JP4429043B2 - インクジェット用インクセットならびにインクジェット記録方法 - Google Patents
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- C09D11/00—Inks
- C09D11/30—Inkjet printing inks
- C09D11/40—Ink-sets specially adapted for multi-colour inkjet printing
Description
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
発明者は、このにじみ現象を克服するために、ベタイン化合物の利用が有効であることを見出した。
しかしながら、ベタイン化合物を使用したインクがある場合、インクセットにおいて他のインクに含まれる界面活性剤の種類によってはにじみは改良されるが、色が混合した高濃度部での色材の析出が起こり、ブロンズ光沢の画像が生成したり、ビーディング現象が起きやすくなったりすることがわかってきた。
1)少なくとも2種のインクからなるインクジェット用インクセットにおいて、少なくとも1つのインクにベタイン化合物を含有し、少なくとも1つの前記とは別のインクにノニオン界面活性剤を含有し、且つ前記インクセット中の全てのインクは、前記ベタイン化合物又はノニオン界面活性剤のいずれかと、イオン性親水性基を分子中に2個以上有し水溶性であるフタロシアニン染料又はイオン性親水性基を分子中に有し水溶性であるアゾ染料のいずれかを含み、且つ前記ベタイン化合物が下記一般式(5)又は一般式(6)で表される化合物であることを特徴とするインクジェット用インクセット。ベタイン化合物を含有するインク中には実質的にノニオン界面活性剤を含まない、かつポリマー微粒子を含まない。インクセット中の全てのインクに実質的にアニオン性界面活性剤を含まないことが好ましい。
(一般式(5)中、R 1B 〜R 3B は、置換されていてもよい炭素数1ないし20のアルキル基であり、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。Lはアルキレン基又はアリーレン基である。R 1B 〜R 3B もしくはLには炭素数1〜20のアルキル基が置換可能であり、また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、R 1B 〜R 3B もしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。R 1B 〜R 3B もしくはL中の少なくとも1つに、炭素数8以上の基を含有する。)
一般式(6)
(R) p1 −N−[L−(COOM 1 ) q ] r1
(一般式(6)式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Lはアルキレン基またはアリーレン基を表す。qは1以上の整数を表す。p1は0以上3以下の整数を表し、r1は1以上3以下の整数を表す。M 1 はアルカリ金属カチオンまたは水素原子である。但し、p1+r1は3である。p1が2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。)
2)該ノニオン界面活性剤が下記一般式(2)〜(4)の各式で表される化合物の少なくともいずれかであることを特徴とする、前記1)記載のインクジェット用インクセット。
の平均付加モル数を表し、2〜40である。
の平均付加モル数を表し、2〜40である。
ここで、m3=0のときR33は水素原子を表し、m4=0のときR36は水素原子を表す。またXが水素原子のときm3は1〜100を表す。
3)各インクにおけるベタイン化合物の添加量は、インク組成物中0.001〜50質量%であることを特徴とする、前記1)又は2)記載のインクジェット用インクセット。
4)各インクにおけるベタイン化合物の添加量は、インク組成物中0.01〜20質量%であることを特徴とする、前記3)記載のインクジェット用インクセット。
5)各インクにおけるノニオン系界面活性剤の添加量は、インク組成物中0.001〜50質量%であることを特徴とする、前記1)又は2)記載のインクジェット用インクセット。
6)各インクにおけるノニオン系界面活性剤の添加量は、インク組成物0.01〜20質量%であることを特徴とする、前記5)記載のインクジェット用インクセット。
7)前記1)〜6)のいずれかに記載のインクジェット用インクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
なお、本発明は、上記1)〜7)に関するものであるが、本明細書には、参考のためにその他の事項も記載する。
本発明のインクジェット用インクセットは、インクのうち少なくとも1つにベタイン化合物を含有し、他のインクの少なくとも1つにノニオン界面活性剤(好ましくは及びベタイン化合物)を含有するという特徴を有する。
ここで言うベタイン化合物は、分子中にカチオン性の部位とアニオン性の部位を両方とも有する化合物と定義する。該化合物の中でも界面活性を有する化合物が好ましい。カチオン性の部位としてはアミン性の窒素原子、ヘテロ芳香族環の窒素原子、リン原子などを挙げることができる。この中で好ましくはアミン性の窒素原子もしくはヘテロ芳香族環の窒素原子である。中でも特に第4級の窒素原子であることが好ましい。アニオン性の部位としては、水酸基、チオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシル基、イミド基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。この中でも特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。界面活性剤分子全体としての荷電は、カチオン、アニオン、中性のいずれでもよいが、好ましくは中性である。
中でも本発明に用いるベタイン化合物は、前記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、本発明に使用するベタイン化合物としては、前記一般式(1)で表される化合物の中でも、特に下記一般式(5)または(6)で表される化合物が好ましく用いられる。
アリーレン基を基本的な構成単位として含む2価の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。R1B〜R3BもしくはLには
種々の置換基が置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルスルフィニル、フェニルスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な
場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、R1B〜R3BもしくはLを介して、
ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
に、炭素数8以上の基を含有する。中でも特に、R1B〜R3Bに長鎖アルキル基が含有されるものが好ましい。
(R)p1−N−[L−(COOM1)q]r1
式中、R、L、qは一般式(1)におけると同義ある。p1は0以上3以下(好ましくは2以下)の整数を表し、r1は1以上3以下(好ましくは2以下)の整数を表す。M1 はアルカリ金属カチオンまたは水素原子である。但し、p1+r1は3である。p1が2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。
式中、Rは水素原子、アルキル基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数1ないし20の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数6ないし20の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数2ないし20の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。この中で特に好ましくはアルキル基である。
7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルスルフィニル、フェニルスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、RもしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
イオン、テトラエチルンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、メチルピリジニウムイオン、ベンジルピリジニウムイオン等。)を表す。中でも特にアルカリ金属カチオンもしくは水素原子が好ましい。
も異なっていてもよい。pが2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。
R−N−(L−COOM1)2
アルキル基が好ましく、Lはアルキレン基であることが好ましい。
る。
ノニオン系界面活性剤とは、極性基としてイオン性の基を含まない界面活性剤を表す。この界面活性剤に含まれる水溶化基としては、ポリエーテル基が一般的に用いられる。ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤が一般的であり、このアルキルもしくはアリールエーテル誘導体が一般的に使用される。
中でも特に、前記一般式(2)〜(4)で表される化合物が好ましく使用される。
0であり、特に好ましくは3〜20である。
R22で表されるアルキル基に置換可能な基としては、アリール基(例えばフェニル、o−トリル、p−トリル、p−t−ブチルフェニル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。R22で表されるアルキル基の具体例としては、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル
、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−オクタデシル、2−エチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−n−ブチルヘプチル、1−n−ヘキシルノニル、1−n−ヘプチルデシル、1−n−オクチルドデシル、1−n−デシルテトラデシル、6−メトキシヘキシル、2−フェニルエチル等を挙げることができる。
あり、特に好ましくは4〜20である。
界面活性剤は、インクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れたインク組成物が得られるが、本発明の一般式(4)で表される界面活性剤を含有させることで、さらに、泡立ちが少なく、有機溶媒によるヘッドや部材への浸食を抑えたインク組成物を得ることができる。
一般式(4)
さらに詳しく説明すると、R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等)を表し、置換されていてもよい。置換基の例としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。このうち、R31、R32としては炭素数1〜12の無置換の直鎖アルキル基もしくは無置換の分岐アルキル基が好ましく、その特に好ましい具体的としてはメチル、エチル、n−ブチル、2−メチルブチル、2,4−ジメチルペンチル等を挙げることができる。
R33のアルキル基の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、フェニル基を挙げることができる。R23のフェニル基の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)等を挙げることができる。R33のうち好ましいのは、水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましいのは水素原子である。
しい具体例は上記のR33と同じ群から選ばれる置換基や具体例である。
m3、m4はそれぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、m3+m4 は0〜10
0、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜40である。
ここで、m3=0の時R33は水素原子を表し、m4=0の時R36は水素原子を表す。またXが水素原子を表す時、m3は1〜100を表し、好ましくは1〜50、特に好ましくは
1〜40を表す。
消泡剤としては、プルロニック系消泡剤(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン型消泡剤)、やシリコーン型消泡剤など、種々のものを使用することができる。
水溶性染料としては特開2002−371214号公報に記載のマゼンタ染料、国際公開第02/060994号、国際公開第03/062324号に記載のフタロシアニン染料に記載の染料を用いることが好ましいが、更に、下記に好ましいシアン染料、マゼンタ染料、イエロー染料及びブラック用染料について詳細に説明する。
次にインク物性、コンクインク物性に要求されるのは1)温度、経時に係わらず均一である、2)汚れにくい、3)メデイアへの浸透が良い、4)打滴サイズが均一である、5)紙を選ばない、6)調液しやすい、7)吐出ミスが無く、泡が立ちにくい、泡が消えやすい、8)安定吐出ができる。
画像に関して要求されるのは1)滲み、変色、ピ−デイングがなく綺麗である、2)耐傷性を有している、3)光沢が高く、均一である、4)画像保存性が良く、褪色バランスに優れている、5)乾きが速い、6)高速でプリントされる、7)褪色率に画像濃度依存性が無いことである。
ら流出するCu量はCuイオン換算量が20mg/m2以下の一面シアンベタの画像を形成させ、この画像をオゾン褪色させた後、水中に流出するイオン量を分析した。なお褪色以前は全てのCu化合物は受像材料に固定化されている。水中に流出するイオン量は全染料の20%以下にすることが好ましい。
1)エプソンPM写真用受像紙上でのXe 87000lx[cd sr/m2]でUVフ
ィルターなしの耐光性が3日間で残色率90%以上あるシアンインク。
2)該インク(シアン)単色を用いて、ステータスAフィルターにおけるシアン反射濃度が0.9〜1.1となるように印字した単色部位において、5ppmのオゾン環境に24時間保存した際の色素残存率(褪色後の濃度/初期濃度×100)が60%(好ましくは80%)以上あるシアンインク。
3)2の条件でオゾン褪色させた後、水中に流出するCuイオン量は全染料の20%以下であるシアンインク。
4)特定受像紙に対するインク染み込み量が受像層の上部30%以上まで浸透可能なシアンインク。
一般式(CI)
、−SO2−ZC、−SO2NR1CR2C、スルホ基、−CONR1CR2C、または−CO2R1Cを表す。これらの置換基の中でも、−SO−ZC、−SO2 −ZC、−SO2NR1CR2Cお
よび−CONR1CR2Cが好ましく、特に−SO2−ZCおよび−SO2NR1CR2Cが好まし
く、−SO2−ZCが最も好ましい。ここで、その置換基数を表すa1〜a4のいずれかが2以上の数を表す場合、X1〜X4の内、複数存在するものは同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−ZCであり、かつ各ZCは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが
部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−ZCと−SO2NR1CR2Cを含んでいてもよい。
フタロシアニン染料は堅牢な染料として知られていたが、インクジェット用記録色素として使用した場合、オゾンガスに対する堅牢性に劣ることが知られている。
本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位を1.0V(vs SCE)よりも貴とすることが望ましい。酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)よりも貴であるものがより好ましく、1.15V(vs SCE)より貴であるものが最も好ましい。
Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年技報堂出版社刊)などに記載されている。
具体的には、酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムなどの支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルなどの溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル/リットルの濃度に溶解して、サイクリックボルタンメトリー等を用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、電位を一義的に規定するために、本発明では、0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
このような電位調節をする理由からも、上記一般式(CI)で表されるフタロシアニン染料を用いることは好ましい。
一般式(CI)において、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−ZC
、−SO2−ZC、−SO2NR1CR2C、スルホ基、−CONR1CR2C、または−CO2R1Cを表す。これらの置換基の中でも、−SO−ZC、−SO2 −ZC、−SO2NR1CR2Cお
よび−CONR1CR2Cが好ましく、特に−SO2−ZCおよび−SO2NR1CR2Cが好まし
く、−SO2−ZCが最も好ましい。ここで、その置換基数を表すa1〜a4のいずれかが2以上の数を表す場合、X1〜X4の内、複数存在するものは同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−ZCであり、かつ各ZCは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが
部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−ZCと−SO2NR1CR2Cを含んでいてもよい。
のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。
上記R1C、R2Cは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なかでも、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、および置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、および置換複素環基がさらに好ましい。但し、R1C、R2Cがいずれも水素原子であることは好ましくない。
1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZC、R1C、R2C、Y1、Y2、Y3およびY4
が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。なお、アルキル基の炭素原子数は置換基の炭素原子を含まず、他の基についても同様である。
子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZC、R1C、R2C、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つこ
とが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、およびスルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
R1C、R2CおよびZCが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、炭素原子数
が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZC、R1C、R2C、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも
、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
が7〜30のアラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZC、R1C、R2C、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも
、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
R1C、R2CおよびZCが表す置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素原子数が
6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZC、R1C、R2C、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられ
る。なかでも、染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子吸引性基が特に好ましい。電子吸引性基としては、ハメットの置換基定数σp値が正のものが挙げられる。なかでも、ハロゲン原子、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、
スルホ基、4級アンモニウム基が好ましく、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が更に好ましい。
それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。以下にR1C、R2CおよびZCで表される複素環基を、置換位置を省略して複素
環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。なかでも、芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述のZC、R1C、R2C、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能
な場合の置換基と同じものが挙げられる。好ましい置換基は前記アリール基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を挙げる事ができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
ZC、R1C、R2C、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な基であ
るときは、以下に挙げる置換基を更に有してもよい。
−ジ−t−アミルフェニル)、複素環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、複素環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、複素環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、全てが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。なお、a1〜a4およびb1〜b4のいずれかが2以上の整数であるときは、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれかは複数個存在することになり、それらは同一でも異なっていてもよい。
a1とb1は、a1+b1=4の関係を満たす。特に好ましいのは、a1が1または2を表し、b1が3または2を表す組み合わせであり、そのなかでも、a1が1を表し、b1が3を表す組み合わせが最も好ましい。
a1とb1、a1とb1、a1とb1の各組み合わせにおいても、a1とb1の組み合わせと同様の関係であり、好ましい組み合わせも同様である。
Mとして好ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が好ましく挙げられる。 また、水酸化物としては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が好ましく挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiC
l2、VCl、VCl2 、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。な
かでも、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
また、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっ
ても異なるものであってもよい。
前記一般式(CI)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式(CI)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、前記一般式(CII)で表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。
前記一般式(CII)において、X11〜X14、Y11〜Y18は一般式(CI)の中のX1〜
X4、Y1〜Y4とそれぞれ同義であり、好ましい例も同じである。また、M1は一般式(CI)中のMと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(CII)中、a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2の整数であり、好ましくは4≦a11+a12+a13+a14≦6を満たし、特に好ましくはa11=a12=a13=a14=1のときである。
X11、X12、X13およびX14は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−ZCであり、かつ各ZCは異なるものを含む
場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−ZCと−SO2NR1CR2Cを含んでいて
もよい。
X11〜X14としては、それぞれ独立に、−SO−ZC、−SO2−ZC、−SO2 NR1C
R2Cまたは−CONR1CR2Cが好ましく、特に−SO2−ZCまたは−SO2NR1CR2Cが
好ましく、−SO2−ZCが最も好ましい。
ZCは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のア
リール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
ル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
Y11〜Y18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、またはスルホ基であることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、全てが1であることが特に好ましい。
、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、なかでも特に特にCuが最も好ましい。
前記一般式(CII)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
前記一般式(CII)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々
の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるように導入することが好ましい。
前記一般式(CI)で表されるフタロシアニン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基Xn(n=1〜4)およびYm(m=1〜4)の導入位置および導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に平均化して表している場合が多い。本発明では、これらの類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定の混合物が特に好ましいことを見出したものである。すなわち前記一般式(CI)および(CII)で表されるフタロシアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下の三種類に分類して定義する。式(CII)中におけるY11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17、Y18を各々1、4、5、8、9、12、13、16位とする
。
(2)α−位置換型:1およびまたは4位、5およびまたは8位、9およびまたは12位、13およびまたは16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料
(3)α,β−位混合置換型:1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン染料
本明細書中において、構造が異なる(特に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を説明する場合、上記β−位置換型、α−位置換型、α,β−位混合置換型を使用する。
本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
して得られる。
本発明の一般式(CII)で表されるフタロシアニン化合物は、例えば下記式で表されるフタロニトリル誘導体(化合物P)および/またはジイミノイソインドリン誘導体(化合物Q)を一般式(CIII)で表される金属誘導体と反応させるか、或いは下記式で表され
る4-スルホフタロニトリル誘導体(化合物R)と一般式(CIII)で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラスルホフタロシアニン化合物から誘導することができる。
。
M’が表わすカチオンとしては、Li、Na、Kなどのアルカリ金属イオン、またはトリエ
チルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機カチオンなどが挙げられる。
一般式(CIII):M−(Y)d
一般式(CIII)中、Mは前記一般式(CI)および(CII)のMと同義であり、Yは
ハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価または2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。
即ち、上記の合成法に従えば、望みの置換基を特定の数だけ導入することができる。特に本発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く導入したい場合には、上記の合成法は、一般式(CI)のフタロシアニン化合物を合成するための既に述べた方法と比較して極めて優れたものである。
かくして得られる前記一般式(CII)で表されるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換位置における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物、すなわちβ-位置換型となっている。
本発明では、いずれの置換型においても酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴
であることが堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、その効果の大きさは前記先行技術から全く予想することができないものであった。また、原因は詳細には不明であるが、なかでも、α,β-位混合置換型よりはβ-位置換型の方が色相、光堅牢性、オゾンガス耐性等において明らかに優れている傾向にあった。
前記一般式(CI)および(CII)で表されるフタロシアニン染料の具体例(例示化合物I−1〜I−12および101〜190)を下記に示すが、本発明に用いられるフタロシアニン染料は、下記の例に限定されるものではない。
ロシアニン化合物の構造は下記の通りである。
本発明のインクジェット記録用インクは、前記フタロシアニン染料を好ましくは0.2〜20質量%含有し、より好ましくは0.5〜15質量%含有する。
本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体中に、フタロシアニン染料を溶解および/または分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水または水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤(好ましくは溶解助剤または分散助剤としての界面活性剤)、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。
ベタイン化合物を含有するインク中にはポリマー微粒子を含まないことが好ましい。
本発明に用いられる前記フタロシアニン染料は、イオン性親水性基を有し、かつ実質的に水溶性のものが好ましい。実質的に水溶性とは、20℃の水に2質量%以上溶解することを指す。
このアゾ染料の好ましい染料の構造上の特徴の第一は、一般式(複素環A3)−N=N
−(複素環B3)で表される発色団を有する染料であることである。この場合、複素環A3と複素環B3は同一の構造であってもよい。複素環A3及び複素環B3は、具体的には5員
環、または6員環の複素環で、ピラゾ−ル、イミダゾ−ル、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、チアゾ−ル、セレナゾ−ル、ピリドン、ピラジン、ピリミジン、ピリジンから選ばれた複素環である。具体的には特願2000−15853、特開2001−279145[特願2001−15614]、特開平2002−309116号公報,特開2003−012650[特願2001−195014]などに記載されている。
さらに、前記アゾ染料の好ましい構造上の特徴の第二は、アゾ基が、少なくともその一方に芳香族含窒素6員複素環をカップリング成分として直結させたアゾ染料であることで、その具体例は特開2002−371214[特願2001−110457]に記載されている。
構造上の好ましい特徴の第三は、助色団が芳香族環アミノ基または複素環アミノ基の構造を有することであり、具体的にはアニリノ基、ヘテリルアミノ基である。
好ましい構造上の特徴の第四は立体構造を有することである。具体的には特願2002−12015に記載されている。
上記したアゾ染料の好ましい構造上の特徴の中でも、本発明の目的を達する上で最も好ましいのは、下記一般式(MI)で表される染料である。
一般式(MI)
B31およびB32は各々=CR1−、−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR1−または−CR2=を表す。R5およびR6は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
G31、R1およびR2は各々独立して、水素原子または置換基を示し、該置換基は、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5〜6員環を形成しても良い。
前記一般式(MI)の染料について更に詳細に説明する。
一般式(MI)において、A3は5員複素環基を表す。該複素環のヘテロ原子の例には
、N、O、およびSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げる事ができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(f)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましい。
R1、R2と同じ置換基を表す。
一般式(a)から(g)のうち、好ましいのは一般式(a)、(b)で表されるピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で表されるピラゾール環である。
一般式(MI)において、B31およびB32は各々=CR1−および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR1−または−CR2 =を表すが、各々=
CR1−、−CR2=を表すものがより好ましい。
R5およびR6は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
R5、R6は好ましくは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を挙げる事ができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。該各置換基の水素原子は置換されていても良い。ただし、R5およびR6が同時に水素原子であることはない。
環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
G31としては水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、または複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アミノ基(好ましくは、アニリノ基)、またはアシルアミノ基が最も好ましい。該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5〜6員環を形成しても良い。
A3が置換基を有する場合、またはR1、R2、R5、R6またはG31の置換基が更に置換
基を有する場合の置換基としては、上記G31、R1、R2で挙げた置換基を挙げる事ができる。
本発明の一般式(MI)の染料が水溶性染料である場合には、A3、R1、R2 、R5、
R6、G31上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好
ましい。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分はフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、およびアリル基を挙げることがで
きる。
芳香族基の例には、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニル基およびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニル基が含まれる。
アシル基には、置換アシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換アリールアミノ基が含まれる。前記アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換複素環アミノ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
まれる。前記複素環スルホニル基の例には、2−チエニルスルホニル基、3−ピリジルスルホニル基が含まれる。
アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基には、それぞれ置換アルキルスルフィニル基および置換アリールスルフィニル基が含まれる。アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基をあげる事ができる。
R3およびR4は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。中でも水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、または複素環基が特に好ましい。
アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
Z2は水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基
を表す。Z2は好ましくは脂肪族基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基で
ある。
Qは水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくは複素環基を表す。中でもQは5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群からなる基が好ましい。前記5〜8員環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。その中でも特に芳香族基、複素環基が好ましい。好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子または炭素原子が挙げられる。そのような環構造の具体例としては、例えばベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラン環およびチアン環等が挙げられる。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。尚、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。また、本発明の一般式(1a)の中には、ベンゼン誘導体ではない物も含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明において、σp値をこのような意味で使用する。
ハメットσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例
えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、およびヘテロ環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2−ベンゾイミダゾリル)を挙げることができる。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子などが挙げられる。
びR6が共に水素原子であることは無い。G31として好ましくは、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
A3のうち、好ましくはピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジア
ゾール環、ベンゾチアゾール環であり、さらにはピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環である。
B31およびB32がそれぞれ=CR1−、−CR2=であり、R1、R2は各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
ゾ染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
ベタイン化合物を含有するインク中にはポリマー微粒子を含まないことが好ましい。
また、本発明のインクジェット用インク組成物には、前記アゾ染料(マゼンタ色素)とともに他のマゼンタ色素を併用しうる。
併用しうるマゼンタ色素としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ色素(本発明の一般式(MI)以外);例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン色素;例えばアリーリデン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、オキソノール色素のようなメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素のようなカルボニウム色素、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系色素、例えばジオキサジン色素等のような縮合多環系色素等を挙げることができる。これらの色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであっても良く、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。なお、本発明の一般式(MI)の化合物を含有するインク組成物中には本発明でのインク析出試験を満足する範囲で他の色素を併用するものとする。
本発明のインクジェット記録方法に用いられる1つのインク(組成物)に使用するイエロー染料は、堅牢性、オゾンガスに対する堅牢性の点から、インクを反射型メディアに印画した後に、ステータスAフィルター(例えば、X−rite310TR濃測機)を通して反射濃度を測定し、イエロー領域における反射濃度(DB)が、0.90〜1.10の
点を1点そのインクの初期濃度として規定して、この印画物を、5ppmのオゾンを常時発生可能なオゾン褪色試験機を用いて強制的に褪色させ、その反射濃度が初期濃度の80%となるまでの時間(t)から求めた強制褪色速度定数(k)を(0.8=e-kt)から
定めたときに、該速度定数が5.0×10-2[hour-1]以下、好ましくは、3.0×10-2[hour-1]以下、更に好ましくは、1.0×10-2[hour-1]以下に制御される。
また、該イエロー染料は、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である染料が好ましく、1.1V(vs SCE)よりも貴である染料がさらに好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴である染料が特に好ましい。染料の種類としては、上記物性要件を満たすアゾ染料が特に好ましい。
一般式(Y1) A11−N=N−B11
式中、A11およびB11はそれぞれ独立して、置換されていてもよい複素環基を表す。
前記複素環としては、5員環または6員環から構成された複素環が好ましく、単環構造であっても、2つ以上の環が縮合した多環構造であっても良く、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。前記複素環を構成するヘテロ原子としては、N,O,S原子が好ましい。
リアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾイソオキサゾールが好ましく、キノリン、チオフェン、ピラゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾールがさらに好ましく、ピラゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イミダゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールが特に好ましい。
一般式(Y2)
ルキル基、カルバモイル基、アシル基、アリール基または複素環基を表し、R4は複素環基を表す。
一般式(Y3)
一般式(Y4)
ルオロメチル、3−スルホプロピル、および4−スルホブチルが含まれる。
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアラルキル基には、置換基を有するアラルキル基および無置換のアラルキル基が含まれる。前記アラルキル基としては、炭素原子数が7乃至20のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル、および2−フェネチルが含まれる。
R1、R2、R3、R5、R7、R8およびR9が表すアリールチオ基には、置換基を有するアリールチオ基および無置換のアリールチオ基が含まれる。前記アリールチオ基としては、炭素原子数が6乃至20のアリールチオ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールチオ基の例には、フェニルチオ基およびp−トリルチオが含まれる。
R1,R3,R5,R8が表すアルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシおよび3−カルボキシプロポキシが含まれる。
およびo−メトキシフェノキシが含まれる。
R8が表すアシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至20のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例には、アセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミドおよび3,5−ジスルホベンズアミドが含まれる。
R8が表すアルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノが含まれる。
R7,R8、R9が表すアルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2乃至20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
R8が表す置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
R2,R8が表すアシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1乃至20のアシル基が好ましい。前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチルおよびベンゾイルが含まれる。
先述のものと同じである。置換基としては、イオン性親水性基、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、アリール基、アルキルまたはアリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、およびアシルアミノ基等が含まれ、前記アルキル基およびアリール基等はさらに置換基を有していてもよい。
一般式(Y2−1)
ール基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アリールオキシ基またはアシルアミノ基を表す。それぞれの置換基はさらに置換していてもよい。
一般式(Y2−1)において、イオン性親水性基を有する染料が好ましくい。
ベタイン化合物を含有するインク中にはポリマー微粒子を含まないことが好ましい。
本発明に用いられる前記イエロー染料は、イオン性親水性基を有し、かつ実質的に水溶性のものである。実質的に水溶性とは、20℃の水に2質量%以上溶解することを指す。
本発明のインクジェット記録用ブラックインクには、まずλmaxが500nmから700nmにあり、吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅(Wλ,1/2)が100nm以上(好ましくは120nm以上500nm以下、さらに好ましくは120nm以上350nm以下)である染料(L)を使用する。
定機としては、たとえばX−Rite濃度測定機などを挙げることができる。ここで「黒」を濃度測定する場合、標準的な観察反射濃度としてDvisによる測定値を使用する。こ
の印画物を、5ppmのオゾンを常時発生可能なオゾン褪色試験機を用いて強制的に褪色させ、その反射濃度(Dvis)が初期反射濃度値の80%となるまでの時間(t)から強
制褪色速度定数(kvis)を「0.8=exp(−kvis・t)」なる関係式から求める。
本発明では該速度定数(kvis)が5.0×10-2[hour-1]以下、好ましくは3
.0×10-2[hour-1]以下、さらに好ましくは1.0×10-2[hour-1]以下となるようなインクを作製する。(条件1)
(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)3色の反射濃度(DR,DG,DB)も初期
濃度として規定する。ここで、(DR,DG,DB)は、(レッドフィルターによるC反射
濃度,グリーンフィルターによるM反射濃度,ブルーフィルターによるY反射濃度)を示す。この印画物を上記の方法に従って5ppmのオゾンを常時発生可能なオゾン褪色試験機を用いて強制的に褪色させ、それぞれの反射濃度(DR,DG,DB)が初期濃度値の8
0%となるまでの時間からも同様に強制褪色速度定数(kR,kG,kB)を定める。該3
つの速度定数を求めて、その最大値と最小値の比(R)を求めた場合(たとえばkRが最
大値でkGが最小値の場合、R=kR/kGである)、該比(R)が1.2以下、好ましく
は1.1以下、さらに好ましくは1.05以下となるようなインクを作製する。(条件2)
一般式(BK1)
A4、B4およびC4のうち少なくとも2つ以上は置換されていてもよい不飽和複素環基であることが好ましい。その中でも、少なくともB4、C4が不飽和複素環基の場合である。
一般式(BK1)で表されるアゾ染料は、特に下記一般式(BK2)で表される染料であることが好ましい。
一般式(BK2)
G41、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
R5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
また、R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
一般式(BK2)で表されるアゾ染料は、さらに下記一般式(BK3−1)及び(BK3−2)で表される染料であることが好ましい。
上記アシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。上記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。上記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換のアリールアミノ基が含まれる。アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。アリールアミノ基の例としては、アニリノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換基を有する複素環アミノ基および無置換の複素環アミノ基が含まれる。複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
基、3−ピリジンスルホニルアミノ基が含まれる。
以下の説明において、基、置換基は、既に説明したことが適用される。
一般式(BK1)において、A4,B4,C4は、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基(A4、C4は1価の芳香族基、例えばアリール基;B4は2価の芳香族基、例えばアリーレン基)または置換されていてもよい複素環基(A4、C4は1価の複素環基;B4は2価の複素環基)を表す。芳香族環の例としてはベンゼン環やナフタレン環をあ
げることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
置換基としてはアリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。従って、一般式(BK1)で表される染料には、トリスアゾ染料やテトラキスアゾ染料も含まれる。
また、A4,B4,C4の少なくとも二つは、好ましくは複素環基である。
素環基があげられる。C4が、下記一般式(BK4)で表される芳香族含窒素6員複素環
基である場合は、一般式(BK1)は一般式(BK2)に相当する。
一般式(BK4)
R5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。R5、R6で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げることができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していても良い。但し、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
A4、R1、R2、R5、R6、G41で表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換
基としては、上記G41,R1、R2で挙げた置換基を挙げることができる。また、A4,R1,R2,R5,R6,G41上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有
することが好ましい。
置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
ダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環を挙げることができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でも下記一般式(a)から(e)で表されるチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環が好ましい。なお、B4が(a)で表されるチオフェン環であり、C4が前記一般式(Bk4)で表される構造であるときは、一般式(BK1)は一般式(BK3−1)に相当することになる。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。ハメ
ット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange,s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。尚、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値が
ある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。また、本発明の一般式(1)または(2)の中には、ベンゼン誘導体ではないものも含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使
用する。本発明において、σp値をこのような意味で使用する。
基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、アリールスルホニル基(例えば
ベンゼンスルホニル基)を例として挙げることができる。
ハメットσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えば
アセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシ
ルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換さ
れたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、およびヘテロ環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2−ベンズイミダゾリル)を挙げることができる。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子な
どが挙げられる。
よびR6が共に水素原子であることは無い。
G41として、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
A4のうち、好ましくは芳香族基、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソ
チアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環であり、さらには芳香族基、ピリジン環、イソチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、最も好ましくは芳香族基、ピリジン環、ベンゾチアゾール環である。
B41およびB42が、それぞれ=CR1−,−CR2=であり、R1、R2は、各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
低い領域をカバーする染料と併用するのが一般的である。通常はイエロー領域に主吸収を有する染料や顔料と併用して、好ましい黒を実現する。イエロー染料としては通常使用されるアゾ色素、アゾメチン色素などに代表される直接染料や酸性染料等を使用することができる。顔料としては、ピグメント番号のついた一般的な顔料の水性分散物を併用することが可能である。中でも特に好ましいのは、先述した短波側染料(S)として、一般式(BK1)で表される染料を使用するのが好ましい。
ブラックインクでは、長波側の染料を少なくとも2種併用することもできる。
本発明のインクジェット記録用ブラックインクとしては、前記一般式(BK1)の染料をインク全体で0.2〜25質量%含有し、好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
ベタイン化合物を含有するインク中にはポリマー微粒子を含まないことが好ましい。
トロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83
、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243 、247
C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101
C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163
C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168 、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213 、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264 、270、280、288、289、291
C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199
C.I.アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131
、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397
C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126
C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110
、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227
C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112 、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260
、264、271、277、278、279、280、288、290、326
C.I.アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172
C.I.リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45
、49、55
C.I.リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34
C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42
C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38
C.I.リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34
C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48
C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71
C.I.ベーシックブラック8、等が挙げられる。
)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料が好ましく、特にフタロシアニン顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Blue 15:1、同15:2、同15:3、同15:4、
同15:6などの銅フタロシアニン、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、アルニウムフタロシアニンでは欧州特許860475号に記載の顔料、C. I. Pigment Blue 16である無金属フタロシアニン、中心金属がZn、Ni、Tiであるフタロシアニンなど、中でも好ましいものはC. I. Pigment Blue 15:3、同15:4、アルミニウムフタロシアニン)が最も好ましい。
5、同11、同22、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49:1、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同144、同146、同184)など、中でも好ましいものはC. I. Pigment Red 57:1、同146、同184)、キナクリドン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Red 122、同192、同202、同207、同209、C. I. Pigment Violet 19、同42、なかでも好ましいも
のはC. I. Pigment Red 122)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料
(好ましい例としてはキサンテン系のC. I. Pigment Red 81:1、C. I. Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39)、ジオキサジン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 23、
同37)、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC. I. Pigment Red 254)、ペリレン顔料
(例えばC. I. Pigment Violet 29)、アントラキノン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 5:1、同31、同33)、チオインジゴ系(例えばC. I. Pigment Red 38、同88)が好ま
しく用いられる。
総合アゾ系のC. I. Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155、ベンズイミダゾロン系のC. I. Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180など、なかでも好ましいものはベンジジン
系化合物を原料に使用しなもの)、イソインドリン・イソインドリノン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 109, 110, 137, 139など)、キノフタロン顔料(好ま
しい例としてはC. I. Pigment Yellow 138など)、フラパントロン顔料(例えばC. I. Pigment Yellow 24など)が好ましく用いられる。
この他、オレンジ顔料(C. I. Pigment Orange 13, 16など)や緑顔料(C. I. Pigment
Green 7など)を使用してもよい。
(1) 金属石鹸の性質と応用(幸書房)
(2) 印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
(3) 最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
(4) 米国特許5,554,739号、同5,571,311号
(5) 特開平9-151342号、同10-140065号、同10-292143号、同11-166145号
特に、上記(4)の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させ
て調製された自己分散性顔料や、上記(5)の日本特許に記載された方法で調製されたカプ
セル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
に記載のものを挙げることができる。また、分散剤を使用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナジストと呼ばれる顔料誘導体を添加してもよい。
本発明に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μの範囲であることが好ま
しく、0.05〜1μであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、界面活性剤を含有することができ、これにより、インク組成物の液物性を調整することで、インク組成物の吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインク組成物の滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモイニウムクロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。本発明では、なかでも、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤が好ましく用いられる。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタール酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸又はホスホンのエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類またはフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
、同52-46816号、同53-1520 号、同53-1521 号、同53-15127号、同53-146622号、同54-91325号、同54-106228 号、同54-118246 号、同55-59464号、同56-64333号、同56-81836号
、同59-204041 号、同61-84641号、同62-118345 号、同62-247364 号、同63-167357 号、同63-214744 号、同63-301941 号、同64-9452 号、同64-9454 号、同64-68745号、特開平1-101543号、同1-102454号、同2-792 号、同2-4239号、同2-43541 号、同4-29237 号、同4-30165 号、同4-232946号、同4-346338号等に記載されている。
上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用する。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。
て挙げたものも使うことができる。
ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することができる。これらのポリマーは−SO3 - 、−COO- を含有していることが好ましい。これらの実質的に水性媒体中に溶解しな
いポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量%以下で用いられることがより好ましい。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。例えば、インク組成物中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒子サイズ測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学」(室井宗一著 高分子刊行会)」119ページに記載がある。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用いることができる。
高圧ホモジナイザーは、米国特許4533254号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V
GAULIN INC.)、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等がある。
また、近年になって米国特許5720551号に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、DeBEE2000(BEE
INTERNATIONAL LTD.)があげられる。
例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、カートリッジにインクを充填する
間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。
高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162
、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
前記有機塩基としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アンモニウム等が挙げられる。また、前記有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホン酸等が挙げられる。前記無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。
本発明で用いるインクの表面張力は動的・静的表面張力のいずれも、25℃において20〜50mN/m以下であることが好ましく、20〜40mN/m以下であることが更に好ましい。表面張力が50mN/mを超えると吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ等印字品質が著しく低下する。また、インクの表面張力を20mN/m以下にすると吐出時、ハード表面へのインクの付着等により印字不良となる場合がある。
記録画像がにじむために品位が低下する。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162 〜174 頁に記載されている。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
支持体にそのままインク受容層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)でラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィンポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
過して各インク液によるインクジェット用インクセット101を調製した。
(インクセット101構成)
UR:尿素
DGB:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
TGB:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
DEG:ジエチレングリコール
TEG:トリエチレングリコール
GR:グリセリン
PRD: 2-ピロリドン
TEA:トリエタノールアミン(TEA)
PRX:プロキセルXL2(S) Avecia社製
SW:オルフィンE1010(ノニオン界面活性剤)
インクセット101に対して、下記の通りにSWを変更した以外は、全く同じ構成のイン
クセット102〜110をそれぞれ作製した。
受像シートは、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」に画像を印刷し、画像品質ならびにインクの吐出性と画像堅牢性の評価を行った。
(評価実験)
1)吐出安定性(吐出性)については、カートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのインクの突出を確認した後機械を止め、15℃30%RHの環境、さらに35℃90%RH の環境
にプリンターをそれぞれ240時間ずつ放置し、その後A4画像100枚を出力して、以下
の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
2)画像保存性については、印字サンプルを用いて、以下の評価を行った。
[1]光堅牢性は印字後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルックス)を7日照射した後、画像評価を行った。初期に比べて画像低下レベルが許容範囲のものをA、濃度低下は少ないものの、カラーバランスが崩れてしまったものをB、明らかに濃度低下して画像レベルが大きく低下したものをCとした。
[2]熱堅牢性については、80℃70%RHの条件下に10日間、試料を保存して、同様の評価を行った。
[3]耐オゾン性(O3堅牢性)については、オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボック
ス内に7日間放置し、同様の評価を行った。
3)高濃度部における印字品質(ブロンズ)の評価は、C,M,Y,B,G,R,Bkの7色が段階的に8段階純色で濃度変化した画像パターンをソフトウェア(Adobe Photoshop 7)で作製し
、このパターンを15℃80%RHの環境条件下印字することにより行った。
低濃度部から高濃度部まで、光沢ある印字画像が得られた場合をA、画像に不透明な部位が1〜3ヶ所認められた場合をB、4ヶ所以上認められた場合をCとした。
4)高湿条件下での画像のにじみについては、B,G,Rの3cm×3cmの正方形パターンが4つそれぞれ1mmの白地隙間を形成するように「田」の字型に並んだ印字パターンを作製
し、この画像サンプルを25℃90%RHの条件下、72時間保存後に白地隙間における染料のに
じみを観察し、印字直後に対する白地の濃度増加がステータスAのビジュアル濃度フィルターにおいて、0.01以下の場合をA、0.01〜0.05の場合をB、0.05以上の場合をCとした。
得られた結果を下表に示す。
本発明のインクジェット用インクおよびインクセットを、サーマル方式のインクジェットプリンターに使用しても同様の効果が得られた。
Claims (7)
- 少なくとも2種のインクからなるインクジェット用インクセットにおいて、少なくとも1つのインクにベタイン化合物を含有し、少なくとも1つの前記とは別のインクにノニオン界面活性剤を含有し、且つ前記インクセット中の全てのインクは、前記ベタイン化合物又はノニオン界面活性剤のいずれかと、イオン性親水性基を分子中に2個以上有し水溶性であるフタロシアニン染料又はイオン性親水性基を分子中に有し水溶性であるアゾ染料のいずれかを含み、且つ前記ベタイン化合物が下記一般式(5)又は一般式(6)で表される化合物であることを特徴とするインクジェット用インクセット。
(一般式(5)中、R 1B 〜R 3B は、置換されていてもよい炭素数1ないし20のアルキル基であり、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。Lはアルキレン基又はアリーレン基である。R 1B 〜R 3B もしくはLには炭素数1〜20のアルキル基が置換可能であり、また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、R 1B 〜R 3B もしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。R 1B 〜R 3B もしくはL中の少なくとも1つに、炭素数8以上の基を含有する。)
一般式(6)
(R) p1 −N−[L−(COOM 1 ) q ] r1
(一般式(6)式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Lはアルキレン基またはアリーレン基を表す。qは1以上の整数を表す。p1は0以上3以下の整数を表し、r1は1以上3以下の整数を表す。M 1 はアルカリ金属カチオンまたは水素原子である。但し、p1+r1は3である。p1が2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。) - 該ノニオン界面活性剤が下記一般式(2)〜(4)の各式で表される化合物の少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項1記載のインクジェット用インクセット。
一般式(2)中、R21は炭素数5〜40のアルキル基を表す。m1はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、2〜40である。
一般式(3)中、R22は炭素数5〜40のアルキル基を表す。m2はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、2〜40である。
一般式(4)中、R31、R32はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。R33は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基を表す。Xは水素原子、または
を表し、R34、R35はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基を表す。R36は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基を表す。m3、m4はそれぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、m3+m4は0〜100である。
ここで、m3=0のときR33は水素原子を表し、m4=0のときR36は水素原子を表す。またXが水素原子のときm3は1〜100を表す。 - 各インクにおけるベタイン化合物の添加量は、インク組成物中0.001〜50質量%であることを特徴とする、請求項1又は2記載のインクジェット用インクセット。
- 各インクにおけるベタイン化合物の添加量は、インク組成物中0.01〜20質量%であることを特徴とする、請求項3記載のインクジェット用インクセット。
- 各インクにおけるノニオン系界面活性剤の添加量は、インク組成物中0.001〜50質量%であることを特徴とする、請求項1又は2記載のインクジェット用インクセット。
- 各インクにおけるノニオン系界面活性剤の添加量は、インク組成物中0.01〜20質量%であることを特徴とする、請求項5記載のインクジェット用インクセット。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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