JP2012234127A - 液体現像剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体現像剤は顔料と樹脂とを含むトナー粒子が分散剤により絶縁性液体に分散されてなり、含有する顔料はケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子を有する金属フタロシアニンであり、更に中心金属の配位子としてジ置換シロキサン結合(ジアルキル、ジアリール等)、トリ置換シロキシ基(トリアルキル、トリアリール等)を有する。
【選択図】なし
Description
本発明に係る液体現像剤は、電子写真方式の画像形成装置用の現像剤として有用であり、トナー粒子が分散剤により絶縁性液体に分散されて構成されている。トナー粒子は顔料と樹脂とを含んでいるが、顔料として後述の材料を使用している。よって、トナー粒子は均一に帯電され、また紙面などの記録媒体へのトナー粒子の定着阻害が抑制される。
本発明の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、通常、絶縁性液体に相溶せず絶縁性液体中に分散された状態で存在しており、後述の樹脂および顔料を含んでいる。かかるトナー粒子は、後述の樹脂および顔料を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばワックスまたは荷電制御剤等を挙げることができる。
本発明におけるトナー粒子に含まれる樹脂は、特に限定されない。本発明における樹脂は、たとえば、ポリエステル樹脂、ビニル系単量体を重合して形成される重合体、ポリオレフィン共重合体樹脂(特にエチレン系共重合体樹脂)、ロジン変性フェノール樹脂、またはロジン変性マレイン酸樹脂等であれば良く、これらの2種以上を混合して用いても良い。以下では、ポリエステル樹脂およびビニル系単量体を重合して形成される重合体について詳述する。
本発明におけるトナー粒子に含まれる顔料は、上記一般式(I)〜(V)および(IV’)のいずれかで表わされる化合物を含んでいる。以下では、本発明における顔料の好ましい具体例を説明する。
本発明におけるトナー粒子の製造方法は、特に限定されない。本発明に係るトナー粒子は、粉砕法により製造されても良く、具体的には、樹脂と顔料とを混練する工程と、混練工程で得られた混練物を粉砕する工程と、粉砕されたものを分級する工程とを経て製造されても良い。また、本発明に係るトナー粒子は、重合方法により製造されても良く、具体的には、顔料の共存下において単量体(樹脂を構成する単量体)を重合させ、同時に、形状や大きさなどを制御しながら製造されても良い。ここで、重合方法としては、たとえば、乳化重合法またはポリエステル伸長法等を挙げることができる。
本発明に係る液体現像剤の製造方法は、特に限定されない。本発明に係る液体現像剤は、上記方法にしたがって得られたトナー粒子と以下の絶縁性液体と後述の分散剤とを混合して製造されれば良い。
絶縁性液体は、静電潜像を乱さない程度の抵抗値(1×1011〜1×1016Ω・cm程度)のものであれば良く、臭気および毒性が少ない溶媒であることが好ましい。よって、絶縁性液体は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素またはポリシロキサン等であれば良く、臭気および有害性の少なさと低コストとの観点から、ノルマルパラフィン系溶媒またはイソパラフィン系溶媒であることが好ましい。具体的には、絶縁性液体としては、モレスコホワイト(松村石油研究所社製)、アイソパー(エクソン化学社製)、シェルゾール71(シェル石油化学社製)、IPソルベント1620、またはIPソルベント2028(いずれも、出光石油化学社製)等が挙げられる。
分散剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定に分散させるためには、絶縁性液体に可溶な分散剤を用いると良い。分散剤は、トナー粒子を安定に分散させるものであれば種類に限定されないが、樹脂として酸価が比較的高いポリエステル樹脂を用いた場合には塩基性の高分子分散剤を用いることが好ましい。塩基性の高分子分散剤の中でも長期に渡り安定に保管可能な材料としては、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性高分子分散剤などが挙げられる。
<液体現像剤の製造>
<実施例1>
まず、以下に示す方法にしたがって樹脂を合成した。
還流冷却器、水とアルコールとを分離する装置、窒素ガス導入管、温度計および攪拌装置が取り付けられた丸底フラスコに、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を1600質量部(多価アルコール)、テレフタル酸を550質量部(多価塩基酸)、そしてトリメリット酸を340質量部入れた。そして、丸底フラスコ内の内容物を攪拌しながら丸底フラスコ内に窒素ガスを導入し、200〜240℃の温度で脱水重縮合または脱アルコール重縮合を行った。
顔料として表1に示す化合物(I−1)を用いてトナー粒子を製造した。具体的には、上記手法により得られたポリエステル樹脂A100重量部に化合物(I−1)15重量部を加え、ヘンシェルミキサーで十分混合した。その後、ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用いてこの混合物を溶融混練し、得られた混合物を冷却した。冷却された混合物を粗粉砕した後、ジェット粉砕機にて粉砕した。これにより、トナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子を43質量部、塩基性高分子分散剤としてソルスパース13940(日本ルーブリゾール社製)を0.43質量部、流動パラフィン100質量部(引火点84℃、商品名:IP−2028、出光興産社製)、およびジルコニアビーズ(商品名:YTZボール、ニッカトー社製)100質量部を混合し、サンドミルにて120時間撹拌した。これにより、液体現像剤が得られた。
顔料の種類を表2に示す化合物に変更したことを除いては上記実施例1と同様の方法にしたがって、実施例2〜6の液体現像剤を製造した。なお、実施例2〜4の顔料は、それぞれ、上記表1における化合物I−2、I−3およびII−1である。また、実施例5〜6の顔料は、それぞれ、上記化学式(III−1)および(IV−1)である。
実施例1〜8および比較例1〜5の各液体現像剤を用いて、記録媒体(図1に示すコート紙10)への定着性、光沢度および電荷保持性を評価した。
図1に示す画像形成装置1を用いて、実施例1〜8および比較例1〜5の各液体現像剤をコート紙10(コート紙10の単位面積当たりの重さは127g/m2である)上に現像した。
ランク5:折れ目に全く剥離無し
ランク4:折り目にしたがいベタ画像の一部に剥離有り
ランク3:折り目にしたがいベタ画像に細い線状の剥離有り
ランク2:折り目にしたがいベタ画像に太い線状の剥離有り
ランク1:ベタ画像に大きな剥離有り。
システム速度:40cm/s
感光体:負帯電OPC
帯電電位:−650V
現像電圧(現像ローラ3への印加電圧):−450V
1次転写電圧(転写ローラ(中間転写体6)への印加電圧):+620V
2次転写電圧:+1200V
現像前コロナCHG:針印加電圧−3〜5kVで適宜調整。
図1に示す装置を用いて、実施例1〜8および比較例1〜5の各液体現像剤の光沢性を調べた。
図2に示す装置を用いて、実施例1〜8および比較例1〜5の各液体現像剤の電荷保持性を測定した。
次に、トナー粒子における顔料の粒径を変更して実施例9〜13の液体現像剤を製造し、製造された液体現像剤の定着性、光沢評価および電荷保持性を調べた。
<実施例9>
同方向回転二軸押出し機を用いてポリエステル樹脂Aと顔料との混合物を溶融混練しているところにTHF(tetrahydrofuran)をポリエステル樹脂A100重量部に対して10重量部添加したことを除いては上記実施例1と同様の方法にしたがってトナー粒子を得た。得られたトナー粒子における顔料の粒径は、20nmであった。そして、得られたトナー粒子を用いて上記実施例1と同様の方法にしたがって実施例9の液体現像剤を作製した。
THFをポリエステル樹脂100重量部に対して5重量部添加したことを除いては上記実施例9と同様の方法にしたがってトナー粒子を得た。得られたトナー粒子における顔料の粒径は、40nmであった。そして、得られたトナー粒子を用いて上記実施例1と同様の方法にしたがって実施例10の液体現像剤を作製した。
実施例11〜13では、同方向回転二軸押出し機のロール内加熱温度をそれぞれ、105℃、110℃、120℃としたことを除いては上記実施例1と同様の方法にしたがって液体現像剤を作製した。なお、実施例11〜13の各実施例においても、トナー粒子が得られた時点で、得られたトナー粒子中における顔料の粒径を求めた。
〔顔料の種類の最適化〕における<定着性の評価>にしたがって、実施例9〜13の液体現像剤に対してその定着性を調べた。結果を表3に示す。
〔顔料の種類の最適化〕における<光沢性の評価>にしたがって、実施例9〜13の液体現像剤に対してその光沢性を調べた。
実施例9〜12では、実施例13よりも液体現像剤の光沢性がさらに向上した。その理由としては、次の2つが考えられる。上記<定着性の評価>で述べたように、実施例9〜12のトナー粒子が実施例13のトナー粒子よりも定着性にさらに優れることが挙げられる。また、実施例9〜12では、実施例13に比べて、顔料の表面積が大きいので、顔料と樹脂との接触面積が大きくなり、よって、樹脂による顔料の担持力が向上する。したがって、キャリア液による顔料の溶解または浸食が防止される。これにより、画像濃度の向上を図ることができる。
〔顔料の種類の最適化〕における<電荷保持性の評価>にしたがって、実施例9〜13の液体現像剤に対してその電荷保持性を調べた。
実施例10〜12では、実施例9および13よりも液体現像剤の表面電位が高かった。これにより、実施例10〜12の液体現像剤を用いた方が実施例9および13の液体現像剤を用いた場合に比べて高濃度の画像が得られるということが予想できる。実施例10〜12の方が実施例13よりも高濃度の画像が得られるということは、上記<光沢性の評価>における評価結果と一致する。また、実施例10〜12の方が実施例9よりも高濃度の画像が得られるという理由としては、次に示すことが考えられる。実施例9では、顔料の粒径がトナー粒子の粒径よりも著しく小さいので、顔料がトナー粒子の表面に露出し難く、よって、トナー粒子の帯電が難しくなる。
Claims (5)
- 顔料と樹脂とを含むトナー粒子が分散剤により絶縁性液体に分散されてなる液体現像剤であって、
前記顔料は、下記一般式(I)〜(V)および(IV’)で表わされるいずれかの化合物である、液体現像剤。
- 前記顔料は、前記トナー粒子中において、30nm以上150nm以下の粒径を有する、請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記トナー粒子は、0.1μm以上5μm以下の体積基準メディアン径を有する、請求項1または2に記載の液体現像剤。
- 前記トナー粒子は、100質量部の前記樹脂に対して、5質量部以上40質量部以下の前記顔料を含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の液体現像剤。
- 前記一般式(I)、(II)、(IV)および(IV’)中のM1はケイ素原子である請求項1〜4のいずれかに記載の液体現像剤。
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