JP2012240281A - 合成樹脂表皮材の製造方法及び合成樹脂表皮材 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な工程により、外観と感触に優れ、車輌用内装材に好適な合成樹脂表皮材の製造方法及び、合成樹脂表皮材を提供する。
【解決手段】離型剤層を有する仮支持体の離型剤層表面に、表面層形成用組成物を塗布、乾燥して表面層を設ける工程と、表面層上に、2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物、着色剤、熱膨張ビーズ、及び熱膨張ビーズを溶解しない溶剤を含有し、粘度が5000〜20000mPa・sである塗布液を、50〜500g/m塗布し、乾燥する中間層形成用塗布液層形成工程と、塗布液層を加熱して熱膨張ビーズを発泡させ、気泡を内在する中間層を形成する工程と、中間層表面に接着剤層を形成して積層体を得る工程と、該積層体の接着剤層と基材とを密着させてラミネートし、仮支持体を剥離する工程と、を有する合成樹脂表皮材の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂表皮材の製造方法及び該製造方法により得られる合成樹脂表皮材に関する。
近年、自動車内装部品(インストルメントパネル、ドアトリム、座席、天井など)、鉄道車両・航空機内装部品(トリム、座席、天井など)、家具、靴・履物・鞄、建装用内外装部材、衣類表装材・裏地、壁装材などには、天然皮革や繊維性シートに代えて、耐久性に優れる合成樹脂表皮材が多用されている。例えば、自動車内装品については、車両の高級化に伴い、内装用の表皮材についても高級感を付与させることが重要になってきている。具体的には、ある程度の厚みと適度の弾力性を有し、天然の皮革に近い感触をもつ内装表皮材が切望されている。
表皮材の厚みと弾力性を調整する方法は種々提案されており、例えば、液状ポリウレタンと水とを含む、ポリウレタン組成物に熱膨張ビーズを配合してなるポリウレタン組成物及びその応用としての紙葉搬送ロールが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここに記載の組成物では、ウレタン樹脂としてエーテル系樹脂を使用しているため、硬化後の耐熱、耐薬品性になお、改良の余地がある、さらに、このウレタン組成物を用いて発泡層を形成する場合、プレポリマーのイソシアネートと水との反応により、炭酸ガス発生と熱膨張ビーズの発泡を併用して、搬送ロールとして低硬度で耐摩耗性に優れたウレタン発泡層を形成するというものである。しかしながら、本発明における如き合成樹脂表皮材用途では、ウレタン発泡層と基布等とを貼り合せて用いる必要があるが、このような基布との積層体を形成する態様では、当該ポリウレタン組成物では車輌用内装材としての充分な強度が得難いのが現状である。
一方、基布との接着性向上を目的とし、基布にまず接着剤層を設けて、その後、ウレタン発泡層と表皮層とを順次形成することも考えられるが、均一塗工が可能なロール方式の塗工を行う場合、接着剤層の乾燥前にはウレタン発泡層、表面層を塗工できないため生産性が悪かった。さらに、表皮層表面には皮革に類似した凹凸、即ち、シボ模様を形成する必要があり、この凹凸の形成を最後に行うのは、生産性の観点から好ましくなく、さらに、シボをエンボスロールでなどで形成する時の加熱により発泡層の形状が変わる懸念もあり、表面の均一な外観を得る観点からも好ましくないという問題があった。
特開平6−199978号公報
本発明の目的は、簡易な工程により、充分な厚みで均一な空隙を内在する、弾力性に優れた中間層が形成され、外観と感触に優れ、例えば、車輌用内装材として用いた場合でも、充分な強度を有する合成樹脂表皮材が製造される合成樹脂表皮材の製造方法、及び、該製造方法により得られた、強度と弾力性に優れた合成樹脂表皮材を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定のポリウレタン樹脂と、熱膨張ビーズの樹脂に悪影響を与えない溶剤とを併用し、且つ、転写法を適用することで、上記問題点を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
本発明の第1の実施形態に係る発明は、離型剤層を有する仮支持体の離型剤層表面に、表面層形成用組成物を塗布、乾燥して表面層を設ける表面層形成工程と、形成された表面層上に、2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物、着色剤、熱膨張ビーズ、及び熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しない溶剤を含有し、25℃における粘度が5000mPa・s〜20000mPa・sである中間層形成用塗布液を、50g/m〜500g/m塗布し、乾燥して塗布液層を形成する中間層形成用塗布液層形成工程と、形成された中間層形成用塗布液層を加熱、乾燥して熱膨張ビーズを発泡させ、気泡を内在する中間層を形成する中間層形成工程と、形成された中間層表面に、接着剤を塗布して接着剤層を形成し、表皮材形成用積層体を得る積層体形成工程と、得られた表皮層形成用積層体の接着剤層を有する面と基材とを密着させてラミネートし、その後、仮支持体を剥離する転写工程と、を有する合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第2の実施形態に係る発明は、前記中間層形成用塗布液が、前記2液ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、前記熱膨張性ビーズを0.5質量部〜10量部、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルから選択される熱膨張ビーズを溶解しない溶剤の1種以上を10質量部〜500質量部含有する、前記第1の実施形態に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第3の実施形態に係る発明は、中間層形成用塗布液が、さらに、ジアミン系鎖伸長剤を含有する、前記本発明の第1の実施形態又は第2の実施形態に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第4の実施形態に係る発明は、中間層形成用塗布液が、さらに、難燃剤を含有する、第1の実施形態〜第3の実施形態のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第5の実施形態に係る発明は、前記2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物が、少なくとも、ブロック型イソシアネートと、ジオールとを含む、第1の実施形態〜第4の実施形態のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第6の実施形態に係る発明は、前記中間層形成用塗布液層形成工程における中間層形成用塗布液層の乾燥温度が90℃〜130℃の範囲にあり、前記中間層形成工程における加熱温度が130℃〜200℃の範囲である、第1の実施形態〜第5の実施形態のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第7の実施形態に係る発明は、第1の実施形態〜第6の実施形態のいずれか1項に記載の製造方法により得られた合成樹脂表皮材である。
前記本発明では、中間層に特定の2液型ウレタン樹脂組成物を原料に使用することで高強度を達成するとともに、発泡には熱膨張ビーズを使用し、且つ、熱膨張ビーズ膜を破壊しない処方の溶剤を配合することにより、乾式発泡の工程において、塗膜の乾燥、熱膨張ビーズの膨張による空隙の形成が行われる。さらに、熱膨張ビーズの配合量や熱膨張ビーズの加熱温度を制御することにより、設計値どおりの厚みと弾力性を有する中間層(ウレタン発泡層)が形成されるという利点をも有する。
また、本発明の好ましい態様では、中間層形成用塗布液に鎖伸長剤を含有させることで、熱膨張ビーズを発泡させるための加熱において、130℃以上の加熱により、2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物中のイソシアネート部分のブロック剤が解離し、鎖伸長剤が有するジアミン構造との重合反応によって、より高い分子量の高分子構造が形成されるため、ウレタン樹脂層のさらなる高強度化が達成され、さらに、鎖状構造の伸長により樹脂の柔軟性も向上する。
本発明によれば、簡易な工程により、充分な厚みで均一な空隙を内在する、弾力性に優れた中間層が形成され、外観と感触に優れ、例えば、車輌用内装材として用いた場合でも、充分な強度を有する合成樹脂表皮材を得られる合成樹脂表皮材の製造方法を提供することができる。さらに、本発明の合成樹脂表皮層の製造方法を適用することで、強度と弾力性に優れた合成樹脂表皮材を提供することができる。
(A)は本発明の製造方法において仮支持体上に表面層と中間層形成用塗布液層とを有する積層体の一態様の構造を示す概略断面図であり、(B)は中間層形成工程を経た後の積層体の状態を示す概略断面図であり、(C)は本発明の製造方法により得られた合成樹脂表皮材の一態様の構造を示す概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
<合成樹脂表皮材の製造方法>
まず、合成樹脂表皮材を形成する製造方法について、図1を参照して順次述べる。
本発明の合成樹脂表皮材10の製造方法は、離型剤層14を有する仮支持体12の離型剤層表面に、表面層形成用組成物を塗布、乾燥して表面層16を設ける表面層形成工程と、形成された表面層16上に、2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物、着色剤、熱膨張ビーズ15、及び熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しない溶剤を含有し、25℃における粘度が5000mPa・s〜20000mPa・sである中間層形成用塗布液を、50g/m〜500g/m塗布し、乾燥して塗布液層18を形成する中間層形成用塗布液層形成工程と、形成された中間層形成用塗布液層18を加熱、乾燥して熱膨張ビーズ15を発泡させ、気泡20を内在する中間層22を形成する中間層形成工程と、形成された中間層22表面に、接着剤を塗布して接着剤層24を形成し、表皮材形成用積層体26を得る積層体形成工程と、得られた表皮層形成用積層体26の接着剤層24を有する面と基材(基布)28とを密着させてラミネートし、その後、仮支持体12を剥離する転写工程と、を有する合成樹脂表皮材10の製造方法である。
〔表面層形成工程〕
表面層形成工程では、離型剤層14を有する仮支持体12の離型剤層14表面に、表面層形成用組成物を塗布、乾燥して表面層16を設ける。
仮支持体は、表面に離型剤層を有するとともに、表面には所望のシボ型(凹凸模様)が形成される。例えば、合成樹脂表皮材10を天然皮革様の外観を有する表皮材とする場合には、予め仮支持体12の離型剤層14を形成する側の表面に皮革様の凹凸模様を形成すればよい。このとき、仮支持体12の離型剤層14が形成された側の表面に表面層形成用組成物を塗布することで、形成される表面層16には皮革様の凹凸模様が転写される。
(表面層用樹脂)
表面層16の形成に用いる樹脂は、合成樹脂表皮材10の使用目的に応じて適宜選択されるが、ポリカーボネート樹脂、水系ポリウレタン樹脂、シリコン変性ポリウレタン樹脂、ポリエーテル変性ポリエステル樹脂などが使用され、耐熱性、耐薬品性が良好であるという観点から、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
(表面層に含まれるその他の成分)
表面層には、前記ベースとなる樹脂に加え、着色剤を含有する。
着色剤としては、例えば、ウレタン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子などから選ばれる有機樹脂微粒子に着色剤が含まれてなる着色有機樹脂粒子などが挙げられ、なかでも、分散媒となるポリウレタン系樹脂に対する親和性、均一分散性の観点からポリカーボネート系の着色樹脂粒子を含有することが好ましい。
このような有機樹脂微粒子の平均粒径は、一般的には、0.5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、3μm〜50μmの範囲である。
表面層の塗布には公知の方法が適宜使用される。塗布法としては、例えば、基材となるシート上に前記各成分を適切な溶剤に溶解して表面層形成用組成物を調製し、基材表面に公知の塗工装置を用いて塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を直接乾燥方式の乾燥手段により乾燥する方法などが挙げられる。
(表面層用溶剤)
表面層形成用組成物の調製に用いる溶剤は、ポリウレタン系樹脂等を均一に溶解、分散しうるものであれば特に制限はないが、具体的には、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、イソプロピルアルコール(IPA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられる。
(表面層の塗布量)
表面層の塗布量、及び膜厚には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、強度及び外観の観点から、乾燥前の塗布量として、50g/m〜300g/mの範囲であることが好ましく、150g/m〜300g/mの範囲であることがさらに好ましい。また、乾燥後の膜厚は、10μm〜70μm程度が好ましく、20μm〜50μm程度がさらに好ましい。
〔中間層形成用塗布液層形成工程〕
前記表面層形成工程において形成された表面層16上に、2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物、着色剤、熱膨張ビーズ15、及び熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しない溶剤を含有し、25℃における粘度が5000mPa・s〜20000mPa・sである中間層形成用塗布液を、50g/m〜500g/m塗布し、乾燥して中間層形成用塗布液層18を形成する。図1(A)は、離型剤層14を有する仮支持体12の離型剤層14形成側表面に、表面層16と中間層形成用塗布液層18が形成された状態を示す概略断面図である。形成された中間層形成用塗布液層18を、次工程である中間層形成工程において、加熱することで、中間層形成用塗布液層18が内在する熱膨張ビーズ15を膨張させて、空隙20を内在する中間層22が形成される。
(中間層用樹脂)
中間層22の形成に用いられる2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物としては、少なくとも、ブロック型イソシアネートと、ジオールと、が2液で保存され、中間層形成用塗布液の配合時に混合されるポリウレタン樹脂組成物を原料として用いることが好ましい。ここで、ブロック型イソシアネートとは、イソシアネート基がブロック剤で保護されたものであり、加熱によりブロック剤が解離し、活性なイソシアネート基が再生される化合物を指す。このようなブロック型イソシアネートが含まれる2液型のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は市販品としても入手可能であり、具体的には、例えば、DIC(株)製クリスボンシリーズ、第一工業製薬(株)製のエラストロンシリーズ、エラストロンBNシリーズなどの各製品が本発明に使用できる。
一般的な一液型のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂では、中間層塗布液の乾燥後、加熱して熱膨張ビーズを膨張させて気泡を形成させる際に、加熱によって中間層自体が熱変形したり、或いは形成された中間層の強度が低下したりする懸念があるため、好ましくない。
(熱膨張ビーズ)
中間層形成用塗布液には、熱膨張ビーズ15を含有する。熱膨張ビーズ15とは、中空の熱可塑性樹粒子中に炭化水素系溶剤などの有機溶剤等を内包してなる粒子であり、加熱により有機溶剤の体積膨張により粒子の体積が増加し、結果として樹脂マトリックス(分散媒)中に気泡20が内在することになる。
本発明に使用される熱膨張ビーズは、加熱により膨張して前記特定のウレタン樹脂マトリックスに中空の気泡が形成され、形成された気泡の状態を維持しうるものであれば、いずれのものを用いてもよい。
熱膨張ビーズは市販品としても入手可能であり、例えば、日本フェライト社製のエクスパンセルシリーズ(商品名)などが挙げられ、いずれも本発明に使用しうる。
熱膨張ビーズの添加量としては、前記2液ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部であることが好ましく、1質量部〜7質量部であることがより好ましい。
なお、含有量を3質量部〜6質量部まで順次変化させると、後述する中間層形成工程における加熱、発泡温度を一定にした場合、添加量の増加に従って、中間層の膜厚を増加させることができる。即ち、熱膨張ビーズ15の添加量を制御することにより、中間層に内在させる空隙の量、密度などを制御することができ、さらに、そのような気泡を内在する中間層自体の厚みも制御することができる。
(中間層用溶剤)
本発明における中間層形成用塗布液は、乾燥を効率よく行う観点から、溶媒として水ではなく、有機溶剤を用いる。中間層形成用塗布液層の調製に用いられる溶媒としては、熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しないものを選択することを要する。熱膨張ビーズを構成する樹脂が有機溶剤によって溶けた場合には、中空部分が維持できなくなり、所望の弾力性を有する中間層が形成されなくなるためである。
熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しない溶剤の選択方法としては、評価する有機溶剤(単体及び混合物を含む)に、使用する熱膨張ビーズを室温(25℃)で3日間浸漬した後、目視判定により発泡の形跡がない有機溶剤を選択する方法が挙げられる。熱膨張ビーズを構成する樹脂が有機溶剤に溶解した場合、樹脂ビーズの外皮が損傷し、熱膨張ビーズ中に内包される気体や炭化水素系溶剤が浸漬した有機溶剤中に流出して気泡が観察され、このような有機溶剤は本発明における「熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しない溶剤」には包含されない。
例えば、熱膨張ビーズとして、前記日本フェライト社製のエクスパンセルを用いた場合、使用し得る溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)、トルエン、スチレン、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン(MEK)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が挙げられ、これら溶剤から適宜選択して用いればよい。なかでも、加工性の観点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。また、溶剤の好ましい組み合わせとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテルと酢酸エチルとの組み合わせなどが挙げられる。
なお、溶剤として当該分野において汎用されるN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)は、熱膨張ビーズの樹脂を溶解しやすいため、発泡による空隙の形成が阻害される。ただし、前記した熱膨張ビーズを溶解しない溶剤を主たる溶剤として(例えば、全溶剤中80質量%以上)用いる場合には、目的に応じて、熱膨張ビーズに損傷を与えない量(例えば、全溶剤中20質量%以下)であれば、DMFを併用してもかまわない。
中間層形成用塗布液における溶剤の含有量は、前記2液ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、10質量部〜500質量部であることが好ましく、30質量部〜70質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
中間層形成用塗布液には、中間層の外観を調製する目的で着色剤を含有する。中間層に使用される着色剤としては、各種顔料や顔料や染料を含む着色有機微粒子などを目的に応じて選択して用いることができるが、意匠性、耐久性の観点から、有機顔料及び無機顔料から選択される1種以上又はこれら顔料を含む着色有機微粒子であることが好ましい。なお、前記した表面層にも着色剤を含んでもいてよく、表面層における着色剤と中間層における着色剤は同じであっても異なっていてもよい。
着色剤としては、DIC(株)製ダイカラックシリーズなどの着色有機微粒子が好ましく用いられる。また、着色剤の含有量は表皮材の使用目的に応じて適宜選択されるが、主剤であるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、1質量部〜100質量部の範囲で含有することが好ましい。着色剤を複数種含有する場合、含有量は複数の着色剤の総量を示す。
なお、中間層形成用塗布液には、その他の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲において併用してもよい。併用しうる添加剤としては、難燃剤、鎖伸長剤、チキソトロピー付与剤、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤などが挙げられる。
(鎖伸長剤)
本発明に係る中間層塗布液には、鎖伸長剤を含有することが、得られる表皮材の強度向上の観点から好ましい。本発明に使用しうる鎖伸長剤には特に制限はないが、中間層塗布液の主剤としてポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を用いることから、ポリウレタン樹脂の原料であるイソシアネート化合物と相互作用することで、得られるウレタン樹脂の高分子量化や柔軟性向上などの効果を奏し易いアミン系鎖伸長剤が好ましい。具体的には、例えば、市販品として、DIC(株)製のCLH−1などが挙げられる。
鎖伸長剤の添加量としては、主剤であるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、1質量部〜10質量部の範囲であることが好ましい。この添加量の範囲において、形成される中間層の柔軟性と強度を両立しうる。
(難燃剤)
本発明に係る中間層塗布液には、難燃剤を含有してもよい。特に、本発明の製造方法により得られる合成樹脂表皮材を車輌用内装材などに用いる場合には、強度とともに難燃性が重要になるため、難燃剤を含有することが好ましい。
本発明に使用しうる難燃剤は、公知のものを適宜使用することができ、例えば、金属水酸化物、リン系難燃剤、及び、窒素−リン系難燃剤などを使用してもよい。難燃剤は市販品としても入手可能であり、例えば、クラリアントジャパン(株)製のSTCパウダーなどが挙げられる。
難燃性の含有量は、主剤であるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、1質量部〜50質量部の範囲であることが好ましい。
(チキソトロピー付与剤)
中間層に使用しうるチキソトロピー付与剤としては、セピオライト、アタパルジャイト、及びスメクタイトから選ばれる鎖状粘度鉱物を親水化処理してなるものが挙げられる。
(レベリング剤)
中間層に使用しうるレベリング剤としては、有機高分子レベリング剤が挙げられ、市販品としては、例えば、DIC(株)製、クリスボンアシスターSD−56などが挙げられる。
レベリング剤を用いる場合の含有量は、ポリウレタン樹脂100質量部に対し、0.01質量部〜3質量部であることが好ましい。この含有量の範囲において、レベリング効果が充分に得られ、且つ、レベリング剤の添加に起因する後接着性の低下が抑制される。
なお、中間層は、所望により一工程で適度の量を厚塗りすることで、所望の膜厚の中間層を一工程で形成しうるため、前記中間層形成用塗布液の25℃における粘度は5000mPa・s〜20000mPa・sに調整されることが好ましい。塗布液粘度の調製は、溶剤の添加量で制御される。なお、本明細書における粘度は、BM型粘度計を用い、25℃、10rpmの条件で3回測定した平均値を用いている。
中間層形成用塗布液の濃度は、粘度が上記の好ましい範囲にある限り、特に制限はないが、塗布適性の観点からは、固形分濃度が20質量%〜50質量%程度であることが好ましい。
中間層形成用塗布液の塗布方法についても、公知の方法を適宜使用しうる。
なお、中間層の充分な層厚を1回の塗布で達成するための厚塗り性に適するという観点からは、特に、ナイフコート法、リップコート法、及びダイコート法などが好ましい。
中間層形成用塗布液の乾燥前の塗布量は、50g/m〜500g/mであることを要し、100g/m〜200g/mであることが好ましい。中間層形成用塗布液の塗布量が上記範囲において、充分な弾力性と強度を有する合成樹脂表皮材が形成される。
(中間層形成工程)
前記工程において形成された中間層形成用塗布液層18を、本工程では、加熱して熱膨張ビーズ15を発泡させ、気泡20を内在する中間層22を形成する。図1(B)は、前記表面層16上に、加熱後に形成された気泡20を内在する中間層22が積層された状態を示す概略断面図である。
中間層形成用塗布液層18の乾燥は、温度が90℃〜130℃の範囲にて行われることが好ましく、100℃〜120℃の温度条件にて行われることがより好ましい。
また、前記中間層形成工程において、熱膨張ビーズ15を膨張させるための加熱温度は130℃〜200℃の範囲であることが好ましく、150℃〜180℃の範囲であることがより好ましい。
なお、熱膨張ビーズ15の添加量を一定とした場合、130℃〜200℃の範囲においては、加熱温度の上昇に従って、熱膨張ビーズの体積が増加して形成される気泡20の体積が大きくなり、中間層22の膜厚もそれに従って増加することが確認された。
従って、加熱条件を調整して気泡20の体積を制御することにより、同一の中間層形成用塗布液を用いた場合でも、好ましいサイズの空隙(気泡)20を形成することができ、さらに、そのような気泡20を内在する中間層22自体の厚みも制御することができる。このとき、気泡20の体積を大きくすると中間層22の膜厚が厚くなり、中間層の密度は低いものとなる。
中間層22における熱膨張ビーズの膨張により中間層22は気泡20を内在することになる。
本発明における中間層形成工程においては、中間層に含まれる溶剤として揮発性に富み、且つ、熱膨張ビーズを構成する樹脂に悪影響を与えない有機溶剤を選択しているため、中間層形成用塗布液層の乾燥、及び、加熱による熱膨張ビーズの膨張が速やかに行われ、作業性に優れる。
なお、本発明の好ましい態様では、中間層形成用塗布液に用いられる2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物が、少なくとも、ブロック型イソシアネートと、ジオールと含むものであるが、さらに、ジアミン系鎖伸長剤を含むことが好ましい。ジアミン系鎖伸長剤を含有することで、熱膨張ビーズ膨張のための加熱により、鎖伸長剤と前記ウレタン樹脂原料であるブロック型イソシアネートのイソシアネート部分のブロック剤が解離し、鎖伸長剤が有するジアミン構造との重合反応によって、中間層内により高い分子量の高分子構造が形成され、膜強度が向上するとともに、鎖状構造の伸長により樹脂の柔軟性も改良される。
このため、得られた中間層は気泡を内在することで適度な厚みと弾力性を有し、且つ、高分子化により膜強度や柔軟性が向上するため、強度と弾力性に優れた表皮材を得ることができる。
基材上の中間層の厚みは、合成樹脂表皮材の使用目的に応じて適宜調整されるが、乾燥後の中間層の厚みとして、50μm〜1000μmの範囲であることが好ましく、100μm〜700μmの範囲であることがさらに好ましい。
〔積層体形成工程〕
本工程では、形成された中間層22表面に、接着剤を塗布して接着剤層24を形成し、表皮材形成用積層体26を得る。得られた積層体26は、接着剤層24表面を保護シートで被覆して合成樹脂表皮材形成用材料として保存してもよく、引き続き次工程を経て、合成樹脂表皮材10を形成してもよい。
〔転写工程〕
得られた表皮層形成用積層体26の接着剤層24を有する面と基材28とを密着させてラミネートすることで、表皮形成用積層体26が接着剤層24を介して基材28と密着する。ラミネートは常法で行うことができる。中間層22に内在する気泡20を損傷せず、中間層22の厚みを維持したまま基材28と密着させるため、ラミネートはロールニップ装置により、加熱温度を100℃〜150℃の範囲として行うことが好ましい。
その後、離型層14を有する仮支持体12を剥離することで、表面層16に皮革様の凹凸模様を有し、弾力性と強度を有する合成樹脂表皮材10を得る。
<基材>
本発明の合成樹脂表皮材のベースに用いられる基材28には特に制限はなく、公知のものを目的に応じて使用することができる。
具体的には、例えば、トリコットなどの繊維からなる編布又は不織布などの基布、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂をシート状に成形したものなどが挙げられる。
基材28として基布を用いる場合には、特に加工せず、表皮材形成用積層体をラミネートすればよい。また、熱可塑性エラストマー或いは熱可塑性樹脂からなるシートを機材として用いる場合には、接着性の向上のために、コロナ放電処理などの易接着処理を施したり、接着助剤層(プライマー層)を設けたりしてもよい。
基材は単層であっても、目的に応じた物性を有するシートを積層した重層構造を有するものであってもよい。
本発明の製造方法によれば、所望の膜厚と弾力性、強度を有する中間層を備えた合成樹脂表皮材を簡易な製造方法により容易に製造しうる。
<合成樹脂表皮材>
本発明の合成樹脂表皮材10は、前記した本発明の合成樹脂表皮材の製造方法により得られることを特徴とする。本発明の合成樹脂表皮材10は、基材28表面に接着剤層24を介して気泡20を内在する弾力性に優れた中間層22と所望の色相であり表面に所望の凹凸模様(シボ模様)を有する表面層16を備えてなり、外観、強度、弾力性及び感触に優れる。
本発明の合成樹脂表皮材は、簡易な方法で形成され、所望の厚みと弾力性を有する中間層を備え、その結果、外観、弾力性が良好で、高強度であり、自動車用内装材、鉄道車両・航空機内装部品、家具、靴・履物・鞄、建装用内外装部材、衣類表装材・裏地、など種々の分野に好適に使用しうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(実施例1)
トリコット生地(40デニール糸の編物)基布を基材28として用いた。
仮支持体12としては、表面離型処理され、離型層14を有する紋付き離型紙(大日本印刷(株)製、DE−41:紙厚平均140μmを用いた。
(表面層形成用組成物)
・一液型エーテル変性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100質量部
(DIC(株)製、クリスボンシリーズ)
・着色有機樹脂微粒子(DIC(株)製、ダイカラックシリーズ) 38質量部
・溶剤(トルエン) 14質量部
・溶剤(DMF) 36質量部

上記表面層形成用組成物を充分に混合し、固形分約15質量%の表面層形成用組成物を得た。
前記離型層14を備えた仮支持体12の離型層14形成側の表面に、前記表面層形成用組成物を、ナイフコート塗工装置を用いて、ウエット塗布量が260g/mとなるように塗布した。塗膜が形成された後、100℃で2分間、熱風乾燥機を用いて塗膜を乾燥して、仮支持体12上に表面層16(乾燥後の膜厚:約40μm)を形成した。
(中間層形成用組成物)
・2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物 100質量部
(DIC(株)製、クリスボン TK1015T)
・熱膨張ビーズ 4質量部
(日本フェライト社製、エクスパンセルDU120)
・アミン系鎖伸長剤 4.6質量部
(DIC(株)製、クリスボンCLH−1)
・着色有機樹脂微粒子 5.0質量部
(DIC(株)製、ダイカラックシリーズ)
・リン酸塩系難燃剤 32質量部
(クラリアントジャパン製、ペコフレームSTCパウダー)
・レベリング剤 0.2質量部
(DIC(株)製、クリスボンアシスターSD−56)
・溶剤(PGME) 26質量部
・溶剤(酢酸エチル) 26質量部
上記中間層形成用組成物を充分に混合し、固形分約50質量%の中間層形成用組成物を得た。
前記表面層16上に、前記中間層形成用組成物を、ナイフコート塗工装置を用いて、ウエット塗布量が150g/mとなるように塗布した。塗膜が形成された後、100℃で2分間、熱風乾燥機を用いて塗膜を乾燥して、表面層16上に中間層形成用塗布液層18(乾燥後の塗布量:79g/m)を形成した。
形成された中間層形成用塗布液層18を有する積層体を熱風乾燥機を用いて170℃で2分間加熱し、熱膨張ビーズを膨張させ、気泡20を内在する厚み約360μmの中間層22を形成した。
形成された中間層22表面に接着剤(DIC(株)製、クリスボンTA−205)を約130g/m塗布し、100℃で2分間乾燥して接着剤層24を形成し、合成樹脂表皮材形成用の積層体26を得た。
次に、積層体26の接着剤層24とトリコット基布(基材)28とを接触させ、ロールニップ装置でラミネートした。加熱温度は135℃とした。
仮支持体12を剥離して、基材28表面に、接着層24、気泡20を内在する中間層22及び表面層16をこの順で有する実施例1の合成樹脂表皮材10を得た。
得られた実施例1の合成樹脂表皮材10を目視で観察したところ、外観に優れ、指で押した場合の弾力性、感触は良好であった。
〔実施例2〜実施例5、比較例1〕
中間層の組成物を下記表1に変えた以外は実施例1と同様にして実施例2〜実施例5及び比較例1の合成樹脂表皮材を作製した。
(得られた合成樹脂表皮材の評価)
1.中間層膜厚
合成樹脂表皮材を切断して断面をマイクロスコープ(キーエンス(株)製、デジタルマイクロスコープVHX−900)で観察し、中間層膜厚を測定した。これを1試料について異なる箇所で10回測定し、平均値を膜厚とした。
2.中間層の発泡性
合成樹脂表皮材を切断して断面をマイクロスコープ(キーエンス(株)製、デジタルマイクロスコープVHX−900)で観察し、熱膨張ビーズの発泡による気泡の状態を観察し、以下の基準で評価した。
○:中間層全体に均一な気泡(空隙)が形成されている
△:中間層全体に気泡が形成されているが小体積の気泡が混在している。
×:外縁が明確な気泡が観察されない
結果を表1に併記した。
表1に明らかなように、本発明の製造方法により得られた合成樹脂表皮材は均一な気泡を内在し、充分な厚みを有する中間層が形成された。実施例2〜実施例5の製造方法で得られた合成樹脂表皮材も実施例1と同様に目視で観察した外観に優れ、指で押した場合の弾力性、感触も良好であった。一方、溶剤として熱膨張ビーズに影響を与えるDMFを用いた比較例1の製造方法では、中間層における充分な発泡がなされず、弾力性に優れた合成樹脂表皮材は得られなかった。
〔実施例6〜実施例8〕
実施例1の中間層形成工程における熱膨張ビーズ発泡のための加熱温度を下記表2に記載の温度に変えた以外は実施例1における製造方法と同様にして合成樹脂表皮材を作製した。得られた実施例6〜実施例8の合成樹脂表皮材における中間層の膜厚、塗布量、密度を測定した。中間層の塗布量は、予め中間層形成用塗布液組成物のみを離型剤に塗布し、10cm×10cmのサイズにカットし、総重量を測定し、離型紙の重量を差し引くことで測定した。これを、異なる3箇所で測定し、平均値を塗布量とした。
結果を表2に併記した。また、実施例1の製造方法で得た合成樹脂表皮材も同様の評価した結果を併記した。
表2に明らかなように、中間層形成工程における熱膨張ビーズ発泡温度を制御することで、得られる中間層の膜厚、密度を制御しうることが確認された。このため、本発明の製造方法によれば、加熱温度条件の制御のみで、種々の弾力性を有する合成樹脂表皮材を得ることができるという利点を有することが確認できた。
10 合成樹脂表皮材
12 仮支持体
16 表面層
18 中間層形成用塗布液層
22 中間層
24 接着剤層
26 合成樹脂表皮材形成用積層体
28 基材

Claims (7)

  1. 離型剤層を有する仮支持体の離型剤層表面に、表面層形成用組成物を塗布、乾燥して表面層を設ける表面層形成工程と、
    形成された表面層上に、2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物、着色剤、熱膨張ビーズ、及び熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しない溶剤を含有し、25℃における粘度が5000mPa・s〜20000mPa・sである中間層形成用塗布液を、50g/m〜500g/m塗布し、乾燥して塗布液層を形成する中間層形成用塗布液層形成工程と、
    形成された中間層形成用塗布液層を加熱、乾燥して熱膨張ビーズを発泡させ、気泡を内在する中間層を形成する中間層形成工程と、
    形成された中間層表面に、接着剤を塗布して接着剤層を形成し、表皮材形成用積層体を得る積層体形成工程と、
    得られた表皮層形成用積層体の接着剤層を有する面と基材とを密着させてラミネートし、その後、仮支持体を剥離する転写工程と、を有する合成樹脂表皮材の製造方法。
  2. 前記中間層形成用塗布液が、前記2液ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂100質量部に対して、前記熱膨張性ビーズを0.5質量部〜10質量部、酢酸エチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルから選択される熱膨張ビーズを溶解しない溶剤の1種以上を10質量部〜500質量部含有する、請求項1記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
  3. 中間層形成用塗布液が、さらに、ジアミン系鎖伸長剤を含有する、請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
  4. 中間層形成用塗布液が、さらに、難燃剤を含有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
  5. 前記2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物が、少なくとも、ブロック型イソシアネートと、ジオールとを含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
  6. 前記中間層形成用塗布液層形成工程における中間層形成用塗布液層の乾燥温度が90℃〜130℃の範囲であり、前記中間層形成工程における加熱温度が130℃〜200℃の範囲である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた合成樹脂表皮材。
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