JP2014070723A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】シフトカムを所定の位置に配置することで、エンジンの重心を下方に位置させ車体の安定化を図ると共にシフト操作を良好に行うことを目的とする。
【解決手段】ドライブシャフト234は、クランクシャフト211の軸線Lcrとカウンタシャフト231の軸線Lcoとを通る第1の平面F1よりも下方に配置され、シフトカム244は、ドライブシャフト234の軸線Ldを通る水平面Fhよりも上方に配置されると共に、上下2点の懸架部210a、210bを繋ぐ直線Leと平行且つドライブシャフト234の軸線Ldを通る車体幅方向の第2の平面F2よりも前側に配置される。
【選択図】図10

Description

本発明は、鞍乗型車両に関するものである。特に、鞍乗型車両に搭載されるエンジンについて、ギアシフト機構を構成するシフトカムの配置に関するものである。
一般的に、鞍乗型車両としての自動二輪車等は、クランクシャフトの回転が変速装置によって変速された後、ドライブスプロケット、ドライブチェーンおよびドリブンスプロケットを介して後輪に伝達される。変速装置は、カウンタシャフト、ドライブシャフト、カウンタシャフトとドライブシャフトとの間に配置される複数の変速ギア、ギアシフト機構等を有している。
ギアシフト機構は、乗員によるシフト操作に応じて回動するシフトカム、該シフトカムの回動により複数の変速ギア間の噛み合いを変更するシフトフォークを有している。シフトカムは、シフトフォークを介して変速ギア間の噛み合いを変更するものであるから、複数の変速ギアが配置されるカウンタシャフトやドライブシャフトに近接した位置に配置されることが好ましい。
例えば、特許文献1に示すエンジンは側面視において、シフトカム(シフトドラム)がドライブシャフトの下方に配置されているものが開示されている。
特開2011−74980号公報
しかしながら、上述した特許文献1のエンジンのようにシフトカムをドライブシャフトの下方に配置すると、重量のあるドライブシャフトや複数の変速ギアが上方に配置されることになってしまい、エンジンの重心が上方となり車体の安定化が図れないという問題がある。
また、シフトカムを下方に配置すると、場合によってはシフトカムからカウンタシャフトまたはドライブシャフトまでの距離が長くなり、それに応じてシフトフォークを長くしなければならず、シフトフォークの剛性が低下して、シフト操作に悪影響を与えてしまうおそれがある。また、ドライブシャフトを軸支するクランクケースは、ドライブチェーンの張力によってドライブシャフトを介して曲げ応力が作用している。したがって、シフトカムを配置する位置によっては、シフトカムが曲げ応力による影響を受け、シフト操作に悪影響を与えるおそれがある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、シフトカムを所定の位置に配置することで、エンジンの重心を下方に位置させ車体の安定化を図ると共にシフト操作を良好に行うことができる鞍乗型車両を提供する。
本発明の鞍乗型車両は、クランクシャフトと、前記クランクシャフトの回転がクラッチを介して伝達されるカウンタシャフトと、前記カウンタシャフトの回転が複数の変速ギアを介して伝達されると共に、後輪に駆動力を伝達するドライブチェーンが巻回されるドライブスプロケットが結合されたドライブシャフトと、前記複数の変速ギアの組み合せをシフトフォークを介して変更させるシフトカムと、前記クランクシャフト、前記カウンタシャフト、前記ドライブシャフトおよび前記シフトカムを回転可能に軸支するクランクケースと、を有し、後側の少なくとも上下2点の懸架部によって車体フレームに固定されたエンジンを備えた鞍乗型車両であって、側面視において、前記ドライブシャフトは、前記クランクシャフトの軸線と前記カウンタシャフトの軸線とを通る第1の平面よりも下方に配置され、前記シフトカムは、前記ドライブシャフトの軸線を通る水平面よりも上方に配置されると共に、前記上下2点の懸架部を繋ぐ直線と平行且つ前記ドライブシャフトの軸線を通る車体幅方向の第2の平面よりも前側に配置されることを特徴とすることを特徴とする。
本発明によれば、シフトカムを所定の位置に配置することで、エンジンの重心を下方に位置させ車体の安定化を図ると共にシフト操作を良好に行うことができる。
自動二輪車の全体構成を示す左側面図である。 エンジン周辺の構成を示す左側面図である。 エンジンの左側断面図である。 エンジンの右側断面図である。 図2に示すI−I線断面を矢印方向から見た斜視図である。 エンジンの左側断面図である。 変速装置の一部を後側から見た斜視図である。 変速装置の一部を右側から見た斜視図である。 図7に示す矢印A方向から見た図である。 エンジンの左側断面図である。
以下、図面に基づき、本発明に係る鞍乗型車両の好適な実施形態について説明する。本実施形態では、鞍乗型車両として自動二輪車を取り上げて説明する。
図1は、自動二輪車100の全体構成を示す左側面図である。なお、以下の説明で用いる各図では、必要に応じて車両の前側を矢印Frにより、車両の後側を矢印Rrにより示す。また、車両の右側を矢印Rにより、車両の左側を矢印Lにより示す。
図1に示すように、自動二輪車100は鋼製あるいはアルミニウム合金材でなるメインフレーム101の前部に、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された左右2本のフロントフォーク103が設けられている。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定されている。ハンドルバー104の両端にはグリップ105が取り付けられている。グリップ105の近接した位置には、乗員が操作する図示しないクラッチレバーおよびスタータスイッチ等が配置されている。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されている。前輪106は上部がフロントフェンダ107によって覆われている。また、前輪106には、前輪106と一体で回転するブレーキディスク108が取り付けられている。
メインフレーム101は、ステアリングヘッドパイプ102の後部に接続され、後側に向けて左右に分岐し、拡幅しながらそれぞれ後斜め下方に延出している。メインフレーム101の後部付近には、後斜め上方に適度に傾斜したシートレール109が延出され、ライダシート110aおよびタンデムシート110bを含むシート110を支持している。メインフレーム101やシートレール109により車体フレームが構成される。メインフレーム101の後部にはスイングアーム111がピボット軸112を中心に揺動可能に結合されている。メインフレーム101とスイングアーム111との間にはリヤショックアブソーバ113が装架されている。ピボット軸112の下方には、乗員がシフト操作をするためのシフトチェンジペダル114が配置されている。シフトチェンジペダル114を介したシフト操作はシフトロッド115を介して後述するギアシフト機構に入力される。
スイングアーム111の後端には後輪116が回転可能に支持されている。後輪116は、後述するエンジンの駆動力を伝達するドライブチェーン117が巻回されたドリブンスプロケット118を介して、回転駆動されるようになっている。後輪116の直近周囲には、その前上部付近を覆うインナフェンダ119が配置されると共に、そのインナフェンダ119の上方にはリヤフェンダ120が配置されている。
メインフレーム101にはエンジン200が搭載されている。エンジン200は、後述するように複数の懸架部を介してメインフレーム101と一体的に結合されている。本実施形態のエンジン200は、例えば4サイクル多気筒、典型的には4気筒エンジンが用いられている。
エンジン200の上方にはドーム状を呈する燃料タンク121が搭載されている。燃料タンク121は、メインフレーム101の上方全体を上部から覆うようにメインフレーム101上に支持されている。エンジン200と燃料タンク121との間には、エンジン200に清浄空気を供給するためのエアクリーナ122が配置されている。エアクリーナ122によって清浄化された空気は燃料タンク121内の燃料と混合され、エンジン200内に供給される。エンジン200において混合気を燃焼して発生した排気ガスは、エキゾーストパイプ123を経由して排気装置124から排気される。
車両外装において、車両の前部および側部は、フェアリング125およびサイドカウル126によって覆われている。また、シート110の周囲は、シートカウル127によって覆われている。流線型を有する車両の外観フォルムは、フェアリング125、サイドカウル126およびシートカウル127等の外装部材によって形成されている。
次に、本実施形態に係るエンジン200について図2〜図5を参照して説明する。図2は、エンジン200周辺の構成を示す左側面図である。図3は、エンジン200の左側断面図である。図4は、エンジン200の右側断面図である。図5は、図2に示すI−I線断面を矢印方向から見た斜視図である。
図2に示すように、エンジン200は、クランクケース201と、クランクケース201から前傾して延設されるシリンダブロック202と、シリンダブロック202の上部に配設されるシリンダヘッド203と、シリンダヘッド203を上方から閉塞するシリンダヘッドカバー204とが一体的に結合されている。
エンジン200は、複数の懸架部を介してメインフレーム101に懸架されている。
具体的には、図5に示すように、クランクケース201の後側上下には、懸架部としての軸孔210a、210bが形成されている。一方、左右のメインフレーム101には、それぞれピボット軸112を挟んだ上下に、軸孔210a、210bに連通する軸孔128a、128bが形成されている。クランクケース201の後側は、左右のメインフレーム101間に位置し、軸孔128aおよび軸孔210a、軸孔128bおよび軸孔210bにそれぞれ図示しないボルトを挿通させ締結させることで、メインフレーム101に結合される。
更に、図2に示すように、エンジン200はシリンダヘッド203と、ステアリングヘッドパイプ102からメインフレーム101の下方に分岐する懸架フレーム129とが図示しないボルトにより締結されることで、メインフレーム101に結合される。
図2に示すように、クランクケース201は、クランク室205、クランク室205の一方側(左側)に位置するマグネト室206、クランク室205の後側に位置するミッション室207、ミッション室207の他方側(右側)に位置するクラッチ室208、ミッション室207の後側に位置するブリーザ室209等が形成されている。
本実施形態のクランクケース201は、上方のアッパケース201aと下方のロアケース201bとにより上下に分割して形成され、その分割面に車体幅方向(左右方向)に沿って配設されたクランクシャフト211を回転可能に軸支している。図4に示すように、クランクシャフト211の他方側(右側)には、クランクシャフト211と一体で回転するプライマリドライブギア212が軸着されている。
図3に示すように、アッパケース201aにはシリンダブロック202が一体で形成されている。シリンダブロック202のシリンダ軸線Lcyは鉛直線に対して略30度前傾し、分割面Fdに対して直交している。シリンダブロック202は、内部にピストン213がシリンダ軸線Lcyに沿って往復運動可能に配設されている。ピストン213とクランクシャフト211とはコネクティングロッド214を介して接続されている。ピストン213の往復運動はコネクティングロッド214を介してクランクシャフト211の回転に変換される。
シリンダブロック202の頂部にはシリンダヘッド203が結合されることで、内部に燃焼室215が形成される。シリンダヘッド203には点火プラグ216が、その先端を燃焼室215内に配置させるように配設されている。
シリンダヘッド203には、燃焼室215と連通する吸気ポート217および排気ポート218が形成されている。吸気ポート217内には吸気バルブ219が配設され、排気ポート218内には排気バルブ220が配設されている。シリンダヘッド203の頂部にはシリンダヘッドカバー204が結合され、吸気バルブ219や排気バルブ220を含む動弁装置を被覆している。
また、クランクケース201の下端にはオイルパン221が設けられている。オイルパン221は、エキゾーストパイプ123と干渉しないように、一部がエキゾーストパイプ123の右側から下方に突出して形成されている。図6はエンジン200の左側断面図であり、図3よりも車体幅方向の右側で切断した図である。オイルパン221の上方であって後述するドライブシャフトの下方には、オイルパン221内のエンジンオイルをエンジン200の各部品に循環させるためのオイルポンプ222が配設されている。オイルポンプ222はクランクシャフト211の回転に伴って駆動し、オイルストレーナ223から吸引したエンジンオイルをロアケース201bの前側に設置されたオイルクーラー224およびオイルフィルタ(不図示)を通過させた上でエンジン200の各部品に供給する。
図3に戻り、クランクケース201の前側であってアッパケース201aとロアケース201bとの分割面Fdにはバランサシャフト225が回転可能に軸支されている。バランサシャフト225にはバランサウェイト226が一体で結合され、クランクシャフト211の回転と連動して回転することでエンジン200の振動を低減させる。
次に、クランクシャフト211の回転を乗員によるシフトチェンジペダル114の操作に応じて変速させてドライブチェーン117に伝達する変速装置230について、図3、図4、図7〜図9を参照して説明する。図7は、変速装置230の一部を後側から見た斜視図である。図8は、変速装置230の一部を右側から見た斜視図である。図9は、変速装置230を図7に示す矢印A方向から見た図である。
変速装置230は、ミッション室207に配設され、カウンタシャフト231、クラッチ233、ドライブシャフト234、カウンタシャフト231とドライブシャフト234とに設けられる変速ギア235、複数の変速ギア235を操作するギアシフト機構240を有している。
カウンタシャフト231とドライブシャフト234は、ミッション室207内でクランクシャフト211と平行に配設される。図3および図4に示すように、カウンタシャフト231は、クランクシャフト211の後側であって、アッパケース201aとロアケース201bとの分割面Fdで回転可能に軸支される。また、ドライブシャフト234は、クランクシャフト211の後側かつカウンタシャフト231の下方であって、ロアケース201bで回転可能に軸支される。
図7に示すように、カウンタシャフト231の右側には、カウンタシャフト231と一体で回転し、上述したプライマリドライブギア212と常に噛合するプライマリドリブンギア232が軸着されている。プライマリドリブンギア232はクラッチ室208内またはクラッチ室208に近接して配置され、プライマリドリブンギア232の直ぐ右側にはクラッチ233が設けられている。クラッチ233は、クランクケース201の右側から図示しないクラッチカバーによって覆われる。クラッチ233は、乗員によるクラッチレバーを介した操作に応じて、プライマリドリブンギア232とカウンタシャフト231との間の回転の伝達を断続する。具体的には、クラッチ233が繋がった状態ではクランクシャフト211の回転がカウンタシャフト231に伝達される。一方、クラッチ233が切断した状態ではプライマリドリブンギア232が空転し、クランクシャフトの211の回転はカウンタシャフト231に伝達されない。
カウンタシャフト231とドライブシャフト234とは、それぞれ複数の変速ギア235が設けられる。
ここで、カウンタシャフト231に設けられる複数の変速ギア235の一部は、カウンタシャフト231と一体で回転する(このような変速ギア235を、「一体回転ギア」という)。残りの変速ギア235は、カウンタシャフト231に対して相対的に回転可能である(このような変速ギア235を、「フリー回転ギア」という)。一体回転ギアの一部は、カウンタシャフト231の軸線方向に往復動可能である(このような変速ギア235を、「スライド回転ギア」という)。スライド回転ギアと、スライド回転ギアに隣接するフリー回転ギアとには、ドッグクラッチが設けられる。スライド回転ギアとフリー回転ギアとが近接すると、ドッグクラッチが繋がった状態になり、フリー回転ギアがカウンタシャフト231と一体で回転する。一方、スライド回転ギアとフリー回転ギアとが離れると、ドッグクラッチが切断した状態になり、フリー回転ギアは、カウンタシャフト231に対して相対的に回転可能な状態となる。
また、ドライブシャフト234に設けられる複数の変速ギア235も、カウンタシャフト231に設けられる複数の変速ギア235と同様に構成されている。
カウンタシャフト231に設けられる一体回転ギアのそれぞれと、ドライブシャフト234に設けられるフリー回転ギアのそれぞれとは、常に噛合している。同様に、カウンタシャフト231に設けられるフリー回転ギアのそれぞれと、ドライブシャフト234に設けられる一体回転ギアのそれぞれとは、常に噛合している。
乗員によるシフトチェンジペダル114を介したシフト操作に応じて、ギアシフト機構240がカウンタシャフト231またはドライブシャフト234の軸線方向にスライド回転ギアを移動する。スライド回転ギアの移動により、カウンタシャフト231からドライブシャフト234に回転を伝達する変速ギア235の組み合わせが変更される。
ドライブシャフト234の左端部には、ドライブシャフト234と一体で回転し、ドライブチェーン117が巻回されたドライブスプロケット236が軸着されている(図2を参照)。したがって、クランクシャフト211の回転は、変速装置230によって変速されてドライブスプロケット236に出力され、ドライブチェーン117およびドリブンスプロケット118を経由して後輪116に伝達される。
次に、乗員によるシフトチェンジペダル114のシフト操作に応じて変速ギア235の組み合わせを変更するギアシフト機構240について、図3、図4、図7〜図9を参照して説明する。
ギアシフト機構240は、ミッション室207に配設され、シフトシャフト241、シフトアーム242、シフトカム244、シフトカムストッパ250、シフトフォーク251を有している。
シフトシャフト241は、クランクシャフト211と平行に配設され、シフトカム244の上方であってアッパケース201aに回動可能に軸支される。シフトシャフト241は、乗員によるシフトチェンジペダル114のシフト操作に連動して回動する。例えば、シフトアップのシフト操作では一方方向に回動し、シフトダウンのシフト操作では他方方向に回動する。図8に示すように、シフトシャフト241の右端部には、シフトシャフト241の回動に伴って矢印方向に揺動するシフトアーム242が軸着されている。シフトアーム242は下方に延出するヘラ形状をした板状に形成され、シフトカム244を右側から覆うような位置に配置される。シフトアーム242には、後述するシフトカム244の複数のシフトピン248の一部と係合する略矩形状の開口部243が形成されている。図4には、シフトアーム242の中立状態を実線で示し、中立状態からそれぞれ前後の揺動範囲を二点鎖線で示している。シフトアーム242は、シフトシャフト241の回動に応じて前後何れかの方向に揺動し、揺動後に中立状態に戻るように付勢されている。
シフトカム244は、クランクシャフト211と平行に配設され、アッパケース201aに回動可能に軸支される。シフトカム244は、カム本体部245と、ストッパプレート247とを有している。カム本体部245は、円筒カムである。カム本体部245の外周面には、所定の数および所定の形状のカム溝246が形成される。本実施形態では、3つのカム溝246が形成されている。ストッパプレート247は、カム本体部245の右端部に固定され、軸線方向に所定の厚さを有する板状に形成されている。ストッパプレート247の右端面には、複数のシフトピン248が設けられている。複数のシフトピン248は、軸線方向の右側に突出するピン状の部材である。複数のシフトピン248は、シフトカム244の回動中心から半径方向に所定の距離だけ離れた位置に、円周方向に等間隔に並べられるように設けられる。複数のシフトピン248の一部は、シフトアーム242の開口部243内で係合する。したがって、シフトアーム242が揺動することで、係合しているシフトピン248の一部を介してストッパプレート247が回動し、カム本体部245も同様に回動する。シフトアーム242が揺動後に中立状態に戻った場合、揺動前の中立状態で係合していたシフトピン248とは異なるシフトピン248に係合する。
また、ストッパプレート247は、外周面に凹状の位置決め部249が円周方向に等間隔に形成されている(図4を参照)。シフトカムストッパ250はシフトカム244のストッパプレート247に近接した位置に配設されている。シフトカムストッパ250は、ストッパプレート247の位置決め部249と係合する方向に付勢され、位置決め部249と係合することでシフトカム244の回動位置を位置決めする。したがって、エンジン200の振動等によりシフトカム244が不用意に回動してしまうことが防止される。
シフトフォーク251は、シフトフォークシャフト252に沿って往復動可能に支持されている(図3、図9を参照)。本実施形態では、3つのシフトフォーク251が設けられている。シフトフォークシャフト252は、カウンタシャフト231およびドライブシャフト234に平行に配設され、アッパケース201aとロアケース201bとの分割面Fdで軸支されている。シフトフォーク251は、シフトカム244の所定のカム溝246に係合すると共に、カウンタシャフト231に設けられた所定のスライド回転ギア(変速ギア235)またはドライブシャフト234に設けられた所定のスライド回転ギア(変速ギア235)に係合する。シフトフォーク251は、ストッパプレート247の回動に応じてシフトカム244が回動すると、カム溝246の形状に応じてシフトフォークシャフト252の軸線方向に移動する。シフトフォーク251は、移動に応じて所定のスライド回転ギア(変速ギア235)を、カウンタシャフト231またはドライブシャフト234の軸線方向に移動させる。所定のスライド回転ギア(変速ギア235)が移動することにより、カウンタシャフト231からドライブシャフト234への回転の伝達経路、すなわち変速ギア235の組み合わせが変更される。
本実施形態の自動二輪車100には、乗員によるスタータスイッチの操作に応じてクランクシャフト211を強制的に回動させてエンジン200を始動させる始動装置260が配設されている。ここでは、始動装置260について、図2〜図4、図7〜図9を参照して説明する。始動装置260は、スタータモータ261、トルクリミッタ264、始動ギアを有している。本実施形態の始動ギアは複数で構成され、具体的には第一のアイドルギア269と第二のアイドルギア270とを有している。
スタータモータ261は、シリンダブロック202の後側とクランクケース201との間で形成される谷状の空間に配設される。図7〜図9に示すように、スタータモータ261の出力軸262は右側に向かって延出している。スタータモータ261の出力軸262の先端にはギア263が形成され、トルクリミッタ264に噛合している。トルクリミッタ264は、スタータモータ261の下方であってアッパケース201a内に配設されている。トルクリミッタ264は、スタータモータ261からクランクシャフト211側へのトルクのみを伝達し、クランクシャフト211側からスタータモータ261側へのトルクを遮断するように構成されている。トルクリミッタ264のシャフト265は、右側に向かって延出している。図8、図9に示すように、シャフト265の先端には第一の伝達ギア266が軸着され、第二の伝達ギア267に噛合している。
第二の伝達ギア267は、第一の伝達ギア266の前斜め下方であってクランクケース201のアッパケース201a内に配設されている。第一の伝達ギア266と第二の伝達ギア267とは製造コストを削減できるように同径に形成されている。したがって、第二の伝達ギア267は、第一の伝達ギア266との間で減速することなく、次に続く第一のアイドルギア269や第二のアイドルギア270を、所望の位置すなわち前斜め下方に配置させる役割を有する。
第二の伝達ギア267のシャフト268は右側に向かって延出している。シャフト268の先端には第二の伝達ギア267よりも大径な第一のアイドルギア269が軸着されている。図8に示すように、シャフト268は、ギアシフト機構240、具体的にはシフトアーム242やシフトカムストッパ250と干渉しないように配置される。本実施形態では、図9に示すように、第二の伝達ギア267と第一のアイドルギア269とは、シフトアーム242を挟んだ左右に配置される。また、図4に示すように、側面視で第一のアイドルギア269は、シフトカムストッパ250の一部が重なり合うように配置されている。第一のアイドルギア269は第一のアイドルギア269よりも大径な第二のアイドルギア270に噛合している。
第二のアイドルギア270は、第一のアイドルギア269の前斜め下方であってクランクケース201のアッパケース201a内でシャフト271に軸着されて配設されている。図4に示すように、側面視において、第二のアイドルギア270は、シリンダ軸線Lcy方向におけるシリンダブロック202の下方に配置されている。また、第二のアイドルギア270は、シフトアーム242、より具体的にはシフトアーム242の揺動範囲(図4に示す二点鎖線)の一部が重なり合うように配置されている。第二のアイドルギア270は、前斜め下方に配置されたクランクシャフト211の右端部に軸着されたワンウェイクラッチ272に噛合している。
乗員によるスタータスイッチを介した操作に応じて、スタータモータ261が回転する。スタータモータ261の回転に伴って、第一の伝達ギア266、第二の伝達ギア267、第一のアイドルギア269および第二のアイドルギア270を介してクランクシャフト211が強制的に回転されることで、エンジン200が始動する。
次に、上述したように構成されるエンジン200において、エンジン200の重心を下方に位置させ車体を安定化させると共に、シフト操作を良好に行うことができるシフトカム244の配置について詳細に説明する。
図10は、エンジン200の左側断面図であり、図3と同様の図である。
まず、側面視において、シフトカム244は、ドライブシャフト234の軸線Ldを通る水平面Fhよりも上方に配置されている。なお、本実施形態では、水平面Fh上にクランクシャフト211の軸線Lcrが含まれている。このように、シフトカム244を水平面Fhよりも上方に配置することで、シフトカム244よりも重量があるドライブシャフト234をクランクケース201の下方に配置することができる。したがって、エンジン200の重心を下方に位置させることができるので、車体を安定化させることができる。また、シフトカム244を上方に配置したことで、ドライブシャフト234の下方に部品を配置できるスペースを確保することができる。本実施形態では、ドライブシャフト234の下方にはオイルパン221およびオイルポンプ222が配置されている。
また、側面視において、ドライブシャフト234は、クランクシャフト211の軸線Lcrとカウンタシャフト231の軸線Lcoとを通る第1の平面F1よりも下方に配置されている。なお、本実施形態では、第1の平面F1は、アッパケース201aとロアケース201bの分割面Fdに共通している。このように配置されたエンジン200において、シフトカム244を水平面Fhよりも上方に配置することで、シフトカム244とカウンタシャフト231およびドライブシャフト234との間の距離を近接させることができる。したがって、シフトカム244からカウンタシャフト231またはドライブシャフト234に延出するシフトフォーク251の長さを短くすることができる。シフトフォーク251の長さを短くすることでシフトフォーク251の剛性が向上し、シフト操作の操作性が向上する。仮に、シフトカム244を水平面Fhよりも下方に配置させてしまうと、シフトカム244からカウンタシャフト231までの距離が長くなってしまう。したがって、シフトフォーク251の長さも長くしなければならず、シフトフォーク251の剛性が低下し、シフト操作の操作性に悪影響を与えてしまう。
また、側面視において、シフトカム244は、エンジン200の後側の上下2点の懸架部としての軸孔210aと軸孔210bとを繋ぐ直線Leと平行且つドライブシャフト234の軸線Ldを通る車体幅方向の第2の平面F2よりも前側に配置されている。シフトカム244を第二の平面F2よりも前側に配置することで、ドライブシャフト234からの曲げ応力の影響を受ける配置を避けることができ、シフト操作の操作性が向上する。すなわち、ドライブシャフト234はドライブチェーン117の張力によって後側に向かって負荷がかかっている。したがって、クランクケース201のうち第2の平面F2よりも後側では曲げ応力が特に作用している。仮に、第2の平面F2よりも後側にシフトカム244を配置すると、曲げ応力によりシフトカム244の配置を変位させる力が作用する。そのため、シフトフォーク251がスムーズに移動しないために、シフト操作の操作性に悪影響を与えてしまう。
また、側面視において、シフトカム244は、クランクシャフト211の軸線Lcrとカウンタシャフト231の軸線Lcoとを通る第1の平面F1よりも上方に配置されている。シフトカム244を第一の平面F1よりも上方に配置することで、シフトカム244が爆発荷重から受ける影響を低減させることができる。したがって、シフト操作に与える影響を回避することができる。
また、側面視において、シフトカム244は、シリンダ軸線Lcyを通る車体幅方向の第3の平面F3と、第3の平面F3に平行且つカウンタシャフト231の軸線Lcoを通る第4の平面F4との間に配置されている。シフトカム244を第3の平面F3と第4の平面F4との間に配置することで、クランクケース201内における部品の集中配置を図ることができる。したがって、クランクケース201内の空間を有効に利用できると共にマスの集中化を図ることができる。なお、本実施形態では、側面視において、バランサシャフト225が第3の平面F3よりも前側に配置されている。したがって、第3の平面F3と第4の平面F4との間にシフトカム244を配置できるスペースを確保することができる。
また、クランクケース201はアッパケース201aおよびロアケース201bにより上下に分割して構成されている。そして、ドライブシャフト234はロアケース201bに配置され、シフトカム244はアッパケース201aに配置されている。したがって、ドライブシャフト234を介してロアケース201bが受ける曲げ応力は分割面Fdにより解放されるために、アッパケース201a側では緩和される。したがって、アッパケース201aに配置されたシフトカム244は、曲げ応力の影響が受ける配置を避けることができ、シフト操作の操作性が向上する。
なお、ここでは、シフトカム244の配置を第1〜第4の平面等とシフトカム244自体とで比較することにより特定したが、この場合に限られない。例えば、シフトカム244の配置を第1〜第4の平面等とシフトカム244の軸線Lca(回動中心)とで比較することにより特定してもよい。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限
定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、本実施形態では鞍乗型車両として自動二輪車を適用する場合について説明したがこの場合に限られず、自動三輪車等にも適用することができる。
また、変速装置230、ギアシフト機構240および始動装置260についても、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、適宜変更等が可能である。例えば、シフトカム244とシフトフォーク251には、公知の各種構成が適用できる。また、シフトカム244に設けられるシフトピン248の数やカム溝246の数および形状は、特に限定されない。これらは、変速ギア235の構成等に応じて適宜設定されるものである。
また、本実施形態では、始動ギアが第一のアイドルギア269と第二のアイドルギア270とを有する、2つの場合について説明したが、この場合に限られず、一つであってもよく、3つ以上であってもよい。
100:自動二輪車 101:メインフレーム 113:シフトチェンジペダル 116:後輪 117:ドライブチェーン 118:ドリブンスプロケット 128a、129a:軸孔(懸架部) 200:エンジン 201:クランクケース 202:シリンダブロック 203:シリンダヘッド 204:シリンダヘッドカバー 210a、210b:軸孔 211:クランクシャフト 212:プライマリドライブギア 230:変速装置 231:カウンタシャフト 232:プライマリドリブンギア 233:クラッチ 234:ドライブシャフト 235:変速ギア 236:ドライブスプロケット 240:ギアシフト機構 242:シフトアーム 244:シフトカム 246:カム溝 247:ストッパプレート 250:シフトカムストッパ 251:シフトフォーク 260:始動装置 261:スタータモータ 262:出力軸 264:トルクリミッタ 265:シャフト 266:第一の伝達ギア 267:第二の伝達ギア 268:シャフト 269:第一のアイドルギア 270:第二のアイドルギア 271:シャフト

Claims (4)

  1. クランクシャフトと、
    前記クランクシャフトの回転がクラッチを介して伝達されるカウンタシャフトと、
    前記カウンタシャフトの回転が複数の変速ギアを介して伝達されると共に、後輪に駆動力を伝達するドライブチェーンが巻回されるドライブスプロケットが結合されたドライブシャフトと、
    前記複数の変速ギアの組み合せをシフトフォークを介して変更させるシフトカムと、
    前記クランクシャフト、前記カウンタシャフト、前記ドライブシャフトおよび前記シフトカムを回転可能に軸支するクランクケースと、
    を有し、後側の少なくとも上下2点の懸架部によって車体フレームに固定されたエンジンを備えた鞍乗型車両であって、
    側面視において、
    前記ドライブシャフトは、前記クランクシャフトの軸線と前記カウンタシャフトの軸線とを通る第1の平面よりも下方に配置され、
    前記シフトカムは、前記ドライブシャフトの軸線を通る水平面よりも上方に配置されると共に、前記上下2点の懸架部を繋ぐ直線と平行且つ前記ドライブシャフトの軸線を通る車体幅方向の第2の平面よりも前側に配置されることを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 側面視において、
    前記シフトカムは、前記第1の平面よりも上方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 側面視において、
    前記シフトカムは、シリンダ軸線を通る車体幅方向の第3の平面と、前記第3の平面に平行且つ前記カウンタシャフトの軸線を通る第4の平面との間に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両。
  4. 側面視において、
    前記クランクケースは、アッパケースおよびロアケースにより上下に分割されて構成され、
    前記ドライブシャフトは、前記ロアケースに配置され、
    前記シフトカムは、前記アッパケースに配置されることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の鞍乗型車両。
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