JP2012243742A - 有機elディスプレイ用の反射アノード電極を含む配線構造 - Google Patents

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【課題】Al反射膜を有機層と直接接続させても、光沢度が高く、色彩の表現力に優れたAl合金反射膜を備えた有機ELディスプレイ用の反射アノード電極を含む配線構造を提供する。
【解決手段】基板1上に、有機ELディスプレイ用の反射アノード電極を構成するAl合金膜6、および発光層を含む有機層8を有する配線構造であって、Al合金膜6は、希土類元素を0.05〜5原子%含有し、且つ、光沢度は800%以上であり、Al合金膜6の上に発光層8を含む有機層が直接接続しているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機ELディスプレイ(特に、トップエミッション型)において使用される反射アノード電極を含む配線構造に関するものである。
自発光型のフラットパネルディスプレイの1つである有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と記載する)ディスプレイは、ガラス板などの基板上に有機EL素子をマトリックス状に配列して形成した全固体型のフラットパネルディスプレイである。有機ELディスプレイでは、陽極(アノード)と陰極(カソード)とがストライプ状に形成されており、それらが交差する部分が画素(有機EL素子)にあたる。この有機EL素子に外部から数Vの電圧を印加して電流を流すことで、有機分子を励起状態に押し上げ、それが元の基底状態(安定状態)へ戻るときにその余分なエネルギーを光として放出する。この発光色は有機材料に固有のものである。
有機EL素子は、自己発光型および電流駆動型の素子であるが、その駆動方式にはパッシブ型とアクティブ型がある。パッシブ型は構造が簡単であるが、フルカラー化が困難である。一方アクティブ型は大型化が可能であり、フルカラー化にも適しているが、アクティブ型にはTFT基板が必要である。このTFT基板には低温多結晶Si(p−Si)もしくはアモルファスSi(a−Si)などのTFTが使われている。
このアクティブ型の有機ELディスプレイの場合、複数のTFTや配線が障害となって、有機EL画素に使用できる面積が小さくなる。駆動回路が複雑となりTFTが増えてくると、さらにその影響は大きくなる。最近では、ガラス基板から光を取り出すのではなく、上面側から光を取り出す構造(トップエミッション)にすることで、開口率を改善する方法が注目されている。
トップエミッションでは、下面の陽極(アノード)には正孔注入に優れるITO(酸化インジウムスズ)が用いられる。また上面の陰極(カソード)にも透明導電膜を使う必要があるが、ITOは、仕事関数が大きく電子注入には適さない。さらにITOは、スパッタ法やイオンビーム蒸着法で成膜するため、成膜時のプラズマイオンや二次電子が電子輸送層(有機EL素子を構成する有機材料)にダメージを与えることが懸念される。そのため薄いMg層や銅フタロシアニン層を電子輸送層上に形成することで、ダメージの回避と電子注入改善が行われる。
このようなアクティブマトリックス型のトップエミッション有機ELディスプレイで用いられるアノード電極は、有機EL素子から放射された光を反射する目的を兼ねて、ITOやIZO(酸化インジウム亜鉛)に代表される透明酸化物導電膜と反射膜との積層構造とされる(反射アノード電極)。この反射アノード電極で用いられる反射膜は、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの反射性金属膜であることが多い。例えば、既に量産されているトップエミッション方式の有機ELディスプレイにおける反射アノード電極には、ITOとAg合金膜との積層構造が採用されている。
反射率を考慮すれば、AgまたはAgを主体として含むAg基合金は反射率が高いため、有用である。なお、Ag基合金は、耐食性に劣るという特有の課題を抱えているが、その上に積層されるITO膜で当該Ag基合金膜を被覆することにより、上記課題を解消することができる。しかし、Agは材料コストが高いうえ、成膜に必要なスパッタリングターゲットの大型化が難しいという問題があるため、Ag基合金膜を、大型テレビ向けにアクティブマトリックス型のトップエミッション有機ELディスプレイ反射膜に適用するのは困難である。
一方、反射率のみを考慮すれば、Alも反射膜として良好である。例えば特許文献1は、反射膜としてAl膜またはAl−Nd膜を開示しており、Al−Nd膜は反射効率が優秀で望ましい旨を記載している。
しかし、Al反射膜をITOやIZOなどの酸化物導電膜と直接接触させた場合は、接触抵抗(コンタクト抵抗)が高く、有機EL素子への正孔注入に充分な電流を供給することができない。それを回避するために、反射膜に、AlではなくMoやCrなどの高融点金属を採用したり、Al反射膜と酸化物導電膜との間にMoやCrなどの高融点金属をバリアメタルとして設けると、反射率が大幅に劣化し、ディスプレイ特性である発光輝度の低下を招いてしまう。
そこで特許文献2は、バリアメタルを省略できる反射電極(反射膜)として、Niを0.1〜2原子%含有するAl−Ni合金膜を提案している。これによれば、純Al並みの高い反射率を有し、且つ、Al反射膜をITOやIZOなどの酸化物導電膜と直接接触させても低い接触抵抗を実現できる。
特開2005−259695号公報 特開2008−122941号公報
ところで、トップエミッションの有機ELディスプレイでは、陽極(アノード)から上層となる有機層への正孔注入を考えるとき、正孔は陽極材料の最高被占分子軌道(HOMO)から有機層のHOMOへと移動するため、これらの軌道のエネルギー差が注入障壁となる。現在、エネルギー障壁の低いITOが量産に使われているが、仮にITOの下地層の影響などによって、ITOの仕事関数が小さくなってしまうと、このエネルギー障壁が高くなってしまう。例えば、トップエミッション方式有機ELディスプレイ用反射アノード電極において、ITOなどの酸化物導電膜(以下、ITOで代表させる場合がある。)とAl反射膜(またはAl合金反射膜)との積層構造(上層=ITO/下層=Al合金)におけるITO膜表面の仕事関数は、現在量産されている積層構造(上層=ITO/下層=Ag基合金)に比べ、0.1〜0.2eV程度低くなるという問題がある。この原因は詳細には不明であるが、ITO膜表面の仕事関数が0.1〜0.2eV程度低くなると、このITO膜の上層に形成される有機発光層における発光開始電圧(閾値)が約数V程度高電圧側にシフトし、同じ発光強度を維持する場合、消費電力が高くなってしまうという問題がある。
また、有機ELディスプレイでは、ITO膜のピンホールや、ITO膜とAl反射膜とのコンタクト特性の面内バラツキなどにより、発光強度にムラが生じるという問題もある。
このような問題に対し、ITO膜を用いず、Al反射膜と有機層を直接接続することが可能な有機層の開発が進められている。
しかし、Al反射膜を保護するITO膜が無い状況下では、有機層形成までの間にAl反射膜が剥き出しの状態で存在するため、例えば純Alを用いた際には微細な表面荒れが発生し易く、光沢度が低下して反射特性が低下するという問題を招く。
本発明の目的は、Al反射膜を有機層と直接接続させても、光沢度が高く、色彩の表現力に優れたAl合金反射膜を備えた有機ELディスプレイ用の反射アノード電極を含む配線構造を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の配線構造は、基板上に、有機ELディスプレイ用の反射アノード電極を構成するAl合金膜および有機層を有する配線構造であって、前記Al合金膜は、希土類元素を0.05〜5原子%含有し、且つ、光沢度は800%以上であり、前記Al合金膜の上に発光層を含む有機層が直接接続しているところに要旨を有するものである。
本発明の好ましい実施形態において、前記希土類元素は、Nd、Gd、La、Y、Ce、PrおよびDyよりなる群から選択される1種以上の元素である。
本発明の好ましい実施形態において、前記Al合金膜は、前記基板上に形成された薄膜トランジスタのソース・ドレイン電極に電気的に接続されている。
本発明には、上記のいずれかに記載の配線構造を備えた薄膜トランジスタ基板、および当該薄膜トランジスタ基板を備えた有機ELディスプレイも包含される。
本発明によれば、有機ELディスプレイ用反射アノード電極を構成するAl合金膜として、光沢度に優れた、希土類元素を含むAl合金膜を使用しているため、色彩の表現力に優れた有機ELディスプレイ用の反射アノード電極を提供することができた。
図1は、本発明の反射アノード電極を備えた有機ELディスプレイを示す概略図である。
本発明の特徴部分は、Al反射膜を有機層と直接接続させても色彩の表現力に優れた有機ELディスプレイ用の反射アノード電極として、希土類元素を含むAl合金膜(以下、Al−希土類元素合金膜、または単にAl合金膜と略記する場合がある。)中の希土類元素量の上限を5原子%とし、且つ、光沢度が800%以上のAl合金膜を用いたところにある。
すなわち本発明者らの検討結果によれば、(ア)電極の光沢度は有機ELディスプレイの色彩に大きな影響を及ぼしており、電極材料を構成する上記Al合金膜の結晶粒の粒径(詳細には、Feret径と呼ばれる定方向接線径の最大値)が大きい場合や、当該粒径の密度が小さい場合には、Al合金膜の光沢度が低下し、結果的に有機ELディスプレイの色彩の表現力に劣ること、(イ)詳細にはAl合金膜の光沢度は、成膜直後の上記粒径のサイズや密度によってほぼ決定され、成膜後に熱処理(アニール)を行なっても、光沢度の変化は殆ど見られないこと、(ウ)高い光沢度を実現するためには、成膜条件(好ましくはスパッタリング時の温度およびArガス圧)を適切に制御することが有効であること、が判明した。更にAl合金膜中の希土類元素の含有量もAl合金膜の光沢度と密接な関係を有しており、(エ)希土類元素の含有量が増加するにつれて光沢度は上昇する傾向にあるが、多量に添加すると、エッチング残渣の問題から有機ELディスプレイの色彩が損なわれることから、その上限を5原子%に制御することが有効であること、(オ)このように光沢度および希土類元素の含有量が適切に制御されたAl合金膜は、有機ELディスプレイ用反射アノード電極の素材として、単独で用いることもできるし、その下部にMoなどの高融点金属膜が積層された積層材料として用いることもできることを見出し、本発明を完成した。
このように本発明に用いられるAl−希土類合金膜の光沢度は800%以上とする。これにより、有機ELディスプレイの色彩表現力も高められる。光沢度は高い程良く、好ましくは805%以上である。なお、Al合金膜の光沢度の上限は特に規定されないが、所望の光沢度を確保するための条件(Al合金膜に含まれる希土類元素の含有量やAl合金膜の製造条件など、詳細は後述する。)を考慮すると、おおむね、840%程度である。Al合金膜の光沢度は、後記する実施例に記載の方法で測定した値である。
本発明に用いられるAl合金膜は、希土類元素を0.05〜5原子%含有し、残部:Alおよび不可避的不純物である。本発明では、使用するAl合金膜の組成に特徴はなく、希土類元素を含むAl合金膜が耐熱性を有しており、電極材料として用いられることは知られているが、光沢度に優れた有機ELディスプレイ用の反射アノード電極に好適な素材を提供するとの観点から、光沢度および希土類元素の含有量が適切に制御されたAl合金膜はこれまで開示されていない。希土類元素の含有量の下限は、耐熱性作用を有効に発揮させるために定められたものであり、一方、その上限は、本発明で規定する光沢度の下限を確保するために定められたものである。すなわち後記する実施例に示すように、Al合金膜の光沢度は希土類元素の含有量と密接に関係しており、同じ条件でAl合金膜を作製した場合、希土類元素の含有量が多くなる程、Al合金膜の光沢度も増加する傾向にあるが、希土類元素の含有量が多くなり過ぎるとエッチング残渣の新たな問題が生じて色彩が損なわれるため、その上限を5原子%と定めた。また上記範囲内であれば、配線の電気抵抗も低く抑えることができる。
本発明に用いられる希土類元素としては、ランタノイド元素(周期表において、原子番号57のLaから原子番号71のLuまでの合計15元素)に、Sc(スカンジウム)とY(イットリウム)とを加えた元素群が挙げられる。本発明ではこれらの元素を、単独または2種以上を併用して用いることができ、上記希土類元素の含有量とは、単独で含むときは単独の量であり、2種以上を含むときはその合計量である。好ましい希土類元素は、Nd、Gd、La、Y、Ce、PrおよびDyよりなる群から選択される1種以上の元素である。
本発明では、電極材料として、上記のAl合金膜を単独で用いても良いし、或いは上記Al合金膜の下に高融点金属膜が積層されたものを用いても良い。高融点金属膜は、Alの酸化を防止するためにAl合金膜の下地層などとして汎用されており、本発明でも、Mo、Ti、Cr、W、またはこれらの合金を用いることができる。
上記Al合金膜を単独で用いるときの好ましい厚さは、おおむね50〜600nmである。また、上記Al合金膜を高融点金属膜との積層構造として用いるときの、好ましい合計厚さ(基板側から順に、高融点金属膜+Al合金膜)は、おおむね80〜700nmであり、そのときのAl合金膜の好ましい厚さは、おおむね50〜600nm、高融点金属膜の好ましい厚さは、おおむね30〜100nmである。
本発明において、光沢度が適切に制御されたAl合金膜を得るためには、所定の希土類元素を含有するAl合金膜を用いることに加え、スパッタリング時の条件を適切に制御することが好ましい。すなわち上記Al合金膜の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法などが挙げられるが、本発明では、細線化や膜内の合金成分の均一化を図り、添加元素量を容易にコントロールできるなどの観点から、Al合金膜をスパッタリング法で形成することが推奨され、スパッタリング時の成膜温度をおおむね、270℃以下、Arガス圧をおおむね、15mTorr以下に制御することが好ましい。またスパッタリング時の基板温度をおおむね、270℃以下に制御することが好ましい。基板温度や成膜温度が高いほどスパッタ粒子が基板表面で動き易くなり、粗大な結晶粒径を形成する原因となり、結果的に光沢度が低下するからである。また、Arガス圧が高くなると、スパッタ粒子とArガス圧の衝突頻度が高くなるため、スパッタ粒子が基板に到達した際のエネルギーが低くなって結晶粒の密度が低下し、結果的に、光沢度が低下するからである。
上述した好ましいスパッタリング条件で成膜した(直後の)Al合金膜の光沢度は、800%以上と高く、このような高い光沢度は、その後の熱処理(アニール)の条件にかかわらず、そのまま維持される。この点、熱処理後のAl合金膜の状態(結晶粒のサイズや密度など)の影響を強く受ける反射率とは大きく相違する。有機ELディスプレイの製造プロセスでは、一般に室温〜約250℃程度の熱履歴に曝されることが多いが、アニール温度が上記範囲を超えて、例えば300℃で熱処理を行なったとしても、熱処理後のAl合金膜の光沢度は800%以上の高いレベルを持続している(後記する実施例を参照)。ただし、樹脂の耐熱性を考慮すると、好ましい熱処理温度は約150〜230℃である。
本発明では、有機層と直接接続するAl合金膜からなる電極に特徴があり、それ以外の構成は特に限定されず、有機ELディスプレイの分野で通常用いられる公知の構成を採用することができる。
次に、図1を用いて、本発明の反射アノード電極を備えた有機ELディスプレイの一実施形態の概略を説明する。ただし、本発明は、図1に示す有機ELディスプレイに限定する趣旨ではなく、当該技術分野において通常用いられる構成を適宜採用することができる。
本実施形態では、基板1上にTFT2およびパシベーション膜3が形成され、さらにその上に平坦化層4が形成される。TFT2上にはコンタクトホール5が形成され、コンタクトホール5を介してTFT2のソース・ドレイン電極(図示せず)とAl合金膜(反射膜)6とが電気的に接続されている。本発明では、Al合金膜6が反射アノード電極を構成している。これを反射アノード電極と呼ぶこととしたのは、Al合金膜6が有機EL素子の反射電極として作用し、且つ、TFT2のソース・ドレイン電極に電気的に接続されているためにアノード電極として働くためである。また、反射アノード電極はソース・ドレイン電極と同一の電極であっても良く、これによっても本発明の効果が発揮される。
Al合金膜6の直上に有機発光層8が形成され、さらにその上にカソード電極9が形成される。すなわち、従来の有機ELディスプレイでは、Al合金膜6と有機発光層8との間に酸化物導電膜が形成されているのに対し、本発明の反射アノード電極を有する図1の有機ELディスプレイでは、酸化物導電膜は不要である。本実施形態では、所定のAl合金膜6を使用しているため、Al合金膜6を有機発光層8に直接接続しても、発光特性のバラツキを抑えられる。また、このような有機ELディスプレイでは、有機発光層8から放射された光が本発明の反射アノード電極で効率よく反射されるので、優れた発光輝度を実現できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
無アルカリ硝子板(板厚0.7mm、直径4インチ)を基板とし、その表面に、DCマグネトロンスパッタリング法で、下記表1に示すように希土類元素の種類および含有量(単位は原子%であり、残部:Alおよび不可避的不純物)が異なるAl合金膜(膜厚はいずれも約100nm)を形成した。成膜は、成膜前にチャンバー内の雰囲気を一旦、到達真空度:3×10-6Torrにしてから、各Al合金膜と同一の成分組成の直径4インチの円盤型ターゲットを用い、表1に示すように成膜温度およびArガス圧(表1にはAr圧力と記載)を種々変化させて行なった。これら以外のスパッタリング条件は以下のとおりである。次に、成膜後のAl合金について、窒素雰囲気中、表1に記載の種々のアニール温度にて30分間熱処理を行なった。表1中、「−」とは加熱なし(すなわち室温)を意味する。尚、形成されたAl合金膜の組成は、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)質量分析法で確認した。
(スパッタリング条件)
・Arガス流量:30sccm
・スパッタパワー:130W
・成膜温度:室温
上記の様にして得られたAl合金膜を用いて、JIS K7105−198に基づき、60°鏡面光沢度を測定した。光沢度は、屈折率1.567のガラス表面の光沢度を100としたときの値(%)で表記した。
更に上記の様に成膜して得られたアルミニウム合金膜を用いて、エッチング残渣を評価した。詳細には、40℃に加温して混酸エッチング液(リン酸:硝酸:酢酸:水=70:2:10:18)にAl合金膜を浸漬し、エッチング完了時間+50%の時間に相当する時間(オーバーエッチング時間)エッチングを行なった。エッチング後のガラス表面を光学顕微鏡(倍率1000倍)およびSEM(倍率3万倍)で観察し、いずれで観察してもエッチング残渣が見られなかったものを○、SEM観察でのみエッチング残渣が見られたものを△、SEM観察だけでなく光学顕微鏡による観察でもエッチング残渣が見られたものを×とした。本実施例では、○または△をエッチング性良好と判断する。
Al合金膜の代わりに純Al膜を形成した試料についても、上記と同様にして光沢度およびエッチング残渣を測定した。
これらの結果を表1に併記する。表1には、熱処理(アニール)後の光沢度の結果を記載しているが、この値は、成膜直後(アニール前)の光沢度と殆ど変わらないことを確認している。
Figure 2012243742
表1中、No.4〜18は、いずれも希土類元素としてNdを含むAl合金膜の例である。スパッタリング条件およびアニール温度がすべて同じ場合、Nd量の増加に伴って光沢度は増加する傾向にあることが分かる[例えばアニール温度が室温(−)の場合、No.4、5、6、7、17、18を参照]。また、Nd量が多くなるとエッチング残渣が観察されるようになるが、本発明で規定する上限(5原子%)の範囲内では、合格圏内であった。また光沢度は、スパッタリング条件とも深く関係しており、Arガス圧力が本発明の好ましい範囲を超える条件で作製したNo.14の光沢度は、所望の光沢度(800%以上)が得られなかった。一方、光沢度は成膜温度とも深く関係しており、高温になると光沢度が低下する傾向が見られるが、一般的なプロセス温度を超える温度である270℃においても所望の光沢度(800%以上)が得られることを確認した。更にNo.7、15、16は、いずれもNdを0.6原子%含むAl合金膜を同じ条件でスパッタリングし、熱処理温度のみを変えた例[No.7のアニール温度=室温、No.15のアニール温度=150℃、No.16のアニール温度=300℃]であるが、熱処理温度にかかわらず、光沢度は略同程度(約820%)であり、光沢度は、熱処理による影響を殆ど受けないことが分かった。
上記の実験結果より、所定の光沢度を確保するためには、Nd量の上限を5原子%とし、スパッタリング条件について、成膜温度を270℃以下、Arガス圧力を15mTorr以下に制御することが有効であることが確認された。
表1中、No.19〜24は、Nd以外の希土類元素を含むAl合金膜を用いた例である。これらはいずれも、本発明で規定する希土類元素の含有量を含み、且つ、スパッタリング条件を本発明の好ましい範囲に制御して作製したため、光沢度が本発明の範囲内に制御されていた。また、Nd以外の上記希土類元素を用いた場合にも、上述したNdと同様の実験結果が見られることを実験により確認している(表1には示さず)。
これらの結果より、本発明のAl−希土類元素合金膜を用いれば、光沢度が高く、色彩の表現力に優れた有機ELディスプレイを提供できることが大いに期待される。
これに対し、No.1〜3は、希土類元素を含まない純Alの例であり、スパッタリング条件を本発明の好ましい範囲に制御したにもかかわらず、本発明で規定する光沢度の範囲に制御することはできなかった。
1 基板
2 TFT
3 パシベーション膜
4 平坦化層
5 コンタクトホール
6 Al合金膜(反射膜)
8 有機発光層
9 カソード電極

Claims (5)

  1. 基板上に、有機ELディスプレイ用の反射アノード電極を構成するAl合金膜、および発光層を含む有機層を有する配線構造であって、
    前記Al合金膜は、希土類元素を0.05〜5原子%含有し、且つ、光沢度は800%以上であり、前記Al合金膜の上に前記有機層が直接接続していることを特徴とする配線構造。
  2. 前記希土類元素は、Nd、Gd、La、Y、Ce、PrおよびDyよりなる群から選択される1種以上の元素である請求項1に記載の配線構造。
  3. 前記Al合金膜が、前記基板上に形成された薄膜トランジスタのソース・ドレイン電極に電気的に接続されている請求項1または2に記載の配線構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の配線構造を備えた薄膜トランジスタ基板。
  5. 請求項4に記載の薄膜トランジスタ基板を備えた有機ELディスプレイ。
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