JP2013010984A - 耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents
耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013010984A JP2013010984A JP2011143644A JP2011143644A JP2013010984A JP 2013010984 A JP2013010984 A JP 2013010984A JP 2011143644 A JP2011143644 A JP 2011143644A JP 2011143644 A JP2011143644 A JP 2011143644A JP 2013010984 A JP2013010984 A JP 2013010984A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cermet
- coating
- sprayed coating
- spraying
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Chemically Coating (AREA)
Abstract
【解決手段】酸化物系セラミック粒子の表面に、無電解めっき法によってNiまたはNi−P、Ni−B合金膜を0.3〜5μmの厚さで被覆形成した非混合形サーメット溶射用粉末材料を用いて溶射することによって、セラミックと金属とが分離することの溶射皮膜を形成するとともに、その溶射皮膜の表面を高エネルギーを照射して、皮膜表面を再溶融・再結晶化させることにより、一段と高度な緻密性、平滑性、耐食性、耐摩耗性、耐プラズマエロージョン性を有するサーメット溶射皮膜を得る。
【選択図】図1
Description
a.溶射法によって形成されたY2O3やA12O3などの酸化物系セラミック皮膜をはじめ、NiやNi−Cr合金などの金属皮膜は、ハロゲンによるプラズマエッチング環境において比較的良好な耐久性を示す。しかし、溶射皮膜というのは、貫通気孔が不可避に生成するため、ウェットプロセス用装置部材の洗浄処理時に致命的な欠点となるという問題があった。
d.しかも、酸化物系セラミック溶射皮膜などを高エネルギー照射処理した時に発生する上記の“ひび割れ現象”は、発生当初は微小であっても、使用中に加熱と冷却とが繰り返されると、そのひび割れが次第に大きくかつ深く成長するため、洗浄水などが皮膜内部に侵入することによる弊害が助長される。そればかりか、ひび割れ部が優先的にプラズマエッチングすることも判明してきた。
(1)前記サーメット溶射用粉末材料は、粒径が5〜80μmの酸化物系セラミック粒子の表面に、NiまたはNi合金の無電解めっき膜が0.3〜5μmの厚さとなるように被覆されたものであること、
(2)前記酸化物系セラミック粒子は、Al、Y、原子番号57〜71に属するランタノイド系元素の酸化物、A12O3−Y2O3の混合体、YAGで表示されるA12O3・Y2O3の複酸化物の粒子であること、
(3)前記Ni基合金は、PまたはBをそれぞれ5mass%以下含有し、残部がNiからなる合金であること、
(4)前記基材は、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、炭素鋼、各種ステンレス鋼、セラミック焼結体、炭素焼結体から選ばれるいずれか1の材料からなること、
(5)前記サーメット溶射皮膜は、基材の表面に直接またはアンダーコートを介して形成してなるものであって、その溶射皮膜の厚さは、50〜500μmの範囲にあること、
(6)前記サーメット溶射皮膜表面に高エネルギー照射して得られた再溶融−再結晶化層は、皮膜表面からの厚さが0.5〜30μmであること、
(7)前記サーメット溶射皮膜は、大気中、不活性ガス中もしくは真空中のいずれかの雰囲気中で300℃〜700℃、0.5〜5時間の条件の熱処理を施してなるものであること、
(8)前記サーメット溶射皮膜は、基材の表面に、非混合形サーメット溶射用粉末材料を用いて、大気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法などによって、膜厚50〜500μmの厚さに被覆形成したものであること、
が好適な解決手段である。
(1)NiおよびNi合金の比重は約8.85であるのに対し、前記酸化物系セラミックの比重は約4.0〜5.0(A12O3で4.0、Y2O3で5.0)である。そのため、この両者を従来のように単に物理的に混合しただけの溶射用粉末材料としたのでは、搬送中はもとより粉末供給槽から溶射ガンへの送給時、さらには高速運動を伴う溶射熱源中において前記比重差に起因して分離してしまう。従って、従来の溶射用サーメット粉末を用いて溶射処理すると、成膜後のサーメット溶射皮膜中の金属(Niおよびその合金)とセラミックスとの分布が偏析を起して均質な皮膜の形成が阻害され、サーメットとしての本体の特性が失われることが多い。
(2)また、本発明によれば、上述した非混合形サーメット溶射用粉末材料を用いるので、プラズマなどの溶射熱源中では先ず表面のNiが先に溶融して金属特有の粘性と延性、さらには接合性を発揮するので、核粒子である酸化物系セラミック粒子同士の相互結合力が高まり、その状態で基材表面に衝突し堆積する。その結果、粉末材料同士間の隙間が極小となって、成膜される溶射皮膜の緻密性が向上すると共に、基材との密着性がセラミック粒子のみからなる溶射用粉末材料を用いて形成した溶射皮膜に比べて高くなる。
(3)また、本発明によれば、基材表面のサーメット溶射皮膜を、必要に応じて大気中や不活性ガス中、真空中などで300〜1700℃、0.5〜5時間の熱処理を行なった場合には、Niやその合金(無電解めっき膜部分)の硬さが上昇するので、溶射皮膜の耐摩耗性が向上し、この特性が必要とされる分野の部材として有効なものが得られる。
(4)また、本発明によれば、基材の表面に成膜したサーメット溶射皮膜の表面をさらに機械研削などによって仕上げた場合には、表面に金属(Niその合金)とセラミック粒子の両方が共に露出した状態となるが、両者とも優れた耐食性と耐プラズマエロージョン性を保有しているうえ、半田加工が容易となるので本発明部材の用途が拡大する。
(5)また、本発明によれば、成膜後のサーメット溶射皮膜またはその皮膜表面をさらに機械研削してセラミック粒子が露出した状態の皮膜に対して、電子ビームまたはレーザビームなどの高エネルギー照射処理を施した場合には、融点の低い金属Niおよびその合金部分が一早く溶融して流動化するため、皮膜表面に残存する気孔類の消滅が果される。その分、セラミック粒子と金属との結合が強化され、基材表面に微密で平滑なサーメット溶射皮膜を形成することができる。従って、シリコンウェハーなどの被加工物に対して、自らがパーティクル汚染源となるようなことがない部材が得られる。
(6)特に、本発明によれば、高エネルギー照射処理されたサーメット溶射皮膜については、高融点のセラミック粉末も溶融状態となるので、金属(Ni、その合金)とともに再結晶化して熱的に安定した溶射皮膜となる。従って、高温用途部材として有効なものを提供することができる。
(7)さらに、本発明によれば、高エネルギー照射処理されたサーメット溶射皮膜を被成してなる部材の場合、部材表面に弾力性と良好な結合性を示すNiの無電解めっき膜が存在するため、高エネルギー照射直後の溶融状態から急冷されてもなお、セラミック粉末のみの溶射皮膜を高エネルギー照射処理した場合に見られる“ひび割れ”現象の発生を防ぐことができ、ひいては表面性状(耐食性、耐プラズマエロージョン性、緻密で均質、耐摩耗性など)に優れた部材を提供することができる。
(1)本発明では、耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるNiやNi合金などの金属成分と耐プラズマエロージョン特性に優れるA12O3やY2O3および原子番号57〜71の金属元素の酸化物系セラミック粒子からなるサーメット溶射用粉末材料を成膜材料として用いる。
(2)特に、前記サーメット溶射用粉末材料は、酸化物系セラミック粒子の表面がそれぞれ、NiやNi合金の無電解めっき膜によって完全に被覆されて一体化することで、セラミック粒子が外部に露出しないようにすることが重要である。
(3)そして、セラミック粒子と金属の無電解めっき膜とが一体化した非混合形サーメット溶射用粉末材料を用いて溶射することにより、金属・セラミック両成分が分離したまま溶射雰囲気中を飛行して被着面に到達することがないようにして、セラミック・金属一体形粒子の堆積層からなるサーメット溶射皮膜(以下、「セラミック・金属一体形サーメット溶射皮膜」という)が得られるようにすることが重要である。
(4)本発明のサーメット溶射皮膜は、Niの無電解めっき膜などで被覆された酸化物系セラミック粒子(即ち、サーメット溶射用粉末材料)を用いて、大気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法などによって形成する。
(5)形成されるセラミック・金属一体形サーメット溶射皮膜は、必要に応じて大気中や不活性ガス中、真空中などの雰囲気中で熱処理を行なうことによって、NiやNi合金の無電解めっき膜部分の硬度を上昇させる処理を施す。
(6)上記サーメット溶射皮膜は、その表面を必要に応じて機械的に研削加工、研摩加工を行なって、サーメト溶射皮膜被覆製品の精度、品質などの向上を図る。
(7)溶射皮膜を成膜した後または機械的加工後の前記サーメット溶射皮膜は、その表面に対して電子ビームまたはレーザビームなどの高エネルギー照射処理を行なって、皮膜表面とその近傍の成膜粒子を再溶融−再結晶化させると共に、融合させて溶射皮膜の開気孔部の消滅を図って平滑で緻密な表面に仕上げるようにする。
本発明において使用することのできる基材は、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、ステンレス鋼を含む各種の合金鋼、炭素鋼、Niおよびその合金などが好適である。その他、ガラス、石英、プラスチック、セラミックや炭素などの焼結体に対しても、良好な溶射皮膜の形成が可能である。
本発明において、サーメット溶射皮膜を形成するために用いられる溶射用サーメット粉末材料は、半導体の加工環境下で使用されるハロゲンおよびハロゲン化合物を含む気相中で発生するプラズマによるエロージョンなどに対しても優れた抵抗力を発揮する酸化物系セラミック粒子と、その表面を覆う金属(合金を含めて、以下、単に「金属」という)の無電解めっき膜とが一体化してなる非混合形溶射用サーメット粉末材料(以下、単に「サーメット溶射用粉末材料」ともいう)である。具体的には、酸化物系セラミック粒子の外周面にNiまたはNiを主成分とする合金の無電解めっき膜が被覆されて一体化した非混合形サーメット溶射用粉末材料である。
本発明において特徴的な前記サーメット溶射用粉末材料は、酸化物系セラミック粒子とNi等との単なる混合粉末ではなく、該セラミック粒子の表面に、Niやその合金を無電解めっきすることによって被覆し一体化させてなる非混合形の粉末である。以下、酸化物系セラミック粒子表面にNiおよびその合金を無電解めっきする方法について説明する。
一般に、プラズマ溶射法や高速フレーム溶射法などの方法によってサーメット溶射皮膜を形成する場合、使用する溶射用粉末材料としては、金属粉末とセラミック粉末などの粉体を単に物理的に混合したものであったり、また、両成分が混合した状態のものを単に焼結した材料を用いるのが普通である。ただし、このような溶射用粉末材料が溶射熱源中に導入されると、比較的低融点の金属成分は先に溶融状態となり、基材表面に衝突したときは、基材表面の衝突部位の形状に沿って偏平形態となって皮膜を形成する。このとき、セラミック粒子は、金属より硬く耐摩耗性に優れるほか化学的に安定しているため高い耐食性を示すが、融点が高いため溶射熱源中では軟化するものの融点状態に達しないものが多い。そればかりか、皮膜中に未溶融状態の粒子が観察される他、多孔質で粒子同士の相互結合力が弱いという問題がある。本来、サーメット材料というのは、セラミックと金属の両方の特徴を生かし、単独で使用する時の欠点を相互に補い合うための材料として有効なものである。
本発明は、従来のような混合形のサーメット溶射用粉末材料とは異なり、所謂、Niなどの無電解めっき金属膜を被覆した酸化物系セラミック粒子からなる非混合形サーメット溶射用粉末材料を用い、これを基材表面に溶射してセラミック・金属一体形サーメット溶射皮膜を被覆形成してなる部材である。このような部材を製造するために採用できる溶射方法としては、大気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、爆発溶射法などが用いられる。また、溶射に際しては、溶射雰囲気ガスの温度を、1000〜1500℃の範囲に低く抑えたワームスプレー、雰囲気ガスの温度を1200℃以下に制御したコールドスプレーによっても成膜することができる。
成膜後のサーメット溶射皮膜の表面粗さは、一般に、Ra:4〜10μm程度であり、そのまま使用することが多い。しかし、必要に応じて、機械的加工(研削、研摩など)を行なって、Ra:約2μm以下、Rz:約4μm以下の平滑な表面に仕上げることも有効である。この皮膜表面の仕上げ精度については特に限定されない。
成膜後のセラミック・金属一体形の前記サーメット溶射皮膜については、これを大気中、不活性ガス中または真空中のいずれかの雰囲気中において、300〜700℃、0.5〜5時間の熱処理を行なうことが好ましい。その理由は、この熱処理により、該サーメット溶射皮膜の硬さが無電解めっき処理直後の溶射用粉末材料の硬さよりも、ビッカース硬さでHV250〜500程度に上昇し、耐摩耗性が向上するからである。特に、酸化物系セラミック粒子の表面に被覆されているNi−PやNi−B合金の無電解めっき膜の硬度が顕著に上がる。その原因は、無電解めっき法により析出しためっき金属膜では、アモルファス状を呈していたマトリックスが、この熱処理によって微細な結晶の集団となるとともに、Ni−P、Ni−Bの結晶化も硬さの上昇に寄与するものと考えている。
本発明では、基材表面に被覆形成した上記のセラミック・金属一体形サーメット溶射皮膜の表面を高エネルギー照射処理することが好ましい。この処理は上記サーメット溶射皮膜の表面を、下記A、Bで述べる電子ビームまたはレーザビームなどの高エネルギー照射処理を行なって、該溶射皮膜を構成しているその表面の各溶射粒子を再溶融し、さらには再結晶化させると共に、照射面の皮膜中開気孔部を消滅させるために行なわれる。この処理に当たって、本発明の場合、前記の非混合形サーメット溶射用粉末材料がセラミック粒子表面を覆うNi等の存在によって、冷却過程においても該皮膜の表面にひび割れを起こすようなことがないという特徴がある。
これは、前記サーメット溶射皮膜を、減圧下の不活性ガス雰囲気下で電子ビーム照射する処理である。不活性ガス雰囲気中における溶融反応では、金属の酸化が抑制されるために酸化膜を発生させない。そのため、照射後の皮膜表面は、成膜時の状態をそのまま維持しているので成分的な変化がない。なお、電子ビーム照射条件としては、下記のようなものが推奨される。
a.照射雰囲気:1×10−1〜5×10−3MPaの不活性ガス雰囲気
b.照射出力:10〜30keV
c.照射速度: 1〜50mm/s
d.照射回数: 1〜100回(連続又は不連続)
これは、前記サーメット溶射皮膜の表面に対して、CO2レーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、エキシマレーザーなどの既存のレーザービーム熱源を照射して、溶射粒子を再溶融−再結晶化させる処理である。この処理は、前記電子ビーム照射処理と同様に、皮膜表面に存在する気孔(貫通気孔)をひび割れの発生を招くことなく消滅させるために行なわれる。なお、レーザービーム照射処理の雰囲気は、空気中や不活性ガス中、減圧雰囲気中など自由に選択できるが、溶射皮膜中に金属成分が多く含まれる場合は、不活性ガス中で照射することが好ましい。
a.レーザー出力:1〜10kW
b.ビーム面積:2〜10mm
c.ビーム走査速度:2〜20mm/s
d.照射回数:1〜100回(連続又は不連続)
高エネルギー照射処理した本発明に係る前記サーメット溶射皮膜は、次に示すように、少なくとも皮膜表層部にある各溶射粒子の融合緻密化と再結晶化現象が顕在化する特徴がある。
(イ)皮膜表面の平滑化と融合化の促進
高エネルギー照射した前記サーメット溶射皮膜の表面では、融点の低い金属(NiまたはNi合金)がまず、溶融状態となって皮膜を構成している各粒子が相互に再溶融現象によって融合化する。この結果、粒子間結合力が向上していくとともに、皮膜表面の気孔(隙間)が減消し、さらには平滑化する。発明者らの実験によると、大気プラズマ溶射直後のサーメット溶射皮膜の表面粗さRaは3〜6μm、Rzは15〜20μmであったものが、照射後のRaは2〜5μm、Rzは6〜12μmとなり、また、皮膜表面の気孔率は3〜6%から0.1%以下(面積率)にまで減少しており、耐食性の向上にも寄与するものと考えられる。
(a)NiおよびNi合金の無電解めっき膜:酸化物系セラミック粒子の表面に、NiやNi−P合金、Ni−B合金などからなる無電解めっき膜は、無電解めっき法によって形成されるので、析出金属成分が基本的にすべてアモルファス状をしている。そして、このような状態のサーメット溶射用粉末材料を溶射すると、この溶射粉末材料は溶射熱源中での急速加熱と共に基材表面に衝突した時の急速冷却という両方の熱履歴を受けることとなる。
Al2O3粒子:例えば、プラズマ溶射法で形成されたAl2O3溶射皮膜の結晶型をX線回折すると、溶射の有無に関係なく、基本的にγ−Al2O3(立方晶型スピネル)であるが、高エネルギー照射処理を施したものでは、大部分がα−Al2O3(三方晶系鋼玉型)に変態し、結晶レベルでは粒子の物理化学的性質が安定する。
この実施例は、各種のセラミック粒子に対する無電解めっき膜の被覆状況とめっき液として使用する還元剤の種類によるめっき膜の化学成分の変化ならびにセラミック粉末へのめっき膜の付着状況を試験した結果を説明するものである。
(2)無電解めっき液:表1記載の無電解めっき液を用いたが、ヒドラジンを還元剤とするめっき液は、表1のNi−P液の次亜リン酸ナトリウムに代えて、ヒドラジンを5〜10ml/L添加した。めっき液の温度は、60〜95℃であり、時間は最高10時間とした。この間、金属の析出反応が低下する時には、還元剤のみを適宜追加した。
(3)試験項目:被処理セラミック粒子へのめっき膜の付着状況と、そのめっき膜の主要成分の確認
(4)試験結果:試験結果を表2に要約した。この結果から明らかなように、供試セラミック粒子の表面には、緻密な無電解めっき膜が均等な状態で付着していた。めっき膜の化学成分は、ヒドラジンを還元剤とする場合にはNiのみ、次亜リン酸ナトリウムの場合はNiとP、ボロン化合物の場合にはNiとBがそれぞれ含まれており、その内訳は、Pは1〜13mass%、Bは1〜8mass%の範囲で変化させた。即ち、これらP、Bの含有量は、無電解めっき液中の各成分中の各成分濃度を変化させることで対応した。その結果、PとBはそれぞれの還元剤の添加濃度を変えることによって、本発明の範囲に制御できることが確認できた。
この実施例では、Ni膜を無電解めっき処理して形成したセラミック粉末からなるサーメット溶射用粉末材料を、3種類の溶射法を用いて溶射皮膜を形成し、その後、その溶射皮膜表面に電子ビームを照射したときの該溶射皮膜の気孔率と基材に対する密着性を試験した。
(1)供試皮膜:供試皮膜として、A12O3粉末の表面に、Niの無電解めっき膜を1.5μmの厚さに被覆したサーメット溶射用粉末材料を用いて、SS400鋼基材上に、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法により、それぞれ150μm厚さの溶射皮膜を形成した。その後、これらの溶射皮膜表面を電子ビーム照射処理を行い表面から8μmの深さまで再溶融処理を実施した。また、比較用の溶射皮膜として電子ビーム照射処理をしない溶射皮膜を準備した。
1.気孔率試験:供試皮膜の断面を切断し、その切断部を研摩後、光学顕微鏡および画像解析装置を用いて、A12O3粒子の積層部に存在する空隙部の面積を求めた。なお、測定は1試料につき、5ヶ所測定した。
2.密着力測定:皮膜の密着力はJIS H8402規定の溶射皮膜の引張密着強さ試験方法により、1条件当り3個の試験片を用いて測定した。
これに対し、Ni無電解めっき膜を有する非混合形A12O3粉末からなる非混合形の溶射用粉末材料を溶射して形成した溶射皮膜(No.2、6、10)は、成膜状態の皮膜気孔率は4〜6%の範囲にあり、A12O3粉末のみからなる溶射用粉末材料を用いて形成した溶射皮膜に比較すると緻密化傾向にあるが、この状態では、十分な気密性は得られていない。しかし、これらの溶射皮膜に対し電子ビーム照射処理を施すと、No.1、5、9皮膜は、ほぼ完全な気密状態を示した。
この実施例では、酸化物系セラミック粒子表面へのNi無電解めっき膜被覆の有無、およびその溶射皮膜への高エネルギー照射処理の有無が、溶射皮膜の耐熱衝撃試験に及ぼす影響について試験した。
(1)供試皮膜:セラミック粉末材料として、A12O3とYAGの粒子を用い、それぞれの粒子表面にNi無電解めっき膜を1.8μmの厚さに形成したセラミック・金属一体形溶射粉末材料を用い、これを大気プラズマ溶射法によってSUS304鋼基材(寸法:幅30mm×長さ50mm×厚さ3.2mm)表面に、厚さ130μmの溶射皮膜を形成した。その後、それぞれの溶射皮膜表面に対して高エネルギー照射処理(電子ビーム)照射を施したものを準備した。なお、電子ビーム照射およびレーザービーム照射した皮膜表面では、3〜5μmの深さまでが再溶融化現象を受けていた。また、比較用の溶射皮膜として、セラミック粒子のみからなる溶射用粉末材料を溶射した試験片、高エネルギー照射処理を施さない溶射皮膜なども供試した。
この実施例では、大気プラズマ溶射法で形成された本発明に適合するサーメット溶射皮膜について活性化ハロゲンガスによる腐食試験を行いその耐食性を調査した。
(1)供試皮膜:SS400鋼試験片(寸法:幅20mm×長さ30mm×厚さ3.2mm)の表面に、大気プラズマ溶射法によってSc2O3、Er2O3、Y2O3などのセラミック粒子の表面に、Ni無電解めっき膜を被覆してなるサーメット溶射用粉末材料を用いて膜厚130μmの溶射皮膜を形成した後、その表面に対して、電子ビーム照射処理を行って再溶融−再結晶化処理を行った。
なお、比較例のサーメット溶射皮膜として電子ビーム照射処理をしないもの、および酸化物セラミックとして8mass%Y2O3・ZrO2の溶射皮膜を作製した。
図3は、腐食試験装置の構成概略図を示すものであって、この装置は、試験片31を電気炉32の中心部を貫通するステンレス鋼製試験管33内部(試験片設置台36の上)に静置した後、腐食性のガス34を、試験管33の左側から流すようにしてなるものである。試験に際しては、試験管33途中に設けた石英放電管35に出力600Wのマイクロ波を負荷させ、前記腐食性ガスの活性化を促すようにしている。活性化した腐食性のガスは電気炉中に導かれ、試験片設置台36上に静置された試験片31を腐食した後、試験管33右側から系外に放出される。このような構成を有する腐食試験装置を用い、試験片温度120℃、腐食性ガスCF4を150ml/min、O2を75ml/minを流しつつ、10時間の腐食試験を行った。この腐食試験の特徴は、腐食性のCF4ガスがプラズマ照射によって励起されて、CF4の一部が原子状のFとなって、一段と強い腐食性ガスに変化する環境における耐食性を評価しようとするものである。上記腐食試験後の試験片は、湿度95%温度35℃の恒湿槽中において48時間放置し、皮膜表面の外観変化を観察することによって、その耐食性を評価した。
この実施例では、セラミック粒子としてY2O3およびランタノイド系元素の酸化物を用い、それぞれの粒子の表面にNi無電解めっき膜を被覆した後、得られた溶射用粉末材料を大気プラズマ溶射法によって溶射して皮膜を形成し、さらに得られたその溶射皮膜表面を高エネルギー照射した皮膜について、その耐プラズマエロージョン性を調査した。
(1)供試基材:供試基材として、JIS H4000規定のA3003合金(寸法:幅30mm×長さ50mm×厚さ3.2mm)を用いた。
酸化物セラミック粉末材料:Y2O3.Sc2O3.Er2O3.Dy2O3
a.ガス雰囲気と流量条件
CF4、Ar、O2の混合ガスを1分間当り、CF(100cm3)/Ar(1000cm3/O2(10cm3))の割合で流した。
b.プラズマ照射出力
高周波電力:1300W、環境圧力:133.3Pa
なお、この実施例の比較例として、Ni薄膜を被覆しない酸化物系セラミック粒子のみからなる溶射用粉末材料を溶射して得られる溶射皮膜および高エネルギー照射処理を施さない溶射皮膜を作製し、すべて同条件の耐プラズマエロージョン試験に供した。
試験結果を表6に要約した。この結果から明らかなように酸化物系セラミック粒子のみを溶射用粉末材料として形成した溶射皮膜(No.4、7、13、19)は、損失量が7.4〜8.1μmに達し、Ni無電解めっき膜を有するセラミック・金属一体形の溶射用粉末材料を溶射した溶射皮膜(No.1、7、13、)の7.2〜7.6μmに比較して、やや耐プラズマエロージョン性に劣っている状況がうかがえる。これに対し、これらの溶射皮膜に対し、高エネルギー照射処理を施したものでは、セラミック粒子のみからなる溶射用粉末材料を用いた溶射皮膜(No.5、6、11、12、16、17、23、24)でもエロージョン損失量は約50%に低下している。特に、本発明に適合するNi無電解めっき膜を被覆してなる溶射用粉末材料を溶射して得られる溶射皮膜を高エネルギー照射処理(No.2、3、8、9、14、15、20、21)したものでは、損失量はさらに低下し、1.4〜1.9μmの範囲となり、極めて良好な耐プラズマエロージョン性を発揮することが確認された。
この実施例では、基材表面に、Y2O3粉末材料の表面にPおよびB含有量の異なるNi合金膜を無電解めっき処理して被覆した溶射用粉末材料を準備し、これを大気プラズマ溶射法によってサーメット溶射皮膜を形成し、その溶射皮膜表面への電子ビーム照射の有無と耐プラズマエロージョン性の関係を調査した。
(1)供試基材:実施例5と同じものを採用した。
(2)供試皮膜:Y2O3粉末材料(粒径15〜30μm)の表面に、無電解めっき法によって、下記成分のNiおよびNi−P、Ni−B合金膜をそれぞれ2μm厚さに被覆した。
Nil00%、Ni−4.9%P、Ni−4.0%B、Ni−6.5%P、Ni−8.1%B(数字はmass%)
上記、NiおよびNi合金を無電解めっきして被覆した粉末材料を大気プラズマ溶射法により、膜厚150μmの皮膜を形成した。
(3)電子ビーム照射処理:実施例5の電子ビーム照射と同じ条件で実施
(4)耐プラズマエロージョン試験:実施例5と同じ条件
上記試験には、比較例として、8mass%Y2O3−92mass%ZrO2とB4Cを溶射用粉末材料として形成した溶射皮膜を用い、同条件で耐プラズマエロージョン作用を受けて室内に飛散する成膜材料の微粉が、半導体製品へ付着することによる汚損の有無を評価したものである。試験室内には、シリコンウェハーの薄板(直径10cm2)を置き、エロージョン試験後のウェハー表面に付着した粒子成分を調査することによって判定した。
試験結果を表7に要約した。この結果から明らかなように、比較例の8mass%Y2O3−92mass%ZrO2とB4Cのみからなる溶射用粉末材料を用いて形成した溶射皮膜(No.11〜14)は、電子ビーム照射処理を施してもエロージョン損失量が多く、またエロージョンによって削りとられた微粉末は、試験室内に多量に飛散し、シリコンウェハーの汚染源となっていることがわかった。これに対し、Y2O3粉末をNiやNi合金を無電解めっき処理して被覆してなる溶射用粉末材料を溶射して得られる溶射皮膜のエロージョン損失は比較的少なく、特に、この皮膜を電子ビーム照射処理した皮膜では、優れた耐プラズマエロージョン性を示し、また室内への汚染も少ないことが判明した(No.1、3、5、7)。しかし、Ni合金の無電解めっき膜を被覆してなる溶射用粉末材料を溶射して得られる溶射皮膜のうち、P、B含有量の多いもの(No.7〜10)では、電子ビーム照射処理による耐プラズマエロージョン性は認められるものの、質量の小さいP、Bはエロージョンによって飛散され易い傾向が認められるので、P、B含有重量は5mass%以下に抑制することが好ましいことがわかった。
32 電気炉
33 試験管
34 腐食性のガス
35 石英放電管
36 試験片設置台
Claims (12)
- 基材の表面に、酸化物系セラミック粒子の表面がNiまたはNi基合金の無電解めっき膜によって被覆されて一体化した非混合形サーメット溶射用粉末材料を溶射することによって形成されるサーメット・金属一体形粒子の堆積層からなるサーメット溶射皮膜を形成してなるものであって、その皮膜表面に0.5〜30μmの厚みの高エネルギー照射層からなる再溶融−再結晶化層を有することを特徴とする、耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材。
- 前記サーメット溶射用粉末材料は、粒径が5〜80μmの酸化物系セラミック粒子の表面に、NiまたはNi合金の無電解めっき膜が0.3〜5μmの厚さで被覆されたものであることを特徴とする請求項1に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材。
- 前記酸化物系セラミック粒子は、Al、Y、原子番号57〜71に属するランタノイド系元素の酸化物、A12O3−Y2O3の混合体、YAGで表示されるA12O3・Y2O3の複酸化物の粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材。
- 前記Ni基合金は、PまたはBをそれぞれ5mass%以下含有し、残部がNiからなる合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材。
- 前記サーメット溶射皮膜は、基材の表面に直接またはアンダーコートを介して形成してなるものであって、その溶射皮膜の厚さは、50〜500μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材。
- 前記サーメット溶射皮膜表面に高エネルギー照射して得られた再溶融−再結晶化層は、皮膜表面からの厚さが0.5〜30μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材。
- 基材の表面に、まず、酸化物系セラミック粒子の表面がNiまたはNi基合金の無電解めっき膜によって被覆されて一体化した非混合形サーメット溶射用粉末材料を直接またはアンダーコートを介して溶射することによってセラミック・金属一体形粒子の堆積層からなるサーメット溶射皮膜を形成し、次いで、そのサーメット溶射皮膜の表面に対して、電子ビームまたはレーザビームのいずれかである高エネルギー照射処理を行って、該サーメット溶射皮膜の表面から0.5〜30μmの範囲を再溶融−再結晶化させることを特徴とする、耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記サーメット溶射用粉末材料は、粒径が5〜80μmの酸化物系セラミック粒子の表面に、NiまたはNi合金の無電解めっき膜が0.3〜5μmの厚さで被覆されたものであることを特徴とする請求項7に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記酸化物系セラミック粒子は、Al、Y、原子番号57〜71に属するランタノイド系元素の酸化物、A12O3−Y2O3の混合体、YAGで表示されるA12O3・Y2O3の複酸化物の粒子であることを特徴とする請求項7または8に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れる、サーメット溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記Ni基合金は、PまたはBをそれぞれ5mass%以下含有し、残部がNiからなる合金であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載のサーメット溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記サーメット溶射皮膜は、大気中、不活性ガス中もしくは真空中のいずれかの雰囲気中で300℃〜700℃、0.5〜5時間の条件の熱処理を施してなるものであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材の製造方法。
- 前記サーメット溶射皮膜は、基材の表面に、非混合形サーメット溶射用粉末材料を用いて、大気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法などによって、膜厚50〜500μmの厚さに被覆形成したものであることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1に記載の耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011143644A JP5568756B2 (ja) | 2011-06-29 | 2011-06-29 | 耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011143644A JP5568756B2 (ja) | 2011-06-29 | 2011-06-29 | 耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013010984A true JP2013010984A (ja) | 2013-01-17 |
JP5568756B2 JP5568756B2 (ja) | 2014-08-13 |
Family
ID=47685103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011143644A Expired - Fee Related JP5568756B2 (ja) | 2011-06-29 | 2011-06-29 | 耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5568756B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014156651A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-08-28 | Fujimi Inc | 溶射皮膜と皮膜付金属部材 |
JP2015151622A (ja) * | 2014-02-19 | 2015-08-24 | 株式会社東芝 | 溶射用粉末、溶射用粉末の製造方法及び溶射皮膜の製造方法 |
US20170349992A1 (en) * | 2014-11-07 | 2017-12-07 | Femvix Corp | Processing component having improved plasma etching resistance, and treatment method for reinforcing plasma etching resistance of processing component |
JP2019148010A (ja) * | 2019-04-05 | 2019-09-05 | 日本イットリウム株式会社 | 溶射膜 |
US10544500B2 (en) * | 2014-04-25 | 2020-01-28 | Applied Materials, Inc. | Ion assisted deposition top coat of rare-earth oxide |
CN114774828A (zh) * | 2022-04-19 | 2022-07-22 | 国网黑龙江省电力有限公司大兴安岭供电公司 | 一种接地极表面的热喷涂长效耐蚀防护涂层及其制备方法 |
WO2023008225A1 (ja) * | 2021-07-27 | 2023-02-02 | トーカロ株式会社 | アトマイズ粉末、溶射皮膜、ハースロール、及びハースロールの製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60177182A (ja) * | 1984-02-23 | 1985-09-11 | Nippon Chem Ind Co Ltd:The | 無電解メツキ液およびその液を用いるメツキ方法 |
JPS62109962A (ja) * | 1985-11-06 | 1987-05-21 | Hitachi Zosen Corp | 溶射用アルミナ粉末 |
JPH01290776A (ja) * | 1988-05-18 | 1989-11-22 | Tokico Ltd | 複合めっき法 |
JPH03138374A (ja) * | 1989-10-23 | 1991-06-12 | Mitsubishi Electric Corp | 耐摩耗性摺接部材の製造方法 |
JP2003034879A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-07 | Sony Chem Corp | Niメッキ粒子及びその製造方法 |
WO2007023976A1 (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-01 | Tocalo Co., Ltd. | 耐損傷性等に優れる溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 |
JP2012193442A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-11 | Tocalo Co Ltd | 高温用途材被覆用サーメット溶射粉末材料およびその製造方法 |
-
2011
- 2011-06-29 JP JP2011143644A patent/JP5568756B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60177182A (ja) * | 1984-02-23 | 1985-09-11 | Nippon Chem Ind Co Ltd:The | 無電解メツキ液およびその液を用いるメツキ方法 |
JPS62109962A (ja) * | 1985-11-06 | 1987-05-21 | Hitachi Zosen Corp | 溶射用アルミナ粉末 |
JPH01290776A (ja) * | 1988-05-18 | 1989-11-22 | Tokico Ltd | 複合めっき法 |
JPH03138374A (ja) * | 1989-10-23 | 1991-06-12 | Mitsubishi Electric Corp | 耐摩耗性摺接部材の製造方法 |
JP2003034879A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-07 | Sony Chem Corp | Niメッキ粒子及びその製造方法 |
WO2007023976A1 (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-01 | Tocalo Co., Ltd. | 耐損傷性等に優れる溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 |
JP2012193442A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-11 | Tocalo Co Ltd | 高温用途材被覆用サーメット溶射粉末材料およびその製造方法 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014156651A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-08-28 | Fujimi Inc | 溶射皮膜と皮膜付金属部材 |
JP2015151622A (ja) * | 2014-02-19 | 2015-08-24 | 株式会社東芝 | 溶射用粉末、溶射用粉末の製造方法及び溶射皮膜の製造方法 |
US10544500B2 (en) * | 2014-04-25 | 2020-01-28 | Applied Materials, Inc. | Ion assisted deposition top coat of rare-earth oxide |
US10563297B2 (en) | 2014-04-25 | 2020-02-18 | Applied Materials, Inc. | Ion assisted deposition top coat of rare-earth oxide |
US20170349992A1 (en) * | 2014-11-07 | 2017-12-07 | Femvix Corp | Processing component having improved plasma etching resistance, and treatment method for reinforcing plasma etching resistance of processing component |
JP2019148010A (ja) * | 2019-04-05 | 2019-09-05 | 日本イットリウム株式会社 | 溶射膜 |
WO2023008225A1 (ja) * | 2021-07-27 | 2023-02-02 | トーカロ株式会社 | アトマイズ粉末、溶射皮膜、ハースロール、及びハースロールの製造方法 |
CN114774828A (zh) * | 2022-04-19 | 2022-07-22 | 国网黑龙江省电力有限公司大兴安岭供电公司 | 一种接地极表面的热喷涂长效耐蚀防护涂层及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5568756B2 (ja) | 2014-08-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5568756B2 (ja) | 耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 | |
JP4643478B2 (ja) | 半導体加工装置用セラミック被覆部材の製造方法 | |
KR100939403B1 (ko) | 반도체 가공 장치용 세라믹 피복 부재 | |
EP1156130B1 (en) | Plasma processing container internal member and production method therefor | |
TWI328051B (ja) | ||
JP5674479B2 (ja) | 還元プラズマに耐性のイットリウム含有セラミックコーティング | |
JP4606121B2 (ja) | 耐食膜積層耐食性部材およびその製造方法 | |
TWI385277B (zh) | Preparation method of black yttrium oxide sputtering film and black yttrium oxide sputtering film coating material | |
JP5001323B2 (ja) | 白色酸化イットリウム溶射皮膜表面の改質方法および酸化イットリウム溶射皮膜被覆部材 | |
US20030134134A1 (en) | Method for forming ceramic layer having garnet crystal structure phase and article made thereby | |
JP2018184657A (ja) | オキシフッ化イットリウム溶射膜及びその製造方法、並びに溶射部材 | |
JP5521184B2 (ja) | フッ化物溶射皮膜被覆部材の製造方法 | |
JP5167491B2 (ja) | 耐食性と耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材および高エネルギー照射処理する溶射皮膜のひび割れ防止方法 | |
JP5939592B2 (ja) | フッ化物溶射皮膜の形成方法 | |
JP5720043B2 (ja) | 耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射用粉末材料およびその製造方法 | |
JP5463555B2 (ja) | 黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 | |
JP5526364B2 (ja) | 白色酸化イットリウム溶射皮膜表面の改質方法 | |
JP2007107100A (ja) | プラズマ処理容器内複合膜被覆部材およびその製造方法 | |
JP2012057243A (ja) | 耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット皮膜の形成方法とサーメット皮膜被覆部材 | |
JP5119429B2 (ja) | 耐プラズマエロージョン性に優れる溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 | |
KR20240111630A (ko) | 대기 플라즈마 용사법에 의한 고밀도의 이트리아 피막의 제조 방법 및 이를 이용하여 제조된 이트리아 용사 피막 | |
JP5406317B2 (ja) | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
JP5524993B2 (ja) | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
CN118326314A (zh) | 热喷涂层的制备方法及使用其制备的钇基热喷涂层 | |
JP5406324B2 (ja) | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130613 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130625 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130821 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140527 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140529 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5568756 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |