥させてもよい。回収工程では、必要に応じて軽く粉砕などして、粉末状のリチウム含有複合酸化物粉末が得られる。
また、回収工程の後に、リチウムマンガン系酸化物のLiの一部を水素(H)に置換するプロトン置換工程を行ってもよい。プロトン置換工程では、回収工程後の複合酸化物を希釈した酸などの溶媒に接触させることで、Liの一部が容易にHに置換する。
また、回収工程で回収されたリチウム含有複合酸化物粉末を焼成する焼成工程を行ってもよい。焼成工程においてリチウムマンガン系酸化物粉末に熱が加えられることで、複合酸化物の結晶内に存在する残留応力が除去される。また、分離回収工程で完全に除去されなかった、水酸化リチウムなどの不純物が低減されたリチウムマンガン系酸化物が得られる。さらに、リチウムマンガン系酸化物にLi欠損がある場合には、焼成の熱によりリチウムマンガン系酸化物の表面部と水酸化リチウムなどの不純物とが反応して、不純物からLiが補われることでリチウムマンガン系酸化物のLi欠損が低減されるとともに不純物が分解される。つまり、焼成の結果、残留応力が除去され、表面の不純物およびLi欠損が低減されたリチウムマンガン系酸化物が得られる。
焼成温度は、400〜800℃さらには500〜800℃が望ましい。焼成温度が400℃以上であれば、リチウム含有複合酸化物粉末の正極活物質としての特性の向上が期待できる。焼成温度を800℃以下とすることで、凝集が抑制されるため望ましい。この焼成温度で20分以上さらには0.5〜6時間保持するのが望ましい。焼成は、酸素含有雰囲気中で行われるとよい。加熱焼成工程は、酸素含有雰囲気、たとえば大気中、酸素ガスおよび/またはオゾンガスを含むガス雰囲気中で行うのがよい。酸素ガスを含有する雰囲気であれば、酸素ガス濃度を20〜100体積%さらには50〜100体積%とするのがよい。
<負極活物質>
負極活物質は、珪素単体、珪素酸化物、珪素化合物などの珪素(Si)を含む珪素系材料、のうちの少なくとも一種を含むのが好ましい。珪素系材料は、炭素系材料などの他の負極活物質材料よりも高容量であるため、負極活物質として好ましい。ただし、珪素系材料とともに、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体などの炭素(C)を含む炭素系材料、錫、錫化合物、錫合金などのSnを含む錫系材料、などを混合して負極活物質として用いてもよい。
珪素酸化物は、SiO相とSi相とを含むとよい。分離して得られるSi相は、非常に微細であり、1000mAh/g以上の高容量をもつ。また、Si相を覆うSiO相は、電解液の分解を抑制する働きをもつ。珪素酸化物は、SiO(0.3≦m≦1.6)で表される酸化珪素からなるとよい。mが0.3以上であれば、Si相の占める比率が低減されて充放電時の体積変化が抑制されるため、サイクル特性が向上するため好ましい。また、mが1.6以下であれば、Si相の比率が増加し、エネルギー密度が向上するため好ましい。さらに好ましいmの範囲は、0.5≦m≦1.5、0.7≦m≦1.2である。
一般に、酸素を断った状態であれば800℃以上で、ほぼすべてのSiOが不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性のSiO粉末を含む原料酸化珪素粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、非結晶性のSiO相および結晶性のSi相の二相を含む珪素酸化物が得られる。
負極活物質は、略球状の粒子からなるのが好ましい。充放電特性の観点からは、珪素酸化物粉末の平均粒径が小さいほど好ましい。しかし、平均粒径が小さすぎると、負極の形成時に凝集して粗大な粒子となるため、二次電池の充放電特性が低下する場合がある。そのため、珪素酸化物粉末の平均粒径は、1〜10μmの範囲にあるとよい。
<正極および負極>
正極および負極は、主として、上記の活物質と、この活物質を結着する結着剤と、からなるのが好ましい。さらに、導電助材を含んでもよい。結着剤および導電助材にも特に限定はなく、一般の二次電池で使用可能なものであればよい。導電助材は、電極の電気伝導性を確保するためのものであり、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛などの炭素物質粉状体の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。結着剤は、活物質および導電助材を繋ぎ止める役割を果たすもので、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂などを用いることができる。
正極および負極は、少なくとも正極活物質または負極活物質が結着剤で結着されてなる活物質層が、集電体に付着してなるのが一般的である。そのため、正極および負極は、活物質および結着剤、必要に応じて導電助材を含む電極合材層形成用組成物を調製し、さらに適当な溶剤を加えてペースト状にしてから集電体の表面に塗布後、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
集電体は、金属製のメッシュや金属箔を用いることができる。集電体としては、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、アルミニウム、銅などの金属材料または導電性樹脂からなる多孔性または無孔の導電性基板が挙げられる。多孔性導電性基板としては、たとえば、メッシュ体、ネット体、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、不織布などの繊維群成形体、などが挙げられる。無孔の導電性基板としては、たとえば、箔、シート、フィルムなどが挙げられる。電極合材層形成用組成物の塗布方法としては、ドクターブレード、バーコーターなどの従来から公知の方法を用いればよい。
粘度調整のための溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)などが使用可能である。
<その他の構成>
本発明の二次電池は、電解質およびセパレータなどを、必要に応じて備える。
<電解質>
本発明の二次電池は、電解質を含むとよい。電解質としては、有機溶媒に電解質を溶解させた有機溶媒系の電解液や、電解液をポリマー中に保持させたポリマー電解質などを用いることができる。その電解液あるいはポリマー電解質に含まれる有機溶媒は特に限定されるものではないが、負荷特性の点からは鎖状エステルを含んでいることが好ましい。そのような鎖状エステルとしては、たとえば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートに代表される鎖状のカーボネートや、酢酸エチル、プロピロン酸メチルなどの有機溶媒が挙げられる。これらの鎖状エステルは、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。特に、低温特性の改善のためには、上記鎖状エステルが全有機溶媒中の50体積%以上を占めることが好ましく、特に鎖状エステルが全有機溶媒中の65体積%以上を占めることが好ましい。
ただし、有機溶媒としては、上記鎖状エステルのみで構成するよりも、放電容量の向上をはかるために、上記鎖状エステルに誘導率の高い(誘導率:30以上)エステルを混合して用いることが好ましい。このようなエステルの具体例としては、たとえば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートに代表される環状のカーボネートや、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイトなどが挙げられる。特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のエステルが好ましい。そのような誘電率の高いエステルは、放電容量の点から、全有機溶媒中に10体積%以上、特に20体積%以上含有されることが好ましい。また、負荷特性の点からは、40体積%以下が好ましく、30体積%以下がより好ましい。
有機溶媒に溶解させる電解質としては、たとえば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)などが単独でまたは2種以上混合して用いられる。中でも、良好な充放電特性が得られるLiPFやLiCSOなどが好ましく用いられる。
電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるものではないが、0.3〜1.7mol/dm、特に0.4〜1.5mol/dm程度が好ましい。
また、電池の安全性や貯蔵特性を向上させるために、上記の電解液に芳香族化合物を含有させてもよい。芳香族化合物としては、シクロヘキシルベンゼンやt−ブチルベンゼンなどのアルキル基を有するベンゼン類、ビフェニル、あるいはフルオロベンゼン類が好ましく用いられる。
<セパレータ>
本発明の二次電池は、一般の二次電池と同様に、正極と負極の間に挟装されるセパレータを備えるとよい。セパレータとしては、強度が充分でしかも電解液を多く保持できるものがよく、そのような観点から、5〜50μmの厚さで、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、プロピレンとエチレンとの共重合体などポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などが好ましく用いられる。
本発明の二次電池の形状は円筒型、積層型、コイン型等、種々のものとすることができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極と負極との間にセパレータを挟装させ電極体とする。そして正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を集電用リードなどで接続し、この電極体に上記電解液を含浸させ電池ケースに密閉し、二次電池が完成する。
本発明の二次電池は、携帯電話、パソコン等の通信機器、情報関連機器の分野の他、自動車の分野においても好適に利用できる。たとえば、この二次電池を車両に搭載すれば、二次電池を電気自動車用の電源として使用できる。
<二次電池の充電方法>
本発明の充電方法は、上記本発明の二次電池の充電方法である。本発明の充電方法は、二次電池を組み立てた後に初めて行う初回の充電である予備充電工程および二回目以降の充電である本充電工程を有する。以下に、これらの工程を説明する。
予備充電工程は、二次電池を組み立てた後に初めて行う一回目の充電である。予備充電工程では、本充電工程の充電のカットオフ電圧よりも、カットオフ電圧を高く設定して行う。充電のカットオフ電圧を本充電工程よりも高くすることで、本充電工程で移動するよりも多くのリチウムイオンが負極に供給される。供給されたリチウムイオンの一部は、放電後も負極に蓄積される。その結果、不可逆容量が補填される。予備充電工程における充電のカットオフ電圧は、本発明の二次電池を作動させる場合の従来の電圧範囲における充電のカットオフ電圧よりも高い値であれば、不可逆容量の補填効果は得られる。したがって、予備充電工程におけるカットオフ電圧は、金属リチウム基準(Li/Liを基準)で4.4V以上、さらには4.5V以上に設定するのが望ましい。ただし、カットオフ電圧が高すぎると、活物質材料の結晶構造が変化したり、電解液の分解が促進されたりする。そのため、カットオフ電圧の上限を4.8Vさらには4.6Vとすれば、活物質材料および電解質の劣化を抑制できるため望ましい。
なお、Liを含む正極活物質を用いる場合には、予備充電工程にてリチウムイオンの放出とともに酸素が発生することがある。その場合には、電池ケースを密閉する前に予備充電工程を行うとよい。
本充電工程は、二回目以降の充電であって、カットオフ電圧を予備充電工程よりも低く設定して行う。本充電工程は、本発明の二次電池を作動させる場合の従来の電圧範囲における充放電である。そのため、本充電工程のカットオフ電位は、金属リチウム基準(Li/Liを基準)で4.3V以下さらには4.2V以下に設定するのが望ましい。
以上、本発明の二次電池の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、本発明の二次電池の実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
<正極活物質の合成>
溶融塩法により、三種類のリチウムマンガン系酸化物を合成した。以下に、合成手順を説明する。
<リチウムマンガン系酸化物:#01>
溶融塩原料として0.30molの水酸化リチウム一水和物LiOH・HO(12.6g)と、金属化合物原料として前駆体(1.0g)と、を混合して原料混合物を調製した。以下に、前駆体の合成手順を説明する。
0.133molのNi(NO・6HO(38.68g)と0.133molのCo(NO・6HO(38.71g)と0.133molのMn(NO・6HO(38.18g)とを500mLの蒸留水に溶解させて金属塩含有水溶液を作製した。この水溶液を氷浴中でスターラーを用いて撹拌しながら、50g(1.2mol)のLiOH・HOを300mLの蒸留水に溶解させたものを2時間かけて滴下して水溶液をアルカリ性とし、金属化合物の沈殿を析出させた。この沈殿溶液を5℃に保持したまま酸素雰囲気下で1日熟成を行った。得られた沈殿物を濾過、蒸留水を用いて洗浄することによりNi:Co:Mn=0.133:0.133:0.133の前駆体を得た。
なお、得られた前駆体は、X線回折測定により、Mn、CoおよびNiOの混合相からなることが確認された。そのため、この前駆体1gの遷移金属酸化物含有量は0.013molである。このとき、前駆体の遷移金属がLiと1:1で反応して目的生成物が合成されると仮定して、(目的生成物のLi)/(溶融塩原料のLi)は、0.013mol/0.3mol=0.043であった。
原料混合物を坩堝に入れて、真空乾燥容器にて120℃で12時間真空乾燥した。その後、乾燥機を大気圧に戻し、原料混合物の入った坩堝を取り出し、800℃にした電気炉に移し、大気中800℃で6時間加熱した。このとき原料混合物は融解して溶融塩となり、黒色の生成物が沈殿していた。
次に、溶融塩の入った坩堝を電気炉から取り出し、大気中で室温にて冷却した。溶融塩が十分に冷却されて固体化した後、坩堝ごと200mLのイオン交換水に浸し、攪拌することで、固体化した溶融塩を水に溶解した。黒色の生成物は水に不溶性であるため、水は黒色の懸濁液となった。黒色の懸濁液を濾過すると、透明な濾液と、濾紙上に黒色固体の濾物と、が得られた。得られた濾物をさらにイオン交換水を用いて十分に洗浄しながら濾過した。洗浄後の黒色固体を120℃で6時間、真空乾燥した後、乳鉢と乳棒を用いて粉砕した。乾燥および粉砕を経て得られた黒色粉末を、大気中700℃6時間加熱し、後焼成を行った。
得られた黒色粉末についてCuKα線を用いたX線回折(XRD)測定を行った。XRDによれば、得られた化合物はα−NaFeO型の層状岩塩構造であることがわかった。また、発光分光分析(ICP)を用いた測定より、得られた黒色粉末に含まれるLiと他の金属元素(Ni、CoおよびMn)との比率は、Li/(Ni+Co+Mn)=1.12であった。以上の結果より、合成されたリチウムマンガン系酸化物は、Li1.1190.881(MはNi、CoおよびMn)で表されることがわかった。
<リチウムマンガン系酸化物:#02>
上記の合成手順のうち、前駆体の合成に用いる金属化合物(Ni(NO・6HO、Co(NO・6HOおよびMn(NO・6HO)の配合割合を変更することで、酸化物#01と異なる組成のリチウムマンガン系酸化物#02を合成した。金属化合物の配合割合を表1に示した。
乾燥、粉砕および後焼成を経て得られた黒色粉末についてCuKα線を用いたXRD測定を行った。XRDによれば、得られた化合物はα−NaFeO型の層状岩塩構造であることがわかった。また、ICPを用いた測定より、得られた黒色粉末に含まれるLiと他の金属元素(Ni、CoおよびMn)との比率は、Li/(Ni+Co+Mn)=1.09であった。以上の結果より、合成されたリチウムマンガン系酸化物は、Li1.0910.909(MはNi、CoおよびMn)で表されることがわかった。
<リチウムマンガン系酸化物:#03>
上記の合成手順のうち、前駆体の合成に用いる金属化合物(Ni(NO・6HO、Co(NO・6HOおよびMn(NO・6HO)の配合割合を変更することで、酸化物#01および#02と異なる組成のリチウムマンガン系酸化物#03を合成した。金属化合物の配合割合を表1に示した。
乾燥、粉砕および後焼成を経て得られた黒色粉末についてCuKα線を用いたXRD測定を行った。XRDによれば、得られた化合物はα−NaFeO型の層状岩塩構造であることがわかった。また、ICPを用いた測定より、得られた黒色粉末に含まれるLiと他の金属元素(Ni、CoおよびMn)との比率は、Li/(Ni+Co+Mn)=1.06であった。以上の結果より、合成されたリチウムマンガン系酸化物は、Li1.0610.939(MはNi、CoおよびMn)で表されることがわかった。
<リチウムマンガン系酸化物:#C1>
比較例として、固相法によりリチウムマンガン系酸化物を合成した。以下に、合成手順を説明する。
酸化物#01の合成に用いた上記の前駆体0.05mol(3.85g)にLiOH・HOを0.0525mol(2.2g)加え、乳鉢を用いて混合し、原料混合物を調製した。原料混合物をアルミナ坩堝にいれて、800℃10時間の焼成をした。
焼成後の粉末についてXRD測定を行った。XRDによれば、得られた粉末はα−NaFeO型の層状岩塩構造であることがわかった。また、ICPを用いた測定より、得られた黒色粉末に含まれるLiと他の金属元素(Ni、CoおよびMn)との比率は、Li/(Ni+Co+Mn)=1.00であった。以上の結果より、合成されたリチウムマンガン系酸化物は、LiNi1/3Mn1/3Co1/3で表されることがわかった。
<粒子の評価>
上記の手順で合成された#01〜#03の粉末を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、加速電圧200kVの条件下の制限視野電子線回折を行い、単結晶の同定および評価を行った。一粒子全体を制限視野に入れた制限視野電子線回折パターンは、いずれの粒子も、単結晶の特徴を示す規則的な回折点が観察された。また、同一の面内の異なる位置から得られる回折パターンは、互いに同一の面指数を示す回折点として観察された。したがって、得られた粒子は結晶粒界のない単結晶の単粒子であることがわかった。また、これらの単粒子は、凝集しておらず、二次粒子を形成していなかった。
また、上記の手順で合成された#01〜#03の粉末については、走査顕微鏡(SEM)観察を行った。SEM像より複数の粒子の最大径(粒子を2本の平行線で挟んだとき平行線の間隔の最大値)を測定し平均値を算出した。各酸化物の平均粒径は、100nm〜1μm程度であることがわかった。
一方、#C1の粉末に含まれる粒子では、一粒子全体を制限視野に入れた制限視野電子線回折パターンは、いずれの粒子も、多結晶の特徴を示すハローパターンが観察された。また、SEMにより、一つの粒子が複数の一次粒子からなる様子が観察できた。
<正極の作製>
上記の手順で合成された#01〜#03および#C1のリチウムマンガン系酸化物を用い、四種類の正極を作製した。
上記いずれかの酸化物粉末、導電助剤としてのアセチレンブラック、結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を質量比で70:20:10の割合で混合した。次いで、この混合物を集電体であるアルミニウムメッシュに圧着した。その後、120℃で12時間以上真空乾燥し、活物質層の厚さが10μm程度の正極(φ12mm)とした。
<負極の作製>
珪素酸化物粉末として、市販のSiO粉末(シグマ・アルドリッチ・ジャパン社製、平均粒径5μm)の粒子表面を炭素被覆した粉末を使用した。炭素被覆は、SiO粉末をグルコース水溶液に添加し均一に混合した後、乾燥し、900℃で2時間熱処理して行った。なお、SiOは、この熱処理によって、固体の内部反応によりSi相とSiO相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。
珪素酸化物粉末と塊状人造黒鉛とを42:40で混合し、負極活物質としての混合粉末を得た。この混合粉末82質量部と、バインダー(固形分)15質量部と、導電助材3重量部を混合してスラリーを調製した。バインダーには、シラン変性ポリアミドイミド(荒川化学工業社製)を用いた。導電助材にはケッチェンブラックを用いた。これら粉末にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えてスラリーとした。このスラリーを、集電体である厚さ20μmの電解銅箔の表面にドクターブレードを用いて塗布し、銅箔上に負極活物質層を形成した。その後、ロールプレス機により、集電体と負極活物質層とを強固に密着接合させた。これを真空乾燥し、活物質層の厚さが10μm程度の負極(φ14mm)を形成した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
上記のいずれかの正極と上記の負極とを組み合わせて、実施例1〜3および比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
正極および負極の間にセパレータとして厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムを挟装して電極体電池とした。この電極体電池を電池ケース(宝泉株式会社製CR2032コインセル)に収容した。また、電池ケースには、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解した非水電解液を注入した。
また、予備充電によって生じる不可逆容量を測定するために、上記の負極のかわりに金属リチウムの対極(厚さ500nm、φ16mm)を用いた測定用セルを作製した。
<不可逆容量の測定>
測定用セルを用い、不可逆容量を測定した。測定は、室温(25℃)において行った。
はじめに、0.2Cのレートで4.6Vまで定電流(CC)充電を行い、その後0.02Cの電流値まで一定電圧(CV)で充電を行った。続く放電は、2.5Vまで0.2Cのレートで行った。この充放電における充電容量と放電容量との差から、予備充電の不可逆容量を求めた。結果を表1に示した。
<二次電池の放電容量の測定>
実施例1〜3および比較例1のリチウムイオン二次電池を用いて室温(25℃)において充放電試験を行った。
はじめに、作製されたままの二次電池に対して予備充電を行った。予備充電は、はじめに、0.2Cのレートで4.5VまでCC充電を行い、その後0.02Cの電流値までCV充電を行った。続く放電は、2.5Vまで0.2Cのレートで行った。
次に、0.2Cのレートで4.2VまでCC充電を行い、その後0.02Cの電流値までCV充電を行った。続く放電は、2.5Vまで0.2Cのレートで行った。このときの放電容量を、表1に示した。
実施例1〜3の二次電池は、高電圧で充電を行う際に、比較例1の二次電池よりも大きな不可逆容量をもつことがわかった。そのため、実施例1〜3の二次電池では、予備充電により不可逆容量の補填が十分に行われ、予備充電の次に行われる初回の充放電における放電容量が高かった。一方、比較例1の二次電池は、予備充電により不可逆容量が十分に補填されなかったため、予備充電の次に行われる初回の充放電における放電容量は低かった。
<LiMnO含有量の異なる正極活物質を用いた二次電池の作製>
上記の合成手順のうち、前駆体の合成に用いる金属化合物(Ni(NO・6HO、Co(NO・6HOおよびMn(NO・6HO)の配合割合を変更することで、酸化物#01〜03とは組成が異なる種々のリチウムマンガン系酸化物を合成した。また、比較例として、マンガンを含まないリチウムコバルト酸化物を合成した。金属化合物の配合割合を表2に示した。得られたリチウムマンガン系酸化物は、ICPおよび酸化還元滴定によるMnの平均価数分析によれば、組成式:xLiMnO・(1−x)LiNi1/3Mn1/3Co1/3で表され、xがそれぞれ、0.10、0.13、0.20、0.27、0.40または0.50であった。ただし、これらのうち、x=0.13、0.20および0.27のリチウムマンガン系酸化物の粉末は、前述の酸化物#01〜03である。また、x=0は、LiCoOであった。
これらの七種類の酸化物粉末を用い、七種類のリチウムイオン二次電池を作製した。
正極活物質として上記いずれかの酸化物粉末、導電助剤としてのアセチレンブラック、結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を質量比で70:20:10の割合で混合した。次いで、この混合物を集電体であるアルミニウムメッシュに圧着した。その後、120℃で12時間以上真空乾燥し、活物質層の厚さが10μm程度の正極(φ12mm)とした。
七種類の正極のいずれかと、前述と同様にして作製した負極を用い、七種類のリチウムイオン二次電池を作製した。正極および負極の間にセパレータとして厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムを挟装して電極体電池とした。この電極体電池を電池ケース(宝泉株式会社製CR2032コインセル)に収容した。また、電池ケースには、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒にLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解した非水電解液を注入して、七種類のリチウムイオン二次電池を得た。これらのうち、x=0.13、0.20および0.27のリチウムマンガン系酸化物の粉末を正極活物質として用いた二次電池は、前述の実施例1〜3の二次電池である。
<二次電池の放電容量の測定>
作製した種々のリチウムイオン二次電池を用いて室温(25℃)において上記と同様の充放電試験を行った。
作製されたままの二次電池に対して予備充電を行った。予備充電は、はじめに、0.2Cのレートで4.5VまでCC充電を行い、その後0.02Cの電流値までCV充電を行った。続く放電は、2.5Vまで0.2Cのレートで行った。
次に、0.2Cのレートで4.2VまでCC充電を行い、その後0.02Cの電流値までCV充電を行った。続く放電は、2.5Vまで0.2Cのレートで行った。このときの放電容量を、表2および図1に示した。なお、x=0.13、0.20および0.27のリチウムマンガン系酸化物の粉末を正極活物質として用いた二次電池の放電容量については、表1に記載の結果を示した。
リチウムマンガン系酸化物に含まれるLiMnOの含有量の増加に伴い、すなわちLi/M比の増加に伴い、放電容量が増加した。そして、LiMnOの含有量が20モル%付近で最も高い放電容量を示した。しかし、さらにLiMnOの含有量が増加すると、放電容量は緩やかに低下した。
また、予備充電を行う前の二次電池に対して、内部抵抗(電池セル抵抗)を測定した。x=0.50の内部抵抗が1となるように規格化して、測定結果を図2に示した。LiMnOの含有量が増加すると、内部抵抗は上昇した。図1に見られたLiMnO含有量の増加に伴う放電容量の緩やかな減少は、内部抵抗の上昇に起因すると考えられる。すなわち、xLi・(1−x)LiM(MおよびMはそれぞれ4価のMnを必須とする一種以上の金属元素)において0.1≦x≦0.4、0.15≦x≦0.3さらには0.15≦x≦0.27のリチウムマンガン系酸化物を含む正極活物質粉末を使用することで、予備充電後の初回の放電容量が高い二次電池が得られることがわかった。
表2の「x=0.13」にあたるリチウムマンガン系酸化物粉末(0.13LiMnO・0.87LiNi1/3Mn1/3Co1/3)について、走査顕微鏡(SEM)観察を行った。結果を図3に示した。500〜600nm程度の粒径の単粒子が観察された。なお、この粉末についてTEMにより単結晶の同定および評価を行った結果、一粒子全体を制限視野に入れた制限視野電子線回折パターンは、いずれの粒子も、単結晶の特徴を示す規則的な回折点が観察された。また、同一の面内の異なる位置から得られる回折パターンは、互いに同一の面指数を示す回折点として観察された。したがって、得られた粒子は結晶粒界のない単結晶の単粒子であることがわかった。また、これらの単粒子は、凝集しておらず、二次粒子を形成していなかった。

Claims (15)

  1. リチウム(Li)とマンガンを必須とする少なくとも一種の他の金属元素(M)とを含み層状岩塩構造をもつリチウムマンガン系酸化物を含む正極活物質を有する正極と、珪素系材料を含む負極活物質を有する負極と、を備える二次電池であって、
    前記正極活物質は、前記リチウムマンガン系酸化物からなる単結晶粒子からなる粉末を含むことを特徴とする二次電池。
  2. 前記リチウムマンガン系酸化物に含まれる金属元素(M)に対するリチウム(Li)の割合(Li/M)は、モル比で1を越える請求項1記載の二次電池。
  3. 前記リチウムマンガン系酸化物は、組成式:Li1+n1−n(Mは4価のMnを必須とする一種以上の金属元素、0<n≦0.33)を基本組成とする請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記Li/Mは、モル比で1.1以上である請求項2または3に記載の二次電池。
  5. 前記リチウムマンガン系酸化物は、組成式:xLi・(1−x)LiM(Mは4価のMnを必須とする一種以上の金属元素、Mは一種以上の金属元素、0.1≦x≦0.4)を基本組成とする請求項3または4に記載の二次電池。
  6. 前記組成式において、0.15≦x≦0.3である請求項5に記載の二次電池。
  7. 前記MはMn、前記MはNi、CoおよびMnから選ばれる一種以上である請求項5または6に記載の二次電池。
  8. 前記単結晶は、溶融塩法により育成されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池。
  9. 前記珪素系材料は、SiO相とSi相とを含む請求項1〜8のいずれかに記載の二次電池。
  10. 二次電池を組み立てた後に初めて行う一回目の充電であって、二回目以降の充電のカットオフ電圧よりも高いカットオフ電圧で予備充電が行われ不可逆容量が補填された請求項1〜9のいずれかに記載の二次電池。
  11. 前記単結晶粒子は、単粒子からなる請求項1〜10のいずれかに記載の二次電池。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の二次電池を搭載したことを特徴とする車両。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の二次電池の充電方法であって、
    該二次電池を組み立てた後に初めて行う一回目の充電であって、カットオフ電圧を二回目以降の充電のカットオフ電圧よりも高く設定して行う予備充電工程と、
    二回目以降の充電であって、カットオフ電圧を前記予備充電工程よりも低く設定して行う本充電工程と、
    を有することを特徴とする二次電池の充電方法。
  14. 前記予備充電工程のカットオフ電位は、金属リチウム基準で4.4V以上である請求項13記載の二次電池の充電方法。
  15. 前記本充電工程のカットオフ電位は、金属リチウム基準で4.3V以下である請求項13または14に記載の二次電池の充電方法。
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