JP2017203098A - インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録メディアに付着したときに、より大きいドット径を形成できるインクの提供。【解決手段】キナクリドン顔料とアゾ顔料、水、及び下記式(1)で表される化合物を特定量含有するインク。[R1はヒドロキシ等;R2はH又はアルキル;R3はH又はアルキル、R4はH、ヒドロキシ又はアルキル、R5はアルキル]【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアに関する。
各種のカラー記録方法の中で、インクジェットプリンタを用いる記録方法(インクジェット記録方法)は、代表的な方法の1つである。この方法は、インクの小滴を発生させ、これを紙等の記録メディアに付着させ記録を行う。インクジェット技術の進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷によって実現されてきた高精細な記録(印刷)の分野においても、インクジェット記録方法が用いられるようになってきた。
また、近年では産業用インクジェット記録の需要が高まり、これまでに無い様々な特性が要求されるようになっている。そのような特性の1つとして、記録メディアに付着したとき、大きいドット径を形成できるインクが強く要望されている。
例えば、インクジェットプリンタから吐出されたインク滴は、記録メディアに着弾して付着することにより記録画像を形成する。同じ体積のインク滴が吐出されて記録メディアに着弾したとき、より大きいドット径を形成できるインクは、より小さいドット径しか形成できないインクと比較して、より効率的に着色を行うことができる。換言すると、より大きいドット径を形成できるインクは、より小さいドット径しか形成できないインクと比較して、インクの消費量と、印刷時間の両方を低減できることを意味する。このため、記録メディアに付着したときに、より大きいドット径を形成できるインクが強く要望されている。
特許文献1及び2には、着色剤と、本明細書の式(1)で表される化合物とを含有するインク組成物が開示されている。
国際公開2014/136569号ガゼット 国際公開2016/010129号ガゼット
本発明は、記録メディアに付着したときに、より大きいドット径を形成できるインク、そのインクを用いたインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアの提供を課題とする。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、キナクリドン顔料、アゾ顔料、及び特定量の下記式(1)で表される化合物を含有するインクにより、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の1)〜12)に関する。
1)
着色剤としてキナクリドン顔料とアゾ顔料、水、及び下記式(1)で表される化合物を含有するインクであって、下記式(1)で表される化合物の含有量が、前記インクの総質量に対して0.1質量%より多く5質量%未満であるインク。
Figure 2017203098
[式(1)中、Rは、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基を有するアルコキシ基、アシロキシ基、又はアリールカルボニルオキシ基を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは水素原子、ヒドロキシ基、又はアルキル基を表し、Rはアルキル基をそれぞれ表す。]
2)
前記キナクリドン顔料が、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122及び202から選択される顔料である前記1)に記載のインク。
3)
前記アゾ顔料が、C.I.ピグメントレッド 150である前記1)に記載のインク。
4)
着色剤の総含有量が、インクの総質量に対して0.1質量%〜10質量%である前記1)に記載のインク。
5)
着色剤の総含有量が、インクの総質量に対して3質量%〜7質量%である前記1)〜3)のいずれか一項に記載のインク。
6)
前記式(1)において、Rがヒドロキシ基又はヒドロキシ基を有するアルコキシ基である、前記1)に記載のインク。
7)
前記式(1)において、Rがヒドロキシ基である前記1)に記載のインク。
8)
前記式(1)において、Rがヒドロキシ基であり、Rがアルキル基であり、Rがアルキル基であり、Rが水素原子又はヒドロキシ基であり、Rがアルキル基である、前記1)に記載のインク。
9)
前記式(1)において、Rがヒドロキシ基であり、Rが分岐鎖アルキル基であり、Rが直鎖アルキル基であり、Rが水素原子又はヒドロキシ基であり、Rが分岐鎖アルキル基である、前記1)に記載のインク。
10)
前記1)〜9)のいずれか一項に記載のインクの液滴を、記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
11)
前記1)〜9)のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
12)
前記1)〜9)のいずれか一項に記載のインクを含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ。
本発明により、記録メディアに付着したときに、より大きいドット径を形成できるインク、そのインクを用いたインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアを提供できた。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「C.I.」とは、「カラーインデックス」を意味する。
また、本明細書中、「%」及び「部」は、特に断りのない限り、実施例等も含めていずれも質量基準で記載する。
[キナクリドン顔料]
前記キナクリドン顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット及びC.I.ピグメントレッドから選択されるキナクリドン顔料が挙げられる。そのようなキナクリドン顔料は、例えばオンラインで利用できるカラーインデックス インターナショナルの検索画面から、容易に検索することができる。それらの中ではC.I.ピグメントバイオレット 19、ピグメントレッド122、及び202から選択される顔料が好ましく、C.I.ピグメントバイオレット 19及びピグメントレッド 122から選択される顔料がより好ましい。本明細書において、「C.I.ピグメントバイオレット」は以下「PV」といい、「C.I.ピグメントレッド」は以下「PR」という。
キナクリドン顔料は、2種類以上を併用することができる。
[アゾ顔料]
前記アゾ顔料としては、C.I.ピグメントレッドから選択されるアゾ顔料が挙げられる。そのようなアゾ顔料は、例えばオンラインで利用できるカラーインデックス インターナショナルの検索画面から、容易に検索することができる。それらの中では、PR150が好ましい。
前記インクが含有するキナクリドン顔料、及びアゾ顔料の総含有量は、インクの総質量に対して通常0.1%〜10%、好ましくは3%〜7%、より好ましくは3%〜6%である。
0.1%以上の含有量で良好な発色性が得られ、10%以下の含有量では良好な吐出性が得られる。
前記インクが含有するキナクリドン顔料とアゾ顔料の含有比率は、質量基準で70/30〜30/70が好ましい。このような比率とすることにより、彩度、印字濃度等に優れた良好な色相が得られる。
[式(1)で表される化合物]
前記式(1)中、Rにおけるヒドロキシ基を有するアルコキシ基としては、通常ヒドロキシC1−C6アルコキシ、好ましくはヒドロキシC1−C4アルコキシ、より好ましくはヒドロキシC2−C4アルコキシの各基が挙げられる。そのアルコキシ部分としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルコキシが挙げられ、直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、直鎖のものがより好ましい。その具体例としては、ヒドロキシメトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシ−n−プロポキシ、3−ヒドロキシ−n−プロポキシ、2−ヒドロキシ−n−ブトキシ、3−ヒドロキシ−n−ブトキシ、4−ヒドロキシ−n−ブトキシ、2−ヒドロキシ−n−ペントキシ、3−ヒドロキシ−n−ペントキシ、4−ヒドロキシ−n−ペントキシ、5−ヒドロキシ−n−ペントキシ、2−ヒドロキシ−n−ヘキシロキシ、3−ヒドロキシ−n−ヘキシロキシ、4−ヒドロキシ−n−ヘキシロキシ、5−ヒドロキシ−n−ヘキシロキシ、6−ヒドロキシ−n−ヘキシロキシ等の直鎖のもの;2−ヒドロキシイソプロポキシ、2−ヒドロキシイソブトキシ、3−ヒドロキシイソブトキシ、2−ヒドロキシイソペントキシ、3−ヒドロキシイソペントキシ、4−ヒドロキシイソペントキシ、2−ヒドロキシイソヘキシロキシ、3−ヒドロキシイソヘキシロキシ、4−ヒドロキシイソヘキシロキシ、5−ヒドロキシイソヘキシロキシ等の分岐鎖のもの;2−ヒドロキシシクロプロポキシ、2−ヒドロキシシクロブトキシ、3−ヒドロキシシクロブトキシ、2−ヒドロキシシクロペントキシ、3−ヒドロキシシクロペントキシ、2−ヒドロキシシクロヘキシロキシ、3−ヒドロキシシクロヘキシロキシ、4−ヒドロキシシクロヘキシロキシ等の環状のもの;等が挙げられる。これらの中では2−ヒドロキシエトキシが好ましい。
におけるアシロキシ基としては、直鎖、分岐鎖又は環状の通常C1−C6アシロキシ、好ましくはC1−C5アシロキシ、より好ましくはC2−C5アシロキシの各基が挙げられる。これらの中では直鎖のものが好ましい。また、アシロキシ部分のエステルカルボニル以外に、さらに1つのカルボニル基を有するアシロキシ基が好ましい。その具体例としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ等の直鎖のもの;イソプロピルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、イソペンチルカルボニルオキシ、1−エチルプロピルカルボニルオキシ、1,1−ジメチルプロピルカルボニルオキシ、2,2−ジメチルプロピルカルボニルオキシ等の分岐鎖のもの;シクロペンチルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシ等の環状のもの;1−オキソエチルカルボニルオキシ、2−オキソプロピルカルボニルオキシ、2−オキソブチルカルボニルオキシ、3−オキソブチルカルボニルオキシ、2−オキソペンチルカルボニルオキシ、3−オキソペンチルカルボニルオキシ、4−オキソペンチルカルボニルオキシ等の、さらに1つのカルボニル基を有するもの;等が挙げられる。これらの中では1−オキソエチルカルボニルオキシ、3−オキソブチルカルボニルオキシが好ましい。
におけるアリールカルボニルオキシ基としては、通常C6−C12アリールカルボニルオキシが挙げられる。具体例としては、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、ビフェニルカルボニルオキシ等が挙げられ、これらの中ではフェニルカルボニルオキシが好ましい。
前記のうち、Rとしてはヒドロキシ基又はヒドロキシ基を有するアルコキシ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
乃至Rにおけるアルキル基としては、通常C1−C6、好ましくはC1−C4の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、t−ペンチル、イソヘキシル、t−ヘキシル等の分岐鎖のもの;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の環状のもの;等が挙げられる。
これらのうち、
としては直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、分岐鎖のものがより好ましい。前記の中でもn−プロピル、イソプロピル、t−ブチルが好ましく、イソプロピルが特に好ましい。
としては直鎖のものが好ましく、前記の中でもメチルが特に好ましい。
としては、直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、前記の中でもn−プロピル、イソプロピル、t−ブチルが好ましい。
としては、直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、分岐鎖のものがより好ましい。前記の中でもエチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチルが好ましく、イソプロピルが特に好ましい。
前記のうち、
としては、ヒドロキシ基又はヒドロキシ基を有するアルコキシ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
としては、アルキル基が好ましく、分岐鎖アルキル基がより好ましい。
としては、アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がより好ましい。
としては、水素原子又はヒドロキシ基が好ましい。
としては、分岐鎖アルキル基が好ましい。
前記式(1)で表される化合物のうち、市販品としてはイーストマンケミカル社製のテキサノール等が挙げられる。
前記式(1)で表される化合物の具体例を下記表1に挙げるが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されない。また、表1中の略号等は、以下の意味を有する。
Ph:フェニル。
i−Pr:イソプロピル。
n−Pr:ノルマルプロピル。
t−Bu:ターシャリーブチル。
Et:エチル。
Figure 2017203098
前記インクの総質量中における、式(1)で表される化合物の含有量は、通常0.1%より多く5%未満、好ましくは0.1%〜4.5%、より好ましくは0.15%〜4%、さらに好ましくは0.2%〜3.5%、特に好ましくは0.3%〜3%である。式(1)で表される化合物の含有量を0.1%より多くすることによりドット径を大きくする効果が得られ、5%未満とすることによりインクが二層に分離することを抑制できる。
前記式(1)で表される化合物は1種類を使用することも、2種類以上を併用することもできる。
前記インクは、分散剤を含有することができる。分散剤の種類は特に制限されず、水に対して溶解性であっても、不溶性であっても使用することができる。
水溶性の分散剤としてはスチレン/アクリル樹脂が好ましい。水溶性樹脂は市販品として入手することも可能であり、その具体例としては、いずれもBASF社製の、ジョンクリル61J、67、68、450、55、555、586、678、680、682、683、690;及び、B−36等が好ましく挙げられる。
水に対して不溶性又は難溶性の分散剤としては、例えば、Aブロック及びBブロックの2つのブロックから構成される、A−Bブロックポリマーが挙げられる。好ましくは水不溶性のA−Bブロックポリマーである。ここでいう「水不溶性」とは、25℃の水1リットルに対する溶解度が通常5g以下、好ましくは3g以下、より好ましくは1g以下、さらに好ましくは0.5g以下の分散剤を意味する。溶解度の下限は0gを含む。そのようなA−Bブロックポリマーとしては、例えば、国際公開2013/115071号ガゼットが開示するリビングラジカル重合法により得られるA−Bブロックポリマーが好ましい。また、このガゼットがA−Bブロックポリマー及びその合成方法として好ましい、及びより好ましい等として開示する内容は、前記の分散剤においても同様の意味を有する。
前記のうち、Aブロックはベンジルメタクリレートから構成されるのが好ましい。また、Bブロックはアルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるのが好ましい。アルキルメタクリレートとしては、アルキル部分が直鎖、又は分岐鎖のアルキルメタクリレートが挙げられ、直鎖のアルキルメタクリレートが好ましい。アルキル部分の炭素数は通常C3−C8、好ましくはC3−C6、特に好ましくはC4である。
前記の分散剤は、例えば国際公開2013/115071号ガゼットが開示する合成方法により得ることができる。
分散剤の酸価は通常90〜200mgKOH/g、好ましくは100〜150mgKOH/g、より好ましくは100〜120mgKOH/gである。
分散剤の重量平均分子量は通常10000〜60000、好ましくは10000〜40000、より好ましくは15000〜30000である。
着色剤の総質量に対する分散剤の使用比率は通常0.1〜1.0、好ましくは0.1〜0.6、より好ましくは0.2〜0.5である。
着色剤に対する分散剤の使用量は、着色剤を1部として、通常0.1部〜1部、好ましくは0.1部〜0.6部、より好ましくは0.2部〜0.4部である。このような範囲で分散剤を使用すると、優れた分散液の安定性、及び/又は良好な記録画像を得ることができる。
前記インクは本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じてインク調製剤を含有することができる。インク調製剤としては水溶性有機溶剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、界面活性剤、及び酸化防止剤等が挙げられる。インク調製剤は1種類を使用することも、2種類以上を併用することもできる。
水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール又は第三ブタノール等のC1−C6アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン又はN−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン、エチレンカーボネート等のケトン、ケトアルコール又はカーボネート;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(好ましくは分子量400、800、1540又はそれ以上のもの)、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール又はジチオジグリコール等のC2−C4アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ジグリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、トリメチロールプロパン等のC3−C9ポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル(好ましくはC3−C10のモノ、ジ若しくはトリエチレングリコールエーテル、及びC4−C13のモノ、ジ若しくはトリプロピレングリコールエーテルよりなる群から選択されるグリコールエーテル);1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、2−メチル2,4-ペンタンジオール、2-エチルー1,3−ヘキサンジオール、及び2,4−ジエチルー1,5-ペンタンジオール等の直鎖又は分岐鎖のC5−C9アルカンジオール(好ましくは直鎖、より好ましくは直鎖の1,2−ジオール);γ−ブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系(例えばペンタクロロフェノールナトリウム)、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系(例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド)、ジチオール系、ピリジンオキシド系(例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム)、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、及び無機塩系等の化合物が挙げられる。
防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。
前記以外の防腐防黴剤としては、アーチケミカル社製、商品名プロクセルGXL(S)、プロクセルXL−2(S)等のプロクセルシリーズが挙げられる。
pH調整剤としては、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;及び、リン酸二ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。
キレート試薬の具体例としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム又はウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤の具体例としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール又はジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばスルホ化されたベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、及びトリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、水に溶解する高分子であれば特に限定されないが、分散安定性の観点からアニオン性高分子及びノニオン性高分子が好ましい。アニオン性高分子の具体例としては、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸等のアクリル酸誘導体及びポリスチレンスルホン酸塩等のポリスチレン誘導体が挙げられる。ノニオン性高分子の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びゼラチン等が挙げられる。
界面活性剤の例としては、例えばアニオン、カチオン、ノニオン、両性、シリコーン系、フッ素系等の、公知の界面活性剤が挙げられる。これらの中ではノニオン、及びシリコーン系から選択される界面活性剤が好ましい。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、アルキル型リン酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学社製 商品名サーフィノール104、105PG50、82、420、440、465、485、485W、オルフィンSTG;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergItol 15−S−7等);等が挙げられる。
これらの中ではアセチレングリコール系が好ましく、アセチレングリコール系の中でもジオールがより好ましい。また、そのジオールにエチレンオキシ、プロピレンオキシ及びブチレンオキシから選択される基が付加したアセチレングリコール系の界面活性剤がさらに好ましい。これらの基の付加量は、モル数の平均値として1.3〜30程度が好ましい。
また、前記エチレンオキシ、プロピレンオキシ及びブチレンオキシの中ではエチレンオキシが好ましい。このようなノニオン界面活性剤としては、前記サーフィノール420、440、465、485、485W等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の総含有量は、インクの総質量に対して通常0.1〜3%、好ましくは0.1〜1%である。0.1%以上の含有量で界面活性剤としての効果が得られ、3%以下の含有量で顔料の分散安定性が良好となる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
シリコン界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。それらの中では、下記式(2)で表されるポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが好ましい。
シリコン界面活性剤の市販品としては、例えば、ダイノール960、ダイノール980(エアープロダクツ社製)、シルフェイスSAG001、シルフェイスSAG002、シルフェイスSAG003、シルフェイスSAG005、シルフェイスSAG503A、シルフェイスSAG008、シルフェイスSAG009、シルフェイスSAG010(日信化学株式会社製)、さらに、BYK−345、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−3455(ビックケミー社製)等が挙げられる。
インクの総質量に対するシリコン界面活性剤の含有量は通常0.01〜3%、好ましくは0.01〜2.5%、より好ましくは0.02〜2%である。
Figure 2017203098
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、例えばDuPont社、オムノバ社、DIC株式会社、及びビックケミー社等から、様々な種類の製品を容易に購入することができる。
酸化防止剤の例としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及び複素環類等が挙げられる。
前記インクを調製する方法としては、公知の方法が挙げられる。その一例としては、例えば、顔料と水溶性樹脂を含有する分散液を調製した後、この分散液をインクの調製に使用する方法が挙げられる。
分散液の調製方法としては、例えば、顔料と水溶性樹脂とをサンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等に入れて、分散を行う方法が挙げられる。一例として、サンドミルを用いるときは、粒子径が0.01mm〜1mm程度のビーズを使用し、ビーズの充填率を適宜設定して分散処理を行うことができる。
前記のようにして得られた分散液に対して、ろ過及び/又は遠心分離等の操作をすることができる。この操作により、分散液が含有する粒子の粒子径の大きさを揃えることができる。
このようにして得られた分散液に、前記の成分を加えて混合することにより、インクを調製することができる。
前記のようにして得られたインクは、必要に応じてメンブランフィルター、ガラス濾紙等を用いた精密濾過を行うことができる。得られたインクをインクジェット記録に用いるときは、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常0.5μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜10μmである。
前記インクのpHは通常5〜11、好ましくは7〜10である。
インクの表面張力は通常10〜50mN/m、好ましくは20〜40mN/mである。
インクの粘度は通常30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下である。下限は0.1mPa・s程度である。
前記インクは、各種の記録用インクとして使用することができる。例えば、筆記、情報記録、捺染等の用途に好適であり、インクジェットインクとして用いることが特に好ましい。
前記インクジェット記録方法は、前記インクの液滴を、記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行う方法である。記録の際に使用するインクノズル、及び吐出方式等については特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。
吐出方式としては、例えば、電荷制御方式;ドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);音響インクジェット方式;サーマルインクジェット方式;等が挙げられる。
前記の記録メディアは、前記インクが付着できる物質を意味する。前記インクが付着できるのであれば、その材質は特に制限されない。そのような記録メディアの中では、例えば、微塗工紙、アート紙、コート紙、マット紙、キャストコート紙等の塗工紙;いずれもインク受容層を有さない、普通紙、グラビア印刷やオフセット印刷等に用いられるメディア;インク受容層を有するインクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、又は光沢フィルム等;繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等);皮革;カラーフィルター用基材等が挙げられる。これらの中では、キャストコート紙、コート紙、及びアート紙から選択される記録メディア、及びインク受容層を有さない記録メディアを使用するとき、本発明の効果が顕著に発揮されるため好ましい。前記インクが付着した記録メディアも、本発明の範囲に含まれる。
インク受容層を有さない記録メディアを用いるときは、インクの定着性等を向上させる目的で、記録メディアに対して表面改質処理を施すことができる。
表面改質処理としてはコロナ放電処理、プラズマ処理及びフレーム処理から選択される、少なくとも1つの処理を施すことが好ましい。これらの処理をするときは、公知の方法を用いることができる。これらの処理の効果は、経時的に減弱することが一般的に知られている。このため、記録メディアに表面改質処理を施したときは、時間を置かずにインクジェット記録を行うことが好ましい。
前記表面改質処理は、望みの効果が得られるように処理の回数、時間、及び印可する電圧の大きさ等を適宜調整して行うことができる。
前記インクジェット記録方法で記録メディアに記録を行うときは、前記インクを含有する容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、前記の記録方法で記録メディアに記録を行う。
前記の全ての内容において、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものの組み合わせ、より好ましいものとさらに好ましいものの組み合わせ等も同様である。
本発明により得られる効果として、以下の効果を挙げることができる。すなわち、本発明のインクは、記録メディアに付着したときに、より大きいドット径を形成できる。この効果は、インク受容層を有さない記録メディアを用いたときに、極めて顕著に発揮される。
また、本発明のインクは保存安定性が優れ、様々な記録メディアに記録した画像の定着性も優れる。本発明のインクは、紙面上での濡れ広がりに優れ、小液滴でも高画質な記録画像を得ることができる。
また、本発明のインクを用いてインクジェット記録をしたとき、記録メディアに付着したときのインクドットの真円度が高く、平滑性があり、光沢感を損なわない記録画像が得られる。
さらに、本発明のインクで記録された画像は、耐水性、耐光性、耐熱性、耐酸化ガス(例えば耐オゾンガス)性等の各種堅牢性に優れる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、分散溶液中の固形分の含有量は、株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて乾燥重量法により求めた。
なお、実施例中の表において、成分の量を示す数値はいずれも「部」数であり、「−」を記載したものは、その成分を含まないことを意味する。また、「水」はイオン交換水を使用した。
[調製例1]:水溶性樹脂の水溶液の調製。
ジョンクリル678(20部)、トリエタノールアミン(11.4部)、及びイオン交換水(68.6部)を混合し、180rpmで攪拌しながら60℃に昇温して溶液とすることにより、ジョンクリル678を20%含有する水溶液を得た。
下記表2中の「ジョンクリル678」は、このジョンクリル678を20%含有する水溶液を意味する。
[調製例2]:分散液1及び2の調製。
下記表1に記載した各成分を混合し、サンドグラインダーで1500rpmの条件下、15時間分散処理を行って液を得た。得られた液をイオン交換水で希釈し、分散用ビーズを濾過分離し、着色剤の含有量が15%となるようにイオン交換水で調整することにより、2種類の分散液を調製した。この分散液を「分散液1」及び「分散液2」とする。分散液1はキナクリドン顔料を、分散液2はアゾ顔料を、それぞれ含有する分散液である。
また、消泡剤であるオルフィンSK−14は濾過により分散用ビーズと共に除去されるため、分散液1及び2中には残存しない。
Figure 2017203098
[調製例3]:分散液3の調製。
国際公開第2013/115071号の合成例3に記載のブロック共重合体を調製し、得られた高分子分散剤6.6部を2−ブタノン20部に溶解させ、均一な溶液とした。この液に、0.36部の水酸化ナトリウムを50部のイオン交換水に溶解させた液を加え、30分撹拌して乳化液を調製した。このとき、固体の析出はなかった。得られた乳化液にクラリアント社製Inkjet Magenta E−02を22部加え、サンドグラインダーで1500rpmの条件下、15時間分散処理を行って液を得た。得られた液にイオン交換水を120部加え、この液をろ過して分散用ビーズを取り除いた。ろ液からエバポレーターで2−ブタノン及び水を減圧留去することで、顔料固形分が11.94%の分散液を得た。これを「分散液3」とする。
調製例3で使用したInkjet Magenta E−02は、キナクリドン顔料としてPR122とPV19の両方を含有する。
[調製例4]:分散液4及び5の調製。
前記の調製例3で使用したInkjet Magenta E−02の代わりに、PV19(大日精化社製、22部)、及びPR150(冨士色素社製FUJI FAST CARMINE 522−1D、22部)をそれぞれ用いる以外は調製例3と同様にして、分散液4及び5を得た。各分散液が含有する顔料と、その固形分含有量を下記する。
分散液4:PV19(キナクリドン顔料)、顔料固形分11.58%。
分散液5:PR150(アゾ顔料)、顔料固形分12.02%。
[実施例1〜9]:本発明のインクの調製。
下記表3に記載の各成分を混合した後、3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、評価試験用の本発明の実施例1〜11のインクを得た。表3及び表4中の略号等は、以下の意味を表す。
PG:プロピレングリコール。
12HD:1、2−ヘキサンジオール。
TEG:トリエチレングリコール。
TEX:テキサノール。
BDG:ブチルジグリコール。
BYK:BYK−349。
SF465:サーフィノール465。
GXL(s):プロキセルGXL(s)。
[比較例1〜4]:比較用のインクの調製。
下記表4に記載の各成分を混合した後、3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、比較用の比較例1〜4のインクを得た。
Figure 2017203098
Figure 2017203098
[インクジェット記録]
各実施例及び比較例で得たインクをインク容器(インクカートリッジ)にそれぞれ充填し、セイコーエプソン社製インクジェットプリンタ、商品名PX−205に装填した。このインクジェットプリンタを用い、各インクを王子製紙製コート紙、OKトップコートにインクジェット記録を行った。
インクジェット記録は、20%Dutyのベタ画像となるように行い、各実施例、及び比較例のインクにより記録された記録画像を得た。これを試験片として用い、下記のドット径の測定を行った。
なお、比較例3のインクは、インクが二層に分離して均一なインクを得ることができなかった。このため、インクジェット記録を行わなかった。
[ドット径の測定]
前記のようにして得た各試験片上のインクのドット径を、KEYENCE製DIGITAL MICROSCOPE MULTISCANを用いて測定し、下記3段階の評価基準で評価した。結果を下記表5及び表6に示す。なお、表5及び表6中の測定値は小数点以下2桁目を四捨五入した値であり、単位はμmである。
A:10個のドットのうち、ドット径の平均値が35μm以上。
B:10個のドットのうち、ドット径の平均値が30μm以上35μm未満。
C:10個のドットのうち、ドット径の平均値が30μm未満。
Figure 2017203098
Figure 2017203098
表5及び表6の結果から明らかなように、各実施例のインクは、各比較例のインクに対してより大きなドット径を形成できることが確認された。
本発明のインクは、記録メディアに付着したときに、より大きいドット径を形成できるインクであることから、各種の記録用途、特にインクジェット記録用途に極めて有用である。

Claims (12)

  1. 着色剤としてキナクリドン顔料とアゾ顔料、水、及び下記式(1)で表される化合物を含有するインクであって、下記式(1)で表される化合物の含有量が、前記インクの総質量に対して0.1質量%より多く5質量%未満であるインク。
    Figure 2017203098
    [式(1)中、Rは、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基を有するアルコキシ基、アシロキシ基、又はアリールカルボニルオキシ基を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは水素原子、ヒドロキシ基、又はアルキル基を表し、Rはアルキル基をそれぞれ表す。]
  2. 前記キナクリドン顔料が、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122及び202から選択される顔料である請求項1に記載のインク。
  3. 前記アゾ顔料が、C.I.ピグメントレッド 150である請求項1に記載のインク。
  4. 着色剤の総含有量が、インクの総質量に対して0.1質量%〜10質量%である請求項1に記載のインク。
  5. 着色剤の総含有量が、インクの総質量に対して3質量%〜7質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク。
  6. 前記式(1)において、Rがヒドロキシ基又はヒドロキシ基を有するアルコキシ基である、請求項1に記載のインク。
  7. 前記式(1)において、Rがヒドロキシ基である請求項1に記載のインク。
  8. 前記式(1)において、Rがヒドロキシ基であり、Rがアルキル基であり、Rがアルキル基であり、Rが水素原子又はヒドロキシ基であり、Rがアルキル基である、請求項1に記載のインク。
  9. 前記式(1)において、Rがヒドロキシ基であり、Rが分岐鎖アルキル基であり、Rが直鎖アルキル基であり、Rが水素原子又はヒドロキシ基であり、Rが分岐鎖アルキル基である、請求項1に記載のインク。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクの液滴を、記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクを含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ。
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