JP2012250660A - エンジン懸架構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体ケースに対するエンジン懸架位置を出力軸の近傍に設けることにより、エンジンケースに作用するモーメント荷重を低減すること。
【解決手段】エンジンユニット(3)は、車幅方向に延在するドライブシャフト(84)の一端部に設けたドライブスプロケット(16)及び後輪(7)に設けたドリブンスプロケット(15)に掛け渡されたドライブチェーン(17)を介して、ドライブシャフト(84)から後輪(7)に動力を伝達しており、エンジンケース(31)には、エンジンユニット(3)を車体フレーム(2)に懸架する一対の懸架部(98a、98b)が車幅方向に離間して配置され、一対の懸架部(98a、98b)のうちドライブシャフト(84)の一端部側に位置する懸架部(98a)は、ドライブシャフト(84)の半径方向において懸架部(98b)よりも中心寄りで車体フレーム(2)に懸架される構成とした。
【選択図】図6

Description

本発明は、車体フレームにエンジンユニットを懸架するためのエンジン懸架構造に関する。
一般に、エンジンユニットとして、チェーンドライブ式の二次減速機構を介してエンジンからの動力を駆動輪に伝達するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。チェーンドライブ式の二次減速機構は、ケース外に変速機のドライブシャフトの一端部を突出させ、この一端部に設けられたドライブスプロケットと駆動輪に設けられたドリブンスプロケットとにドライブチェーンを掛け渡して構成される。エンジンで発生した動力は、一次減速機構、変速機、二次減速機構を介して駆動輪に伝達される。
特許第3628452号公報
このようなエンジンユニットは、ケース外面に設けられた一対の懸架部を介して車体フレームの左右の対向位置に懸架されている。上記したエンジンユニットでは、ドライブシャフトが車幅方向に延在しており、ドライブスプロケットに掛けられたドライブチェーンからの引張力がドライブシャフトの一端側に作用している。この場合、エンジンケースやこれを懸架する一対の懸架部にはドライブシャフトの一端側を駆動輪側に回転させようとするモーメント荷重(捩り荷重)が作用する。このため、一対の懸架部及びエンジンケースには、モーメント荷重に対する剛性が要求されている。
モーメント荷重に対する剛性が不足する場合には、ドライブシャフトが傾いて、ドライブチェーンとスプロケットの噛み合い不良による耐久性の低下、変速ギヤの噛み合い不良により騒音の増加、シフト時のギヤの作動不良等の不具合が生じるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、エンジンケースに作用するモーメント荷重を低減することができるエンジン懸架構造を提供することを目的とする。
本発明のエンジン懸架構造は、車体フレームにエンジンユニットを懸架するエンジン懸架構造であって、前記エンジンユニットは、車幅方向に延在する動力伝達機構の出力軸の一端部に設けた駆動回転体及び駆動輪に設けた従動回転体に掛け渡された無端状の伝達部材を介して、前記出力軸から前記駆動輪に動力を伝達しており、前記エンジンユニットのケースには、前記エンジンユニットを前記車体フレームに懸架する一対の懸架部が車幅方向に離間して配置され、当該一対の懸架部のうち前記出力軸の一端部側に位置する一方の懸架部は、前記出力軸を中心とした半径方向において他方の懸架部よりも中心寄りで前記車体フレームに懸架されることを特徴とする。
この構成によれば、無端状の伝達部材からの張力によって、エンジンユニットに対して出力軸の一端部を駆動輪側に回転させる方向にモーメント荷重が作用するが、張力の影響を強く受ける一方の懸架部を他方の懸架部よりも出力軸に近付けることでエンジンユニットに作用するモーメント荷重を低減できる。また、一方の懸架部がケースから近い位置で車体フレームに取り付けられることで、肉厚等を増加させて剛性を向上させても重量やスペースによる弊害が少なく、懸架部の剛性を容易に向上できる。
また本発明の上記エンジン懸架構造において、前記動力伝達構造は、入力軸に固定された複数の入力ギヤと前記出力軸に対して空転する複数の出力ギヤとを常時歯合させており、複数のギヤ対を択一的に動力伝達可能になるように空転状態の出力ギヤを前記出力軸に係合させるシフトカム軸を有し、前記一方の懸架部は、側面視において前記出力軸を挟んで前記シフトカム軸の反対側に配置される。この構成によれば、シフトカム軸は出力軸に対してのみ働き掛けるため、シフトカム軸の配置が入力軸の位置に依存することがない。よって、シフトカム軸の配置自由度を高めることができ、シフトカム軸を一方の懸架部から遠い位置に配置できる。また、一方の懸架部は、出力軸を挟んでシフトカム軸の反対側に配置されるため、シフトカム軸の影響を受けることなく、出力軸の近くに配置することができる。
また本発明の上記エンジン懸架構造において、前記シフトカム軸は、側面視において前記出力軸を挟んで前記入力軸の反対側に配置される。この構成によれば、シフトカム軸が、出力軸を挟んで入力軸の反対側に配置されるため、出力軸だけでなく入力軸からも近い位置に一方の懸架部を配置することができる。
また本発明の上記エンジン懸架構造において、前記車体フレームに対する前記他方の懸架部の懸架位置は、前記出力軸から前記駆動輪側に延在する前記無端状の伝達部材よりも上方に配置され、前記車体フレームに対する前記一方の懸架部の懸架位置は、前記出力軸よりも前記駆動輪側、かつ前記出力軸と前記他方の懸架部の懸架位置とを結ぶ直線より上方に配置される。この構成によれば、無端状の伝達部材に干渉することなく、一方の懸架部を出力軸に近付けることができる。
また本発明の上記エンジン懸架構造において、前記車体フレームは、前記駆動輪を支持するスイングアームを上下方向に揺動可能に支持しており、前記車体フレームに対する前記一方の懸架部の懸架位置は、前記スイングアームに伴って揺動する前記無端状の伝達部材の揺動領域を避ける位置に設けられる。この構成によれば、無端状の伝達部材と一方の懸架部との干渉を確実に避けた状態で、一方の懸架部を出力軸に近付けることができる。
また本発明の上記エンジン懸架構造において、前記駆動回転体は、駆動スプロケットであり、前記従動回転体は、従動スプロケットであり、前記無端状の伝達部材は、チェーンである。この構成によれば、チェーン式の二次減速機構により動力を伝達するエンジンユニットにおいて、エンジンユニットに作用するモーメント荷重を減少することができる。
本発明によれば、車体ケースに対するエンジン懸架位置を出力軸の近傍に設けることにより、エンジンケースに作用するモーメント荷重を低減することができる。
本実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットの斜視図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットの左側面図である。 本実施の形態に係る変速機の説明図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットの懸架状態を示す図である。 本実施の形態に係るエンジンユニットに作用するモーメント荷重の説明図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明のエンジン懸架構造をスポーツタイプの自動二輪車に適用した例について説明するが、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、本発明のエンジン懸架構造を、他のタイプの自動二輪車、バギー車等にも適用可能である。
図1を参照して、本実施の形態に係る自動二輪車全体の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。なお、以下の図においては、車体前方を矢印FR、車体後方を矢印REでそれぞれ示す。
図1に示すように、自動二輪車1は、パワーユニット、電装系等の各部を搭載する鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム2を備えている。車体フレーム2のメインフレーム21は、前端に位置するヘッドパイプ22から後方に向けて左右二股に分岐し、後下方に傾斜して延在する。メインフレーム21の下方には、エンジンユニット3の前部が懸架されている。メインフレーム21の上部には、燃料タンク4が配置される。メインフレーム21の後部には、上下方向に延在する左右一対のセンターフレーム23が連なっている。
センターフレーム23の後部には、後上方に延在する左右一対のシートレール24が接続されている。シートレール24の上部には、燃料タンク4の後方に運転者シート5a及び同乗者シート5bが連接される。運転者シート5a及び同乗者シート5bの下方には、それぞれに対応してフットレスト51a、51bが設けられている。車体左側の運転者用のフットレスト51aの前方には、シフトペダル52が設けられ、車体右側の運転者用のフットレスト51aの前方には、後輪(駆動輪)7用のブレーキペダル(不図示)が設けられている。
車体フレーム2の前部上側には、ヘッドパイプ22に設けられたステアリングシャフトを介して一対のフロントフォーク8が操舵可能に支持されている。一対のフロントフォーク8には前輪緩衝用のサスペンションが内装されている。ステアリングシャフトの上部には、ハンドルバーが設けられており、ハンドルバーの両端にグリップ55が装着されている。車体左側のハンドルバーには、クラッチレバー56が設けられ、車体右側のハンドルバーには、前輪6用のブレーキレバー(不図示)が設けられている。一対のフロントフォーク8の下部には、前輪6が回転可能に支持されると共に、前輪6の上部を覆うフロントフェンダ62が配置される。前輪6には、ブレーキディスク61が設けられている。
センターフレーム23の下側には、スイングアーム9が上下方向に揺動可能に連結されており、センターフレーム23及びスイングアーム9間には後輪緩衝用のサスペンション(不図示)が取り付けられている。スイングアーム9の後部には、後輪7が回転可能に支持される。後輪7には、ドリブンスプロケット(従動回転体)15が設けられており、ドリブンスプロケット15とエンジンユニット3側のドライブスプロケット(駆動回転体)16(図3参照)との間にはドライブチェーン(伝達部材)17が架け渡されている。後輪7の上方は、同乗者シート5bの下方に配置されたリヤフェンダ57により覆われる。後輪7には、ブレーキディスク(不図示)が設けられている。
エンジンユニット3は、例えば、並列4気筒エンジンと変速機(トランスミッション)とからなり、横置き状態でメインフレーム21に懸架される。エンジンユニット3には、インテークパイプ14(図3参照)を介して空気が取り込まれ、燃料噴射装置にて空気と燃料とが混合されて燃焼室に供給される。燃焼室内での燃焼後の排気ガスは、エンジンユニット3から下方に延出されたエキゾーストパイプ11を経てマフラ12から排気される。また、詳述はしないが、車体フレーム2等には、車体外装として流線形のカウリング13が設けられている。
図2から図4を参照して、本実施の形態に係るエンジン懸架構造に対応したエンジンユニットについて説明する。図2は、本実施の形態に係るエンジンユニットの斜視図である。図3は、本実施の形態に係るエンジンユニットの左側面図である。図4は、本実施の形態に係る変速機の説明図である。なお、図4では、説明の便宜上、クラッチを簡略化して記載している。
図2から図4に示すように、エンジンユニット3は、エンジンケース31の上部にシリンダブロック32を配置し、シリンダブロック32にシリンダヘッド33及びヘッドカバー34を取り付けて構成される。また、エンジンケース31の下部にはオイルパン35が取り付けられる。エンジンケース31内には、クランクシャフト81等が車幅方向に向けて収容されている。シリンダブロック32は、前方に傾斜しており、複数のシリンダボア(不図示)が車幅方向に横並びに形成され、各シリンダボアにピストン(不図示)が上下方向に往復動可能に収容されている。各ピストンは、コンロッドを介してクランクシャフト81に連結される。
シリンダヘッド33は、シリンダボアの上方を塞ぎ、シリンダボア内のピストンとの間に燃焼室(不図示)を形成する。また、シリンダヘッド33には、燃焼室に混合気を吸入し、燃焼室から排ガスを排気するバルブシステムが設けられている。混合気の燃焼によって各ピストンが駆動され、コンロッドを介してクランクシャフト81が勢いよく回転される。クランクシャフト81の右端側には、動力伝達用のプライマリドライブギヤ82が設けられている。エンジンケース31内においてクランクシャフト81の後方には、動力伝達機構としての変速機36が収容されている。変速機36は、クランクシャフト81と平行に配置されたメインシャフト(入力軸)83、ドライブシャフト(出力軸)84及びシフトカム軸85を有している。
メインシャフト83は、エンジンケース31の上方側に位置しており、右端側にクランクシャフト81のプライマリドライブギヤ82に歯合するプライマリドリブンギヤ86が設けられている。このプライマリドライブギヤ82とプライマリドリブンギヤ86とにより、クランクシャフト81からの回転力を取り出す一次減速機構が形成される。メインシャフト83の右端部には、プライマリドリブンギヤ86に隣接してクラッチ87が設けられている。また、メインシャフト83には、変速用の複数の入力ギヤ88が固定されている。
ドライブシャフト84は、メインシャフト83の下方に位置しており、メインシャフト83の複数の入力ギヤ88と対になる複数の出力ギヤ89が設けられている。各出力ギヤ89は、入力ギヤ88と常時歯合しており、ニュートラル状態でドライブシャフト84に対して空転可能に支持されている。ドライブシャフト84では、選択的にドライブシャフト84と出力ギヤ89とが連結されることで、メインシャフト83からの動力の伝達経路が形成される。ドライブシャフト84の左端部は、エンジンケース31から外方に突出しており、ドライブスプロケット16が固定されている。
シフトカム軸85は、ドライブシャフト84の下方に位置しており、複数のシフトフォーク91を車幅方向に移動させるように構成されている。シフトカム軸85は、シフトペダル52の操作によって回転し、シフトフォーク91により入力ギヤ88及び出力ギヤ89のギヤ対を択一的に動力伝達可能としている。本実施の形態では、シフトフォーク91によってドライブシャフト84側だけに働き掛ける構成としたことで、シフトカム軸85の配置箇所がメインシャフト83の位置に依存することがない。したがって、メインシャフト83から離れた位置にシフトカム軸85を配置することが可能となっている。
ドライブシャフト84に設けられたドライブスプロケット16は、ドライブチェーン17を介して後輪7に設けられたドリブンスプロケット15に連結される。このドライブスプロケット16、ドリブンスプロケット15及びドライブチェーン17により、ドライブシャフト84から後輪7に動力を伝達する二次減速機構が形成される。このように、エンジンユニット3では、クランクシャフト81の回転力が、一次減速機構、クラッチ87、変速機36、二次減速機構を介して後輪7に伝達される。
ここで、図4に示す変速機について詳細に説明する。上記したように、メインシャフト83の右端側には、プライマリドリブンギヤ86及びクラッチ87が設けられている。プライマリドリブンギヤ86は、メインシャフト83に対して空転可能に支持されている。クラッチ87は、いわゆる多板クラッチであり、プライマリドリブンギヤ86をメインシャフト83に断続するように構成されている。このクラッチ87により、クランクシャフト81からメインシャフト83への動力の伝達及び遮断が切り替えられる。
メインシャフト83は、エンジンケース31に対して一対のベアリング92を介して回転可能に支持されている。メインシャフト83には、軸方向に離間して複数の入力ギヤ88が設けられている。複数の入力ギヤ88のうち、クラッチ87側の入力ギヤ88はメインシャフト83に一体形成されており、残りの入力ギヤ88はメインシャフト83の外周面にスプライン嵌合されている。このため、入力ギヤ88は、メインシャフト83と一体回転する。また、所定の入力ギヤ88間には、メインシャフト83の外周面にスプライン嵌合された円筒状のスペーサ93が設けられている。スペーサ93により、各入力ギヤ88の軸方向の位置ズレが規制される。
ドライブシャフト84は、エンジンケース31に対して一対のベアリング94を介して回転可能に支持されている。ドライブシャフト84には、軸方向に離間して複数の出力ギヤ89が設けられている。各出力ギヤ89は、それぞれ入力ギヤ88に歯合しており、ドライブシャフト84に対して空転可能に嵌合されている。また、所定の出力ギヤ89間には、ドライブシャフト84の外周面にスプライン嵌合された円筒状のスペーサ95が設けられている。スペーサ95により、各出力ギヤ89の軸方向の位置ズレが規制される。各スペーサ93の外周面には、ドグクラッチ96がスプライン嵌合されている。
ドグクラッチ96は、軸方向にスライド可能であり、出力ギヤ89に係合することで出力ギヤ89をスペーサ93を介してドライブシャフト84に連結する。また、ドグクラッチ96には、シフトフォーク91が差し込まれる溝部97が形成されている。ドグクラッチ96は、シフトフォーク91よって軸方向にスライドされることで出力ギヤ89に係合される。変速機36ではドグクラッチ96によっていずれかの出力ギヤ89がドライブシャフト84に連結されることで、所望の変速比の動力の伝達経路が形成される。
このように、本実施の形態に係る変速機36では、ドライブシャフト84にのみドグクラッチ96が設けられているため、シフトフォーク91を駆動するシフトカム軸85がメインシャフト83の配置箇所に依存することがない。したがって、図3に示すように、側面視においてドライブシャフト84を挟んでメインシャフト83の反対側にシフトカム軸85を配置することが可能となっている。
図2及び図3に戻り、エンジンケース31には、エンジンユニット3を車体フレーム2に懸架する複数の懸架部98が形成されている。複数の懸架部98のうち、エンジンユニット3の後上方を懸架する懸架部98a、98bは、車体フレーム2に対する懸架位置が左右で異なっている。側面視において、左側の懸架部98aはドライブシャフト84の近い位置で車体フレーム2に懸架され、右側の懸架部98bは懸架部98aよりもドライブシャフト84から遠い位置で車体フレーム2に懸架されている(図5参照)。本実施の形態では、シフトカム軸85がドライブシャフト84の下方に配置されるため、このように懸架部98aとドライブシャフト84を近付けた配置が可能となっている。懸架部98a、98bは、先端から基端に向って幅広になるように形成され、剛性が確保されている。
ところで、エンジンユニット3はチェーン式の二次減速機構を介して後輪7に動力を伝達しているため、ドライブシャフト84の左端部にはドライブチェーン17の張力が作用している。したがって、エンジンケース31や各懸架部98には、ドライブシャフト84の左端部(ドライブスプロケット16)を後側に回転させようとするモーメント荷重(捩り荷重)が作用する。特に、エンジンユニット3におけるドライブシャフト84の左端部周辺には強いモーメント荷重が生じる。しかしながら、本実施の形態では、左側の懸架部98aがドライブシャフト84の近くに配置されることで、エンジンユニット3に対するモーメント荷重を減少させている。
図6を参照して、エンジンユニットに作用するモーメント荷重についてより詳細に説明する。図6は、本実施の形態に係るエンジンユニットに作用するモーメント荷重の説明図である。図6A、6Bは、本実施の形態に係るエンジンユニットを示し、図6C、6Dは、比較例に係るエンジンユニットを示している。比較例に係るエンジンユニットは、シフトカム軸がメインシャフトとドライブシャフトとの近傍に配置される点で本実施の形態と相違している。
図6A、図6Bに示すように、本実施の形態に係るエンジンユニット3では、ドライブシャフト84がドライブスプロケット16に掛けられたドライブチェーン17により後方に引っ張られている。ドライブシャフト84を中心Cとした半径方向において、メインシャフト83がドライブシャフト84の上側に配置され、シフトカム軸85がドライブシャフト84を挟んでメインシャフト83の反対側に配置されている。シフトカム軸85がメインシャフト83の配置箇所に依存しないため、このような配置が可能となっている。また、エンジンユニット3の後方を懸架する懸架部98a、98bは、それぞれドライブシャフト84を挟んでシフトカム軸85の反対側に配置される。
この場合、左側の懸架部98aは、ドライブシャフト84を中心Cとした半径方向において、右側の懸架部98bよりもドライブシャフト84の近くで車体フレーム2に固定される。すなわち、左側の懸架部98aは、右側の懸架部98bよりもエンジンケース31の外面から車体フレーム2に対する懸架位置PLまでの延在長が短く形成されている。これは、シフトカム軸85がドライブシャフト84の下側に配置されることで、左側の懸架部98aのエンジン懸架位置の設計自由度が高められることで実現されている。具体的には、左側の懸架部98aは、エンジンユニット3の後上方においてメインシャフト83及びドライブシャフト84の近く配置される。
より詳細には、左側の懸架部98aの懸架位置PLは、ドライブシャフト84の中心Cを上下方向に通る直線L1よりも後方、かつドライブシャフト84の中心Cと右側の懸架部98bの懸架位置PRとを結ぶ直線L2の上方に位置する。この場合、右側の懸架部98bの懸架位置PRは、ドライブチェーン17の上方、より好ましくはスイングアーム9と共に揺動するドライブチェーン17の揺動領域の上方に位置付けられている。このため、左側の懸架部98aはドライブチェーン17に対する干渉が確実に抑制された状態でドライブシャフト84に近付けられている。懸架部98a、98bは、車体フレーム2に対する懸架位置が左右で異なっているため、車体フレーム2には左右単独で締結ボルトにより固定される。
車体フレーム2に懸架されたエンジンユニット3には、矢印Mに示すようにドライブシャフト84を後輪7側に回転させるモーメント荷重が作用する。この場合、左側の懸架部98aがドライブシャフト84の近傍に配置されることで、特にドライブシャフト84の左端部周辺(例えば軸受部分)に発生する強い荷重が低減される。よって、ドライブシャフト84が傾くことがなく、ドライブチェーン17とドライブスプロケット16の噛み合い不良による耐久性の低下、変速ギヤの噛み合い不良により騒音の増加、シフト時のギヤの作動不良等の不具合が生じることがない。
また、エンジン懸架位置をドライブシャフト84に近付けることで、左側の懸架部98aの剛性を容易に高めることが可能となる。例えば、左側の懸架部98aは短く形成されているため、肉厚の増加や、先端側から基端側への広がりを大きくして剛性を高めても、エンジンユニット3の重量やスペースの弊害を小さくできる。このように、懸架部98aの剛性を容易に確保できるため、エンジンケース31に作用するモーメント荷重をより小さくすることが可能となる。
一方、図6C、図6Dに示すように、比較例に係るエンジンユニット101では、シフトカム軸102がメインシャフト103の後方に隣接して配置されている。このように、シフトカム軸102が、メインシャフト103及びドライブシャフト104の近くに配置されているため、左側の懸架部105aをドライブシャフト104の近くに配置することができない。よって、比較例に係るエンジンユニット101では、左側の懸架部105aの懸架位置PLが、ドライブシャフト104の中心Cから離れた右側の懸架部105bの懸架位置PRと同じ位置となっている。
このため、矢印Mに示すようにドライブシャフト104を後輪側に回転させるモーメント荷重がエンジンユニット101に作用すると、ドライブシャフト104の左端部周辺に強い荷重が発生する。この場合、左側の懸架部105aがドライブシャフト104から遠い位置において車体フレームに懸架されているため、剛性が不足する場合にはドライブシャフト104が傾くおそれがある。ドライブシャフト104が傾くと、ドライブチェーン107とスプロケット106の噛み合い不良等の不具合が発生する。また、左側の懸架部105aの剛性を高める場合には、懸架部105aの延在長が長く形成されているため、肉厚の増加等によってエンジンユニット101の重量やスペースの弊害が大きくなるという問題がある。
以上のように、本実施の形態に係るエンジン懸架構造によれば、ドライブチェーン17からの張力によって、エンジンユニット3に対してドライブシャフト84の一端部を後輪7側に回転させる方向にモーメント荷重が作用するが、張力の影響を強く受ける左側の懸架部98aを右側の懸架部98bよりもドライブシャフト84に近付けることでエンジンユニット3に作用するモーメント荷重を低減できる。また、左側の懸架部98aがエンジンケース31から近い位置で車体フレーム2に取り付けられることで、肉厚を増加させて剛性を向上させても重量やスペースによる弊害が少なく、懸架部98aの剛性を容易に向上できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施の形態に係るエンジン懸架構造は、左側の懸架部を右側の懸架部よりもドライブシャフトに近付ける構成としたが、この構成に限定されない。ドライブシャフトの右端部を後輪側に回転させるモーメント荷重が発生する構成であれば、右側の懸架部を左側の懸架部よりもドライブシャフトに近付ける構成としてもよい。
また、本実施の形態に係るエンジン懸架構造は、後輪が駆動輪の車両に適用される例について説明したが、この構成に限定されない。本実施の形態に係るエンジン懸架構造を前輪が駆動輪の車両に適用することも可能である。
また、本実施の形態に係るエンジンユニットは、チェーンドライブ式の二次減速機構により動力を駆動輪に伝達する構成としたが、この構成に限定されない。エンジンユニットは、チェーンドライブ式の代わりにベルトドライブ式の二次減速機構により動力を駆動輪に伝達してもよい。この場合、ドライブスプロケット、ドリブンスプロケット、ドライブチェーンの代わりに、一対の歯付きプーリに歯付きベルトを掛け渡して二次減速機構を構成する。
また、本実施の形態に係るエンジンユニットは、シフトカム軸がドライブシャフトを挟んでメインシャフトの反対側に配置されたが、この構成に限定されない。懸架部をドライブシャフトに近付けることが可能であれば、シフトカム軸がメインシャフトの近くに配置されてもよい。この場合、シフトカム軸は、メインシャフト及びドライブシャフトの両方に働き掛けて変速させる構成としてもよい。
また、本実施の形態に係るエンジンユニットは、左側の懸架部の懸架位置を右側の懸架部の懸架位置とドライブシャフトの中心とを結ぶ直線よりも上方に配置したが、この構成に限定されない。左側の懸架部の懸架位置は、スイングアームと共に揺動するドライブチェーンに干渉しなければよく、例えば、右側の懸架部の懸架位置とドライブシャフトの中心とを結ぶ直線よりも下方に配置されてもよい。
2 車体フレーム
3 エンジンユニット
6 前輪
7 後輪(駆動輪)
9 スイングアーム
15 ドリブンスプロケット(従動回転体、従動スプロケット)
16 ドライブスプロケット(駆動回転体、駆動スプロケット)
17 ドライブチェーン(伝達部材、チェーン)
31 エンジンケース(ケース)
36 変速機
81 クランクシャフト
83 メインシャフト(入力軸)
84 ドライブシャフト(出力軸)
85 シフトカム軸
88 入力ギヤ
89 出力ギヤ
91 シフトフォーク
96 ドグクラッチ
97 溝部
98 懸架部

Claims (6)

  1. 車体フレームにエンジンユニットを懸架するエンジン懸架構造であって、
    前記エンジンユニットは、車幅方向に延在する動力伝達機構の出力軸の一端部に設けた駆動回転体及び駆動輪に設けた従動回転体に掛け渡された無端状の伝達部材を介して、前記出力軸から前記駆動輪に動力を伝達しており、
    前記エンジンユニットのケースには、前記エンジンユニットを前記車体フレームに懸架する一対の懸架部が車幅方向に離間して配置され、当該一対の懸架部のうち前記出力軸の一端部側に位置する一方の懸架部は、前記出力軸を中心とした半径方向において他方の懸架部よりも中心寄りで前記車体フレームに懸架されることを特徴とするエンジン懸架構造。
  2. 前記動力伝達構造は、入力軸に固定された複数の入力ギヤと前記出力軸に対して空転する複数の出力ギヤとを常時歯合させており、複数のギヤ対を択一的に動力伝達可能になるように空転状態の出力ギヤを前記出力軸に係合させるシフトカム軸を有し、
    前記一方の懸架部は、側面視において前記出力軸を挟んで前記シフトカム軸の反対側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン懸架構造。
  3. 前記シフトカム軸は、側面視において前記出力軸を挟んで前記入力軸の反対側に配置されることを特徴とする請求項2に記載のエンジン懸架構造。
  4. 前記車体フレームに対する前記他方の懸架部の懸架位置は、前記出力軸から前記駆動輪側に延在する前記無端状の伝達部材よりも上方に配置され、
    前記車体フレームに対する前記一方の懸架部の懸架位置は、前記出力軸よりも前記駆動輪側、かつ前記出力軸と前記他方の懸架部の懸架位置とを結ぶ直線より上方に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンジン懸架構造。
  5. 前記車体フレームは、前記駆動輪を支持するスイングアームを上下方向に揺動可能に支持しており、
    前記車体フレームに対する前記一方の懸架部の懸架位置は、前記スイングアームに伴って揺動する前記無端状の伝達部材の揺動領域を避ける位置に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のエンジン懸架構造。
  6. 前記駆動回転体は、駆動スプロケットであり、
    前記従動回転体は、従動スプロケットであり、
    前記無端状の伝達部材は、チェーンであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンジン懸架構造。
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