JP2006249329A - インク原液、及びインク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱い性に優れたインク原液並びにそのインク原液を用いたインク組成物、好ましくはインクジェット用インク組成物を提供すること。
【解決手段】 少なくとも染料及び1分子中に10を超える非局在化π電子を有する無色の平面状化合物を含有することを特徴とするインク原液。上記インク原液を用いて調製されるインク組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インク原液、及びインク組成物に関する。
近年、コンピューターの普及に伴いインクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク組成物中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク組成物、油性インク組成物、あるいは固体(溶融型)インク組成物が用いられる。これらのインク組成物のうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インク組成物が主流となっている。
これらのインクジェット記録用インク組成物に用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、オゾン、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インク組成物としての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インク組成物に要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。
本出願人は、色相と堅牢性に優れたシアン染料を提案してきた(例えば、特許文献1及び2参照)。
ところで、インクジェット記録用インク組成物等のインク組成物を製造する際に通常、染料粉体を用いているが、取り扱い性、溶解性等を考慮すると濃厚インク組成物、すなわち、インク原液から製造することが有利である。
しかしながら、例えばインクジェット記録用インク組成物の原料となるインクジェット用インク原液等で、特に酸化電位の高い染料を用いる場合には粘度が極めて高くなり、インク組成物送液時や濾過時の取り扱い性に大きな問題を生じることがわかった。
特開2003−321630号公報 特開2004−75825号公報
本発明が解決しようとする課題は、取り扱い性に優れたインク原液並びにそのインク原液を用いたインク組成物、好ましくはインクジェット用インク組成物を提供することである。
本発明の課題は、以下の手段により解決することができる。
1)少なくとも染料及び1分子中に10を超える非局在化π電子を有する無色の平面状化合物を含有することを特徴とするインク原液。
2)前記染料は下記一般式(C)で表される化合物であることを特徴とする上記1)記載のインク原液。
Figure 2006249329
一般式(C)中、X1〜X4およびY1〜Y4は、それぞれ独立に、炭素原子あるいは窒素原子を表す。A1〜A4は、それぞれ独立に、X1〜X4およびY1〜Y4と共に芳香族環あるいは複素環を形成するのに必要な原子群を表す。A1〜A4は置換基を有してもよい。A1〜A4のうち少なくとも1つは、あるいはA1〜A4の置換基のうち少なくとも1つは溶解性を付与する置換基を有する。
Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
3)前記一般式(C)は、一般式(C−d)で表されることを特徴とする上記2)記載のインク原液。
Figure 2006249329
一般式(C−d)において、G1〜G4は−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV12 、−CONV12、−CO2Z、−COZ、またはスルホ基を表す。
Zは、同一または異なっていても良く、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基を表す。
1、V2は、同一または異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基を表す。Mは、一般式(C)のMと同義である。t11〜t14は1または2を表す。
4)前記平面状化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする上記1)〜3)の何れかに記載のインク原液。
一般式(1): A10−X10−L10−(Y10−B10n
式中、A10,L10,B10は、それぞれ独立に、芳香族基を表し、単環であっても縮合環であってもよい。X10とY10はそれぞれ独立に2価の連結基であって、アルキレン基、アルケニレン基、−CO−、−SOm−、−NR−、−O−、およびこれらの連結基を組み合わせた2価の基である。mは0、1、又は2を表し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。nは0もしくは1を表す。但し、一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、およびホスホノ基から選ばれるイオン性親水性基を少なくとも1つ含有する。
5)前記染料濃度が10質量%以上であることを特徴とする上記1)〜4)の何れかに記載のインク原液。
6)前記平面状化合物の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする上記1)〜5)の何れかに記載のインク原液。
7)粘度が1〜10mPa・sであることを特徴とする上記1)〜6)の何れかに記載のインク原液。
8)防腐剤を含有することを特徴とする上記1)〜7)の何れかに記載のインク原液。
9)pH調節剤を含有することを特徴とする上記1)〜8)の何れかに記載のインク原液。
10)上記1)〜9)の何れかに記載のインク原液を用いて作製されることを特徴とするインク組成物。
本発明のインク原液は、平面状化合物を含有しているため粘度が低く維持され、インク原液の製造工程、インク組成物の製造工程における濾過処理、搬送などの取り扱い性が改善される共に安定した品質のインク組成物、特に好ましくはインクジェット用インク組成物を製造することができる。
また、本発明のインク原液は、酸化電位が高い染料を好適に用いることができ、耐オゾン性に優れると共に保存安定性に優れるものである。
更に、本発明のインク原液は、染料合成の精製工程において、粉末にする前の溶液を利用することができるので、インク組成物の製造の低コスト化に寄与することができる。
本発明のインク原液は、少なくとも染料及び平面状化合物を含有してなる。本発明において、インク原液とは、染料濃度が7質量%以上であることを意味する。染料濃度は、10〜50質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
次に平面状化合物ついて説明する。
平面状化合物は、1分子中に10を超える非局在化π電子を有する無色の化合物である。
一般に非局在化したπ電子系を構成するπ電子の数が増え、π電子系が広がると可視域に吸収を持つことが多い。本発明で無色とは、画像に影響を及ぼさない範囲で極わずかに着色している状態も含まれる。また、蛍光性の化合物であっても良いが、蛍光のない化合物が好ましく、さらに好ましくは最も長波側の吸収ピークのλmaxが350nm以下、より好ましくは320nm以下で、且つモル吸光係数が1万以下の化合物である。
平面状化合物は、1分子中に10個を超える非局在化π電子を有する。π電子の数の上限に特に制限はないが、80個以下が好ましく、中でも50個以下が好ましく、特に30個以下が好ましい。また、10個を超えるπ電子が1つの大きな非局在系を形成していてもよいが、2つ以上の非局在系を形成していてもよい。特に、1分子中に2つ以上の芳香族環を有する化合物が好ましい。芳香族環は、芳香族炭化水素環であっても良いしヘテロ原子を含む芳香族複素環であっても良く、縮環して1つの芳香族環を形成するものであっても良い。芳香族環の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンなどを挙げることができる。
平面状化合物の総炭素数は、180個以下が好ましく、120個以下がより好ましく、特に80個以下が好ましい。
平面状化合物は、20℃において100gの水に対して少なくとも1g以上溶解する化合物が好ましい。より好ましくは5g以上溶解する化合物であり、最も好ましくは10g以上溶解する化合物である。
1分子中に2つ以上の芳香族環を有する化合物の場合には、分子中の芳香族環に結合している少なくとも2個の可溶化基を有することがとりわけ望ましい。有用な可溶化基には、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、4級アンモニウム塩および当業者に明らかな他の基が含まれるが、これらに限定されない。なかでも、スルホ基およびカルボキシル基が好ましく、スルホ基がもっとも好ましい。
分子中の可溶化基の最大数は、利用可能な置換基の位置の数によってのみ制限されるけれども、実用上の目的には、分子中に、同じかまたは異なる可溶化基が10個存在すれば十分である。これらの可溶性基のカウンターカチオンに制限はなく、アルカリ金属、アンモニウム、有機のカチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウムなど)を挙げることができるが、中でもアルカリ金属、アンモニウムが好ましく、特にリチウム、ナトリウム、アンモニウムが好ましく、リチウム,アンモニウムが最も好ましい。
具体的な化合物としては、特開昭63−55544号の他、特開平3−146947号、同3−149543号、特開2001−201831号、同2002−139822号、同2002−196460号、同2002−244257号、同2002−244259号、同2002−296743号、同2002−296744号、同2003−307823号、同2003−255502号、同2004−4500号の各公報あるいは明細書に記載の化合物を挙げることができる。
なかでも下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
一般式(1):
10−X10−L10−(Y10−B10)n
式中、A10,L10,B10は、それぞれ独立に、芳香族基(アリール基および芳香族複素環基を含む)を表し、単環であっても縮合環であってもよい。X10とY10はそれぞれ独立に2価の連結基であって、アルキレン基、アルケニレン基、−CO−、−SOm−、−NR−、−O−、およびこれらの連結基を組み合わせた2価の基である。mは0、1、又は2を表し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。2価の連結基として好ましくは−NH−である。nは0もしくは1を表す。但し、一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、およびホスホノ基から選ばれるイオン性親水性基を少なくとも1つ含有する。これらのイオン性親水性基は塩の形でも良く、そのカウンターカチオンについては制限はなく、アルカリ金属、アンモニウム、有機のカチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウムなど)を挙げることができるが、中でもアルカリ金属、アンモニウムが好ましく、特にリチウム、ナトリウム、アンモニウムが好ましく、リチウム,アンモニウムが最も好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物は、イオン性親水性基以外の置換基を有していても良く、具体的置換基としてアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アミノ基(アニリノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシル基、アシルアミノ基、ウレイド基、ハロゲン原子、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルホニル基、スルフェニル基、スルフィニル基等を挙げることができ、これらは更に置換基を有していても良い。一般式(1)の化合物の中でも好ましいものは、n=1のものであり、またA10,L10,B10のうち少なくとも1つが芳香族複素環であるものが好ましい。さらにはイオン性親水性基が2から4個含まれるものが好ましい。
平面状化合物が、どういう作用機構からインク原液の粘度増加を抑制するかは明確になっていないが、染料分子間のπ電子相互作用により凝集(会合)している染料に対し、より強いπ電子の相互作用を働かせることによって凝集を解消させる解凝集剤として作用し、その結果として粘度低下を促進しているものと考えられる。凝集している染料の間に入り込み、或いは染料会合体表面にある染料に対し強いπ電子相互作用を発現させるために、解凝集剤が平面であることとπ電子系が大きく広がっていることが重要である。また、解凝集剤自身あるいは染料と解凝集剤によって形成されるコンプレックスが析出しないように、解凝集剤が十分な溶解性を有することも重要である。必要なπ電子の数は、用いられる染料の大きさによって変わってくるものであるので、染料の大きさにより適宜選定される。
本発明に用いられる好ましい化合物例は、先にあげた特開2002−139822号、同2002−196460号、同2002−244257号、同2002−244259号、同2002−296743号、同002−296744号、特願2002−17728号の各公報あるいは明細書に記載の化合物を挙げることができる。代表的な平面状化合物を以下に示す。
Figure 2006249329
Figure 2006249329
Figure 2006249329
Figure 2006249329
Figure 2006249329
Figure 2006249329
Figure 2006249329
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本発明の好ましい平面状化合物は、前記の特開2002−139822号公報などを参考にして容易に合成することができる。
本発明に用いる平面状化合物は、上記構造的特徴に加えて、以下の性質を有することが好ましい。平面状化合物は、脱イオン水に比べてインク原液の粘度低下作用が大きいものである。すなわち、本発明のインク原液の粘度をV0として、本発明のインク原液から平面状化合物を除いた量と同量の脱イオン水を添加して測定した粘度をV1としたときにV0<V1であり、好ましくはΔV=V1−V0が10mPa・s以上、更に好ましくは20mPa・s以上である。
インク原液への平面状化合物の添加量は、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明のインク原液の粘度は1〜10mPa・sであることが好ましく、より好ましくは1〜8mPa・sであり、更に好ましくは1〜6mPa・sである。インク原液の粘度が1mPa・s以下だと、インク組成物を調製する際に平面状化合物が多量必要であり好ましくない。インク原液の粘度が10mPa・s以上だと、インク組成物の粘度調節が困難になる場合があり、またインク原液の移液、濾過等製造する際のハンドリング上好ましくない。
インク原液の粘度を好ましい範囲に調整する上で、インク原液中の染料の量に対する平面状化合物の添加質量比は、0.01〜1にすることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.3であり、特に好ましくは0.01〜0.3である。
本発明のインク原液は、染料、平面状化合物及び媒体から構成されることが好ましく、後述される他の各種成分を含むものでもよい。その染料以外の成分の濃度は、インク組成物に比べて高濃度であってもよいし、低濃度であってもよく、適宜選択される。
媒体とは、染料及び他の成分を溶解および/または分散する機能を有する溶媒であり、脱イオン水や超純水(18MΩ以上)が好ましい。また、必要に応じては脱イオン水や超純水と少量の水混和性有機溶剤との混合物を使用しても良い。
染料以外の成分としては、防腐剤、pH調整物質等を含有することが好ましい。これら成分は、後述のインク原液を用いたインク組成物の製造方法で記載のようにインク原液に添加することがないように調整されていることが製造工程を簡易とすることができると共に安定した品質のインク組成物が製造できるために好ましい。ただし、所望により、インク組成物の製造の際にそれら成分を添加するようにしても構わない。
インク原液は、腐敗による不溶解物の生成が問題となることがある。これを防止するために、インク原液には防腐剤を添加することが好ましい。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、複素環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、およびその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤は単独でも2種以上を組み合わせインク原液に添加することができる。
これらの化合物は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の化合物である。
中でも、少なくとも1種の防腐剤が、複素環化合物であることが好ましい。
本発明では、防腐剤を2種以上併用して使用すると、本発明の効果がさらに良好に発揮される。例えば、複素環化合物と抗生物質の組み合わせ、複素環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ等が好ましく挙げられる。2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、防腐剤A/防腐剤B=0.01〜100(質量比)の範囲が好ましい。
インク原液への防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは、0.001〜10質量%、より好ましくは、0.1〜5質量%である。
本発明のインク原液のpHは4.0〜10.0が好ましくは、5.5〜9.5が更に好ましく、7〜9.5が特に好ましい。
pH調整剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機塩基等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)、炭酸水素カリウム、、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の有機塩基、安息香酸リチウムやフタル酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩を使用することも可能である。
酸性化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸、酒石酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サッカリン酸、フタル酸、ピコリン酸、キノリン酸等の有機化合物を使用することもできる。
インク原液は、染料が水溶性である場合には、水性媒体に溶解して調製し、染料が油溶性である場合には、親油性媒体および/または水性媒体に溶解および/または分散させて調製することが好ましい。水性媒体とは、水を主体に含む溶媒であり、所望により水混和性有機溶剤等の有機溶媒が含まれる。親油性媒体とは、有機溶媒を主体とするものである。
本発明のインク原液の用途は、特に制限はないが、インクジェット用に用いることが好ましい。
本発明のインク原液の製造方法としては、インク原液を作製する際に、染料を水に添加して溶解させた後に、平面状化合物を添加して粘度を調節する工程を含むことが好ましい。
このインク原液の製造方法は、まず染料水溶液(所望により染料以外の成分を含む)を調製した後に、平面状化合物を添加してインク原液の粘度を低下させる方法を挙げることができる。この平面状化合物の添加は、染料水溶液に平面状化合物を一様に溶解したものの粘度を定性的乃至定量的に測定しつつ行ってもよいし、予め添加量を決めて染料水溶液に添加してもよい。このインク原液の製造方法では、平面状化合物を添加して粘度を調節する工程が最終工程であることが好ましいが、この工程と同時またはこの工程の後で他の成分を添加する工程や濾過工程を設けるようにしてもよい。
なお、染料水溶液を調製するときには、加熱することが好ましい。加熱温度は、30〜80℃が好ましく、35〜70℃が更に好ましい。
本発明のインク原液の他の製造方法として、インク原液を作製する際に、少なくとも染料、水、平面状化合物が共存する状態でそれらを溶解する工程を含むことを挙げることができる。
上記少なくとも染料、水、平面状化合物が共存する状態でそれらを溶解する工程は、染料を水に溶解する段階で、同時に平面状化合物、所望によりその他の成分を同時に溶解する工程であって、通常、インク原液の調製の初期工程で用いることが好ましい。この初期工程は最終工程(後述の濾過工程を行う場合はその前段階)であることが好ましいが、他の成分を添加する工程をこの工程の後又は前に設けてもよい。
なお、この後者の製法においても、染料等を溶解する場合に最初の製法と同様に加熱してもよい。
上記本発明のインク原液の2つの製法は、水溶液染料についてであるが、同様な技術思想を油溶性染料についても当てはめることが可能である。
本発明のインク組成物は、上記インク原液を用いて作製されたものである。インク組成物は水性媒体中に上記インク原液を溶解または分散させることによって作製することができる。水性媒体とは水又は水と水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて界面活性剤、湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。インク組成物の調製方法については、特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
インク組成物の好ましい粘度は、1〜20mPa・sである。インクジェット記録用インクとして用いられる場合は1〜15mPa・sが更に好ましく、1〜10mPa・sが特に好ましい。
本発明のインク組成物の用途は、特に制限されるべきものではなく、インクジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維の染色のための染色液などの調製に好ましく用いることができるが、特にインクジェット記録用インク組成物が好ましい。
本発明のインク組成物を製造するには、上記インク原液が用いられる。
本発明のインク組成物は、シアンインク組成物が好適であるが、シアンインク組成物に制限されるべきものではなく、他の染料あるいは顔料との混合により任意の色のインク組成物を包含することができる。
本発明のインク組成物の製造は、少なくともインク原液を用いて上記粘度範囲の所望のインク組成物を作製する工程(以下、調液工程ともいう)を含む。
調液工程とは、上記のようにして得られたインク原液を特定の粘度を有し、かつ所望の用途のインク組成物に調液する工程であり、最終製品であってもよいし、中間製品であってもよい。この調液工程にはインク原液を媒体、好ましくは水性媒体で希釈する工程が少なくとも含まれる。油溶性染料を含むインク原液は、この希釈工程で使用する媒体に特に制限はないが、水性媒体中に乳化分散され、水性インク組成物として調製されることが好ましい。当該媒体には、必要な濃度の各種成分が含まれていてもよいし、当該成分を別途インク原液に添加するようにしてもよいし、それら両者を組みあわせてもよい。
本発明により製造されたインク組成物は、染料濃度が高濃度なインク原液を用いて製造されたために通常の方法で製造されたインク組成物よりも染料の溶解性が向上し、ひいてはインクジェット記録等において吐出安定性が向上する。
本発明のインク組成物は、全染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
インク原液を作製する際には、濾過により固形分であるゴミを除く工程(濾過工程)を加えることが好ましい。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料のインク原液の場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたジャケット型のフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりジャケットを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
本発明では、平面状化合物を用いているために上記濾過処理を抵抗なく行うことができるが、平面状化合物を用いないと濾過処理の速度が極めて遅くなる。
インク原液を作製する工程や調液工程において、染料やその他の成分を溶解する方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
次に、本発明のインク原液及びインク組成物に用いられる染料につい説明する。この染料としては、特に制限はないが、会合性の染料(以下、該会合性の染料等本発明に用いられる染料を総称して本発明用染料ともいう)が好ましい。本発明は、会合性の染料を少なくとも1種含むことが好ましいが、他の染料および/または顔料を併用してもよい。
なお、本明細書において使用される「置換アルキル基」等に用いる「置換」とは、「アルキル基」等に存在する水素原子が特定の置換基で置換されていることを示す。「置換基を有するアルキル基」等も上記置換アルキル基等と同義である。また、「置換されていてもよいアルキル基」とは、通常の(無置換の)アルキル基及び上記置換アルキル基を含むことを意味し、他の置換されていてもよい複素環基等についても上記と同様である。
本発明用染料である会合性の染料としては、特開2004−83903号、同2003−277662号、同2003−277661号(以上イエロー)、同2003−339381、WO−2002/83662号、WO−83795号(以上マゼンタ)、特開2004−315758号、同2004−315807号、同2004−323605号、2004−331871号(以上シアン)、同2004−115620号、同2004−331699号(以上ブラック)等が挙げられる。本発明では特に会合性基を有するフタロシアニン染料が好ましい。以下、この会合性基を有するフタロシアニン染料について説明する。この会合性基とは、その基中に少なくとも分子間で水素結合が可能な結合部位(あるいは官能基)を少なくとも有する基を意味する。該結合部位は、1基中に1以上含有することができる。結合部位としては、水酸基、アミノ基、アミド結合、オキシド結合等が挙げられ、同一種もしくは異種間で水素結合が形成される。なお、会合性基は、フタロシアニン染料と任意の添加剤との間で水素結合が可能であってもよい。
会合性基を有するフタロシアニン染料としては、以下の一般式(C)で表される化合物が好ましい。一般式(C)で表される化合物は、シアン染料であることが好ましい。また、この染料は、下記特性(酸化電位、会合性)の少なくとも1つを有していることが好ましく、全ての特性を有していることが更に好ましい。
Figure 2006249329
一般式(C)中、X1〜X4およびY1〜Y4は、それぞれ独立に、炭素原子あるいは窒素原子を表す。好ましくは炭素原子である。X1とY1、X2とY2、X3とY3、およびX4とY4は、それぞれ同時に窒素原子となることはない。A1〜A4は、それぞれ独立に、X1〜X4およびY1〜Y4と共に芳香族環あるいは複素環(更に他の環と縮合環を形成しても良い)を形成するのに必要な原子群を表す。形成される複素環は含窒素6員環が好ましい。A1〜A4は置換基を有してもよい。A1〜A4のうち少なくとも1つは、あるいはA1〜A4の置換基のうち少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。
Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
前記一般式(C)で表されるフタロシアニン染料の中でも、下記一般式(C−a)で表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。
Figure 2006249329
一般式(C−a)中、Q1〜Q4、P1〜P4、W1〜W4、R1〜R4は、それぞれ独立に、(=C(J1)−及びまたは−N=)、(=C(J2)−及びまたは−N=)、(=C(J3)−及びまたは−N=)、(=C(J4)−及びまたは−N=)を表す。J1〜J4はそれぞれ独立に、水素原子及びまたは置換基を表す。(Q1、P1、W1、R1)、(Q2、P2、W2、R2)、(Q3、P3、W3、R3)、(Q4、P4、W4、R4)から成る環{A環:(A)、B環:(B)、C環:(C)、D環:(D)}の4つのうち、少なくとも1つは芳香族環であることが好ましく、2つ以上が芳香族環であるものが更に好ましい。A環、B環、C環、D環の任意の環が複素環となる場合には、ピリジン環もしくはピラジン環が好ましい。J1〜J4が置換基である場合には、電子求引性の置換基が好ましく、更にJ1〜J4のうち少なくとも1つは、あるいはJ1〜J4が有する置換基のうち少なくとも1つは溶解性を付与する置換基(染料が水溶性の場合にはイオン性親水性基、油溶性の場合には疎水性基)を有する。Mは、一般式(C)の場合と同義である。
一般式(C−a)において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族環である場合には、下記一般式(C−b)であることが好ましい。
Figure 2006249329
一般式(C−b)中、*はこの位置で結合してフタロシアニン骨格を形成することを表す。本明細書では、上記ベンゼン環の中で*から近い側をα位、遠い側をβ位と呼ぶが、一般式(C−b)は、Gの置換位置がα位、β位のいずれかに特定されないことを表す。Gは−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV12 、−CONV12、−CO2Z、−COZ、またはスルホ基を表す。tは、1〜4の整数を表す。一般式(C−b)のなかでも、好ましいものは、Gが−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV12 、−CONV12、−CO2Z、またはスルホ
基の場合であり、特に好ましいものは、Gが−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV12 の場合であり、最も好ましいものは、Gが−SO2−Zの場合である。tは、1または2であることが好ましく、1が最も好ましい。
Zは、同一または異なっていても良く、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基を表す(これらの基は、置換基により置換されていてもよい)。Z1は、好ましくは、アルキル基、アリール基、複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。
1、V2は、同一または異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基を表す(これらの基は、置換基により置換されていてもよい)。Z2は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基であり、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。
一般式(C−a)において、A環、B環、C環、D環の任意の環が芳香族環である場合には、少なくとも1つの芳香族環が下記一般式(C−c)であることが特に好ましい。一般式(C−c)はGの置換位置がβ位であることを表す。
Figure 2006249329
一般式(C−c)中、*はこの位置で結合してフタロシアニン骨格を形成することを表す。Gは一般式(C−b)と同義であり、好ましいものも、特に好ましいもの、最も好ましいものも同じである。t1は、1または2であり、1が最も好ましい。中でも全ての芳香族環が一般式(C−c)であることが特に好ましい。
フタロシアニン染料の中でも、特に好ましいものは一般式(C−d)のフタロシアニン
染料である。
Figure 2006249329
前記一般式(C−d)において、G1〜G4は一般式(C−b)のGと同義であり、好ましいものも、特に好ましいもの、最も好ましいものも同じである。Mは、一般式(C)のMと同義である。t11〜t14は1または2を表し、1が最も好ましい。
尚、特開2003−213168号に記載されているように、ベンゼン環上の置換基が線対称の関係にあるフタロニトリル誘導体を原料として調製する場合を除いて、一般にフタロシアニン染料はほとんどの場合単一構造の化合物ではなく、その合成法に由来するところの異なる化学構造をもつ化合物の混合物である。本発明においては、「フタロシアニン染料」は単一構造に混合物をも含めて総称するものである。
ここで、上記一般式(C)から(C−d)で述べた置換基について詳述しておく。
一般式(C)が有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基を挙げる事ができる。これらの基の中でそこに存在する水素原子が、置換基により置換し得る基については、置換されていてもよい。
一般式(C−a)において、J1〜J4として上記置換基を挙げることができるが、中でも好ましい電子求引性基の具体例は、ハロゲン原子、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基を挙げることができる。これらの基の中でそこに存在する水素原子が、置換基により置換し得る基については、置換されていてもよい。
一般式(C−b)から(C−d)において、Z、V1、V2が表すアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換アルキル基の置換基の例については一般式(C)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z、V1、V2が表すシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換シクロアルキル基の置換基の例については一般式(C)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z、V1、V2が表すアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換アルケニル基の置換基の例については一般式(C)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z、V1、V2が表すアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換アラルキル基の置換基の例については一般式(C)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
Z、V1、V2が表すアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換アルール基の置換基の例については一般式(C)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子求引性基が特に好ましい。
Z、V1、V2が表す複素環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。以下にZ1、Z2で表される複素環基を、置換位置を省略して複素環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中でも芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。置換複素基の置換基の例については一般式(C)が有していても良い置換基を挙げることができるが、中でも染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子求引性基が特に好ましい。
一般式(C)で表される化合物が水溶性である場合には、一般式(C)が有していても良い置換基としてイオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。最も好ましいイオン性親水性基はスルホ基のリチウム塩である。
イオン性親水性基の数としては、本発明のフタロシアニン染料1分子中少なくとも2個以上有するものが好ましく、特にスルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが特に好ましい。
一般式(C)で表される化合物が油溶性である場合には、前記一般式(C)が有していても良い置換基として、疎水性基を有することが好ましい。好ましい疎水性基としては、炭素数が4個以上の脂肪族基(アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基)、炭素数が6個以上のアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)及びアシル基を挙げることができる。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
Mとして好ましい物は、水素原子、金属原子としては、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が挙げられる。 また、水酸化物としては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl2、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、FeCl2、GaCl、ZrCl等が挙げられる。
なかでも特に、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
また、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
Lで表される2価の連結基は、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−SO2−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH2−)、およびこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
前記一般式(C)で表される化合物(以下、化合物(C)とも称す)の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
化合物(C)の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のような電子求引性基を、フタロシアニンの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.2以上となるように導入することが好ましい。
ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
化合物(C)の具体例を下記に示すが、本発明に用いられるフタロシアニン染料は、下記の例に限定されるものではない。
水溶性シアン染料としては、以下が挙げられる。
Figure 2006249329
Figure 2006249329
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Figure 2006249329
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油溶性シアン染料としては、以下が挙げられる。
Figure 2006249329
Figure 2006249329
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上記具体例のほか、国際公開特許2002/60994号、同2003/00811号、同2003/62324号、同2004/87815号、同2004/85541号、特開2003-213167号、同2004-075986号、同2004-323605号、同2004-315758号、特願2003-421124号に記載の化合物も好ましいものとして用いることが出来る。化合物(C)は、前述した特許の他、特開2004-315729号、特願2003-411390号、同2004-094413号、同2003-114155号に従って合成することが可能である。また、出発物質、染料中間体及び合成ル−トについてはこれらにより限定されるものでない。
化合物(C)は単独で用いることができるが、その他の染料あるいは顔料を併用してもよく、特にその他のフタロシアニン染料と併用して使用することができる。他の染料を併用する場合は、他の染料の合計が、全染料100質量部中に、0.1質量部以上30質量部以下含有するのが好ましく、0.2質量部以上20質量部以下含有するのがより好ましく、0.5〜15質量部含有するのがさらに好ましい。
また、本発明用染料としては、酸化電位が、1.0V(vs SCE)よりも貴であることが好ましく、1.1V(vs SCE)よりも貴であることがさらに好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴であることが特に好ましい。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New InstrumentalMethods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-2〜1×10-6モル/リットル溶解して、各種ボルタンメトリー(滴下水銀電極を用いるポーラログラフィー、サイクリックボルタンメトリー、回転ディスク電極を用いた方法等)を用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、本発明では、0.1mol/リットルの過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むN,N-ジメチルホルムアミド中 (染料の濃度は0.001mol/リットル)で、参照電極としてSCE(飽和カロメル電極)、作用極としてグラファイト電極、対極として白金電極を使用して測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とした。
Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表し、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、例えば、前記一般式(C)で表される化合物のフタロシアニン骨格の炭素原子を部分的にヘテロ原子に置換したり、電子吸引性基をフタロシアニン骨格に導入して、酸化電位をより貴とすることが望ましい。
また、本発明用染料としては、以下の会合性評価方法でε1/ε2が1.05以上が好ましく、1.1〜2.0が更に好ましく、1.2〜1.5が特に好ましい。
染料の会合性評価方法
染料の会合性は次のようにして評価出来る。0.01mmol/Lの染料溶液を光路長1cmのセルを使用して測定した時の、溶液吸収スペクトルの分子吸光係数(ε1)と、20mmol/Lの染料溶液を光路長5μmのセルを使用して測定したときの、溶液吸収スペクトルの分子吸光係数(ε2)との比、ε1/ε2が、染料の会合性の指標となる。この数値が大きい程、染料は会合をし易い。この値が1.05以上である染料は、染料の会合により、耐オゾン性、耐光性に優れた性能を示す。
上記、染料溶液に用いる溶媒は、染料が水溶性であれば、脱イオン水等の比抵抗値が18MΩ・cm以上の超純水を用い、染料が油溶性であれば、均一溶液とする場合は、染料が可溶な有機溶媒を用いるか、又は水溶性染料の場合と同様の超純水中への分散物、又は乳化物として測定を行う。
本発明のインク原液および/またはインク組成物は、上述したように染料及び平面状化合物以外のその他の成分、例えば界面活性剤、水混和性有機溶剤などを含有することができる。
界面活性剤は、インクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えばベタイン化合物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤やベタイン化合物が好ましく使用される。
界面活性剤の含有量は本発明のインク組成物に対して0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
本発明において用いることができる水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。
さらに本発明は、上記成分に加えて更に滲み防止剤、消泡剤、ブロンズ改良剤、キレート剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、分散剤、防錆剤等からなる群から選択される添加剤の1種以上を含有することができる。本発明は、これらを適宜選択して適量使用することができる。既述の成分及びこれら添加剤は一種の化合物で一つ又は二つ以上の機能を発揮し得るものも含む。従って、これらの添加剤の配合割合において、機能が重複する場合の添加剤成分の取り扱いは、その化合物を各機能性成分に独立に算入させるものとする。
本発明は、その画像耐久性の高さから、種々の画像記録に使用することが可能である。イメージング用の染料としては、例えば写真感光材料への利用、熱転写材料への利用、感熱・感圧記録材料への利用、インクジェット記録への利用など種々の利用、応用が可能であるが、中でも好ましくは、インクジェット記録用としての利用が適している。
染料を適宜選択して調製したインク原液から得られる、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各々のインク組成物は、フルカラーの画像を得るためのインクセットを構成することができる。あるいは、該インク組成物は、インクセットの一部を構成することができる。すなわち、インクセットを構成するために本発明以外の任意のインク組成物と本発明のインク組成物とを組み合わせても良い。
本発明におけるインクセットに用いることのできる染料としては、各々任意のものを使用する事が出来るが、例えば特開2003−306623号公報の段落番号0090〜0092に記載の各染料が利用できる。
[記録方法]
本発明のインク組成物またはインクセットを用いた記録方法に制限はないが、インクジェット記録方法に用いることが好ましい。
インクジェット記録方法は、インク組成物にエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。受像材料としては支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料が好ましい。なお、インクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特開2002−166638号、特開2002−121440号、特開2002−154201号、特開2002−144696号、特開2002−080759号、特願2000−299465号、特願2000−297365号に記載された方法を好ましく用いることができる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを、媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明は、前述のようにカラー画像形成のためにそれを含むインクセットとしてもよい。本発明においては、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(インク原液Aの作製)
前記のシアン染料(C−18)150gに超純水(18MΩ以上)830gを加えて、65〜70℃で加熱しながら1時間撹拌した。染料が完全に溶解した後、室温まで冷却し、防腐剤PROXEL XL2(アベシア社)を1.0g添加した。10分間攪拌の後、重炭酸カリウムを添加して、pHを8.3に調節した。次に、前記平面状化合物(P−3)を20g添加して10分間攪拌したのち、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過してインクジェット用インク原液Aを作製した。
(インク原液Bの作製)
なお、実施例1において平面状化合物の添加量を5質量%とした以外は、実施例1と同様に処理して、インクジェット用インク原液Bを作製した。
(インク原液C〜Eの作製)
平面状化合物(P−3)のかわりに表11に示したそれぞれの化合物を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、インクジェット用インク原液C〜Eを作製した。
(インク原液Fの作製)
平面状化合物(P−3)のかわりに超純水を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、インクジェット用インク原液Fを作製した。
得られたインク原液の粘度を以下により測定した結果を表11に示す。
(粘度の測定)
インク原液4ccを、23℃50%の条件下で、山一エレクトロニクス社製振動式粘度計VM−1Gを用いて粘度を測定した。
Figure 2006249329
表1から、本発明のインクジェット用インク原液は、平面状化合物による粘度低下効果が大きい事が明らかであり、取り扱い性に優れたインク原液であることが分かる。また、この平面状化合物は、本発明のインクジェット用インク原液に用いても何ら問題なくインクジェット用インク組成物を作製する事が可能である。
(実施例2)
(インクジェット用ライトシアンインクGの作製)
染料C−18 1.7g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.0g
グリセリン 10.0g
トリエチレングリコール 4.0g
1,2−ヘキサンジオール 3.4g
サーフィノール465 1.0g
(界面活性剤 エアープロダクツジャパン製)
トリエタノールアミン 0.3g
尿素 2.5g
に超純水を加えて合計100gとし、60〜65℃で加熱しながら1時間撹拌した。染料が完全に溶解した後、室温まで冷却し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過してインクジェット用ライトシアンインクGを作製した。
前記方法で粘度を測定したところ4.6mPa・sであった。
(インクジェット用ライトシアンインクHの作製)
染料C−18のかわりに、インク原液Aを11.3g用いた以外は、ライトシアンインクGと同様にして、インクジェット用ライトシアンインクHを作製した。前記方法で粘度を測定したところ4.5mPa・sであった。
(印字サンプルの作製)
インクジェット用ライトシアンインクG及びHを、インクジェットプリンターPM-G800(セイコーエプソン(株)製)のライトシアン用カートリッジに詰め、同機にてセイコーエプソン(株)製インクジェットペーパー写真用紙(光沢)に画像を印刷し、以下の評価を行った。また、比較にPM-G800のライトシアンインクカートリッジを使用した。
<印刷性能>カートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのインクの吐出を確認した後、A4 50枚出力し、印字の乱れを評価した。この実験を、インク充填直後と、インクカートリッジを60℃にて10日間放置後の条件で行った。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れがある
<結果>
本発明のインクジェット用インク原液を用いたライトシアンインクH、比較のライトシアンインクG及びPM-G800のライトシアンインクともに、セット直後及び10日放置後とも良好な印刷性能を示し、評価結果はAであった。
これらの結果から、本発明のインク原液は何ら問題なくインクジェット用インク組成物を作製する事が可能である。

Claims (10)

  1. 少なくとも染料及び1分子中に10を超える非局在化π電子を有する無色の平面状化合物を含有することを特徴とするインク原液。
  2. 前記染料は下記一般式(C)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載のインク原液。
    Figure 2006249329

    一般式(C)中、X1〜X4およびY1〜Y4は、それぞれ独立に、炭素原子あるいは窒素原子を表す。A1〜A4は、それぞれ独立に、X1〜X4およびY1〜Y4と共に芳香族環あるいは複素環を形成するのに必要な原子群を表す。A1〜A4は置換基を有してもよい。A1〜A4のうち少なくとも1つは、あるいはA1〜A4の置換基のうち少なくとも1つは溶解性を付与する置換基を有する。
    Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
  3. 前記一般式(C)は、一般式(C−d)で表されることを特徴とする請求項2記載のインク原液。
    Figure 2006249329
    一般式(C−d)において、G1〜G4は−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NV12 、−CONV12、−CO2Z、−COZ、またはスルホ基を表す。
    Zは、同一または異なっていても良く、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基を表す。
    1、V2は、同一または異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基を表す。Mは、一般式(C)のMと同義である。t11〜t14は1または2を表す。
  4. 前記平面状化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインク原液。
    一般式(1): A10−X10−L10−(Y10−B10n
    式中、A10,L10,B10は、それぞれ独立に、芳香族基を表し、単環であっても縮合環であってもよい。X10とY10はそれぞれ独立に2価の連結基であって、アルキレン基、アルケニレン基、−CO−、−SOm−、−NR−、−O−、およびこれらの連結基を組み合わせた2価の基である。mは0、1、又は2を表し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。nは0もしくは1を表す。但し、一般式(1)で表される化合物は、スルホ基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、およびホスホノ基から選ばれるイオン性親水性基を少なくとも1つ含有する。
  5. 前記染料濃度が10質量%以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインク原液。
  6. 前記平面状化合物の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のインク原液。
  7. 粘度が1〜10mPa・sであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のインク原液。
  8. 防腐剤を含有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のインク原液。
  9. pH調節剤を含有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のインク原液。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載のインク原液を用いて作製されることを特徴とするインク組成物。
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