JP2010163473A - インクジェット記録用シアンインク - Google Patents

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Abstract

【課題】高い分散安定性および高い耐光性を有するインクジェット記録用シアンインクの提供。
【解決手段】インクジェット記録用シアンインクは、一般式(1)等で表わせるフタロシアニン系化合物を含有する。ただし、一般式(1)等で表わせるMはSi、Sn、GeまたはGaよりなる中心金属原子、Zは−O−SiR2R3R4で表される有機基である。
Figure 2010163473

【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用シアンインクに関し、より詳細には、フタロシアニン系化合物が含有されたインクジェット記録用シアンインクに関する。
一般に、インクは、優れたカラー再現性を有することのみならず、耐水性および耐光性に優れた画像を形成することができることも要求される。さらに、記録媒体上ヘインクの液滴を射出して画像を形成するインクジェット記録の印刷においては、インクは、万年筆やボールペンなどの普通の筆記用具に用いられるインクとして要求されるよりもさらに限定された諸特性を備えていることが必要とされる。例えば、インクジェット記録用インクにおいては、適当な粘度と適切な表面張力を有し、適当な安定性を備え、かつノズルの詰まりを起こさせないことが求められる。
インクジェット記録用のプリンタは、一般に、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、および任意にブラックインクを用い、これらのカラーインクを重ねることにより、多種の色を創出してカラー画像を形成するものである。このようなインクジェット記録方式のプリンタに用いる各色インクは、それ単独の色の再現性に優れるのはもちろんのこと、これに加えて、互いにインクを重ねることによって創出されるレッド、グリーンおよびブルーの再現性にも優れている必要がある。
一般に、上記のようなインクジェット記録用インクに要求される多くの諸性質は、水溶性染料と水および/または水溶性有機溶媒とを含有する水性インク組成物が満足している。そして、色調、耐水性および耐光性などの得られるカラー画像についての諸性質は、使用される水溶性染料の性質に依るために、これまで種々の水溶性染料を利用することが試みられてきた。
例えば、シアンインクを形成するためのシアン着色剤としてフタロシアニン系化合物を用いることが特許文献1〜9に開示されている。
しかしながら、これらのフタロシアニン系化合物は、いずれも高い分散安定性および高い耐光性を兼ね備えてはおらず、これらの特性を兼ね備えたシアン着色剤を含有するシアンインクは未だに達成されていない。
米国特許第5,296,023号明細書 米国特許第5,704,969号明細書 米国特許第4,632,703号明細書 米国特許第5,123,960号明細書 特開昭61−2772号公報 特開昭62−149758号公報 特開昭62−190273号公報 特開2003−128949号公報 特開平3−200883号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、高い分散安定性を有し、しかも高い耐光性を有するインクジェット記録用シアンインクを提供することにある。
本発明のインクジェット記録用シアンインクは、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表されるフタロシアニン系化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2010163473
〔上記一般式(1)中、Mは、Si、Sn、GeまたはGaよりなる中心金属原子、Zは、下記一般式(3)で表される有機基である。〕
Figure 2010163473
〔上記一般式(2)中、Mは、Si、Sn、GeまたはGaよりなる中心金属原子、Zは、下記一般式(3)で表される有機基、Lは、−O−、または−OSi(R1 2 O−(ただし、R1 は、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、塩素原子、またはヒドロキシ基のいずれかを示す。)である。〕
Figure 2010163473
〔上記一般式(3)中、R2 〜R4 は、各々独立に有機基である。〕
本発明のインクジェット記録用シアンインクにおいては、前記一般式(1)で表されるフタロシアニン系化合物が、当該インクジェット記録用シアンインク中に0.1〜10質量%含有されていることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用シアンインクによれば、当該インクジェット記録用シアンインクが、中心金属原子が特定金属よりなり、当該中心金属原子のアキシアル位に置換基を有するフタロシアニン系化合物を含有するものであるために、高い分散安定性を有し、かつ、従来のフタロシアニンを用いたシアンインクに比較して明度の高い画像を形成することができ、しかも形成される画像に高い耐光性が得られる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のインクジェット記録用シアンインク(以下、単に「シアンインク」ともいう。)は、シアン色の着色剤として、上記一般式(1)または上記一般式(2)で表されるフタロシアニン系化合物(以下、「特定のフタロシアニン系化合物」ともいう。)を含有するものである。
特定のフタロシアニン系化合物は、中心金属原子Mからフタロシアニン環に対して垂直方向に置換基を有する化合物である。なお、ここでいう垂直方向とは、フタロシアニン環に対して同一平面上にないという意味であり、特定のフタロシアニン系化合物において置換基が当該平面に正確に90℃に位置することは必須ではない。
特定のフタロシアニン系化合物としては、上記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
また、上記一般式(1)および上記一般式(2)中、Mは中心金属原子を示す。
一般式(1)および一般式(2)における中心金属原子Mとしては、Si(ケイ素原子),Ge(ゲルマニウム原子),Ga(ガリウム原子)およびSn(スズ原子)が例示され、特にSiが好ましい。中心金属原子MとしてSiが好ましい理由は、適切な色相角を有し、明度が十分に高いからである。
また、上記一般式(1)および上記一般式(2)中、Zは、上記一般式(3)で表される化合物を示す。
Zとしては、例えば−OSi(CH3 3 ,−OSi(CH2 CH3 3 ,−OSi(CH2 CH2 CH3 3 ,−OSi(C6 6 3 などが挙げられる。
また、上記一般式(2)中、Lは、−O−または−OSi(R1 2 O−を示す。ただし、以上において、R1 は、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、塩素原子、またはヒドロキシ基のいずれかである。
また、上記一般式(3)中のR2 〜R4 は、各々、独立に有機基であり、上記一般式(3)中のR2 〜R4 としては、特に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリールオキシ基であることが好ましい。
上記一般式(1)で表されるフタロシアニン系化合物のうち、中心金属原子MがSiであるものの具体例としては、下記式(1−1a)〜式(1−1d)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2010163473
上記一般式(1)で表されるフタロシアニン系化合物のうち、中心金属原子MがSnであるものの具体例としては、下記式(1−2b)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2010163473
上記一般式(1)で表されるフタロシアニン系化合物のうち、中心金属原子MがGeであるものの具体例としては、下記式(1−3b)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2010163473
上記一般式(1)で表されるフタロシアニン系化合物のうち、中心金属原子MがGaであるものの具体例としては、下記式(1−4b)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2010163473
上記一般式(2)で表されるフタロシアニン系化合物の具体例としては、下記式(2−1a)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2010163473
上記一般式(1)で表されるフタロシアニン系化合物および上記一般式(2)で表されるフタロシアニン系化合物は、組み合わせて用いられてもよい。
特定のフタロシアニン系化合物よりなるシアン着色剤は、インク中に0.5〜20質量%含有されていることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
本発明のシアンインクとしては、上記式(1−1a)で表されるフタロシアニン系化合物が、インク中に0.5〜4.0質量%含有されたものが特に好ましく挙げられる。
〔シアンインクの製造方法〕
本発明のシアンインクは、特定のフタロシアニン系化合物よりなるシアン着色剤を水および/または水溶性有機溶剤に分散させたものとすることができる。具体的には、水および/または水溶性有機溶剤と、特定のフタロシアニン系化合物よりなるシアン着色剤と、その他の必要に応じて添加される各種添加剤とを、常法に従って均一に混合することにより、シアン着色剤粒子が分散されたシアンインクを調製することができる。
シアンインクの調製においては、水および/または水溶性有機溶剤にシアン着色剤および添加剤を溶解または分散させた後、メンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除去することが好ましい。精密濾過を行うためのメンブランフィルターの孔径は、通常0.1〜1μm、好ましくは0.2μm〜0.8μmである。
シアンインクの調製において、水および/または水溶性有機溶剤にシアン着色剤粒子を分散させる方法としては特に限定されるものではなく、例えば、サンドグラインダーやSCミルのようなメディアを使用した分散装置や、クレアミックスのような剪断力とキャビテーションの力を使用する分散装置など、いずれをも使用することができる。
なお、シアン着色剤およびその他の必要に応じて添加される各種添加剤の水および/または水溶性有機溶剤に対する添加順序は特に限定されない。
その他の必要に応じて添加される各種添加剤としては、粘度調整剤;表面張力調整剤;防腐防黴剤;pH調整剤;キレート試薬;防錆剤;紫外線吸収剤;染料溶解剤;褪色防止剤;消泡剤などの従来公知の添加剤が挙げられる。
シアンインクを得るための水としては、塩類の含有量の少ないイオン交換水や蒸留水を用いることが好ましい。
シアンインク中における水の含有量は、他の成分の残部という位置づけであるから、他の成分の含有量に依存するが、通常、10〜90質量%、好ましくは40〜80質量%である。
シアンインクを得るために用いることのできる水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノールなどの炭素数1〜4のアルカノール;N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オンなどの複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オンなどのケトンまたはケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル;エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,2−または1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの炭素数2〜6のアルキレン単位を有するモノマー、オリゴマーまたはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオールなどのポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはトリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはトリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの炭素数1〜4のアルキルエーテル;γ−ブチロラクトンまたはジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
水溶性有機溶剤として好ましいものとしては、炭素数3〜8のモノまたは多価アルコールおよび炭素数1〜3のアルキル置換を有してもよい2−ピロリドンなどが挙げられ、多価アルコールとしてはヒドロキシ基を2〜3有するものが好ましい。具体的には、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジまたはトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ブタノールなどであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、ブチルカルビトール、N−メチル−2−ピロリドンである。
以上の水溶性有機溶剤は、1種単独でもしくは2種以上を混合して用いることができる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンツチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系などの化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライドなどが挙げられる。
その他の防腐防黴剤としては、例えば、アベシア社製「プロクセルGXL(S)」、「プロクセルXL−2(S)」などのソルビン酸ソーダ安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤は、得られるシアンインクの保存安定性を向上させる目的で使用され、pH調整剤としては、シアンインクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御することができるものであれば任意の物質を使用することができる。具体的には、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
防錆剤としては、例えば酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物およびベンズオキサゾール系化合物などが挙げられる。
また、紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に水溶性樹脂などの水溶性高分子化合物が挙げられ、具体的には、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミンなどが挙げられる。
本発明のシアンインクは、粘度が30mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは20mPa・s以下である。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネートなどが挙げられる。
褪色防止剤は、得られるシアンインクによって形成される画像の保存性を向上させる目的で使用され、褪色防止剤としては、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機系褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられ、金属錯体系褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体などが挙げられる。
表面張力調整剤としては、界面活性剤が挙げられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えばアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系のもの(例えば、日信化学社製「サーフィノール104」、「サーフィノール104PG50」、「サーフィノール82」、「サーフィノール465」、「オルフィンSTG」など)などが挙げられる。
これらの表面張力調整剤は、1種単独でもしくは2種以上を混合して用いることができる。
本発明のシアンインクは、表面張力が通常25〜70mN/m、より好ましくは25〜60mN/mである。
消泡剤としては、フッ素系化合物、シリコーン系化合物などを用いることができる。
本発明のシアンインクは、シアン単色画像の形成のみならず、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、より高精細な画像を形成する場合には必要に応じてライトマゼンタインク、ブルーインク、グリーンインク、オレンジインク、ダークイエローインク、グレーインクなどと共に用いてフルカラー画像の形成を行うこともできる。
フルカラー画像を形成するために本発明のシアンインクと共に用いることのできるイエローインクのイエロー着色剤としては、種々のものを使用することができ、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドンなどのようなヘテロ環類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;アゾメチン染料、ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料などのようなメチン染料;ナフトキノン染料、アントラキノン染料などのようなキノン系染料などが挙げられ、さらにキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料などの染料も挙げることができる。
フルカラー画像を形成するために本発明のシアンインクと共に用いることのできるマゼンタインクのマゼンタ着色剤としては、種々のものを使用することができ、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールアゾ染料;カップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのカルボニウム染料;ナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料およびジオキサジン染料などの縮合多環染料などを挙げることができる。
以上のイエロー着色剤および/またはマゼンタ着色剤は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローおよび/またはマゼンタの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
また、フルカラー画像を形成するために本発明のシアンインクと共に用いることのできるブラックインクのブラック着色剤としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体などを挙げることができる。
本発明のシアンインクは、インクジェット記録方法に好適に用いられるが、インクジェットによらない通常の印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピングなどの他の種々の記録方法にも適用することができる。
インクジェット記録方法は、インクにエネルギーを供与することにより、適宜の記録媒体上にインクの液滴を射出して画像を形成する方法である。
記録媒体としては、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、光沢紙、光沢フィルム、電子写真共用紙などの情報伝達用シート、カラーフィルター用基材、繊維、布(セルロース、ナイロン、羊毛など)、ガラス、金属、陶磁器、皮革などが挙げられる。
特に、インクジェット専用紙、光沢紙、光沢フィルムを用いることが好ましい。これらは、紙、合成紙、フィルムなどよりなる基材に対してインク受容層が設けられたものである。インク受容層は、例えば基材に、カチオン系ポリマーを含浸または塗工することにより、あるいは多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の着色剤を吸収することのできる無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマーと共に塗工することにより、形成することができる。
これらの中でも、多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の着色剤を吸収することのできる無機微粒子を基材表面に塗工されているタイプのインクジェット専用紙は、オゾンガスなどの空気中の酸化作用を持つガスに対して影響を受けやすいとされている。このようなインクジェット専用紙の代表的な市販品としては、「ピクトリコ」(旭硝子(株)製)、「プロフェッショナルフォトペーパー」、「スーパーフォトペーパー」、「マットフォトペーパー」(以上、キヤノン(株)製)、「写真用紙<光沢>」、「フォトマット紙」(以上、セイコーエプソン(株)製)、「プレミアム光沢フィルム」、「フォト用紙」(以上、日本ヒューレット・パッカード(株)製)、「フォトライクQP」(コニカ(株)製)、「高品位コート紙」、「写真光沢紙」(以上、ソニー(株)製)などが挙げられる。
本発明のシアンインクを用いたインクジェット記録方法としては、例えば下記(1)〜(4)の方法を挙げることができる。
(1)ノズルとノズルの前方に配置された加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に噴射させ、そのインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を当該偏向電極に与えることによって、インク滴を記録媒体上に向けて飛ばしてインクを記録媒体上に定着させて画像を記録する、または、インク滴を偏向させずに、印刷情報信号に従ってインク滴をノズルから記録媒体上に向けて噴射させることにより画像を記録媒体上に定着させて記録する、静電吸引方式の方法。
(2)小型ポンプによってインク液に圧力を加えると共に、インクジェットノズルを水晶振動子などによって機械的に振動させることによって、強制的にノズルからインク滴を噴射させる方法であって、ノズルから噴射されたインク滴は、噴射されると同時に帯電され、このインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を当該偏向電極に与えてインク滴を記録媒体に向かって飛ばすことにより、記録媒体上に画像を記録する方法。
(3)インク液に圧電素子によって圧力と印刷情報信号を同時に加え、ノズルからインク滴を記録媒体に向けて噴射させ、記録媒体上に画像を記録する方法。
(4)印刷信号情報に従って微小電極を用いてインク液を加熱して発泡させ、この泡を膨張させることによってインク液をノズルから記録媒体に向けて噴射させて記録媒体上に画像を記録する方法。
本発明のシアンインクを用いたインクジェット記録方法においては、形成される画像に光沢性や耐水性を向上させる、または耐候性を改善させる目的から、ポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックス)を併用してこれを記録媒体に付与することができる。ポリマーラテックスを記録媒体に付与する時期については、シアンインクを射出する前であっても、後であってもよく、また同時であってもよい。具体的な付与の方法としては、予め記録媒体に塗布しておき、これを使用する方法、予めシアンインク中に添加しておき、これを使用する方法、あるいはポリマーラテックス単独の液状物をシアンインクの射出前または射出後に記録媒体に射出する方法などがある。
〔シアン着色剤粒子の粒径〕
シアンインク中に分散されたシアン着色剤粒子の平均粒子径(D50)は、精密濾過を行うためのメンブランフィルターを通過することができる大きさであればよく、例えば0.1〜1μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.8μmとされる。この平均粒子径(D50)は、特定のフタロシアニン系化合物を分散する際の分散条件を調整することによって制御することができる。
シアンインク中に分散されたシアン着色剤粒子の平均粒子径(D50)が上記の範囲にあることにより、得られるシアンインクに着色力と高画質とが両立して得られ、高い画質の画像を高い着色力で形成することができる。
有機媒体中に分散されたシアン着色剤粒子の平均粒子径(D50)は、レーザドップラー検出式電気泳動法(ELS)により測定される個数平均粒子径とされる。具体的には、シアン着色剤粒子の平均粒子径(D50)は、ゼータ電位粒度分布測定装置「DelsaTM Nano C」(ベックマンコールター社製)を用いて測定される値とされる。
このようなシアンインクによれば、当該インクジェット記録用シアンインクが、中心金属原子が特定金属よりなり、当該中心金属原子のアキシアル位に置換基を有するフタロシアニン系化合物を含有するものであるために、高い分散安定性を有し、かつ、従来のフタロシアニンを用いたシアンインクに比較して明度の高い画像を形成することができ、しかも形成される画像に高い耐光性が得られる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:シアンインクの作製例1〕
下記組成物Aを混合し、SCミルによって撹拌した後、細孔径0.45μmメンブランフィルターを用いて濾過することにより、シアンインク〔1〕を作製した。
(組成物A)
上記式(1−1a)で表されるフタロシアニン系化合物〔1−1a〕 4.5質量%
2−メチル−2−n−プロピル−1,3−プロパンジオール 4.5質量%
1,5−ヘキサンジオール 10.0質量%
トリエチレングリコール 10.0質量%
「Proxel GXL(D)」(アビシア社製) 0.1質量%
〔実施例2〜4:シアンインクの作製例2〜4〕
シアンインクの作製例1において、フタロシアニン系化合物〔1−1a〕の代わりに、それぞれ上記式(1−1b)で表されるフタロシアニン系化合物〔1−1b〕、上記式(1−1c)で表されるフタロシアニン系化合物〔1−1c〕、上記式(1−1d)で表されるフタロシアニン系化合物〔1−1d〕を用いたことの他は同様にして、シアンインク〔2〕〜〔4〕を作製した。
〔実施例5:シアンインクの作製例5〕
シアンインクの作製例1において、組成物Aの代わりに下記組成物Bを用いたことの他は同様にしてシアンインク〔5〕を得た。
(組成物B)
上記式(1−2b)で表されるフタロシアニン系化合物〔1−2b〕 4.2質量%
2−メチル−2−n−プロピル−1,3−プロパンジオール 3.8質量%
1,5−ヘキサンジオール 10.0質量%
2−ピロリドン 5.0質量%
イオン交換水 77.0質量%
〔実施例6:シアンインクの作製例6〕
シアンインクの作製例1において、フタロシアニン系化合物〔1−1a〕の代わりに、上記式(1−3b)で表されるフタロシアニン系化合物〔1−3b〕を用いたことの他は同様にして、シアンインク〔6〕を作製した。
〔実施例7,8:シアンインクの作製例7,8〕
シアンインクの作製例5において、フタロシアニン系化合物〔1−2b〕の代わりに、それぞれ上記式(1−4b)で表されるフタロシアニン系化合物〔1−4b〕、上記式(2−1a)で表されるフタロシアニン系化合物〔2−1a〕を用いたことの他は同様にして、シアンインク〔7〕,〔8〕を作製した。
〔比較例1:比較用シアンインクの作製例1〕
まず、ノニオン系界面活性剤であるHLB値が17.5であるポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル「ノイゲンEA−197」(第一工業製薬社製)6.6質量部をイオン交換水73.4質量部に溶解させた溶液に、下記式(x)で表されるフタロシアニン系化合物〔x〕20.0質量部を混合して十分に湿潤させた後、湿式分散機「ダイノーミル KDL A型」(WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填して2,000rpmで2時間分散処理を行い、一次顔料分散体を得た。
一方、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体[III ]「T−YP112」(星光PMC社製)(オレフィン鎖:炭素数20〜24、酸価190mg・KOH/g、質量平均分子量10,000)10.0質量部と、1NのLiOH水溶液(酸価の1.2倍量)17.34質量部と、イオン交換水72.66質量部とを混合し、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体[III ]を溶解させた後、微量の不溶物を平均孔径5μmのフィルターで濾過することにより、高分子分散安定化剤溶液を調製した。
上記の一次顔料分散体に、この高分子分散安定化剤溶液20.0質量部を添加し、十分に撹拌することにより、比較用のシアンインク〔9〕を得た。このシアンインク〔9〕の平均粒子径(D50)を測定したところ、83nmであった。平均粒子径(D50)測定は、マイクロトラック社製「UPA−EX150」を用いた。
Figure 2010163473
〔比較例2:比較用シアンインクの作製例2〕
下記組成物Cを混合、撹拌して溶解させた後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルターを用いて加圧濾過することにより、比較用のシアンインク〔10〕を作製した。
(組成物C)
下記式(y)で表されるフタロシアニン系化合物〔y〕 3質量部
グリセリン 10質量部
ジエチレングリコール 10質量部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物「アセチレノールEH」(川研ファインケミカル社製) 1質量部
イオン交換水 76質量部
Figure 2010163473
以上のシアンインク〔1〕〜〔10〕について、下記(1)〜(6)の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)分散安定性
各シアンインク〔1〕〜〔10〕について、「DelsaTMNano C」(ベックマン・コールター社製)を用いて個数平均粒子径(D50)を測定した後、密閉した状態で温度50℃の環境下で1週間保管する安定性試験を行い、同様にして個数平均粒子径(D50)を測定し、下記数式(1)から変化率を算出して評価した。この変化率が20%未満であると優良と判断され、変化率が20%以上40%未満であると良好と判断され、変化率が40%以上であると不良として判断される。
なお、下記数式(1)において、D(前)は安定性試験前の個数平均粒子径(D50)、D(後)は安定性試験後の個数平均粒子径(D50)である。
数式(1):変化率(%)=〔|D(後)−D(前)|/D(前)〕×100
(2)吐出安定性
各シアンインク〔1〕〜〔10〕を、インクカートリッジに充填して、これをインクジェットプリンタ「PIXUS IP2600」(キヤノン社製)に装着し、10枚印字した後、高温高湿環境下(温度35℃/湿度85%RH)において1週間放置し、次いで常温常湿環境下(温度20℃/湿度50%RH)において印字を行い、印字不良が発生しなくなるまでの枚数によって評価した。なお、印字不良が1枚目から発生しないことにより、吐出安定性に優れると判断される。
(3)印字品質(インクにじみ)
各シアンインク〔1〕〜〔10〕を、インクカートリッジに充填して、これをインクジェットプリンタ「PIXUS IP2600」(キヤノン社製)に装着し、インクジェット専用紙ではない、通常の上質紙(電子写真用に使用されるもの:斤量63g/cm2 )を用いて画像を形成し、形成した文字画像について、目視での観察と顕微鏡を用いて倍率60倍での観察を行い、下記の評価基準に従って評価した。
−評価基準−
◎(優良):目視観察および顕微鏡観察のいずれによってもにじみは確認されなかった。
○(良好):目視観察ではにじみは確認されなかったが、顕微鏡観察ではにじみが確認された。
×(不良):目視観察および顕微鏡観察のいずれによってもにじみが確認された。
(4)印字品質(インク乾燥性)
各シアンインク〔1〕〜〔10〕を、インクカートリッジに充填して、これをインクジェットプリンタ「PIXUS IP2600」(キヤノン社製)に装着し、インクジェット専用紙ではない、通常の上質紙(電子写真用に使用されるもの:斤量63g/cm2 )に画素率100%のベタ画像を形成し、形成したベタ画像について、形成5秒後に未印字の別の記録紙を重ね合わせ、この未印字の記録紙へのインク移りの有無を観察するインク移り試験を行い、インク移りした場合は同様の試験を形成60秒後について行い、下記の評価基準に従って評価した。
−評価基準−
◎(優良):形成5秒後のインク移り試験においてインク移りしなかった。
○(良好):形成5秒後のインク移り試験においてインク移りしたが、形成60秒後のインク移り試験においてはインク移りしなかった。
×(不良):形成60秒後のインク移り試験においてもインク移りした。
(5)耐水性
各シアンインク〔1〕〜〔10〕を、インクカートリッジに充填して、これをインクジェットプリンタ「PIXUS IP2600」(キヤノン社製)に装着し、インクジェット専用紙ではない、通常の上質紙(電子写真用に使用されるもの:斤量63g/cm2 )に画素率15%の文字画像を形成し、形成した文字画像に水を1滴滴下し、これを目視で観察して下記の評価基準に従って評価した。
−評価基準−
◎(優良):水滴を滴下した印字部分に変化は観察されなかった。
○(良好):水滴を滴下した印字部分の周囲にウォーターマークができた。
×(不良):水滴を滴下した印字部分の周囲がにじんだ。
(6)耐光性
<色素残存率>
各シアンインク〔1〕〜〔10〕を、インクカートリッジに充填して、これをインクジェットプリンタ「PIXUS IP2600」(キヤノン社製)に装着し、インクジェット専用紙ではない、通常の上質紙(電子写真用に使用されるもの:斤量63g/cm2 )に画素率100%のベタ画像を形成し、形成したベタ画像について、「マクベスカラーアイ7000」(マクベス社製)により色度を測定した後、温度70℃、湿度50%RH、ブラックパネル温度89℃の環境下で「ウェザオメータCi35AW」(アトラス社製)を用いてキセノン放射照度0.35W/m2 (340nm)で24時間、屋外太陽光近似光を照射する暴露試験を行い、同様にして色度を測定し、下記数式(2)から色素残存率を算出して評価した。この色素残存率が80%以上であると優良と判断され、色素残存率が50%以上80%未満であると良好と判断され、色素残存率が50%未満であると不良として判断される。
なお、下記数式(2)において、C(前)は暴露試験前の色度、C(後)は暴露試験後の色度である。
数式(2):色素残存率(%)=〔C(後)/C(前)〕×100
<目視評価>
また、暴露試験後の画像について、目視で観察して下記の評価基準に従って評価した。なお、この目視評価が3以上であれば、実用上問題ないレベルであると判断される。
−評価基準−
5:暴露試験前の画像と比較してほとんど変わらないと感じた。
4:暴露試験前の画像と比較して一部薄いと感じた。
3:暴露試験前の画像と比較して全体的に少し薄いと感じた
2:暴露試験前の画像と比較して非常に薄いと感じた。
1:暴露試験前の画像と比較して色素が残っていないと感じた。
Figure 2010163473
以上のように、実施例1〜8に係るシアンインク〔1〕〜〔8〕によれば、保管時の十分な分散安定性が得られると共に使用中の吐出安定性が得られ、さらに印字した画像について十分な耐光性が得られるなど高い品質が得られることが確認された。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)または下記一般式(2)で表されるフタロシアニン系化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録用シアンインク。
    Figure 2010163473

    〔上記一般式(1)中、Mは、Si、Sn、GeまたはGaよりなる中心金属原子、Zは、下記一般式(3)で表される有機基である。〕
    Figure 2010163473

    〔上記一般式(2)中、Mは、Si、Sn、GeまたはGaよりなる中心金属原子、Zは、下記一般式(3)で表される有機基、Lは、−O−、または−OSi(R1 2 O−(ただし、R1 は、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、塩素原子、またはヒドロキシ基のいずれかを示す。)である。〕
    Figure 2010163473

    〔上記一般式(3)中、R2 〜R4 は、各々独立に有機基である。〕
  2. 前記一般式(1)で表されるフタロシアニン系化合物が、当該インクジェット記録用シアンインク中に0.5〜20質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用シアンインク。
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