JP2006056916A - インク組成物、インクジェット用インク及びインクジェット用インクセット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 着色剤、並びにアミン性窒素原子を含む基及びホスホン酸またはリン酸構造を含む基を有するベタイン型化合物を含有するインク組成物。
【選択図】 なし
Description
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。これまで、良好な色相を有し、堅牢な染料について検討を進め、インクジェット用着色剤として優れたものの開発を進めてきた。しかしながら、オゾン堅牢性、光堅牢性の部分で、銀塩写真に比べると大きく劣っていることがわかり、更なる改良が要求されている。
国際公開第03/066756号パンフレットにはベタイン系界面活性剤のアニオン性の部位としてリン酸基及びホスホン酸基が記載されている。しかしながら、該パンフレットにはそれらの酸基を有する界面活性剤は全く開示されていない。しかも、該パンフレットにおける主要染料は500〜580nmに分光吸収極大を有するアゾ染料及び水溶性フタロシアニン染料であり、これらの染料使用時に画像のにじみを改良する効果を狙ったものである。
(1) 着色剤、並びにアミン性窒素原子を含む基及びホスホン酸またはリン酸構造を含む基を有するベタイン型化合物を含有することを特徴とするインク組成物。
(2) 前記ベタイン型化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、更に水、水混和性有機溶媒を含有することを特徴とする(1)記載のインク組成物。
一般式(1):Z−R−Q
式中、Zはアミン性窒素原子を含む基を表す。Qはホスホン酸またはリン酸構造を含む基を表す。Rは単結合または連結基を表す。
(3) 前記ベタイン型化合物が炭素数8以上の油溶性基を含むことを特徴とする(1)または(2)記載のインク組成物。
(4) 前記着色剤が染料であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のインク組成物。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット用インク。
(6) (5)記載のインクを少なくとも1つ含むことを特徴とするインクジェット用インクセット。
本発明のインク組成物(好ましくはインクジェット用インク)は、アミン性窒素原子を含む基及びホスホン酸またはリン酸構造を含む基を含有するベタイン型の化合物を含有するという特徴を有する。ただしベタイン型化合物の中でも、前掲の一般式(1)で表される化合物が本発明では好ましく用られる。式中、Zはアミン性窒素原子を含む基を表す。
[2]ヒドラジン、セミカルバジド、チオセミカルバジド、スルホヒドラジド、ホスホヒドラジド等のヒドラジン性窒素原子
[3]ヒドロキシルアミン、カルボニルオキシアミン等のヒドロキシルアミン性窒素原子
[4]ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾールやその縮合多環ヘテロ芳香族に含まれる5員ヘテロ芳香族環中の、ローンペアが共役系に属さない窒素原子
[5]ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン環等の6員へテロ芳香族環に含まれる窒素原子
[6]アミジン、グアニジン等に含まれる、イミノ基と共役した窒素原子
ホスホン酸またはリン酸構造を含む基とは、ホスホン酸またはリン酸から水素原子を除いた部分からなる基であり、該基中のOH基がアルキル基、アリール基等で置換された構造であってもよい。従って、ベタイン型化合物は係る基が連結基を通してまたは直接にアミン性窒素原子を含む基と結合している。
ホスホン酸の種類としては、アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、ジアルキルホスホン酸、ジアリールホスホン酸など種々のものが使用できる。リン酸としては、3価の亜リン酸、5価のリン酸のいずれでもよく、その一部がエステル化されていてもよい。Rは単結合または連結基を表す。
2価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基を基本的な構成単位として含む2価の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。上記連結基には種々の置換基が置換可能である。
係る置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。
上記油溶化基はさまざまな形態のものが使用できる。たとえばアルキル基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数1ないし20の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数6ないし20の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数2ないし20の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)。を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。この中で特に好ましくはアルキル基である。
ポリマーの場合、水溶性ポリマーがもっとも好ましく、重量平均分子量は1000〜1000000、好ましくは5000〜100000である。
適用できるイエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。例えば、特願2003−362335号に記載の染料が用いられる。
適用できるマゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラジンのようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;アントラピリドン染料をあげることができる。例えば、特願2003−309137号に記載の染料が用いられる。
適用できるブラック色調インクとしては、任意のものを使用することができる。例えば、特願2003−432210号、同2004−168046号等に記載の黒インク組成物が好ましく使用できる。
本発明のインク組成物は染料を水もしくは水混和性有機溶媒に溶解及び/又は分散してなるインク組成物が好ましい。中でも水溶性染料による水溶液タイプのインク組成物であることが好ましい。
これらの水混和性有機溶剤は、総量でインク組成物中に5〜60質量%含有することが好ましく、特に好ましくは10〜45質量%である。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の有機塩基を使用することも可能である。
酸性化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸、酒石酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サッカリン酸、フタル酸、ピコリン酸、キノリン酸等の有機化合物を使用することもできる。
伝導度の測定方法は、市販の飽和塩化カリウムを用いた電極法により測定可能である。
伝導度は主に水系溶液中のイオン濃度によってコントロール可能である。塩濃度が高い場合、限外濾過膜などを用いて脱塩することができる。また、塩等を加えて伝導度調節する場合、種々の有機物塩や無機物塩を添加することにより調節することができる。
無機物塩としては、ハロゲン化物カリウム、ハロゲン化物ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウム、ホウ酸、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、サッカリン酸カリウム、フタル酸カリウム、ピコリン酸ナトリウム等の有機化合物を使用することもできる。
また、後述される水性媒体の成分を選定することによっても伝導度を調整し得る。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されている。
表面張力を調整する目的で、前記カチオン、アニオン、ノニオン系並びにベタイン系の各種界面活性剤を添加することができる。また、界面活性剤は2種以上を併用することができる。
ガラスまたは白金の薄い板を液体中に一部分浸して垂直に吊るすと、液体と板との接する長さに沿って液体の表面張力が下向きに働く。この力を上向きの力で釣り合わせて表面張力を測定することが出来る。
ここで、不揮発性成分とは、1気圧のもとでの沸点が150℃以上の液体や固体成分、高分子量成分(本発明の重合体を含む)を意味する。インク組成物の不揮発性成分は、染料、高沸点溶媒、必要により添加されるポリマーラテックス、界面活性剤、染料安定化剤、防黴剤、緩衝剤などであり、これら不揮発性成分の多くは、本発明の重合体や染料安定化剤以外ではインク組成物の分散安定性を低下させ、また印字後にも受像材料上に存在するため、受像紙材料の染料の会合による安定化を阻害し、画像部の各種堅牢性や高湿度条件下での画像の滲みを悪化させる性質を有している。
また、ポリマーラテックスとしては、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−アクリルラテックスやポリウレタンラテックスなどが挙げられる。さらに、ポリマーエマルジョンとしては、アクリルエマルジョンなどが挙げられる。
これらの水溶性高分子化合物は単独でも2種以上併用して用いることもできる。
粘度調整剤の高分子化合物の添加量は、添加する化合物の分子量にもよるが(高分子量のものほど添加量は少なくて済む)、インク組成物全量に対して添加量を0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
この粘度調整剤の高分子化合物は、本発明の重合体であることができるが、本発明の重合体とは別のものであってもよい。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。受像材料としては支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受容層を有する受像材料が好ましい。なお、本発明のインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(固形分)
マゼンタ染料 (MD-1) 10g/l
尿素 17g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 110g/l
グリセリン(GR) 150g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 120g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW)(日信化学製) 10g/l
さらに上記処方でマゼンタ染料を増量したマゼンタ用インク液 M-101を調製した〔マゼンタインク M-101処方〕
(固形分)
マゼンタ染料 (MD-1) 30g/l
尿素 37g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 120g/l
グリセリン(GR) 150g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 130g/l
トリエタノールアミン 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW)(日信化学製) 10g/l
LM-101とM-101に対して、下記の通りに添加物を加えた以外は全く同じ組成のインクLM-102〜108、M-102〜108をそれぞれ作製した。
[1]光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX-rite 310にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を25日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。
染料残像率について反射濃度が1,1.5,2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が70%以上の場合をA、2点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。
[2]熱堅牢性については、80℃70%RHの条件下に10日間、試料を保存する前後での濃度を、X-rite 310にて測定し染料残存率を求め評価した。染料残像率について反射濃度が1,1.5,2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が90%以上の場合をA、2点が90%未満の場合をB、全ての濃度で90%未満の場合をCとした。
[3]耐オゾン性については、前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に5日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも染料残存率が80%以上の場合をA、1又は2点が80%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
(固形分)
マゼンタ染料 (MD-1) 7g/l
尿素 22g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 100g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 50g/l
1,5-ペンタンジオール 40g/l
イソプロパノール 20g/l
トリエタノールアミン(TEA) 8g/l
サーフィノールSTG(SW) (日信化学製) 10g/l
さらに上記処方でマゼンタ染料を増量したマゼンタ用インク液 M-201を調製した。
(固形分)
マゼンタ染料 (MD-1) 24g/l
尿素 37g/l
(液体成分)
トリエチレングリコール(TEG) 40g/l
グリセリン(GR) 110g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TGB) 50g/l
1,5-ペンタンジオール 50g/l
イソプロパノール 20g/l
トリエタノールアミン 6.9g/l
サーフィノールSTG(SW) (日信化学製) 10g/l
LM-201とM-201に対して、下記の通りに添加物を加えた以外は全く同じ組成のインクLM-202〜208、M-202〜208をそれぞれ作製した。
結果を以下に示す。
Claims (5)
- 着色剤、並びにアミン性窒素原子を含む基及びホスホン酸またはリン酸構造を含む基を有するベタイン型化合物を含有することを特徴とするインク組成物。
- 前記ベタイン型化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、更に水、水混和性有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1記載のインク組成物。
一般式(1):Z−R−Q
式中、Zはアミン性窒素原子を含む基を表す。Qはホスホン酸またはリン酸構造を含む基を表す。Rは単結合または連結基を表す。 - 前記ベタイン型化合物が炭素数8以上の油溶性基を含むことを特徴とする請求項1または2記載のインク組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット用インク。
- 請求項4記載のインクを少なくとも1つ含むことを特徴とするインクジェット用インクセット。
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