JP2014120486A - 表示装置または入力装置に用いられる電極、および電極形成用スパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な導電性(低い配線抵抗)を有し、高精度な微細加工が容易であり、且つAg合金膜(単層)と同程度の高反射率を有する電極を提供すること。
【解決手段】本発明の表示装置または入力装置に用いられる電極は、基板側に形成されたAl合金からなる第1層と、その上方に形成されたAl合金の酸化物または窒化物からなる第2層と、前記第2層の上方に形成されたAg合金からなる第3層を含む積層膜からなり、前記電極の膜厚は100〜800nm、前記第2層の膜厚は1〜10nm、前記第3層の膜厚は70〜480nmであり、且つ前記電極の膜厚に占める前記第3層の膜厚比率は10〜70%である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の表示装置または入力装置に用いられる電極は、基板側に形成されたAl合金からなる第1層と、その上方に形成されたAl合金の酸化物または窒化物からなる第2層と、前記第2層の上方に形成されたAg合金からなる第3層を含む積層膜からなり、前記電極の膜厚は100〜800nm、前記第2層の膜厚は1〜10nm、前記第3層の膜厚は70〜480nmであり、且つ前記電極の膜厚に占める前記第3層の膜厚比率は10〜70%である。
【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置または入力装置の電極、および電極形成用スパッタリングターゲットに関し、詳細には液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置やタッチパッドなどの入力装置に用いられる電極、および当該電極の形成に用いられるスパッタリングターゲットに関するものである。
Ag合金は主に電極材料として用いられており、電極としては、液晶ディスプレイ(LDC)における薄膜トランジスタ用のゲート電極、ソース−ドレイン電極、有機EL(OELD)における薄膜トランジスタ用のゲート電極、ソース−ドレイン電極並びに反射電極、フィールドエミッションディスプレイ(FED)におけるカソードおよびゲート電極、蛍光真空管(VFD)におけるアノード電極、プラズマディスプレイ(PDP)におけるアドレス電極、無機ELにおける背面電極などが挙げられる。またAg合金は、上記液晶ディスプレイや有機ELなどの表示装置にタッチパネルなどの入力機能を備えた入力装置や、タッチパッドなどのように表示装置とは独立した入力装置においても同様に電極として用いられている。
以下では、表示装置として自発光型のフラットパネルディスプレイの1つである有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と記載する)ディスプレイを代表的に取り上げ、説明するがこれに限定する趣旨ではない。
有機ELディスプレイは、ガラス板などの基板上に有機EL素子をマトリックス状に配列して形成した全固体型のフラットパネルディスプレイである。有機ELディスプレイでは、陽極(アノード)と陰極(カソード)とがストライプ状に形成されており、それらが交差する部分が画素(有機EL素子)にあたる。この有機EL素子に外部から数Vの電圧を印加して電流を流すことで、有機分子が励起状態に押し上げられ、この励起状態の有機分子が元の基底状態(安定状態)へ戻るときに生じるエネルギーが光として放出される。この発光色は有機材料に固有のものである。
有機EL素子は、自発光型かつ電流駆動型の素子であり、その駆動方式にはパッシブ型とアクティブ型がある。パッシブ型は構造が簡単であるが、フルカラー化が困難である。一方アクティブ型は大型化が可能であり、フルカラー化にも適しているが、TFT基板が必要である。このTFT基板には低温多結晶Si(p−Si)またはアモルファスSi(a−Si)などのTFTが使われている。
このアクティブ型の有機ELディスプレイの場合、複数のTFTや配線が障害となって、有機EL画素に使用できる面積が小さくなる。駆動回路が複雑となりTFTが増えてくると、さらにその影響は大きくなる。そこで最近では、ガラス基板から光を取り出すのではなく、上面側から光を取り出す構造(トップエミッション)にすることで、開口率を改善する方法が注目されている。
このようなアクティブ型のトップエミッション有機ELディスプレイでは、有機層の下面(TFT基板側)の陽極(アノード電極)に、正孔注入に優れるITO(酸化インジウムスズ)やIZO(酸化インジウム亜鉛)に代表される透明酸化物導電膜が用いられる。また、発光層から放射された光を反射する目的を兼ねて、上記アノード電極は、上記透明酸化物導電膜と反射膜との積層構造とされる。該反射膜としては、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの反射性金属膜が用いられることが多い。例えば、既に量産されているトップエミッション方式の有機ELディスプレイにおける反射アノード電極には、ITOと純Ag膜またはAgを主体として含むAg合金膜との積層構造が採用されている。
純Ag膜またはAg合金膜は反射率が高いため有用である。しかしながら純AgまたはAg合金膜は、ウェットエッチング時のエッチングレートが速いため、エッチング特性に問題があることが指摘されている。例えばAg合金膜は、リン硝酢酸などのウェットエッチング液によりエッチングされる速度が早く、大面積基板においてエッチング精度よく微細加工することが難しい。特に等方性エッチングによるAg合金膜のサイドエッチが増加し、形成された側面の側面(サイドエッチ)が凹凸になるなどエッチング精度に問題があり、寸法精度よく微細加工することが困難であった。したがって、Ag合金膜は所望の寸法精度や形状で加工することが難しいため、発光不良や漏れ光、電気的接触不良などの原因となり、有機ELディスプレイなどの表示装置自体の信頼性低下を招いていた。
このような問題を解決する技術として、特許文献1には、Ag合金から構成される陽極の寸法及び形状を精度良く制御する技術として、陽極をAlで構成される密着層と、前記密着層の上方に設けられ、Ag合金で構成される反射層とを含み、前記反射層の端面及び前記密着層の端面は連続し、前記反射層の膜厚が50nm以上80nm以下である有機EL素子が提案されている。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、良好な導電性(低い配線抵抗)と、高反射率を有する表示装置または入力装置に用いられる電極を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明とは、表示装置または入力装置に用いられる電極であって、前記電極は、基板側に形成されたAl合金からなる第1層と、その上方に形成されたAl合金の酸化物または窒化物からなる第2層と、前記第2層の上方に形成されたAg合金からなる第3層を含む積層膜からなり、前記電極の膜厚は100〜800nm、前記第2層の膜厚は1〜10nm、前記第3層の膜厚は70〜480nmであり、且つ前記電極の膜厚に占める前記第3層の膜厚比率は10〜70%であることに要旨を有する電極である。
また前記第1層および/または前記第2層のAl合金は、合金元素として、(1−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;および/または(1−B)Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種を0.05〜0.7原子%;よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することも好ましい実施態様である。
更に前記Ag合金は、合金元素として、(2−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;(2−B)Biおよび/またはCuを0.05〜1.0原子%;(2−C)Pd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種を0.1〜1.5原子%;および(2−D)Znおよび/またはInを0.1〜1.5原子%;よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することも好ましい実施態様である。
上記希土類元素がNd、La、Gd、およびCeよりなる群から選択される少なくとも一種であることも好ましい。
上記電極は、ゲート電極、ソース−ドレイン電極、反射電極として好ましく用いられる。また本発明の電極を備えた有機EL素子、薄膜トランジスタ、入力装置が含まれる。
また本発明には、電極形成用Al合金スパッタリングターゲットも含まれており、該スパッタリングターゲットは、(1−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;および/または(1−B)Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種を0.05〜0.7原子%;よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することに要旨を有する。
同様に本発明には、電極形成用Ag合金スパッタリングターゲットも含まれており、該スパッタリングターゲットは、(2−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;(2−B)Cuを0.05〜1.0原子%、および/またはBiを0.25〜5.0原子%;(2−C)Pd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種を0.1〜1.5原子%;および(2−D)Znおよび/またはInを0.1〜1.5原子%;よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することに要旨を有する。
更に上記Al合金スパッタリングターゲット、およびAg合金スパッタリングターゲットが希土類元素を含む場合、希土類元素はNd、La、GdおよびCeよりなる群から選択される少なくとも一種であることが推奨される。
本発明の電極は、Al合金からなる第1層(基板側)と、Al合金の酸化物または窒化物からなる第2層(第1層と第3層の間の中間層)と、Ag合金からなる第3層とを含む積層膜を有し、且つ膜厚を適切に制御しているため、高い反射率を示すと共に第1層から第3層間で良好な接触抵抗を示す。その結果、本発明に係る電極は、従来のAg合金単層膜では困難であった高反射率と良好な配線抵抗を兼備することが可能となる。
また本発明によれば、上記本発明に係る表示装置または入力装置に用いられる電極の形成に好適なスパッタリングターゲットを提供することが可能となる。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、表示装置または入力装置に用いられる電極において、電極を、基板側から順に、Al合金からなる第1層と、その上方に形成されたAl合金の酸化物または窒化物からなる第2層と、該第2層の上方に形成されたAg合金からなる第3層を含む積層膜(第1層、第2層、第3層は、夫々直接接していてもよいし、直接接していなくてもよい)とし、該電極の膜厚、および該電極を構成する各層の膜厚を適切に制御すればよいことを見出し、本発明を完成した。
本発明に到達した経緯は以下の通りである。まず、従来のAg合金膜(単層)の問題点、すなわち、レジストをマスクとしたウェットエッチングによるパターニングに際してエッチング精度よく微細加工することが難しいという問題に対しては、Al膜とAg合金膜の積層構造とすることでエッチングレートを調整でき、解決できることが知られている(上記特許文献1)。これはAl膜のエッチングレートがAg合金膜のエッチングレートよりも遅いため、Al膜がエッチングレートコントロール機能を奏するからである。この技術によれば電極をAg合金膜とAl膜の積層構造とすることで、エッチングレートの調整が図られ、Ag合金膜の過剰エッチングを抑制することが可能となり、寸法を高精度で加工することができる。
しかしながら、近年、表示装置の電極には配線の微細化と共に配線抵抗の抑制という相反する特性が求められている。更に有機ELディスプレイなどに用いられる反射電極は、配線の微細化や配線抵抗の抑制に加えて高反射率も求められている。そのため特許文献1に開示されているような従来技術は、配線を高精度でエッチング加工することはできるものの、対象となる陽極のAg合金膜が50〜80nmと薄いため安定した高反射率を確保することも困難であった。更にAl膜は上記エッチングレートコントロール機能があるものの、十分な反射率を有さないため、高反射率を確保することが難しかった。
本発明者らが検討した結果、反射率を考慮しつつ良好な微細加工性を確保するには基板側に設ける第1層を純Al(或いはAl酸化物やAl金属間化合物)で形成しても達成することは困難であり、Al合金膜を用いることが有用であることがわかった。
更に検討を重ねたところ、Al合金膜とAg合金膜を単純に積層させただけでは、ITOなどの透明酸化物導電膜や絶縁膜の形成など、薄膜トランジスタや有機EL素子などを製造する過程における高温(例えば300℃程度)の熱履歴によって、Al合金膜からAg合金膜にAlが拡散し、Ag合金膜の反射率が低下することがわかった。
そこで、本発明者らがこのような問題を解消できる構成について検討した結果、上記したように第1層(Al合金膜)と第3層(Ag合金膜)との間に中間層として第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を設けることが有効であることがわかった。すなわち、中間層として設けた第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)はAl拡散防止層としての機能を発揮し、第1層(Al合金膜)から第3層(Ag合金膜)にAlが拡散するのを防止し、第3層(Ag合金膜)の反射率の低下を抑制できることがわかった。
一方、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を介在させた場合、酸化物や窒化物の絶縁層が生成し、接触抵抗が高くなるという問題が生じることがあるが、第2層の膜厚を適切に制御することによって、良好な接触抵抗が得られ、上記拡散防止効果を発揮しつつ、低い配線抵抗を兼備できることがわかった。
上記中間層の形成による効果について本発明者らが第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)、第3層(Ag合金膜)をこの順で積層させた反射電極(積層膜)を作製し、反射率、微細加工性(パターニングした際の寸法精度、および残渣の有無)、接触抵抗について検討した結果、後記実施例の表1から以下の知見を得た。
まず、表1のNo.1のように第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を設けない場合、Alの拡散を防止できず、反射電極の反射率が悪化することがわかった。
一方、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を設けることで拡散防止効果を発揮し、反射率は良好となるが(No.2〜4)、膜厚が厚くなりすぎると微細加工性や接触抵抗が悪化する傾向を示した(No.5)。
上記結果から、良好な反射率、微細加工性、接触抵抗を確保するためには第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の膜厚を適切に制御することが有効であることがわかった。
また第3層(Ag合金膜)について、No.6、7、12、13の対比から膜厚が薄くなると反射率が低下することがわかった。これは第3層(Ag合金膜)の膜厚が薄くなると第3層(Ag合金膜)を透過してしまう光が多くなり、第3層(Ag合金膜)での反射率が低下すると共に、透過した光に対する第1層(Al合金膜)と第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の反射率が低いため、反射電極全体の反射率が低下したものと考えられる。
なお、表1には記載していないが、第3層(Ag合金膜)の膜厚を厚くする程、反射電極の反射率は向上するが、第1層(Al合金)によるエッチングレートコントロール機能が十分な効果を奏さず、高精度な微細加工が困難になることがわかった。
更に実験の結果、第1層(Al合金膜)と第3層(Ag合金膜)との膜厚比率の関係が、微細加工性に影響を及ぼすこともわかった。すなわち、第3層(Ag合金膜)の膜厚比率が70%を超えるとエッチングされる第3層(Ag合金膜)が多くなるため、微細加工性が悪化した。この傾向は第3層(Ag合金膜)の膜厚にかかわらず、電極(積層膜)の膜厚に対する比率が70%を超えた場合に生じた。
これらの結果から、良好な接触抵抗、微細加工性、および反射率を確保するには、第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化膜)、第3層(Ag合金膜)を単純に積層するだけでなく、所定の膜厚の範囲内において、積層膜の全膜厚に対する第3層(Ag合金膜)の膜厚の比率も適切に制御する必要があることがわかった。このように膜厚を適切に制御することで、良好な配線抵抗を得るために電極を厚膜化(例えば800nm程度まで)しても、良好な上記特性を確保できることを見出し、本発明に至った。
次に本発明者らは電極を構成する第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)、第3層(Ag合金膜)の成分組成が反射率、微細加工性、接触抵抗に及ぼす影響について検討した。
まず、第1層(Al合金膜)について、様々な合金元素を添加して上記特性との関係を調べたところ、合金元素のうちでも特に希土類元素、Ti、Ta、W、およびNbが反射率、微細加工性、接触抵抗の向上に好適であることがわかった(表2参照)。
またこれら合金元素を添加する場合、反射率や接触抵抗との関係で好ましい含有量が存在した。すなわち、合金元素を含有しない純Al膜は(表2のNo.1)、微細加工性や接触抵抗は良好であったが、反射電極に要求される反射率は満足できなかった。また上記合金元素を添加した場合でも、含有量が多くなり過ぎるとエッチング後の第1層(Al合金膜)に合金成分が残渣として残存し、微細加工性が悪化することがわかった(表2のNo.5、9、12)。
なお、他の要件を満足し、且つ第2層が適切な膜厚であれば、Al合金の酸化物膜(表2のNo.2〜4、No.6〜8)、Al合金の窒化物膜(表2のNo.10、11、13)のいずれでも所望の反射率、微細加工性、接触抵抗が得られる。
更に本発明者らは第3層(Ag合金膜)についても、様々な合金元素を添加して上記特性との関係を調べたところ、合金元素のうちでも特に希土類元素、Bi、Cu、Pd、Pt、Au、In、およびZnが反射率や接触抵抗の向上に好適であることがわかった(表3A、3B参照)。
またこれら合金元素を添加する場合、反射率や接触抵抗との関係で好ましい含有量が存在した。すなわち、合金元素を添加しない純Ag膜は(表3AのNo.1、No.33)、反射率が低く、反射電極に要求される反射率を満足できなかった。また上記合金元素を添加した場合であっても、含有量が多くなりすぎると、反射率が低下する傾向を示すことがわかった(例えば表3AのNo.2→No.5など)。
これら表1、2、3A、3Bに示す実験結果から、Al合金膜やAg合金膜の合金元素や膜厚を適切に制御することで反射率や微細加工性を向上できることがわかった。また第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を設けることで反射率が向上するが、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を厚膜化し過ぎると接触抵抗や微細加工性が悪くなり、所望の配線抵抗や加工性が得られないことがわかった。そして本発明ではこのような結果に基づいて後記するように合金元素、およびその含有量について規定した。
以下、本発明に係る表示装置または入力装置に用いられる電極について説明する。
(電極の構成)
本発明の表示装置または入力装置に用いられる電極は、基板側に形成されたAl合金からなる第1層と、その上方に形成されたAl合金の酸化物または窒化物からなる第2層と、第2層の上方に形成されたAg合金からなる第3層を含む積層膜で構成されている。
(電極の構成)
本発明の表示装置または入力装置に用いられる電極は、基板側に形成されたAl合金からなる第1層と、その上方に形成されたAl合金の酸化物または窒化物からなる第2層と、第2層の上方に形成されたAg合金からなる第3層を含む積層膜で構成されている。
本発明の上記積層膜は、基板側から順に、上記第1層(Al合金膜)、上記第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)、上記第3層(Ag合金膜)がこの順番で積層された三層構造とすることも好ましい実施態様である。
なお、本発明の積層膜はこれに限定されず、任意の層(第4層)を含んでも良い趣旨である。したがって第1層(Al合金膜)と第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)と第3層(Ag合金膜)の間に任意の第4層(任意の成分組成の膜)が形成されていてもよい。第4層としては密着性向上に寄与する公知の密着性向上膜などが例示される。
(電極の膜厚)
本発明において、良好な配線抵抗、反射率、微細加工性を発揮する電極(積層膜)の膜厚として、100〜800nmの範囲内とすることが必要である。膜厚が100nmを下回ると配線抵抗が増大すると共に、安定した反射率が得られなくなるなどの問題が生じる。一方、800nmを超えると微細加工性の悪化や上層膜(パッシベーション膜など)のカバレッジが悪くなり断層などの問題が生じる。電極の好ましい膜厚は120nm以上、より好ましくは150nm以上であって、好ましくは700nm以下、より好ましくは500nm以下である。
本発明において、良好な配線抵抗、反射率、微細加工性を発揮する電極(積層膜)の膜厚として、100〜800nmの範囲内とすることが必要である。膜厚が100nmを下回ると配線抵抗が増大すると共に、安定した反射率が得られなくなるなどの問題が生じる。一方、800nmを超えると微細加工性の悪化や上層膜(パッシベーション膜など)のカバレッジが悪くなり断層などの問題が生じる。電極の好ましい膜厚は120nm以上、より好ましくは150nm以上であって、好ましくは700nm以下、より好ましくは500nm以下である。
(第1層(Al合金膜)の膜厚)
第1層(Al合金膜)は、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)と第3層(Ag合金膜)を透過した光を反射すると共に、ウェットエッチング時のエッチングレートのコントロール層としての役割を担う層である。第1層(Al合金膜)の膜厚は第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)や第3層(Ag合金膜)との関係で上記電極の膜厚の範囲内となるように適宜調整すればよい。第1層(Al合金膜)の膜厚は、好ましくは29nm以上、より好ましくは35nm以上、更に好ましくは44nm以上である。一方、第1層(Al合金膜)の膜厚が厚くなりすぎると、上記電極の膜厚との関係で第3層(Ag合金膜)の膜厚が薄くなりすぎて、反射率が低下し、また第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の効果も十分に得られなくなる。したがって第1層(Al合金膜)の膜厚の上限は、729nm以下とすることが好ましく、より好ましくは629nm以下、更に好ましくは449nm以下である。
第1層(Al合金膜)は、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)と第3層(Ag合金膜)を透過した光を反射すると共に、ウェットエッチング時のエッチングレートのコントロール層としての役割を担う層である。第1層(Al合金膜)の膜厚は第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)や第3層(Ag合金膜)との関係で上記電極の膜厚の範囲内となるように適宜調整すればよい。第1層(Al合金膜)の膜厚は、好ましくは29nm以上、より好ましくは35nm以上、更に好ましくは44nm以上である。一方、第1層(Al合金膜)の膜厚が厚くなりすぎると、上記電極の膜厚との関係で第3層(Ag合金膜)の膜厚が薄くなりすぎて、反射率が低下し、また第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の効果も十分に得られなくなる。したがって第1層(Al合金膜)の膜厚の上限は、729nm以下とすることが好ましく、より好ましくは629nm以下、更に好ましくは449nm以下である。
(第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の膜厚)
第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)は第1層(Al合金膜)から第3層(Ag合金膜)へのAlの拡散防止層としての役割を担う。十分な拡散バリア性を確保する観点からは、膜厚は1nm以上とする必要があり、好ましくは2nm以上、より好ましくは3nm以上である。一方、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の膜厚が厚くなりすぎると、電気抵抗率の高い第2層が配線全体に占める比率が上昇することで第1層から第3層間の接触抵抗が上昇したり、エッチング残渣が発生して微細加工性が悪化することから10nm以下とする必要があり、好ましくは8nm以下、より好ましくは6nm以下である。
第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)は第1層(Al合金膜)から第3層(Ag合金膜)へのAlの拡散防止層としての役割を担う。十分な拡散バリア性を確保する観点からは、膜厚は1nm以上とする必要があり、好ましくは2nm以上、より好ましくは3nm以上である。一方、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の膜厚が厚くなりすぎると、電気抵抗率の高い第2層が配線全体に占める比率が上昇することで第1層から第3層間の接触抵抗が上昇したり、エッチング残渣が発生して微細加工性が悪化することから10nm以下とする必要があり、好ましくは8nm以下、より好ましくは6nm以下である。
(第3層(Ag合金膜)の膜厚)
第3層(Ag合金膜)は、特に反射電極における反射膜としての役割を担う。高い反射率を確保するためには、70nm以上とする必要があり、好ましくは90nm以上、より好ましくは100nm以上である。一方、第3層(Ag合金膜)の膜厚が厚すぎると、ウェットエッチング時のエッチング量が増加して所望の配線幅が得られず微細加工性が悪化するため、480nm以下とする必要があり、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
第3層(Ag合金膜)は、特に反射電極における反射膜としての役割を担う。高い反射率を確保するためには、70nm以上とする必要があり、好ましくは90nm以上、より好ましくは100nm以上である。一方、第3層(Ag合金膜)の膜厚が厚すぎると、ウェットエッチング時のエッチング量が増加して所望の配線幅が得られず微細加工性が悪化するため、480nm以下とする必要があり、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
(第3層(Ag合金膜)の膜厚比率)
本発明に係る電極(積層膜)の膜厚(100〜800nm)に占める第3層(Ag合金膜)の膜厚比率は10〜70%である。第3層(Ag合金膜)の膜厚比率が低下すると所望の反射率が得られないため、第3層(Ag合金膜)の膜厚比率は10%以上とする必要があり、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。一方、第3層(Ag合金膜)の比率が高くなりすぎると、第1層(Al合金膜)による上記エッチングレートコントロール効果が十分に得られず、ウェットエッチング時のエッチング量が増えて高精度な微細加工が困難となる。したがって、第3層(Ag合金膜)の膜厚比率は70%以下とする必要があり、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下である。
本発明に係る電極(積層膜)の膜厚(100〜800nm)に占める第3層(Ag合金膜)の膜厚比率は10〜70%である。第3層(Ag合金膜)の膜厚比率が低下すると所望の反射率が得られないため、第3層(Ag合金膜)の膜厚比率は10%以上とする必要があり、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。一方、第3層(Ag合金膜)の比率が高くなりすぎると、第1層(Al合金膜)による上記エッチングレートコントロール効果が十分に得られず、ウェットエッチング時のエッチング量が増えて高精度な微細加工が困難となる。したがって、第3層(Ag合金膜)の膜厚比率は70%以下とする必要があり、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下である。
なお、上記第1層(Al合金膜)のエッチングレートのコントロール効果を発現するためには、第1層(Al合金膜)の膜厚比率は好ましくは29%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上である。
(第1層(Al合金膜)の成分組成)
本発明において、第1層(Al合金膜)の成分組成は、特に限定されず、従来から用いられているAl合金膜の成分組成を採用することが可能であるが、電極を厚膜化しつつ、良好な反射率、配線抵抗、微細加工性を発揮するためには、以下の合金元素を所定の範囲で含有することが望ましい。
本発明において、第1層(Al合金膜)の成分組成は、特に限定されず、従来から用いられているAl合金膜の成分組成を採用することが可能であるが、電極を厚膜化しつつ、良好な反射率、配線抵抗、微細加工性を発揮するためには、以下の合金元素を所定の範囲で含有することが望ましい。
第1層(Al合金)に添加する合金元素は、[(1−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;および/または(1−B)Ti、Ta、WおよびNbよりなる群から選択される少なくとも一種を0.05〜0.7原子%]よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。これら元素は、単独で添加してもよいし、任意の二種以上を併用してもよい。すなわち、(1−A)群、および(1−B)群のうち、いずれか一群を単独で用いてもよいし、全部(二群)を併用してもよい。また各群を構成する元素は、単独、または任意の二種以上を併用することができる(後記するスパッタリングターゲットにおいても同様である)。
なお、各群の含有量は、単独で含むときは単独の含有量であり、複数の元素を含むときは合計量である(第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)、第3層(Ag合金膜)についても同じ)。
上記効果との関係で、Al合金の好ましくは90原子%以上、より好ましくは95原子%以上がAlとなるように調整することが望ましい。
第1層を構成するAl合金は、好ましくは上記元素を含み、残部:Alおよび不可避的不純物である。
(1−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%
希土類元素は、Al合金の組織の粗大化を抑えて反射率の低下抑制に寄与する元素である。このような効果を発揮させるために、希土類元素は好ましくは0.05原子%以上、より好ましくは0.1原子%以上、更に好ましくは0.15原子%以上である。組織の粗大化抑制の観点からは希土類元素の含有量が高いほどよいが、含有量が多すぎると希土類元素がエッチング後に残渣となり、リーク電流が増大したり、ガラス基板の透過率が低下することがあるため、好ましくは1.0原子%以下、より好ましくは0.8原子%以下、更に好ましくは0.6原子%以下である。
希土類元素は、Al合金の組織の粗大化を抑えて反射率の低下抑制に寄与する元素である。このような効果を発揮させるために、希土類元素は好ましくは0.05原子%以上、より好ましくは0.1原子%以上、更に好ましくは0.15原子%以上である。組織の粗大化抑制の観点からは希土類元素の含有量が高いほどよいが、含有量が多すぎると希土類元素がエッチング後に残渣となり、リーク電流が増大したり、ガラス基板の透過率が低下することがあるため、好ましくは1.0原子%以下、より好ましくは0.8原子%以下、更に好ましくは0.6原子%以下である。
上記希土類元素とは、ランタノイド元素(周期表において、原子番号57のLaから原子番号71のLuまでの合計15元素)に、Sc(スカンジウム)とY(イットリウム)とを加えた元素群を意味する。好ましい希土類元素は、Nd、La、Gd、およびCeよりなる群から選択される少なくとも一種(より好ましい希土類元素は、Nd、La)である。
(1−B)Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種を0.05〜0.7原子%
Ti、Ta、W、およびNbは、上記希土類元素と同じく、組織粗大化を抑えて反射率低下抑制に寄与する元素である。このような効果を発揮させるため、Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種は、好ましくは0.05原子%以上、より好ましくは0.1原子%以上、更に好ましくは0.15原子%以上である。上記粗大化抑制の観点からはTi、Ta、W、およびNbの含有量は多い方がよいが、多すぎると希土類元素と同様に残渣が生じて、リーク電流の増大や、透過率の低下が生じることがあるため、好ましくは0.7原子%以下、より好ましくは0.5原子%以下、更に好ましくは0.4原子%以下である。これらの中でも好ましい元素は、Ti、Taである。
Ti、Ta、W、およびNbは、上記希土類元素と同じく、組織粗大化を抑えて反射率低下抑制に寄与する元素である。このような効果を発揮させるため、Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種は、好ましくは0.05原子%以上、より好ましくは0.1原子%以上、更に好ましくは0.15原子%以上である。上記粗大化抑制の観点からはTi、Ta、W、およびNbの含有量は多い方がよいが、多すぎると希土類元素と同様に残渣が生じて、リーク電流の増大や、透過率の低下が生じることがあるため、好ましくは0.7原子%以下、より好ましくは0.5原子%以下、更に好ましくは0.4原子%以下である。これらの中でも好ましい元素は、Ti、Taである。
上記(1−A)、(1−B)群の合金元素を含有する好ましい第1層(Al合金膜)の成分組成としてはAl−0.2原子%Nd、Al−0.2原子%Nd−0.3原子%Taが例示される。
(第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の成分組成)
第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)に添加する合金元素は、特に限定されず、従来から用いられているAl合金膜の成分組成を採用することが可能であり、また第1層(Al合金)と成分組成が同一、または異なっていてもよいが、電極を厚膜化しつつ、良好な反射率、接触抵抗、微細加工性を発揮するためには、上記第1層(Al合金)と同じ合金元素を所定の範囲で含有することが望ましい。
第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)に添加する合金元素は、特に限定されず、従来から用いられているAl合金膜の成分組成を採用することが可能であり、また第1層(Al合金)と成分組成が同一、または異なっていてもよいが、電極を厚膜化しつつ、良好な反射率、接触抵抗、微細加工性を発揮するためには、上記第1層(Al合金)と同じ合金元素を所定の範囲で含有することが望ましい。
すなわち、第2層(Al合金)に添加する合金元素は好ましくは、[(1−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;および/または(1−B)Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種を0.05〜0.7原子%]よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することである(各合金元素の含有量の好ましい範囲も上記第1層(Al合金膜)と同じである)。上記のように(1−A)群、(1−B)群のうち、いずれか一群を単独で用いてもよいし、二群を併用してもよく、また各群を構成する元素は、単独、または任意の二種以上を併用することができる(後記するスパッタリングターゲットにおいても同様である)。第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の合金元素の組成比率は第1層(Al合金膜)と同じであってもよいし、異なっていてもよいが、成膜容易性、製造コストの観点から第1層(Al合金膜)と同じとすることが好ましい。なお、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)はAlの拡散防止効果を発現できればよく、膜厚にもよるが第2層の全てのAl合金が酸化または窒化されていなくてもよい。好ましくは第2層は、第1層のAl合金の酸化物(例えばAl酸化物、および/または添加合金の酸化物)または窒化物(例えばAl窒化物、および/または添加合金の窒化物)で構成されていることが望ましい。
上記効果との関係で、より好ましい実施態様としては、Alと合金元素の合計を100%とした場合、好ましくは90原子%以上、より好ましくは95原子%以上がAlとなるように調整することが望ましい。
上記第2層の酸化物または窒化物を構成する金属元素は、好ましくは上記添加元素と、残部:Alおよび不可避的不純物である。
(第3層(Ag合金膜)の成分組成)
本発明において、第3層(Ag合金膜)の成分組成は、特に限定されず、従来から用いられているAg合金膜の成分組成を採用することが可能であるが、電極を厚膜化しつつ、良好な反射率、配線抵抗、微細加工性を発揮するためには、以下の合金元素を所定の範囲で含有することが好ましい。
本発明において、第3層(Ag合金膜)の成分組成は、特に限定されず、従来から用いられているAg合金膜の成分組成を採用することが可能であるが、電極を厚膜化しつつ、良好な反射率、配線抵抗、微細加工性を発揮するためには、以下の合金元素を所定の範囲で含有することが好ましい。
合金元素として好ましくは、[(2−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;(2−B)Biおよび/またはCuを0.05〜1.0原子%;(2−C)Pd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種を0.1〜1.5原子%;および(2−D)Znおよび/またはInを0.1〜1.5原子%]よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することである。上記(2−A)〜(2−D)群のうち、いずれか一群を単独で用いてもよいし、複数(任意の二群以上)を併用してもよい。また各群を構成する元素は、単独または任意の二種以上を併用してもよく、また各群の含有量は、上記したように単独の含有量、或いは合計量である(後記するスパッタリングターゲットにおいても同様である)。
上記効果(特に反射率)との関係で、より好ましい実施態様としては、Ag合金の98原子%以上99.98原子%以下がAgとなるように調整することである。
第3層を構成するAg合金は、好ましくは上記元素を含み、残部:Agおよび不可避的不純物である。
(2−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%
希土類元素は、熱履歴によるAg結晶粒の成長を抑えて反射率低下を抑制すると共に、ハロゲンイオンに起因する凝集抑制(耐ハロゲン性)に寄与する元素である。このような効果を発揮させるため希土類元素は好ましくは0.05原子%以上、より好ましくは0.1原子%以上、更に好ましくは0.15原子%以上である。上記効果向上の観点からは希土類元素の含有量が多いほどよいが、多すぎると反射率がかえって低下することがあるため、好ましくは1.0原子%以下、より好ましくは0.7原子%以下、更に好ましくは0.5原子%以下である。
希土類元素は、熱履歴によるAg結晶粒の成長を抑えて反射率低下を抑制すると共に、ハロゲンイオンに起因する凝集抑制(耐ハロゲン性)に寄与する元素である。このような効果を発揮させるため希土類元素は好ましくは0.05原子%以上、より好ましくは0.1原子%以上、更に好ましくは0.15原子%以上である。上記効果向上の観点からは希土類元素の含有量が多いほどよいが、多すぎると反射率がかえって低下することがあるため、好ましくは1.0原子%以下、より好ましくは0.7原子%以下、更に好ましくは0.5原子%以下である。
上記希土類元素とは、上記第1層と同じくランタノイド元素、Sc、Yを意味し、好ましい希土類元素は、Nd、La、Gd、およびCeよりなる群から選択される少なくとも一種(より好ましい希土類元素は、Nd、La)である。
(2−B)Biおよび/またはCuを0.05〜1.0原子%
Bi、Cuは、上記希土類元素と同じく、Ag結晶粒の成長抑制や耐ハロゲン性向上に寄与する元素である。このような効果を発揮させるためBiおよび/またはCuは好ましくは0.05原子%以上、より好ましくは0.07原子%以上、更に好ましくは0.1原子%以上である。上記効果向上の観点からはBi、Cuの含有量が多いほどよいが、多すぎると反射率がかえって低下することがある。Biおよび/またはCuは好ましくは1.0原子%以下、より好ましくは0.7原子%以下、更に好ましくは0.5原子%以下である。これらの中でも好ましい元素は、Biである。
Bi、Cuは、上記希土類元素と同じく、Ag結晶粒の成長抑制や耐ハロゲン性向上に寄与する元素である。このような効果を発揮させるためBiおよび/またはCuは好ましくは0.05原子%以上、より好ましくは0.07原子%以上、更に好ましくは0.1原子%以上である。上記効果向上の観点からはBi、Cuの含有量が多いほどよいが、多すぎると反射率がかえって低下することがある。Biおよび/またはCuは好ましくは1.0原子%以下、より好ましくは0.7原子%以下、更に好ましくは0.5原子%以下である。これらの中でも好ましい元素は、Biである。
(2−C)Pd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種を0.1〜1.5原子%
Pd、Pt、およびAuは、上記希土類元素やBi、Cuと同じく、Ag結晶粒の成長抑制や耐ハロゲン性向上に寄与する元素である。このような効果を発揮させるためPd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種は好ましくは0.1原子%以上、より好ましくは0.15原子%以上、更に好ましくは0.2原子%以上である。上記効果向上の観点からはPd、Pt、およびAuの含有量が多いほどよいが、多すぎると反射率がかえって低下することがあるため、好ましくは1.5原子%以下、より好ましくは1.0原子%以下、更に好ましくは0.8原子%以下である。これらの中でも好ましい元素は、Pd、Ptである。
Pd、Pt、およびAuは、上記希土類元素やBi、Cuと同じく、Ag結晶粒の成長抑制や耐ハロゲン性向上に寄与する元素である。このような効果を発揮させるためPd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種は好ましくは0.1原子%以上、より好ましくは0.15原子%以上、更に好ましくは0.2原子%以上である。上記効果向上の観点からはPd、Pt、およびAuの含有量が多いほどよいが、多すぎると反射率がかえって低下することがあるため、好ましくは1.5原子%以下、より好ましくは1.0原子%以下、更に好ましくは0.8原子%以下である。これらの中でも好ましい元素は、Pd、Ptである。
(2−D)Znおよび/またはInを0.1〜1.5原子%
Zn、Inは、上記元素と同じくAg結晶粒の成長抑制や耐ハロゲン性向上に寄与すると共に、耐酸化性、耐硫化性向上に寄与する元素である。このような効果を発揮させるためZnおよび/またはInは好ましくは0.1原子%以上、より好ましくは0.3原子%以上、更に好ましくは0.5原子%以上である。上記効果向上の観点からはZn、Inの含有量が多いほどよいが、多すぎると反射率がかえって低下することがあるため、好ましくは1.5原子%以下、より好ましくは1.3原子%以下、更に好ましくは1.1原子%以下である。これらの中でも好ましい元素は、Znである。
Zn、Inは、上記元素と同じくAg結晶粒の成長抑制や耐ハロゲン性向上に寄与すると共に、耐酸化性、耐硫化性向上に寄与する元素である。このような効果を発揮させるためZnおよび/またはInは好ましくは0.1原子%以上、より好ましくは0.3原子%以上、更に好ましくは0.5原子%以上である。上記効果向上の観点からはZn、Inの含有量が多いほどよいが、多すぎると反射率がかえって低下することがあるため、好ましくは1.5原子%以下、より好ましくは1.3原子%以下、更に好ましくは1.1原子%以下である。これらの中でも好ましい元素は、Znである。
上記(2−A)〜(2−D)群の合金元素を含有する好ましい第3層(Ag合金膜)の成分組成としてはAg−0.3原子%Bi−0.5原子%Ndが例示される。
(第1層(Al合金膜)の形成方法)
本発明に係る電極を構成する積層膜に含まれる第1層(Al合金膜)の形成方法として、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法などが挙げられる。本発明では、細線化や膜内の合金成分の均一化を図ることができ、かつ添加元素量を容易にコントロールできる等の観点から、第1層(Al合金膜)をスパッタリング法にてスパッタリングターゲットを用いて形成することが望ましい。
本発明に係る電極を構成する積層膜に含まれる第1層(Al合金膜)の形成方法として、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法などが挙げられる。本発明では、細線化や膜内の合金成分の均一化を図ることができ、かつ添加元素量を容易にコントロールできる等の観点から、第1層(Al合金膜)をスパッタリング法にてスパッタリングターゲットを用いて形成することが望ましい。
スパッタリング法で上記第1層(Al合金膜)を形成する場合、上記第1層(Al合金膜)を構成する(1−A)、(1−B)に対応した元素を所定量含むAl合金スパッタリングターゲットの使用が有用である。具体的には[(1−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;および/または(1−B)Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種を0.05〜0.7原子%]を含有するAl合金スパッタリングターゲットが望ましい。
基本的には、これらの元素を含み、所望の第1層(Al合金膜)と同一組成のAg合金スパッタリングターゲットを用いれば、組成ズレのおそれがなく、所望とする成分組成の第1層(Al合金膜)を形成することができる。
もっともスパッタリングターゲットは一つのスパッタリングターゲットに第1層(Al合金膜)の成分組成に対応した元素すべて含有している必要がなく、元素を所定量含むスパッタリングターゲットを同時スパッタ(例えば、チップオンによるコスパッタリング)することも、所望とする成分組成の第1層(Al合金膜)の形成に有用である。
上記Al合金スパッタリングターゲットの作製方法として、真空溶解法や粉末焼結法が挙げられるが、特に真空溶解法での作製が、ターゲット面内の組成や組織の均一性を確保できるため望ましい。
スパッタリング法での成膜条件は特に限定されないが、例えば以下のような条件を採用することが好ましい。
・基板温度:室温〜150℃
・雰囲気ガス:Arなどの不活性ガス
・成膜時の(Ar)ガス圧:1.0〜5.0mTorr
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10−5Torr以下
・基板温度:室温〜150℃
・雰囲気ガス:Arなどの不活性ガス
・成膜時の(Ar)ガス圧:1.0〜5.0mTorr
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10−5Torr以下
(第2層(A1合金の酸化物膜または窒化物膜)の形成方法)
電極を構成する第2層(Al合金膜の酸化物膜または窒化物膜)の形成方法として、例えば、酸素(または窒素)添加スパッタリング法や、Ar(窒素除く)などの不活性ガス雰囲気下のスパッタリング法でAl合金膜を形成した後、酸素(または窒素)プラズマ処理などで酸化物膜(または窒化物膜)を形成する方法が挙げられる。
電極を構成する第2層(Al合金膜の酸化物膜または窒化物膜)の形成方法として、例えば、酸素(または窒素)添加スパッタリング法や、Ar(窒素除く)などの不活性ガス雰囲気下のスパッタリング法でAl合金膜を形成した後、酸素(または窒素)プラズマ処理などで酸化物膜(または窒化物膜)を形成する方法が挙げられる。
なお、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を構成するAl合金の成分組成は特に限定されず、第1層(Al合金膜)と同じでもよいし、異なっていてもよい(例えば上記(1−A)、(1−B)に対応した元素を所定量含むAl合金スパッタリングターゲットでもよい)。製造コスト削減の観点からは第1層(Al合金膜)をスパッタリング法で形成した後、続けて第1層(Al合金膜)の成膜に用いたAl合金スパッタリングターゲットを用いて第2層を形成することが好ましい。その際、酸素(または窒素)添加スパッタリング法を利用する場合、雰囲気を酸素(または窒素)含有雰囲気(例えばアルゴンガスなどの不活性ガスに酸素ガスまたは窒素ガスを10%程度添加)としてスパッタリングすることで第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を形成することができる。またプラズマ処理を利用する場合、Al合金膜を成膜した後、酸素ガス(または窒素ガス)雰囲気中で高周波プラズマを印加し、Al合金膜表面を酸化(または窒化)させることによって、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を形成でき、このようなプラズマ処理として各種公知の方法を採用できる。
酸素(または窒素)添加スパッタリング法での成膜条件も特に限定されないが上記効果を奏するAl合金の酸化物膜または窒化物膜を形成するには例えば以下のような条件を採用することが好ましい。
(酸素添加スパッタリング条件)
・基板温度:室温〜150℃
・雰囲気ガス:Arなどの不活性ガス+O2などの酸素含有ガス
・ガス流量比:O2などの酸素含有ガス/(Arなどの不活性ガス+O2などの酸素含有ガス)=0.05〜0.5
・成膜時のガス圧:1.0〜5.0mTorr
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10−5Torr以下
(窒素添加スパッタリング条件)
・基板温度:室温〜150℃
・雰囲気ガス:Arなどの不活性ガス+N2などの窒素含有ガス
・ガス流量比:N2などの酸素含有ガス/(Arなどの不活性ガス+N2などの酸素含有ガス)=0.05〜0.5
・成膜時のガス圧:1.0〜5.0mTorr
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10−5Torr以下
(酸素添加スパッタリング条件)
・基板温度:室温〜150℃
・雰囲気ガス:Arなどの不活性ガス+O2などの酸素含有ガス
・ガス流量比:O2などの酸素含有ガス/(Arなどの不活性ガス+O2などの酸素含有ガス)=0.05〜0.5
・成膜時のガス圧:1.0〜5.0mTorr
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10−5Torr以下
(窒素添加スパッタリング条件)
・基板温度:室温〜150℃
・雰囲気ガス:Arなどの不活性ガス+N2などの窒素含有ガス
・ガス流量比:N2などの酸素含有ガス/(Arなどの不活性ガス+N2などの酸素含有ガス)=0.05〜0.5
・成膜時のガス圧:1.0〜5.0mTorr
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10−5Torr以下
(第3層(Ag合金膜)の形成方法)
電極を構成する第3層(Ag合金膜)の形成方法も上記第1層(Al合金膜)と同様各種成膜方法を採用できるが、第1層(Al合金膜)と同様の理由により、第3層(Ag合金膜)はスパッタリング法にてスパッタリングターゲットを用いて形成することが望ましい。
電極を構成する第3層(Ag合金膜)の形成方法も上記第1層(Al合金膜)と同様各種成膜方法を採用できるが、第1層(Al合金膜)と同様の理由により、第3層(Ag合金膜)はスパッタリング法にてスパッタリングターゲットを用いて形成することが望ましい。
スパッタリング法で上記第3層(Ag合金膜)を形成する場合、上記(2−A)〜(2−D)の任意の元素を所定量含むAg合金スパッタリングターゲットの使用が有用である。
具体的には[(2−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;(2−B)Cuを0.05〜1.0原子%、および/またはBiを0.25〜5.0原子%;(2−C)Pd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種を0.1〜1.5原子%;および(2−D)Znおよび/またはInを0.1〜1.5原子%]よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するAg合金スパッタリングターゲットを用いればよい。
基本的には、これらの元素を含み、所望の第3層(Ag合金膜)と同一組成のAg合金スパッタリングターゲットを用いれば、組成ズレのおそれがなく、所望とする成分組成の第3層(Ag合金膜)を形成することができる。但し、Biは成膜過程で飛散し易く、また膜表面近傍に濃化し易い元素であるため、第3層(Ag合金膜)中のBi量に対しておおむね5倍程度のBiをスパッタリングターゲット中に含有させることが好ましく、上記膜中のBi含有量に対応してBiは好ましくは0.25原子%以上、より好ましくは0.35原子%以上、更に好ましくは0.5原子%以上であって、好ましくは5.0原子%以下、より好ましくは3.5原子%以下、更に好ましくは2.5原子%以下である。
スパッタリングターゲットは一つのスパッタリングターゲットに第3層(Ag合金膜)の成分組成に対応した元素をすべて含有している必要がなく、元素を所定量含むスパッタリングターゲットを同時スパッタ(例えば、チップオンによるコスパッタリング)することも、所望とする成分組成の第3層(Ag合金膜)の形成に有用である。
Ag合金スパッタリングターゲットの作製方法としては上記各種方法が挙げられるが、上記Al合金スパッタリングターゲットと同様、真空溶解法が望ましい。
第3層(Ag合金膜)は、第2層(A1合金の酸化物膜または窒化物膜)をスパッタリング法で形成した場合は、その後、続けてスパッタリング法で形成してもよい。
スパッタリング法での成膜条件は特に限定されないが、例えば以下のような条件を採用することが好ましい。
・基板温度:室温〜150℃
・雰囲気ガス:Ar、窒素などの不活性ガス
・成膜時の(Ar)ガス圧:1〜5mTorr
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10−5Torr以下
・基板温度:室温〜150℃
・雰囲気ガス:Ar、窒素などの不活性ガス
・成膜時の(Ar)ガス圧:1〜5mTorr
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10−5Torr以下
なお、上記Al合金スパッタリングターゲット、および上記Ag合金スパッタリングターゲットの形状は、スパッタリング装置の形状や構造に応じて任意の形状(角型プレート状、円形プレート状、ドーナツプレート状、円筒状など)に加工したものが含まれる。
以上、本発明の特徴部分である積層膜を構成する第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜、または窒化物膜)、および第3層(Ag合金膜)について説明した。以下では、上記第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜、または窒化物膜)、および第3層(Ag合金膜)を含む積層膜を用いた表示装置や入力装置に用いられる電極を、有機ELの反射アノード電極として用いた有機EL素子の構造について説明する。
但し、本発明は上記構造に限定する趣旨ではなく、反射電極以外にも例えばゲート電極、ソース−ドレイン電極(ソース電極、ドレイン電極)などの電極にも適用される。
図1に示す有機ELディスプレイを例に用いて、本発明の第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)と第3層(Ag合金膜)を含む積層膜で構成された電極を反射電極として含む有機EL素子を説明する。下記では、本発明の有機EL素子を、有機ELディスプレイに適用する場合について説明するが、本発明の有機EL素子は、その適用が有機ELディスプレイに限定されるものではなく、有機EL照明等、各種公知の構成を採用することができる。更に、本発明にかかる反射電極は、上記反射アノード電極に限定されず、その他の反射電極にも使用しうる。
まず図1に示す通り、基板1上にTFT2およびパッシベーション膜3が形成され、さらにその上に平坦化層4が形成される。TFT2上にはコンタクトホール5が形成され、コンタクトホール5を介してTFT2のソース−ドレイン電極(図示せず)と、本発明に係る反射電極を構成する第1層(Al合金膜)6とは電気的に接続されている。
更に第1層(Al合金膜)6の直上に第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)7が形成され、その直上に第3層(Ag合金膜)8が形成されている。上記第1層(Al合金膜)6、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)7と第3層(Ag合金膜)8の形成は、上述した方法で行うことができる。
次いで、第3層(Ag合金膜)8の上に、有機層9が形成される。上記有機層9には、有機発光層の他に例えば正孔輸送層や電子輸送層などが含まれうる。さらに有機層9の上にカソード電極10が形成される。この図1の場合、カソード電極10を構成する材料については特に問わず、従来より用いられているものを使用することができる。
上記有機ELディスプレイでは、有機層9中の有機発光層から放射された光が本発明の反射アノード電極6〜8(特には第3層(Ag合金膜)8)で効率よく反射されるので、優れた発光輝度を実現できる。なお反射電極(第1層(Al合金膜)6、第2層(Al合金の酸化物膜、または窒化物膜)7、第3層(Ag合金膜)8)の反射率は高いほどよく、一般的には90%以上、好ましくは93%以上の反射率が求められる。
また、反射アノード電極は有機層9への正孔注入特性が高いほど好ましい。
以上、本発明の電極を備えた反射アノード電極、および該電極を備えた有機EL素子について説明した。
上記説明した本発明の表示装置の電極は、各種表示装置(入力装置を含む)の電極として用いることができる。例えば図2に例示される液晶ディスプレイ(LDC)における薄膜トランジスタ用のゲート電極、ソース−ドレイン電極(ソース電極、ドレイン電極)、例えば図3に例示される有機ELディスプレイ(OELD)における薄膜トランジスタ用のゲート電極、ソース−ドレイン電極、例えば図4に例示されるフィールドエミッションディスプレイ(FED)におけるカソード電極、およびゲート電極、例えば図5に例示される蛍光真空管(VFD)におけるアノード電極、例えば図6に例示されるプラズマディスプレイ(PDP)におけるアドレス電極、例えば図7に例示される無機ELディスプレイにおける背面電極などが挙げられる。
また本発明の電極は入力装置にも適用できる。入力装置としてはタッチパネルなどのように上記表示装置に入力手段を備えた入力装置やタッチパッドのような表示装置を有さない入力装置も含まれる。具体的には上記各種表示装置と位置入力手段を組み合わせ、画面上の表示を押すことで機器を操作する入力装置や、位置入力手段上の入力位置に対応して別途設置されている表示装置を操作する入力装置の電極(例えば上記した各種電極)にも本発明の電極を用いることができる。なお位置入力手段としてはマトリックス・スイッチ、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式など各種公知の動作原理を採用できる。
これら表示装置または入力装置の電極に本発明に係る電極を用いた場合に、上記所定の効果が得られることは実験により確認済である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(成膜)
ガラス基板(無アルカリガラス、板厚0.7mm、直径4インチ)上に、表1〜3(合金成分の含有量は全て原子%)に示す成分組成の第1層(Al合金膜:残部はAlおよび不可避的不純物)と同一成分組成を有するスパッタリングターゲット(直径4インチの円盤型)を用いてDCマグネトロンスパッタリング装置を用い、下記スパッタリング条件で成膜した。続いて第1層(Al合金膜)の直上に第1層(Al合金膜)の形成に使用したスパッタリングターゲットをそのまま用いて下記スパッタリング条件で第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)成膜した。
ガラス基板(無アルカリガラス、板厚0.7mm、直径4インチ)上に、表1〜3(合金成分の含有量は全て原子%)に示す成分組成の第1層(Al合金膜:残部はAlおよび不可避的不純物)と同一成分組成を有するスパッタリングターゲット(直径4インチの円盤型)を用いてDCマグネトロンスパッタリング装置を用い、下記スパッタリング条件で成膜した。続いて第1層(Al合金膜)の直上に第1層(Al合金膜)の形成に使用したスパッタリングターゲットをそのまま用いて下記スパッタリング条件で第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)成膜した。
続いて第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の直上に、表1〜3に示す成分組成の第3層(Ag合金膜:残部はAgおよび不可避的不純物)と同一成分を有するスパッタリングターゲット(直径4インチの円盤形)を用いて下記スパッタリング条件で成膜して試料を作製した。
なお、表1のNo.1は第2層(Al合金膜の酸化物膜、または窒化物膜)を形成しなかった。また表2のNo.1の第1層は純Alスパッタリングターゲット、表3のNo.1、No.33の第3層は純Agスパッタリングターゲットを用いた。第3層(Ag合金膜)にBiを含有する場合のスパッタリングターゲット中のBi含有量は、第3層(Ag合金膜)中のBi含有量に対して5倍となるように添加した(例えば表2のNo.1ではAg−0.5原子%Bi−1.0原子%Znのスパッタリングターゲットを用いて、Ag−0.1原子%Bi−1.0原子%Znの第3層(Ag合金膜)を形成した)。
成膜後の第1層(Al合金膜)、および第3層(Ag合金膜)の組成は、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)質量分析法で確認した(表中、「第1層」と「第3層」中の含有率はいずれも原子%である)。なお、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の組成は第1層と同じスパッタリングターゲットを用いているため第1層(Al合金膜)と同じであるため、表中には記載しなかった。また第2層がAl合金の酸化物膜または窒化物膜で形成されているかをXPS法(X−Ray Spectroscopy、X線光電子分光法)によって分析した(表中、「酸化物膜」は第1層のAl合金と同一成分組成のAl合金の酸化物膜の意味であり、「窒化物膜」は第1層のAl合金と同一成分組成のAl合金の窒化物膜の意味である)。
(第1層:Al合金スパッタリング条件)
・基板温度:室温
・Arガス流量:30sccm
・Arガス圧:2mTorr
・スパッタパワー:260W
・到達真空度:3×10-6Torr
(第2層:酸素添加スパッタリング条件)
・基板温度:室温
・Arガス流量:27sccm
・O2ガス流量:3sccm
・Arガス圧:2mTorr
・到達真空度:3×10-6Torr
・スパッタパワー:260W
(第2層:窒素添加スパッタリング条件)
・基板温度:室温
・Arガス流量:27sccm
・N2ガス流量:3sccm
・Arガス圧:2mTorr
・スパッタパワー:260W
・到達真空度:3×10-6Torr
(第3層:Ag合金スパッタリング条件)
・基板温度:室温
・Arガス流量:30sccm
・Arガス圧:2mTorr
・スパッタパワー:130W
・到達真空度:3×10-6Torr
・基板温度:室温
・Arガス流量:30sccm
・Arガス圧:2mTorr
・スパッタパワー:260W
・到達真空度:3×10-6Torr
(第2層:酸素添加スパッタリング条件)
・基板温度:室温
・Arガス流量:27sccm
・O2ガス流量:3sccm
・Arガス圧:2mTorr
・到達真空度:3×10-6Torr
・スパッタパワー:260W
(第2層:窒素添加スパッタリング条件)
・基板温度:室温
・Arガス流量:27sccm
・N2ガス流量:3sccm
・Arガス圧:2mTorr
・スパッタパワー:260W
・到達真空度:3×10-6Torr
(第3層:Ag合金スパッタリング条件)
・基板温度:室温
・Arガス流量:30sccm
・Arガス圧:2mTorr
・スパッタパワー:130W
・到達真空度:3×10-6Torr
(膜厚の測定方法)
上記第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)と第3層(Ag合金膜)の各膜厚を触針式段差計(KLA−Tencor製、Alpha−step)で測定した。膜厚の測定は、薄膜の中心部から半径方向に向って5mm間隔ごとに合計3点の膜厚を測定し、その平均値を「薄膜の膜厚」(nm)とした。また第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)、第3層(Ag合金膜)の膜厚を合計して積層膜の膜厚とした(表中、「合計」)。合計膜厚から第3層の膜厚比率を算出した(表中、「Ag合金膜厚比」)。
上記第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)と第3層(Ag合金膜)の各膜厚を触針式段差計(KLA−Tencor製、Alpha−step)で測定した。膜厚の測定は、薄膜の中心部から半径方向に向って5mm間隔ごとに合計3点の膜厚を測定し、その平均値を「薄膜の膜厚」(nm)とした。また第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)、第3層(Ag合金膜)の膜厚を合計して積層膜の膜厚とした(表中、「合計」)。合計膜厚から第3層の膜厚比率を算出した(表中、「Ag合金膜厚比」)。
(加工性評価)
上記作製した試料(積層膜)に10μm幅のラインアンドスペースのレジストパターンを形成して、エッチング加工性を評価した。詳細には、40℃に加温して混酸エッチング液(リン酸:硝酸:酢酸:水=50:0.2:30:19.8)に積層膜を浸漬し、エッチング完了時間+20秒(オーバーエッチング時間)エッチングを行なった。エッチング後の配線パターン寸法を光学顕微鏡(倍率1000倍)で観察し、配線寸法を測定するとともに、残渣の有無を目視で確認することによって、サイドエッチングについて評価した。本実施例では、以下の基準で評価して、◎または○を合格(エッチング性良好)と判定した(表中、「微細加工性」)。
◎:9μm以上、かつ、残渣なし
○:8μm以上、9μm未満、かつ、残渣なし
×:8μm未満、または残渣あり
上記作製した試料(積層膜)に10μm幅のラインアンドスペースのレジストパターンを形成して、エッチング加工性を評価した。詳細には、40℃に加温して混酸エッチング液(リン酸:硝酸:酢酸:水=50:0.2:30:19.8)に積層膜を浸漬し、エッチング完了時間+20秒(オーバーエッチング時間)エッチングを行なった。エッチング後の配線パターン寸法を光学顕微鏡(倍率1000倍)で観察し、配線寸法を測定するとともに、残渣の有無を目視で確認することによって、サイドエッチングについて評価した。本実施例では、以下の基準で評価して、◎または○を合格(エッチング性良好)と判定した(表中、「微細加工性」)。
◎:9μm以上、かつ、残渣なし
○:8μm以上、9μm未満、かつ、残渣なし
×:8μm未満、または残渣あり
(熱処理後の反射率の測定)
上記作製した試料に300℃60分の熱処理を行った後、JIS R 3106に基づき、D65光源での波長380〜780nmの光によって可視光反射率を分光光度計(日本分光株式会社製:可視・紫外分光光度計「V−570」)を用いて測定した。具体的には、基準ミラーの反射光強度に対して、上記作製した試料の反射光強度(測定値)を「反射率」(=[試料の反射光強度/基準ミラーの反射光強度]×100%)とした。そして本実施例では、λ=450nmにおける上記試料の反射率を以下の基準で評価し、○、△を合格と判定した。
○:93%以上
△:90%以上、93%未満
×:90%未満
上記作製した試料に300℃60分の熱処理を行った後、JIS R 3106に基づき、D65光源での波長380〜780nmの光によって可視光反射率を分光光度計(日本分光株式会社製:可視・紫外分光光度計「V−570」)を用いて測定した。具体的には、基準ミラーの反射光強度に対して、上記作製した試料の反射光強度(測定値)を「反射率」(=[試料の反射光強度/基準ミラーの反射光強度]×100%)とした。そして本実施例では、λ=450nmにおける上記試料の反射率を以下の基準で評価し、○、△を合格と判定した。
○:93%以上
△:90%以上、93%未満
×:90%未満
(接触抵抗)
10μm幅の第1層(Al合金膜)と第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の積層膜配線と、第3層(Ag合金膜)の単層配線を十字に交差させ簡易的なケルビンパターンを形成し、接触抵抗を測定した。そして本実施例では、以下の基準で評価して、◎、○、△を合格と判定した。
◎:10kΩ以下
○:10kΩ超〜1MΩ以下
△:1MΩ超〜100MΩ以下
×:100MΩ超
10μm幅の第1層(Al合金膜)と第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の積層膜配線と、第3層(Ag合金膜)の単層配線を十字に交差させ簡易的なケルビンパターンを形成し、接触抵抗を測定した。そして本実施例では、以下の基準で評価して、◎、○、△を合格と判定した。
◎:10kΩ以下
○:10kΩ超〜1MΩ以下
△:1MΩ超〜100MΩ以下
×:100MΩ超
上記試験結果を表1〜3に示す。
表1は第1層(Al合金膜)、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)及び第3層(Ag合金膜)の膜厚を変化させて反射率、微細加工性、接触抵抗に及ぼす影響を調べた結果である。表1より次のことがわかる。
No.1は、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を形成しなかった例であり、反射率が低かった。
No.5は、第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)の膜厚が厚くなり過ぎたため所望の微細加工性と接触抵抗が得られなかった。
No.2とNo.9、No.3とNo.10、No.4とNo.11、No.6とNo.12、No.7とNo.13、No.8とNo.14は、各層の膜厚が同じであり、第2層の構成がAl合金の酸化物膜か、窒化物膜かで異なる例である。いずれも良好な反射率、微細加工性、および接触抵抗が得られた。
特にNo.6、12(30nm)とNo.7、13(200nm)は、第1層(Al合金膜)の膜厚を変化させた例であるが、いずれも良好な反射率、微細加工性、接触抵抗を示した。
以上の結果から、反射率向上には適切な膜厚で第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)を設けることと、第3層(Ag合金膜)の膜厚を増加させることが有効であることがわかった。
表2は第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)と第3層(Ag合金膜)の組成、膜厚、膜厚比率を一定にし、第1層(Al合金)の成分組成を適宜変更して反射率、微細加工性、接触抵抗に及ぼす影響を調べた結果である。表2より次のことがわかる。
No.1は、純Alを第1層とした例である。この例は接触抵抗、微細加工性共に良好であったが反射率が低かった。
No.2〜4、6〜8、10、11、13は、本発明の好ましい合金元素を適切な含有量で添加した例であり、反射率、微細加工性、および接触抵抗が良好であった。
特にNo.13は、本発明の好ましい複数の合金元素を適切な含有量で添加した例であり、反射率、微細加工性、および接触抵抗が良好であった。
No.5、9、12は合金元素の含有量が過剰な例であり、エッチング後の第1層(Al合金膜)に合金成分の残渣が確認され、微細加工性が悪かった。
表3A、3Bは、第3層(Ag合金膜)の成分組成を適宜変更して反射率、微細加工性、接触抵抗に及ぼす影響を調べた結果である。表3A、3Bより次のことがわかる。
No.1とNo.33は、純Agを第3層とした例である。この例は微細加工性と接触抵抗は良好であったが反射率が低かった。
No.2〜4は、本発明の好ましい合金元素を適切な含有量で添加した例である。合金元素の含有量が所定の範囲内であれば、反射率、微細加工性、接触抵抗ともに望ましい結果が得られるが(No.2〜4)、合金元素の含有量が多くなると反射率が低下する傾向を示した(Nd含有量が0.2原子%の場合の反射率は良好(○)であったが、1.0原子%の場合は可(△)だった)。
No.5は合金元素の含有量が過剰な例であり、反射率が低下した(不可(×))。
同様の傾向は、No.7〜No.10(No.10はBi含有量が多く反射率が悪い例)、No.11〜No.14(No.14はPd含有量が多く反射率が悪い例)、No.17〜No.20(No.20はZn含有量が多く反射率が悪い例)、No.21〜No.24(No.24はIn含有量が多く反射率が悪い例)、No.34〜表3BのNo.37(No.37はNd含有量が多く反射率が悪い例)、No.39〜No.42(No.42はBi含有量が多く反射率が悪い例)、No.43〜No.46(No.46はPd含有量が多く反射率が悪い例)、No.49〜No.52(No.52はZn含有量が多く反射率が悪い例)、No.53〜No.56(No.56はIn含有量が多く反射率が悪い例)においても示されており、第3層(Ag合金膜)に含まれる合金元素の含有量は多くなり過ぎると、反射率に悪影響を及ぼすことがわかる。
またNo.6、15、16、47、48はいずれも本発明の好ましい合金元素を適切な含有量で添加した例であり、いずれも反射率、微細加工性、および接触抵抗が良好であった。
No.25〜32、No.57〜64は、本発明の好ましい複数の合金元素を適切な含有量で添加した例であり、反射率、微細加工性、および接触抵抗が良好であった。
1 基板
2 TFT
3 パッシベーション膜
4 平坦化層
5 コンタクトホール
6 第1層(Al合金膜)
7 第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)
8 第3層(Ag合金膜)
9 有機層
10 カソード電極
2 TFT
3 パッシベーション膜
4 平坦化層
5 コンタクトホール
6 第1層(Al合金膜)
7 第2層(Al合金の酸化物膜または窒化物膜)
8 第3層(Ag合金膜)
9 有機層
10 カソード電極
Claims (14)
- 表示装置または入力装置に用いられる電極であって、
前記電極は、
基板側に形成されたAl合金からなる第1層と、
その上方に形成されたAl合金の酸化物または窒化物からなる第2層と、
前記第2層の上方に形成されたAg合金からなる第3層を含む積層膜からなり、
前記電極の膜厚は100〜800nm、
前記第2層の膜厚は1〜10nm、
前記第3層の膜厚は70〜480nmであり、且つ
前記電極の膜厚に占める前記第3層の膜厚比率は10〜70%であることを特徴とする電極。 - 前記第1層および/または前記第2層のAl合金は、合金元素として、
(1−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;および/または
(1−B)Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種を0.05〜0.7原子%;
を含有することを特徴とする請求項1に記載の電極。 - 前記Ag合金は、合金元素として、
(2−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;
(2−B)Biおよび/またはCuを0.05〜1.0原子%;
(2−C)Pd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種を0.1〜1.5原子%;および
(2−D)Znおよび/またはInを0.1〜1.5原子%;
よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するものである請求項1または2に記載の電極。 - 前記(1−A)および/または前記(2−A)の希土類元素は、Nd、La、Gd、およびCeよりなる群から選択される少なくとも一種である請求項2または3に記載の電極。
- 前記電極はゲート電極である請求項1〜4のいずれかに記載の電極。
- 前記電極はソース−ドレイン電極である請求項1〜4のいずれかに記載の電極。
- 前記電極は反射電極である請求項1〜4のいずれかに記載の電極。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電極を備えた有機EL素子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電極を備えた薄膜トランジスタ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電極を備えた入力装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電極の形成に用いるAl合金スパッタリングターゲットであって、
(1−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;および/または
(1−B)Ti、Ta、W、およびNbよりなる群から選択される少なくとも一種を0.05〜0.7原子%;
を含有することを特徴とする電極形成用Al合金スパッタリングターゲット。 - 前記希土類元素は、Nd、La、GdおよびCeよりなる群から選択される少なくとも一種である請求項11に記載のスパッタリングターゲット。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電極の形成に用いるAg合金スパッタリングターゲットであって、
(2−A)希土類元素を0.05〜1.0原子%;
(2−B)Cuを0.05〜1.0原子%、および/またはBiを0.25〜5.0原子%;
(2−C)Pd、Pt、およびAuよりなる群から選択される少なくとも一種を0.1〜1.5原子%;および
(2−D)Znおよび/またはInを0.1〜1.5原子%;
よりなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする電極形成用Ag合金スパッタリングターゲット。 - 前記希土類元素は、Nd、La、GdおよびCeよりなる群から選択される少なくとも一種である請求項13に記載のスパッタリングターゲット。
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-
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