JP4125556B2 - 自動二輪車用エンジンの排気用二次空気供給装置 - Google Patents

自動二輪車用エンジンの排気用二次空気供給装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダヘッドに設けられる排気ポートに二次空気を供給する二次空気供給路が、前記シリンダヘッドを含むエンジン本体に設けられるリード弁に接続されるエンジンの排気用二次空気供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる装置は、たとえば特開2000−161127号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、エンジン本体に設けられるリード弁および排気ポート間を結ぶ二次空気供給路がヘッドカバーおよびシリンダヘッドに設けられている。ところが、上記従来のものは水冷式エンジンであるので、上述のような構造でもリード弁に熱的な悪影響がおよ可能性はないが、熱的には厳しい空冷式のエンジンにそのまま適用すると、リード弁に熱的な悪影響が及ぶ可能性がある。
【0004】
リード弁に熱的な悪影響が及ぶことを回避するために、たとえば特開昭55−146223号公報で開示されるように、リード弁をエンジン本体から離隔した位置に配置することも考えられるが、そのようにすると、リード弁および排気ポート間の二次空気供給路の長さが長くなり、二次空気の流通抵抗増大による出力ダウンを招く可能性もある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、リード弁および排気ポート間の二次空気供給路を短くすることを可能としつつ、空冷エンジンであってもリード弁に熱的な悪影響が及ぶことを少なくしたエンジンの排気用二次空気供給装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、自動二輪車に搭載されてエンジン本体が、シリンダブロック及びシリンダヘッドをクランクケースに対し前傾させた姿勢で配置される自動二輪車用エンジンの排気用二次空気供給装置であって、シリンダヘッドに設けられる排気ポートに二次空気を供給する二次空気供給路が、シリンダヘッドの頂部に結合されるヘッドカバーに固定のリード弁に接続されるものにおいて、前記リード弁は、その弁ハウジングが車両側面視で、ヘッドカバー及びシリンダヘッドに跨がるように且つ排気ポートと前後に並ぶように配置されると共に、該弁ハウジングの主部がヘッドカバーの左右一側部に一体に形成され、前記二次空気供給路は、リード弁に通じてヘッドカバーに形成される第1通路部と、排気ポートに通じてシリンダヘッドに形成される第2通路部とが、シリンダヘッドおよびヘッドカバー間に前後両端を挟持されて中間部の外面が外気に曝される二次空気供給パイプで接続されて成ることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、リード弁および排気ポート間を結ぶ二次空気供給路の一部が二次空気供給パイプで形成され、その二次空気供給パイプの外面が外気に曝されているので、二次空気供給パイプを空冷することで、リード弁側に熱が伝わることを抑制することができしたがってリード弁をエンジン本体に設けることによって、リード弁および排気ポート間の二次空気供給路を短くしつつ、空冷エンジンであってもリード弁に熱的な悪影響が及ぶことを少なくすることができる。また二次空気供給パイプが前後両端をシリンダヘッド及びヘッドカバー間に挟持されるので、二次空気供給パイプをエンジン本体に接続するためのバンドやクリップ等に接続部品が不要となり、部品点数および組付け工数の低減を図ることでコストを低減することができ、しかも接続部品を配置するためのスペースを考慮しなくてもよいことにより設計自由度を増大することができる。さらにリード弁と、二次空気供給路(特にヘッドカバーに形成した第1通路部、並びにヘッドカバー及びシリンダヘッド間に挟持した二次空気供給パイプ)とを自動二輪車走行時の走行風で効果的に冷却することができるので、リード弁に熱的な悪影響が及ぶことをより少なくすることができる。
【0008】
また請求項記載の発明は、上記請求項記載の発明の構成に加えて、前記エンジン本体が、前記二次空気供給パイプを走行方向前方側に臨ませる姿勢で自動二輪車に搭載されることを特徴とする特徴とし、かかる構成によれば、二次空気供給パイプを自動二輪車走行時の走行風でより一層効果的に冷却することができる。
【0009】
請求項記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記二次空気供給パイプの両端外面前記シリンダヘッドおよびヘッドカバーとの各間にOリングがそれぞれ介装されることを特徴とし、かかる構成によれば、二次空気供給パイプの両端の加工精度をあげることを不要としつつ、Oリングの弾発力を利用して二次空気供給パイプの両端のエンジン本体への接続部のシール性を高めることができ、加工工数の低減によりコストを低減することができ、しかもバンドやクリップ等の接続部品を用いた場合に比べて組付け作業が容易となる。
【0010】
請求項記載の発明は、上記請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記第1通路部を、走行方向前方側に臨ませる姿勢でエンジン本体が自動二輪車に搭載されることを特徴とし、かかる構成によれば、第1通路部を自動二輪車走行時の走行風で効果的に冷却することで、リード弁に熱的な悪影響が及ぶことをより少なくすることができる。
【0011】
さらに請求項記載の発明は、上記請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記リード弁を、走行方向前方側に臨ませる姿勢でエンジン本体が自動二輪車に搭載されることを特徴とし、かかる構成によれば、リード弁を自動二輪車走行時の走行風で効果的に冷却することで、リード弁に熱的な悪影響が及ぶことをより少なくすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図12は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は自動二輪車の側面図、図2は図1の2−2線に沿う自動二輪車の後部横断平面図、図3は自動二輪車の後部拡大側面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図4の前部拡大図、図6はエンジン本体の前部拡大切欠き側面図であって図7の6−6線に沿う断面図、図7は図6の7−7線断面図、図8は図7の8−8線断面図、図9は図5の要部拡大図、図10は図4の後部拡大図、図11は図3の11−11線拡大断面図、図12は図3の12−12線断面図である。
【0014】
先ず図1において、ペダル付き自動二輪車の車体フレーム15は、前端にヘッドパイプ16が設けられて後下がりに傾斜したメインフレーム17と、メインフレーム17の後部に一体に連設されて上方に延出するシートポスト18と、前方に開いた略U字状に形成されて前記シートポスト18に両端が固着される支持ステー28と、支持ステー28…の左右両側およびシートポスト18間をそれぞれ連結するようにしてシートポスト18からから後ろ上がりに延びる補強部材29…とを備える。
【0015】
ヘッドパイプ16には、フロントフォーク19が操向可能に支承され、該フロントフォーク19の下端に前輪WFが軸支され、フロントフォーク19の上端にバー状の操向ハンドル20が設けられる。すなわちフロントフォーク19および操向ハンドル20はヘッドパイプ16で操向可能に支承される。
【0016】
操向ハンドル20の左右両端部にはブレーキレバー21…がそれぞれ操作可能に配設されており、それらのブレーキレバー21…の操作力は、ヘッドパイプ16の前方に配置されて該ヘッドパイプ16に支持されるイコライザ22に入力される。該イコライザ22は、左右いずれのブレーキレバー21…を操作しても、前輪WFに装着される前輪用ブレーキBFならびに後輪WRに装着される後輪用ブレーキBRのいずれにもブレーキ操作力を伝達するように構成される。またフロントフォーク19の上部および操向ハンドル20間に設けられるバスケット支持部材23に、操向ハンドル20およびヘッドパイプ16の前方に配置されるバスケット24と、該バスケット24の下方に配置されるヘッドランプ25とが支持される。
【0017】
図2および図3を併せて参照して、シートポスト18には、ドライバが座乗するためのサドル状のシート26を上端に備えるシート支持パイプ27が上方から差込まれ、該シート支持パイプ27は、上下位置を調節可能としてシートポスト18に固定される。
【0018】
前記支持ステー28には、前記シート26の後方斜め下に配置される燃料タンク30が支持され、該燃料タンク30の下面には、車体フレーム15に搭載されるエンジンEの運転を制御するための電子制御ユニット31が取付けられる。また支持ステー28の後部には、左右一対のリヤウインカ32,32と、それらのリヤウインカ32,32間に配置されるリヤランプ33とが取付けられる。
【0019】
車体フレーム15の後部には、4サイクルSOHC型のエンジンEと、該エンジンEの出力を変速して後輪WRに伝達するための動力伝達装置Tとを含むパワーユニットPが上下に揺動可能に支承されており、該パワーユニットPの後部に前記後輪WRの車軸が軸支される。また前記後輪WRには、シート26上のライダーが左、右一対のクランクペダル34…を踏み込むことによって生じる動力を伝達することも可能である。
【0020】
図4において、エンジンEは、車体フレーム15の左右方向に延びるクランクシャフト37を有する単気筒空冷式のエンジンであり、そのエンジン本体38は、クランクシャフト37を回転自在に支承するクランクケース39と、該クランクケース39からわずかに前上がりに延びるシリンダ軸線Cを有してクランクケース39に結合されるシリンダブロック40と、シリンダブロック40に結合されるシリンダヘッド41と、シリンダブロック40とは反対側でシリンダヘッド41に結合されるヘッドカバー42とを備え、シリンダブロック40およびシリンダヘッド41の外面には冷却フィン40a…,41a…がそれぞれ複数ずつ突設される。
【0021】
シリンダブロック40に設けられるシリンダボア43に摺動可能に嵌合されるピストン44は、コンロッド45およびクランクピン46を介してクランクシャフト37に連結される。該クランクシャフト37は、一対のボールベアリング47,48を介してクランクケース39に回転自在に支承されるものであり、一方のボールベアリング47よりも外方でクランクシャフト37およびクランクケース39間には環状のシール部材49が介装される。
【0022】
しかもクランクシャフト37の一端部は、自動二輪車の進行方向に沿う右側でクランクケース39から突出され、クランクシャフト37の一端部に固定されるロータ50と、該ロータ50内に収容されるステータ51とでAC発電機52が構成される。このAC発電機52は、クランクケース39およびシリンダブロック40に結合される右エンジンカバー53で覆われ、前記ステータ51はクランクケース39に固定される。
【0023】
図5〜図8を併せて参照して、シリンダヘッド41には、前記ピストン44の頂部を臨ませてシリンダブロック40およびシリンダヘッド41間に形成される燃焼室55に通じ得る吸気ポート56および排気ポート57が設けられるとともに、吸気ポート56および排気ポート57をそれぞれ開閉する吸気弁58および排気弁59が配設される。
【0024】
吸気弁58および排気弁59は、シリンダヘッド41に設けられたガイド筒60,61でガイドされて直線的に開閉作動するものであり、各ガイド筒60,61から突出した吸気弁58および排気弁59の端部に設けられるリテーナ62,63およびシリンダヘッド41間には弁ばね64,65がそれぞれ設けられており、吸気弁58および排気弁59は各弁ばね64,65によりそれぞれ閉弁方向にばね付勢される。
【0025】
しかも前記各ガイド筒60,61は、それらのガイド筒60,61の軸線を共通に含む平面P1がクランクシャフト37の軸線およびシリンダ軸線Cを含む平面P2と鋭角をなして交差するように、相互に平行な前上がりの軸線を有してシリンダヘッド41に設けられるものであり、吸気弁58および排気弁59は相互に平行な開閉作動方向に作動するようにしてシリンダヘッド41に配設されることになる。
【0026】
シリンダヘッド41およびヘッドカバー42間には動弁室66が形成されており、それぞれ閉弁方向にばね付勢された前記吸気弁58および排気弁59を開閉駆動する動弁装置67が該動弁室66に収容される。
【0027】
動弁装置67は、クランクシャフト37と平行な軸線を有してシリンダヘッド41に回転自在に支承されるカムシャフト68と、該カムシャフト68と平行な軸線を有してシリンダヘッド41に固定的に支持されるロッカシャフト69と、該ロッカシャフト69に揺動可能に支承されて前記カムシャフト68および前記吸気弁58間に介装される吸気側ロッカアーム70と、該吸気側ロッカアーム70とともに前記ロッカシャフト69に揺動可能に支承されて前記カムシャフト68および前記排気弁59間に介装される排気側ロッカアーム71とを備える。
【0028】
カムシャフト68には吸気側カム72および排気側カム73がそれぞれ設けられており、吸気側カム72に摺接するカムスリッパ70aを一端に備える吸気側ロッカアーム70の他端部に、吸気弁58の端部に当接するタペットねじ74が進退位置を調節可能として螺合される。また排気側カム73に摺接するカムスリッパ71aを一端に備える排気側ロッカアーム71の他端部に、排気弁59の端部に当接するタペットねじ75が進退位置を調節可能として螺合される。
【0029】
ところで、カムシャフト68は、吸気側および排気側ロッカアーム70,71と吸気弁58および排気弁59との連動、連結点すなわちタペットねじ74,75の吸気弁58および排気弁59への接触点よりも燃焼室55寄りに配置されるものであり、この実施例では、吸気弁58および排気弁59よりも上方にカムシャフト68が配置される。
【0030】
しかも吸気ポート56は、カムシャフト68の軸線に直交する平面への投影図(図8参照)上でカムシャフト68の少なくとも一部(この実施例では一部)を重ねるようにして、カムシャフト68の軸方向一端から離隔した位置に配置されるとともに、シリンダ軸線Cに直交する平面への投影図(図7参照)上ではロッカシャフト69と交差するようにして、シリンダヘッド41に設けられる。
【0031】
吸気ポート56および排気ポート57の燃焼室55への開口端は、図7で明示するように、カムシャフト68およびロッカシャフト69の軸線と平行な一直線上に配置されており、吸気ポート56の外端はシリンダヘッド41の上部側壁に開口され、排気ポート57の外端はシリンダヘッド41の下部側壁に開口される。
【0032】
また吸気弁58および排気弁59の軸線を共通に含む平面P1に対して鋭角αをなす軸線を有する点火プラグ76が、燃焼室55に臨むようにしてシリンダヘッド41に取付けられる。
【0033】
カムシャフト68と、クランクシャフト37との間には、クランクシャフト37の回転動力を1/2の減速比でカムシャフト68に伝達する調時伝動機構77が設けられる。この調時伝動機構77は、前記ボールベアリング48よりも外方でクランクシャフト37に固定される駆動スプロケット78と、カムシャフト68の他端部に固定される被動スプロケット79と、駆動および被動スプロケット78,79に巻き掛けられる無端状のカムチェーン80とを備え、クランクケース39からシリンダブロック40およびシリンダヘッド41を経てヘッドカバー42に至る部分でエンジン本体38には、前記カムチェーン80を走行させるためのカムチェーン室81が形成される。
【0034】
図9において、シリンダヘッド41には、カムシャフト68の一端部を収容する円形の第1支持凹部82と、カムシャフト68を貫通せしめる第1支持孔83とが同軸に設けられ、第1支持孔83は、カムシャフト68に設けられる吸気側カム72および排気側カム73を挿通し得る程度に大径に形成される。しかも前記第1支持凹部82の内面およびカムシャフト68の一端部外面間にボールベアリング84が介装され、前記第1支持孔83の内面およびカムシャフト68の他端側外面間にボールベアリング85が介装される。而して前記ボールベアリング85の外方でカムシャフト68の他端に被動スプロケット79が複数のボルト86…で同軸に締結される。
【0035】
前記シリンダヘッド41の一側壁、この実施例では自動二輪車の進行方向前方を向いた状態でシリンダヘッド41の左側壁には、その左側壁側から前記カムシャフト68をシリンダヘッド41に組付けるとともに該カムシャフト68に前記被動スプロケット79を取付けることを可能とするための第1組付け用開口部87が、第1支持孔83よりも大径の直径を有するように設けられる。この第1組付け用開口部87は第1蓋部材88で閉じられるものであり、第1組付け用開口部87に設けられた雌ねじ89に螺合することで第1蓋部材88がシリンダヘッド41に固定され、第1組付け用開口部87の外端および第1蓋部材88間には環状のシール部材90が挟まれる。
【0036】
しかも第1蓋部材88の外面には、第1蓋部材88を回転操作する際に工具を係合するための係合溝91が一直径線に沿うように形成されている。また第1蓋部材88の内面には、被動スプロケット79側に突出する規制突部92が突設されており、この規制突部92に被動スプロケット79が摺接することでカムシャフト68の第1組付け用開口部87側への抜け出しが阻止される。
【0037】
シリンダヘッド41には、ロッカシャフト69の一端部を嵌合せしめて支持する円形の第2支持凹部95と、ロッカシャフト69の他端部を挿通、支持する第2支持孔96とが同軸に設けられ、第2支持孔96に対応する部分のシリンダヘッド41およびロッカシャフト69にボルト97が螺合されることにより、ロッカシャフト69がシリンダヘッド41に固定的に支持される。
【0038】
前記シリンダヘッド41の左側壁には、その左側壁側から前記ロッカシャフト69をシリンダヘッド41に組付けることを可能とするための第2組付け用開口部98が、第2支持孔96とほぼ同径の直径を有するようにして設けられる。この第2組付け用開口部98は第2蓋部材99で閉じられるものであり、第2蓋部材99は、軸方向内方側への移動を阻止されるようにして第2組付け用開口部98に気密に嵌合される。すなわち第2組付け用開口部98の外端周縁に係合するフランジ部99aを外端に有する第2蓋部材99が、その外周に環状のシール部材100を装着して第2組付け用開口部98に嵌合される。
【0039】
しかもフランジ部99aには、第1蓋部材88の一部が第2蓋部材99に外方側から係合するように切欠き99bが設けられており、第2組付け用開口部98への第2蓋部材99の嵌合後に、第1組付け用開口部87に第1蓋部材88をねじ込むことにより、第1蓋部材88のシリンダヘッド41の固定と同時に第2蓋部材99のシリンダヘッド41への固定がなされることになる。
【0040】
シリンダヘッド41の上部側面に開口した吸気ポート56には、パワーユニットPの上方に配置されて該パワーユニットPで支持されるエアクリーナ101が気化器102を介して接続される。またシリンダヘッド41の下部側面に開口した排気ポート57に接続されて後方側に延出される排気管103の後端に、後輪WRの右側に配置される排気マフラー104が接続される。
【0041】
ところで、排気ポート57には排気浄化用の二次空気が供給されるものであり、エンジン本体38におけるヘッドカバー42の右側前部に、リード弁105が設けられ、該リード弁105の上流側が図示しないホースを介してエアクリーナ101に接続され、リード弁105の下流側は二次空気供給路107を介して排気ポート57に接続される。
【0042】
前記リード弁105の弁ハウジング108は、ヘッドカバー42に一体に設けられるハウジング主部109と、該ハウジング主部109に締結されるカバー110とで構成されるものであり、ハウジング主部109およびカバー110間には、弁ハウジング108内をカバー110側の上流室111およびハウジング主部109側の下流室112に区画する弁座板113が挟持され、該弁座板113には上流室111および下流室112間を結ぶ弁孔114が設けられる。
【0043】
弁座板113の下流室112側に臨む面には、前記弁孔114に臨む部分では弁座板113との間に間隔をあけたストッパ板115と、前記弁孔114を塞ぐように弁座板113に当接可能なリード116の一端とが共締めにより締結される。
【0044】
前記カバー110に一体に設けられる接続管部110aにはホース(図示せず)の下流端が接続され、該ホースの上流端が前記エアクリーナ101に接続される。
【0045】
二次空気供給路107は、前記下流室112に通じてヘッドカバー42に設けられる第1通路部107aと、排気ポート57に通じてシリンダヘッド41に設けられる第2通路部107bとが、外気に外面を曝した二次空気供給パイプ117で接続されて成るものである。すなわち二次空気供給路107の一部は前記二次空気供給パイプ117で形成されることになる。
【0046】
排気ポート57を形成する部分でシリンダヘッド41の一部には下方に突出した突出部41bが形成されており、このシリンダヘッド41の突出部41bに対応するようにヘッドカバー42の下部はシリンダヘッド41のヘッドカバー42側側面から下方に突出するように形成される。そしてヘッドカバー42には、上流端をリード弁105の下流室に通じさせた第1通路部107aが、その下流端を前記シリンダヘッド41の突出部41bに向けて開口するようにして形成され、第2通路部107bは、第1通路部107aの下流側開口端に対向するように上流端を開口するとともに下流端を排気ポート57に開口するようにしてシリンダヘッド41の前記突出部41bに形成される。
【0047】
二次空気供給パイプ117は、シリンダヘッド41の前記突出部41bおよび前記ヘッドカバー42の下部間に挟持されるものであり、二次空気供給パイプ117の両端が、前記第1通路部107aの下流端開口部ならびに第2通路部107bの上流端開口部に嵌合される。
【0048】
二次空気供給パイプ117の両端外面と、エンジン本体38におけるヘッドカバー42およびシリンダヘッド41間すなわち第1通路部107aの下流端開口部内面ならびに第2通路部107bの上流端開口部内面との間には、Oリング118,119がそれぞれ介装されるものであり、二次空気供給パイプ117の両端部には、前記Oリング118,119をヘッドカバー42およびシリンダヘッド41間に挟むための拡径部117a,117bがそれぞれ形成される。
【0049】
ところで、エンジン本体38は、前記二次空気供給パイプ117を自動二輪車の走行方向前方に臨ませるとともに、リード弁105ならびに該リード弁105および二次空気供給パイプ117間を結んでヘッドカバー42に設けられる第1通路部107aを自動二輪車の走行方向前方に臨ませるようにした姿勢で自動二輪車に搭載されるものであり、二次空気供給パイプ117に走行風が効果的に当たるようにするために、この実施例では、二次空気供給パイプ117がエンジン本体38の前部下方に配置されるようにして、エンジン本体38が車体フレーム15に搭載される。
【0050】
ところで、図4および図5で示すように、ボールベアリング48の近傍でクランクケース39には、クランクケース39内の下部からオイルを汲み上げるオイルポンプ123のポンプケース124が結合されており、このオイルポンプ123の入力軸125に一体に設けられた被動ギヤ126に、前記調時伝動機構77の駆動スプロケット78と一体に設けられた駆動ギヤ127が噛合する。すなわちオイルポンプ123はクランクシャフト37の回転に応じてポンプ作動する。
【0051】
このオイルポンプ123の吐出口128には、クランクケース39からシリンダブロック40およびシリンダヘッド41を介してヘッドカバー42にまで至るオイル通路129が連通しており、ロッカシャフト69と吸気側および排気側ロッカアーム70,71との間を潤滑するために、前記オイル通路129に通じる通路130,131がシリンダヘッド41およびロッカシャフト69に設けられる。またヘッドカバー42には、吸気側および排気側カム72,73と、吸気側および排気側ロッカアーム70,71のカムスリッパ70a,71aとの摺接部に向けてオイルを噴出するための複数のオイル噴出孔132…が、前記オイル通路129の下流端に通じるようにして設けられる。
【0052】
またヘッドカバー42には、エンジン温度を代表する温度として前記オイルの温度を検出する温度センサ133がオイル通路129の下流部に臨むようにして取付けられ、第1蓋部材88の後方側でシリンダブロック40には、クランクケース39内にオイルを供給するための給油キャップ134が着脱可能として配設される。
【0053】
図10を併せて参照して、動力伝達装置Tは、クランクシャフト37から出力される動力を自動的にかつ無段階に変速するVベルト式自動変速機135と、該Vベルト式自動変速機135および後輪WRの車軸137間に設けられる減速ギヤ列136とを備える。
【0054】
この動力伝達装置Tのケース138は、自動二輪車の進行方向に沿う左側でクランクケース39およびシリンダブロック40に結合されて後輪WRの左側まで延びるケース主体139と、該ケース主体139の左側を覆うようにしてケース主体139に結合される左側ケース140と、ケース主体139の後部右側を覆うようにしてケース主体139に結合される右側ケース141とで構成されるものであり、ケース主体139および左側ケース140間に第1伝動室142が形成され、ケース主体139の後部および右側ケース141間に第2伝動室143が形成される。しかもケース主体139にはオイルポンプ123の入力軸125を前記ポンプケース124と協働して回転自在に支持する筒状の軸受ハウジング144が一体に設けられ、前記入力軸125に設けられる被動ギヤ126はポンプケース124および軸受ハウジング144間に挟まれる。
【0055】
Vベルト式自動変速機135は、第1伝動室142に収納されるものであり、クランクシャフト37の他端部に装着されるドライブプーリ145と、クランクシャフト37と平行な軸線を有してケース主体139および右側ケース141に回転自在に支承されるドリブンプーリ軸146と、該ドリブンプーリ軸146に装着されるドリブンプーリ147と、ドライブプーリ145およびドリブンプーリ147に巻き掛けられる無端状のVベルト148とを備える。
【0056】
ドライブプーリ145は、クランクシャフト37の他端部に固定される固定プーリ半体149と、固定プーリ半体149に対する近接・離反を可能としてクランクシャフト37にスライド可能に支承される可動プーリ半体150と、クランクシャフト37の回転数が増加するのに応じて可動プーリ半体150を固定プーリ半体149側に押圧する力を発揮する遠心機構151とで構成される。
【0057】
ドリブンプーリ軸146はボールベアリング152,153を介して右側ケース141およびケース主体139に回転自在に支承される。ドリブンプーリ147は、ドリブンプーリ軸146に軸線方向の位置を一定として相対回転可能に支承される固定プーリ半体154と、固定プーリ半体154に対する近接・離反を可能として固定プーリ半体154にスライド可能かつ相対回転可能に支承されるとともに固定プーリ半体154側にばね付勢される可動プーリ半体155とで構成される。
【0058】
しかも固定プーリ半体154およびドリブンプーリ軸146間には、固定プーリ半体154の回転数が増加するのに応じて固定プーリ半体154およびドリブンプーリ軸146間を連結する遠心クラッチ156が設けられる。
【0059】
減速ギヤ列136は、第2伝動室143内に収納されるものであり、両端部が右側ケース141およびケース主体139に回転自在に支承される中間軸159と、ドリブンプーリ軸146に設けられる第1ギヤ160と、第1ギヤ160に噛合して中間軸159に設けられる第2ギヤ161と、中間軸159に設けられる第3ギヤ162と、第3ギヤ162に噛合する第4ギヤ163とで構成され、後輪WRの車軸137および第4ギヤ163間に第1一方向クラッチ164が介装される。
【0060】
ところで自動二輪車の進行方向前方を向いた状態でのクランクケース39の右側壁には、後輪WRの右側まで延びる車軸支持部材165が締結されており、後輪WRの車軸137は、該車軸支持部材165の後部に設けられた支持筒部166、動力伝達装置Tのケース138における右側ケース141、ならびに前記ケース138におけるケース主体139に回転自在に支承される。すなわち車軸137は前記支持筒部166および右側ケース141を回転自在に貫通して第2伝動室143に突入されるものであり、支持筒部166および車軸137間にボールベアリング167が介装され、右側ケース141および車軸137間にボールベアリング168が介装され、ケース主体139および車軸137間にボールベアリング157が介装される。
【0061】
また支持筒部166から外方への車軸137の突出端部に第2一方向クラッチ169を介して被動スプロケット170が装着される。
【0062】
図11において、車体フレーム15におけるメインフレーム17の後部には、下方に延びる左右一対のフレーム側ブラケット171,171が固着されており、両フレーム側ブラケット171,171間に設けられる支持筒172に、後輪WRの車軸137と平行な軸線を有して支持筒172を貫通するペダル軸173の両端部がボールベアリング174,174を介して回転自在に支承され、支持筒172から突出したペダル軸173の両端にクランクペダル34…が固着される。
【0063】
右側のクランクペダル34および前記支持筒172間でペダル軸173には駆動スプロケット175が固定される。また車軸137の下方には、該車軸137と平行な軸線まわりに回動することを可能として前記車軸支持部材165に支承された支持アーム176が配置されており、この支持アーム176には一対のスプロケット177,178が回転自在に支承される。而して前記駆動スプロケット175と、前記車軸137側の被動スプロケット170と、前記両スプロケット177,178とに無端状のチェーン179が巻き掛けられ、前記支持アーム176はチェーン179を緊張させる側にばね付勢される。また前記チェーン179を外側から覆うチェーンカバー180が車体フレーム15に支持される。
【0064】
すなわち後輪WRの車軸137には、エンジンEからの動力を動力伝達装置Tを介して伝達可能であるとともに、クランクペダル34を踏むことによって生じる動力を伝達することも可能であり、第1および第2一方向クラッチ164,169の働きにより、エンジンEからの動力およびクランクペダル34…からの動力のうち回転数が高い方の動力が車軸137に伝達される。但し、坂道を登る時等で後輪WRを回転するのに必要な負荷が高くなったときには、エンジンEおよびクランクペダル34…の両方から車軸137に動力を伝達することが可能である。
【0065】
ところで後輪用ブレーキBRは、車軸137に相対回転不能に結合される車軸筒181に固着されるブレーキドラム182を含むドラムブレーキであり、後輪WRは、前記ブレーキドラム182に固定されるハブ183と、ハブ183を同軸に囲繞するリム184と、リム184に装着されるタイヤ185と、ハブ183およびリム184間に設けられる複数のワイヤスポーク186…とで構成される。
【0066】
ハブ183は、溶接によりブレーキドラム182の外周に固着される円筒部183aと、該円筒部183の両端に一体に設けられる一対のフランジ183b,183bとから成り、両フランジ183b,183bに、各ワイヤスポーク186…の内端を係合、連結するための複数の連結孔187…がそれぞれ設けられる。
【0067】
このように複数のワイヤスポーク186…を連結する一対のフランジ183b,183bを一体に備えるようにハブ183を構成することにより、複数の部材でハブを構成したものに比べると、複数部材の接合面への水の浸入による錆の発生の問題を解消することができる。しかもハブ183は一体成形のため、両フランジ183b,183bをブレーキドラム182に溶接する際の溶接治具が、ハブ183に対する位置決めのみですむので、加工工数が少なくてすむ。しかもハブ183を一体成形することで、車軸137の軸線方向で相互に対向するようにして両フランジ183b,183bに設けられる連結孔187…の位置精度を容易に確保することができる。また前輪WFについても上述の後輪WRと同様に構成される。
【0068】
パワーユニットPの前部は防振リンク188を介して車体フレーム15に上下揺動可能に支承されるものであり、該防振リンク188は、車体中心線BCから左側にオフセットした位置でパワーユニットPにおけるケース主体139の前寄り下部に設けられる左右一対のエンジン側ブラケット189,189と、車体フレーム15のメインフレーム17に固着された左右一対のフレーム側ブラケット171,171と、前記両エンジン側ブラケット189,189間に配置される円筒状の回動筒190と、該回動筒190を回動可能に支承するようにして両エンジン側ブラケット189,189間に設けられる連結軸191と、横断面矩形の筒状に形成されて前記回動筒190に一端が固着されるリンク部材192と、前記両フレーム側ブラケット171,171間に配置されるとともに前記リンク部材192の他端が固着される円筒状の外筒193と、該外筒193内に同軸に配置される円筒状の内筒194と、内筒194の両端部に内周がそれぞれ焼き付けられるとともに前記外筒193の両端部に圧入される円筒状のケース195に外周がそれぞれ焼き付けられるゴムブッシュ196…と、前記内筒194を回動可能に支承するようにして前記両フレーム側ブラケット171,171間に設けられる揺動支軸197と、前記外筒193の軸方向中間部に固着されて前方に延びるアーム198と、アーム198の先端に装着されるストッパラバー199とを備える。
【0069】
前記ストッパラバー199は、両フレーム側ブラケット171,171間に設けられている支持筒172に固着された筒状の被当接体200内に、該被当接体200の上下内面にストッパラバー199の上下両面を接触させるようにして挿入される。しかも被当接体200およびストッパラバー199は、車体中心線BCから前記エンジン側ブラケット189,189および前記リンク部材192よりもさらに左側にオフセットした位置に配置される。
【0070】
このような防振リンク188では、パワーユニットPのエンジンEから揺動支軸197に作用する荷重は、ゴムブッシュ196…の弾性変形によって吸収されるとともに、ストッパラバー199が被当接体200の上下内面に押付けられて弾性変形することにより吸収され、しかもストッパラバー199が被当接体200の上下内面に当接することでパワーユニットPの上下揺動範囲が規制されることになる。
【0071】
図12を併せて参照して、パワーユニットPの上部および車体フレーム15間は、パワーユニットPの上下揺動を可能として非伸縮性の支持部材201で連結される。しかもこの第1実施例では、車体中心線BCから左側にオフセットした位置でパワーユニットPにおけるケース主体139の前寄り上部にはブラケット202が設けられ、また車体中心線BCから左側にオフセットした位置で車体フレーム15における支持ステー28および左側の補強部材29間にはブラケット203が設けられる。
【0072】
中実の円柱状に形成されている支持部材201の上端は、ゴムブッシュ204と、防振リンク188の揺動支軸197と平行な軸線を有する連結軸205とを介して車体フレーム15側のブラケット203に回動可能に連結され、また支持部材201の下端は、ゴムブッシュ206と、前記連結軸205と平行な連結軸207とを介してパワーユニットP側のブラケット202に回動可能に連結される。
【0073】
しかも前記両ブラケット202,203は、後輪WRの前方で両ブラケット202,203が支持部材201を介して連結されるようにして、パワーユニット0および車体フレーム15にそれぞれ設けられる。
【0074】
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジンEにおいて、吸気弁58および排気弁59と、吸気側および排気側ロッカアーム70,71との連動、連結点よりも燃焼室55寄りにカムシャフト68が配置され、吸気弁58および排気弁59が、開閉作動方向を平行としてシリンダヘッド41に配設されている。このため開閉作動方向を相互に平行とした吸気弁58および排気弁59と、吸気側および排気側ロッカアーム70,71との連動、連結点を相互に近い位置に配置するようにして,シリンダヘッド41の幅を狭めることができる。
【0075】
また吸気ポート56および排気ポート57の一方である吸気ポート56が、カムシャフト68の軸線に直交する平面への投影図上で該カムシャフト68の少なくとも一部を重ねるようにして、カムシャフト68の軸方向一端から離隔した位置でシリンダヘッド41に設けられている。したがってカムシャフト68を燃焼室55側により一層近接させて配置することができ、それによりシリンダ軸線Cに沿う方向でシリンダヘッド41をより一層小型化することができる。
【0076】
また吸気ポート56は、シリンダ軸線Cに直交する平面への投影図上でロッカシャフト69と交差するようにしてシリンダヘッド41に設けられており、ロッカシャフト69の軸線に沿う方向でシリンダヘッド41を小型化することができる。
【0077】
しかもカムシャフト68の軸線と平行な一直線上に、吸気ポート56および排気ポート57の燃焼室55への開口端が配置されるので、燃焼室55内でスワールを生じさせて燃焼効率を向上することができる。
【0078】
さらに吸気弁58および排気弁59の軸線を共通に含む平面P1に対して鋭角αをなす軸線を有する点火プラグ76がシリンダヘッド41に取付けられるので、点火プラグ76の周囲に吸気弁58および排気弁59に関連する部品が配置されることを回避して充分な空きスペースを確保することができ、それにより点火プラグ76に冷却風を当てやすくして点火プラグ76の効率的な冷却が可能となる。
【0079】
ところで、カムシャフト68に対応した第1組付け用開口部87と、ロッカシャフト69に対応した第2組付け用開口部98とが相互に独立してシリンダヘッド41の一側壁に設けられており、第2組付け用開口部98を閉じる第2蓋部材99が、軸方向内方への移動を阻止されるようにして第2組付け用開口部98に嵌合されており、第1蓋部材88は、第2蓋部材99の外面に係合するようにして、たとえばねじ込みによってシリンダヘッド41に固定されている。
【0080】
したがって第2蓋部材99は、シリンダヘッド41に取り付けるためのスペースを第2組付け用開口部98の周囲に確保する必要がなく、カムシャフト68およびロッカシャフト69の軸間距離を小さく設定することで、シリンダヘッド41の小型化に寄与することができる。しかもカムシャフト68を組付けるための第1支持凹部82および第1支持孔83の孔加工と、ロッカシャフト69を組付けるための第2支持凹部95および第2支持孔96の孔加工とをシリンダヘッド41の一側から同一方向で行なうことができ、煩雑な作業を不要として加工精度を充分に高めることができ、加工工数を低減することができる。
【0081】
また排気ポート57に二次空気を供給する二次空気供給路107が、エンジン本体38におけるヘッドカバー42に設けられるリード弁105に接続されており、その二次空気供給路107の一部が、外気に外面を曝すようにして両端がエンジン本体38に接続される二次空気供給パイプ117で形成されている。
【0082】
このため二次空気供給パイプ117を空冷することで、リード弁105側に熱が伝わることを抑制することができる。したがってリード弁105をヘッドカバー42に設けることによって、リード弁105および排気ポート57間の二次空気供給路107を短くしつつ、エンジンEが空冷式のものであっても、リード弁105に熱的な悪影響が及ぶことを少なくすることができる。
【0083】
しかも二次空気供給パイプ117の両端は、相互に結合されるシリンダヘッド41およびヘッドカバー42間に挟持されるものであるので、二次空気供給パイプ117をエンジン本体38に接続するためのバンドやクリップ等に接続部品が不要となり、部品点数および組付け工数の低減を図ることでコストを低減することができ、しかも接続部品を配置するためのスペースを考慮しなくてもよいことにより設計自由度を増大することができる。
【0084】
また二次空気供給パイプ117の両端外面と、ヘッドカバー42およびシリンダヘッド41との間にはOリング118,119がそれぞれ介装されており、二次空気供給パイプ117の両端の加工精度をあげることを不要としつつ、Oリング118,119の弾発力を利用して二次空気供給パイプ117の両端のヘッドカバー42およびシリンダヘッド41への接続部のシール性を高めることができ、加工工数の低減によりコストを低減することができ、バンドやクリップ等の接続部品を用いた場合に比べて組付け作業が容易となる。
【0085】
しかもエンジン本体38が、二次空気供給パイプ117を走行方向前方側に臨ませる姿勢で自動二輪車に搭載されるので、二次空気供給パイプ117を自動二輪車走行時の走行風でより一層効果的に冷却することができる。
【0086】
またエンジン本体38は、リード弁105を自動二輪車の走行方向前方に臨ませるとともに、リード弁105および二次空気供給パイプ117間を結んでヘッドカバー42に設けられる第1通路部107aを自動二輪車の走行方向前方に臨ませるようにした姿勢で自動二輪車に搭載されており、走行風による冷却効果により、リード弁105に熱的な悪影響が及ぶことをより一層少なくすることができる。
【0087】
さらに、エンジンEと、該エンジンEの出力を変速して後輪WRに伝達する動力伝達装置Tを含むパワーユニットPの前部は、防振リンク188を介して車体フレーム15に上下揺動可能に支承されており、該防振リンク188に、車体フレーム15に設けられた被当接体200に弾発的に接触してパワーユニットPの上下揺動範囲を規制するストッパラバー199が設けられ、パワーユニットPの上部および車体フレーム15間には、パワーユニットPの上下揺動を可能としてパワーユニットPおよび車体フレーム15を連結する非伸縮性の支持部材201が設けられている。
【0088】
したがって従来のリヤクッションに代えて、非伸縮性の支持部材201でパワーユニットPを車体フレーム15に支持することにより、小型、軽量化および低コスト化が可能となる。しかもパワーユニットPの上下揺動範囲は、車体フレーム15側の被当接体200に弾発的に接触するストッパラバー199の撓み量によって定まるものであり、パワーユニットPの上下揺動範囲を比較的狭い範囲に限定してスペース効率を高め、車体フレーム15側およびパワーユニットP側ともに艤装部品の配置設計を容易とし、意匠設計を含む設計自由度を増大することができる。
【0089】
また後輪WRの前方でのパワーユニットPの上部と、車体フレーム15の後部とが支持部材201で連結されるので、支持部材201を短くすることができ、より一層の軽量化および低コスト化を図ることができる。しかもシートポスト18に両端が固着される支持ステー28と、支持ステー28の左右両側およびシートポスト28間をそれぞれ連結するようにしてシートポスト28から後ろ上がりに延びる補強部材29…の一方との間に設けられるブラケット203に、支持部材201の一端が連結されるので、簡潔な構造でありながらパワーユニットPを強固に支持することができる。
【0090】
本発明の第2実施例として、図13で示すように、支持部材201′が中空の筒状に形成されていてもよく、こうすれば、パワーユニットPを車体フレーム15に支持するための構造の軽量化および低コスト化をより一層図ることができる。
【0091】
さらに本発明の第3実施例として、図14で示すように、シートポスト18に固着されたブラケット203′に、支持部材201もしくは201′が連結されていてもよく、このようにしても、簡潔な構造でパワーユニットPを強固に支持することができる。
【0092】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0093】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、二次空気供給路の一部を形成する二次空気供給パイプの外面が外気に曝されているので、二次空気供給パイプを空冷することで、リード弁側に熱が伝わることを抑制することができ、リード弁をエンジン本体に設けることによって、リード弁および排気ポート間の二次空気供給路を短くしつつ、空冷エンジンであってもリード弁に熱的な悪影響が及ぶことを少なくすることができる。また二次空気供給パイプが前後両端をシリンダヘッド及びヘッドカバー間に挟持されるので、二次空気供給パイプをエンジン本体に接続するためのバンドやクリップ等に接続部品が不要となり、部品点数および組付け工数の低減を図ることでコストを低減することができ、しかも接続部品を配置するためのスペースを考慮しなくてもよいことにより設計自由度を増大することができる。さらにリード弁と、二次空気供給路(特にヘッドカバーに形成した第1通路部、並びにヘッドカバー及びシリンダヘッド間に挟持した二次空気供給パイプ)とを自動二輪車走行時の走行風で効果的に冷却することができるので、リード弁に熱的な悪影響が及ぶことをより少なくすることができる。
【0094】
また請求項の発明によれば、二次空気供給パイプを自動二輪車走行時の走行風でより一層効果的に冷却することができる。
【0095】
また請求項の発明によれば、二次空気供給パイプの両端の加工精度をあげることを不要としつつ、Oリングの弾発力を利用して二次空気供給パイプの両端のエンジン本体への接続部のシール性を高めることができ、加工工数の低減によりコストを低減することができ、しかもバンドやクリップ等の接続部品を用いた場合に比べて組付け作業が容易となる。
【0096】
また請求項の発明によれば、通路部を自動二輪車走行時の走行風で効果的に冷却することで、リード弁に熱的な悪影響が及ぶことをより少なくすることができる。
【0097】
さらに請求項の発明によれば、リード弁を自動二輪車走行時の走行風で効果的に冷却することで、リード弁に熱的な悪影響が及ぶことをより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の自動二輪車の側面図である。
【図2】 図1の2−2線に沿う自動二輪車の後部横断平面図である。
【図3】 自動二輪車の後部拡大側面図である。
【図4】 図3の4−4線断面図である。
【図5】 図4の前部拡大図である。
【図6】 エンジン本体の前部拡大切欠き側面図であって図7の6−6線に沿う断面図である。
【図7】 図6の7−7線断面図である。
【図8】 図7の8−8線断面図である。
【図9】 図5の要部拡大図である。
【図10】 図4の後部拡大図である。
【図11】 図3の11−11線拡大断面図である。
【図12】 図3の12−12線断面図である。
【図13】 第2実施例の図12に対応した断面図である。
【図14】 第3実施例の図12に対応した断面図である。
【符号の説明】
38・・・エンジン本体
39・・・クランクケース
40・・・シリンダブロック
41・・・シリンダヘッド
42・・・ヘッドカバー
57・・・排気ポート
105・・リード弁
107・・二次空気供給路
107a・第1通路部
107b・第2通路部
108・・弁ハウジング
117・・二次空気供給パイプ
118,119・・・Oリング
E・・・・エンジン

Claims (5)

  1. 自動二輪車に搭載されてエンジン本体(38)が、シリンダブロック(40)及びシリンダヘッド(41)をクランクケース(39)に対し前傾させた姿勢で配置される自動二輪車用エンジンの排気用二次空気供給装置であって、
    シリンダヘッド(41)に設けられる排気ポート(57)に二次空気を供給する二次空気供給路(107)が、シリンダヘッド(41)の頂部に結合されるヘッドカバー(42)に固定のリード弁(105)に接続されるものにおいて、
    前記リード弁(105)は、その弁ハウジング(108)が車両側面視で、ヘッドカバー(42)及びシリンダヘッド(41)に跨がるように且つ排気ポート(57)と前後に並ぶように配置されると共に、該弁ハウジング(108)の主部(109)がヘッドカバー(42)の左右一側部に一体に形成され、
    前記二次空気供給路(107)は、リード弁(105)に通じてヘッドカバー(42)に形成される第1通路部(107a)と、排気ポート(57)に通じてシリンダヘッド(41)に形成される第2通路部(107b)とが、シリンダヘッド(41)およびヘッドカバー(42)間に前後両端を挟持されて中間部の外面が外気に曝される二次空気供給パイプ(117)で接続されて成ることを特徴とする、自動二輪車用エンジンの排気用二次空気供給装置
  2. 前記エンジン本体(38)が、前記二次空気供給パイプ(117)を走行方向前方側に臨ませる姿勢で自動二輪車に搭載されることを特徴とする、請求項に記載のエンジンの排気用二次空気供給装置。
  3. 前記二次空気供給パイプ(117)の両端外面前記シリンダヘッド(41)およびヘッドカバー(42)との各間にOリング(118,119)がそれぞれ介装されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエンジンの排気用二次空気供給装置。
  4. 前記第1通路部(107a)を、走行方向前方側に臨ませる姿勢でエンジン本体(38)が自動二輪車に搭載されることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のエンジンの排気用二次空気供給装置。
  5. 前記リード弁(105)を、走行方向前方側に臨ませる姿勢でエンジン本体(38)が自動二輪車に搭載されることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のエンジンの排気用二次空気供給装置。
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