JP2012525457A5 - ピストンおよびそのコーティング - Google Patents

Description

ピストンスカートのコーティングは、高い耐磨耗性と同時に低い摩擦係数を示すべきである。繰り返しの冷態始動等の高度の磨耗のために、特に高い耐久性と耐磨耗性がエンジン操作状態において要求される。これに関して、ピストンスカートの耐力領域におけるコーティングの消耗は上記の全てを避けるべきである。

驚いたことに、このような配合によって低摩擦、耐磨耗性および極度な付着性のピストンコーティング、特にピストンスカートコーティングが得られることが発見されており、その特性は先行技術のシステムと同等またはそれ以上である。

摩擦係数は別として、エンジン動作条件における層の耐磨耗性は特に重要である。この目的のために、対応するピストンをエンジン試験ベンチでの磨耗試験にかけた。これは従来の４気筒ガソリンエンジンでの５０回の連続した−１０℃における冷態始動からなる。試験の後でピストンスカート上の減摩ラッカーコーティングの磨耗を視覚的に評価し、１から５の評点を与えた。評点１では層の可視の磨耗が示されず、評点５ではピストンスカートの負荷がかかる領域全体においてピストンの材料に高度の磨耗が示される。

Claims (11)

1. フェノール樹脂と、
   黒鉛、ＭｏＳ２、ＷＳ２、ＢＮおよびＰＴＦＥのうち少なくとも１つの固体潤滑剤と、
   平均繊維厚１〜１０μｍかつ平均繊維長１０００μｍ以下のカーボンファイバーまたは平均繊維厚１μｍ未満のカーボンナノファイバーと、
   からなるコーティング配合物を用いてコーティングしたピストン。
2. 前記カーボンファイバーの平均繊維長を１０〜５００μｍとする、請求項１に記載のピストン。
3. 前記コーティング配合物が、添加剤および補助剤をさらに含む、請求項１または２に記載のピストン。
4. 前記コーティング配合物が、エポキシ樹脂をさらに含む、請求項１から３のいずれか一項に記載のピストン。
5. 前記固体潤滑剤は全配合物の１０〜３０重量％の量で用いるものとする、請求項１から４のいずれか一項に記載のピストン。
6. 前記カーボンファイバーは全配合物の３〜１０重量％の量で用いるものとする、請求項１から５のいずれか一項に記載のピストン。
7. 前記ピストンのスカートに前記コーティングをした、請求項１から６のいずれか一項に記載のピストン。
8. 前記ピストンは内燃機関のピストンであるものとする、請求項１から７のいずれか一項に記載のピストン。
9. 前記コーティング配合物を用いてピストンをコーティングすることにより請求項１から６のいずれか一項に記載のピストンを構成する、ピストンのコーティング方法。
10. 前記内燃機関の磨耗損失が最小となるように前記コーティング配合物を用いてピストンをコーティングすることにより請求項８に記載のピストンを構成する、ピストンのコーティング方法。
11. 前記コーティング配合物を用いてピストンのスカートをコーティングすることを特徴とする請求項９または請求項１０に記載のピストンのコーティング方法。