JPWO2010119676A1 - ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体 - Google Patents

ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010119676A1
JPWO2010119676A1 JP2011509215A JP2011509215A JPWO2010119676A1 JP WO2010119676 A1 JPWO2010119676 A1 JP WO2010119676A1 JP 2011509215 A JP2011509215 A JP 2011509215A JP 2011509215 A JP2011509215 A JP 2011509215A JP WO2010119676 A1 JPWO2010119676 A1 JP WO2010119676A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
parts
added
porphyrazine
rings
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011509215A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5502856B2 (ja
Inventor
米田 孝
孝 米田
大島 賢司
賢司 大島
彬 川口
彬 川口
由桂 宍倉
由桂 宍倉
知樹 藤田
知樹 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2011509215A priority Critical patent/JP5502856B2/ja
Publication of JPWO2010119676A1 publication Critical patent/JPWO2010119676A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5502856B2 publication Critical patent/JP5502856B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • C09B47/08Preparation from other phthalocyanine compounds, e.g. cobaltphthalocyanineamine complex
    • C09B47/24Obtaining compounds having —COOH or —SO3H radicals, or derivatives thereof, directly bound to the phthalocyanine radical
    • C09B47/26Amide radicals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • C09B47/06Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide
    • C09B47/064Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide having nitrogen atom(s) directly linked to the skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/328Inkjet printing inks characterised by colouring agents characterised by dyes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5218Macromolecular coatings characterised by inorganic additives, e.g. pigments, clays

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

本発明は、下記式(1)で表されるポルフィラジン色素又はその塩[式中、環A乃至Dはそれぞれ独立にベンゼン環又は6員環の含窒素複素芳香環、Eはアルキレン、Xは置換基をさらに有しても良いスルホ置換アニリノ基等、R1はC1−C6アルキル基、bは平均値で0.00以上3.90未満、cは平均値で0.10以上4.00未満、且つb及びcの和は平均値で1.00以上4.00未満である。]に関する。本発明のポルフィラジン色素を含有するインク組成物は、シアンインクとして良好な色相を有し、各種の堅牢性、特に耐オゾン性に優れ、高い印字濃度が得られ、且つ、ブロンズ現象が生じにくいという特性を有し、インクジェット記録に適したポルフィラジン色素及びこれを含有するインク組成物を提供することができる。

Description

本発明は新規ポルフィラジン色素又はその塩、これを含有するインク組成物、このインク組成物を用いたインクジェット記録方法及び着色体に関する。
従来画像記録材料は種々のものが使用されて来ている。近年は、特にカラー画像を形成するための記録材料が主流となっている。カラー画像の記録方式として、インクジェット方式、感熱転写方式、電子写真方式、感光材料を使用する転写方式、印刷方式又はペン等の筆記用具による方式等が盛んに利用され、カラー画像形成のために材料として、種々の色素(染料や顔料)が使用されている。また、ディスプレイではLCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイパネル)において、撮影機器ではCCD(撮動素子)等の電子部品において、カラーフィルターが使用されている。そしてこれらのカラーフィルターでフルカラー画像をディスプレイ上に再現するために、また、ディスプレイ上に再現されたカラー画像を記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されている。しかし、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、及びカラー記録が容易であること等から急速に普及し、さらに発展しつつある。インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有る。また、その吐出方式には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式;熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式;超音波を用いた方式;あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式;等が挙げられる。このようなインクジェット記録に適したインクの例としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インク等が挙げられる。
インクジェット記録用のインクに使用される色素に対して要求される性能としては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと;高濃度記録が可能であること;色相が良好であること;光、熱、及び環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他、SOx等)等に対して強い耐性を有すること;水や薬品に対する耐久性に優れていること;被記録材に対して定着性が良く、滲みにくいこと;インクとしての保存性に優れていること;毒性がないこと;さらには、安価に入手できること;等が挙げられる。特に、良好なシアンの色相を有し、ブロンズ現象を生じることなく高い印字濃度の印刷物が得られ、かつ、記録画像の各種耐性、例えば耐光性(光に対する耐久性)、耐オゾン性(オゾンガスに対する耐久性)及び耐湿性(高湿度下における耐久性)等に優れるシアン色素が強く望まれている。
ブロンズ現象とは、色素の会合やインクの吸収不良等を原因とし、被記録材の表面上で色素が金属片状になり、ぎらつく現象のことを言う。この現象が起こると光沢性、印字品位及び印字濃度の全ての点で劣るものとなる。特に色素として金属フタロシアニン系染料を使用した場合、高濃度で印字を行った部分に「赤浮き現象」としてブロンズ現象が現れることが多い。ブロンズ現象が生じると、画像全体としての色バランスが不均一となり、画像の品質を低下させるため、ブロンズ現象を生じない色素が望まれている。また、近年では写真調に近い風合いを持つ記録媒体として光沢紙が多く使用されているが、光沢紙に記録した画像においてブロンズ現象が発生すると、記録物表面での光沢感にバラツキが生じ、画像の風合いを著しく損ねてしまう。この観点からも、ブロンズ現象を生じない色素が強く望まれている。
インクジェット用のシアンインクに用いられる水溶性シアン色素としては、フタロシアニン系やトリフェニルメタン系が代表的である。最も広範囲に報告され、利用されている代表的なフタロシアニン系色素としては、以下のA〜Hで分類されるフタロシアニン誘導体がある。
A:Direct Blue 86、Direct Blue 87、Direct Blue 199、Acid Blue 249又はReactive Blue 71等のC.I.(カラーインデックス)番号を有する公知のフタロシアニン系色素。
B:特許文献1〜3等に記載のフタロシアニン系色素、
[例えば、Cu−Pc−(SONa)m(SONH)n;m+n=1〜4の混合物](Cu−Pcは銅フタロシアニン残基を表し、−(SONa)m及び(SONH)nはその置換基で、m及びnは置換数を表す。以下同様な記載は同じ意味を表す)。
C:特許文献4等に記載のフタロシアニン系色素、
[例えば、Cu−Pc−(COH)m(CONR)n;m+n=0〜4の数](ここでのRはアルキル等の置換基を表す。以下同様な記載は同じ意味を表す)。
D:特許文献5等に記載のフタロシアニン系色素、
[例えば、Cu−Pc−(SOH)m(SONR)n;m+n=0〜4の数、且つ、m≠0]
E:特許文献6等に記載のフタロシアニン系色素、
[例えば、Cu−Pc−(SOH)l(SONH)m(SONR)n;l+m+n=0〜4の数]。
F:特許文献7等に記載のフタロシアニン系色素、
[例えば、Cu−Pc−(SONR)n;n=1〜5の数]。
G:特許文献8、9、及び12等に記載のフタロシアニン系色素、
[置換基の置換位置を制御したフタロシアニン化合物、β−位に置換基が導入されたフタロシアニン系色素]。
H:特許文献10及び13〜17等に記載のピリジン環等の6員環の含窒素複素芳香環とベンゼン環とを有するベンゾピリドポルフィラジン系色素。
現在、一般に広く用いられているC.I.Direct Blue 86又はC.I.Direct Blue 199に代表されるフタロシアニン系色素は、一般に知られているマゼンタ色素やイエロー色素に比べ耐光性に優れるという特徴がある。しかし、フタロシアニン系色素は酸性条件下ではグリーン味の色相であり、シアンインクとしては余り好ましくない。そのためこれらの色素をシアンインクとして用いる場合は、中性からアルカリ性の条件下で使用するのが好ましい。しかしながら、インクが中性からアルカリ性であっても、用いる被記録材が酸性紙である場合、印刷物の色相が大きく変化してしまう可能性がある。
さらに、フタロシアニン系色素をシアンインクとして用いた場合、昨今環境問題として取り上げられることの多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガスによっても、印刷物の色相がグリーン味に変色すると共に、消色も起こるため、同時に印字濃度も低下してしまう。
一方、トリフェニルメタン系については、色相は良好であるが、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性において非常に劣る。
今後、インクジェット記録の使用分野が拡大して、広告等の展示物にも広く使用されるようになると、そこに使用される色素及びインクは光や環境中の酸化性ガスに曝されることも多くなる。このため、インクジェット記録用の色素としては、良好な色相を有し、且つ安価であることと共に、特に、前記のような各種の耐久性に優れることがますます強く望まれてくる。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たすシアン色素(例えば、フタロシアニン系色素)及びシアンインクを開発することは難しいとされている。これまでにも、耐オゾンガス性を付与したフタロシアニン系色素又はベンゾピリドポルフィラジン色素は、特許文献3、8〜12及び14〜17等に開示されている。しかしながら、色相、印字濃度、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性及びブロンズ現象を起こさない等の、すべての品質を満足させ、さらには安価に製造可能なシアン色素はいまだ得られていない。よってまだ市場の要求を充分に満足させるには至っていない。
特開昭62−190273号公報 特開平7−138511号公報 特開2002−105349号公報 特開平5−171085号公報 特開平10−140063号公報 特表平11−515048号公報 特開昭59−22967号公報 特開2000−303009号公報 特開2002−249677号公報 特開2003−34758号公報 特開2002−80762号公報 国際公開第2004/087815号パンフレット 国際公開第2002/034844号パンフレット 特開2004−75986号公報 国際公開第2007/091631号パンフレット 国際公開第2007/116933号パンフレット 国際公開第2008/111635号パンフレット
本発明は、シアンインクとして良好な色相を有し、色素濃度の高低に係らず耐オゾン性、及び耐水性に優れると共に、ブロンズ現象を生じにくく、加えて高い印字濃度が得られるインクジェット記録に適したポルフィラジン色素又はその塩、及びこれを含有するインク組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、良好な色相と高い印字濃度、優れた耐光性及び耐オゾン性を有し、ブロンズ現象を起こさない色素を詳細に検討したところ、下記式(1)で表される特定のポルフィラジン色素が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1)
下記式(1)で表されるポルフィラジン色素又はその塩、
Figure 2010119676
[式中、
破線で表される環A乃至Dは、それぞれ独立にポルフィラジン環に縮環したベンゼン環又は6員環の含窒素複素芳香環を表し、含窒素複素芳香環の個数は平均値で0.00を超えて3.00以下であり、残りはベンゼン環であり、
EはC2−C12アルキレンを表し、
Xは、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基であり、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキルスルホニル基及びC1−C6アルキルチオ基より成る群から選択される少なくとも1種類の基を有しても良く、
はC1−C6アルキル基を表し、
bは平均値で0.00以上3.90未満であり、
cは平均値で0.10以上4.00未満であり、
且つb及びcの和は、平均値で1.00以上4.00未満である。]、
2)
環A乃至Dで表される6員環の含窒素複素芳香環が、ピリジン環又はピラジン環である上記1)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
3)
下記式(2)で表されるポルフィラジン化合物と、下記式(3)で表される有機アミンとを、アンモニア存在下で反応させて得られる上記1)又は2)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
Figure 2010119676
[式(2)中、環A乃至Dは上記1)に記載のものと同じ意味を表し、nは1.00以上4.00未満である。]、
Figure 2010119676
[式(3)中、E、X及びRは、上記1)に記載のものと同じ意味を表す。]、
4)
EがC2−C4アルキレンであり、RはC1−C3アルキル基であり、
Xが、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基であり、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基及び塩素原子より成る群から選択される少なくとも1種類の基を、さらに0乃至3個有する、上記1)又は2)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
5)
Eが直鎖C2−C4アルキレンであり、
Xが、スルホアニリノ基又はカルボキシアニリノ基であり、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子より成る群から選択される少なくとも1種類の基を、0乃至2個有する、上記4)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
6)
環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が、それぞれ独立に、2位及び3位で、若しくは3位及び4位で縮環したピリジン環;又は2位及び3位で縮環したピラジン環;であり、
Eがエチレン又はプロピレンであり、
Xが、スルホアニリノ基又はカルボキシアニリノ基であり、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を、0乃至2個有する、
上記1)又は2)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
7)
環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が、それぞれ独立に2位及び3位で、又は3位及び4位で縮環したピリジン環であり、
Eがエチレン又はプロピレンであり、
環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が、それぞれ独立に2位及び3位で、又は3位及び4位で縮環したピリジン環であり、
Eがエチレン又はプロピレンであり、
Xが、スルホアニリノ基又はスルホナフチルアミノ基であり、スルホアニリノ基は、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、塩素原子、C1−C6アルキルスルホニル基、及びC1−C6アルキルチオ基よりなる群から選択される0乃至2個の基を有し、また、スルホナフチルアミノ基は、更に、置換基として、スルホ基、ヒドロキシ基、及びニトロ基よりなる群から選択される1又は2個の基を有する、
上記1)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
8)
環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が、それぞれ独立に2位及び3位で、又は3位及び4位で縮環したピリジン環であり、その個数が平均値で0.00を超えて3.00以下であり、残りのベンゼン環の個数が平均値で1.00以上4.00未満であり、
Eがエチレンであり、
Xが、ジスルホアニリノ基、又は、スルホナフチルアミノ基であり、スルホナフチルアミノ基は、置換基として、更に、スルホ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される1又は2種類の基を1又は2個有し、
がC1−C4アルキル基であり、
bが平均値で0.00以上3.90未満であり、
cが平均値で0.10以上4.00未満であり、
且つb及びcの和は、平均値で1.00以上4.00未満である、上記1)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
1)
上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩を、色素として含有するインク組成物、
10)
さらに有機溶剤を含有する上記9)に記載のインク組成物、
11)
インクジェット記録用である上記10)に記載のインク組成物、
12)
上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩を含有するインク組成物のインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記録方法、
13)
被記録材が情報伝達用シートである上記12)に記載のインクジェット記録方法、
14)
情報伝達用シートが表面処理されたシートであって、該シートが支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有するシートである上記13)に記載のインクジェット記録方法、
15)
上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩を含有するインク組成物を含有する容器、
16)
上記15)に記載の容器が装填されたインクジェットプリンタ、
17)
上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩を含有するインク組成物で着色された着色体、
18)
Xが、ジスルホアニリノ基又はヒドロキシ基で置換されていてもよいジスルホナフチルアミノ基である上記1)乃至8)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
19)
Xが、ジスルホアニリノ基である上記18)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
20)
上記1)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、又は、Xがジスルホアニリノ基又はヒドロキシ基で置換されていてもよいジスルホナフチルアミノ基である上記1)又は上記19)に記載のポルフィラジン色素又はその塩、水及び有機溶剤を含有するインク組成物、
に関する。
本発明の色素又はその塩を含有するインク組成物は、シアンインクとして良好な色相を有する。また本発明のインク組成物により得られる記録画像は、記録画像における色素濃度の高低に係わらず耐オゾン性に優れ、耐水性も良好であり、さらにブロンズ現象も生じにくいことから、本発明のインク組成物により、堅牢性と品質のバランスに極めて優れた記録画像を得ることが出来る。
また、本発明の色素は高い印字濃度を有し、記録画像における色素濃度を低下することができるため、印字コストを低減できる。
従って、本発明のポルフィラジン色素又はその塩、及びこれを含有するシアンインク組成物は、各種記録用、特にインクジェット記録用インクとして極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。本発明の色素又はその塩は前記式(1)で表され、シアン色を呈するため、シアンインク用の色素として用いることができる。
前記式(1)における環A乃至Dを有するポルフィラジン環は、テトラベンゾポルフィラジン(通常、フタロシアニンと呼ばれている)の4つのベンゾ(ベンゼン)環のうち、平均値で、0個を超えて3個以下を含窒素複素芳香環に置き換えたものである。
なお、本明細書においては、便宜上、以下「本発明のポルフィラジン色素又はその塩」、特に断りの無い限り、単に「本発明のポルフィラジン色素」又は「本発明の色素」と簡略化して記載する。
前記式(1)中、破線で表される環A乃至D(環A、B、C及びDの4つの環)における含窒素複素芳香環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環及びピリダジン環等の窒素原子1又は2個を含む含窒素複素芳香環が挙げられる。該含窒素複素芳香環としては、それぞれ独立に、ピリジン環(2位及び3位、若しくは、3位及び4位で縮環しているピリジン環)又はピラジン環(2位及び3位で縮環するピラジン環)が好ましく、ピリジン環(2位及び3位、若しくは、3位及び4位で縮環するピリジン環)がより好ましい。場合により、該含窒素複素芳香環が3位及び4位で縮環するピリジン環であるとき、より好ましく、特に色相及び堅牢性等で好ましい。
なお本明細書において、「2位及び3位で縮環するピリジン環又はピラジン環」等と記載する場合、ピリジン環又はピラジン環の窒素原子を1位として数えるた場合の縮合位置を示すものとする。
含窒素複素芳香環の個数が増えるにしたがって、一般的に、耐オゾン性は向上するが、ブロンジング性は生じやすくなる傾向にある。含窒素複素芳香環の個数は耐オゾン性とブロンジング性を考慮しながら適宜調節し、バランスの良い比率を選択すれば良い。
含窒素複素芳香環の個数は複素環の種類にもよるので一概には言えないが、通常平均値で、0.0より大きく3.0以下、好ましくは0.2以上2.0以下、より好ましくは0.5以上1.75以下(この場合、0.5以上1.5以下はより好ましい)、更に好ましくは0.75以上1.5以下の範囲である。残りの環A乃至Dはベンゼン環である。環A乃至Dにおけるベンゼン環は、従って、通常平均値で、1.0以上4.0未満、好ましくは2.0以上3.8以下、より好ましくは2.25以上3.5以下(この場合、2.5以上3.5以下はより好ましい)、更に好ましくは2.5以上3.25以下である。なお、本発明のポルフィラジン色素は、環A乃至Dの含窒素複素環の個数を平均値で表していることから明らかなように、含窒素複素環の個数の異なる複数の色素の色素混合物である。該色素混合物をそれぞれに単離することは難しく、かつ、該混合物を該平均値での単一化合物として取り扱っても支障ないので、本発明においては、平均値での単一化合物として取り扱う。
なお、本明細書においては特に断りの無い限り、該含窒素複素芳香環の個数は、小数点以下2桁目又は3桁目を四捨五入して1桁目又は2桁目までを記載する。但し、例えば含窒素複素芳香環の個数が1.375、ベンゼン環の個数が2.625のとき、両者を四捨五入すると前者が1.38、後者が2.63となり、両者の合計が環A乃至Dの合計の4.00を超えてしまう。このような場合には、便宜上、含窒素複素芳香環側の小数点以下3桁目は切り捨て、ベンゼン環側のみ四捨五入することにより、前者を1.37、後者を2.63として両者の合計が4になるように記載する。
また、式(1)におけるb及びcについても、後記する通り、必要に応じて小数点以下2桁目又は3桁目を四捨五入して1桁目又は2桁目までを記載するが、同様の場合においては、b側の小数点以下2桁目又は3桁目を切り捨て、c側のみ四捨五入して記載し、ベンゼン環の個数と一致するように記載する。
前記式(1)中、EにおけるC2−C12アルキレンとしては、直鎖、分岐鎖又は環状アルキレンが挙げられ、直鎖又は環状が好ましく、直鎖がより好ましい。炭素数の範囲は通常C2−C12、好ましくはC2−C6、より好ましくはC2−C4、さらに好ましくはC2−C3が挙げられる。
EにおけるC2−C12アルキレンの具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン及びドデシレン等の直鎖C2−C12アルキレン;2−メチルエチレン等の分岐鎖C2−C12アルキレン;並びに、シクロプロピレンジイル、1,2−又は1,3−シクロペンチレンジイル、及び、1,2−、1,3−又は1,4−シクロへキシレンジイル等の環状C2−C12アルキレン;等が挙げられる。EにおけるC2−C12アルキレンの好ましい具体例はエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、及びヘキシレンであり、より好ましくはエチレン、プロピレン及びブチレンであり、さらに好ましくはエチレン及びプロピレンであり、特に好ましくはエチレンである。
前記式(1)中、Xは、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基を表し、更に、前記した置換基を有してもよい。なお、本発明において、単に、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基といった場合、特に断りの無い限り、置換基としてスルホ基、カルボキシ基又はホスホノ基を一つフェニル基又はナフチル基上に有するそれぞれの基を意味する。例えば、2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ及び4−スルホアニリノ等のスルホアニリノ基;2−カルボキシアニリノ、3−カルボキシアニリノ及び4−カルボキシアニリノ等のカルボキシアニリノ基;2−ホスホノアニリノ、3−ホスホノアニリノ及び4−ホスホノアニリノ等のホスホノアニリノ基;3−スルホ−1−ナフチルアミノ、6−スルホ−1−ナフチルアミノ、8−スルホ−1−ナフチルアミノ、1−スルホ−2−ナフチルアミノ、3−スルホ−2−ナフチルアミノ、4−スルホ−2−ナフチルアミノ、5−スルホ−2−ナフチルアミノ、6−スルホ−2−ナフチルアミノ、7−スルホ−2−ナフチルアミノ及び8−スルホ−2−ナフチルアミノ等のスルホナフチルアミノ基;3−カルボキシ−1−ナフチルアミノ、6−カルボキシ−1−ナフチルアミノ、1−カルボキシ−2−ナフチルアミノ及び6−カルボキシ−2−ナフチルアミノ等のカルボキシナフチルアミノ基;6−ホスホノ−1−ナフチルアミノ等のホスホノナフチルアミノ基;等が挙げられ、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、又はスルホナフチルアミノ基が好ましく、スルホアニリノ基又はスルホナフチルアミノ基がより好ましく、スルホアニリノ基が特に好ましい。
なお「ホスホノ」はリン酸基[−P(O)(OH)]を意味する。
Xにおける上記スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基は、更に、置換基として、(1)スルホ基;(2)カルボキシ基;(3)ホスホノ基;(4)スルファモイル基;(5)カルバモイル基;(6)ヒドロキシ基;(7)C1−C6アルコキシ基;(8)アミノ基;(9)モノC1−C4アルキルアミノ基;(10)ジC1−C4アルキルアミノ基;(11)モノアリールアミノ基;(12)ジアリールアミノ基;(13)C1−C3アルキルカルボニルアミノ基;(14)ウレイド基;(15)C1−C6アルキル基;(16)ニトロ基;(17)シアノ基;(18)ハロゲン原子;(19)C1−C6アルキルスルホニル基;及び(20)C1−C6アルキルチオ基;よりなる群(以下「20種の置換基からなる群」という)から選択される基をさらに有しても良い(以下更なる置換基とも言う)。
上記20種の置換基からなる群から選択される基(更なる置換基)のXにおける置換数は、通常0〜4、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1である。上記置換数が0以外のとき、更なる置換基の種類は、更なる置換基の数に応じて、1〜4種類であっても、また、同一の基が1〜4個であってもよい。好ましくは1又は2種類である。より好ましくは、Xが前記スルホアニリノ基等のアニリノ基のとき1種類、Xが前記スルホナフチルアミノ基等のナフチルアミノ基のとき1又は2種類であり、前者の場合スルホ基が好ましく、後者の場合、ヒドロキシ基又は/及びスルホ基であり、1種類の時はスルホ基が好ましく、2種類の時は、ヒドロキシ基及びスルホ基が好ましい。
更なる置換基の置換位置は、特に制限されない。
更なる置換基におけるC1−C6アルコキシ基としては、直鎖、分岐鎖又は環状C1−C6アルコキシが挙げられ、直鎖又は分岐鎖C1−C6アルコキシが好ましく、直鎖C1−C6アルコキシがより好ましい。該アルコキシ基の炭素数の範囲としては通常C1−C6、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C3が挙げられる。
該C1−C6アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ及びn−ヘキシロキシ等の直鎖C1−C6アルコキシ;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、イソペンチロキシ及びイソヘキシロキシ等の分岐鎖C1−C6アルコキシ;並びに、シクロプロポキシ、シクロペントキシ及びシクロヘキシロキシ等の環状C1−C6アルコキシ;等が挙げられる。このうちではメトキシ又はエトキシが好ましく、メトキシが特に好ましい。
更なる置換基におけるモノC1−C4アルキルアミノ基としては、直鎖又は分岐鎖C1−C4アルキルアミノが挙げられ、その炭素数の範囲は通常C1−C4、好ましくはC1−C3である。該モノC1−C4アルキルアミノ基の具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ及びn−ブチルアミノ等の直鎖C1−C4アルキルアミノ;イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ及びt−ブチルアミノ等の分岐鎖C1−C4アルキルアミノ;等が挙げられる。これらの中ではメチルアミノが好ましい。
更なる置換基におけるジC1−C4アルキルアミノ基としては、前記モノアルキルアミノ基で挙げた直鎖又は分岐鎖C1−C4アルキル、好ましくは直鎖又は分岐鎖C1−C3アルキルを、独立に2つ有するジアルキルアミノ基が挙げられる。該ジC1−C4アルキルアミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ及びメチルエチルアミノ等が挙げられる。これらの中ではジメチルアミノが好ましい。
更なる置換基におけるモノアリールアミノ基としては、モノC6−C10芳香族アミノ基、好ましくはフェニルアミノ基又はナフチルアミノ基、より好ましくはフェニルアミノ基が挙げられる。
更なる置換基におけるジアリールアミノ基としては、前記モノアリールアミノ基で挙げたC6−C10芳香族、好ましくはフェニル又はナフチル、より好ましくはフェニルを、独立に2つ有するジアリールアミノ基が挙げられる。該ジアリールアミノ基として、好ましくは同一のアリール、より好ましくはフェニルを2つ有するアミノ基が挙げられる。該ジアリールアミノ基の具体例としてはジフェニルアミノが挙げられる。
更なる置換基におけるC1−C3アルキルカルボニルアミノ基としては、直鎖又は分岐鎖C1−C3アルキルで置換されたカルボニルアミノ基が挙げられ、直鎖C1−C3アルキルで置換されたカルボニルアミノ基が好ましい。具体例としては、メチルカルボニルアミノ(アセチルアミノ)、エチルカルボニルアミノ及びn−プロピルカルボニルアミノ等の直鎖C1−C3アルキルで置換されたカルボニルアミノ基;イソプロピルカルボニルアミノ等の分岐鎖C1−C3アルキルで置換されたカルボニルアミノ基;が挙げられる。これらの中ではアセチルアミノが好ましい。
更なる置換基におけるC1−C6アルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のC1−C6、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C3アルキル基が挙げられる。このうち、直鎖又は分岐鎖アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がより好ましい。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル及びn−ヘキシル等の直鎖C1−C6アルキル;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル及びイソヘキシル等の分岐鎖C1−C6アルキル;並びに、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等の環状C1−C6アルキル;等が挙げられる。これらの中ではメチルが好ましい。
更なる置換基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられ、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
更なる置換基におけるC1−C6アルキルスルホニル基としては、直鎖又は分岐鎖のC1−C6アルキルスルホニル基、好ましくは直鎖又は分岐鎖C1−C4アルキルスルホニル基、より好ましくは直鎖又は分岐鎖C1−C3アルキルスルホニル基が挙げられる。これらの中で直鎖C1−C3アルキルスルホニル基が好ましい。具体例としては、メタンスルホニル(メチルスルホニル)、エタンスルホニル(エチルスルホニル)、n−プロパンスルホニル(n−プロピルスルホニル)、n−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル及びn−ヘキシルスルホニル等の直鎖C1−C6アルキルスルホニル;イソプロピルスルホニル及びイソブチルスルホニル等の分岐鎖C1−C6アルキルスルホニル;等が挙げられる。
更なる置換基におけるC1−C6アルキルチオ基としては、直鎖又は分岐鎖のC1−C6アルキルチオ基、好ましくは直鎖又は分岐鎖C1−C4アルキルチオ基、より好ましくは直鎖又は分岐鎖C1−C3アルキルチオ基が挙げられる。これらの中で直鎖C1−C3アルキルチオ基が好ましい。具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオ、n−ペンチルチオ及びn−ヘキシルチオ等の直鎖C1−C6アルキルチオ;イソプロピルチオ、イソブチルチオ、t−ブチルチオ、イソペンチルチオ及びイソヘキシルチオ等の分岐鎖C1−C6アルキルチオ;等が挙げられる。
更なる置換基としては、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基及び塩素原子が好ましく、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子がより好ましい。更なる置換基の置換数は、通常0〜4、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1である。
更なる置換基としてはスルホ基が最も好ましい。特に、更なる置換基がフェニル核上に置換するときは、特に断りがある場合を除き、更なる置換基はスルホ基1個が最も好ましく、更なる置換基がナフチル核上に置換する場合には、置換数は1又は2個であり、置換数が1個の場合にはスルホ基、置換数が2個の場合にはスルホ基とヒドロキシ基がそれぞれ1個ずつが最も好ましい。
Xがスルホアニリノ基のときの更なる置換基としては、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、塩素原子、C1−C6アルキルスルホニル基、及びアルキルチオ基が好ましく、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子がより好ましく、スルホ基が特に好ましい。
Xがカルボキシアニリノ基のときの更なる置換基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子が好ましく、場合により、カルボキシ基、スルファモイル基、及びヒドロキシ基が好ましい。
Xがホスホノアニリノ基のとき、更なる置換基を有しないホスホノアニリノ基が好ましい。
Xがスルホナフチルアミノ基のときの更なる置換基としては、スルホ基、ヒドロキシ基、及びニトロ基が好ましく、スルホ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される基を1個又は2個有する場合がより好ましく、スルホ基1個、若しくは、スルホ基及びヒドロキシ基の両者を1個ずつ有する場合が更に好ましく、後者が最も好ましい。
Xがカルボキシナフチルアミノ基のときの更なる置換基としては、カルボキシ基、及びヒドロキシ基が好ましい。
Xがホスホノナフチルアミノ基のとき、更なる置換基を有しないホスホノナフチルアミノ基が好ましい。
前記式(1)におけるXが更なる置換基を有してもよいスルホアニリノ基である場合の具体例としては、
2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2,4−ジスルホアニリノ及び2,5−ジスルホアニリノ等の、置換基として0又は1つのスルホ基をさらに有するスルホアニリノ基;
2−カルボキシ−4−スルホアニリノ及び2−カルボキシ−5−スルホアニリノ等の、置換基として1つのカルボキシ基をさらに有するスルホアニリノ基(換言すると、置換基として1つのスルホ基を有するカルボキシアニリノ基);
4−メトキシ−2−スルホアニリノ、4−エトキシ−2−スルホアニリノ及び4−エトキシ−6−スルホアニリノ等の、置換基として1つのC1−C6アルコキシ基をさらに有するスルホアニリノ基;
3−アミノ−4−スルホアニリノ等の、置換基として1つのアミノ基をさらに有するスルホアニリノ基;
4−メチルアミノ−5−スルホアニリノ等の、置換基として1つのモノC1−C4アルキルアミノ基をさらに有するスルホアニリノ基;
4−ジメチルアミノ−5−スルホアニリノ等の、置換基として1つのジC1−C4アルキルアミノ基をさらに有するスルホアニリノ基;
2−メチル−5−スルホアニリノ及び3−メチル−6−スルホアニリノ等の、置換基として1つのC1−C6アルキル基をさらに有するスルホアニリノ基;
4−アニリノ−3−スルホアニリノ等の、置換基として1つのモノ又はジアリールアミノ基をさらに有するスルホアニリノ基;
4−アセチルアミノ−2−スルホアニリノ等の、置換基として1つのC1−C3アルキルカルボニルアミノ基をさらに有するスルホアニリノ基;
2−クロロ−5−スルホアニリノ及び3,5−ジクロロ−4−スルホアニリノ等の、置換基として1又は2つのハロゲン原子、好ましくは塩素原子をさらに有するスルホアニリノ基;
4−メチルスルホニル−5−スルホアニリノ及び4−ヘキシルスルホニル−2−スルホアニリノ等の、置換基として1つのC1−C6アルキルスルホニル基をさらに有するスルホアニリノ基;
4−メチルチオ−2−スルホアニリノ及び4−ヘキシルチオ−2−スルホアニリノ等の、置換基として1つのC1−C6アルキルチオ基をさらに有するスルホアニリノ基;
3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−スルホアニリノ、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−3−スルホアニリノ、2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホアニリノ、3−メチル−6−メトキシ−4−スルホアニリノ及び2−ヒドロキシ−3−アセチルアミノ−5−スルホアニリノ等の、前記更なる置換基から選択される2種類の基を1つずつ有するスルホアニリノ基;
等が挙げられる。
上記の中で2,4−ジスルホアニリノ及び2,5−ジスルホアニリノ等のジスルホアニリノ基がより好ましく、2,5−ジスルホアニリノが最も好ましい。
前記式(1)におけるXが前記更なる置換基を有してもよいカルボキシアニリノ基である場合の具体例としては、
2−カルボキシアニリノ、3−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノ及び3,5−ジカルボキシアニリノ等の、置換基として0又は1つのカルボキシ基をさらに有するカルボキシアニリノ基;
4−アミノスルホニル−2−カルボキシアニリノ等の、置換基として1つのスルファモイル基をさらに有するカルボキシアニリノ基;
3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ等の、置換基として1つのヒドロキシ基をさらに有するカルボキシアニリノ基;
4−ヒドロキシ−3−スルホ−5−カルボキシアニリノ等の、前記更なる置換基から選択される2種類の基を1つずつさらに有するカルボキシアニリノ基;等が挙げられる。
前記式(1)におけるXが前記更なる置換基を有してもよいホスホノアニリノ基である場合の該ホスホノアニリノ基の具体例としては、2−ホスホノアニリノ、3−ホスホノアニリノ及び4−ホスホノアニリノ等のホスホノアニリノ基等が挙げられる。
前記式(1)におけるXが前記更なる置換基を有してもよいスルホナフチルアミノ基である場合の具体例としては、
3,6−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、1,5−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、5,7−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、6,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、3,6,8−トリスルホ−1−ナフチルアミノ及び3,6,8−トリスルホ−2−ナフチルアミノ等の、更なる置換基としてスルホ基を1又は2個有するスルホナフチルアミノ基(ジ又はトリスルホナフチルアミノ基);
5−ヒドロキシ−7−スルホ−2−ナフチルアミノ等の、置換基として1つのヒドロキシ基をさらに有するスルホナフチルアミノ基;
3,6−ジスルホ−8−ヒドロキシ−1−ナフチルアミノ、8−クロロ−3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ及び6−ニトロ−4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ等の、更なる置換基から選択される2種類の基を1つずつ有するスルホナフチルアミノ基;等が挙げられる。
上記の中で、更なる置換基を有してもよいスルホナフチルアミノ基としては、ジスルホナフチルアミノ基又はヒドロキシジスルホナフチルアミノ基がより好ましく、ヒドロキシジスルホナフチルアミノ基が更に好ましい。
前記式(1)におけるXが更なる置換基を有してもよいカルボキシナフチルアミノ基である場合の具体例としては、
1,6−ジカルボキシ−2−ナフチルアミノ等の、置換基として1つのカルボキシ基をさらに有するカルボキシナフチルアミノ基;
8−ヒドロキシ−6−カルボキシ−1−ナフチルアミノ等の、置換基として1つのヒドロキシ基をさらに有するカルボキシナフチルアミノ基;
8−ヒドロキシ−3,6−ジカルボキシ−1−ナフチルアミノ等の、置換基として前記20種の置換基からなる群から選択される2種類の基を1つずつさらに有するカルボキシナフチルアミノ基;等があげられる。
好ましいXとしては、更なる置換基を有してもよいスルホアニリノ基、更なる置換基を有してもよいカルボキシアニリノ基、又は、更なる置換基を有してもよいスルホナフチルアミノ基である。
最初の置換基を有してもよいスルホアニリノ基の場合、好ましい更なる置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、塩素原子、C1−C6アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基からなる群から選択される少なくとも1種類の基を1又は2個有してもよく、これらの中で、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子がより好ましい。更なる置換基を有してもよいスルホアニリノ基としてはジスルホアニリノ基がさらに好ましく、2,5−ジスルホアニリノが最も好ましい。
2番目の更なる置換基を有してもよいカルボキシアニリノ基の場合、好ましくは、更なる置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子からなる群から選択される少なくとも1種類の基を1又は2個有してもよい。
最後の更なる置換基を有してもよいスルホナフチルアミノ基の場合、好ましい更なる置換基として、スルホ基、ヒドロキシ基及びニトロ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を1又は2個有してもよい。更なる置換基を有してもよいスルホナフチルアミノ基として、より好ましいものは前記したジスルホナフチルアミノ基又はヒドロキシジスルホナフチルアミノ基であり、最も好ましくはヒドロキシジスルホナフチルアミノ基である。
より好ましいXとしては、更なる置換基を有してもよいスルホアニリノ基又は更なる置換基を有してもよいスルホナフチルアミノ基であり、これらの基の中の好ましい基、より好ましい基、最も好ましい基はそれぞれ上記の通りである。
より具体的には、更に好ましいXとして、更なる置換基としてスルホ基を1個有してもよいスルホアニリノ基、より好ましくは更なる置換基としてスルホ基を1個有するスルホアニリノ基(ジスルホアニリノ基);又は、更なる置換基として、スルホ基及びヒドロキシ基から選択される1又は2種類の基を1個若しくは2個、好ましくは、スルホ基1個、又は、スルホ基及びヒドロキシ基をそれぞれ1つずつ有するスルホナフチルアミノ基(ジスルホナフチルアミノ基又はヒドロキシジスルホナフチルアミノ基)、更に好ましくは、ヒドロキシジスルホナフチルアミノ基;を挙げることができる。
Xとして最も好ましい基は、ジスルホアニリノ基である。
前記のXの具体例の中では、3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、6,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、3,6−ジスルホ−8−ヒドロキシ−1−ナフチルアミノ及び2,5−ジスルホアニリノが好ましく、3,6−ジスルホ−8−ヒドロキシ−1−ナフチルアミノ及び2,5−ジスルホアニリノがより好ましく、2,5−ジスルホアニリノが特に好ましい。
前記式(1)中、RにおけるC1−C6アルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状C1−C6アルキルが挙げられ、直鎖又は分岐鎖C1−C6アルキルが好ましく、直鎖C1−C6アルキルがより好ましい。炭素数の範囲としては通常C1−C6であり、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C3である。RにおけるC1−C6アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル及びn−ヘキシル等の直鎖C1−C6アルキル;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル及びイソヘキシル等の分岐鎖C1−C6アルキル;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等の環状C1−C6アルキル;等が挙げられる。
これらのうち、メチル、エチル又はイソプロピルが好ましく、メチル又はエチルがより好ましく、メチルがさらに好ましい。
本明細書において、前記式(1)におけるb、c並びにb及びcの和として記載された数値は、いずれも、前記本発明のポルフィラジン色素における平均値である。環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環又はベンゼン環の個数について述べたのと同様、本発明の前記式(1)で表されるポルフィラジン色素は、異なるb及びcの値を有する複数の色素の混合物である。この混合物をそれぞれの成分に単離することは困難であり、かつ、その平均値の数の置換基を有する化合物として取り扱っても支障はなく、むしろその方が便利であるので、本発明においては、該混合物を、その平均値の数の置換基を有する化合物として取り扱う。従って、以下に記載するb、c、含窒素複素芳香環、及びベンゼン環の数等は、特に断りのない限り、いずれも平均値である。
本発明の前記式(1)で表されるポルフィラジン色素において、bは0.0以上3.9未満であり、cは0.1以上4.0未満であり、b及びcの和は、1.0以上4.0未満である。このとき、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環は、0.0を超えて3.0以下、同様にベンゼン環は1.0以上4.0未満である。
好ましくは、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が0.2以上2.0以下、ベンゼン環が2.0以上3.8以下であり、bが0.0以上3.3以下、cが0.5以上2.0以下、且つ、b及びcの和が2.0以上3.8以下である。
より好ましくは、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が0.5以上1.75以下、ベンゼン環が2.25以上3.5以下であり、bが0.45以上3.0以下、cが0.5以上1.8以下、且つ、b及びcの和が2.25以上3.5以下である。
さらに好ましくは、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が0.75以上1.5以下、ベンゼン環が2.5以上3.25以下であり、bが0.9以上2.55以下、cが0.7以上1.6以下、且つ、b及びcの和が2.5以上3.25以下である。
bが大きくなるにつれて、耐オゾン性は向上する傾向にあるが、ブロンジングは生じやすくなる傾向にあり、耐オゾン性とブロンジング性を考慮しながら、b及びcの数を適宜調節し、バランスの良い比率を選択すれば良い。
なお、b及びcはそれぞれ括弧で囲われた基の置換数を表し、該括弧で囲われ基(非置換スルファモイル基及び置換スルファモイル基)はいずれも、ベンゼン環上に置換する基であり、6員含窒素複素芳香環上には置換しないので、環A乃至Dにおけるベンゼン環上に存在しており、環A乃至Dにおける6員含窒素複素芳香環上には存在しない。
なお、本明細書においては、b、c並びにb及びcの和は、必要に応じて、いずれも小数点以下2桁目又は3桁目を四捨五入して、1桁目又は2桁目までを記載する。
前記環A乃至D、E、X、R、b及びcにおける好ましいものを有する色素は好ましく、好ましいもの同士を組み合わせた色素はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせた色素は更に好ましい。更に好ましいもの同士、好ましいものとより好ましいものの組み合わせ等についても同様である。
好ましい本発明のポルフィラジン色素としては課題を解決するための手段の項に記載した(2)〜(8)、(18)及び(19)に記載のポルフィラジン色素又はその塩を挙げることができ、また、更に、下記のポルフィラジン色素又はその塩も好ましい本発明のポルフィラジン色素として挙げることができる。
(i) 前記式(1)において、Xが、ジスルホアニリノ基又はヒドロキシ基で置換されていてもよいジスルホナフチルアミノ基、
EがC2−C4アルキレンであり、
1がC1−C3アルキル基である前記した1)〜3)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(ii) 前記式(1)において、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環の個数は環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が0.2以上2.0以下、ベンゼン環が2.0以上3.8以下であり、bが0.0以上3.3以下、cが0.5以上2.0以下、且つ、b及びcの和が2.0以上3.8以下である前記した1)〜8)、18)、19)及び上記(i)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(iii) 前記式(1)において、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が0.5以上1.75以下、ベンゼン環が2.25以上3.5以下であり、bが0.45以上3.0以下、cが0.5以上1.8以下、且つ、b及びcの和が2.25以上3.5以下である前記した1)〜8)、18)、19)、上記(i)及び(ii)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(iv) 前記式(1)において、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が0.5以上1.5以下、ベンゼン環が2.5以上3.5以下である前記した1)〜8)、18)、19)、上記(i)〜(iii)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(v) bが0.45以上3.0以下、cが0.5以上3以下、且つ、b及びcの和が2.5以上3.5以下である上記(iv)に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(vi) 前記式(1)において、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が、それぞれ独立に2位及び3位で、又は3位及び4位で縮環したピリジン環である前記した1)〜8)、18)、19)、上記(i)〜(v)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(vii) 環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が2位及び3位で縮環したピリジン環であり、bが1以上3.0以下、cが0.5以上2以下、且つ、b及びcの和が2.5以上3.5以下である上記(vi)に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(viii) bが1.5以上2.5以下、cが0.5以上1以下、且つ、b及びcの和が2.5以上3.5以下である上記(vii)に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(ix) 前記式(1)において、Rがメチル又はエチル、さらに好ましくはメチルである前記した1)〜8)、18)、19)及び上記(i)〜(viii)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
(x) 前記式(1)において、Xが2,5−ジスルホアニリノである前記した1)〜8)、18)、19)及び上記(i)〜(ix)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
前記式(1)で表される本発明のポルフィラジン色素は、分子内に有するスルホ基、カルボキシ基及びホスホノ基等を利用して塩を形成することも可能である。塩を形成するとき、無機金属、アンモニア又は有機塩基等の各カウンターカチオンと塩を形成するのが好ましい。
無機金属としてはアルカリ金属やアルカリ土類金属が挙げられる。アルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウム及びカリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えばカルシウム及びマグネシウム等が挙げられる。
有機塩基としては、特に有機アミンが挙げられ、例えばメチルアミン及びエチルアミン等のC1−C3アルキルアミン類、並びに、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン及びトリイソプロパノールアミン等のモノ−、ジ−又はトリ−C1−C4アルカノールアミン類が挙げられる。
上記のカウンターカチオンを利用した塩のうち、好ましいものとしては、ナトリウム、カリウム及びリチウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン及びトリイソプロパノールアミン等のモノ−、ジ−又はトリ−C1−C4アルカノールアミンとの塩、並びにアンモニウム塩が挙げられる。一般的には、アルカリ金属塩がより好ましい。
また、本発明のポルフィラジン色素の塩は、その塩の種類により溶解性等の物理的な性質、あるいはインクとして用いた場合のインクの性能、特に堅牢性に関する性能等が変化する場合もある。このため場合によっては、目的とするインクの性能等に応じて、塩の種類を選択することが好ましい。
前記式(1)で表される本発明のポルフィラジン色素における、環A乃至D、E、X及びRの具体例、及びbとcの数の平均値を下記表1に示す。
下記の例は、本発明の色素を具体的に説明するために代表的な色素を示すものであり、本発明の色素は下記の例に限定されない。
また、例えば環A乃至Dの含窒素複素芳香環がピリジン環の場合には後記するように、含窒素複素芳香環の置換位置、及び含窒素複素芳香環中の窒素原子の置換位置に関する位置異性体が存在し、本発明の色素を合成した場合、得られる色素はこれら異性体の混合物である。また、ピリジン環の数や、前記したようにbとcの数も異なる化合物の混合物でもある。これら各成分の単離は前記したように困難であり、また分析による異性体の特定も困難である。このため通常混合物のまま、前記したように、単に、含窒素複素芳香環の数の平均値、及びbとcの数の平均値で、それを単一の化合物として取り扱う。本明細書においては、本発明の色素を構造式で表示する場合、便宜的に環A乃至Dを破線で表示し、下記の表においては、環A乃至Dの代表的な一つの構造をA〜D欄に記載する。
下記表中のb及びcの数については、煩雑さを避けるため、小数点以下1桁目を四捨五入して記載した。なお、表1中、「2,3−ピリド」又は「3,4−ピリド」は、それぞれ2位及び3位、又は、3位及び4位でポルフィラジン環に縮環したピリジン環を、「ベンゾ」はポルフィラジン環に縮環したベンゼン環を、それぞれ意味する。
Figure 2010119676
Figure 2010119676
Figure 2010119676
Figure 2010119676
Figure 2010119676
Figure 2010119676
本発明のポルフィラジン色素は、通常、他の色素を配合することなく用いることができるが、場合により、本発明の効果を阻害しない範囲で公知のシアン色素と本発明のポルフィラジン色素の両者を配合して使用してもよい。
公知のシアン色素と本発明のポルフィラジン色素の両者を配合する場合、その配合する色素としてはC.I.ナンバーが付与されているトリフェニルメタン系色素やフタロシアニン系色素などを用いることができ、中でもC.I.ナンバーが付与されているフタロシアニン系色素が好ましい。
前記式(1)で表される本発明のポルフィラジン色素の製造方法を説明する。
前記式(1)で表される色素は、前記式(2)で表されるポルフィラジン化合物と、前記式(3)で表される有機アミンとを、アンモニア存在下で反応させることにより得ることができる。
前記式(2)で表されるポルフィラジン化合物は、いずれも公知の方法又はそれに準じた方法により、下記式(4)で表される化合物(ポルフィラジン環)を合成した後、これをクロロスルホニル化することにより、得ることができる。
即ち、下記式(4)で表される化合物は、例えば、国際公開第2007/091631号及び国際公開第2007/116933号パンフレットに開示された公知の方法に準じた方法により、合成することができる。これらの公知文献は、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環の個数が1未満の化合物に関する製造方法を開示していない。しかし、公知のニトリル法又はワイラー法にて合成を行う際に、反応原料として使用する含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体と、フタル酸誘導体の配合比率を変化させることにより、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環の個数が1未満である式(4)で表される化合物も合成することができる。
なお、得られる式(4)で表される化合物は、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環の置換位置、及び含窒素複素芳香環中の窒素原子の置換位置に関する位置異性体の混合物となることも、前記公知文献に記載の通りである。
Figure 2010119676
[式中、環A乃至Dは、前記式(1)におけるのと同じ意味を表す。]。
式(2)で表されるポルフィラジン化合物の合成法は、上記式(4)で表される化合物の合成法が開示された国際公開パンフレットに開示されている。該公知方法又はそれに準じた方法に従って、式(4)で表される化合物をクロロスルホニル化することにより式(2)の化合物を得ることができる。式(2)におけるクロロスルホニル基は、環A乃至Dにおけるベンゼン環上に導入され、環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環には導入されない。ベンゼン環上には通常1つのクロロスルホニル基が導入されるので、式(2)におけるnの数は、環A乃至Dにおけるベンゼン環の数以内である。従って、式(2)におけるクロロスルホニル基の数「n」は、式(2)で表されるポルフィラジン化合物のベンゼン環の数に応じて、1.00以上4.00未満であり、好ましくは2.0以上3.8以下、より好ましくは2.25以上3.5以下、更に好ましくは2.5以上3.25以下である。
上記以外の、式(2)で表されるポルフィラジン化合物の合成方法としては、スルホフタル酸と、キノリン酸(ピリジン−2,3−ジカルボン酸)及びシンコメロン酸(ピリジン−3,4−ジカルボン酸)等の含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体とを縮合閉環させることにより、スルホ基を有するポルフィラジン化合物を合成し、その後、該スルホ基を、塩化チオニル等の適当な塩素化剤でクロロスルホニル基へと変換する方法が挙げられる。この場合、合成原料として、スルホ基の置換位置が3位のスルホフタル酸と4位のスルホフタル酸とを選択することにより、式(2)で表されるポルフィラジン化合物上に置換されるスルホ基の置換位置を制御することができる。即ち、3−スルホフタル酸を用いれば下記式(5)における「α」位に、又、4−スルホフタル酸を用いれば下記式(5)における「β」位に、それぞれ選択的にスルホ基が置換されたポルフィラジン化合物を得ることができる。なお本明細書においては特に断りの無い限り、「ポルフィラジン環のα位」又は「ポルフィラジン環のβ位」との用語は、下記式(5)における相当する位置を意味する。
Figure 2010119676
なお、前記の通り、α位又はβ位に選択的に置換基を有する化合物、又は、α位に置換基を有する化合物とβ位に置換基を有する化合物の混合物は、合成方法により容易に作り分けることが可能である。置換基の位置を選択することや、これとは逆に置換基の位置異性体の混合物とすることにより、物性、色相、及び堅牢性等のバランスが異なる色素を得られる場合もある。
従って、その目的に応じた色素を作り分けることも好ましく行われる。
一方、前記式(3)で表される有機アミンも、公知の方法で製造することができる。
例えば、Rに対応するアルコール類5〜60モルと、2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)1モルと、炭酸水素ナトリウム0.8〜1.2モルを、5〜70℃の条件下に1〜12時間反応させて、1次縮合物を得る。得られた1次縮合物はろ過分離して、ウェットケーキとして単離しても良い。
次いで、Xに対応する置換アニリン又は置換ナフチルアミン0.9〜1.5モルの水溶液に、上記1次縮合物の反応液又はウェットケーキを加え、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物により、反応液をおおよそpH4〜10に調整し、反応温度5〜80℃の条件下、0.5〜12時間反応させることにより2次縮合物を得る。
得られた2次縮合物1モルと、Eに対応するアルキレンジアミン類1〜50モルとを、おおよそpH5〜12、反応温度5〜90℃の条件下で0.5〜12時間反応させることにより、前記式(3)で表される有機アミンが得られる。
各縮合反応のpH調整には、通常、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が用いられる。なお、縮合の順序はシアヌルクロライドと縮合する各種化合物の反応性に応じて適宜決めるのが良く、上記の順序に限定されない。
前記式(2)で表されるポルフィラジン化合物と、前記式(3)で表される有機アミンとの反応は、アンモニア存在下に、水溶媒中で、おおよそpH8〜10、反応温度5〜70℃の条件下、1〜20時間反応させることにより行われる。この反応により、目的の式(1)で表される本発明のポルフィラジン色素が得られる。
上記反応に用いられる「アンモニア」としては、アンモニア水、並びに、中和や分解によりアンモニアを発生する化学物質(これらの両者を併せて「アミノ化剤」と言う。)を用いることができる。上記反応に用いるアミノ化剤としては、例えば、塩化アンモニウム及び硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩の様に中和によりアンモニアを発生する化合物;尿素等の熱分解によりアンモニアを発生する化合物;及びアンモニアガス若しくはアンモニア水等が挙げられる。しかしこれらに限定されるものではない。上記反応に用いられるアミノ化剤としては、アンモニア水が好ましい。上記反応に使用するときは、市販品として入手できる濃アンモニア水(通常は、およそ濃度28%のアンモニア水として市販されている)、又はこれを必要に応じて水により希釈した希釈液を使用すれば良い。
前記式(3)で表される有機アミンの使用量は、通常、前記式(2)で表されるポルフィラジン化合物1モルに対して、理論値[目的とする前記式(1)で表される色素におけるcの値を得るのに必要な、計算上の前記式(3)で表される有機アミンのモル数]に相当する当量数若しくは多少過剰程度である。しかしながら、用いる有機アミンの反応性及び反応条件により該有機アミンの使用量は異なり、これらに限定されるものではない。
通常該有機アミンの使用量は上記理論値の1〜3倍に相当するモル当量、好ましくは1〜2倍に相当するモル当量程度である。即ち、該有機アミンの使用量は前記式(2)で表されるポルフィラジン化合物1モルに対して、c値の1〜3倍、好ましくは1〜2倍モル程度である。
また前記式(1)で表される本発明のポルフィラジン色素は、前記式(2)と、式(3)で表される化合物とから、特に無水条件を必要としない反応条件下にて合成され、好ましくは水溶媒を用いて合成される。このため式(2)におけるクロロスルホニル基が一部、反応系内に混在する水により加水分解を受けてスルホン酸へと変換された化合物が副生し、この結果、該副生物が、目的とする式(1)で表される色素に混入することが理論上考えられる。
しかしながら質量分析において無置換スルファモイル基とスルホ基とを識別することは困難であり、本発明においては式(3)で表される有機アミンと反応したもの以外の式(2)におけるクロロスルホニル基については、全て無置換スルファモイル基へと変換されたものとして記載する。
さらに、反応中に、2価の連結基(L)を介して銅ポルフィラジン環(Pz)が連結された2量体(例えばPz−L−Pz)又は3量体が極少量形成され、それが不純物として前記式(1)で表される色素に混入することもある。
上記Lで表される2価の連結基としては−SO−、−SO−NH−SO−等があり、3量体の場合にはこれら2つのLが組み合わされた副生成物が形成される場合も有る。
上記のようにして得られる本発明のポルフィラジン色素は、その合成反応における最終工程の反応液から、酸析又は塩析等により析出する固体を濾過分離等をすることにより、固体として単離することができる。塩析は、例えば酸性〜アルカリ性、好ましくはpH1〜11の範囲で行うことが好ましい。塩析の際の温度は特に限定されないが、通常40〜80℃、好ましくは50〜70℃である。具体的には、本発明のポルフィラジン色素を含む反応液を上記温度まで加熱した後、塩化ナトリウム等を加えて上記範囲にpHを調整して、塩析するのが好ましい。
上記の方法で合成される、本発明のポルフィラジン色素は、遊離酸又はその塩として得られる。該色素を遊離酸として単離する方法としては、例えば酸析が挙げられる。また、塩として単離する方法としては、塩析すればよい。塩析によって所望の塩が得られないときには、例えば得られた塩を遊離酸に変換した後、所望の有機又は無機の塩基を添加する方法等の、公知の塩交換法等により、目的の塩とすることができる。
本発明のインク組成物について記載する。
本発明のインク組成物は、前記式(1)で表される本発明のポルフィラジン色素を含有することを特徴とする。本発明のインク組成物は前記式(1)で表される本発明のポルフィラジン色素を溶媒中に、溶解又は分散することにより、得ることができる。従って、本発明のインク組成物は、本発明のポルフィラジン色素及び溶媒を含み、必要に応じて、更に、インク調製剤等の添加剤を含むことができる。溶媒は有機溶媒又は水、又は両者の混合溶媒何れでもよい。
本発明における式(1)のポルフィラジン色素は高い水溶性を有することから水に溶解して、実質的に溶液の水性インク組成物とするのが好ましい。本発明のポルフィラジン色素は鮮明なシアン色を呈するため、該色素を含有するインク組成物も、シアンインクとして用いることができる。本発明のポルフィラジン色素を含有するインク組成物は、色素濃度が高濃度のシアンインクのみならず、画像の階調部分を滑らかに再現する目的、又は淡色領域の粒状感を軽減する目的に用いられる色素濃度が低濃度のシアンインク(ライトシアンインクやフォトシアンインク等と呼ばれる)として用いても良い。また、イエロー色素と配合してグリーンインクとして使用しても良いし、マゼンタ色素と配合してバイオレットやブルーインクとして使用しても良い。さらに多色を配合してインクを作成し、ダークイエロー、グレー又はブラックの各インクとして使用することも可能である。
本発明のインク組成物をインクジェット記録用インクとして使用するときは、本発明のポルフィラジン色素中に不純物として含まれるCl及びSO 2−等の陰イオンの含有量は少ないものが好ましい。その陰イオンの含有量の目安は、該色素の総質量中において、Cl及びSO 2−の総含有量として5質量%以下、好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。また、インク組成物中においても、同様に該陰イオン含量は少ない方が好ましく、インク組成物の総質量に対して、該陰イオン含量は1質量%以下が好ましい。下限は検出機器の検出限界以下、即ち0%でも良く、この場合より好ましい。
Cl及びSO 2−の少ない本発明のポルフィラジン色素を製造するには、例えば逆浸透膜による通常の方法、又は、本発明のポルフィラジン色素の乾燥品あるいはウェットケーキを、含水有機溶媒、好ましくは含水アルコール中に懸濁して撹拌する方法等によって、脱塩処理すればよい。
上記含水アルコールに用いるアルコールとしては、C1−C4アルコール、好ましくはC1−C3アルコール、更に好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール又は2−プロパノールが挙げられる。含水アルコールを用いるときは、脱塩したい色素を懸濁させた懸濁液を、その沸点近くまで加熱後、冷却して脱塩する方法も採用しうる。
含水アルコール中で脱塩処理された本発明のポルフィラジン色素は、濾過分離した後に乾燥することにより、乾燥状態の色素として得ることもできる。
該色素中のCl及びSO 2−の含有量は、例えばイオンクロマトグラフィーで測定される。
本発明のインク組成物をインクジェット記録用途に用いる場合、上記のCl及びSO 2−以外の、亜鉛及び鉄等の重金属、カルシウム等の各イオン、並びにシリカ等の、不純物の含有量も少ないことが好ましい。
但し、本発明のポルフィラジン色素は、イオン結合や配位結合等により中心金属を有し、銅錯体を形成しているため、この中心金属は不純物に含めない。
上記の不純物含有量の目安は、該ポルフィラジン色素の乾燥精製品中に、亜鉛及び鉄等の重金属、カルシウム等の各イオン、及びシリカ等について、各々おおよそ500ppm以下程度が好ましい。不純物の含有量の下限は分析機器の検出限界以下、即ち0ppmで良い。
重金属等のイオン含有量は、イオンクロマトグラフィー、原子吸光法又はICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法にて測定することができる。
本発明のインク組成物は、前記式(1)で表される本発明のポルフィラジン色素を0.1〜8質量%、好ましくは0.3〜6質量%含有し、残部はインク調製用の溶媒である。本発明のインク組成物は、インク調製用の溶媒として水を含む水性インク組成物が好ましい。この場合の水含量は、インク組成物の総量に対して、92〜99,9質量%、好ましくは94〜99,7質量%である。
本発明の水性インク組成物はさらに必要に応じて、水溶性有機溶剤及びインク調製剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有してもよい。通常、本発明のインク組成物はこれらを含む方が好ましい。
水溶性有機溶剤は、染料溶解、乾燥防止(湿潤)、粘度調整、浸透促進、表面張力調整及び/又は消泡等としての機能を有する場合もある。本発明のインク組成物中に水溶性有機溶剤を含有する方が好ましい。
インク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、乳化安定剤、表面張力調整剤、消泡剤、分散剤、及び、分散安定剤等が挙げられる。本発明のインク組成物中にこれらを必要に応じて加えても良い。
本発明のインク組成物は、本発明の色素及び水以外に、更に、上記水溶性有機溶剤を0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%、上記インク調製剤を0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%、本発明のインク組成物の総質量に対してそれぞれ含有しているのが好ましい。水溶性有機溶剤、インク調製剤及び本発明のポルフィラジン色素以外の残部は水である。
本発明のインク組成物に使用される本発明の色素としては式(1)で表される色素又はその塩に含まれるものであれば何れでもよく、前記2)〜8)、18)、19)、(i)〜(x)の何れか一項に記載のポルフィラジン色素又はその塩を用いたインクはより好ましい。
前記の水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール又は第三ブタノール等のC1−C4アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン又は2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン又はジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−若しくは1,3−プロピレングリコール、1,2−若しくは1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン又はヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4モノアルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;及びジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
上記の水溶性有機溶剤として好ましいものは、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン及びブチルカルビトールであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン及びブチルカルビトールである。
これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、及び、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、及び、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤の具体例としては、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及び酢酸ナトリウム等が挙げられ、また市販品としては、例えば、アーチケミカルズ社製、商品名プロクセルRTMGXL(S)及びプロクセルRTMXL−2(S)等が挙げられる。
なお、本明細書において、上付きのRTMは登録商標を表す。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);又は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;タウリン等のアミノスルホン酸;等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム及びウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール及びジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物及びスチルベン系化合物等が挙げられる。また、ベンズオキサゾール系化合物に代表される、紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては水溶性高分子化合物が挙げられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン及びポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム及びエチレンカーボネート等が挙げられる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類及びヘテロ環類等が挙げられ、金属錯体としてはニッケル錯体及び亜鉛錯体等が挙げられる。
表面張力調整剤としては、界面活性剤が挙げられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩及びジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体及びポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、及び、その他のイミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート及びポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール系(例えば、日信化学工業株式会社製サーフィノールRTM104、82、465、オルフィンRTMSTG等)等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系及びシリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。なお、本発明のインクの表面張力は通常25〜70mN/m、好ましくは25〜60mN/mである。また本発明のインクの粘度は30mPa・s以下に調整するのが好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。
本発明のインク組成物を製造するにあたり、含有する各成分を溶解させる順序には特に制限はない。インク組成物の調製に用いる水は、イオン交換水又は蒸留水等の、金属イオン等の不純物が少ない水が好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルター等を用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、インクジェット記録用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは、0.8μm〜0.1μmである。
本発明のインク組成物は、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成する際は、マゼンタインク及びイエローインクとの3原色のインクセットとして使用され、更にはこれにブラックインクを加えた4色のインクセットとしても使用される。さらにはより高精細な画像を形成するために、ライトマゼンタインク、ブルーインク、グリーンインク、オレンジインク、ダークイエローインク及び/又はグレーインク等と併用したインクセットとしても使用される。本発明のインク組成物と併用する各色のインクセットに用いる色素としては、各色の公知の色素が挙げられる。
公知のイエロー色素としては、例えばアリール及び/又はヘテロアリールを有するアゾ系色素;ベンジリデン色素やモノメチンオキソノール色素等のメチン系色素;ナフトキノン色素及びアントラキノン色素等のキノン系色素;キノフタロン系色素;ニトロ・ニトロソ系色素;アクリジン系色素;並びに、アクリジノン系色素;等が挙げられる。
公知のマゼンタ色素としては、例えばアリール及び/又はヘテロアリールを有するアゾ系色素;アゾメチン系色素;アリーリデン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、シアニン色素及びオキソノール色素等のようなメチン系色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素及びキサンテン色素等のようなカルボニウム系色素;ナフトキノン、アントラキノン及びアントラピリドン等のようなキノン系色素;並びに、ジオキサジン色素等のような縮合多環系色素;等が挙げられる。
公知のブラック色素としては、ジスアゾ、トリスアゾ又はテトラアゾ等のアゾ系色素;硫化染料;及びカーボンブラックの分散体;等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図及びスタンピング等の各種の記録用途に使用できるが、特にインクジェット記録に適する。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物、例えば式(1)のポルフィラジン色素又はその塩を含有するインク組成物、好ましくは、更に、水及び水溶性有機溶剤を含有するインク組成物のインク滴を記録信号に応じて、吐出させて、それを被記録材に付着させて記録を行うものである。該記録方法により形成された画像は、色相に優れ、各種堅牢性、特に耐オゾン性、耐湿性等にも優れると共に、ブロンズ現象を生じない。
インク滴の吐出には、記録信号に応じて上記インク組成物にエネルギーを供与すれば良く、インク滴を吐出させる方式としては、背景技術の項において記載した各種の方式を採用することができる。
上記の被記録材としては、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、光沢紙、光沢フィルム、電子写真共用紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、ガラス、金属、陶磁器又は皮革等を挙げることができる。
インクジェット記録画像を形成する際には、画像に光沢性や耐水性を与えたり、耐候性を改善する目的から、ポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックスともいう)を使用してもよい。該ポリマーラテックスは、被記録材に付与しても、また、インク組成物中に、予め配合しておいてもよい。
ポリマーラテックスを被記録材に付与する時期については、被記録材にインクを付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよい。
具体的には、予めポリマーラテックスを含有する被記録材に本発明のインク組成物で記録してもよいし、また、予めポリマーラテックスを含有させた本発明のインク組成物で被記録材に記録してもよい。又は、本発明のインク組成物で被記録材へ記録を行う前又は後に、液状ポリマーラテックスで、該被記録材表面を処理しても良い。
本発明の着色体は、本発明のポルフィラジン色素又はこれを含有する本発明のインク組成物により着色された物質を意味する。着色される物質としては特に制限されないが、例えば紙及びフィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、並びに、カラーフィルター用基材等が挙げられる。着色される物質としては、情報伝達用シートが好ましい。
上記の情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙又はフィルム等の基材に、インク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば前記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工する方法;多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等の、インク中の色素を吸収し得る無機微粒子(白色無機顔料粒子)を、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に前記基材表面に塗工する方法;等により設けられる。
このようなインク受容層を設けた情報伝達用シートは、通常インクジェット専用紙(フィルム)、光沢紙(フィルム)等と呼ばれる。
市販品として入手できる上記インクジェット専用紙の代表的な例としては、いずれも商品名で、キヤノン株式会社製、写真用紙・光沢プロ「プラチナグレード」、及び、写真用紙・光沢ゴールド、;セイコーエプソン株式会社製、写真用紙クリスピア(高光沢)、写真用紙(光沢)及びフォトマット紙;日本ヒューレット・パッカード株式会社製、アドバンスフォト用紙(光沢);ブラザー工業株式会社製、プレミアムプラスグロッシィフォトペーパー;等がある。
この中で、上記の無機微粒子を基材表面に塗工しているタイプのインクジェット専用紙に記録された画像は、オゾンガス等の空気中の酸化作用を持つガスにより悪影響を受けやすいとされている。本発明のポルフィラジン色素又はそれを含む本発明のインク組成物はそのようなインクジェット専用紙に記録した場合においても、優れた耐オゾン性を示す。
なお、本発明のインク組成物は普通紙への記録にも当然使用することできる。普通紙としては、具体的にはキヤノン株式会社製、PBペーパーGF500;及び、セイコーエプソン株式会社製、両面上質普通紙;等が挙げられる。
本発明のインク組成物の用途としては、これらの専用紙及び普通紙等への記録に限られるものではない。
本発明のインクジェット記録方法で、上記の被記録材に記録を行うには、例えば前記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、前記の記録方法で記録すればよい。
インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタ;並びに、加熱により生ずる泡を利用したバブルジェットRTM方式のプリンタ;等が挙げられる。しかし、本発明のインク組成物はこれらの吐出方式に限定されず、いずれの方式でも使用できる。
本発明のインク組成物は貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、該インク組成物をインクジェット記録に使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明のインク組成物は連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間かつ一定の再循環下での記録;又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な記録;等においても、物理的性質の変化を起こさない。
本発明のポルフィラジン色素を含有するインク組成物は、鮮明なシアン色であり、シアンインクとして良好な色相を有すると共に、長期間保存後の固体析出、物性変化及び色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。また、本発明のインク組成物により得られる記録画像は印字濃度が高く、印字における色素濃度を低減することができるため、コストの減少等の産業上の優位性を有する。さらに、記録画像の耐光性、耐水性、耐オゾン性及び耐湿性等の各種堅牢性、特に耐オゾン性と耐湿性に優れ、またブロンズ現象も生じにくいため、高品質の記録画像が得られる。
さらに、濃淡それぞれのシアンインクを使用し、これに加えてイエロー及び/又はマゼンタ、その他必要に応じてグリーン、レッド、オレンジ及び/又はブルー等のインクと併用することにより、広い可視領域の色調を表現することもできる。
従って、本発明のポルフィラジン色素及びこれを含有するインク組成物は、インクジェット記録用のシアン色素及びシアンインクとして極めて有用である。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。また、反応、晶析及び精製等の各操作は、特に断りの無い限り、いずれも攪拌下に行った。また、合成反応に使用した、「商品名 レオコールRTMTD−90」は、ライオン株式会社製の界面活性剤である。
なお実施例にて合成した前記式(1)で表される色素は、全て前記のように異性体等を含む混合物である。従って各実施例における構造式としては、ポリフィラジン環上の置換基を具体的に構造式で示し、特に断りの無い限り、ポリフィラジン環の環A〜環Dを波線で表示し、ポリフィラジン環上の置換基の数n、b、及びcは、記号のままで表示した。そして具体的な、含窒素複素芳香環の数、ベンゼン環の数、b及びcの数は各実施例に記載し、異性体等も含めて、これらの数を有する単一の化合物としての収量を記載した。また、特に断りの無い限り、本発明の色素は、非置換スルファモイル基及び置換スルファモイル基が、b及びcの比率で、それぞれ独立に、ポルフィラジン環のα位及びβ位に置換したものの混合物である。実施例において合成した本発明の色素は、実施例14及び15を除き、α位置換体及びβ位置換体をほぼ等量含有する混合物と考えられる。
実施例で得た本発明及び比較用のポルフィラジン色素の最大吸収波長(λmax)は、いずれもpH7〜9の水溶液中での測定値を記載した。この際のpHの調整は、水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
環A乃至Dにおける、ベンゼン環及び6員環の含窒素複素芳香環の数、並びに、b及びcの値は、小数点以下3桁目を四捨五入し、小数点以下2桁として記載した。このb及びcの値は、目的化合物を試料としたICP発光分析法による銅含有量の測定、カールフィッシャー法による含水量の測定、及びイオンクロマト法による無機不純物(ナトリウム、カリウム、塩素等のイオン)の含有量の測定により求めることができる。
なお、合成した本発明のポルフィラジン色素は、いずれも水溶液の総質量に対して、10質量%以上と極めて高い溶解度を示した。
各合成反応において、1回の合成で目的とする化合物等の必要量が得られなかった場合には、必要な量が得られるまで、同一又は同様の操作を繰返し行った。
[実施例1]
(工程1)
下記式(4)における環A乃至Dのうち1.37が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り2.63がベンゼン環である、下記式(4)で表される化合物の合成。
Figure 2010119676
スルホラン375部に、無水フタル酸29.16部、キノリン酸17.23部、尿素108部、塩化銅(II)10.1部、及びモリブデン酸アンモニウム1.5部を加えた。200℃まで液温を上げ、反応液を同温度で5時間保持した。反応終了後、該反応液を65℃まで冷却し、そこにDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)50部を加え、析出した固体を濾過分離した。得られた固体をDMF50部で洗浄し、ウェットケーキ75.1部を得た。得られたウェットケーキをDMF450部に加え、110℃に液温を上げ、同温度で一時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄して、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを5%塩酸450部中に加え、60℃に液温を上げ、同温度で1時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを5%アンモニア水450部中に加え、60℃に液温を上げ、同温度で1時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄し、ウェットケーキ78.6部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、上記の目的化合物23.1部を青色固体として得た。
(工程2)
下記式(2)における環A乃至Dのうち1.37が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り2.63がベンゼン環であり、nが2.63である、下記式(2)で表される化合物の合成。
Figure 2010119676
クロロスルホン酸46.2部中に、60℃を超えないように実施例1(工程1)で得た上記式(4)の化合物5.8部を徐々に加えた後、該反応液を140℃で4時間保持した。その後、反応液を70℃まで冷却し、そこに塩化チオニル17.9部を30分間かけて滴下し、70℃でさらに3時間反応を行った。反応液を30℃以下に冷却し、氷水800部中にゆっくりと注いだ。析出した固体を濾過分離し、冷水200部で洗浄することにより、上記式(2)で表される目的化合物のウェットケーキ33.0部を得た。
(工程3)
下記式(6)で表される有機アミン[前記式(3)におけるEがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Rがメチルである有機アミン]の合成。
Figure 2010119676
メタノール160部中に、塩化シアヌル36.8部、商品名レオコールRTMTD−90を4部及び炭酸水素ナトリウム16.8部を加え、30℃以下で1時間反応を行い、一次縮合物を含む反応液を得た。
水280部中に、2,5−ジスルホアニリン56.1部を加え、さらに、25%水酸化ナトリウム水溶液32部を加えて、この液のpHを3〜5とした。この液に上記のようにして得た一次縮合物を含む反応液を徐々に加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6〜7に調整しながら、室温で一晩反応を行い、二次縮合物を含有する反応液を得た。
得られた反応液に塩酸360部及び氷125部を加えて反応液を0℃まで冷却し、さらにエチレンジアミン120部を滴下した。得られた液に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜6に調整しながら80℃で2.5時間反応を行い、3次縮合物を含有する反応液を得た。
この反応液に塩酸55部を加え、反応液のpHを1.0に調整した。このときの液量は1000部であった。得られた液に塩化ナトリウム200部を加えて、この液を30分間攪拌し、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離してウェットケーキ183部を得た。得られたウェットケーキを水1000部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整した。この溶液に塩酸55部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は1400部であった。この液に塩化ナトリウム280部を加え、室温で30分間、さらに0℃で30分間この液を攪拌した。析出した固体を濾過分離してウェットケーキ60部を得た。メタノール224部及び水56部の混合液中に、得られたウェットケーキを加え、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離してウェットケーキ51.3部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする上記式(6)で表される有機アミンの白色粉末37.0部を得た。
(工程4)
下記式(7)で表される本発明のポルフィラジン色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち1.37が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り2.63がベンゼン環、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Rがメチル、bが1.83、及びcが0.8である色素]の合成。
Figure 2010119676
氷水120部中に、実施例1(工程2)で得た上記式(2)で表される化合物のウェットケーキ33.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、上記式(6)で表される有機アミン3.3部を28%アンモニア水1部及び水40部の混合液中に溶解した溶液を、この懸濁液に加えた。その後、28%アンモニア水で該懸濁液のpH9.0を保持しながら反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の反応液の液量は200部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム28.5部を加えて、30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてこの反応液のpHを1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄することにより、ウェットケーキ62.3部を得た。
得られたウェットケーキを水200部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。このときの液量は275部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム22.5部を加えて、該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整し、析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ37.1部を得た。得られたウェットケーキをエタノール160部及び水40部の混合液に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ32.0部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、上記式(7)で表される本発明の色素の遊離酸10.0部を青色粉末として得た。
λmax:600nm。
[実施例2]
(工程1)
前記式(4)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環である、前記式(4)で表される化合物の合成。
スルホラン375部に、無水フタル酸33.32部、キノリン酸10.08部、尿素108部、塩化銅(II)10.1部、及びモリブデン酸アンモニウム1.5部を加えた。200℃まで液温を上げ、反応液を同温度で5時間保持した。反応終了後、該反応液を65℃まで冷却し、そこにDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)50部を加え、析出した固体を濾過分離した。得られた固体をDMF50部で洗浄し、ウェットケーキ75.1部を得た。得られたウェットケーキをDMF450部に加え、110℃に液温を上げ、同温度で一時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄して、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを5%塩酸450部中に加え、60℃に液温を上げ、同温度で1時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを5%アンモニア水450部中に加え、60℃に液温を上げ、同温度で1時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄し、ウェットケーキ78.6部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、上記の目的化合物25.2部を青色固体として得た。
(工程2)
前記式(2)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環であり、nが3.00である、前記式(2)で表される化合物の合成。
クロロスルホン酸46.2部中に、60℃を超えないように前記実施例1(工程1)で得た式(4)の化合物5.8部を徐々に加え、該反応液を140℃で4時間保持した。その後、反応液を70℃まで冷却し、そこに塩化チオニル17.9部を30分間かけて滴下し、70℃でさらに3時間反応を行った。反応液を30℃以下に冷却し、氷水800部中にゆっくりと注いだ。析出した固体を濾過分離し、冷水200部で洗浄することにより、前記式(2)で表される目的化合物のウェットケーキ31.5部を得た。
(工程3)
前記式(7)で表される本発明のポルフィラジン色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Rがメチル、bが2.30、及びcが0.7である色素]の合成。
氷水200部中に実施例2(工程2)で得た上記式(2)で表される化合物のウェットケーキ31.5部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、実施例1(工程3)で得た前記式(6)で表される有機アミン2.9部を28%アンモニア水1部及び水40部の混合液に溶解した溶液を、この懸濁液に加えた。その後、28%アンモニア水で該懸濁液のpH9.0を保持しながら反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の液量は225部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム33.8部を加えて、30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてこの反応液のpHを1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ39.7部を得た。
得られたウェットケーキを水170部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。このときの液量は225部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム22.5部を加えて、該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整し、析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ41.2部を得た。得られたウェットケーキをエタノール160部及び水40部の混合液に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、析出した固体を濾過分離し、ウェットケーキ29.3部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、前記式(7)で表される本発明の色素の遊離酸11.0部を青色粉末として得た。
λmax:605nm。
[実施例3]
(工程1)
前記式(4)における環A乃至Dのうち0.75が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.25がベンゼン環である、前記式(4)で表される化合物の合成。
スルホラン375部に、無水フタル酸36.1部、キノリン酸9.4部、尿素108部、塩化銅(II)10.1部、及びモリブデン酸アンモニウム1.5部を加えた。200℃まで液温を上げ、反応液を同温度で5時間保持した。反応終了後、該反応液を65℃まで冷却し、そこにDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)50部を加え、析出した固体を濾過分離した。得られた固体をDMF50部で洗浄し、ウェットケーキ75.1部を得た。得られたウェットケーキをDMF450部に加え、110℃に液温を上げ、同温度で一時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄して、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを5%塩酸450部中に加え、60℃に液温を上げ、同温度で1時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを5%アンモニア水450部中に加え、60℃に液温を上げ、同温度で1時間保持した。固体を濾過分離し、水200部で洗浄し、ウェットケーキ78.6部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、上記の目的化合物32.6部を青色固体として得た。
(工程2)
前記式(2)における環A乃至Dのうち0.75が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.25がベンゼン環であり、nが3.25である、前記式(2)で表される化合物の合成。
クロロスルホン酸46.1部中に、60℃を超えないように上記実施例3(工程1)で得た前記式(4)の化合物5.7部を徐々に加えた後、該反応液を145℃で4時間保持した。その後、反応液を70℃まで冷却し、そこに塩化チオニル17.8部を30分間かけて滴下した後、80℃に液温を上げて、同温度でさらに3時間反応を行った。反応液を30℃以下に冷却し、氷水800部中にゆっくりと注いだ。析出した固体を濾過分離し、冷水100部で洗浄することにより、前記式(2)で表される目的化合物のウェットケーキ32.2部を得た。
(工程3)
前記式(7)で表される本発明のポルフィラジン色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち0.75が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.25がベンゼン環、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Rがメチル、bが2.45、及びcが0.8である色素]の合成。
氷水150部中に、実施例3(工程2)で得たウェットケーキ32.2部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、前記式(6)で表される有機アミン3.3部を28%アンモニア水1部及び水50部の混合液中に溶解した溶液を、この懸濁液に加えた。28%アンモニア水で該懸濁液のpH9.0を保持しながら反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の液量は250部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム37.5部を加えて、30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてこの反応液のpHを1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ51.1部を得た。
得られたウェットケーキを水200部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整することにより、該ウェットケーキを溶解させた。このときの液量は275部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム27.5部を加えて、該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整し、析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ47.3部を得た。得られたウェットケーキをエタノール160部及び水40部の混合液に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ16.3部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、前記式(7)で表される本発明の色素の遊離酸10.0部を青色粉末として得た。
λmax:604nm。
[実施例4]
(工程1)
下記式(8)で表される有機アミン[前記式(3)におけるEがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Rがエチルである有機アミン]の合成。
Figure 2010119676
エタノール80部中に、塩化シアヌル18.4部、商品名レオコールRTMTD−90を2部及び炭酸水素ナトリウム8.4部を加え、30℃以下で4時間反応を行い、一次縮合物を含む反応液を得た。
水150部中に、2,5−ジスルホアニリン30.1部を加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液17部を加えて、この液のpHを3〜5に調整した。この液に上記のようにして得た一次縮合物を含む反応液を徐々に加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6〜7に調整しながら、室温で7時間反応を行い、2次縮合物を含有する反応液を得た。
得られた反応液に塩酸180部及び氷63部を加え、反応液を0℃まで冷却し、さらにエチレンジアミン60.1部を滴下した後、室温で一晩反応を行い、3次縮合物を含有する反応液を得た。
この溶液に塩酸20部を加え、反応液のpHを1.0に調整した。このときの液量は700部であった。この液に塩化ナトリウム140部を加え、この液を30分間攪拌し、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離しウェットケーキ130.9部を得た。得られたウェットケーキを水850部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整し、該ウェットケーキを溶解させた。この溶液に塩酸64部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は900部であった。この液に塩化ナトリウム180部を加え、室温で30分間、次いで0℃で30分間、この液を攪拌した。析出した固体を濾過分離しウェットケーキ39.6部を得た。得られたウェットケーキをメタノール160部及び水40部の混合液に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。固体を濾過分離し、ウェットケーキ15.4部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする上記式(8)で表される有機アミンの白色粉末11.8部を得た。
(工程2)
下記式(9)で表される本発明のポルフィラジン色素[下記式(9)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Rがエチル、bが2.0、及びcが1.0である色素)の合成。
Figure 2010119676
氷水100部中に、実施例2(工程1)及び(工程2)と同様にして得たウェットケーキ31.5部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、上記式(8)で表される有機アミン4.2部を28%アンモニア水3部及び水40部の混合液中に溶解した溶液を、この懸濁液に加えた。28%アンモニア水で該懸濁液のpH9.0を保持しながら反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の液量は225部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム33.8部を加えて、30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてこの反応液のpHを1.0に調整した。析出固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ59.9部を得た。
得られたウェットケーキを水150部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整することにより、該ウェットケーキを溶解させた。このときの液量は225部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム22.5部を加えて30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整し、析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ55.1部を得た。得られたウェットケーキをエタノール240部及び水60部の混合液に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ52.1部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、上記式(9)で表される本発明の色素の遊離酸9.2部を青色粉末として得た。
λmax:603nm。
[実施例5]
(工程1)
下記式(10)で表される有機アミン[前記式(4)におけるEがエチレン、Xが3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、Rがメチルである有機アミン]の合成。
Figure 2010119676
メタノール80部及び氷20部中に、塩化シアヌル9.2部、商品名レオコールRTMTD−90を1部及び炭酸水素ナトリウム4.2部を加え、30℃以下で1時間反応を行い、一次縮合物を含む反応液を得た。
水75部中に3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミン14.9部を加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液5部を加えて、この液のpHを4〜6とした。この液に上記の一次縮合物を含む反応液を徐々に加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6〜7に調整しながら、室温で一晩反応を行い、2次縮合物を含有する反応液を得た。
得られた反応液に塩酸90部及び氷30部を加え、反応液を0℃まで冷却し、さらにエチレンジアミン30.1部を滴下した。その後、得られた液に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜6に調整しながら、室温で一晩反応を行い、3次縮合物を含有する反応液を得た。
この溶液に塩酸20部を加え、溶液のpHを1.0に調整した。このときの液量は350部であった。そこに塩化ナトリウム40部を加え、この液を30分間攪拌し、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離しウェットケーキ58.0部を得た。得られたウェットケーキをビーカーに入れ、そこに水300部を加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整し、固体を溶解させた。この溶液に塩酸24部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は410部であった。この液に塩化ナトリウム80部を加え、この液を一晩室温で攪拌し、さらに0℃で30分間攪拌して、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離してウェットケーキ11.3部を得た。得られたウェットケーキをビーカーに入れ、そこにメタノール48部及び水12部を加え、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離しウェットケーキ9.1部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする上記式(10)で表される有機アミンの白色粉末8.3部を得た。
(工程2)
下記式(11)で表される本発明のポルフィラジン色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、Eがエチレン、Xが3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、Rがメチル、bが2.0、及びcが1.0である色素]の合成。
Figure 2010119676
氷水120部中に、実施例2(工程1)及び(工程2)と同様にして得たウェットケーキ31.5部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水1部及び水40部中に上記式(10)で表される有機アミン4.7部を溶解させた溶液をこの懸濁液に加えた。そこに28%アンモニア水を加えながら、該懸濁液のpH9.0を保持して反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の液量は290部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム53部を加え、30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてこの反応液のpHを1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ41.3部を得た。
得られたウェットケーキを水200部に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整することにより、該ウェットケーキを溶解した。このときの液量は260部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム45部を加えた。該溶液を30分間撹拌した後、20分間かけて濃塩酸を加えて該溶液のpHを4.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ23.9部を得た。得られたウェットケーキを水40部、メタノール80部及びイソプロピルアルコール80部の混合溶媒に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ21.6部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、上記式(11)で表される本発明の色素の遊離酸9.5部を青色粉末として得た。
λmax:603nm。
[実施例6]
(工程1)
下記式(12)で表される有機アミン[前記式(3)におけるEがエチレン、Xが4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、Rがメチルである有機アミン]の合成。
Figure 2010119676
メタノール80部及び氷20部中に、塩化シアヌル18.4部、商品名レオコールRTMTD−90を2部及び炭酸水素ナトリウム8.4部を加え、30℃以下で1時間反応を行い、一次縮合物を含む反応液を得た。
水180部中に、2−アミノ−4,8−ジスルホナフタレン30.4部を加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液10部を加えて、この液のpHを4〜6とした。この液に上記の一次縮合物を含む反応液を徐々に加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6〜7に調整しながら、室温で3時間反応を行い、二次縮合物を含有する反応液を得た。
得られた反応液に塩酸180部及び氷60部を加え、反応液を0℃まで冷却し、さらにエチレンジアミン60.1部を滴下した。その後、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜6に調整しながら室温で一晩反応を行い、3次縮合物を含有する反応液を得た。
この溶液に塩酸40部を加え、反応液のpHを1.0に調整した。このときの液量は720部であった。そこに塩化ナトリウム120部を加え、この液を30分間攪拌し、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離しウェットケーキ141.3部を得た。得られたウェットケーキをビーカーに入れ、そこに水600部を加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。この溶液に塩酸65部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は820部であった。この液に塩化ナトリウム190部を加え、該液を30分間室温で攪拌し、次いで0℃で30分間攪拌して、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離しウェットケーキ52.2部を得た。得られたウェットケーキをビーカーに入れ、そこにメタノール200部及び水50部を加え50℃で1時間攪拌を行った。固体を濾過分離しウェットケーキ58.6部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする上記式(12)で表される有機アミンの白色粉末34.3部を得た。
(工程2)
下記式(13)で表される本発明のポルフィラジン色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、Eがエチレン、Xが4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、Rがメチル、bが2.0、及びcが1.0である色素]の合成。
Figure 2010119676
氷水120部中に、実施例2(工程1)及び(工程2)と同様にして得たウェットケーキ31.5部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水1部及び水40部中に上記式(12)で表される有機アミン5.4部を溶解させた溶液をこの懸濁液に加えた。28%アンモニア水を該懸濁液に加えながら、pH9.0を保持して反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の液量は230部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム34.5部を加えて、30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてこの反応液のpHを1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ51.5部を得た。
得られたウェットケーキを水200部に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整することにより、該ウェットケーキを溶解した。このときの液量は225部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム22.5部を加えて、該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH4.0に調整した後、析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ53.9部を得た。得られたウェットケーキをエタノール160部及び水40部の混合溶媒に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ22.2部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、上記式(13)で表される本発明の色素の遊離酸10.0部を青色粉末として得た。
λmax:607nm。
[実施例7]
(工程1)
下記式(14)で表される有機アミン[前記式(4)におけるEがエチレン、Xが6,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、Rがメチルである有機アミン]の合成。
Figure 2010119676
メタノール80部及び氷20部中に、塩化シアヌル18.4部、商品名レオコールRTMTD−90を2部及び炭酸水素ナトリウム8.4部を加え30℃以下で1時間攪拌し、一次縮合物を含む反応液を得た。該反応液に氷60部を加え、該反応液を0℃で30分間攪拌し、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離し、一次縮合物のウェットケーキ17.7部を得た。
水160部中に、2−アミノ−6,8−ジスルホナフタレン33.1部及びレオコールRTMTD−90を0.2部加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液6部を加えて、pHを3〜5とした。該液を攪拌しながら、上記の一次縮合物を含むウェットケーキを徐々に加えた後、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜7に調整しながら、室温で2時間反応を行い、二次縮合物を含有する反応液を得た。
得られた反応液に塩酸180部及び氷60部を加え、反応液を0℃まで冷却し、エチレンジアミン54.1部を滴下した。その後、得られた液に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜6としながら室温で一晩攪拌し、3次縮合物を含有する反応液を得た。
この溶液に塩酸40部を加え、溶液のpHを1.0に調整した。このときの液量は600部であった。得られた溶液に塩化ナトリウム60部を加え、該溶液を30分間攪拌し、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離して、ウェットケーキ95.6部を得た。得られたウェットケーキをビーカーに入れ、そこに水500部を加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。この溶液に塩酸20部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は640部であった。この溶液に塩化ナトリウム80部を加え、この溶液を30分間室温で攪拌し、さらに0℃で30分間攪拌して、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離しウェットケーキ121.7部を得た。得られたウェットケーキをビーカーに入れ、そこにメタノール480部及び水120部を加え、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離して、ウェットケーキ73.8部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする上記式(14)で表される有機アミンの白色粉末33.1部を得た。
(工程2)
下記式(15)で表される本発明の色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、Eがエチレン、Xが6,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、Rがメチル、bが2.0、及びcが1.0である色素]の合成。
Figure 2010119676
氷水120部中に実施例2(工程1)及び(工程2)と同様にして得たウェットケーキ33.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水1部及び水40部中に上記式(14)で表される有機アミン5.9部を溶解させた溶液を、この懸濁液に加えた。28%アンモニア水を加えながら、該懸濁液のpHを9.0に保持して反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の液量は200部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム44部を加えて、30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてこの反応液のpHを1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ45.0部を得た。
得られたウェットケーキを水200部に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整することにより、該ウェットケーキを溶解した。このときの液量は250部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム80部を加え、該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH7.0に調整した後、析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄して、ウェットケーキ33.5部を得た。得られたウェットケーキを、メタノール80部、イソプロピルアルコール80部及び水40部の混合溶媒に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ27.2部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、上記式(15)で表される本発明の色素の遊離酸11.1部を青色粉末として得た。
λmax:608nm。
[実施例8]
(工程1)
下記式(16)で表される有機アミン[前記式(3)におけるEがエチレン、Xが8−ヒドロキシ−3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、Rがメチルである有機アミン]の合成。
Figure 2010119676
メタノール80部に、氷20部、塩化シアヌル18.4部、商品名レオコールRTMTD−90を2部、及び炭酸水素ナトリウム16.8部を加えて、30℃以下で1時間反応を行い、一次縮合物を含む反応液を得た。
水200部中に、8−ヒドロキシ−3,6−ジスルホ−1−ナフチルアミン38.7部(純度82.5%の市販品)、及び25%水酸化ナトリウム水溶液16部を加えた液に、上記のようにして得た一次縮合物を含む反応液を徐々に加えた。25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてこの反応液をpH6〜7に調整しながら、該液を室温で一晩攪拌し、二次縮合物を含む反応液を得た。
得られた反応液に塩酸180部及び氷60部を加え、反応液を0℃まで冷却し、さらにそこにエチレンジアミン60部を滴下した。25%水酸化ナトリウム水溶液で、この液のpHを5〜6に調整しながら、反応液を80℃で2.5時間攪拌し、3次縮合物を含む反応液を得た。
この溶液に塩酸55部を加え、溶液のpHを1.0に調整した。このときの液量は500部であった。この液に塩化ナトリウム100部を加え、この液を30分間攪拌し、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離しウェットケーキ77.1部を得た。得られたウェットケーキを水300部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。この溶液に塩酸15.0部を加え、該溶液のpHを1.0に調整した。このときの液量は420部であった。この液に、塩化ナトリウム84部を加え、この液を室温で30分間、次いで0℃で30分間攪拌し、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離して、ウェットケーキ66.1部を得た。メタノール120部、イソプロパノール120部、及び水60部の混合液中に、得られたウェットケーキを加え、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離しウェットケーキ62.1部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする上記式(16)で表される有機アミンの薄紫色粉末23.5部を得た。
(工程2)
下記式(17)で表される本発明のポルフィラジン色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、Eがエチレン、Xが8−ヒドロキシ−3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、Rがメチル、bが2.0、及びcが1.0である色素]の合成。
Figure 2010119676
氷水200部中に実施例2(工程1)及び(工程2)と同様にして得たウェットケーキ31.5部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水1部及び水40部中に上記式(16)で表される有機アミン4.9部を溶解させた溶液をこの懸濁液に加えた。さらに28%アンモニア水を加えながら、該懸濁液のpHを9.0に保持して、反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の液量は250部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム50部を加えて、該反応液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えて該反応液のpHを5.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ42.1部を得た。
得られたウェットケーキを水170部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを9.0に調整することにより、該ウェットケーキを溶解した。このときの液量は250部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム25部を加えて、該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH2.0に調整した後、析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ43.2部を得た。得られたウェットケーキをエタノール160部及び水40部の混合溶媒に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ13.3部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、上記式(17)で表される本発明の色素の遊離酸9.8部を青色粉末として得た。
λmax:607nm。
[比較用色素の合成]
以下に比較用の色素の合成方法を記載する。
[合成例1]
(工程1)
下記式(18)で表される比較用有機アミンの合成
Figure 2010119676
氷水330部中に、塩化シアヌル18.4部及び商品名レオコールRTMTD−90を0.2部を加え、この液を10℃以下で30分間攪拌した。この液に、4−スルホアニリン(純度99.3%の市販品)17.4部を加え、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて該液のpHを調整しながら、pH2.6〜3.0、0〜5℃で1時間、次いでpH3.0〜3.5、0〜5℃で1時間、さらにpH3.0〜3.5を保持しながら25〜30℃で1時間、反応を行った。得られた反応液に2−スルホエチルアミン12.6部を加え、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7.0〜8.0に調整しながら25℃で2時間反応を行った。この反応液に氷250部を加え、反応液を0℃まで冷却し、さらにそこにエチレンジアミン60部を5℃以下で滴下し、室温で一晩反応を行った。その後、濃塩酸を用いて該反応液のpHを1.0に調整した。濃塩酸によるpH調整の間は、反応液に氷を加えて発熱を抑え、液温を10〜15℃に保持した。このとき液量は980部であった。この液に塩化ナトリウム190部を加え、この液を30分間撹拌し、析出した固体を濾過分離して、ウェットケーキ70.6部を得た。
得られたウェットケーキを水280部に加え、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。このとき液量は400部であった。この溶液を濃塩酸でpH1.0に調整し、続いて塩化ナトリウム80部を加えた後、30分間撹拌を行った。析出した固体を濾過分離してウェットケーキ110.1部を得た。得られたウェットケーキをメタノール260部及び水26部の混合液中に加え、該液を50℃で1時間攪拌した後、固体を濾過分離しウェットケーキ89.1部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする上記式(18)で表される比較用有機アミン49.3部の白色粉末を得た。
(工程2)
下記式(19)で表される比較用色素[下記式(19)における環A乃至Dのうち1.00が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、bが1.625及びcが1.0である色素。]の合成。
Figure 2010119676
氷水100部中に、実施例2(工程1)及び(工程2)と同様にして得たウェットケーキ31.5部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下を保持しながら、この懸濁液に、上記式(18)で表される比較用有機アミン4.3部を28%アンモニア水2部及び水50部中に溶解した溶液を加え、28%アンモニア水で該液のpHを9.0に保持しながら、反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで上げ、同温度で8時間さらに反応を行った。この時の液量は225部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム33.7部を加え、該反応液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えて該反応液のpHを2.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ46.1部を得た。
得られたウェットケーキを水150部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。このときの液量は225部であった。得られた溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム22.5部を加えて、該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整し、析出した固体を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ44.2部を得た。得られたウェットケーキをメタノール255部及び水45部の混合液に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ25.2部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、目的とする上記式(19)で表される比較用色素の遊離酸9.8部を青色粉末として得た。
λmax:604nm。
[合成例2]
(工程1)
下記式(20)で表される比較用有機アミンの合成。
Figure 2010119676
氷水150部中に塩化シアヌル36.8部及び商品名レオコールRTMTD−90を0.4部を添加し、この液を10℃以下で30分間攪拌した。次にそこにアニリン−2,5−ジスルホン酸モノナトリウム塩(純度90.5%の市販品)62.0部を加え、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて該液のpHを2.5〜3.0に調整しながら、0〜10℃で1時間30分、次いで20〜25℃で1時間30分反応を行った。得られた反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0〜9.5に調整しながら、45℃で1時間、次いで、同様にpH10.0〜10.5に調整しながら45℃で1時間、反応を行った。得られた反応液に氷250部を加えて反応液を0℃まで冷却し、5℃を越えないように調整しながらエチレンジアミン120部をこの反応液に滴下した。得られた反応液を室温で一晩攪拌した後、濃塩酸でpH2.0に調整した。濃塩酸を加える間、氷を加えて液温を10〜15℃に保持した。得られた液の温度を50℃以下に保ちながら塩酸411.0部を加えてpH1.0に調整した。このとき液量は1200部であった。塩化ナトリウム240部をそこに添加し、該液を30分間撹拌して、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離してウェットケーキ60.6部を得た。
得られたウェットケーキを水470部に加え、そこに10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。この溶液に塩酸33.2部を加えてpH1.0に調整した。このとき液量は600部であった。得られた液に塩化ナトリウム120部を加えて30分間撹拌を行い、固体を析出させた。析出した固体を濾過分離してウェットケーキ38.4部を得た。得られたウェットケーキをメタノール320部、及び水80部の混合液に加え、該液を50℃で1時間攪拌した後、析出した固体を濾過分離してウェットケーキ38.2部を得た。得られたウェットケーキを乾燥させ、目的とする上記式(20)で表される比較用有機アミンの白色粉末34.0部を得た。
(工程2)
下記式(21)で表される比較用色素[下記式(21)における環A乃至Dのうち1.37が2位及び3位で縮環したピリジン環、残り2.63がベンゼン環、bが2.0及びcが1.0である色素。]の合成。
Figure 2010119676
氷水100部中に、実施例1(工程1)及び(工程2)と同様にして得たウェットケーキ33.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部及び水30部中に上記式(20)で表される有機アミン4.2部を溶解させた溶液を、該懸濁液に加えた。28%アンモニア水で該懸濁液のpHを9.0に保持しながら反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度で8時間さらに反応を行った。この時の液量は225部であった。反応液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム33.7部を加えて、該反応液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸にて該反応液のpHを1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、15%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ126部を得た。
得られたウェットケーキを水120部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム溶液を加えてpH9.0に調整して、該ウェットケーキを溶解させた。このときの液量は275部であった。得られた溶液の温度を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム27.5部を加えて、該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整した後、析出した固体を濾過分離し、5%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ141.2部を得た。得られたウェットケーキをメタノール250部及び水50部の混合溶媒に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した。その後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ74.9部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、目的とする上記式(21)で表される比較用色素の遊離酸10.6部を青色粉末として得た。
λmax:602nm(水溶液中)
[実施例9乃至13]
(A)インクの調製
下記表2に記載の各成分を混合溶解し、0.45μmのメンブランフィルター(アドバンテック社製)で濾過することにより、評価試験用のインクを調製した。インクの調製における「水」は、イオン交換水を使用した。又、インクのpHが8〜10となるように水酸化ナトリウム水溶液で調整しながら、インクの総量が100部になるように水及び水酸化ナトリウム水溶液を加えた。実施例1で得た色素を用いたインクの調製を実施例9、同様に、実施例2乃至4で得た色素を用いたインクの調製をそれぞれ実施例10乃至12、実施例8で得た色素を用いたインクの調製を実施例13とする。
また実施例で得た各色素の代わりに、各合成例で得た比較用色素を用いる以外は実施例9乃至13と同様にして比較用インクを調製した。このインクの調製をそれぞれ比較例1(合成例1で得た比較用色素を使用)、及び比較例2(合成例2で得た比較用色素を使用)とする。
なお、下記表2中に記載の「界面活性剤」は、日信化学工業株式会社製、商品名サーフィノールRTM104PG50を使用した。
Figure 2010119676
(B)インクジェット記録
インクジェットプリンタ(キヤノン株式会社製、商品名:PIXUSRTMip4100)を用いて、光沢紙として富士フィルム株式会社製、「画彩写真仕上げPro」にインクジェット記録を行った。
インクジェット記録の際は、100%、85%、70%、55%、40%及び25%濃度の6段階の階調が得られるように画像パターンを作り、ハーフトーンの記録物を得て、これを試験片とした。耐オゾン性試験の際には、70%と55%の階調部で測定を行ない、色素残存率を求めた。
また、反射濃度は測色システム(SpectroEyeRTM、X−rite社製)を用いて測色した。測色は、濃度基準にDIN、視野角2°、光源D65の条件で行なった。
記録画像の各種試験方法及び試験結果の評価方法を以下に記載する。
(C)記録画像の評価
1.耐オゾン性試験(高色素濃度)
試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、型式OMS−H)を用い、オゾン濃度10ppm、槽内温度24℃及び湿度60%RHの環境下で、64時間放置した。試験後に上記測色システムを用いて各試験片のL*、a*及びb*を測色し、試験前後での色差(ΔE)を下記の計算式によって算出し、4段階で評価した。
ΔE=(Δa+Δb+ΔL1/2
なお、測色には各試験片の70%階調部を用いた。各試験片の試験前の反射濃度Dcの平均値は1.4であった。
◎:ΔEが14未満
○:ΔEが14以上、16未満
△:ΔEが16以上、17未満
×:ΔEが18以上
ΔEの値が小さいほど色変化が少ないことを意味し、耐オゾン性に優れる。結果を下記表3に示す。
2.耐オゾン性試験(低色素濃度)
試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、型式OMS−H)を用い、オゾン濃度10ppm、槽内温度24℃及び湿度60%RHの環境下で、64時間放置した。上記の高色素濃度における耐オゾン性試験と同様に、試験前後での色差(ΔE)を4段階で評価した。なお、測色には各試験片の55%階調部を用いた。各試験片の試験前の反射濃度Dcの平均値は0.6であった。
◎:ΔEが10.5未満
○:ΔEが10.5以上、11.5未満
△:ΔEが11.5以上、12.5未満
×:ΔEが12.5以上
ΔEの値が小さいほど色変化が少ないことを意味し、耐オゾン性に優れる。結果を下記表3に示す。
3.試験片のDc値
試験片における100%の階調部について、前記測色システムを用いて、シアン色の反射濃度Dc値を測定した。これを4段階で評価した。
◎:Dc値が2.40以上
○:Dc値が2.30以上2.40未満
△:Dc値が2.20以上2.30未満
×:Dc値が2.20未満
Dc値は大きい数値の方が、より印字濃度が高い(濃い)ことを意味し、シアンインクとしての品質に優れる。結果を下記表3に示す。
4.ブロンズ性評価
前記(B)のインクジェット記録におけるのと同じプリンタと光沢紙を用い、プリンタの設定により、100%、85%、70%、55%、40%、及び25%の各濃度でインクジェット記録を行い、6段階の濃度の記録物を調製した。この記録物において、どの段階の印刷濃度でブロンズ現象が発生するかを目視で評価した。下記表4において、ブロンズ現象が発生しなかったものについては「OK」と記載し、ブロンズ現象が発生したものに関しては、上記6段階の印刷濃度のうち、ブロンズ現象が発生した最低濃度を記載した。インクジェット記録画像としては、ブロンズ現象の発生しないものが品質に優れる。結果を下記表4に示す。
5.耐水性試験
前記(B)のインクジェット記録におけるのと同じプリンタと光沢紙を用い、印刷濃度が100%と0%(印字部と未印字部にそれぞれ対応する)からなる格子柄の記録物を調製した。得られた記録物は1週間常温にて放置することで乾燥を行い、これを試験片として用いた。
得られた試験片にイオン交換水を一滴垂らし、そのまま一日乾燥させることで水滴を蒸発させた。試験後の印字部から未印字部への色素の滲み具合を目視にて判定した。評価基準は以下の通りである。
未印字部への滲みが全く見られない・・・・・・・◎
未印字部への滲みがやや見られる・・・・・・・・○
未印字部への滲みが明らかに見られる・・・・・・×
結果を下記表4に示す。
Figure 2010119676
Figure 2010119676
表3から明らかなように、本発明の化合物を用いた各実施例は、比較例1と比較して、高低いずれの色素濃度においても耐オゾン性が良好である。このことは例えば、本発明の色素を含有する高濃度インクを通常のシアンインクとして使用し、本発明の色素を含有する低濃度インクをライトシアンインクとして使用することにより、通常のシアンインク及びライトシアンインクのいずれも本発明の色素を含有するようなインクセットを得ることも可能であることを意味する。また、耐オゾン性については、本発明の色素のうち、前記式(1)におけるXが置換ナフチルアミノ基のものより、置換アニリノ基、中でもスルホ置換アニリノ基のものが一層優れることが明らかとなった。
なお、実施例10のインク組成物(実施例2の化合物を含むインク組成物)の耐水性が○で、ブロンズ性が100%と他の実施例より少し下がっているが、その理由は実施例2の化合物中に含まれる塩分含量が多いと思われ、その影響と思われる。
また、比較例2は、各実施例と比較して、耐オゾン性は良好であるが耐水性において極めて劣り、各実施例は耐オゾン性と耐水性の両者において優れた性質を示すことが確認された。また、表4から明らかなように、各実施例は比較例2と比較して印字濃度Dc値とブロンズ性の両者において大きく優れることが明らかである。
以上の結果から、本発明のポルフィラジン色素及びこれを含有するインク組成物により得られた各実施例の記録画像は、堅牢性と印字濃度等の品質とのバランスに極めて優れることが確認された。
[実施例14]
(工程1)
下記式(22)における環A乃至Dのうち1.00が3位及び4位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、スルホ基の置換位置はベンゼン環上のβ位、Qが3.00である、下記式(22)で表される化合物の合成。
四つ口フラスコに、スルホラン250部、4−スルホフタル酸73.86部(50%水溶液として得られる市販品を使用)及び28%アンモニア水11.0部を加え、液温を200℃に上げ、同温度で2時間反応を行った。その後反応液を65℃まで冷却し、そこにシンコメロン酸8.35部、尿素72部、酢酸銅(II)9.1部及びモリブデン酸アンモニウム1部を加えた。再度液温を200℃に上げ、同温度で5時間反応を行った。反応終了後、反応液を65℃まで冷却し、そこにメタノール50部を加えた。析出した固体を濾過分離し、メタノール200部で洗浄して、ウェットケーキ106.1部を得た。得られたウェットケーキ全量を水343部、塩酸57部及び塩化ナトリウム100部からなる溶液に加え、液温を60℃に上げ、該溶液を同温度で一時間攪拌した。析出した固体を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液200部で洗浄して、ウェットケーキを得た。
得られたウェットケーキをメタノール400部及び25%水酸化ナトリウム水溶液100部の混合溶媒中に加え、液温を60℃に上げ、同温度で1時間攪拌を行った。析出した固体を濾過分離し、メタノール200部で洗浄し、ウェットケーキ76.5部を得た。得られたウェットケーキをメタノール540部及び水60部の混合溶媒中に加え、液温を60℃に上げ、同温度で1時間攪拌を行った。固体を濾過分離し、メタノール200部で洗浄し、ウェットケーキ72.0部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、目的とする上記式(22)で表される化合物31.2部を青色固体として得た。
λmax=623nm(水溶液中)
Figure 2010119676
(工程2)
前記式(2)における環A乃至Dのうち1.00が3位及び4位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、クロロスルホニル基の置換位置はベンゼン環上のβ位、nが3.00である、前記式(2)で表される化合物の合成。
クロロスルホン酸39.8部中に、60℃を超えないように液温を調整しながら、実施例14(工程1)で得た前記式(22)で表される化合物6.65部を徐々に加えた。次いで、液温を120℃へ上げ、同温度で4時間反応を行った。該反応液を70℃まで冷却し、塩化チオニル13.4部を30分間かけて滴下した後、80℃で3時間反応を行った。該反応液を30℃以下に冷却し、氷水1000部中にゆっくりと注いだ。析出した固体を濾過分離し、冷水100部で洗浄することにより、目的とする前記式(2)(n=3)で表される化合物のウェットケーキ33.3部を得た。
(工程3)
下記式(23)で表される本発明のポルフィラジン色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち1.00が3位及び4位で縮環したピリジン環、残り3.00がベンゼン環、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Rがメチルであり、置換及び非置換スルファモイル基のいずれもがβ位に置換した色素]の合成。
Figure 2010119676
氷水50部中に、実施例14(工程2)で得たウェットケーキ33.3部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、実施例1(工程3)に準じて得た式(6)で表される有機アミン1.6部を28%アンモニア水1部及び水40部の混合液中に溶解した溶液を、この懸濁液に加え、さらにそこに28%アンモニア水を加えてpH9.0を保持しながら、反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の反応液の液量は175部であった。該反応液の液温を50℃に上げ、塩化ナトリウム35部を加えて30分間撹拌を行った後、20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄することにより、ウェットケーキ61.2部を得た。得られたウェットケーキを水130部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整し、該ウェットケーキを溶解させた。このときの液量は200部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、塩化ナトリウム10部を加え、次いで該溶液を30分間撹拌した。その後、20分間かけて濃塩酸を加えて該溶液のpHを1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、5%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ40.1部を得た。得られたウェットケーキをメタノール360部及び水40部の混合液に加えて、該液を50℃で1時間攪拌した後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ18.6部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、上記式(23)で表される本発明の色素(bが2.5、cが0.5の色素)の遊離酸8.1部を青色粉末として得た。
λmax:609.8nm。
[実施例15]
(工程1)
前記式(22)における環A乃至Dのうち1.50が3位及び4位で縮環したピリジン環、残り2.50がベンゼン環、スルホ基の置換位置はベンゼン環上のβ位、Qが2.50である、前記式(22)で表される化合物の合成。
四つ口フラスコに、スルホラン200部、4−スルホフタル酸61.55部(50%水溶液として得られる市販品を使用)及び28%アンモニア水9.1部を加え、200℃に液温を上げ、同温度で2時間反応を行った。その後65℃まで該反応液を冷却し、シンコメロン酸12.5部、尿素72部、酢酸銅(II)9.1部及びモリブデン酸アンモニウム1部を該反応液に加えた。該反応液の温度を再度200℃へ上げ、同温度で5時間反応を行った。反応終了後、65℃まで該反応液を冷却し、そこにメタノール50部を加えた。析出した固体を濾過分離し、メタノール200部で洗浄し、ウェットケーキ112.1部を得た。
得られたウェットケーキ全量を水343部、塩酸57部及び塩化ナトリウム100部からなる溶液に加え、60℃に液温を上げ、同温度で該液を一時間攪拌した。析出した固体を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液200部で洗浄し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをメタノール400部及び25%水酸化ナトリウム水溶液100部の混合溶媒中に加え、該溶液の液温を60℃に上げ、該溶液を同温度で1時間攪拌した。析出した固体を濾過分離し、メタノール200部で洗浄し、ウェットケーキ78.1部を得た。得られたウェットケーキをメタノール540部及び水60部の混合溶媒中に加え、60℃に液温を上げ、同温度で1時間攪拌を行った。析出した固体を濾過分離し、メタノール200部で洗浄し、ウェットケーキ78.8部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、目的とする前記式(22)で表される化合物28.6部を青色固体として得た。
λmax=612.5nm(水溶液中)
(工程2)
前記式(2)における環A乃至Dのうち1.50が3位及び4位で縮環したピリジン環、残り2.50がベンゼン環、クロロスルホニル基の置換位置はベンゼン環上のβ位、nが2.50である、前記式(2)で表される化合物の合成。
クロロスルホン酸37.7部中に、60℃を超えないように調整しながら、実施例15(工程1)で得た式(22)で表される化合物6.3部を徐々に加え、次いで、120℃へ液温を上げ、同温度で4時間反応を行った。反応液を70℃まで冷却し、該反応液に塩化チオニル13.4部を30分間かけて滴下し、次いで80℃で3時間反応を行った。反応液を30℃以下に冷却し、該反応液を氷水1000部中にゆっくりと注いだ。析出した固体を濾過分離し、冷水100部で洗浄することにより、目的とする化合物のウェットケーキ33.1部を得た。
(工程3)
前記式(23)で表される本発明のポルフィラジン色素[前記式(1)における環A乃至Dのうち1.50が3位及び4位で縮環したピリジン環、残り2.50がベンゼン環、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Rがメチルであり、置換及び非置換スルファモイル基のいずれもがβ位に置換した色素]の合成。
氷水50部中に、実施例15(工程2)で得たウェットケーキ33.1部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、液温を10℃以下に保持しながら、実施例1(工程3)に準じて得た式(6)で表される有機アミン1.6部を28%アンモニア水1部及び水40部の混合液中に溶解した溶液を、この懸濁液に加え、さらにそこに28%アンモニア水を加えてpH9.0を保持しながら、反応を行った。該懸濁液のpHを保持したまま、1時間かけて20℃まで液温を上げ、同温度でさらに8時間反応を行った。この時の反応液の液量は175部であった。反応液の液温を50℃に上げ、そこに塩化ナトリウム35部を加えて、30分間該反応液を撹拌した。その後、該反応液に20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄することにより、ウェットケーキ29.2部を得た。
得られたウェットケーキを水150部に加え、そこに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整し、該ウェットケーキを溶解させた。このときの液量は200部であった。この溶液の温度を50℃に上げ、う塩化ナトリウム10部を加え、該溶液を30分間撹拌した後、そこに20分間かけて濃塩酸を加えてpH1.0に調整した。析出した固体を濾過分離し、5%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウェットケーキ37.1部を得た。得られたウェットケーキをメタノール360部及び水40部の混合液に加えて、50℃で1時間攪拌を行った後、固体を濾過分離し、ウェットケーキ19.8部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、目的とする前記式(23)で表される本発明の色素(bが2.0、cが0.5の色素)の遊離酸6.6部を青色粉末として得た。
λmax:607.6nm。
[実施例16及び17]
(D)インクの調製
実施例9乃至13で用いた各実施例の色素を、実施例14又は実施例15で得た色素に代える以外は実施例9乃至13と同様にして、インクを調製した。このインクの調製を、それぞれ実施例16及び実施例17とする。
(E)インクジェット記録
実施例16、実施例17、及び前記比較例1のインクを用い、インクジェットプリンタ(キヤノン株式会社製、商品名:PIXUSRTMip4500)にて、下記のの光沢紙にそれぞれインクジェット記録を行った。
インクジェット記録の際は、100%、85%、70%、55%、40%及び25%濃度の6段階の階調が得られるように画像パターンを作り、ハーフトーンの記録物を得て、これを試験片とした。
なお、反射濃度の測色は、前記(B)インクジェット記録と同じシステム及び条件で行った。
光沢紙A:富士フィルム株式会社製「画彩写真仕上げPro」
(F)記録画像の評価
1.耐オゾン性試験
試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、型式OMS−H)を用い、オゾン濃度80ppm、槽内温度24℃及び湿度60%RHの環境下で4時間放置した。試験後、各試験片の反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、以下の4段階で評価した。
なお、耐オゾン性試験の際には70%の階調部分で測定を行なった。評価結果を下記表5に示す。
色素残存率が85%以上・・・・・・・・・◎
色素残存率が85%未満80%以上・・・・○
色素残存率が80%未満75%以上・・・・△
色素残存率が75%未満・・・・・・・・・×
Figure 2010119676
2.色相試験
色相評価は、70%濃度の階調部分について前記測色システムを用いて測色し、標準色との色相の近さを評価した。この時、測色した試験片のDc値は1.3〜1.5であった。
標準色のシアンとしては、ISO/TC130国内委員会が発表しているJapanColorベタパッチ色見本(3rd VERSION)を用いた。標準色のL*、a*及びb*の測定結果は以下の通りであった。
標準色:L*=57.28、a*=−30.49、b*=−44.67
評価を行う際は、各試験片のL*、a*及びb*を測色し、標準色からの色差(ΔE)を下記の計算式により求めた。
その結果、本発明の実施例16及び17で得られた画像における(ΔE)の値は4〜7未満であり、比較例1で得られた画像における(ΔE)の値は7〜9未満であった。ΔEは、小さい数値の方が、標準色に近いことを意味する。
実施例16及び17両者とも、何れの濃度においてもブロンズ現象は認められなかった。
以上の結果から明らかなように、実施例14及び15は耐オゾン性及び色相が共に比較例1より優れることが確認された。
本発明のポルフィラジン色素及びこれを含有するインク組成物により得られた記録画像は、優れた堅牢性と高い印字濃度が得られ、記録画像の品質を低下させるブロンズ現象も生じにくいため、各種記録用のインク、特にインクジェット記録用のインクとして極めて有用である。

Claims (20)

  1. 下記式(1)で表されるポルフィラジン色素又はその塩、
    Figure 2010119676

    [式中、破線で表される環A乃至Dは、それぞれ独立にポルフィラジン環に縮環したベンゼン環又は6員環の含窒素複素芳香環を表し、含窒素複素芳香環の個数は平均値で0.00を超えて3.00以下であり、残りはベンゼン環であり、
    EはC2−C12アルキレンを表し、
    Xは、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基であり、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキルスルホニル基及びC1−C6アルキルチオ基より成る群から選択される少なくとも1種類の基を有しても良い、
    1はC1−C6アルキル基を表し、
    bは平均値で0.00以上3.90未満であり、
    cは平均値で0.10以上4.00未満であり、
    且つb及びcの和は、平均値で1.00以上4.00未満である。]。
  2. 環A乃至Dで表される6員環の含窒素複素芳香環が、ピリジン環又はピラジン環である請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
  3. 下記式(2)で表されるポルフィラジン化合物と、下記式(3)で表される有機アミンとを、アンモニア存在下で反応させて得られる請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩、
    Figure 2010119676

    [式中、環A乃至Dは請求項1に記載のものと同じ意味を表し、nは1.00以上4.00未満である。]、
    Figure 2010119676

    [式中、E、X及びR1は、請求項1に記載のものと同じ意味を表す。]。
  4. EがC2−C4アルキレンであり、R1はC1−C3アルキル基であり、
    Xが、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基であり、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基及び塩素原子より成る群から選択される少なくとも1種類の基を、0乃至3個有する、請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
  5. Eが直鎖C2−C4アルキレンであり、
    Xが、スルホアニリノ基又はカルボキシアニリノ基であり、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子より成る群から選択される少なくとも1種類の基を、0乃至2個有する、請求項4に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
  6. 環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が、それぞれ独立に、2位及び3位で、若しくは3位及び4位で縮環したピリジン環;又は2位及び3位で縮環したピラジン環;であり、
    Eがエチレン又はプロピレンであり、
    Xが、スルホアニリノ基又はカルボキシアニリノ基であり、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ニトロ基及び塩素原子よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を、0乃至2個有する、請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
  7. 環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が、それぞれ独立に2位及び3位で、又は3位及び4位で縮環したピリジン環であり、
    Eがエチレン又はプロピレンであり、
    Xが、スルホアニリノ基又はスルホナフチルアミノ基であり、スルホアニリノ基は、更に、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、塩素原子、C1−C6アルキルスルホニル基、及びC1−C6アルキルチオ基よりなる群から選択される0乃至2個の基を有し、また、スルホナフチルアミノ基は、更に、置換基として、スルホ基、ヒドロキシ基、及びニトロ基よりなる群から選択される1又は2個の基を有する、請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
  8. 環A乃至Dにおける含窒素複素芳香環が、それぞれ独立に2位及び3位で、又は3位及び4位で縮環したピリジン環であり、その個数が平均値で0.00を超えて3.00以下であり、残りのベンゼン環の個数が平均値で1.00以上4.00未満であり、
    Eがエチレンであり、
    Xが、ジスルホアニリノ基、又は、スルホナフチルアミノ基であり、スルホナフチルアミノ基は、置換基として、更に、スルホ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される1又は2種類の基を1又は2個有し、
    1がC1−C4アルキル基であり、
    bが平均値で0.00以上3.90未満であり、
    cが平均値で0.10以上4.00未満であり、
    且つb及びcの和は、平均値で1.00以上4.00未満である、請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
  9. 請求項1又は8に記載のポルフィラジン色素又はその塩を、色素として含有するインク組成物。
  10. さらに有機溶剤を含有する請求項9に記載のインク組成物。
  11. インクジェット記録用である請求項10に記載のインク組成物。
  12. 請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩を含有するインク組成物のインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記録方法。
  13. 被記録材が情報伝達用シートである請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 情報伝達用シートが表面処理されたシートであって、該シートが支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有するシートである請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩を含有するインク組成物を含有する容器。
  16. 請求項15に記載の容器が装填されたインクジェットプリンタ。
  17. 請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩を含有するインク組成物で着色された着色体。
  18. Xが、ジスルホアニリノ基又はヒドロキシ基で置換されていてもよいジスルホナフチルアミノ基である請求項1又は8に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
  19. Xが、ジスルホアニリノ基である請求項18に記載のポルフィラジン色素又はその塩。
  20. 請求項1に記載のポルフィラジン色素又はその塩、又は、Xがジスルホアニリノ基又はヒドロキシ基で置換されていてもよいジスルホナフチルアミノ基である請求項1又は請求項8に記載のポルフィラジン色素又はその塩、水及び有機溶剤を含有するインク組成物。
JP2011509215A 2009-04-15 2010-04-14 ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体 Active JP5502856B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011509215A JP5502856B2 (ja) 2009-04-15 2010-04-14 ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009098623 2009-04-15
JP2009098623 2009-04-15
JP2009223645 2009-09-29
JP2009223645 2009-09-29
JP2011509215A JP5502856B2 (ja) 2009-04-15 2010-04-14 ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体
PCT/JP2010/002700 WO2010119676A1 (ja) 2009-04-15 2010-04-14 ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010119676A1 true JPWO2010119676A1 (ja) 2012-10-22
JP5502856B2 JP5502856B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=42982350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011509215A Active JP5502856B2 (ja) 2009-04-15 2010-04-14 ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体

Country Status (10)

Country Link
US (1) US8535432B2 (ja)
EP (1) EP2420538B1 (ja)
JP (1) JP5502856B2 (ja)
KR (1) KR101705039B1 (ja)
CN (1) CN102395629B (ja)
BR (1) BRPI1014216B1 (ja)
CA (1) CA2758708C (ja)
RU (1) RU2520545C2 (ja)
TW (1) TWI471385B (ja)
WO (1) WO2010119676A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201005045A (en) * 2008-06-30 2010-02-01 Nippon Kayaku Kk Porphyrazine pigment, ink composition and colored article
JP5458022B2 (ja) 2008-12-25 2014-04-02 日本化薬株式会社 ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体
EP2741920B1 (en) * 2011-08-12 2015-10-21 Tetra Laval Holdings & Finance SA Novel ink formulation
US8871013B2 (en) * 2012-04-13 2014-10-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge and ink jet recording method
US8986435B2 (en) * 2012-04-13 2015-03-24 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge and ink jet recording method
JPWO2014156569A1 (ja) * 2013-03-29 2017-02-16 日本化薬株式会社 インク組成物、インクセット、インクジェット記録方法及び着色体
US20170249634A1 (en) * 2016-02-29 2017-08-31 Linq3 Technologies Llc Validating a short-range mobile device transaction using a long-range mobile device transaction
US10358567B2 (en) 2016-02-29 2019-07-23 Canon Kabushiki Kaisha Compound, ink, ink cartridge and ink jet recording method
KR102357316B1 (ko) * 2018-11-26 2022-01-27 삼성에스디아이 주식회사 감광성 수지 조성물, 이를 이용한 감광성 수지막 및 컬러필터

Family Cites Families (73)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE728931C (de) 1938-07-14 1942-12-08 Ig Farbenindustrie Ag Verfahren zur Herstellung von wasserloeslichen Farbstoffen der Phthalocyaninreihe
NL51989C (ja) 1938-07-14
DE1619533B2 (de) 1967-07-13 1976-04-29 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zum faerben von polyamiden
JPS57198758A (en) 1981-06-02 1982-12-06 Nippon Kayaku Co Ltd Water-soluble phthalocyanine dye
JPS5922967A (ja) 1982-07-28 1984-02-06 Taoka Chem Co Ltd 新規な銅フタロシアニン染料およびそれを含む水性インク
JPS60208365A (ja) 1984-04-02 1985-10-19 Nippon Kayaku Co Ltd 銅フタロシアニン化合物及びこれを含有する水性記録液
JPS612772A (ja) 1984-06-14 1986-01-08 Taoka Chem Co Ltd インク組成物
JPS62190273A (ja) 1986-02-17 1987-08-20 Canon Inc 記録液
DE3727909A1 (de) 1987-08-21 1989-03-02 Hoechst Ag Wasserloesliche phthalocyaninverbindungen, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung als farbstoffe
JP2942319B2 (ja) 1989-09-19 1999-08-30 キヤノン株式会社 インク及びこれを用いたインクジェット記録方法
DE4114587A1 (de) 1991-05-04 1992-11-05 Bayer Ag Feste farbstoffpraeparationen mit verbesserter wasserloeslichkeit
JPH05171085A (ja) 1991-12-20 1993-07-09 Seiko Epson Corp インク及びインクジェットプリンタ
JPH07138511A (ja) 1993-11-18 1995-05-30 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク
US5733363A (en) 1994-02-28 1998-03-31 Canon Kabushiki Kaisha Dye, ink containing the same, and ink-jet recording method and instrument using the ink
DE19521056A1 (de) 1994-06-15 1995-12-21 Sandoz Ag Aluminium Phthalocyanin Reaktivfarbstoffe
US5847111A (en) 1994-06-15 1998-12-08 Clariant Finance (Bvi) Limited Aluminum phthalocyanine reactive dyes
GB9520492D0 (en) 1995-10-07 1995-12-13 Zeneca Ltd Compounds
JPH09316377A (ja) 1996-05-30 1997-12-09 Nippon Kayaku Co Ltd 銅フタロシアニン系化合物を含有する記録液
JP4011657B2 (ja) 1996-11-13 2007-11-21 キヤノン株式会社 インクジェット記録用インクセット、これを用いるインクジェット記録方法及びブラックインク
US6569212B2 (en) 1997-04-26 2003-05-27 Avecia Limited Phthalocyanine ink-jet dyes
GB9708532D0 (en) 1997-04-26 1997-06-18 Zeneca Ltd Phthalocyanine ink-jet dyes
GB9722883D0 (en) 1997-10-30 1998-01-07 Secr Defence Phthalocyanine analogs
US6379441B1 (en) 1998-03-26 2002-04-30 Seiko Epson Corporation Ink composition realizing images with excellent light resistance and ink set
JP2000009916A (ja) 1998-06-18 2000-01-14 Canon Inc カラーフィルタ、液晶パネル、コンピュータ及びカラーフィルタの製造方法
GB9813475D0 (en) 1998-06-23 1998-08-19 Zeneca Ltd Compounds,compositions and use
JP2000303009A (ja) 1999-04-21 2000-10-31 Nippon Kayaku Co Ltd 水性インク組成物及びインクジェット記録方法
JP3799247B2 (ja) 2000-07-26 2006-07-19 日本化薬株式会社 シアン色素混合物、水性シアンインク組成物及びインクジェット記録方法
TWI290946B (en) 2000-07-26 2007-12-11 Nippon Kayaku Kk Cyan dye mixture, aqueous cyanic ink composition and ink-jet printing method
JP2002080762A (ja) 2000-09-07 2002-03-19 Mitsubishi Chemicals Corp インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法
GB0026467D0 (en) 2000-10-27 2000-12-13 Avecia Ltd Compound, composition and use
JP3949385B2 (ja) 2001-02-22 2007-07-25 富士フイルム株式会社 フタロシアニン化合物、着色組成物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
CN100516142C (zh) 2001-01-31 2009-07-22 富士胶片株式会社 酞菁化合物、油墨、喷墨记录油墨、喷墨记录方法和提高彩色图象材料的臭氧气体耐性的方法
JP2003034758A (ja) 2001-04-27 2003-02-07 Daiwa Kasei Kk 耐酸化性銅−フタロシアニン化合物錯体水溶性染料並びにそれを用いた染料組成物及び記録液
GB0206015D0 (en) 2002-03-14 2002-04-24 Avecia Ltd Processes and compounds
GB0208865D0 (en) 2002-04-18 2002-05-29 Avecia Ltd Compounds, compositions and uses
JP2004075986A (ja) 2002-06-19 2004-03-11 Fuji Photo Film Co Ltd フタロシアニン化合物、これを含むインク、インクジェット記録方法、および画像形成方法
RU2233857C1 (ru) * 2002-12-23 2004-08-10 Ивановский государственный химико-технологический университет Тетрасульфокислота тетра-9, 10-антрахинон-2, 3-порфиразина меди
EP1607445A1 (en) 2003-03-24 2005-12-21 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Cyan dye for ink-jet
CA2520612C (en) 2003-03-31 2012-10-02 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Phthalocyanine colorant and use thereof for ink-jet printing
JP4420267B2 (ja) 2003-04-23 2010-02-24 日本化薬株式会社 色素混合物、インク、インクセット、このインク又はインクセットを用いたインクジェット記録方法、着色体、及び製造方法
EP1741756A4 (en) 2003-08-27 2010-09-01 Yamamoto Chemicals Inc TETRA-AZAPORPHYRINE COMPOUND
JP4516744B2 (ja) 2003-12-18 2010-08-04 富士フイルム株式会社 フタロシアニン化合物、インク、インクジェット記録方法、および画像形成方法
JP3977385B2 (ja) 2004-07-02 2007-09-19 キヤノン株式会社 インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置
JP3977384B2 (ja) * 2004-07-02 2007-09-19 キヤノン株式会社 インクジェット用インク、インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置
JP4659403B2 (ja) 2004-07-15 2011-03-30 富士フイルム株式会社 フタロシアニン化合物、インク、インクジェット記録方法、および画像形成方法
JP2006063330A (ja) 2004-07-29 2006-03-09 Canon Inc インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置
RU2264407C1 (ru) * 2004-07-30 2005-11-20 Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Ивановский государственный химико-технологический университет" (ГОУВПО "ИГХТУ") Металлокомплексы тетра-(три-5,6,8- карбокси)антрахинонопорфиразина
JP4574498B2 (ja) 2004-08-31 2010-11-04 キヤノン株式会社 インクカートリッジ及びインクジェット記録方法
JP4740617B2 (ja) 2005-03-11 2011-08-03 富士フイルム株式会社 インク原液、及びインク組成物
JP5144895B2 (ja) 2005-05-27 2013-02-13 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インク、インクセット及びインクジェット記録方法
JP4849873B2 (ja) 2005-06-17 2012-01-11 日本化薬株式会社 フタロシアニン色素、インク、インクセット、このインク又はインクセットを用いたインクジェット記録方法、及び着色体
GB0524639D0 (en) * 2005-12-02 2006-01-11 Avecia Inkjet Ltd Phthalocyanines and their use in ink-jet printing
US7591888B2 (en) 2006-02-10 2009-09-22 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Porphyrazine coloring matter, ink, ink set and colored article
KR101321889B1 (ko) 2006-04-07 2013-10-25 니폰 가야꾸 가부시끼가이샤 포르피라진 색소, 잉크, 잉크세트 및 착색체
JP2007277416A (ja) 2006-04-07 2007-10-25 Nippon Kayaku Co Ltd 新規ポルフィラジン色素、インク、インクセット、このインクまたはインクセットを用いたインクジェット記録方法、着色体
GB0611764D0 (en) 2006-06-14 2006-07-26 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Phthalocyanines and their use in ink-jet printers
JP2008013706A (ja) 2006-07-07 2008-01-24 Nippon Kayaku Co Ltd インク組成物、インクジェット記録方法、ブロンズ現象の抑制方法及び着色体
WO2008111635A1 (ja) * 2007-03-14 2008-09-18 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha 新規ポルフィラジン色素、インク、インクセット及び着色体
JP4471397B2 (ja) 2007-05-01 2010-06-02 キヤノン株式会社 インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
US7611571B2 (en) 2007-05-01 2009-11-03 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink jet recording method, ink cartridge, recording unit, and ink jet recording apparatus
US20100126377A1 (en) 2007-07-05 2010-05-27 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Porphyrazine coloring matter and ink containing the same
JP4390290B2 (ja) * 2007-08-10 2009-12-24 キヤノン株式会社 インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
US7566362B2 (en) 2007-08-10 2009-07-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink jet recording method, ink cartridge, recording unit and ink jet recording apparatus
US7901497B2 (en) 2007-11-07 2011-03-08 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Water-soluble naphthalocyanine coloring matter and water-based ink containing the same
TWI434893B (zh) 2007-12-28 2014-04-21 Nippon Kayaku Kk 四氮雜卟啉色素及含有該色素之印墨組成物以及噴墨記錄方法
US8226222B2 (en) 2008-03-28 2012-07-24 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Ink set, recording method, and colored object
TW201005045A (en) 2008-06-30 2010-02-01 Nippon Kayaku Kk Porphyrazine pigment, ink composition and colored article
WO2010020802A2 (en) * 2008-08-22 2010-02-25 Fujifilm Imaging Colorants Limited Phthalocyanines and their use in ink-jet printing
GB0823267D0 (en) * 2008-12-20 2009-01-28 Fujifilm Imaging Colorants Ltd Azaphthalocyanines and their use in ink-jet printing
JP5458022B2 (ja) 2008-12-25 2014-04-02 日本化薬株式会社 ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体
EP2441806B1 (en) 2009-06-12 2017-09-06 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Porphyrazine coloring matter, ink composition, recording method, and colored object
EP2463345B1 (en) * 2010-12-10 2017-01-18 Seiko Epson Corporation Ink composition, recording method using the same and recorded material
CN102558948B (zh) * 2010-12-10 2016-02-10 精工爱普生株式会社 油墨组合物、使用其的喷墨记录方法以及记录物

Also Published As

Publication number Publication date
RU2520545C2 (ru) 2014-06-27
CA2758708A1 (en) 2010-10-21
EP2420538B1 (en) 2015-04-22
CN102395629A (zh) 2012-03-28
TWI471385B (zh) 2015-02-01
EP2420538A4 (en) 2013-05-29
EP2420538A1 (en) 2012-02-22
RU2011144425A (ru) 2013-05-20
JP5502856B2 (ja) 2014-05-28
KR20120022771A (ko) 2012-03-12
TW201043666A (en) 2010-12-16
BRPI1014216B1 (pt) 2018-11-13
KR101705039B1 (ko) 2017-02-09
BRPI1014216A2 (pt) 2016-04-12
US8535432B2 (en) 2013-09-17
WO2010119676A1 (ja) 2010-10-21
CN102395629B (zh) 2014-05-14
CA2758708C (en) 2016-09-13
US20120013678A1 (en) 2012-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5260493B2 (ja) 新規ポルフィラジン色素、インク、インクセット及び着色体
JP5670894B2 (ja) ポルフィラジン色素、インク組成物、記録方法及び着色体
JP5027674B2 (ja) 新規ポルフィラジン色素、インク、インクセット及び着色体
JP5066079B2 (ja) ポルフィラジン色素、インク、インクセット及び着色体
JP4463201B2 (ja) フタロシアニン色素及びそのインクジェットプリント用用途
JP5502856B2 (ja) ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体
JP5281019B2 (ja) ポルフィラジン色素及びこれを含有するインク組成物
JP2007277416A (ja) 新規ポルフィラジン色素、インク、インクセット、このインクまたはインクセットを用いたインクジェット記録方法、着色体
JP5458010B2 (ja) ポルフィラジン色素、インク組成物及び着色体
WO2012050061A1 (ja) ポルフィラジン色素及びその製造方法、インク組成物及び着色体
JP5458022B2 (ja) ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体
JP5334526B2 (ja) ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色体
JP5553448B2 (ja) ポルフィラジン色素、これを含有するインク組成物及び着色剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5502856

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250